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2007年3月 3日 (土)

第48回 6年目1月 新春バトル・カデンツァ

年が明けて2015年、今年の新春バトルカデンツァは例年に比べ早いスケジュール、1月3日の後楽園プラザから始まる。沢崎光と小川ひかるはそれぞれ負傷のため欠場。

井上霧子レフェリーがリング上から挨拶。

「あけましておめでとうございます。本年もSPZを宜しくお願いいたします。本日はまだ正月なので、おとそ気分の入ったヌルいバトルを展開いたしますので最後までご観戦ください」

もちろんこれは「お正月のあいさつ」なので第1試合の保科対渡辺戦から熱い試合が展開。メインは草薙みこと+南姉妹に、ナスターシャ・ハン、ユーリ・スミルノフ、ドリュー・クライのEWA軍がぶつかる6人タッグマッチ。

いまのSPZの日本人選手は、南姉妹プラス草薙小川の「関節地獄プラス草薙連合」と秋山伊達沢崎の「一期生連合」吉田永沢富沢の「若手軍団」の3つに大別される。その中でも最も人気が高いチームが今日はメインを担当。最後は南と草薙のダブルラリアットが決まりスミルノフにフォール勝ち。

「社長、1回くらい沖縄で興行やってくださいよ」

上原今日子に何回か言われていたのだが、沖縄はバスでは行けないので興行を打ったことはなかった。しかし、トップの一角にまで成長した上原選手の地元凱旋がないのも可哀想な話なので、1月6日、ついに沖縄興行を断行した。テレビ放映もなく知名度が低いエリアなので観客動員を心配したが、4000人収容の会場は満員になった。しかしメインは上原対ナスターシャ・ハンのシングル戦。前月5分で失神させられた因縁の相手だ。前回の恐怖を振り払うように挑んでいった上原、しかし19分46秒、またもリング中央でドラゴンスリーパー。

やばい意識が薄れてゆく・・・

上原はギブアップするしかなかった。

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5戦目の神戸大会。メインで組まれたのはスミルノフ、クライのEWAタッグ王者に南姉妹が挑むタイトルマッチ。ハイブリッドも一流のレスラー相手ならともかく、それなりのレスラーとは対等に渡り合えるようになってきた。

試合終盤、ハイブリッドがドリュークライを場外乱闘にうまく誘い、そのすきに南が裏投げから飛びつき腕ひしぎと決めてスミルノフからギブアップを奪った。南姉妹がベルト戴冠。

「南さん、姉妹でベルトを巻いた感想を聞かせてください」

南姉妹の周りに記者が群がる。

「あ、まあ、悪くはないわ。つぎはSPZタッグのベルトを狙いに行くわ」

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第7戦名古屋大会は集客のためだけにメインで「ナスターシャ・ハン対秋山美姫」のEWA選手権が組まれた。いちおう「SPZのベルトを巻いたことのある人は海外団体のベルトには挑戦させない」不文律があるので、こんかいは秋山が挑戦。24分のいい試合の末、ハンがまたもジャンピングニーで防衛に成功。

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最終戦は横スペ(横浜スペシャルホール)大会。本拠地大会なので超満員札止めの盛況。

3試合目からテレビ用のカメラが回り始めた。

「解説は小川ひかる選手です。小川さん、今シリーズは欠場となりましたが、足の故障はどうですか?」

「軽傷ですから、翌月には復帰できます」

「さてリング上はハイブリッド南対ウィン・ミラーのシングル戦。あー南がアキレス腱固めを仕掛けた、足を攻めようという作戦でしょうか」

「森さん、ちょっと待ってください、ミラー選手の様子が」

小川ひかるがテレビ関東の森アナに異変を指摘する。

「ウ、グアアアアアア・・・」

アキレス腱固めが入ってしまったのか、突然痛がり出すミラー。

「あーっと、ウィン・ミラーが痛がり出した。アアこれは入ってしまったか、あーここでミラーギブアップした。試合終了」

「小川さん、ハイブリッド選手も成長していますね~」

「・・ええ、あのアキレス腱の決めかたはもう一流レスラーのそれです。やはりあの南選手の指導を連日、受けてますから」

「そ、それは強くなりますね、」

森アナウンサーが苦笑。ここで休憩。

・・・うわー、ハイブリッドさん、姉の南さんみたいなワザ師のオーラが出てきた感じ。

放送席で小川は感じた。

休憩明けの試合は草薙対ユーリ・スミルノフのシングル戦。草薙が終始おちついてスミルノフにダメージを与え、10分ほど、最後はボディプレスで完勝。

セミ前は吉田、永沢対チョチョカラス、ドリュークライの対戦。永沢がひとり格落ちのクライをJOサイクロンで仕留めた。

セミは久々実現の南対ナスターシャ・ハンの関節世界一決戦。南が腕を狙えば、ナスターシャは足を狙ってくる。壮絶な極めあいを制したのはナスターシャ・ハン。アキレス腱固めで南からギブアップの言葉を吐かせた。

メインは伊達のSPZ王座に上原が挑む。控室のモニターで上原はずっとセミの試合を見ていたが、南がギブアップするや軽くストレッチを始めた。

相手は伊達さんだ。勝ったことはないけど、力尽きるまでやる。

「・・・シャ、いくぞっ!」気合いを入れてから上原は控室のドアを開けた。

序盤から中盤は絞め技を中心とした互角の攻防。しかし先に勝負に出たのは伊達。前触れもなく上原の頭にSPZキック。上原が頭を押さえて立ち上がったところへ組み付いて腹に殺人ヒザ魚雷。

    ・・まだだ、まだやれる・・

上原も必死の思いで脇固めで反撃、しかし続くフランケンシュタイナーが腹に力が入っていないせいかパワーボムで返される。ブレーンバスター2連発で追い込むもそこまでで、伊達が隠し技のSTO。直後のフォールはカウント2.8で返した上原だが、フラフラと立ち上がったときー、

再度の殺人ヒザ魚雷炸裂。衝撃で上原の身体が浮き上がってしまう。腹筋の装甲をものともせず、魚雷は上原の戦意を根こそぎ奪い去った。すかさず押さえ込んでカウント3。伊達強い。

「51分37秒、殺人ヒザ魚雷からの片エビ固めで、伊達遥の勝ち」

館内に響き渡る上原ファンのため息と伊達ファンの声援。ベルトを巻いてファンの声援に応える伊達。ぐったりとした上原は渡辺と保科に抱えられながら控室へ戻った。

「うっ、くーっ、勝て・・・なかった」

上原は控室で涙を流した。

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SPZ世界選手権試合

○伊達遥(51分37秒、殺人ヒザ魚雷からの片エビ固め)上原今日子×

第9代王者が初防衛に成功

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