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2007年9月30日 (日)

第221回 15年目12月 夢のマスターズ戦(上)

レッスルエンジェルスサバイバー 
プレイ日誌のようなもの
輝くエッセンシャル
「15年目12月 夢のマスターズ戦」

(この回と次回は完全妄想作話ですの。)

****************************

始まりはSPZフロント陣、元選手の雑談だった。

「年末というのにうちらはボーナスないんですね」(吉田龍子)

「・・・まあ、うちは興行会社だから、単月で儲けなけりゃだめなんですよ。」(今野役員)

「しかしまあ年末年始は何かとお金が出て行くんですよ、ちょっとでも出ないっすかね」

現役をやめたとたん収入が激減した吉田龍子が要望。

「ふふふふふ、いい手を考え付いたわ・・・私も酒代に困っていたところなのよ。ひさびさに青春の血がたぎってきたわ。あたしたちは現役を退いたとはいえレスラー、身体を張って稼げばいいのよ」

井上霧子社長代行の目がキラーンと光った。

「・・・そうか、その手があったか!」

「あの、私はただの人なんですけど」

*********************************

2023年12月22日、後楽園プラザ。いつものSPZのリングが中央に置かれていた。

カン、カン、カン、カン、カン・・

「メリー・クリスマス」

リング上で井上霧子が挨拶。

「本日は、年末のお忙しい中、SPZマスターズ自主興行、ストリートファイト2023にお越しいただきましてありがとうございます」

(チケットは破格の2,000えん)

「なお、本日出場する選手は、いずれも元プロレスラーであり、現役を離れてから数年を経過しておりますので、技のかけ方は忘却しておりますし、私ども実行委員会と致しましても怪我でもされたらうまくありませんので、頭から投げ落とす攻撃は禁止と致しました。」

(場内笑い)

「なお、本日の興行は株式会社スーパースターズプロレスリングゼットは無関係であります。このイベントの権限と責任のすべてはわたくし井上霧子個人にあります。この興行の収益は50%は福祉施設に寄付致します。残りの50%は井上の飲み代とさせて頂きます」

(場内失笑)

それではさっそく第1試合を始めたいと思います。

この日はカード、そして誰が出るかは事前発表されておらず「全5試合」と記されているだけだった。

「永沢舞(SPZ4期)VS、新咲祐希子(SPZ6期)」

ウオオオオオオ!

オープニングマッチからSPZ元王者同士のシングルマッチが組まれる。両者のテーマ曲がかかるに至って場内ウォォォの声。

リングアナウンサーは久々にマイクを持った今野役員。

「ただいまより、シングルマッチ15分1本勝負を行います。青コーナー、SPZ6期。しんざきー、ゆきこぉー」

いまや大食いタレントとして有名となった新咲が右手を挙げる。さすがに「もうアスリートの身体じゃありません」ということでジーンズにカットソー姿。それがかえって新鮮。

「赤コーナー、SPZ4期、ながさわー、まーいー」
今はペットショップの店員が板についた永沢舞が一礼。永沢はジャージ姿だが頭にはトレードマークのネコミミ。

「レフェリー、ギムレット美月、なおこの試合の勝者には横浜中華街のお食事券1万円分が贈られます。」

「・・・・じゅるり」新咲の目が一瞬輝いた。

カンッ。

午後6時45分、運命?のゴング。

まず両者構えたまま、しばらくにらみ合い。これだけで沸く。そのあとがっちりと組み合う。さすがに現役を退いているので、基本的な攻防しか出来ない。押し込んだり、バックをとりあったりする地味な攻防が続く。
しかし5分過ぎ、永沢の息が上がった。新咲のほうがお食事券への執念か、気合が入っていた。

永沢舞、新咲の首投げの受け身を取り損ねてしまった。
「あっ・・・」

「えーいっ!」
新咲、ここをチャンスと見てスクールボーイで丸め込んだ。現役時代ならそんなチンケな技はやすやすと返したはずなのだが、永沢、あっさり3カウントを聞いた。勝負タイム5分22秒。
「ハァハァ・・・大食いクイーンは、ダテじゃないのよ」

******************************

「第2試合、シングルマッチ、上原今日子VS沢崎光!」
ドオオオオオオ。これもSPZクライマックスで激闘を繰り広げたカードである。

SPZ一期生、沢崎光(8年目11月引退、現グッズショップ広島店店長)がイモっぽいジャージ姿でリングイン。そして、
「disintegration」がかかり、パンツスーツ姿のSPZ3期生、上原今日子がリングイン。現在は若手選手のコーチ役兼SPZの何でもやる課・課長。

カンッ。

試合のほうはごくまじめにバックの取り合いから始まった。
そのあと上原今日子がスリーパーで締め上げる。現役時代と変わらぬ真面目な攻防をやってのける2人に場内拍手。
そのまましばらくスリーパーを耐えた沢崎だったが、現役を離れて6年になるせいもあり、急にぐったりしてしまった。ざわつく館内。

「かわいそうだけど、これで終わりッ!」
上原今日子がコーナー最上段に登り、ダイビングプレスを狙う。しかしー。

沢崎転がってかわす。マットに激突する上原。のた打ち回る。沢崎、すかさず上に乗って押さえ込む。あっけなくカウント3。勝負タイム4分56秒。
その試合が終わると休憩。

******************************

休憩明けの試合にはSPZのもと女帝、吉田龍子(5期生、13年目3月引退)が登場。

「ったく、何で私がこんなことを。もうファイトをお客さんに見せられるものはないっちゅうのに」

対戦相手は同期で因縁のライバル?渡辺智美。

「ウェーハハハハハ、吉田龍子。リングに一夜復帰したのが運のつきだ。お前をこれから病院送りにして、積年の恨みを晴らしてやるゥゥ!」

芸能界入りしてそこそこ活躍している渡辺智美がディスコスーツにグラサン姿で挑発。
一方の吉田龍子は赤コーナー側であきれた表情。ジーンズにジャケットのラフな服装である。
「おまえのようなアイドル崩れは1分で殴り倒してやる」

「さて、それはどうかな~」

ひゅんっ!
渡辺智美が内ポケットから取り出した怪しいボールを投げつけ、吉田龍子の顔面にぶつける。

ばしゃっ!

ボールが砕け散り、中に入っていた怪しい液体が吉田の顔面に飛び散る。

「な、何をしやがった・・・」

「ふふふ、教えてあげるわ、いまあなたが吸ったのはオプタテシケ酸という遅効性の劇薬、神経から徐々に毒が全身に回り始め、巨象をも5分後には全身麻痺で死亡するというものだ、ヒャーハハハハ」

場内爆笑。

「助かる方法はただひとつよ。5分以内にあたしを倒し、本部席の救急ボックスの鍵を手に入れて解毒剤を飲むことよ。」

渡辺がそれらしき鍵を内ポケットにしまう。

「あんたがチャンピオンで栄華を誇った間、同期のあたしは連日、第1試合で耐えていた。きょうこそその恨みを晴らしてくれるわ、ウェーハハハァ!」

「・・・・・・・・・・・・・・」

場内ドン引き状態。だが、

「言いたいことは、それ、だけ、かー!!!」

パシーン!

吉田龍子いきなりラリアット。ハデに吹っ飛ばされる渡辺智美。

カーン!そのまま試合開始のゴング。

渡辺智美、すばやく起き上がるやリング下にエスケープ。場内に設置したスクリーンには、
「5:00’00」
カウントダウンタイマーが大写し。場内ウォォォの声。

「だ、誰があんたなんか化け物と真正面から戦うもんですか、5分間逃げ切って見せるわ。せ、せいぜい死の恐怖に怯えながら闘うがいいわ、ウァハハハハハ

「あ、待てこのヤロ」

後楽園プラザ客席になだれ込んでの追っかけっこが展開された。北側客席、南側客席までなだれこんでのリアル鬼ごっこ。そうこうしている間にカウントダウンが進んでゆく。ものすごい歓声がとどろく中。3分が経過。ようやくリングに戻った両者、

「ゼェ、ゼェ、ゼェ・・」

「バカね。毒が回ったのに全力疾走なんて。もう立っているのがやっとじゃない。絶対王者さん」

「・・・外道が」

「トドメはひとおもいにこのナックルダスターで昇天させてあげるわ」

ぢゃら。どよめく館内。

「ど、どうやら、アンタの根性はゴミよりも腐っているようだな・・・」

渡辺智美、右拳に凶器を装着しそれで殴ろうとする。

「氏ねーーーーー」
がす。
顔面にナックルダスターのパンチが入ったが、吉田龍子受けきった。滴り落ちる鮮血。ファン感謝デーでここまでやってしまうのだから凄まじい。

「・・・・っ」

ばちーーーーーーーーーん!

 吉田龍子、ものすごいはり手のお返し。崩れ落ちる渡辺智美。

「・・・うう、痛い・・・」

「お前の曲がった根性を叩きなおしてやる」

がすっ!どがっ!ばきっ!ごすっ!
吉田龍子、総合格闘家も真っ青のマウントパンチ。渡辺智美がいいようにぶん殴られてゆく。
そしてカウントダウンタイマーが残り30秒を切ったとき

「分かった、吉田さん・・・私が悪かったわ・・・あなたを陥れようと、羽山さんに頼んで劇薬を貰った・・・ついカッとなってやった・・・今は反省してる・・・これが・・・本部席の救急ボックスの鍵・・・あげるわ。ぐふっ!」

そのまま渡辺は気絶。
すかさず吉田龍子は鍵を手にしてリング下本部席の救急ボックスへ。鍵を開けた。

ぼん。
しかしこれもブービートラップ。救急ボックスが爆発。吹っ飛ぶ吉田龍子。

「ふっ、馬鹿め・・・素直に解毒剤を渡すと思ったかぁ、へへへへ」
渡辺、気絶はフリをしていただけだった。
0:00’00

「渡辺、てめぇぇぇ!・・ぐ、がふあっ!」

プーーーーーーーー

カウントダウンタイマーが0になった。苦しみだす吉田龍子。

「・・・・・はああっ、ぐふーっ」

吉田龍子、(当然演技だが)大げさに苦しみだし、そのまま場外で悶絶。そのままリングアウト負けとなり、担架で運ばれた。

カンカンカン・・・
「やたー!吉田龍子に勝ったーッ」
狂喜する渡辺智美、場内ドン引き。

(作者より:セミとメインは次回へ続きます、初音ミクを買ってしまったのでこの連載に時間が割けるか微妙です・・・)

2007年9月29日 (土)

第220回 お嬢様軍団VSEWA軍5対5全面対抗戦

15年目12月

SPZの年末シリーズはドーム級の会場を回る豪華シリーズ。しかしドームクラスの会場を埋めるにはいろいろと企画を考えないといけない。その一環で組んだAACタイトルマッチ。負けブックで当てた10期生のギムレット美月(21)がハイサスカラスを破り、まさかのベルト奪取を果たした。

「おめでとおーーー!」

控室、ギムレット美月の頭に大量のビールがかけられる。(負けブックなのでビールの用意すらしていなかったが、ギムレット美月が勝ってしまったために今野役員が近くの売店に走り、スーパードライを12缶調達した。)

どぼどぼどぼどぼ。

スイレン草薙スターライト相羽ビーナス麗子ガイア小早川井上霧子今野役員の6人がビールを頭から浴びせる。

「ちょ、わっ・・・ぷっ。目が、目が・・・っ」

ーテレビやプロレス雑誌で見たお決まりのシーン。まさか自分がやってもらえるとは。

そのあとは7人で中州の居酒屋に繰り出して飲み会。

「まあ、たまたま今回は運が良かっただけです。」

「そうそう、でも運も実力のうちよ。でも美月ちゃんがベルト取れて嬉しいわ。」

井上霧子は赤ワインを飲みながら馬刺しをほおばった。

「八重樫さん(本名)は頭使ってますね。そういうところは見習わないと。前半受けに徹したのは油断させる布石というのはさすがです」

スイレン草薙もビールをおいしそうに飲んでいる。

「がははは、スカウトしたオレの目に狂いはなかった、飲めえ」

今野役員も上機嫌。

*******************************

翌日の名古屋しゃちほこドーム大会、姑息な今野役員と井上霧子が考え出した企画は

「SPZお嬢様軍対EWA軍全面対抗5対5」

であった。しかしお嬢様軍は4人(B市ヶ谷、芝田、R北条、F鏡)、1人助っ人を呼ばないといけない。当日までXとされていたが・・・

1:アリス・スミルノフ○ ー ギムレット美月×

Xは昨日ハイサスカラスを破ってAAC王座に輝いたギムレット美月だった。選手会長ということでこの企画の助っ人役を買って出た。が、昨日のハイサスカラスとの死闘(&そのあとの祝勝会)でギムレット美月はズタズタだった。この日はアリスのパワーに押されっぱなしで持ち前のカンセツ地獄に持ち込めない。

「・・うう。」

最後は12分36秒、バックドロップの前に敗退。これでEWA軍がまず1勝。

2:A・クロフォード○―フレイア鏡×

EWAの2人目はアンナ・クロフォード。持ち前のじっくり痛めつけるレスリングでフレイア鏡を叩きのめした。フィニッシュは強烈な裏拳。お嬢様軍団、早くも2敗目を喫しあとがなくなった。

3:芝田美紀○―へレン・ニールセン×
この試合は盛りあがった。22分の打撃、そして投げ技が交錯する熱のこもった試合となった。最後は芝田の必殺延髄でぐらついたところをDDTがズバリ。お嬢様軍が1勝目を挙げた。

4:ロイヤル北条○ -デイジー・クライ×

お嬢様軍が2-2のタイに戻した。デイジーのキックに手こずったロイヤル北条だったが最後はキッチリロイヤルスパイク2連発で決めた。

ビューティ市ヶ谷 ○-× ナターシャ・ハン

前半は互角の戦いだったが、市ヶ谷のビューティボムで流れが変わってしまった。これでナターシャ・ハンの動きに精彩がなくなり、最後は17分58秒、フィッシャーマンバスターで市ヶ谷様激勝。

「オーホホホホホホホホホホホホ!!」

名古屋しゃちほこドームに高笑いが響き渡った。これでお嬢様軍が3-2で勝利し、賞品の「名古屋コーチンカレーセット」が贈られた。

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最終戦さいたまドーム大会、SPZ王者ボンバー来島に挑むのは同期でタッグパートナーの菊池理宇。今年3度目の「ダンプカー対F1」たいけつ。

実力では来島のほうが上だが、前回のタイトル戦では菊池が勝っているので油断のならない相手である。

―後半になってきたらあいつは飛び技があるから、早めにつぶす。

そう考えた来島がのっけからチョップや頭突き、ボディスラムで菊池に主導権を与えないままガンガン攻めてゆく。菊池もドロップキックで流れを戻そうとするが。

「―そんなの効かないよ」

ボンバー来島、裏拳、裏投げ、パワーボムの猛攻。なお休むことなく2度目のパワーボム。これで菊池は沈んでしまった。勝負タイム28分56秒。王者が2度目の防衛に成功。

「よっしゃあ!ベルトを持って年越しだあーっ!」

________________________

SPZ世界選手権(60分1本勝負)

ボンバー来島(28分56秒、パワーボムからのエビ固め)菊池理宇

王者が2度目の防衛に成功

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年末のプロレス大賞。最優秀選手はスターライト相羽。肝心な試合では負け続けた印象が強いのだが、1月にスイレンの長期政権をとめたことが評価されたか。
新人賞は取れなかったが、シングルのベストバウトはスイレン草薙対スターライト相羽、タッグのベストバウトはスペシャルマッチとして組んだボンバー来島、菊池理宇対スイレン草薙、スターライト相羽の一戦が選ばれた、

2007年9月28日 (金)

第219回 ギムレット美月・大逆転

15年目12月「スノーエンジェルシリーズ」開幕。年末恒例、ドーム級の会場をまわって利益がっぽりというシリーズである。

第2戦のどさんこドーム大会。メインに組まれたのはSPZタッグ戦。負傷のいえたボンバー来島、菊池理宇に挑むのは先月のタッグリーグで優勝したビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条のお嬢様コンビ。

「覚悟なさいっ!」

市ヶ谷のラリアットが菊池の首に直撃。

「いったー」

菊池がこれで熱くなってしまったのか、ビューティ市ヶ谷とシングルマッチのような熱いファイトを展開。結果的にこれが功を奏したのだからわからないものである。いくら市ヶ谷のパワーが凄いとはいえ、菊池もかなりの実力者。ムーンサルトまで繰り出してきて市ヶ谷を追い込む。

「ううう・・・」

「くっ、よくも・・・」

双方大ダメージを負ってボンバー来島対ロイヤル北条の局面となった。場内に悲鳴が。いくら新進気鋭のロイヤル北条でもダンプカー相手では荷が重すぎる。

「ニヤリ」

来島さんのナパームラリアット炸裂。しかしロイヤル北条、カウント2.8で返す。

ドドドドドド!

しかしロイヤル北条、この一撃はかなり効いていたらしく首が据わっていない。スッと菊池が入ってきて北条を肩車。来島はコーナー最上段に登って
ダブルインパクト!

これでロイヤル北条の意識は闇に落ちて、3カウントを奪われた。勝負タイム28分59秒。

******************

SPZ世界タッグ選手権(60分1本勝負)

菊池理宇、○ボンバー来島(28分59秒、ダブルインパクトからの片エビ固め)ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条×

王者組が防衛に成功

*****************
第4戦、大阪なにわパワフルドーム大会のメインはEWA世界選手権。王者ナターシャ・ハンに挑むのはビーナス麗子。

それなりに強いけど、ナターシャ・ハンがまず負けない相手を出してきて欲しいというEWAサイドからの無理難題・・・、ということで10期生のビーナス麗子が挑戦することになった。

「せぇぇい!」

ビーナス麗子も動き回って、ジャンピングニーを繰り出すなど健闘したが、最後はナターシャのドラゴンスリーパーにつかまってしまう。

「ウフフフ、これで終わり・・・」

ビーナス麗子も懸命にこらえる。なにわパワフルドームに悲鳴がとどろきわたる!

「ぐうううう!」
ビーナス麗子の身体から力が抜けてゆく。だんだん目の前が白くなっていって、思考できる領域が狭くなってきた。

―やば、落ちるー

くたり。

ここで井上レフェリーが試合を止めた。

「29分56秒、ドラゴンスリーパーで、ナターシャ・ハンの勝ち」

「ウワアアアアア!!!」
場内悲鳴。ナターシャ・ハンがアイドルレスラー(の仮面をかぶったシューター)を公開処刑。

************************

EWA世界選手権(60分1本勝負)

ナターシャ・ハン(29分56秒、ドラゴンスリーパー)ビーナス麗子

王者が防衛に成功

************************

その翌日、広島若草アリーナ大会。

メインではニールセン一族が返上したあばしりタッグの王座決定戦。

ロイヤル北条、フレイア鏡対アリス・スミルノフ、デイジー・クライの一戦。

「ウラァァァァァ」

しかしデイジー・クライのキックがさえる!フレイア鏡がのされてしまって試合終了。あばしりタッグが再び流出・・・・

*********************

あばしりタッグ王座決定戦(60分1本勝負)

○デイジー・クライ、アリス・スミルノフ(20分くらい、ハイキックからの片エビ固め)ロイヤル北条、フレイア鏡×

デイジー組が第10代王者となる

**********************

第6戦九州ドーム大会。メインはハイサスカラス対ギムレット美月のAAC選手権。日本での防衛実績を作りたいAACと、巨大会場を海外の由緒ある団体のタイトルマッチの威を借りて埋めたいSPZの思惑が一致した。

「美月ちゃん、きょう頑張ってね~」

井上社長代行がギムレット美月ににこやかに声をかける。

ーふん、白々しいですね。分かっていますよ。私はこの会場を埋めるための負け役。AACのタイトルマッチでハイサスカラスにハデに斬られるブックということ・・・

「青コーナー、岐阜県垂井町出身、ぎむれっとー、みつーきー」

ギムレット美月、一礼したあとメガネを外す。

「会長がんばれー!」「美月さーん!」

九州ドームのメインに立ったギムレット美月選手会長に熱い声援が飛ぶ。

ーちょっと狙い・・ましょうか。

カンッ。

午後9時1分、ゴングが鳴った。

やはりハイサスカラスの動きにギムレットがついていけない。ハイサスカラス、得意の空中殺法でギムレット美月ただやられるだけ。

「フッ、タアイモナイ。スコシハハゴタエガアルカト思っタガ・・」

ー油断してる、今なら・・・

しかし最後の最後で大どんでん返し。ギムレット美月の必殺ドラゴンカベルナリア!狙っていたか・・・悲鳴を上げるハイサスカラス。

「うあ、ウアアアアオオオー」

ーこの手は絶対に離さない。

もがくが、もがくがドラゴンカベルナリアから抜けられないハイサスカラス。3分ほど耐えたがついにギブアップ。

ええええええええええええええええええええええええええええ!

