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2007年5月18日 (金)

第119回 絶対王者が止まる時

10年目6月

6月は恒例のSPZクライマックス予選会。だが、今年は団体内実力ベスト8(吉田H南永沢新咲スイレン上原伊達草薙)とそれ以下のグループとの間(小川富沢マイトス渡辺・・・)で実力差が開きすぎているので、予選会をやっても結果が見えているので今野社長は予選会を実施しないことも考えたが、若手中堅選手にチャンスを与えなくてはならないのというのと、8月の本大会出場権を確保している伊達草薙が「引退するかも知れない」予感があったので、小川ひかる・マイトス香澄・富沢レイ・渡辺智美の4人で「中堅選手リーグ戦」を行い、上位2名を来月7月に、シード権のないスイレン草薙と上原今日子にシングルマッチで当てて、勝ったほうを本大会出場という変則的な形にした。

そして6月シリーズ「エキサイティングSPZシリーズ」開幕。初戦の沖縄大会。

第2試合が小川ひかる対富沢レイの予選会リーグ戦。すでに両者ベテランの域に入っており能力減衰が著しい。試合はのっけからスリーパーホールドの応酬という地味な展開。小川のエルボーで富沢、鼻から出血。しかし1期若い富沢がローリングソバット連発で小川を追い込んでゆく。しかし・・

「これは、どう?」

早めに勝負に出た小川が逆片エビ固め、ストレッチプラムとたたみかけて富沢からギブアップを奪い1勝。

次の試合も予選会、渡辺智美対マイトス香澄の一戦。渡辺がグラウンドでねちっこく攻めるが、マイトス香澄が投げ技に活路を見出し、最後は見事なジャーマンでカウント3を奪った。

沖縄大会の後半に「3大シングルマッチ」が組まれた。上原の地元とはいえSPZの人気がそれほどでもない地区はテコ入れでシビアなカードが組まれる。

セミ前は草薙みこと対ハイブリッド南。草薙ただやられるだけ。ミサイルキックやジャーマンなど、ハイブリッドの技が面白いように決まっていく。草薙も最後の力を振りしぼって草薙流兜落としを決めたがそこまでで、続くボディプレスを自爆。起き上がったところにミサイルキックが飛んできて3カウントを奪われた。この程度の技であの草薙みことが沈むとは・・・

セミは吉田龍子対新咲祐希子。ここで大波乱。試合後半、新咲の必殺ぶん投げジャーマン炸裂。これで動きの鈍った吉田、プラズマサンダーボム2連発で反撃するも決め手にならず、最後は新咲がシャイニングウィザード、キャプチュードとたたみかけて、絶対王者・吉田からカウント3奪取。

えええええええ!

館内騒然。ノンタイトル戦だったからベルトの移動はないが、吉田の「シングル戦でのフォール負け」は一昨年の8月以来の出来事である・・・

メインは地元凱旋の上原今日子がEWAの超新星、ナターシャ・ハンと対戦。

ナターシャはあのナスターシャ・ハンと同じロシア・キーロフの出身で、コマンドサンボをかじった事があり、目をつけたEWAがナスターシャの後継者にしてしまったという将来性ある16歳。しかしこの日は地元凱旋で燃えている上原、ドラゴンスリーパーで弱らせてからのニールキックで激勝。

第2戦は浜松大会。第2試合で小川ひかる対マイトス香澄の予選会。マイトスが革命軍の誇りとSPZタッグ王者になった自信を胸に、小川をガンガン投げ飛ばしてゆく。

「はぁっ!」

マイトスのノーザンライトが決まる。カウント2.5で返す小川。

「たぁっ!」

マイトスのバックドロップが小川の頭をマットに激突させる。カウント2.8で返す小川。懸命に小川もステップキックで反撃するが、続くマイトスの体当たり気味のタックルでカウント3を聞いた・・・・

    ・・小川さんに、勝てた!!

