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2007年3月29日 (木)

第71回 小川ひかるデビュー7周年記念試合

あらすじ:横浜に本拠地を置くお嬢様プロレス団体「SPZ(スーパースターズプロレスリング・ゼット)」は旗揚げ7周年を迎え、世界トップクラスの女子プロレス団体となった。

第2戦の新潟大会。スイレン草薙の相手は小川ひかる。このシリーズは6時半の女、保科が「写真集撮影」で不在なので新人の相手は不足しており、小川や南といったそこそこの選手が相手をせざるを得ないカード編成。小川もスイレンをスリーパーで軽くひねってからいきなりSTF。

「あああううう!」

えげつない絞り技に耐えるスイレン草薙だったが、

小川はなかなかギブアップしないスイレンにとどめをさそうと、STFの顔面のフックを頬から鼻の上をつぶすようにずらした。これにはたまらずスイレンギブアップ。4分48秒という短時間決着。

4戦目の岐阜大会、さすがに一方的に叩きのめされるカードを組み続けた今野社長が思い直したのか、スイレン草薙対マイトス香澄のシングルマッチを第1試合に組んだ。当然勝ったほうがプロ初勝利となる。スイレン草薙がスリーパーで体力を奪っておいてのドロップキックで初勝利を挙げた。

新人同士のカードは連日組まれ、6戦目の京都大会でマイトス香澄がお返しにドロップキックでプロ初勝利を挙げた。

京都大会メインは吉田、新咲対草薙、小川のSPZタッグ戦。小川が新咲、草薙が吉田を担当する戦法をとり、小川がSTFで新咲をあわやというところまで追い込んだが、意外にも草薙が吉田の前に押されっぱなしでダメージを重ねていって、最後は合体パワーボムで3カウントを奪われてしまった。王者組が3度目の防衛に成功。

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SPZ世界タッグ戦(60分1本勝負)

○吉田龍子 新咲祐希子(30分くらい、合体パワーボム)草薙みこと×小川ひかる

王者組が3度目の防衛に成功。

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「・・・吉田さんも粗さがなくなってきましたね」

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最終戦、旗揚げ7周年記念興行は新日本ドームでの開催。上原、伊達のスター選手看板を2枚欠いて観客動員が心配されたが、超満員札止め・5万人超の集客に成功。秋葉原にグッズショップ2号店をオープンさせるなどの営業努力、そして今日の「目玉カード」が効を奏したと社長は胸をなでおろした。

第1試合、渡辺智美対ドリュークライ。これは力関係からいってドリューの圧勝。

第2試合のタッグマッチは南利美、マイトス対沢崎、スイレンの新人と1期生を混ぜたカード。

うわー、こんなに早くドームで試合できるなんて・・・

マイトス香澄は恍惚の表情で三塁側ダグアウトから花道をリングへ向かった。

試合は新人二人が早々とスタミナ切れを起こしてしまったので、後半は南対沢崎のシングルマッチの様相になってきた。沢崎の勢いを返し技をまぜながら封じてゆく南。そして試合終盤両者がフラフラになったところで、再度出てきたスイレンに攻撃の的を絞る。

「カスミッ」

南の指示で前後からスイレンをはさんでー

ダブルラリアット。すかさず南が押さえ込んでカウント3。

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第3試合はハイブリッド南対秋山美姫。関節技が得意な両者の激突。最後はハイブリッドがかかと落としで秋山を仕留めた。その試合が終わると休憩になる。

********************

休憩明けの試合に出る小川が一塁側ダグアウト奥の控室で出番を待っているとー

「小川さん小川さん」

「あ、社長・・・」

「デビュー7周年おめでと。記念試合頑張って、あとこれ着てって」

渡されたのはブルーのロングガウンだった。背中に「OGAWA 7」とプリントされている。

「あ、ありがとうございます」

そして休憩明けー

バックスクリーンに映し出された文字は

「小 川 ひ か る デ ビ ュ ー 7 周 年 」

 そう、旗揚げ7周年ということは旗揚げメンバーの小川もデビュー7周年。ここでブルーのレーザー光線が飛び交う中を、ロングガウンに身を包んだ小川が花道に姿を見せる。そしていつものテーマ曲「マイティ・ウイング」会場大盛り上がり。7年前横浜赤レンガ会場でデビューした15歳の少女は、挫折、そして努力を繰り返して中堅レスラーの座を掴むにいたり、AACジュニアやSPZタッグのベルトも巻くに至った。