勝負タイム22分35秒。ギムレット美月がギブアップ勝ち。わざと締まらないファイトをしておいて油断させておいて、必殺技をズバリ。プロレスの試合運びでよく使われる古典的な手なのだが、今回はうまく相手を引っ掛けることができた。

―シングルのベルトは、取れないって思ってた・・・

10期生のギムレット美月(20)ついにAAC最強のハイサスカラスを倒しAACのベルトを奪取。クールな選手会長の目から涙がこぼれた。

会長!会長!会長!会長!

九州ドームはものすごい「会長」コールに包まれた。同期のビーナス麗子がリングに上がりギムレットの手を挙げる。

「おめでとう、美月ちゃん!」

「ありがとう・・プロレスやってて・・良かった・・・」

ギムレット美月の細い腰に伝統あるAACベルトが巻かれる。放送席ではアナウンサー森と解説吉田さんがぼう然。なにしろ中堅どころ、SPZクライマックスに出るのがやっとの選手がAACのチャンピオンになってしまった。

「いや驚きましたね吉田さん、ギムレット美月選手が勝ってしまいましたよ」

「・・・やはりプロレスの神様ってのはいるんでしょうね。頑張ればいつかはいいことがあるんでしょうね」

****************************

「SPZを日本一のプロレス団体にするため、力を貸してください」

「私には、自信が・・・身体も小さいし、力もありません・・」

今野社長(当時)の勧誘に対し、美月はSPZ入りを渋ったが、小川ひかるが後押し。

「八重樫さん、チャンスだと思って、やってみませんか?私もはっきり言って力もありませんし上背もないです。それでもけっこうこの9年、いい思いをさせてもらいました、正直言って身体はボロボロですけど、やってよかったと思いますよ」

あれから5年半、岐阜から出てきた少女は、ついに栄光をつかんだ。

****************************

AAC世界選手権試合(60分1本勝負)

ギムレット美月(22分35秒、ドラゴンカベルナリア)ハイサスカラス

 ハイサスカラスが防衛に失敗、ギムレット美月が新王者となる

***************************

2007年9月27日 (木)

第218回 15年目11月SPZタッグリーグ戦(後編)

15年目11月 SPZタッグリーグ戦(続き)

5戦目は福島大会。
S草薙○、G小早川(8点、バックドロップからの片エビ固め 8.49)G美月、M香澄×(4点)

スイレン草薙はなにげにバックドロップの名手。本人は「つなぎ技です」と言っているが、強烈なので十分フィニッシュにもなりえる。この日の犠牲者はマイトス香澄。

デイジー○、ヘレン(4点、逆片エビ固め9.11)ウェイン、イレーヌ(0点)

オランダ軍が2勝目を挙げた。

B市ヶ谷、R北条○(6点、カカト落しからの片エビ固め)芝田×、F鏡(4点)

お嬢様軍団の同門対決。さすがにこの4人がリング上に並ぶと高貴な雰囲気?がただよう。市ヶ谷と芝田がド突きあいを展開するが先にぐらついたのは芝田。最後はロイヤル北条がカカト落としで締めた。

S相羽○、V麗子(6点、タイガーSH 19.35)ナターシャ、アリス×(0点)

相羽が怒涛のタイガースープレックス攻勢でアリスを撃沈。この選手もそれなりのレベルのレスラーには強い。ロシアンコンビ、いまだ勝ち星なし・・・

*******************************

第6戦は宇都宮大会。
デイジー○、ヘレン(6点、ハイキックからの片エビ固め 15.07)S草薙、G小早川×(8点)

スイレン組の連勝がストップ。デイジー・クライがガイア小早川を捕らえて、
「今日という日を後悔するんだな!」
強烈ハイキック。ガイア小早川、「わけがわかんなくなった」という状態になり、3カウントを奪われた。試合後も起き上がれないガイア小早川、若手選手におんぶされて帰った。

ナターシャ○、アリス(2点、STF,18.17)芝田×、F鏡(4点)

ロシアンコンビにようやく初日。最後はナターシャと芝田の一騎打ち状態。ナターシャが伝家の宝刀STFでギブアップを奪った。

B市ヶ谷、R北条○(8点、パワースラムからの片エビ固め11.08)G美月×、M香澄(4点)

市ヶ谷が好きかってに暴れ回り、ギムレットマイトスの2人をボコボコにしたあと、ロイヤル北条がマグロ処理というパターン。これで1敗をキープ。

S相羽、V麗子○(8点、キャプチュード8.04)ウェイン、イレーヌ×(0点)

相羽組もあっさりと1敗を守った。

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第7戦は幕張コンベンションホール大会。優勝争いも佳境。

芝田○、F鏡(6点、延髄斬りからの片エビ固め 15.47)デイジー×、ヘレン(6点)

若いフレイア鏡を的に絞ろうと考えていた外人組だったが、芝田が試合の9割がた出ずっぱり。EWAのふたりをたたきのめしてしまった。

B市ヶ谷○、R北条(10点、裏拳からの片エビ固め 11.17)イレーヌ、ウェイン×

お嬢様コンビが三下外人に完勝。

ナターシャ、アリス○(4点、バックドロップからの片エビ固め 22.49)S草薙、G小早川×(8点)

ロシア国旗を振って登場するロシアンコンビ。試合はスイレン草薙とナターシャが意地のぶつかり合い。草薙流兜落としで投げればナターシャもSTF(ガイア小早川がカット)。

スイレンもあまり見せない延髄斬り2連発でナターシャを追い込む。しかしガイア小早川にタッチしたのがまずかったか。余力を残したアリスがガイア小早川を、

「血祭りにあげてやるよ!」
一方的に攻め込んで最後はバックドロップで終了。前年優勝のGS砲、まさかの外人相手の2連敗・・・

 S相羽○、V麗子(10点、バックドロップからの片エビ固め11.10)G美月、M香澄×(4点)

相羽組も格下相手にきっちり勝利。勝ち点2をプラス。この結果、優勝の行方は明日の横スペ大会メイン、市ヶ谷組対相羽組で勝ったほうということになった。

**********************

最終戦は本拠地に戻っての横スペ大会。

S草薙、G小早川○(10点、ミサイルキックからの片エビ固め25.1)芝田×、F鏡(4点)

連覇の望みのなくなったスイレン組だが、この日も元気いっぱいのファイト。この日はスイレンが猛然と芝田、フレイアを追い込む。芝田も延髄斬りで反撃するもスイレン、草薙流兜落とし。これで頭を打ってもうろうとする芝田。そこを小早川の空襲ミサイルキック。けっきょくお嬢様軍団2は2勝どまりでリーグ戦を終えた・・・・

デイジー○、ヘレン(8点、ハイキックからの片エビ固め13.09)G美月、M香澄×(4点)

「頑張れ選手会長~」の声援が飛ぶ。ギムレットが外人相手に何とか寝かそう寝かそうとするが相手も関節技がやばいのは百も承知なので立ち技でダメージを与えてゆく。最後はマイトス香澄がデイジーのキックの餌食となった。

ナターシャ○、アリス(6点、ジャーマン9.14)ウェイン×、イレーヌ(0点)

ロシアンコンビが4連敗のあと3連勝。最後はジャーマンでウェイン・ミラーをしとめた。

B市ヶ谷○、R北条(12点、ミサイルキックからの片エビ固め23.34)S相羽、V麗子×(10点)

勝ったほうが優勝の一戦。狙われるであろうロイヤル北条とビーナス麗子の頑張りがポイントといえた。市ヶ谷と相羽が気迫のこもった戦いを展開。しかし
パッシーン。

市ヶ谷のラリアットが相羽をたじろがす。これで首にダメージを負った相羽はビーナス麗子にタッチせざるを得なくなった。ここを逃す市ヶ谷ではない。

「マットにひれ伏しなさい!」

ドォォォォン!
ビューティボム炸裂!ビーナス麗子、かろうじて受身を取ったものの目はうつろだ。そして市ヶ谷、コーナー最上段に登って客席にアピールしてからふわっと飛んで、ミサイルキック。

ふっとぶビーナス麗子。そのまま押さえ込む。
ワン、トゥ、スリー。
井上レフェリーの手がマットを3つたたく。これでお嬢様軍団の優勝が決まった。

「私ってどうしてこんなに完璧なのかしら!オーッホッホッホッホ!」

表彰式、ビューティ市ヶ谷の高笑いが横スペに響く。優勝したB市ヶ谷、R北条組には賞状と金一封、副賞として「ブランドアクセサリー」が贈られた。スイレン組とS相羽組が10点で並んだが、直接対決で勝っているスイレン組が準優勝となり、賞状と副賞の「ももかん詰め合わせ」が贈られた、。

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(筆者雑記)

※今22年目7月やってます。ようやっとフローラ小川が出てきましたが、話の整合性が取れないので次回転生まで待つことに。転生を3年はやめるために採用して海外遠征で塩漬け。するとこのお話は34年目再転生→43年目引退として、そこまで続くんかい?

※22年目にして初の海外団体への移籍イベント発生。これも運命。新人は信頼80越えでもあぶない。いいさ、1年後に移籍交渉すればいいのさ。

※空き巣イベントで78000APもってかれる。日本円にして78億(笑)

※レッスルエンジェルスよりも初音ミクが気になる。かいしゃのしかるべき人に入手をお願いしたが品薄で10月上旬になるって。連載活動ピンチ。

2007年9月26日 (水)

第217回 15年目11月SPZタッグリーグ戦(前編)

15年目11月

SPZタッグリーグ戦の季節だが、ボンバー来島の足の怪我が治らず、そして菊池理宇も腰を痛めてしまったので欠場。タッグ王者不在でのタッグリーグとなった。出場チームは以下の8チーム。

スイレン草薙、ガイア小早川(前回優勝)

スターライト相羽、ビーナス麗子(元SPZタッグ王者)

ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条(お嬢様軍団1)

芝田美紀、フレイア鏡(お嬢様軍団2)

ギムレット美月、マイトス香澄(即席チーム)

ナターシャ・ハン、アリス・スミルノフ(EWA代表)

デイジー・クライ、ヘレン・ニールセン(EWA代表その2)

ウェイン・ミラー、イレーヌ・シウバ(外人混成チーム)

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2戦目の盛岡大会からリーグ戦スタート。

G美月、M香澄(2点、裏投げからの片エビ固め 18.47)ウェイン×、イレーヌ

ハイブリッド南が引退してから「ひとり革命軍」状態になってしまったマイトス香澄。会社には決戦要求を出しているのだが、井上霧子から「あんたがトップどころに勝てるわけないでしょ!」と一蹴されて、最近では6人タッグの3人目に入れられるか、若手相手の前座に組まれるという状態。タッグリーグ戦ではあまりもの同士でギムレット美月と組まされる状態。しかしこの日はギムレットが奮起して三下外人コンビを撃破。

デイジー、ヘレン○(2点、ニーリフトからの体固め15.43)ナターシャ、アリス×

EWA軍どうしの対決はデイジー組に凱歌が上がった。

S草薙、G小早川○(2点、ミサイルキックからの片エビ固め 15.39)B市ヶ谷、R北条×

優勝候補同士の一戦。スイレンも動きに翳りが見えているとはいえまだまだ元気。ロイヤル北条を草薙流兜落としでグロッキー状態に。ここでガイア小早川登場。

「くらえっ!」
コーナー最上段から飛び上がって上空でためを作ってから、勢いよくミサイルキックが顔面に命中。1度目は市ヶ谷がカットしたが、立て続けに2発目を食らってはどうにもならず。

S相羽○、V麗子(2点、DDTからの片エビ固め14.28)芝田×、F鏡

相羽ちゃん強い。格下相手には自信をもっているのか、芝田の打撃攻撃にもあわてず、痛烈なDDT2連発。

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3戦目は秋田大会。

芝田○、F鏡(2点、合体パワーボム15.35)ウェイン、イレーヌ(0点)

お嬢様軍団2が初勝利。延髄斬りからの合体パワーボムで外人コンビを粉砕。

G美月○、M香澄(4点、ドラゴンカベルナリア 13.15)ナターシャ、アリス(0点)

いくらギムレットのグラウンド捌きが巧いといってもナターシャのほうが数枚上手。代わったマイトスもアリスのラフファイトに一方的にやられる展開。
「これがボクのとっておきだよ!」
絶望2000(変形ジャーマン)でアリスをぐらつかせたが、ここでナターシャがリングイン。

「遊びはもう終わりだ」
ギムレット美月がいたぶられた末、裏投げ、ローリングソバットと追い込まれてゆく、会場もああこりゃっ決まるなという雰囲気。が、ギムレットは諦めなかった。

「すべては私の計算どおり」
リング中央でうまく組み付いて、ドラゴンカベルナリア発動。大方の予想はナターシャがうまく外すだろうというものだったが、ナターシャ振りほどけず、ついにギブアップの意思表示。
館内ええええええええええ。ギムレット美月がEWA最強のナターシャから取った。

B市ヶ谷○、R北条(2点、デスバレーボムからの片エビ固め 12.23)デイジー×、ヘレン(2点)

お嬢様軍団その1も初白星。オランダ軍を撃破した。

S草薙、G小早川○(4点、ミサイルキックからの片エビ固め 22.41)S相羽、V麗子×(2点)

ビーナス麗子は線も細いしアイドルレスラーっぽい外見だが実はかなりのシューター。この日もジャンピングニーでスイレンを鼻から流血に追い込む。これで闘志に火がついたスイレン、ビーナス麗子を投げまくるが、

「相羽さん、あとよろしく!」
出てきたスターライト相羽がスイレンと激しい攻防。両者ふらふらになったところでビーナス麗子対ガイア小早川の局面。しかし余力を残していたのはガイア小早川。昨日同様にミサイルキックを決めてビーナス麗子を沈めた。

「よしっ!今日も勝てた!」

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第4戦は山形大会。

芝田、F鏡○(4点、ショルダータックルからの体固め18.47)G美月、M香澄×(4点)

お嬢様軍団2と即席タッグの対戦。このメンバーでは実力が頭ひとつ抜け出ている芝田が打撃技で追い込んでゆく。延髄でマイトスを半失神状態に追い込む。あとはフレイア鏡がタックルで覆いかぶさって終了。

S草薙、G小早川○(6点、フェイスクラッシャ-からの片エビ固め 18.43)ウェイン、イレーヌ×(0点)

スイレン組3連勝。すべてガイア小早川がフォールを取る予想外の展開。

B市ヶ谷、R北条(4点、ラリアットからの片エビ固め15.17)ナターシャ、アリス×(0点)

お嬢様軍団1がロシアンコンビを撃破。最後はアリス・スミルノフに的を絞って集中攻撃。

S相羽○、V麗子(4点、キャプチュードからの片エビ固め)デイジー×、ヘレン(2点)

スターライト相羽が投げまくってオランダ軍に快勝。
これでリーグ戦は3試合を消化し、スイレン組が3連勝でトップを走る。

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2007年9月25日 (火)

第216回 15年目10月時点のプログラムから

15年目10月。
SPZの会場入り口で配布されるプログラムから。

草薙流の守護者 スイレン草薙

本名:本堂ななか。2000年9月21日、山形県寒河江市出身。幼い頃から草薙流武術を伝承体得し、15歳で草薙流武術大会で優勝。この才能に目をつけた草薙みことがSPZプロレスにスカウトし、SPZ8期生として、2016年4月14日、札幌キターアリーナ大会の渡辺智美戦でデビュー。

持ち前の格闘センスと草薙流兜落としを武器にめきめきと実力をつけ、伊達遥とのタッグでEWAタッグ王者、SPZタッグ王者に輝く。また、団体最強の称号・SPZ世界王者にも4度輝く。最近でも最古参選手としてタイトル戦線で活躍。得意技は草薙流兜落とし。
テーマ曲:オリエンタルクラッシュ2

突貫少女 マイトス香澄

本名:秋山香澄 2000年10月10日、東京都江戸川区出身。2016年のSPZ新人テストに合格し、8期生として入門。2016年4月14日、札幌キターアリーナ大会での南利美戦でデビュー。ハイブリッド南と革命軍を結成し、SPZタッグ王者にも輝く。ハイブリッド南引退後は「ひとり革命軍」として、小柄な体格を持ち前の精神力でカバーする熱いファイトを展開。得意技は絶望2000(変形ジャーマン)。
テーマ曲「恋はピンポン」(リチャード・クレイダーマン)

暴走エクスプレス ガイア小早川

本名:小早川桃子、2002年1月16日、福島県郡山市出身。2017年のSPZ新人テストに合格し、9期生として入門。2017年4月11日、釧路市体育館での保科優希戦でデビュー。勝気な性格を生かしたファイトで活躍。最近ではスイレン草薙のパートナーに抜擢され、SPZタッグ王座を獲得。またギムレット美月とのタッグであばしりタッグ王者にも輝く。得意技はミサイルキック。
テーマ曲:sky was g-ray(C.G mix)

スターライト伝説 スターライト相羽

本名:相羽明子。2001年7月12日、石川県金沢市出身。SPZに第9期生として入門し、2017年7月16日、山口宇部大会の対マイトス香澄戦でデビュー。3度にわたる海外遠征を経て、あらゆるタイプのプロレスに対応できるスター選手へと成長し、新咲祐希子と組んでSPZタッグ王者に輝く。1月にはついに団体最強のスイレン草薙を破ってSPZ世界王者に輝いた。得意技はタイガースープレックス。
テーマ曲:スターライトシンフォニー (KOTOKO)

バトルコンピューター  ギムレット美月

本名:八重樫美月、2002年5月26日、岐阜県垂井町出身。SPZ10期生としてスカウトされ、2018年4月15日、札幌キターアリーナ大会の小川ひかる戦でデビュー。冷静沈着な性格で、レスリングセンスを生かしたグラウンド技を武器に活躍。ガイア小早川と組んであばしりタッグ王座を獲得。得意技はドラゴンカベルナリア。
テーマ曲:oblivion(KOTOKO)

ザ・エンジェル ビーナス麗子

本名:愛野麗子、2002年10月12日、広島県広島市出身。SPZ10期生新人テストに合格し、2018年4月15日の札幌キターアリーナ大会でのガイア小早川戦で白星デビュー。打撃技の威力はなかなかのもので、時に大物食いをしてしまうことも。最近ではスターライト相羽のパートナーとなりSPZタッグ王者にも輝く。得意技はハイキック。
テーマ曲:toghther forever(リック・アストリー)

豪腕破壊大王 ボンバー来島

本名:来島智代、2003年8月13日、福岡県北九州市出身。大柄な体格とパワーを見込まれ、SPZにスカウトされ2019年4月16日、釧路アリーナ大会でのガイア小早川戦でデビュー。ファイトスタイルは馬力に頼る荒削りな面もあるが、上原今日子コーチの指導でめきめきと実力をつけ、体全体で打ち抜くナパームラリアットを習得。同期の菊池理宇とのタッグであばしりタッグ王者、そしてSPZタッグ王者に輝き、シングルマッチではその圧倒的なパワーを武器にとうとう2月にSPZ世界王者に輝く。

このときは菊池に敗れて手放したものの7月にスイレン草薙を破って再度戴冠。得意技はヘッドバット、ナパームラリアット。
テーマ曲:エクリプス(イングヴェイ・マルムスティーン)

ピュアダイナマイト 菊池理宇

2003年6月24日、宮城県仙台市出身。SPZの新人テストに合格し、11期生として2019年4月16日、釧路アリーナ大会での渡辺智美戦でデビュー。155cmの小柄な体格を持ち前のガッツでカバーする戦いで人気は上昇。また、吉田龍子が負けん気を見込んでコーチ役を買って出て、連日の特訓漬けで成長させたのは有名な話。

