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2007年5月24日 (木)

第125回 小川ひかるの最終

あらすじ

横浜戸塚に本拠地自社ビルを構えるお嬢様プロレス団体「SPZ」は旗揚げ10年目を迎え、団体の苦しい時期を支えた名選手がぞくぞくと引退。そしてついに、SPZの今野社長が「溺愛」していた小川ひかるが引退を申し出た。実力はともかく人気の高い選手だったので、ドーム級の会場をまわった引退シリーズは大盛況。そしていよいよ最終戦、横浜スペシャルホール大会。

オープニングマッチ、リック・アストリーの「Together Forever」がかかり、新人のビーナス麗子がリングへ。そのあとバナナラマの「第一級恋愛罪」が流れ、渡辺智美がリングイン。序盤はビーナス麗子も打撃技でよく攻めたが、受けきった渡辺が盛り返し、

「はああーっ!」

気合いのこもったヘッドバット。可愛い顔してこんな技を出してくるところが彼女の魅力である。これで大ダメージを負ったビーナス麗子。最後はアームホイップで投げ飛ばされてカウント3が入った。

続く第2試合、「oblivion」が流れる中、新人のギムレット美月が入場。そして「sky was g-ray」が流れる中、ガイア小早川が入場。序盤、一方的にガイア小早川が押して、フェイスクラシャー2連発でカウント2.9までギムレットは追い込まれたが、じわじわとスリーパーで盛り返し、最後はタックルで逆襲して、先輩のガイア小早川から初白星を挙げた。勝負タイム8分2秒。

第3試合、「ムーンリベンジ」に乗って富沢レイ入場。2期生で固定ファンが多いので場内は大歓声。相手はAACの新鋭、ドスカナ・リブレ。富沢もスリーパーを軸に攻めていったが、ドスカナが若さあふれる跳躍力とスピードで攻めていって、最後は強烈なヘッドバットでカウント3を奪った。勝負タイム15分16秒。頭を押さえて引き揚げる富沢。ここで15分の休憩。

小川ひかるは控室奥の更衣スペースでリングコスチュームに着替えた。そのあとリングシューズを履き、紐を通す。

ふぅ、これを履くのも、きょうで最後なのね・・・

ここで今野社長が控室までやってきた。

「小川さん、ちょっとだけいい?」

関係者通路の奥で社長が二言三言、声をかける。

「最後の試合、まあ楽しんでください。で、またガウン作ったから着てって。あと、・・・うーん、まーそのなんだ、私もあと1年くらいしたら社長辞めるから。お互い『ただの人』に・・・なったら・・・会いに行くよ。」

「・・・はいっ、わかりました。頑張りますっ!」

そして社長が後半のアナウンスのため本部席へ取って返す。

小川ひかるは笑顔で社長を見送った。

*******************

休憩明けの第4試合は外人選手同士のタッグマッチ。ウェインミラー、ジョーカーウーマン対エレン・ロレンのニールセン一族。実力が拮抗している中堅外人の対決に場内は沸いた。最後は19分17秒、ジョーカーがニーリフトでロレンを仕留めた。

次の試合、ナターシャ・ハン、ドリュークライのEWAトップ2と対戦するのが上原今日子、スイレン草薙組。上原今日子のテーマ「Disintegration」に乗って入場する上原スイレン。試合の方はまた好勝負。ドリューがものすごい掌底のラッシュ。スイレン草薙、たまらず上原にタッチ。上原がいつも以上の身のこなしで外人組にフランケンシュタイナーを繰り出す熱いファイト。最後はスイレン草薙にタッチし、ドリュークライを捕まえて、

合体パワーボム!これでドリューから3カウント。18分11秒の熱戦。コーナーに上がって勝利をアピールする上原今日子。

「小川さん、第5試合終わりました」

セコンドのギムレット美月が告げる。

「はい、わかりました」

小川ひかるがきょう、社長から貰った「最終戦限定ガウン」を羽織る。青いロングガウンだが、背中には穂高連峰をバックにした上高地の油絵がプリントされている。

小川ひかるが花道奥へ移動。

「上原さん、スイレンさん、ナイスファイト」すれ違う上原とスイレンに声をかける。

「小川さん、頑張ってください」

    ****************

「つ、次の試合に登場する、小川ひかる選手は、この試合が最後の、試合となります。ファンのみなさま、より一層のご声援を、お願いいたしますっ。」

今野社長が震える声でアナウンス。

場内またもウォーと沸く。

まずはクレイダーマンの「恋はピンポン」がかかり、マイトス香澄が入場。8期生のマイトスは小川より7つ年下の17歳。

マイトスが長い花道を走ってリングイン。もうこの段階で満員のファンは出来上がっていた。

そして、この9年間、小川ひかるの入場時にかかっていたトップガンの映画音楽、「マイティ・ウイング」がかかる。赤コーナー側花道にロングガウンを着た小川の姿が。多くのファンに愛された名レスラーが花道を最後のリングへ向かう。

館内ものすごいオガワコール。

小川ひかる、表情は平静を装っているが、内心はどうやってきょうの相手と渡り合おうかと考えていた。

マイトス香澄さんは革命軍に入ってからメキメキと力をつけていて、投げ技いっぱいもらったら勝てないから、自分のプロレスを信じてやるしかないか・・・

ものすごいオガワコールでテーマ曲もかき消された。長い花道を歩き、階段を上がり、セカンドロープをまたいでリングイン。

第6試合、シングルマッチ30分1本勝負を行います。青コーナー、

東京都江戸川区

出身、マイトスー、かすーみー」

マイトス香澄はきちんと一礼。

一呼吸置いて今野社長が、

赤コーナー、

長野県松本市

出身、おがわー、ひかーるー」

泣きそうな表情で、万感の思いを込めてコール。

ワアアアアアア!

ものすごい量の青い紙テープが投げ込まれた。小川とマイトス、リングアナ今野社長、レフェリー井上霧子は青い雪崩に埋まった。セコンド陣総出で片付け。

そのあと井上レフェリーのチェック、そして井上霧子は本部席の今野社長にゴング要請のサインを送った。

「ファイッ!」

今野社長がゴングを一打。午後8時20分、小川ひかるの最後の戦いが始まった。

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