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2007年3月 9日 (金)

第54回 7年目5月「バトルスプラッシュ2015」

7年目(2015年)5月

「こんばんは、グローバルビジネスマイナーの時間です。今日の特集はいま女子プロレスが熱い!創立6年で新日本ドームを超満員にしてしまったSPZ、急成長の要因はどのへんにあるのでしょうか、ドーム大会の直前、密着取材を試みました」

5月頭の夜11時、テレビ関東の経済番組にまで取り上げられてしまった。オンエアにあわせて特訓で道場に残っていた小川ひかる、吉田龍子、南姉妹を誘って特集を見た。

まずはドーム大会に来たファンへのインタビューが流れた。

「2年目くらいから見てるけど、南さんカッコよすぎ。関節技にこだわった戦いぶりがたまらない」

「草薙みこと選手のファンです。あの凛とした感じがスキです」

「旗揚げの頃から見てますけど、小川選手の戦いぶりが印象に残りますね。あんまり強くないんだけど勝っても負けても感動する」

そのあとSPZ社長インタビュー。

「こちらがSPZの社長、IT業界から転進した今野社長です、社長、この団体がここまで大きくなった要因は何だと思われますか?」

「うーん、大きくなったって実感はないですねぇ、資金繰りがかつかつなのは変わらないし。しいて言えば、お客様に尽くすことを実践してきたのと、選手みんなの頑張りだとおもいます。私はそれをサポートしただけで」

にやけながらインタビューに応じる社長。そのあと取材はドーム大会直前のサーキット中、バス車内の映像になった。和気あいあいなシーンが流れる。

「SPZは自前での選手育成にこだわり、旗揚げ時を除いて他団体選手の引き抜きやフリー選手の獲得を一切行っていない。そういったなかで選手同士の縦の信頼関係が強く、それが激しい試合内容に反映されているようです」

「社長も興行に同行し、営業の第一線に立って選手の人気をチェック、このあたりにも人気の秘密がありそうです」

「午後3時、会場に到着。社長は黙々と売店スペースにグッズを並べています。社長、どうして自らグッズ売りの陣頭に」

「常連のお客さんは見るところは見ていて、旗揚げ以来私がグッズ販売をやっているのを知っているから、常連のお客さんに尽くすためにもグッズの販売の先頭に立つ。あとはグッズの売り上げは選手の人気のバロメーターなのでカード編成の判断材料になる。あとは少しでも多くの売り上げを稼いで、選手やスタッフに多くギャラを払ってあげたいから・・・かな」

「そして開場。物販コーナーに長蛇の列。『小川ひかるTシャツ2000円!~どうぞご利用くださ~い』ああ、社長が声だしてますねえ」

映像を見ていた南がボソッと笑う。

「社長、いまのはつくってるわね」

「午後6時半試合開始、内容は激しさ全開の投げ合い殴りあい極めあいが続きます。」

「あの・・・えっと・・・別に・・・いつもやってる事だから」

「チャンピオンの伊達選手は多くを語りません、しかし、SPZがここまで大きくなったのは、人を大事にする企業風土、それによって培われた選手同士の信頼関係の要素が大きいのではないでしょうか、今日の特集はいま女子プロレスが熱い!SPZ急成長の理由 でした」

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そしてドーム大会のバタバタも終わったが、今年は資金不足で「世界プロレスリングコミッション」に申請する選手定員、ライセンス数の拡張ができず、新人選手獲得は見送りとなった。もっとも選手寮「ニューはまかぜ寮」は3期生の上原今日子が退寮を許されたので、4期生の永沢舞、5期生の吉田と渡辺、6期生のハイブリッド(新咲はメキシコ修行中)の4人と、「電化製品が使えない2期生」草薙みことの計5人が暮らすのみとなった。上原が退寮したので、4代目の寮長には吉田が任命された。

5月シリーズ「バトルスプラッシュ2015」開幕戦は千葉幕張大会。メインは吉田、上原対伊達、沢崎の実力者4名のタッグマッチ。42分39秒の妥協なき死闘が展開。伊達の首を狙う吉田上原の猛攻をしのいだ伊達が沢崎にスイッチし、最後は沢崎がタイガースープレックスで吉田をフォール。1期生が意地を見せた。

第3戦の石川大会、ハイブリッド南対小川ひかるのシングルマッチ。終始ハイブリッドが圧倒し、小川も終盤よく粘ったが22分48秒、ギロチンドロップに力尽きた。

そして5戦目名古屋大会。セミファイナルは伊達遥対ナスターシャハンの「SPZ王者対EWA/AAC王者」のノンタイトル戦。伊達が手堅く打撃技で押していって勝利。

メインは草薙、小川のSPZタッグ王者に南姉妹が挑む。序盤5分くらい小川が南のスリーパーや腕ひしぎの猛攻をしのいだ後、草薙にタッチ。あとはちぎっては投げの草薙劇場。最後はハイブリッド南が草薙につかまってしまい、タイガードライバーで3カウントを聞いた。勝負タイム27分10秒。王者組が初防衛に成功。

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SPZタッグ選手権

○草薙みこと 小川ひかる(27分10秒 タイガードライバーからのエビ固め)南利美 ハイブリッド南×

第2代王者が初防衛に成功

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第7戦広島大会のメインはナスターシャハンのEWA王座にハイブリッド南が挑む「集客のために組んだ」タイトル戦。シングルのベルト初挑戦となったハイブリッド、ナスターシャにいたぶられて19分6秒、最後はネックブリーカーに破れた。

最終戦横スペ大会は「3大シングルマッチ」が組まれた。

セミ前は南対ナスターシャ・ハンの「関節技世界一決定戦」南が8分過ぎに繰り出したアキレス腱固めが極まってしまい、ナスターシャ屈辱のギブアップ負け。一昨日敗れた妹の仇を討った。関節のヴィーナス健在に沸く館内。

セミは上原対吉田の若手実力者同士の激突。負けたほうがSPZ次期挑戦の優先順位が下がってしまうのでお互い負けられない。SPZベルトをすでに2度巻いている吉田に経歴の上で遅れを取っている上原が猛攻。吉田もスプラッシュマウンテンやパイルドライバーで反撃するが単発。そして・・・

    ・・きょうの上原さん、気合いがいつもに増してすごい・・・

ジャーマン狙いは切り返したが、続いて上原が出してきたのは

ローキックでぐらつかせてから、上原の右足が高々と上がり、吉田の脳天にかかと落とし炸裂。

「ぐわぁーー」

吉田の視界がブラックアウトし、その場に崩れ落ちる。そのままカウント3を奪い上原が勝利。先輩の意地を見せた。

メインは伊達対草薙のSPZタイトル戦。もう何度目かわからないふたりの対戦だが、それでもファンの関心は尽きなかった。中盤までは基本技を小出しにしながらお互い手の内の読みあい。先に勝負をかけたのは伊達。

げしっ!

いきなり草薙の頭にSPZキック一撃。崩れ落ちる草薙、カウントは2.5。

しかしこれで草薙の闘争本能に火がついてしまった。

無心でフランケンシュタイナー、DDT2連発、そしてノーザンライト2連発。怒涛の波状攻撃が続く。最後のノーザン、草薙の肩が伊達のみぞおちに入ってしまい、伊達はノーザンを返す事ができなかった。勝負タイム36分39秒。草薙が13代王者に返り咲いた。

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2015年5月30日 横浜スペシャルホール SPZ世界選手権試合

草薙みこと(36分39秒、ノーザンライトスープレックスホールド)伊達遥

第12代王者が初防衛に失敗、草薙みことが第13代王者となる

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