最近は一つ一つの技に正確さ、重さが出てきて、EWA最強のナターシャ・ハンを破ってEWA世界王者に輝き、そして3月にはボンバー来島を破って団体最高峰のSPZ世界王者にまで輝く。体格面でのハンデをものともせず団体トップにまで登り詰めたその戦いぶりは多くのファンの胸を打った。タッグ戦線でも同期のボンバー来島とタッグを組み、あばしりタッグ王者、SPZタッグ王者に輝く。得意技はムーンサルトプレス、ミサイルキック。
テーマ曲:THROUGH THE FIRE(ラリー・グリーン)

スーパーお嬢様 芝田美紀

2004年11月18日、大阪府箕面市出身。天性の運動神経が井上霧子の目に留まり、SPZ12期生として2020年4月17日札幌キターアリーナ大会での菊池理宇戦でデビュー。瞬発力には定評があり、延髄斬りの威力は恐ろしいものがあり、8月のSPZクライマックスではスイレン草薙をも倒してしまった。最近ではビューティ市ヶ谷らとお嬢様軍団を結成し熱い戦いを繰り広げる。得意技は延髄斬り。
テーマ曲:セプテンバー(アース・ウインド&ファイアー)

アイドルレスラー キューティー金井

本名:金井紗也。2005年1月31日、北海道千歳市出身。SPZのDVDを見てアイドルレスラーになろうと決意し、SPZ新人テストを受験し見事合格。2020年4月17日札幌キターアリーナ大会での渡辺智美戦でデビュー。闘志を前面に出すタイプではなく、前座戦線で外人レスラーに痛めつけられるキャラで人気は上昇中。時たま出すバックドロップはかなりの威力(らしい)。
テーマ曲:げっちゅきっちゅsummer(佐藤裕美)

暴走お嬢様 ビューティ市ヶ谷

本名、市ヶ谷美香。2005年9月10日、埼玉県さいたま市出身。中学時代は柔道で鳴らし、数多くのジュニア大会で優勝するが、井上霧子に誘われ突如プロレス転向を宣言。SPZ13期生として2021年4月21日、釧路アリーナ大会でのキューティー金井戦でデビュー。若手ながらその高笑いを交えた個性的なファイトスタイルで人気爆発。ロイヤル北条とのコンビであばしりタッグ王者に輝く。またナターシャ・ハンやハイサスカラスといった世界の一流選手を破り、AAC,EWAのシングルベルトをも戴冠。8月のSPZクライマックスでは2位タイに食い込むなど実力では完全にトップグループに入ってきた。得意技はビューティボム。
テーマ曲:トッカータとフーガ BWV565(J・S・バッハ)

お嬢様特急 ロイヤル北条

本名、北条美雪。2006年2月7日、富山県氷見市出身。中学時代はフェンシングに熱中し全国大会で入賞する成績を残す。しかし、中学を卒業するや上京しSPZの新人テストを受験。合格しSPZ13期生として2021年4月21日、釧路アリーナ大会での芝田美紀戦でデビュー。キビキビとした動きは将来性を感じさせる。同期のビューティ市ヶ谷と組んであばしりタッグ王者に輝き、最近ではお嬢様軍団の一員としてメインやセミでも存在感を出してきている。得意技はロイヤルスパイク。
テーマ曲:Jive into The Night(グリーン・オリーブス)

妖しのお嬢様 フレイア鏡

本名:鏡春江。2006年12月13日、長崎県佐世保市出身。井上霧子にスカウトされ、SPZ第14期生として入団し、2022年4月16日、札幌どさんこドームでのビューティ市ヶ谷戦でデビュー。若手ながら持ち前の運動センスを生かし、関節技を主体としたファイトを見せる。最近ではビューティ市ヶ谷率いるお嬢様軍団の一員としてメインやセミにも顔を出す。鬼気迫る表情で得意技のストレッチプラムを繰り出すシーンがたまらないというファン多数。
テーマ曲:リライト・マイ・ファイヤー(ダン・ハートマン)

野生少女 フォクシー真帆

本名:平津戸真帆。2006年8月18日、岩手県田野畑村出身。SPZの新人テストに合格し、14期生として入団。2022年4月16日、札幌どさんこドーム大会でのロイヤル北条戦でデビュー。岩手県の山奥で育ったことをネタにして吉田プロデューサーが「野生少女」というギミックを考え出し、その個性的なキャラで売り出し中。得意技はヘッドバット。
テーマ曲:ウイリアムテル序曲(ロッシーニ)

ナニワファイター 成瀬 唯

本名・同じ。2007年11月2日、大阪府豊中市出身。新人テストに合格し、SPZ15期生として2023年4月21日、釧路アリーナでのフォクシー真帆戦でデビュー。まだまだ実力は発展途上だが、身軽な動きを生かしたプロレスで会場を盛り上げる。得意技はミサイルキック。
テーマ曲:ミオクルカラ(C.G mix)

レフェリー 井上霧子

1980年9月15日、神奈川県川崎市出身。1995年5月1日、関東女子プロレス・後楽園プラザ大会のユリシーズ島宮戦でプロレスデビュー。2004年11月に現役引退。SPZには旗揚げ前から社長秘書兼レフェリーとして参加。選手のまとめ役として貢献。2019年からはSPZ社長代行として団体フロントの顔としても活躍。最近はメインイベントかセミファイナル1試合のみをさばく立行司格。文字通りSPZの最高指導者だが、近年は一部スポーツ紙上で酒びたりであることが暴露され、吉田龍子にその座を脅かされている。

レフェリー 伊達遥

1993年10月23日、宮崎県都城市出身。SPZの一期生として旗揚げ直後から参加し、2009年6月20日根室市体育館、アリシア・サンチェス戦でデビュー。SPZ草創期から団体を支え続け、SPZ初代王者として団体エースとして活躍。2019年2月、現役引退。井上霧子の推薦でレフェリーに転向。井上霧子がフロント業に駆り出される中、伊達が実際のチーフレフェリー格となりつつある。

リングアナウンサー 上原今日子

1995年12月31日、沖縄県那覇市出身。SPZ3期生として2011年5月11日、青森スポツァルト黒石大会の保科優希戦でデビュー。2020年4月、現役引退。引退後はSPZコーチとして若手の育成に当たる一方、その人柄か、リングアナウンサー、代打レフェリー、雑用、物販スタッフなんでもやる人になってしまった。現在は主に前半戦のアナウンスを担当。

リングアナウンサー 村越忠幸

1984年6月11日、東京都八王子市出身。2019年4月入社、営業社員兼リングアナウンサーとして団体を陰から支える。2児のパパで趣味は料理。

リングドクター 羽山海

1987年6月21日、鹿児島県上屋久町出身。帝王大学医学部を卒業後、蝦天堂大学病院で外科医として勤務。プロレス観戦好きが好じ、「タダでプロレスが見られる」という今野前社長の甘言に乗り、SPZにリングドクターとして首都圏の興行には随時スタンバイ。得意技は注射で、選手全員から恐れられている。

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ボンバー来島の右足の怪我が治らない。しかし来島はシングル・タッグの2冠王なのでタイトルマッチのみの限定出場でカードを組んだ。
第7戦長野大会、メインは菊池理宇、ボンバー来島対スターライト相羽、ビーナス麗子のSPZタッグ選手権。試合はやはりタッグチームとしての完成度の差が出た。ビーナス麗子も掌底で応戦するが菊池のスピード、来島のパワーにだんだん押されて行ってしまう。あえなくビーナス麗子が捕まり、最後はボンバー来島がSTOを決めてカウント3奪取。28分34秒、王者組が初防衛に成功。

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SPZ世界タッグ選手権試合(60分1本勝負)

○B来島 菊池理宇(28分34秒、STOからの片エビ固め)S相羽、V麗子×

王者組が初防衛に成功

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翌日はシリーズ最終戦、新日本ドーム大会。

セミ前の第4試合は昨日タッグ選手権を戦った菊池理宇対スターライト相羽のシングルマッチ。菊池がエルボーの連発でペースを握り、シャイニングウィザードでぐらつかせる。ならばと相羽もタイガースープレックスで勝負をかけるがあまりにも唐突。最後は菊池の延髄斬りで相羽がダウンしたところをー
コーナーに登ってダイビングプレス。団体随一のキレイなフォームで飛ぶ。13分13秒、菊池理宇が勝利。

セミファイナルは芝田、ロイヤル北条、フレイア鏡の「お嬢様軍団」にスイレン草薙、ガイア小早川、ギムレット美月の本隊が激突するカード。

この日は本隊組が奮起。スイレンが場外ノーザンライトという荒技。しかし芝田も裏拳でスイレンを流血に追い込む。しかし最後はお嬢様軍がガイア小早川を捕らえ、ロイヤル北条がネックブリーカーで勝利。勝負タイム20分23秒の激戦。

メインのSPZ選手権はボンバー来島対ビューティ市ヶ谷。お互いパワーファイター同士なのでけっこうド迫力の激戦となった。ビューティも当たり負けしない。物怖じせずラリアットを叩き込んでゆく。最後は経験の差が出たか、ボンバー来島がダイビングプレスで市ヶ谷を圧殺。市ヶ谷、初挑戦でSPZベルト奪取はならなかった。

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SPZ世界選手権(60分1本勝負)

ボンバー来島(20分くらい、ダイビングプレスからの片エビ固め)ビューティ市ヶ谷

第42代王者が初防衛に成功。

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2007年9月24日 (月)

第215回 ボンバー来島写真集発売・・・・・・

15年目9月、

ボンバー来島、晴れてSPZクライマックスを制したもののリーグ戦で右足首を負傷。大事をとって欠場させようとしたときにきたのは写真集のオファー。

「・・・マジで?」

本人も業界もファンも関係者もびっくり仰天のボンバー来島ファースト写真集「KAMOME」が発売された。

「あー、疲れたー」

撮影後の来島さんはさすがにぐったりした表情。

「売れると思うよ」

「イロモノ好きに?」

売れ行きは・・・サプライズ、現SPZ王者ということもあって、そこそこだった・・・

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こうして9月シリーズ「セプテンバーブルームーンシリーズ」はスイレン草薙(7月に痛めた首が完治してない)、ボンバー来島の2大化け物を欠いての巡業となった。

当然タイトルマッチも組めない。九州地区を転戦するシリーズ、メインはお嬢様軍、正規軍(スターライト・ビーナス・ギムレット)、EWA軍がぶつかる6人タッグマッチを組んで回した。

「ほぅ・・・埋まった~」

さいたまドーム大会最終戦。カード的に弱かったのだがそれでも4万弱の観客動員に成功。今野役員は胸をなでおろした。

「みんな、今日は来てくれてサンキュー。」

第1試合開始前、吉田龍子プロデューサーがジャージ姿でリングに上がってMC。

「我が吉田キラーマシン軍はSPZのシングル・タッグのベルトを独占して、この団体を制圧した、と思ったらボンバー来島が怪我しちまった。」

「で、山形のみこみこ女も来島さんにやられた首が治ってないのでお休み。だから今日のメインイベントはあの酒びたり社長代行、井上霧子がやけくそで組んだEWAタイトルマッチ、ナターシャ・ハン対ロイヤル北条。まああまり期待しないでくれ。」

(場内笑い)

「あーっと、吉田キラーマシン軍が世界に誇る戦闘機、菊池ちゃんは今日はセミファイナルでお嬢様軍と激突だ。今日はそんなとこかな。

・・・あと大切なお知らせを忘れていた。

いいか、ボンバー来島ファースト写真集は10月3日、全国有名書店で発売予定だ!税込み2,415円、

いいか、SPZファンは最低1冊買え!そしてボンバー来島のファンは最低3冊買え!

それじゃあ今日は楽しんでいってくれよ!」

吉田プロデューサーのMCのあと、試合開始。

第1試合はキューティー金井(12期)対ウェイン・ミラー。

アイルレスラー、キューティーも良く粘ったが、最後は地力に勝るウェインがパイルドライバーからニーリフトとつないでキューティーを叩きのめして終了。勝負タイム12分11秒。

第2試合タッグマッチはガイア小早川(9期)、成瀬唯(15期)対マイトス香澄(8期)、フォクシー真帆(14期)。

やはり新人の成瀬が捕まってしまい最後は合体パイルドライバーに沈んだ。勝負タイム13分42秒。

第3試合はフレイア鏡(14期)対アリス・スミルノフ。

場外でアリス・スミルノフがラリアット、ニーリフトの激しい攻め。これで大ダメージを負ったフレイアはリングに戻ってすぐ、ニーリフトに撃沈。勝負タイム11分41秒。

休憩後の第4試合はビーナス麗子、ギムレット美月の10期生コンビがヘレン・ニールセン、アンナ・クロフォードと対戦するタッグマッチ。ビーナス麗子が意地を見せ、キャプチュードを繰り出してアンナを仕留め、15分53秒の熱闘を制した。

セミファイナルは「スペシャルタッグマッチ」。スターライト相羽(9期)、菊池理宇(11期)対ビューティ市ヶ谷(13期)、芝田美紀(12期)。

4人が4人とも実力者なので結末が予想しづらいカード。先に仕掛けたのは市ヶ谷。力のこもったビューティボムで相羽に大ダメージを与える。

「ぐあ・・・っ」

これで相羽が場外でのびてしまって、菊池のローンバトルが続く。市ヶ谷とは何とか対等に渡り合った菊池だったが、芝田の延髄斬りをくらって動きが止まり、最後はノーザンに3カウントを喫した。勝負タイム19分45秒。

さいたまドームメインイベントは「井上霧子がやけくそで組んだカード」EWA選手権、王者ナターシャ・ハンに挑むのはロイヤル北条。要するにEWAサイドが番狂わせの起こらない相手を望んだのである。

初のシングル挑戦に気合の入ったロイヤル北条だが、軽くあしらわれて最後はドラゴンスリーパー。一度目は耐えた北条だったが、間髪入れて2度目のドラゴンスリーパー。これで北条は落ちてしまい伊達レフェリーが試合を止めた。

2007年9月23日 (日)

第214回 ボンバー来島の栄光

前回までのあらすじ

横浜戸塚に本拠地を置くお嬢様プロレス団体「スーパースターズ・プロレスリング・ゼット」は創立15年目を迎え、今年も恒例の8月真夏のリーグ戦、「第15回SPZクライマックス」を開催した。リーグ戦4戦を消化した時点での優勝争いは以下の通り

6点(3勝1敗)ボンバー来島、菊池理宇、ビューティ市ヶ谷、芝田美紀

4点(2勝2敗)スイレン草薙

2点(1勝3敗)スターライト相羽、ギムレット美月

0点(0勝4敗)ロイヤル北条

6点で4人が並ぶ例年まれに見る大混戦。しかし、優勝候補の一角に挙げられていたスターライト相羽は早々と優勝戦線から脱落してしまった・・・

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翌日は飛行機で一気に札幌へ飛んでどさんこドーム会。

菊池(8点、ムーンサルトプレスからの体固め 18.33)B市ヶ谷(6点)

1敗同士の対決。市ヶ谷はまだ菊池に勝ったことがない。それでも来島、相羽を倒していて自信が出てきた。菊池がドロップキックやローリングソバットで動き回っても落ち着いて受けてラリアットで反撃。しかし菊池、シャイニングウィザード2連発で応戦。

「くっ・・よくも!」

顔面に膝を入れられて怒ったのか、市ヶ谷の強引なビューティボム炸裂。

菊池、なんとかカウント2.5でクリアしてミサイルキック、エルボー、ボディプレスで反撃。好勝負となった。そして最後はー

「この技で勝負をかける!」

菊池ムーンサルト!ビューティ市ヶ谷は無念の3カウントを聞いた・・・

B来島(8点、ジャーマンSH 15.04)芝田(6点)

1敗同士の対決その2。前日スイレン草薙を破って意気上がる芝田だったが来島のパワーに苦しむ。終盤よく粘ったものの来島のブン投げジャーマンに沈んだ。

S草薙(6点、ノーザンライトSH 11.32)G美月(2点)

スイレン、昨日のショックは引きずっておらず、ギムレットと熱のこもったグラウンドの攻防を展開。最後はノーザンで勝利。

S相羽(4点、DDTからの片エビ固め 8.15)R北条(0点)

札幌大会メインはスターライト相羽が北条を一蹴した。この選手、明らかに実力差のある選手にはなまら強い。

第6戦終了時点で優勝争いは以下の通り、まだ5人に可能性が残っている。
1敗・・・菊池、B来島
2敗・・・S草薙、芝田、B市ヶ谷。

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そして1日のオフを置いて翌日は仙台大会。

B市ヶ谷(8点、ニーリフトからの片エビ固め 20.27)芝田(6点)

お嬢様軍団の頂上対決。芝田も掌底、ミサイルキックなどで懸命に食い下がったが、最後は市ヶ谷のニーリフト炸裂。市ヶ谷が2敗をキープ。

S草薙(8点、ノーザンライトSH 13.59)R北条(0点)

苦難のシリーズのスイレン。前日のオフ、札幌観光を楽しむSPZご一行とは別行動で、先に東京へ飛んで首の治療。そして今日新幹線で単身、仙台入りというスケジュール。

この日の相手はロイヤル北条、まず負けることがない相手だがそれでもロイヤルスパイクをもらって首にダメージを受けてしまう。それでも最後はノーザンでR北条を仕留めた。

スイレン草薙、追いかける展開で優勝の可能性は低いが、「最後まで全力で行きます」とコメントした。

B来島(10点、パワーボムからのエビ固め 17.53)菊池(8点)

「きょう、菊池に勝てば・・・明日の横スペは何とかなる」

1敗同士の直接対決。ボンバー来島、明日の相手は全敗のロイヤル北条なので勝てば優勝は9割がた決まる。そう考えて来島は同期でタッグパートナーの菊池をつぶしにかかった。

菊池も連戦の疲れが出ており万全の状態ではなく、自分のプロレス~飛んだりはねたりに持ち込めない。逆に来島が裏投げ、パワーボムとたたみかけて主導権を握る。菊池も粘りをみせてムーンサルトを繰り出したが、

「どうりゃっ!」

最後は来島のこの日2発目のパワーボム。菊池を沈めた。これでボンバー来島、優勝に限りなく近づいた。

S相羽(6点、DDTからの片エビ固め 7.50 )G美月(2点)

格下相手には無類の強さを発揮する相羽、ギムレットをあっさり8分足らずで退けた。

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そして最終戦、横スペ大会。

菊池(10点、タイガードライバーからのエビ固め18.42)芝田(6点)

菊池の飛び技と芝田の掌底が真正面からぶつかり合う好ファイトを展開。最後は菊池がハイキックで芝田をぐらつかせたところをタイガードライバーで勝利。菊池、堂々の10点でリーグ戦を終えた。

B市ヶ谷(10点、デスバレーボムからの片エビ固め 4.39)G美月(2点)

市ヶ谷様強い。ギムレットを5分弱で破壊。

B来島(12点、フェイスクラッシャーからの片エビ固め 9.30)R北条(0点)

「ふいー」
勝てば優勝のボンバー来島、控え室でも落ち着かない表情。
この日の相手は後輩のロイヤル北条なのでまず負けることはない。落ち着いていつも通りのペースで頭突きをみまう。最後は裏投げ、そしてフェイスクラッシャーとつないでカウント3を奪い、優勝を決めた。

「優勝だあーーーッ!」

ボンバー来島は両腕を高く掲げた。とどろきわたる歓声。

S草薙(10点、デスバレーボムからの片エビ固め 15.08)S相羽(6点)

「勝てば準優勝ですね。お食事券5万円相当でしたっけ」

目の前でボンバー来島が勝って、メインは消化試合となった。しかしスイレン草薙、あまり動じた様子もなく入場。

スイレン草薙、最終日メインで相羽をうまく攻めて、エルボーで相羽を流血においこむ。これで動揺したのかあとは草薙が投げまくって、時には相羽の反撃を耐えて、最後は草薙流兜落としからデスバレーとつないで勝利。

「まあ、こんなものではないでしょうか。」

これで10点目を獲得。同じ10点の菊池、B市ヶ谷にはいずれも直接対決で勝っているので2位となり「横浜中華街のお食事券」をゲットした。

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メイン終了後、表彰式。

「まあ、当然の結果だけどな!ヘヘッ」

SPZクライマックス初優勝を遂げたボンバー来島には例年通り賞状と金一封、副賞として「ノートパソコン」が贈られた。

「3位の賞品は、スポーツドリンク24缶ですか~。安ッ。まあ、何ももらえないよりいいかな。」

(3位には菊池理宇が入賞)