リング上で喜びを爆発させるマイトス香澄。ハイブリッドさんに誘われて革命軍に入ってから、いい事が続いている・・

がっくりと肩を落とし引き上げる小川。

次の試合は渡辺智美対富沢レイ。両者ともに極め技を得意とするので地味な攻防が続き、22分34秒の熱闘の末、富沢がストレッチプラムでギブアップ勝ち。富沢が1勝1敗、渡辺は2敗。

浜松大会のセミ前、今野社長がマイクでひと声。

「ただいまより伊達遥デビュー9周年記念試合を行います!」

野外会場なので電光掲示板によるど派手な演出はないが、場内は沸いた。

短命の女子レスラーが9年も選手生活を続けられるというのは僥倖である。「宇宙の皇女」のテーマ曲が響く中、伊達遥が入場。リングインした後、京スポ新聞若林記者から賞状と金一封の贈呈。

対戦相手はAACのドスカナ・リブレなので、伊達がまず勝てるマッチメイクだ。

「赤コーナー、

宮崎県都城市

出身、だてー、はるーかー」

伊達遥、さすがに往年の凄みはないが、それでもスキのない戦いでドスカナを追い込み、最後は「伊達の代名詞」殺人ヒザ魚雷が炸裂しドスカナを撃沈。

第3戦は四日市大会。第2試合で小川ひかる対渡辺智美の予選会リーグ戦。ロングマッチになったがやはり関節技絞め技なら小川のほうが2・3枚上手で、24分30秒、伝家の宝刀STFで勝利。2勝1敗で予選会を終えた。

続くマイトス香澄対富沢レイはマイトスの動きについていった富沢がタックルで勝利。小川、マイトス、富沢の3人が2勝1敗で並んだ。

第6戦滋賀大会、メインは吉田龍子対新咲祐希子。沖縄大会で不覚をとった吉田は叩き潰して、先日のの敗北はまぐれだったと実証しておきたいところであった。

しかし中盤までは互角の戦いをやってのけた新咲、フェイスクラッシャーであと一歩まで追い込むが、ここで吉田が底力。スプラッシュマウンテンで意識を持っていって、さらにパイルドライバー2連発で新咲を完全に沈黙させる。これで試合は終わった。24分36秒の激闘。

「ゆっこも・・・強くなってきたね」

第7戦和歌山大会のメインはハイブリッド南・マイトス香澄対富沢レイ・永沢舞のSPZタッグ選手権。ハイブリッドがサイボーグっぷりを見せつけ永沢を追い込むが、攻め疲れたのかマイトスにタッチするなり状況が一変。

「香澄には悪いけど、ベルト貰っちゃうよ~」

永沢怒涛の投げ技攻め。1~2分でマイトスが叩きのめされてしまう。最後はカッコよくムーンサルトでカウント3。これで王座移動。

______________________

SPZタッグ選手権試合(60分1本勝負)

○永沢舞、富沢レイ(20分くらい、ムーンサルトプレスからの体固め)ハイブリッド南、マイトス香澄×

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富沢レイは泣いていた。もう「残り少ないレスラー生活」だと本人も自覚しているのだが、きょうはハイブリッドとうまくやりあっただけでタッグベルトが転がり込んできた。

「舞ちゃん、ありがとーう!」

泣きながら永沢と抱き合った。

************************

最終戦はさいたまドーム大会。

第4試合は草薙みこと、上原今日子、小川ひかる対伊達遥、スイレン草薙、富沢レイの6人タッグマッチ。この試合、伊達がハッスルして上原をSPZキック、草薙を殺人ヒザ魚雷で潰しにかかる。残ったのが小川ではもうどうにもならない、と思われたが、小川が自信満々でタッチを受けて出てきた富沢をSTFで延々痛めつけて、上原にスイッチし、上原草薙の合体パワーボムで勝利。

こんかいのさいたまドーム大会も3大シングルマッチ。

セミ前はハイサスカラス対ナターシャ・ハンの強豪外国人対決。ハイサスカラスがミサイルキックでナスターシャを沈めた。

セミファイナルは永沢舞対新咲祐希子、良く攻めた新咲だったが、最後は永沢が先輩の意地を見せ、JOサイクロン→ムーンサルト→キャプチュードと怒涛の猛攻を見せて新咲を振り切った。

そしてメイン、吉田龍子対ハイブリッド南のSPZ選手権。

青コーナー側から紫のロングガウンに身を包んだハイブリッド南が入場。そのあと花道に赤いスポットライトが。館内ウォォォの大歓声。

吉田龍子、16度目の防衛なるか。いつものように吉田龍子、黒いロングガウンを羽織って入場。腰にはSPZのベルトが巻かれている。一昨年、8年目の秋から彼女はこのベルトを他人に渡していない。

「えー、この試合は、スーパースターズ、プロレスリング、ゼットがえー、認定する世界選手権であることを、えー、認定する。2018年6月22日、えー、SPZコミッショナー今野和弘、代読、京スポ新聞、若林太郎。