その温厚で人あたりのいい性格は団体の皆の心をまとめ、SPZを今日の隆盛に導くに至った。伊達や南のようなファンをうならせる力も技量もない小川、しかし等身大、精一杯のファイトが多くのファンの胸を打ち、いつしか大声援が飛ぶようになった。そして7周年の今日。小川ひかるは新日本ドームのセミ前のリングへ向かう。古くからのファンには泣いている人もいた。

試合に先立ちセレモニー。(試合後だと悲惨な負け方をした場合・・・というのがある)京スポ新聞若林氏が表彰状を朗読。表彰状と記念の盾、今野社長兼リングアナから金一封が贈られた。そのあと対戦相手のマリア・クロフォードが入場。彼女も常連外人だが、きょうは圧倒的ベビーフェースの小川のメモリアルマッチなので、ヒールをやるつもりでいた。

青コーナー、イギリス出身、マリアー、クロフォーッ!」

赤コーナー、長野県松本市出身、おがわー、ひかるー!」

大量に舞う青い紙テープ。リングに大きな花が咲いた。

しかし対戦相手のクロフォードも遠慮なくステップキックやアキレス腱固めで小川を「ゆっくり、たっぷり」いたぶってゆく。場内にひびくオガワコール。しかし試合中盤、形勢が逆転したのはー

「関節の悲鳴を聞きなさい!」

小川のSTFがリング中央で決まる。ドームは異様な雰囲気に包まれた。2分ほど耐えてクロフォードが振りほどいたが、もう一度アームホイップで投げてからSTF。館内がウワァァと、みんなが小川の勝利を願って、言葉にならない歓声を上げる。しかしクロフォードも耐え切った。

クロフォードがフラフラの状態だが、アキレス腱固め、スクラップバスターで反撃する。これを受けきった小川が、3度目のSTF。

しつこいくらいに顔面を絞め続けられて、クロフォードも痛みに根負けしてギブアップの言葉を吐いた。その瞬間、新日本ドームは一つになった。勝負タイム26分31秒。この選手の試合はよく長引く。

「みなさん、応援ありがとうございます!」

一礼して花道を引き揚げる小川、こうして小川の7周年メモリアルマッチは白星で幕を閉じた。

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小川ひかるデビュー7周年記念試合 30分1本勝負

小川ひかる(26分31秒、STF)M・クロフォード

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セミファイナルは永沢舞、新咲のコンビに、ナスターシャ・ハン、ユーリスミルノフのEWA勢が激突するカード。新咲がローリングソバットでスミルノフを仕留めた。そしてメイン。

王者吉田龍子対挑戦者草薙みことのSPZタイトルマッチ。

力押しで攻めてくる吉田には最近、草薙は分が悪い。力のこもったラリアットやDDTを受け続け、徐々に草薙の身体から力が失われていった。試合後半に放ったニーリフトで草薙がマットに這いつくばる。

―今だ。

吉田が草薙を抱えあげてプラズマサンダーボム。これはカウント2.5でクリアした草薙だったが、続くスプラッシュマウンテン。これを草薙は返せなかった。第17代王者、吉田が初防衛に成功。勝負タイム19分8秒。

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SPZ世界選手権試合(60分1本勝負)

吉田龍子(19分8秒、スプラッシュマウンテンからのエビ固め)草薙みこと

第17代王者が初防衛に成功

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コメント

はじめまして。流と申します。
リプレイ全部読ませていただきました。
面白いんですがひとつ気になることが。
小川選手お好きなのはわかるんですが、ここまでやると現実のプロレスによくある社長とヒールレスラーが組んでやりたい放題、に見えてしかたないっすw
リアルの関係はともかくプロレスのアングルから言うと間違いなくヒールのストーリーですよこれw

流さまはじめまして、八王子のkonnoです。
リアルのプロレスは全日本(男)しか見ていませんのでなんとも言えませんが、今回のリプレイはちょっとだけ旗揚げメンバーの小川さんをヒイキしています。現実にこんなことやったら団体つぶれるのでしょうが。でも小川さんは弱いのでシングルではメインに出すことができませんしタイトル戦線にも絡ませられないです。

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