「そんな、このボクが、6点どまり・・・」

(スターライト相羽まさかの予選会行き)

2007年9月22日 (土)

第213回 星勘定、星のつぶしあい

15年目8月 SPZクライマックス(続き)

リーグ戦初戦大阪大会を終えて、初日を白星で飾ったのはG美月、S草薙、B市ヶ谷、S相羽の4名。だが過酷な戦いは始まったばかり。

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翌日は新幹線で広島へ移動して若鯉球場大会。

芝田(2点、ノーザンライトSH 18.31)R北条(0点)

お嬢様軍団同士の対決。この試合を落としたら全敗かもしれない・・・そう考えたロイヤル北条が積極的に仕掛けてロイヤルスパイクも繰り出したが、受けきった芝田、リング中央でドラゴンスリーパー。
何とか耐え切った北条だったがすでに虫の息。このあとのノーザンを返す力は残っていなかった・・・

B来島(2点、パワーボムからのエビ固め 8.41)G美月(2点)

ボンバー来島が圧倒的なパワーで押す。ギムレットもドラゴンカベルナリアで見せ場は作ったが来島、強引にふりほどく。最後はパワーボム2連発で終了。

「さぁー、これからガンガン勝ち進むよー!」

S草薙(4点、ノーザンライトSH 18.50)B市ヶ谷(2点)

大会場ではおそらくシングル初対決。手負いのスイレン相手に全力でぶつかってゆく市ヶ谷。

ーまだ5試合残っている。ここは早めに片付けないと。

早めの勝負に出たスイレンが草薙流兜落とし、しかし市ヶ谷場外へエスケープ。スイレンは場外でストレッチプラムの追い打ち、しかし市ヶ谷も場外ビューティボムを繰り出し試合はわからなくなってきた。しかし最後はスイレン、しつこくしつこくドラゴンスリーパーを仕掛け弱らせてからこの日2度目のノーザン。粘る市ヶ谷を仕留めた。

ーあと、手ごわいのは来島さんと相羽さん。どちらかに勝てばトップで横浜に戻ってこれる・・・

スイレン草薙も団体最古参。星勘定をしっかり考えている。

菊池(2点、DDTからの片エビ固め 17.32)S相羽(2点)

相羽敗北。菊池のちょこまかと飛びまわる空中戦についていけず。終盤にタイガースープレックス、キャプチュードで懸命に反撃するも仕掛けが遅い。最後は菊池のDDTがズバリ。

「あー、やっちゃった・・・」

リーグ戦2戦を終えて、スイレン草薙がただひとり2連勝。このまま突っ走るのか。

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翌日は博多九州ドーム大会。

芝田(4点、延髄斬りからの片エビ固め 6.30)G美月(2点)

芝田が一方的に試合を進め、最後は優雅に飛んで鋭い延髄。

「かはっ」
崩れ落ちるギムレット。これでカウント3がはいってしまった。

菊池(4点、タイガードライバーからのエビ固め 14.0)R北条(0点)

ロイヤル北条もロイヤルスパイク、シャイニングウィザードを繰り出すなど健闘し、ボディプレスを自爆させてからのパワースラムであと一歩まで追い込んだが、最後は菊池のタイガードライバーに沈んだ。菊池、2勝1敗と白星先行。

B来島(4点、STOからの片エビ固め 20.58)S草薙(4点)

「地元では負けらんないね。」

福岡でこのSPZ頂上決戦が実現。スイレンここでもコツコツと逆水平チョップ、アームホイップ、スリーパーと、ボンバー来島のスタミナを奪っていく「コツコツやるのが、コツ」作戦。

ー悪いが福岡で負けられない。先月怪我させたところを攻めるのは悪いけど。

しかし来島もスイレンの痛めている首に集中しネックブリーカー2連発。なんという非情な攻め。スイレン草薙の首に電気が走る。

「・・・・・・・・・・・・・っ」

(そこまでやりますか来島さん。あなたがその気なら、こちらも・・・)

これにスイレンがムッとしたのか草薙流兜落とし。たまらず頭を押さえて場外へエスケープする来島。この場外戦がポイントだったか。

「逃がしません」

スイレン、勝ちを焦ったのか追撃の場外STO。

「・・・・・・・・・やろお」

ここで来島もキレたのか、むくっと立ち上がり、スイレンを場外フェンスへ押し込み、そのまま、

がしっ!

場外、フェンス際でのナパームラリアット。凍りつく九州ドーム。リングサイド席の上に頭から落ちたスイレン草薙、しばらく動けず。

「サーティーン、フォーティーン、フィフティーン・・・」

カウント18でなんとかリングに戻ったスイレンだったがもはや目がうつろ、ボンバー来島のSTOを返す力は残っていなかった・・・

破れたスイレン草薙、ダメージが深くノーコメント。痛めた首をさらに悪化させてしまった。

B市ヶ谷(4点、ギロチンドロップからの片エビ固め 15.39)S相羽(2点)

ビューティ市ヶ谷、来島に続いてスターライト相羽も食ってしまう。ビューティの強烈な裏拳で相羽、鼻から流血。

「・・・・・・ううっ!」

これで動きが鈍ったのか、市ヶ谷にズルズルと押し込まれていって最後はギロチンドロップに敗北。

「やっぱ相羽ちゃんだ。これで優勝の目はなくなったな」

吉田龍子がぼそりと。スターライト相羽、2連敗。悲願の初優勝は厳しくなってきたか。

3戦目を終えて星勘定は

2勝1敗 芝田、菊池、B来島、S草薙、B市ヶ谷

5人が4点で同点トップ。これは例年まれに見る大混戦。

翌日のオフ、朝一の飛行機でスイレン草薙は緊急帰京。都内の病院で首の治療を受けた。

「スイレンさん、棄権したほうが・・・」

同行した上原コーチが声をかける。

「あと4戦残ってますが、相羽さんにさえ負けなければ1敗は守れます。来年はどうなるか分かりませんし。」

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1日のオフを置いて、リーグ戦4戦目は名古屋大会。

午後3時、横浜近くの病院。マッド女医・羽山リングドクターに痛み止めの注射をスイレン草薙は打ってもらっていた。

「はい、どうしました?・・おお、首が痛い。それは重い、重ーい、頚椎損傷かもしれませんねえ、すぐにお手当てしなければ、大変です。ではそこに横になってください、目を閉じて、ふふ、もっとリラックスしてください・・・」

ブスーッ。

 「ああ・・・っ」

「もう一本いっとく?」

 「・・はい・・っ」

ブスーッ。

 「うう・・・ありがとうございました。」

「んじゃ、死なないように頑張ってきてねーん」

そのままスイレン草薙は新横浜から「のぞみ」に乗り込んだ。名古屋までは1時間半。

菊池(6点、ミサイルキックからの片エビ固め 11.39)G美月(2点)

自分の持ち味である飛び技を積極的に繰り出した菊池が快勝。ギムレット、ドラゴンカベルナリアで見せ場は作った。

B市ヶ谷(6点、ニーリフトからの片エビ固め 9.03)R北条(0点)

13期の同期対決。しかし市ヶ谷強い。この日もロイヤル北条を軽く一蹴。

芝田(6点、延髄斬りからの片エビ固め 30.0)S草薙(4点)

このリーグ戦のベストバウト。芝田が意外にも掌底のラッシュでスイレンのペースに持ち込ませない。後半はスイレン、投げ技は状態が悪く出せないのか、ストレッチプラム、ドラゴンスリーパーと絞め技のオンパレードで勝ちを狙う。殴る蹴る芝田、絞める草薙、場内は大歓声に包まれた。

「・・あ、がっ・・・」

しかし芝田、ギブアップの言葉だけはは吐かなかった。逆に強烈な延髄斬りで反撃。

「はあああ・・・っ」

スイレン草薙、この一撃で視界がブラックアウト。カウント3を奪われてしまった。勝負タイム30分の死闘。

えええええええええええええええ!

愛知のファンは絶句。SPZで団体エースのスイレンが「お嬢様軍団の2番手」にやられてしまった。勝ち名乗りを受け、疲れきっているにもかかわらず、オーホホホホホと高笑いする芝田。

「市ヶ谷さんでも勝てなかったスイレン選手に勝ちましたわ!」

「そん、な・・・」

スイレン草薙、勝ち点2ゲットを計算していた相手にまさかの敗北。それほど状態が悪いのか。呆然とした表情で引き揚げた。

B来島(6点、パワーボムからのエビ固め 12.29)S相羽(2点)

スイレン敗北でざわついた雰囲気のままメインが始まった。ボンバー来島がいつもどおりパワフルな攻めを見せるが、ファンは前の試合の結末の残像が残っておりいまひとつ盛り上がらない。最後は来島がパワーボムで締めた。

「ちょっとやりにくかった。でも相羽さんに勝ててうれしい」
スターライト相羽、まさかの3連敗・・・

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これでリーグ戦は4戦を消化、この4人がトップに並ぶ大混戦。

菊池理宇(6点 残る相手はB市ヶ谷、B来島、芝田)、

ボンバー来島(6点、残る相手は芝田、菊池、R北条)

「いやー、やっぱり名古屋は手羽先ですな~、はははは」

「うまいっ!」

吉田コーチと3人で手羽先のハシゴ。興行がはねたら優勝争いのことは忘れている。

ビューティ市ヶ谷(6点、残る相手は菊池、芝田、G美月)

「くー、くー。」

この選手、興行後は手早く食事して寝てしまう。明日は札幌へ飛んで菊池戦。

芝田美紀(6点、残る相手は来島、B市ヶ谷、菊池)

「もしかして、もしかして、もしかすると・・・ほほほほ」

大番狂わせを演じた芝田、あと1点でシード権確保。まだ同点トップ。

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この選手も優勝は厳しくなったがまだ諦めてはいない。

最終の東京行き新幹線「のぞみ」グリーン車車内。サングラスに野球帽で変装?したスイレン草薙はリクライニングシートに沈んでいた。明日の朝また病院で治療と注射を受けるため、巡業ご一行から離れての単独行動が続く。

「うう・・・・」

(窓枠には自棄酒の缶ビール。)

ー芝田選手は一発狙ってきた。その思いに気づかなかった私が未熟だった。ケガを気にしすぎていつものレスリングが出来なかった。後悔はしてもしょうがないです、けど、痛い・・・

スイレン草薙(4点、残る相手はG美月、R北条、S相羽)

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そのころ愛知県某所の居酒屋。優勝が絶望的になったこの選手が自棄酒のビールを飲んでいた。優勝どころか6点以下なら予選会行きである・・・

「うっ、うっ・・・ボクは、どうしてこうかんじんな試合を落とすんだろう・・・」

スターライト相羽(2点、残る相手はR北条、G美月、S草薙)

2007年9月21日 (金)

第212回、コツコツやるのが、コツ

15年目8月

恒例の「真夏の決戦」SPZクライマックスの季節。8月3日の夜9時、例年通りSPZ横浜本社2階にある閉店後のメイド喫茶「あばしり」を借り切って記者会見が行われた。

■「新・最強巫女伝説 前SPZ世界王者」スイレン草薙(22)

前回優勝 7年連続7回目の出場 京スポ予想倍率1.9倍

「全力で戦います」

■「シューティングスター」スターライト相羽(21)

5年連続5回目の出場 京スポ予想倍率2.7倍

「気合と根性で頑張りますッ」

 ■「殺人ダンプカー・SPZ世界王者」ボンバー来島(19)

3年連続3回目の出場 京スポ予想倍率2.7倍

「全員気持ちよく眠らせてやるぜー」

■「小さな宇宙戦艦」菊池理宇(19)

2年連続3度目の出場  京スポ予想倍率9.3倍

「出るからには一つでも多く勝ちます」

以下は予選会勝ち上がり組。

■「史上最凶のお嬢様」ビューティ市ヶ谷(17)

初出場 予選会1位通過 京スポ予想倍率6.2倍

「オーッホッホッホ!全員このわたくしにひざまづくのです!」

■ 「一撃必殺お嬢様」芝田美紀(18)

2年連続2回目の出場、予選会2位通過 京スポ予想倍率99.9倍
「ホーッホッホホホホ!芝田ここにありということを全国のファンに見せ付けますわ」

■「スーパーお嬢様」ロイヤル北条(17)

初出場 予選会3位通過、京スポ予想倍率99.9倍
「ようやくこのリーグ戦に出られるところまで来ました。これに甘んじることなく、自分のレスリングをして白星を積み重ねたいです」

■「ファイティングコンピューター」ギムレット美月(20)

3年連続3度目の出場 予選会4位通過 京スポ予想倍率99.9倍

「優勝の確率は微妙ですが、まあ、頑張ります。」

例年通り、上記8人が総当りリーグ戦を闘い、勝ち2点引き分け1点負け0点で、最も勝ち点の高い者が優勝となる。スイレン草薙が本命とみられていたが、先月ボンバー来島のラリアットをモロに食らって首を負傷。この影響がリーグ戦の行方にどう影響するか。SPZシングル戴冠経験のあるボンバー来島、スターライト相羽、菊池理宇も一発狙ってくるだろうし、進境著しい市ヶ谷様もダークホース的存在。今年は例年になく混戦模様になる・・というのが戦前の予想だった。

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初戦京都大会。この日はリーグ戦は行われず「前夜祭」と称して通常の地方興行だが、読み上げられたカードにスイレン草薙の名はなかった。

実は先シリーズ最終戦でボンバー来島のラリアットを食らった際に首を痛めてしまって、リーグ戦の出場をも危ぶまれたが本人の強い希望もあって出場、ただし初戦の京都大会は大事をとって欠場となった。

京都大会メインの6人タッグにはこのシリーズ参戦予定のなかったナターシャ・ハンがワンマッチ限定参戦。あいかわらずのグラウンドさばき、関節技で菊池来島をキリキリ舞いさせたあと最後はキューティ金井をSTFで葬った。

「キョート・サイコー!」

ナターシャ・ハンは翌日京都観光を楽しんでから、夕方関空発の飛行機でEWAの興行場所、オランダへ戻った。

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2戦目の大阪なにわパワフルドーム大会から地獄のリーグ戦がスタート。

G美月(2点、ドラゴンスリーパー 15.31)R北条

予選会ではギムレットに勝っているロイヤル北条だったが、本大会ではギムレットが先輩の意地を見せた。アキレス腱固めを長々とかけて動きを止めて自分のペースに持ち込むあたりはさすが。最後はドラゴンスリーパーでギブアップを奪った。

「この試合を取らないと全敗の恐れがあります。真剣でした」

B市ヶ谷(2点、ミサイルキックからの片エビ固め16.42)B来島

大阪、セミ前で注目の顔合わせ。SPZ王者のボンバー来島に新鋭のビューティ市ヶ谷がどこまでくらいついてゆくか。

「覚悟なさい!」

ラリアットを3連発、ペースを握ろうとする市ヶ谷。しかし来島、リーグ戦初戦からの消耗戦を嫌ったのか、

「これがラリアットだ!」

ものすごい勢いのナパームラリアット。そしてボディプレス。厳しい攻めを見せて市ヶ谷をカウント2.5まで追い込む。

しかし市ヶ谷も猛反撃。

「マットにひれ伏しなさいッ!」

ビューティボム、パイルドライバーで来島の動きを止める。そしてコーナー最上段に登って
ダイナミックなフォームでのミサイルキック。このあとのフォールを来島返せず。

ええええええええええええええ!

騒然とするなにわパワフルドーム。SPZ王者が黒星発進してしまった。

S草薙(2点、サソリ固め 11.11)菊池

手負いのスイレン草薙、この日午前に横浜市内の病院で痛み止めを打ってもらったあと「のぞみ」で会場入り。初戦の相手は菊池理宇、楽な相手ではないがアームホイップ、スリーパー、タックルなどの小技でこつこつと攻める。結果的にこれが功を奏し、やや動きの落ちた菊池にサソリ固めを極めてギブアップを奪った。
試合後の控室。

「まずは第一の難関突破ですね」

「そうですね、あまり調子が良くないので、こういうときはコツコツやるのが、コツだと思います」

スイレン草薙を取り囲んだ記者団は凍りついた。

S相羽(2点、タイガースープレックスホールド 14.44)芝田

スターライト相羽がメインに登場。芝田の打撃攻勢に追い込まれたものの最後はきっちり必殺タイガースープレックスで勝ち点2をゲット。

「今年こそ、ボクが、優勝する・・・」

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メイン終了後、森和紀アナウンサーが吉田龍子解説者と話す。

「かいせつの吉田さん、初戦を終えましたが、ズバリ優勝の予測は」

 「ほんっと今年はわからんですよ。実力に差がないと思いますし、スイレン選手も今日は勝つことは勝ちましたが動きが悪いです。まあ、今日負けましたけど菊池に頑張って欲しいですね」

「スターライト相羽選手はどうですか、今日メインで芝田を破りましたが」

 「多分ダメでしょう。オーラがないんですよ彼女には」

「オ、オーラですか・・それではなにわパワフルドームからこの辺で失礼致します。実況はわたくし森和紀、かいせつは吉田龍子さんでした。」

 「はいどうも」

2007年9月20日 (木)

第211回、スイレン草薙の敗北

15年目7月。

SPZ9期生で元SPZ世界王者のスターライト相羽、ファースト写真集「HAKUTAKA」発売。ボクっ娘ファンの間は騒然となった。

「相羽ちゃん、写真集なんか出してる場合じゃないと思うんだけどね」

吉田コーチがきつい一言。今の置かれた立場を言いたいのだろう。

「・・・いまの相羽選手はスランプに陥ってます。南の島で撮影がてら気分転換するのも良いかと思います」

井上霧子社長代行がフォローする。正しいのはどちらの意見だろうか。

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サマースターナイツシリーズ開幕。キューティー金井、フレイア鏡、マイトス香澄が負傷欠場。

第5戦宇都宮大会、メインはAACシングル選手権。
「SPZの選手でイキノいいやつでうちのハイサスカラスに勝てそうもない選手を挑戦者にしてくれ」AACのエージェント、ハヤトール氏が虫のいい申し入れ。
なんでも「ハイサスカラスは見事日本でベルトを防衛した」というストーリーを作りたいらしい。

「芝田さんはどうですか?」

「ダメだ、打撃が強そうでバンクルワセが起こる。ビーナスレイコがいい」

以上のやりとりがあって10期生のビーナス麗子がAACに挑戦。しかしハイサスカラスが飛び回って、最後はムーンサルトプレスでビーナス麗子を退けた。

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翌日の第6戦ぐんま大会でも同様の理由でEWA(今月から提携を再開した)王者ナターシャ・ハン対ビーナス麗子のタイトルマッチ。ビーナス麗子は2日続けて結びの一番に登場。試合はやはりナターシャのグラウンド地獄。最後は逆片エビに散った。

第7戦は幕張コンベンションホール大会。メインで組まれたのはスイレン草薙、ガイア小早川対菊池理宇、ボンバー来島のSPZタッグ戦。とくにボンバー来島は翌日の新日本ドームでスイレンとSPZタイトル戦が組まれているので、スイレン草薙と力のこもったファイトを展開。

「せええいっ!」

ガイア小早川が予想以上の好ファイトを見せ、ボンバー来島の攻撃をかいくぐってドロップキック。この好アシストにスイレンが燃えた。菊池を捕らえてノーザン、バックドロップの猛攻。しかし菊池もムーンサルトでスイレンの攻めの流れを断ち切ってボンバー来島にスイッチ。
ドオオオン!
ボンバー来島強烈なパワーボム。

「ぐっ・・・・」

これで頭を打ったスイレンはあとをガイア小早川に託さざるを得なくなった。いくらなんでも来島の重量感ある攻めをG小早川は受けきれない。

「いまだ、つぶすぞおおー」

ボンバー来島、ネックブリーカー、STOとパワフルな猛攻を見せてガイア小早川をブッ倒し、3カウントを奪った。菊池はスッとスイレンの前に出て逆カット。勝負タイム25分18秒、11期生コンビが王座奪還に成功。