「続きましてチャンピオンベルトの返還です」

「ほいよ。」吉田は自分でベルトを外して若林立会人に渡す。若林はベルトを高く掲げて四方の観客席に見せてから、リングを降りて本部席に陣取った。シリーズ最終戦の日常風景だ。

しかし今回はハイブリッド南が王座奪取へ内なる炎を燃やしていた。

ーなんとしても、姉さんの巻いたベルトを獲る。吉田さんのパワーをうまくやり過ごしていけば必ず勝機はある・・・

20分くらいまでは両者ほぼ互角の展開。焦れた吉田がラリアットの乱打で試合の流れを引き寄せようとするが、ハイブリッドも冷静に関節技ベースで試合を組み立て、試合後半はリング中央でサソリ固めを何度も執拗にかけつづけて吉田に大ダメージを与える。

懸命にロープに逃れる吉田龍子。館内は異様な興奮にざわめく。2ヶ月前はあっさりと勝った吉田龍子、今回は同じ相手に大苦戦している。でもまさか吉田がタイトル戦の大舞台で敗れることはないだろう。いやでもひょっとしたら・・・

そしてついに、記録が途切れるときが・・・

「おうりゃぁああ!」

吉田龍子、力のこもったブレーンバスター、そのあと続けざまにギロチンドロップ懸命に流れを引き戻そうとする吉田だった。が、

ハイブリッド南はサソリ固めを延々かけ続けられた吉田が足を少し引きずっていたのを見逃さなかった。タックルで倒すやそこを突いてのアキレス腱固め!

「あ、ぐああっ!」吉田の痛がり方は尋常ではない。

これで決まるのかー

館内ワアアアという大歓声とウワアーという悲鳴とオオオオとどよめきがとどろき渡る。井上レフェリーがマットに這って、吉田に「ギブアップする?」と確認する。しばらくこらえた吉田だったがー

「ギブアップ」

右足を完全に極められ、激しい痛みに耐えかねた吉田はここで負けを認める言葉を吐かざるをえなかった。

「48分48秒、アキレス腱固めでハイブリッド南の勝ち」

館内大歓声。紫色の紙テープが乱舞。

「あー、吉田龍子がついに止まった~!」大日本テレビ高原アナウンサーが絶叫。

ーデビューしてから4年すこし、やっと頂点に立てた・・・・

アキレス腱固めを解いてリング上で大の字。まだ紙テープが飛んでくる。セコンド陣が上がってくる。羽山リングドクターがはじめて吉田のほうへ行って足の様子を確かめている。

ーあたし、勝ったんだ。

伊達さんや草薙さんを越えても、吉田龍子という存在が高い壁となっていてトップを張れなかったが、ようやく、やっとたどりついた・・・ハイブリッドの目から涙が零れ落ちた。場内はものすごいミナミコール。

マイトス香澄がベルトをハイブリッドの腰に巻く。打倒吉田を掲げて革命軍を結成してから半年での壮挙であった。

敗れた吉田龍子。「羽山さん、あたし、痛がりだからギブアップしただけ、足はなんともないよ」セコンドが肩を貸そうとするのをやんわり断って、ハイブリッド南にいっせいにフラッシュがたかれる中、痛む足を引きながら足早にサバサバとした表情で花道を引き揚げた。

敗れたとはいえ一昨年9月から21ヶ月にわたってベルトを保持し続け15回の防衛を成し遂げた。その間、彼女なりにトップの重圧、ベルトの重みに耐えてきたが、今回手放して変な話ホッとしていた。前半は伊達草薙上原といったもう一花咲かせようとしてくる先輩方を振り切り磐石の態勢を築いたが、後輩の6期生がひたひたと迫ってきて今回はやられてしまった。

ーまあいいや。ハイブリッド南、次やる時は叩き潰してやる。

そう思いながら吉田は控室でシューズの紐を解いた。

________________________

SPZ世界選手権試合(60分1本勝負)

ハイブリッド南(48分48秒、アキレス腱固め)吉田龍子

第20代王者が16回目の防衛に失敗、ハイブリッド南が21代王者となる。

_______________________

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コメント

 おお!やはりハイブリットでしたか。
だけどリベンジされそうな予感・・・

N様こんばんわ。
このあとSPZマットは再び「天下は回り持ち」状態になり、
社長は信頼度80確保に声をかけなければならないのでした・・・絶対王者がいたほうが運営しやすいのですが・・・

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