試合後ボンバー来島がマイク。ニュートラルコーナーにうずくまるスイレン草薙に向かってまだマットに大の字になって失神KO状態になっているガイア小早川を指差して、

「スイレン・・・さん!あした、ドーム、あんたがこうなるぜ!」

と言い放った。

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で、翌日の新日本ドーム大会。「最強巫女対ダンプカーの激突」と前宣伝が凄かったこともあり超満員札止め。

メインイベント。SPZ選手権・王者スイレン草薙対挑戦者ボンバー来島。
ボンバー来島もヘッドバットでよく攻めるのだが、スイレンのスリーパー、逆片エビといった極め技締め技で流れを止められてしまう。そして動きが鈍ったところへ投げ技のオンパレード。

しかしこの日のボンバー来島はしぶとい。スイレンの攻勢をどうにか受けきって、そのあと反撃に転ずる。裏拳でぐらつかせるとー

「これでトドメだあ!」

ボンバー来島のナパームラリアット炸裂。

「・・・・がっ」

全体重を乗せた一撃にスイレンは吹っ飛んだ。そのまま押さえ込む。

ワン、トゥ、スリー。

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SPZ世界選手権(60分1本勝負)

ボンバー来島(28分6秒、ナパームラリアットからの片エビ固め 28.06)スイレン草薙

王者が2度目の防衛に失敗、ボンバー来島が42代王者となる。

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―スイレンさんにはじめて勝った!
勝負タイム28分6秒、ボンバー来島が42代王者に返り咲いた。

試合後の赤コーナー側控室。

「首が・・・首が・・・ひどく痛みます。」

ボンバー来島のラリアットをモロに食らったスイレン草薙が苦悶の表情。他の選手ならうめき叫んでるかもしれない。しばらく時間を置いてもスイレン草薙起き上がれない。結局この日は上原コーチの運転するサニーの後部座席に放り込まれ、病院に担ぎ込まれ病室で一夜を明かした。

「来月・・・リーグ戦なのに・・・」

スイレン草薙、ベルトを手放したばかりか、SPZクライマックス2連覇に暗雲が漂った。

2007年9月19日 (水)

第210回 15年目6月 SPZクライマックス予選会

15年目6月。
SPZ前王者の菊池が首の痛みで欠場、マイトス香澄もわき腹を痛めて負傷欠場。新人の成瀬唯も横浜での「居残り練習」(真相はハデに負け続けて「このまま巡業に帯同させると精神的にまずいですよ」と井上社長代行が申し出てきた)のため欠場。

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6月恒例のSPZクライマックス予選会。今年の出場者は以下の8名。本大会に出られるのはリーグ戦上位4名。

芝田美紀(12期:前回本大会7位)

ギムレット美月(10期:前回本大会8位)

ビーナス麗子(10期)

ビューティ市ヶ谷(13期)

ロイヤル北条(13期)、

ガイア小早川(9期)

キューティー金井(12期)、

フレイア鏡(14期)

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1戦目の山口大会から激闘開始。

R北条(2点、パワースラムからの片エビ固め)G美月

昨年の予選会は全敗に終わったロイヤル北条、初戦のギムレット美月戦、関節技がことごとくニアロープだったことにも助けられ、豪快なパワースラムで先輩越えを果たした。

G小早川(2点、ミサイルキックからの片エビ固め)V麗子

ガイア小早川がコーナー最上段から華麗に飛んでミサイルキック。これが顔面に入ってしまったのか、ビーナス麗子3カウントを取られてしまい黒星発進・・・

「今年こそ、SPZクライマックスに出るんだ・・・」

後輩のV麗子G美月や芝田がSPZクライマックスに参戦経験があるのに、ガイア小早川はまだ一回も出たことがない。もうプロ6年目、今年が最後のチャンスかもしれない。

芝田(2点、延髄斬りからの片エビ固め)Q金井

芝田、同期の金井を子供扱い。

「くすん・・・」

キューティー金井、本大会出場よりも予選会1勝できるかどうかすら微妙。

B市ヶ谷(2点、フィッシャーマンバスター)F鏡

「予選会などやらなくてもわたくしが全勝することはわかっていますわ」

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2戦目は島根大会。

G美月(2点、バックドロップからの片エビ固め)G小早川(2点)

ギムレットがガイアのジャーマンをカウント2.8で返してバックドロップの反撃。ガイア小早川これを返せなかった。

V麗子(2点、ジャンピングニーからの片エビ固め)Q金井(0点)

ビーナス麗子、キューティーを問題にせず。

芝田(4点、ハイキックからの片エビ固め)F鏡(0点)

芝田危なげなく2連勝。

B市ヶ谷(4点、ニーリフトからの片エビ固め)R北条(2点)

 市ヶ谷も同期の北条をまったく問題にせず。

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第3戦は鳥取大会。

G美月(4点、スリーパーホールド)Q金井(0点)

10分過ぎ、ギムレットのスリーパーが決まる。つなぎ技ではなく決めるつもりで絞めてきている。こらえきれずキューティー金井、ギブアップ・・・

V麗子(4点、ギロチンドロップからの片エビ固め)F鏡(0点)

ビーナス麗子、手堅く2勝目を挙げた。

芝田(6点、逆片エビ固め)R北条

芝田がお嬢様軍団先輩の意地を見せて勝利。逆片エビでギブアップを奪った。

市ヶ谷(6点、バックドロップからの片エビ固め)G小早川(2点)

市ヶ谷が3勝目を挙げた。SPZタッグ王者のガイア小早川をまったく問題にせず。

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4戦目は福井大会。

G美月(6点、ドラゴンカベルナリア)F鏡(0点)

ギムレット美月がドラゴンカベルナリア発動。これでギブアップを奪った。フレイア鏡、芽が出ず4連敗・・・

「3勝1敗・・・75%の確率で本大会に出場できる・・・」

V麗子(6点、キャプチュード)R北条(2点)

ビーナス麗子もうまく勝ち点2をプラス。新鋭のロイヤル北条の勢いにうまく対応していって最後はキャプチュードがズバリ。

芝田(8点、延髄斬りからの片エビ固め)G小早川(2点)

芝田がガイア小早川を延髄で退けた。

B市ヶ谷(8点、ニーリフトからの片エビ固め)Q金井(0点)

 市ヶ谷様完全勝利。

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第5戦は石川大会。
R北条(4点、ロイヤルスパイクからの片エビ固め)F鏡(0点)

ロイヤル北条が後輩のフレイアを厳しく攻め、最後はロイヤルスパイクを決めて3カウント奪取。これで2勝目ゲット。

G小早川(4点、フェイスクラッシャーからの片エビ固め)Q金井(0点)

キューティー金井、怒涛の5連敗・・・

芝田(10点、パワースラム)V麗子(6点)

23分に及ぶ壮絶な打撃戦になった。激戦に終止符を打ったのは芝田、延髄斬りで崩れ落ちたところをパワースラムで仕留めた。

B市ヶ谷(10点、デスバレーボム)G美月(6点)

この試合もシビアな攻防。ギムレットがドラゴンカベルナリア、アキレス腱固めで勝負をかけるも耐え切った市ヶ谷、怒りのビューティボム。これで動けなくなったギムレット、続くデスバレーの前に完全に沈黙。

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第6戦は富山大会。

Q金井(2点、バックドロップからの片エビ固め)F鏡(0点)
キューティ金井がどうにか1勝。

「勝てた、勝てた、勝てたアアアーーーー!」

R北条(6点、ロイヤルスパイクからの片エビ固め)G小早川(4点)

負けたほうが本大会出場権争いから脱落する一戦。ロイヤル北条がパワーで攻める、しかし悲願の本大会初出場を狙うガイアもミサイルキックで応戦。しかしそれをカウント2.5で返した北条、ロイヤルスパイク一撃。これでガイア小早川を倒した。

「アー、今年もダメだったかっ。くっそー!」

芝田(12点、延髄斬りからの片エビ固め)G美月(6点)

すでに予選会通過を決めた芝田、予選会通過のためにもう1勝上積みしたいギムレット。しかし芝田がギムレットを寄せ付けず、延髄斬りで葬った・・。

「あと1勝が・・・遠い・・・ですね。」

B市ヶ谷(12点、ビューティボム)V麗子(6点)

ビューティ市ヶ谷強い。ビーナス麗子も軽くひねってしまった。高々と抱えてビューティボムでたたきつけ。

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第7戦、予選会最終日は神戸大会。
G小早川(6点、ミサイルキックからの片エビ固め)F鏡(0点)

ガイア小早川、かっこよくミサイルキックを決めて3勝目。出場権は得られなかったので憮然とした表情で引き上げた。敗れたフレイアもチャンスをもらいながら1勝もできなかった悔しさ。そのこぶしは震えていた。

R北条(8点、片エビ固め)Q金井(2点)

勝てば予選会通過が決まる北条。積極的に攻めてキューティー金井を6分56秒で沈めた。

G美月(8点、ドラゴンカベルナリア)V麗子(6点)

普段は仲がよい10期生同士の対決だが、勝ったほうが予選会通過、負けたほうが予選落ちという運命の一戦。ビーナス麗子が積極的に仕掛け、掌底で流血に追い込むが、ギムレット美月は一発逆転を狙っていた。

「すべては私の計算どおり」
ドラゴンカベルナリア発動。1度目はどうにか耐えて、ロープに逃げたビーナス麗子だが、立て続けにもう一度極められてついにギブアップ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」
わかっていて関節地獄にはまる悔しさ。ビーナス麗子は悔しさをあらわにして引き上げた。

B市ヶ谷(14点、ラリアットからの片エビ固め)芝田(12点)

全勝どうしの対決は市ヶ谷に軍配。序盤は互角だったがビューティボムであっという間に市ヶ谷が優位に立つ。あとはトドメをさすだけ。館内に響く市ヶ谷お嬢さまの高笑い。

この結果予選会リーグ戦の結果は、1位通過B市ヶ谷、2位通過芝田、3位通過R北条、4位通過G美月となった。以上の4名が8月のSPZクライマックス本大会に出場できる。

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シリーズ最終戦さいたまドームのメインはスイレン草薙対スターライト相羽のSPZ選手権。1月に相羽に敗れてベルトを手放しているスイレン。今回は慎重に攻めていって相羽に付け入る隙を与えない。一方的に攻めて最後はバックドロップでトドメ。勝負タイム18分59秒、スイレンの完勝といっていい内容。

「また、ボクは、勝てなかった・・・」

1月にスイレン草薙を破って王座奪取してようやく新時代を拓いたと思ったら1ヶ月でボンバー来島に破れて手放し、奪還のチャンスを2度もらいながら失敗。S相羽の苦難の日々は続く・・・・・・・・

2007年9月18日 (火)

第209回 菊地理宇の2ヶ月天下

15年目5月。
SPZ9期生でSPZタッグ王者のガイア小早川に写真集のオファー。初めてだったので依頼を受けた。かくてガイア小早川のファースト写真集「AIZU」が発売された。一部のファンは騒然となったらしい。

5月シリーズ「2023バトルカデンツァ」がスタート、。スターライト相羽は右ひざ負傷で欠場となった。

第5戦岡山大会メインでビューティ市ヶ谷対ハイサスカラスのAAC選手権。2ヶ月連続で組まれたこのカード、、ハイサスカラスが死にもの狂いで市ヶ谷にぶつかっていった。昨年12月にベルトを奪われてからというものの、メキシコの英雄のプライドはズタズタであった。この執念が通じたのか、ジャーマンが決まりビューティ市ヶ谷、頭を押さえてもがき苦しむそこをー

ムーンサルトプレス!

25分20秒の激闘の末、ハイサスカラスがようやくAACベルトを取り返した。

第7戦新潟大会、、メインはあばしりタッグ戦。エレン、ヘレンのニールセン一族に挑むのはギムレット美月、キューティー金井のタッグ。しかしニールセン一族のコンビプレイについていけず、ギムレット美月が合体パワーボムに敗れてしまった。

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最終戦横スペ大会、メインイベントで王者菊池に挑むのは、団体内最強といわれているスイレン草薙。

「もうしっかり充電しました。勝ってSPZベルトを取り返します」

スイレン草薙、1月にS相羽に敗れて王座転落後、4ヶ月ぶりにタイトル挑戦に名乗りを上げた。菊池が勝って防衛する確率は低いというのが大勢の見方であった。

例によって走りこんでのドロップキックでペースをつかもうとする菊池、スイレンはアームホイップからスリーパーという流れで序盤は組み立てる。
菊池、スイレンのストレッチプラムで痛めつけられ、バックドロップで投げられるといった苦しい展開、しかしー

「あたしが勝つんだから!」

菊池ムーンサルト、スイレンカウント2で返す。
スイレンサソリ固め、しかしこれはロープに近い。そして、

「勝たせていただきます」

スイレン草薙流兜落し、ここで発動!なんとかカウント2.8で返す菊池。そして菊池も最後の力を振り絞って反撃。

エルボー、カウント2で返すスイレン。
菊池ダイビングプレス、カウント2.8でなんとか返すスイレン。

菊池、スイレン越えの予感が漂うが、菊池、勝負をかけた2度目のムーンサルトはスイレンが転がってかわした。壮絶な自爆。

「あぁああ・・・」

腹を押さえてもがき苦しむ菊池。なんとか立ち上がったところを狙って・・・
スイレン延髄斬り、菊池の頭を的確に捉える。バッタリと倒れる菊池、覆いかぶさるスイレン。これでカウント3が入った。勝負タイム26分45秒。

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SPZ世界選手権

スイレン草薙(26分45秒、延髄斬りからの片エビ固め)菊池理宇

40代王者が2度目の防衛に失敗。スイレン草薙が41代王者となる

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スイレン草薙がベルト奪還。

「・・・何とか勝てたようですね。」

菊池は控室で涙ぐんだ。

「やる前は・・・ダメかもて思ってたけど・・・最後のほう、勝てるかも・・・しれないっ・・・て・・・」

2007年9月17日 (月)

第208回 SPZ選手権 菊池理宇VSスターライト相羽

最終戦は新日本ドーム大会。

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SPZ選手権試合 菊池理宇VSスターライト相羽

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第1試合はフォクシー真帆対成瀬唯。

やはり一方的な展開となった。成瀬、ドロップキックはカウント2.8で返したものの、
「ハァーッ!」
続くボディスラムでたたきつけられてのフォールは返せなかった。

第2試合はキューティー金井対トーニャ・カルロス。

小柄な体格同士のシングルマッチは案外、白熱して最後はトーニャが13分13秒、スクラップバスター2連発で金井を振り切った。

第3試合はビーナス麗子、ギムレット美月の10期生タッグにマイトス香澄、フレイア鏡が対戦するカード。しかし即席タッグ対10期生コンビではやはり連携の差が出て、10期生コンビが優位に立つ。最後はギムレット美月がバックドロップでマイトスを仕留めた。

休憩後の第4試合は芝田美紀、ロイヤル北条のお嬢様軍団が登場。エレン、ヘレンのニールセン一族と対戦。12期生の芝田、そこそこの実力は持っているのだがなかなか中堅グループから抜け出せない。
しかしこの日はロイヤル北条が奮起。エレンをパワースラムからのドロップキックで下した。

セミ前はボンバー来島対ビューティ市ヶ谷。やはりパワーで圧倒的に上を行く来島が優勢に試合を進める。

「オラオラオラー!」
ボンバー来島、最後はジャーマンからフェイスクラッシャーとつないで3カウント奪取。勝負タイム15分23秒、ビューティ市ヶ谷は先月の相羽戦に続いて上位の壁にはじき返された。

セミファイナルはスイレン草薙、ガイア小早川対ハイサスカラス、ドスカナリブレのタッグマッチ。いつもどおりスイレンが押しまくって、最後は15分46秒、サンドイッチラリアットでガイア小早川がハイサスカラスからフォールを奪った。

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そしてメインイベントはSPZ選手権。菊池理宇対スターライト相羽。まず「スターライトシンフォニー」に乗ってS相羽が入場。そのあと「THROUGH THE FIRE」が流れて、ベルトを巻いた菊池が入場。小柄なチャンプの入場に場内どよめき。

「解説の吉田さん、この試合どちらが有利でしょうか」

「んー、まあ、相羽ちゃんでしょうね、技の引き出しも多いですし、なんだかんだ言って実力ではスイレンに次ぐうちのナンバー2ですから。」

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「当たって砕けろ!」
王者になっても菊池のファイトスタイルは変わらない。玉砕覚悟の飛び技を織り交ぜながら相羽に向かってゆく。

スターライト相羽は菊池より実力が一枚上で、海外生活が長かったのでいろんなスタイルに対応できるはずなので、菊池の防衛は厳しいと多くのファンは見ていた。
「せいっ!」
スターライト相羽のタイガードライバー、そしてデスバレーボム。菊池を追い込んでゆく。

ー1回はなんとしても防衛する!

しかし菊池もムーンサルトプレス、DDTで猛反撃。スターライト相羽をカウント2.8まで追い込む。

スターライト相羽キャプチュードで反撃、菊池カウント2で返す。

ここで菊池すばやく組み付いて、
うまいタイミングで逆さ押さえ込み。虚を突かれながらもカウント2.9、ギリギリでキックアウトした相羽。場内ドドドドドド。

スターライト相羽ミサイルキック。カウント2.5で返す菊池、

菊池、ここで勝負に出たが2発目のムーンサルトは自爆。

「・・うああっ・・・」

ーボクは、もう一度ベルトを巻く!

スターライト相羽、サソリ固め。菊池は痛め技にやたら弱いのを見越して仕掛けてきた。場内異様な雰囲気。

「ううっ・・・」
菊池なんとかロープに逃れる。
ドームは大熱狂状態。

そしてスターライト相羽、パワーボムか何かをねらったのか、菊池の腰に手を回して抱え上げようとする。しかしー

「うあああああああ!」
―ここで投げられたら返せない!

菊池も懸命に下から抵抗。大歓声の中、長い、長い根競べが続く。

先に根負けしたのはスターライト相羽で、

「ウアアアアアアア!」
菊池、リバースで返す。そのまま上から押さえ込む。

ワン、トゥ、スリー。

場内爆発。菊池理宇がスターライト相羽に勝ってしまった。(シングルではおそらく初めて)第40代王者が初防衛に成功。勝負タイム36分32秒。

「菊池が、防衛しちまったよ・・・」

本部席で吉田龍子が呟く。

2007年9月16日 (日)

第207回 15期生 成瀬唯デビュー

菊池理宇 SPZの新時代を拓くー

そこにいるのは、どこにでもいそうな小柄でキュートな女の子だった。

SPZは前社長の今野氏がルックス重視を公言していることもあり、スポ根系、体育会系のレスラーよりも、小川ひかるや保科優希のようないかにも普通の女の子と言ったタイプをそのままプロレスラーにしてしまうことが多い。しかしそうやって入門したレスラーが団体最強の座、SPZチャンピオンにまでなってしまうのは前代未聞のことである。

「強そうに見えないんだけど、ウチの選手はみんなリングに上がったら性格変わるからね」

菊池を育てた吉田龍子コーチが言う。トップどころの選手の攻めに耐えられるようにするため、若手の頃はウルトラハードな特訓を菊池に課したのは有名な話だ。

「いつもどおりのレスリングができたのがチャンピオンになれた理由だと思います。あと、吉田さんからは体格やパワーがない分、対抗する引き出しをいくつか持っておけって言われてます。」

チャンピオンになっても変わらない、屈託のない笑顔で話す菊池理宇。SPZに11期生で入門し、同期のボンバー来島が桁外れのパワーを武器に続々先輩越えを果たすなかで、「あたしには努力しかない」と毎月道場で特訓を続け、生命線である飛び技の精度を上げ、世界の一流選手と五分に渡り合えるようになった。

「予感はあったよ。だってあたしの引退試合で勝っちゃったんだから。このコは運がよければSPZベルト取れるなって思ったよ。」

師である吉田龍子を引退試合で下し、そのあとはボンバー来島のパートナーとしてSPZタッグ王者となった。そして絶対王者だったスイレン草薙がベルトを手放し、SPZマットが戦国時代になるやボンバー来島が奪ったベルトに挑戦し、来島の対応のまずさはあったものの見事勝利しSPZの頂点に駆け上がった。

「防衛戦・・・ですか。誰とやっても、厳しい戦いになると思います。スイレンさん、相羽さん、来島さん・・・みんな強いので。だから当たって砕けるだけです。」

体格面のハンデをものともせずSPZ王者になった菊池。しかし前王者のボンバー来島、元王者のスイレン草薙スターライト相羽もこうなった以上菊池をつぶしにかかってくるだろう、今後のSPZマットから目が離せない。(若林太郎)

(2023年4月2日、京スポ新聞プロレス面より)

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15年目4月

SPZは新人テストを実施した。例によって丹沢登山競争と体力テストを課し、最後まで残ったのが成瀬唯という大阪から来た15歳の少女だった。

「使える思たらここで使ってほしいねんけど」

「よし、採用ッ!」

「よーし、まあ期待しとって!」

「こ、今野さん、いいんですか・・・」
テスト終了後、井上社長代行が問いかける。

「くくくく、関西弁の女の子、これは営業的に考えて大きいでっせ~」

今野役員が口走る。どうもSPZの採用基準はよくわからないものがある。
引退が近い選手がいないので、来年のことも考えて今年は新人採用は1名のみとした。

「ああ、またEWAを新女に持ってかれた・・・」

落ち込む井上霧子。まだ女子プロレス界の興行戦争は熾烈だ。
そして旗揚げ14周年記念エッセンシャルシリーズ開幕。ドーム級の会場を回るシリーズである。

第1戦釧路アリーナ大会、成瀬唯のデビュー戦。

「はうー、ドキドキしてきたぁー。」

「おら行ってこい!」

吉田コーチが成瀬を花道に送り出す。

「青コーナー、大阪府豊中市出身、なるせー、ゆーいー。」

ーおお、呼ばれてもうた。これからドつきあいするねんな・・・

「赤コーナー、岩手県田野畑村出身、ふぉくしー、まーほー」

相手は一期先輩のフォクシー真帆である。

「レフェリー、上原今日子。なお成瀬唯選手は本日がデビュー戦であります」

このアナウンスで客席から拍手が。

カンッ!

ゴングと同時にフォクシー真帆が襲い掛かってくる。

ーあーもう、なるようにしかならんわ。

この瞬間、成瀬唯のレスラー生活が幕を開けた。

試合のほうは1年のキャリアを持つフォクシー真帆がタックル、ヘッドバットでいきなり攻め込んできた。

ー痛いねんな、仕返ししたるっ。

成瀬もチョップ、ドロップキックで反撃するもそこまでであった。

「シャーッ」
フォクシー真帆の頭突き一撃。これでダウンした成瀬、あっけなく3カウントが入った。

「6分22秒、ヘッドバットからの片エビ固めでフォクシー真帆の勝ち」

―ああ、痛い。うち、何もできへんかった・・・

やられた頭を押さえながらフラフラと控室に戻る。

「おめでとう!唯ちゃん!これでレスラーの仲間入りだ!」

控室では先輩選手全員が拍手してくれた。

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翌日の札幌どさんこドーム大会でも第1試合で同じカードが組まれ、成瀬、やはり4分16秒、ヘッドバットに散った。

札幌大会メインは現在のSPZ4強がスペシャルタッグマッチで激突。

ボンバー来島、菊池理宇対スイレン草薙、スターライト相羽。

4人の持ち味がぶつかりあう好勝負となったが、スイレンの投げまくり攻勢で菊池来島がふらふらになり、最後はスターライト相羽がタイガースープレックスで菊池を仕留めた。

「ドーム大会、ベルトはボクが獲ります!」

試合後、S相羽がマイクをとって、SPZベルト奪取をアピールした。

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3戦目仙台大会、メインはあばしりタッグ新王者決定戦。お嬢様軍団の ロイヤル北条、フレイア鏡 対 エレン、ヘレンのニールセン一族。
「あのフレイアがデビュー1年ちょいのヤングガールだから攻めるならそこよ」
ニールセン一族がフレイア鏡に的を絞っての猛攻。最後はキャプチュードだった。これであばしりタッグ王座は海外流出となった。

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4戦目大阪大会、メインはビューティ市ヶ谷対ハイサスカラスのAAC選手権。
「なんとしてもAACベルトを取り返して来い!」
AACエージェント・ハヤトール氏の悲痛な叫び。しかし市ヶ谷はハイサスカラス相手には自信を持っているのか、終始押し気味に攻めて最後はフィッシャーマンバスターでトドメ。勝負タイム16分12秒。これで4度目の防衛に成功。」

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第5戦福岡・九州ドーム大会。メインはボンバー来島対スターライト相羽。SPZ前王者と元王者の戦いは、地元の大声援を受けた来島が熱戦の末、ダイビングボディプレスで相羽を仕留めた。

「相場さんも強いけど、九州で負けるわけにはいかねえぜ!」

その翌日第6戦、広島・若鯉球場大会。メインはスターライト相羽がハイサスカラスをタイガースープレックスで仕留めた。

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第7戦名古屋しゃちほこドーム大会。メインはスイレン草薙、ガイア小早川のSPZタッグ王座に前王者のスターライト相羽、ビーナス麗子が挑むタイトルマッチ。しかしスイレン草薙強い。スターライト相羽、ビーナス麗子が入れ替わり立ち代り相手をしてもびくともしない。最後は疲れの見えたビーナス麗子をスイレンがバックドロップ2連発をみまって終了。8期生で団体最古参となったスイレン草薙だがまだまだ実力は健在。王者組が防衛に成功した。

最終戦は新日本ドーム大会。メインはSPZ選手権、新王者菊池理宇、最初の防衛戦の相手は元王者、スターライト相羽である・・・

2007年9月15日 (土)

第206回 ある日の喫茶あばしり

(SPZ本社近くにあるメイド喫茶「あばしり」にて)

若林記者「今のお気持ちは?」

菊池「は、はわわ・・・・」

吉田コーチ「ほら、ちゃんと答えろ、あさっての京スポに載るんだから」

(ボンバー来島を破り、まさかのSPZ王座戴冠の菊池理宇、マスコミ各社さんからのインタビューの申しこみが殺到した。)

菊池「まだ、実感が・・・わかないですね。吉田さんや新咲さんが持っていたSPZのチャンピオンになったって・・・」

若林記者「入門してからの苦労が報われましたね」

菊池「・・・はい。」

若林記者「今後SPZマットは凄いことになるんじゃないですか、スイレン選手やスターライト相羽選手は後輩に奪われたベルトを取り返しにくるでしょうし、下からは市ヶ谷選手や芝田選手が狙ってくると思いますよ」

菊池「・・ええ、まあ・・・チャンピオンになっても、今までと変わらない自分のファイトをしていきたいと思います。」

吉田コーチ「・・・もぐもぐ」(ひたすらケーキを食ってる)

若林記者「じゃインタビューはこの辺で、最後に写真2.3枚取らせてください」

(と言いつつカメラを取り出す)

ぱしゃっ、ぱしゃっ。

若林記者「じゃ、どうも。ありがとうございました。」

菊池「ふぁー、緊張したー」

(オレンジジュースを飲む菊池)

吉田コーチ「まだ何社かこのあと来るよ。あと週刊ハッスルさんと日刊ブルースさんかな」

菊池「ひ、ひええ・・・」

吉田コーチ「んー、まあ、これがSPZベルトの重みってやつかな」

そこへ別の記者が現れる。

日刊ブルース記者「ちわー、日刊ブルースです」

吉田コーチ「あー、田中さん久しぶり」

日刊ブルース記者「今日はSPZ新王者になった菊池さんの記事組むんで、取材に来ました・・・」

(このあと各社の取材は延々と続き、夜9時の閉店時間近くまで続いた。吉田コーチは同席したものの、あまりしゃべらずケーキを8個食べた。)

菊池「はーうー・・・・」

喫茶あばしり店長鈴波:「お疲れ~、菊池さん人気者じゃない」

菊池「そ、そんなことないですよぉ~」

喫茶あばしり店長鈴波:「だって、先月の来島さんのときは1社しか来なかったわよ~」

吉田コーチ「まあレスラーなんてのは人気商売やからね。はい、会計お願い」

喫茶あばしり店長鈴波「・・は~い。えーっと、11,500円になります」

吉田コーチ「・・・経費で落ちっかな、これ」

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そのあと道場で、菊池は1人黙々と受け身の練習をしていた。

「1回くらいは防衛したいな。まぐれって、いわれない為にも・・・」

(筆者より:体調がすぐれないので今日はテキトウに済ませました。申し訳ありません)

2007年9月14日 (金)

第205回 155cmのチャンピオン

14年目3月
シリーズ開始前のマッチメーク委員会。焦点は先シリーズみごとS相羽を破ってSPZ王者に輝いたボンバー来島の初防衛戦の相手を誰にするかだった。

「来島さんの挑戦者どうする?」

鳩首協議すること30分。

「実力ではスイレン選手でしょう」

「うん、今やったらスイレン選手が99%勝つよ。今野さんどう思う」

「・・・営業的に考えたら、菊池選手が良いと思う」

「しかし菊池は実力的にはSPZの4番手ですよ」

「逆にそれがポイントだと思う、下から市ヶ谷選手や芝田選手がこれから上がってくるから、菊池が4番手の座を維持しているうちしかこのタイトルマッチを組めないと思う。それに来島さんVS菊池のいいキャッチコピーを思いついた」

「えっ?」

「ダンプカー対F1」

「・・・アハハハハハ」

会議室は失笑に包まれた。この一言が決め手となり、最終戦さいたま大会でのダンプカー対F1対決が実現することとなった。

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「菊池ぃ」

「あ、吉田さん」

 「いま会議終わったところ。来月最終戦のさいたま、メインであんた、来島さんのベルトに挑戦、決まったから」

「えええっ」

 「ま、しっかりな。以前勝った事もあるからどうにもならん相手じゃないだろ」

「は、はわわ・・・」

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そして3月シリーズ「ハイパーバトル2023」がスタート。

第3戦秋田大会メインはビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条のあばしりタッグにEWAのウェイン・ミラー、アリス・スミルノフが対戦するカード。しかし市ヶ谷の実力はもうあばしりレベルではない。あっという間にラリアット連発でウェインを追い込んでゆく。後半はロイヤル北条に任せる余裕もあった。

「はっ!」

ロイヤル北条、自慢のロイヤルスパイク2連発でスミルノフを倒した。王者組が4度目の防衛に成功。ここで市ヶ谷がマイク。

「わたくしが欲しいのは来島選手のSPZベルトだけですわ!こんな喫茶店タッグのベルトはお返しいたします!」

トップグループへの殴り込みをかけるため、あばしりタッグタイトル返上を宣言した。

翌日の山形大会、メインで組まれたのは、
スイレン草薙、スターライト相羽、ガイア小早川の「SPZ本隊」対ビューティ市ヶ谷、芝田美紀、ロイヤル北条の「スーパーお嬢様軍」が激突。スイレン草薙の凱旋試合ということもあり盛り上がった。お嬢様軍が懸命に応戦するもスイレンが気持ちよく戦っている。まだ若手ではスイレンの余裕を消すにはいたらないのか・・・・

「私にひざまづきなさい!」

しかし、市ヶ谷のビューティボムが炸裂。これで頭を打ったスイレンはフィニッシュをスターライト相羽に任せた。最後は相羽の猛攻でふらついた芝田をガイア小早川がランニングタックルで倒して3カウント奪取。勝負タイム23分20秒。

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第6戦・福島大会メインはAAC選手権、ビューティ市ヶ谷対ナターシャ・ハン。

ハイサスカラスは本国のスケジュールで来日できないのでナターシャ・ハンが挑戦。しかしビューティ市ヶ谷強い。ビューティボムからのデスバレーボムでカウント2.9まで追い込み、最後は華麗に飛んでのミサイルキック。これでナターシャを退けて防衛に成功した。

第7戦幕張大会、メインはスイレン草薙、ガイア小早川のSPZタッグ王座にナターシャ・ハン、アリス・スミルノフのロシアンコンビが挑戦。しかしスイレンが例によって危なげない試合運びを見せて外人2人を追い込み、最後はガイア小早川を呼び込んでのサンドイッチラリアットでアリスを仕留め、タッグ王座防衛に成功した。勝負タイム21分50秒。

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最終戦さいたまドーム大会。

第1試合はマイトス香澄対フォクシー真帆。デビュー1年になろうとするフォクシー真帆もDDT2連発でマイトスを追い込んだが、最後はスタミナの切れたフォクシーをショルダータックルで倒してカウント3奪取。勝負タイム13分33秒。

第2試合はキューティー金井対ドスカナ・リブレ。ドスカナがあいかわらずのすばやい動きでキューティを翻弄し、最後は10分10秒、ミサイルキックで勝利。

第3試合はアリス・スミルノフ、ウェイン・ミラー対エレン、ヘレンのニールセン一族。EWAでよく組まれているカードなので4人が4人ともいい動きを見せる。最後はアリスが強烈なパイルドライバーでヘレンを仕留めた。18分2秒の好勝負。

休憩明けは6人タッグマッチ。ビーナス麗子、ギムレット美月、ガイア小早川の「本隊中堅どころ3人」と芝田美紀、ロイヤル北条、フレイア鏡の「スーパーお嬢様軍」が激突。

―市ヶ谷さんのように上へ行くんだ!

ロイヤル北条が9-10期生の攻撃をものともせず、最後はビーナス麗子を必殺ロイヤルスパイクで撃破した。勝負タイム11分23秒

ここから3大シングルマッチ。

セミ前はスイレン草薙対ナターシャ・ハン。先月の横スペのセミ前と同じマッチメイク。これはスイレン、危なげなくナターシャをバックドロップで撃破。勝負タイム15分57秒。

セミファイナルはスターライト相羽対ビューティ市ヶ谷。前王者の相羽は最近急速に伸びてきた市ヶ谷を叩き潰してスターライト相羽ここにありを見せておきたいところ。

「ハッ!」

終盤、ど迫力の裏拳による殴り合いをやってのけた。先にふらついて片膝をついたたのは市ヶ谷。そこをねらって、キャプチュード、そしてパイルドライバー。相羽が何とか市ヶ谷を振り切ってカウント3奪取。勝負タイム16分1秒。

*****************************

そしてメイン。SPZ選手権はダンプカー対F1(チャンピオン・ボンバー来島対挑戦者菊池理宇)の決戦。普段はタッグを組んでいる両者だが、きょうはSPZ王座、団体最強の称号をかけてぶつかり合う。

「まさか菊池とSPZベルトを賭けて闘うことになるとはな・・・」

ボンバー来島、青コーナーに立つ菊池を複雑な表情で見据える。

いっぽうの菊池もボンバー来島をにらみつけた。

ー来島さんはものすごく強い。でもあたしは何とかしてこのチャンスをものにしたい。

カンッ。

21時0分、11期生同士の一戦、ゴングが鳴った。

―つかまったら厳しい。とにかく動き回るしかない。

ボンバー来島の怖さはタッグを組んでいるからよく分かっている。菊池はそう考えて正面から組み合うことはあまりしないで、間合いを取ってからドロップキックを連発して攻めてゆく。そして早めの仕掛け。

―ガンガン攻めてく、返されるのを恐れずに!

「アーーーーッ!」

菊池、ボンバー来島のガタイをブレーンバスターで投げてからのシャイニングウィザード!そしてスクラップバスター。流れるような攻めを見せた。

ここで焦ったのかボンバー来島が反撃。

「・・・菊池ー。気持ちよく眠らせてやるぜー!」

ナパームラリアット炸裂。しかし菊池何事もなかったかのようにスッと起き上がってボンバーに組み付いて、逆さ押さえ込み。いまのSPZでこんな技を使う選手は菊池くらい。体格やパワーに劣る菊池が懸命に特訓した成果のうちのひとつをここで出してきた。

「・・・しまっ・・・」

ワン、トゥ・・・

なんとか来島カウント2で返す。

「・・・ハァ、ハァ、あぶねえあぶねえ・・・」

「はああーーーっ!」

がすっ!

なおも菊池ハイキック、崩れ落ちるボンバー来島の巨体。すかさずフォール。

ワン、トゥ・・・ドドドドドド!

ボンバーカウント2.5で返す。しかし菊池、迷わずコーナー最上段へ駆け上がり来島が起き上がるのを待って、

「せえっ!」

菊池ミサイルキック。ボンバー来島ぐらつく。そこを突いて菊池、再度の逆さ押さえ込み。手を変え品を変え、硬軟取り混ぜた攻勢で来島を追い込んでゆく。

まさかこれで決まるのか、館内ざわつく。

ワン、トゥ・・・ドドドドドドド!

しかしボンバー来島カウント2.8でふりほどく!

おもわぬ展開、菊池ペースにさいたまドームは沸いた。

「ウワーーーーッ!」

菊池、渾身のエルボー、崩れ落ちるボンバー来島。

ワン、トゥ・・・ドドドドドド!

ボンバー来島これもカウント2.5で返す。

菊池が一歩一歩、着実に持てる技を積み重ねてボンバー来島、SPZ王者という大きな山を登りきろうとしている。

菊池もう一度エルボー。しかしこれはロープに近かった。

「ウオーッ!」

追い詰められたボンバー来島、起き上がって菊池を力任せにロープに振る。ラリアットか何かを狙っているのか。

―返せる。

菊池理宇、うまくロープに足を乗せて、そのまま背面トペで飛んで、そのままボンバー来島を押しつぶした。さすがの身のこなし。

―うわ、ヤベ、あいつにはこれがあった・・・

ワン、トゥ、スリー。

ボンバー来島、返し技で反応が遅れたのか、そのまま3カウントを聞いた。

「27分10秒、背面トペからの体固めで、菊地理宇の勝ち」

F1がダンプカーに勝った!その瞬間、さいたまドームが爆発した。

ドオオオオオオオオオ!

「あたし、勝ったんですよ、ね・・・」

「ああ、おまえが取ったんだ、よくやったよ!」

吉田コーチが菊池の細い腰にベルトを巻く。菊池の頬に熱い粒がいく筋も零れ落ちた。仙台から出てきて4年、まさか、まさか小柄な自分がSPZ最強女王の座、SPZ選手権のベルトを巻けるとは思ってもいなかった。

「泣くな、菊池、胸・・・張れ!」

吉田コーチもちょっと涙ぐんでいた。井上霧子からこのコの面倒を見てやってくれと言われ担当コーチとなった。この子は体格はともかくセンスや性格は良いと感じ、ハードな特訓を課して菊池は懸命についていった。そしてついにSPZ最強の座に輝いた・・・

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SPZ世界選手権試合(60分1本勝負)

菊池理宇(27分10秒、背面トペからの体固め)ボンバー来島

39代王者が初防衛に失敗、菊池が40代王者となる。

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きくち!きくち!きくち!きくち!

場内ものすごいキクチコール。身長155cmの世界王者がSPZに誕生した。

本部席の実況、解説者も絶句。

「いやいやいや、驚きましたねえ上原さん」

「・・・・・・・・・・・・・努力が実を結びましたね。暇さえあれば黙々と練習していましたから。しかし体格やパワーのハンデを乗り越えるとは凄いですよ」

「菊池選手がまさかのSPZ王座奪取、これでこのリングはこれからますます混沌と、そして熱く激しい戦いが繰り広げられそうです」

「そうですね、今日の試合は若手選手のいい手本となったと思いますよ、努力し続ければいつかはきっといいことがあるということですね」

「それではこの辺でさいたまドームからお別れいたします、実況はわたくし森和紀、かいせつは上原今日子さんでした」

2007年9月13日 (木)

第204回 ああ栄冠は君に輝く

14年目2月シリーズ

最終戦は横スペ大会。

第1試合はマイトス香澄対フォクシー真帆。8期生のマイトス香澄が休まず攻め、最後はノーザンライトスープレックスで3カウント奪取。わずか4分14秒。

第2試合はガイア小早川対アリス・スミルノフ。SPZタッグ王者に返り咲いたガイア小早川だが、シングルで新鋭外人のアリス相手は苦しい。なにしろパワーでは圧倒的にアリスが上を行く。善戦したガイア小早川だったが最後は強烈なニーリフトにフォール負け。勝負タイム11分12秒。

第3試合は芝田美紀、フレイア鏡、キューティー金井対デイジー・クライ、ウェイン・ミラー、エレン・ニールセンの6人タッグ戦。試合はけっこう盛り上がった。芝田が頑張らないと日本人組みは苦しいのだが、ウェイン・ミラーのコブラツイストにペースをかき乱されてしまう。最後はキューティー金井が捕まり、デイジーの脇固めにギブアップ負け。勝負タイム18分20秒。その試合が終わると休憩。

休憩後はビーナス麗子・ギムレット美月の10期生コンビにハイサスカラス、ドスカナ・リブレが激突するタッグマッチ。10期生コンビがハイサスカラスの猛攻を耐え続けたが、23分54秒の死闘の末、ついにギムレット美月がハイサスカラスのスクラップバスターに力尽きた。

セミ前第5試合から3大シングルマッチ。

まずセミ前はスイレン草薙対ナターシャ・ハン。SPZ王座奪還へ向け強豪外人を倒しておきたいスイレンと、EWA王座を奪還し意気あがるナターシャが激突。しかしスイレン草薙強い。やはり先月S相羽に負けたのはアクシデントだったかと思うような投げ技乱打。

「せぇぇい!」

最後はバックドロップでナターシャを仕留めた。

セミファイナルは菊池理宇対ビューティ市ヶ谷。EWAベルトを失ったものの、ここのところ急速に力をつけてきたビューティ市ヶ谷がSPZ4強の一角、菊池理宇と対戦。試合は菊池のスピーディーな攻撃と市ヶ谷のパワーが真っ向からぶつかりあった。

しかしー

「あたしが勝つんだから!」

菊池、ムーンサルトプレス。これはカウント2.9で返した市ヶ谷だったが、

がすっ!

続くエルボーからのフォールは返せなかった。

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そしていよいよメインイベント・SPZ選手権、王者スターライト相羽に挑むのはボンバー来島。

まず花道をボンバー来島が入場。赤いジャンパーを羽織って、首には白いタオルを巻いている。セカンドロープをまたいで青コーナーに陣取る。渇望していたSPZ王者のベルト、3回挑んでいずれもはね返された最強の称号。こんどこそ手が届くかもしれない。ボンバー来島は目をつぶり心を落ち着かせた。

ーいつも通りの闘いができれば、必ず勝てる。

そのあとS相羽が花道を入場。銀と青のロングガウンを羽織って花道を歩く。表情は少し硬め。やはりチャンピオンの重圧がモロに出ているのか。

ーボクは、負けられない。やっとチャンピオンになったんだから・・・

そのあと、チャンピオンベルトの返還、若林太郎京スポ新聞記者の認定証読み上げを経て、リングアナのコール。

カンッ。

21時7分、決戦のゴング。

「来島さんじゃ勝てない・・・と思いますけど、相手もあの相羽選手ですからね・・・これはわからないですよ」

かいせつの上原今日子も慎重なコメント。

「くらいやがれ!」

ボンバー来島はいつものようにヘッドバットを軸に攻撃を組み立てる。対戦相手はこれを食らい続けると頭がやられ、突進力が鈍ってしまうのだ。15分過ぎ、先に勝負に出たのは来島。

「おおおおっ!」

パワーボムこれはカウント2.5で相羽返す。
しかし相羽もタイガースープレックスで反撃。
カウント2で返す来島。

相羽休まずミサイルキック。来島の大きなガタイがハデに吹っ飛ぶ。相羽組み付いて、そしてバックドロップ、しかしボンバー来島空中でうまく体を入れ替え、上から押しつぶす。
ワン、トゥ・・・

カウント2.8でフォールを返す相羽、今度は組み付いてアームホイップで転がしてコーナーに登り、2度目のミサイルキックを狙ったが、

「うりゃあ!」

来島がうまくかわして叩き落とす。スターライト相羽自爆。そしてふらふらと相羽が立ち上がってくるところを・・・

ごす。

体重の乗ったエルボー一撃。崩れ落ちるスターライト相羽、のしかかるボンバー来島、

ワン、トゥ、スリー。

井上レフェリーの手がマットを3つたたいた。これで試合は終わった。勝負タイム23分35秒。

「ウオオーッ!」

ボンバー来島が歓喜の咆哮。15歳でスカウトされ、博多から上京してきて苦闘4年、ついにSPZ最強の栄冠を勝ち取った。吉田コーチが、セコンドの菊池が駆け上がってくる。目から熱いものがこぼれ落ちた。

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SPZ世界選手権試合(60分1本勝負)

ボンバー来島(23分35秒、エルボーからの片エビ固め)スターライト相羽

スターライト相羽が初防衛に失敗、ボンバー来島が39代王者となる。

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2007年9月12日 (水)

第203回 スターライト相羽の確変終了

14年目2月

「今までパワーを前面に出すスタイルでやってきたけど、もう古くさいのかな・・・」

SPZタッグベルトを失ったボンバー来島はさすがに落ち込んでいた。こういうときは今野役員は励まさないといけない。

「そんなことはないと思う。あの吉田龍子を思い出しなさい。むちゃくちゃなパワーファイトでいっときは手がつけられなかった。存在自体が反則だったぞ。もっとパワーを鍛えてああいう風になって観客を引かせるくらいになりなさい」

「うん、わかった、ありがとよ」

―やれやれ。選手のメンタルケアも疲れる。

「今野さん」

 「うげ、吉田コーチ、いつからそこに?」

「菊池の練習を見ていたら聞こえてたよ。誰が存在自体が反則だって?」

 「そのとおりやないですか。特に10年目のあたり」

吉田龍子は笑いながら今野に歩み寄り、

「関節の悲鳴を聞きなさい」

コブラツイストの刑。引退したとはいえパワーは健在である。

「あだだだ・・・」
________________

「試合で私の技が通用していない気がするんです」

アンラッキーな面があったにせよ7度防衛したSPZシングルベルトを失ったスイレン草薙も落ち込んでいた。今野役員はもっぱら聞き役に徹して不安解消に努めた。

そして2月シリーズ前のマッチメイク委員会。例によって今野役員井上霧子コーチ衆がコーヒーを飲みクッキーをかじりながら話し合いでカードを決めてゆく。

「相羽ちゃんの挑戦者どうする?」

「営業面を考えると日本人選手がいいと思う。外人は市ヶ谷さんとやらせればいいと思うし」

今野役員は会場を埋めることを第一義に考える。

「スイレンをすぐリターンマッチであてるとつまんないから、菊池か来島だな」

 吉田取締役がキラーマシン軍の2人を推す。

「・・・となると相羽に何回か勝ってる来島さんがいいと思います」

「じゃあ来島さんでいく?」

「そうですね」

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2月シリーズ「ウインターバトルシュプール」が開催。13期生のロイヤル北条が負傷欠場。

第3戦の三重サンシャインアリーナ大会、SPZタッグ新王者スターライト相羽、ビーナス麗子組に対するは昨年11月のタッグリーグ優勝チーム、スイレン草薙、ガイア小早川組。シングルベルトを失ったスイレンが狙いをタッグベルトに切り替えてきた。

「かいせつの上原今日子さん、この試合のポイントはどのへんですか」

「うん、そうですね。スイレン選手の動きをチャンピオンチームが止められるかどうかですね」

しかしスイレン草薙強い。

「せいっっ!」

先月SPZシングルで苦杯を喫した相羽相手に恨みを晴らすかのような投げ技攻勢。最後はデスバレーボムで頭から落としてぐらついたところをノーザンライトスープレックス。肩を腹にめり込ませるえぐいパターンだ。

ワン、トゥ、スリー。

これでスターライト相羽が3カウントを取られてしまった。王座移動。スイレン、ガイア小早川組が久々にタッグチャンピオンに返り咲いた。

花道奥から吉田龍子がぼそりと一言。

「確変終了だな。」

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第5戦・滋賀大会メインはビューティ市ヶ谷対ハイサスカラスのAAC世界タイトル戦。ハイサスカラスのイレ込みようはハンパではなかった。なんとしてもベルトを取って本国へ帰らないと沽券にかかわるし営業的にもよろしくない。

しかしー

ビューティ市ヶ谷一方的に攻めて圧勝。わずか10分27秒であのハイサスカラスをマットにはいつくばらせてしまう。フィニッシュはデスバレーボムだった。会場にベルトを防衛した市ヶ谷の高笑いが響く。

・ ・・つ、強い・・・

花道奥で観戦していたスイレン草薙スターライト相羽の表情が凍りつく。まだ17歳なのに団体エースの風格すら漂わせていた。

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その24時間後、和歌山大会メインでもEWA選手権、王者ビューティ市ヶ谷 対 挑戦者ナターシャ・ハンが組まれた。

「イイカ!カンセツ技デハオマエガ世界一ナンダ!寝カセロ!立チ技ニツキ合ウナ!タノムカラベルトヲ本国に持ッテ帰ッテクレ・・・」

エージェントのトム氏が悲痛な表情で叫ぶ。その言葉通りナターシャがドラゴンスリーパーでしつこくねちっこく痛ぶって、最後はアキレス腱固め。市ヶ谷ついにギブアップ。勝負タイム22分32秒、EWAが至宝のベルトをなんとか奪還した。

「ヤッタ!ヨクヤッタナターシャ!」

涙ながらにトム氏が叫ぶ。しかしナターシャは息を弾ませながらひとりごちた。

「イチガヤ・・・恐ろしい存在だ・・・」

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最終戦は横浜スペシャルホール大会。

「ベルトを獲るとしたら、今しかねえ・・・」

ボンバー来島、SPZ選手権試合試合前日、遠征を終えて道場に戻るや黙々とバーベルを持ち上げた。スイレンが王者なら勝つ可能性はきわめて低いが、今のチャンピオンはスターライト相羽だ。直近のシングルマッチでも何回か勝っているので、力で叩きのめせば勝てる相手だ。

「見てろよ、何が来島さんじゃ勝てない、だ、ヘヘッ。明日はあのヘボチャンプを叩きのめしてやる・・・」

かようにSPZの世界は弱肉強食である。

2007年9月11日 (火)

第202回 スターライト相羽の確変

14年目1月

年が明けて2023年、

前月ハイサスカラスを破ってAACチャンプになったビューティ市ヶ谷にさっそくAACから防衛戦の呼び出し。AACとのお付き合い上、派遣せざるを得ない。

ロイヤル北条にファンクラブ誕生。デビュー2年足らずの若手だが、最近は市ヶ谷のパートナーとしていい仕事をしていることが評価された。

1月5日、新春ロケットシリーズ初戦は新日本ドーム大会。営業努力の甲斐あって超満員札止めの盛況。

新日本ドーム大会セミファイナルはボンバー来島対菊池理宇。タッグパートナー同士の対決だがナンバー3決定戦でもある。来島がナパームラリアットで17分39秒、菊池を仕留めた。

そしてドーム大会メインはスイレン草薙対スターライト相羽のSPZ選手権。スイレンの独走態勢が続いてマッチメーク委員会もためいき。

「マンネリですね」(井上霧子社長代行)

「・・・そうだな」(上原今日子コーチ)

「でもほかに有力な選手いないから1月はとりあえず相羽ちゃんで行きましょうか」(今野取締役)

「それしかないね。」(吉田取締役)

正月でファンもおとそ気分だからとりあえずナンバー2のS相羽をぶつけようかという発想。スイレンの優位は動かないところだったが・・・

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で、午後9時過ぎに試合開始のゴング。

「相羽ちゃんはね」ゲストかいせつの吉田龍子がコメント。

「レスリングうまいんだけど、化け物って感じがしないんですよ」

「・・・そうですか」

「スイレン選手は狂ったように投げたり極めたりしてきますからね、コイツバケモンダと思ったことはあります。相羽選手にはそんな凄みが感じられないですね」

リング上はスイレン草薙の一方的なペース。スターライト相羽をいつも通り投げまくる。ああやっぱりスイレンと相羽ちゃんだなという感じで進んだが、

「ボクは、これ以上、負けられないーっ!」

スターライト相羽もタイガースープレックスで反撃。カウント2で返したスイレン草薙、いったん体勢を立て直すためにゴロンと転がって場外エスケープ。

しかしこれが勝敗の分かれ目だった。

スターライト相羽が場外へ降りて追撃。場外マットをはがしてからうずくまっているスイレンに組み付き、

「せやぁっ!」
場外キャプチュードでブン投げた。

ごつん。

スイレン草薙の頭と床の触れ合う音が響く。スイレンファンの悲鳴が場外にこだまする。

「サーティーン、フォーティーン、フィフティーン」

リングアウト直前でリングに戻ったスイレンだったが、目の前がぼうっとかすんで思うように動けない。
そこを相羽捕らえて、とどめのパイルドライバー。
「あ・・・っ」
これでスイレン草薙の戦意は不稼動状態になった。上に乗って3カウント奪取。スターライト相羽ついに戴冠。

えええええええええええええええええ!

「23分53秒、パイルドライバーからの片エビ固めでスターライト相羽の勝ち」

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SPZ世界選手権試合(60分1本勝負)

スターライト相羽(23分53秒、パイルドライバーからの片エビ固め)スイレン草薙

第37代王者・スイレン草薙が8回目の防衛に失敗、スターライト相羽が第38代王者となる

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「よしっ!ボク勝ちました!」

ようやく団体最高峰の座を勝ち取ったスターライト相羽の腰に、セコンドのギムレット美月がベルトを巻く。スターライト相羽は満面の笑み。絶対王者・スイレン草薙を倒すイメージが湧かず、出たとこ勝負でやったがラッキーな面があったにせよ、勝利を収めた。

「いやかいせつの吉田さん、驚きましたねえ」

「一瞬の機転がスイレン選手に大ダメージを与えたと思います。やはりプロレスは頭を使うことも必要ですね。あらためて感じました」

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そのあとシリーズは九州地方を転戦。最終戦鹿児島大会のメインは菊池理宇、ボンバー来島対スターライト相羽、ビーナス麗子のSPZ世界タッグ選手権。

SPZ世界王者となった相羽が自信をつけたのか、見違えるような動きで王者組を攻め込んでゆく。ボンバー来島とは裏拳での殴り合いをやってのけた。そして来島がぐらついたところをハイキック、キャプチュード、タイガースープレックスと猛攻。これで来島から3カウント奪取。菊池のカットはビーナスにうまく阻まれた・・・

「45分52秒、タイガースープレックスホールドでスターライト相羽、ビーナス麗子組の勝ち」

場内えええええええええ!の声。まがりなりにもバランスの取れたタッグチームの菊池来島が敗北。

「やたー!タッグベルト取ったよー!」

ビーナス麗子が満面の笑みでベルトを掲げる。実力では4人の中で一番下と見られていたが、うまく立ち回ってSPZタッグベルトを初めて巻いた。

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SPZ世界タッグ選手権(60分1本勝負)

○スターライト相羽、ビーナス麗子(43分52秒、タイガースープレックスホールド)菊池理宇、ボンバー来島×

来島組が6度目の防衛に失敗、相羽組が第23代王者となる

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これでスターライト相羽「まさかの」2冠王。「悩めるナンバー2」が団体シングル・タッグ最高峰のベルトを独占。

その夜、鹿児島某所の飲み屋で吉田役員、井上霧子社長代行、今野役員が飲みまくっていた。

「相羽ちゃんもついに覚醒したのかしら」井上霧子がいも焼酎で赤い顔。

「自信もってファイトしてると思うよ」今野役員も飲んでいる。

「いや、あれは覚醒じゃなくて、確変だよ。すぐ悪いときの状態に戻る」吉田龍子がぼそりと。

2007年9月10日 (月)

第201回 菊池理宇 玉砕

14年目12月シリーズ(続き)

シリーズ第7戦は名古屋大会。メインは菊池理宇、ボンバー来島対スイレン草薙、ガイア小早川組のSPZタッグ戦。先月のタッグリーグでは挑戦者組が勝っているカード。

スイレン草薙が現タッグ王者、菊池来島の2人を相手に真っ向勝負。SPZ最強、草薙流守護者の肩書きはだてじゃない。ガイア小早川もうまくスイレンをフォロー。大熱戦が展開されたが、50分近くなってさすがにバテてきたのか、スイレンが不用意にダメージの深い小早川にタッチしてしまった。館内結末を予想したのか、アーーーというため息。

「・・・ハァ、ハァ・・・しぶてえやつだ!」

最後にようやくボンバー来島がひとり格落ちのガイア小早川を捕まえた。STO2連発はロープに逃れた小早川だったが、続くダイビングボディプレスに力尽きた。あのガタイが降ってきては万事休す。勝負タイム54分2秒の死闘。王者組がSPZタッグリーグのリベンジを果たすとともに、5回目の防衛に成功。

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最終戦はさいたまドーム大会。2022年最後の興行。

第1試合はフレイア鏡対トーニャ・カルロス。トーニャが粘る新人、フレイアをスクラップバスターで振り切った。

第2試合はフォクシー真帆対ドスカナ・リブレ。実力に勝るドスカナが一方的に攻めて最後は強烈なエルボーを叩き込んで終了。

第3試合はロイヤル北条、ガイア小早川対エレン・ニールセン、ヘレン・ニールセン。連携ではニールセン一族が上だが、ロイヤル北条もだいぶ耐久力がついてきており、耐えてから合体パワーボムでヘレンを撃破。休憩前で20分46秒の熱戦。

休憩明け第4試合はビーナス麗子、ギムレット美月の10期生コンビにアリス・スミルノフ、ウェインミラーが激突するカード。これまた熱戦が展開された。
「オッシャー!」
アリスの裏拳がギムレットを吹っ飛ばす。止めをさそうと安易に組み付いたアリスに・・・

「すべては私の計算どおり」
ドラゴンカベルナリア発動。ビーナス麗子はサッとリングインしてウェインを場外戦へ誘う。けんめいにこらえたアリスだったがついにギブアップ。15分10秒、SPZの選手会長が今年最後の戦いで有終の美を飾った。

セミ前はスターライト相羽(9期)対ビューティ市ヶ谷。(13期)

「負けるわけには行きません」
スターライト相羽が決然とした表情でリングへ。「勝てないナンバー2」として会社からの信頼?も低く、ファンからも「まあ相羽ちゃんだから・・・」と評されている選手、ここで負けたらトップグループから脱落してしまう。積極的に攻めて、ハイサスカラス、ナターシャ・ハンを倒して今シリーズ勢いに乗る2冠王市ヶ谷を落ち着いてさばく。

強烈なヒップアタックを見舞ったかと思えばニーリフトで突き刺す。この選手も海外生活が長かったせいか技の引き出しが多い。しかし、

「わたくしにひざまづきなさい!」
市ヶ谷ビューティボム、そして休まず攻めての、DDT!
4日前の広島大会の再現フィルム?ざわつく館内。

しかしスターライト相羽、カウント2で返して、逆に反撃。キャプチュードでカウント2.5まで追い込んで、

「一気に決めちゃいます!」
得意のタイガースープレックス。これで試合は終わった。ビューティ市ヶ谷、敗れはしたものの、SPZナンバー2の相羽を慌てさせたのだからたいしたものである。勝負タイム13分25秒。

セミファイナルはボンバー来島が芝田美紀とスペシャルタッグを組んで、最強外人連合のナターシャ・ハン、ハイサスカラスと激突。団体の至宝を持っていかれたエース外人2人はどことなく動きに本来のキレがない。そのままいいところなくナターシャがボンバー来島の力のこもった裏拳、パワーボムで追い込まれてしまう。

しかしこれでナターシャの目に炎がともった。

「壊れなさい」
ナターシャ、一瞬の隙を突いてSTF。ボンバー来島あえなくギブアップ。勝負タイム15分23秒。

メインイベント、今年最後のSPZ選手権、スイレン草薙に挑むのは菊池理宇。初挑戦である。

「あたしがSPZベルトに挑戦?ですかあ?」

「そうだ、相手はスイレン選手だから、まあどーんと散って来い」

シリーズ前に吉田インストラクターから言われた菊池は少し戸惑った。

実力ではスイレン、S相羽、B来島に次ぐ4番手とみられていただけあって意外なマッチメイク。要するにスイレンが来島相羽の挑戦を2度ずつ、ハイサスカラス、ナターシャの挑戦も退けてスイレン草薙に勝てそうな挑戦者が誰もいないという理由、実力はともかくまだ挑戦したことのない人をぶつけたほうが営業的にいいという意見を今野役員が口走ったものだから、

「まあいいや、菊池でいく?」という感じで「SPZマッチメイク委員会」(井上霧子・今野役員・吉田コーチ・伊達レフェリー・上原コーチ・永沢コーチ6人がお茶を飲みせんべいを食べながらながらカードを決める会議体)が判断してしまった。

試合はスイレンがきっちりとスリーパーホールドをかけ続けてペースをつかむ。そして弱らせてから逆片エビ固め、ストレッチプラムとだんだんえぐい技を出していって、DDTをはさんでストレッチプラムを長々とかけ続ける。菊池の関節技絞め技の対応が新人並みであることを見越しての攻め方。最後は根負けした感じで菊池がストレッチプラムにギブアップ負け。
勝負タイム24分32秒。スイレン草薙の完勝といえた。王者が7回目の防衛に成功。連続防衛記録をハイブリッド南と並ぶ3位タイに乗せた。

「はぁ・・・・勝てなかった・・・」

控室でうなだれる菊池理宇。吉田龍子インストラクターが声をかける。

「菊池ぃ、初挑戦にしてはよく頑張った。だけど2回目からはお客さんはそうは思わなくなるよ。いいか、次のチャンスは必ずあるから、そのときは絶対獲れよ。」

「・・・はいっ。」

「それじゃあ、オフは正月休み返上で特訓だ!わかったな!」

「えっ・・・は、はい。」

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年末恒例のプロレス大賞、最優秀選手はスイレン草薙、最優秀新人はフレイア鏡、シングルのベストバウトはスイレン草薙対スターライト相羽のSPZ戦、タッグのベストバウトは菊池理宇、ボンバー来島対スイレン草薙、スターライト相羽のノンタイトル戦が選ばれた。

2007年9月 8日 (土)

第200回 新スター降臨!ブック破り2連発。

14年目12月

12月は冬のボーナスが出た直後で一般大衆がお金を持っているので大きめの会場で興行を連発してがっぽりもうけましょうというのがSPZのポリシーである。

ということで初戦どさんこドーム大会。メインは客寄せのためにスイレン草薙対ハイサスカラスのノンタイトル戦を組んだ。

が、

「はっ!」

意外にもスイレンがハイサスカラスの裏拳に沈み、カウント3を奪われてしまった。

「やられました・・・油断したわけではないのですが」

SPZベルトがかかっていなかったことが救いか。波乱の開幕戦となった。

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3戦目京都大会、メインではあばしりタッグ選手権が組まれた。王者チーム、ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条の対戦相手はEWAのアリス・スミルノフ&ウェイン・ミラー。

「えーと、この試合は、横浜市戸塚区のメイド喫茶「あばしり」が管理する、あばしりタッグ選手権試合であることを、認定する~。2022年12月6日、喫茶あばしり店長、鈴波かすり」

わざわざ横浜から来ていただいた「あばしり」店長、鈴波かすりがいつものスマイルで認定証を読み上げる。そのあとゴング。

だがビューティ市ヶ谷はこの数ヶ月でそうとう強くなった。EWA軍がせこい反則でかき回そうとも、自信を持って攻め込んでゆく。

「スイレン草薙の次のエースは来島さんでも相羽さんでもなく、市ヶ谷さんになるんじゃないの?」
本部席の今野役員は井上霧子にボソッとつぶやく。まだ17歳なのに自信満々にスミルノフをぶん殴ってゆく。

「その可能性は大きいですね」

市ヶ谷、アリスをたたきのめしてからウェインも叩きのめし、最後はロイヤル北条を招き入れてのダブルラリアットで防衛に成功。勝負タイム26分13秒。

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第4戦大阪なにわパワフルドーム大会、大阪のプロレスファンは目の肥えたファンが多いので、空席を恐れた「SPZマッチメイク委員会」は、「大阪ではタイマンが受ける」ということでセミで菊池理宇対ハイサスカラス、メインでボンバー来島対ナターシャ・ハンの豪華シングルマッチ組んだが、いずれも外国人選手が勝ってしまった。このあたりに菊池来島の勝ち切れなさが現れている。

第5戦広島若草アリーナ大会、メインは客寄せのために組んだAACタイトル戦。王者ハイサスカラスに挑むのはビューティ市ヶ谷17歳。

市ヶ谷はメキメキと地力をつけ、ファンの間では現時点の日本人4強(S草薙、S相羽、菊池、B来島)に次ぐのではないかとうわさされていた。
しかしハイサスカラスの壁は厚い。一方的に攻め込まれてしまう。ハイサスカラス、空中殺法の華麗さが目立つがじつのところ打撃も投げ技も威力のあるレスリング巧者である。

ハイサスカラスの一方的な攻めは続き、とくいのフランケンシュタイナーで市ヶ谷はカウント2.9まで追い込まれてしまう。

―まあ、こんなものだろう、最初なら。

今野役員も井上社長代行もそう思っていた。広島大会メインを務める仕事は果たした。市ヶ谷に世界の壁が立ちはだかる結末でもファンは納得するはずだ。

しかし、市ヶ谷の目は死んでいなかった。

「わたくしにひざまづきなさい!」

ビューティボム炸裂。

―ほう、市ヶ谷さんも見せ場は作るねえ。

しかしこれが思った以上に効いたのか、ハイサスカラスの動きが鈍る。そこをついて
DDT。

―おや、けっこういい見せ場つくってくるねえ、いい根性だよ。

市ヶ谷、さらに攻撃の手を緩めずデスバレーボム。
ハイサスカラス、カウント2.8まで追い込まれる。

今野役員の表情が変わる。

―ひょっとしたら大逆転?

市ヶ谷、休まずに攻めてー

「はああっ!」

裂帛の気合とともに、初公開のフィッシャーマンバスターをここで繰り出した。
場内異様などよめき。

ワン、トゥ、スリー。

レフェリーのAACエージェント、ハヤトール氏が呆然としながらマットを3つたたく。

「私に・・・勝とうなんて。100万年、早いですわ・・・」
ダメージを押し殺しながら勝ち誇る市ヶ谷。広島で大番狂わせ。控え室はちょっとした騒ぎとなった。なにしろハイサスカラス、今シリーズはシングルでスイレンと菊池にフォール勝ちしているエース外人である。

「に、20分23秒、フィッシャーマンバスターからの片エビ固めで、ビューティ市ヶ谷の勝ち」
その瞬間、ひろしま若草アリーナが爆発した。

控室へ戻ったハイサスカラス、手はわなわなと震えていた。
ハヤトール氏は呪いの言葉を撒き散らす。本国でのクリスマス興行を前にしてベルトが流出。SPZは気を使ってくれてトップどころは当てず、デビュー2年目でまだ若手の域の市ヶ谷を当ててくれて、ハイサスカラスが難なく防衛というブックだったのだが。

「ま、このわたくしが本気を出せば当然のことですわ、オーホホホホ。」

********************************

翌日は九州ドーム大会。メインに組まれたのはEWA選手権、王者ナターシャ・ハンに挑むのはビューティ市ヶ谷。二日連続でシングルのタイトルマッチをやらせるあたりSPZのビューティ市ヶ谷にかける期待がうかがえる。

「オーホホホホ、きょうも完璧な試合で観客を魅了しましてよ」

バッハの「トッカータとフーガ」がかかる中、観客に手を振りながら入場する市ヶ谷。きのうのハイサスカラスとの死闘でダメージは残っているのに結構なプロ根性をしている。実は昨日の大番狂わせの影響もあって当日券がかなり伸びて九州ドームが満員になった。

そしてゴング、

「いやあ、昨日の広島はマグレもあったと思いますし、ハイサスカラス選手も油断があったと思いますよ、ですからナターシャ選手、ベルトを守ろうとなりふり構わず必死で向かっていくと思いますよ」
ゲストかいせつの吉田龍子が見解を述べる。ナターシャ・ハンも関節技では市ヶ谷に攻め手を与えない。市ヶ谷、ラリアットやDDTで見せ場は作るが、昨日のダメージか動きに切れがない、と思ったら、

「覚悟なさい」

ドーン!
ビューティボム発動。

「クッ」
ナターシャ、サードロープに手を伸ばしてブレイク。

しかし市ヶ谷休まず攻める。
「覚悟なさい!」

2発目のビューティボムの体勢、これはヤバイと感じたナターシャ、ウラカン・ラナでうまく切り返す。カウント2でフォールを返す市ヶ谷。

しかしビューティ市ヶ谷!あきらめることなくもう一度ビューティボムの体勢。
力まかせに高々と抱え上げてたたきつけた。
ワン、トゥ、スリー。
3カウント入ってしまった。

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・ありゃ」

観衆の大多数、今野役員井上霧子吉田解説ほか多数が口あんぐり。まだプロレスを始めて1年8ヶ月のビューティ市ヶ谷が二日連続で格上の外国人エース選手を食ってしまった。

「26分8秒、ビューティボムからのエビ固めで、ビ、ビューティ市ヶ谷選手の勝ち。」

村越リングアナも震えながら結果をアナウンス。

「オ、オロロキましたねえ」
実況の森和紀アナ(大日本テレビ)が裏返った声で第一声。

「そ、そうですね。ハイサスカラスに続いてナターシャ選手も連破してしまうとは。昨日の試合を見てナターシャ選手が慎重に行き過ぎたんでしょうかね、やっぱりプロレスは終了のゴングが鳴るまで何が起こるかわかりませんね」

解説者・吉田龍子も驚きながらコメント。

「オーッホホホホホ!当っ然の結果ですわ!」

両手にAAC,EWAのベルトを掲げ勝ち誇る市ヶ谷。いまここにSPZに新しいスターが誕生した。14年のSPZの歴史の中でも海外団体のシングルベルト2本同時戴冠したなんてのは初めてのことである。

今野役員は頭を抱え込んだ。予想を覆す結果を出した市ヶ谷の奮闘は褒めなければならないが、あとでエージェントに謝りに行かないといけない。

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(筆者より)

この連載も200回を数えるに至りました。訪問していただいた皆様、つたないプレイ日記を読んでいただいた皆様、ありがとうございます。いまWASのプレイは21年目11月で止まっております。(ここ数日「えろすまっしゅ!」攻略CHUです)どうやって終わらせようか、考えものです。でもラッキー内田はかわいいです。うわっと思いました。とうぶん連載は続ける予定ですので、まあご期待ください。

2007年9月 7日 (金)

第199回 「あったりまえじゃん!これでも一生懸命やったんだから!」

14年目11月 SPZタッグリーグ 後編

ここまでの優勝争い、リーグ戦4戦を消化して全勝はSPZタッグ王者チームの11期生コンビ、ボンバー来島&菊池理宇組、そしてスイレンの圧倒的な投げまくり攻勢で連勝街道を突っ走るスイレン草薙&ガイア小早川組。この2チームをスーパーお嬢様コンビ(ビューティ市ヶ谷&ロイヤル北条)が1敗で追う展開。

シリーズ第6戦は群馬大会。
ナターシャ、デイジー○(4点、ハイキックからの片エビ固め14.20)ハイサスカラス、ドスカナ×(4点)

EWA軍とAAC軍の激突はEWA軍が制した。デイジーの蹴りがズバリ命中。

S相羽、芝田○(4点、パワースラムからの片エビ固め 8.49)G美月×、ウェイン(2点)

相羽組が混成チームを一蹴。ようやくといっては何だが2勝目ゲット。

S草薙○、G小早川(10点、バックドロップからの片エビ固め 10.46)エレン×、ヘレン

スイレン草薙が暴れまわってあれよという間にニールセン組をのしてしまった。全勝をキープ。

菊池、B来島○(10点、サンドイッチラリアットからの片エビ固め 12.08)B市ヶ谷、R北条×(6点)

あばしりタッグ王者とSPZタッグ王者がついに激突。ビューティ市ヶ谷がボンバー来島に挑んでゆくが、

「そんな攻撃が効くかー、おらああああ!」

やすやすと受け流され、逆に重厚感あふれる攻撃をもらってしまう。代わって出てきたR北条もいいようにやられてしまって終了。菊池の出番はほとんどなかった。11期生コンビもこれで堂々の5連勝。

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第7戦は幕張コンベンションホール大会。

ナターシャ、デイジー○(6点、ハイキックからの片エビ固め)12.56)G美月×、ウェイン(0点)

やはり即席タッグが勝てるほどこのリーグ戦は甘くないのか、デイジーの蹴り技がさえてギムレット美月を破壊。

S草薙、G小早川○(12点、合体パワーボムからのエビ固め)B市ヶ谷×、R北条(6点)

ひとり格落ちのガイア小早川をつかまえかけたお嬢様コンビだが、ガイアもうまくジャンピングニーで反撃しスイレン草薙につなぐ。あとはスイレンの独り舞台・・・これでお嬢様コンビは大ダメージ。しかしお嬢様コンビは諦めなかった。

ーもう一度小早川さんを引きずり出しさえすれば!

タッグマッチでは弱いほうを狙え。SPZ旗揚げ以来先輩から後輩へ言い伝えられているセオリーである。

終盤お嬢様コンビもスイレンにビューティボム、ロイヤルスパイクと猛反撃を見せるがスイレン受けきってガイア小早川にスイッチ。

「い、今だわ・・」
非力なガイア小早川を仕留めるべく攻勢に出ようとするが、市ヶ谷にもう本来の力はない。逆に裏拳を食らってからの合体パワーボムで終了。スイレン組これで6連勝。

「悔しい・・・」
ビューティ市ヶ谷の拳がわなわなと震えていた。

ハイサスカラス、ドスカナ○(6点、合体パワーボム27.16)S相羽×、芝田(4点)

リーグ戦のベストバウト。相羽が攻めるも決めきれない。そして4人が4人とも持てる技を出し尽くす大勝負になった。芝田の延髄斬りで終わったかと思ったが、ハイサスカラス、カウント2.9で返す。そして相羽対ドスカナの局面。相羽攻め切れず、逆にドスカナが「秘技」ラ・マヒストラルまで公開。場内大盛り上がり。最後はAAC軍が合体攻撃を見せ、ふたりがかりのパワーボムで幕。

「そんな・・・」

スターライト相羽、またもフォールを奪われてしまう。それでもナンバー2か・・・

菊池、B来島○(12点、STOからの片エビ固め 9.22)エレン×、ヘレン

来島さん強い。この日もニールセン一族を蹴散らして終了。これで11期生コンビも6連勝、優勝の行方は最終戦のメインに持ち越された。

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最終戦は横スペ大会。

G美月○、ウェイン(2点、合体パイルドライバーからの片エビ固め15.31)ハイサスカラス、ドスカナ×(6点)

「全敗はさすがにお話にならないですね」

なんとかして1勝したい混成チーム。勝ち越してAACここにありを見せたいAAC軍。ウェイン・ミラーのコブラツイストが長々とハイサスカラスに決まる。これで流れが変わってしまいドスカナが孤立。最後はギムレット美月がウェインを呼び込んでの合体パイルで3カウント。混成チームが最後の最後で1勝を挙げた・・・

ナターシャ○、デイジー(8点 STF 14.20)エレン×、ヘレン(2点)

EWA勢同士の対戦はナターシャが脱出不能STFをズバリ。

S相羽○、芝田(6点、デスバレーボムからの片エビ固め 15.53)B市ヶ谷、R北条×(6点)

頼れないエース、相羽ちゃんが最後に力強い攻撃。デスバレー2連発でロイヤル北条を叩きのめした。それでも6点という結果に不満そうな表情。お嬢様コンビも悔しさをこらえながら引き上げた。

S草薙、G小早川(14点、バックドロップからの片エビ固め19.38)菊池、B来島×(12点)

けっきょく優勝のゆくえはこのカードの勝者となった。しかしこの日はスイレン草薙が強い強い。菊池、来島を投げまくり。11期生コンビは攻略の糸口がつかめない。

「勝たせていただきます」

終盤に出したストレッチプラムで来島の動きを完全に止めた。ガイア小早川も菊池を場外戦に引きずり込んでカットするナイスフォロー。

そしてスイレン草薙のSTO。これはカウント2.9で返した来島だったが、

「はぁっ!」

続くバックドロップでピクリとも動かなくなってしまって3カウントを奪われた。これでスイレン草薙・ガイア小早川組がタッグリーグ全勝優勝。

「あったりまえじゃん!これでも一生懸命やったんだから!」

なみいる強豪の攻勢をかいくぐってスイレンにつなぎ続けた、ガイア小早川のコメントが印象に残った。

2007年9月 6日 (木)

第198回 14年目11月SPZタッグリーグ戦(前編)

14年目11月
恒例の、SPZタッグリーグ戦。今年のエントリーは以下の8チーム。

菊池理宇、ボンバー来島(SPZタッグ王者)

スイレン草薙、ガイア小早川(元SPZタッグ王者)

スターライト相羽、芝田美紀

ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条(あばしりタッグ王者)

ナターシャ・ハン、デイジー・クライ(EWA代表)

ハイサスカラス、ドスカナ・リブレ(AAC代表)

エレン・ニールセン、ヘレン・ニールセン(EWA代表その2)

ギムレット美月、ウェイン・ミラー(人数あわせ?)

2戦目の岩手大会からリーグ戦スタート。

B市ヶ谷○、R北条(DDTからの片エビ固め 18.59)エレン、ヘレン×

お嬢様コンビが白星発進。ニールセンの血の連係を断ち切ったのは「わたくしにひざまづきなさい」ビューティボム。これでエレンがのびてしまって・・・

ナターシャ○、デイジー(2点、STF 24.36)S相羽×、芝田

スターライト相羽、EWA軍につかまってしまい、最後は脱出不能STFの餌食になった。とても団体ナンバー2とは思えない負け方。

S草薙○、G小早川(2点、バックドロップからの片エビ固め 7.53)ハイサスカラス、ドスカナ×

スイレン強い。AAC軍をわずか8分足らずで蹴散らす。まさにSPZのエースの戦いぶり。

菊池、B来島○(2点、パワーボム9.31)G美月、ウェイン×

ビーナス麗子の負傷欠場でギムレットは中堅外人のウェインミラーと組んで参戦。即席チームでタッグ王者に勝てるわけもなく10分持たず敗北。

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3戦目は山形大会。

B市ヶ谷○、R北条(4点、デスバレーボムからの片エビ固め13.57)G美月、ウェイン×(0点)

お嬢様コンビが即席タッグを破って2勝目を挙げた。

S相羽○、芝田(2点 フロントスープレックスから14.05)エレン、ヘレン×(0点)

相羽組がニールセン一族を手堅く下して初日を出した。

S草薙○、G小早川(4点 延髄斬りからの片エビ固め 15.58)ナターシャ×、デイジー(2点)

まずデイジーがガイア小早川を蹴り殺す。出てきたスイレン草薙がデイジーを投げて投げて戦闘不能に。最後はスイレンとナターシャの一騎打ち。しかし草薙流兜落しが決まりナターシャの動きが止まる。そのつぎの延髄斬りで幕。

菊池、B来島(4点、STOからの片エビ固め 11.27)ハイサスカラス、ドスカナ×(0点)
タッグ王者チーム強い。AAC代表も問題にせずドスカナを仕留めた。

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第4戦はカシマ大会。

エレン、ヘレン○(2点、ノーザンライトSH 14.49)G美月×、ウェイン(0点)

ニールセン一族の血の連係が即席タッグを圧倒し、最後はヘレンがノーザンで仕留めた。

ハイサスカラス○、ドスカナ(2点、サソリ固め13.9)B市ヶ谷×、R北条(4点)

いくら進境著しいお嬢様タッグでもAACトップチームに勝つのは厳しい。最後はハイサスカラスと市ヶ谷の局面。ハイサスカラスの豪快なミサイルキックが顔面に入り市ヶ谷流血。すかさずサソリ固めでギブアップを奪った。

S草薙○、G小早川(6点、サソリ固め13.26)S相羽×、芝田(2点)

フィニッシュは突然に、12分過ぎに繰り出したスイレンのさそり固めにスターライト相羽、突然痛がりだし、あえなくギブアップ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

場内ため息。負けるにしろ負け方がある。スターライト相羽、これがこの団体の現在のナンバー2である・・・

「ダメだ、あいつ。」

花道奥から見ていた吉田龍子インストラクラーもぼそりと。

菊池、B来島○(6点、STOからの片エビ固め8.15)ナターシャ、デイジー×(2点)

ボンバー来島の力強さが目立った一戦。EWA軍と真正面から戦い、ナターシャとやりあった後デイジーを捕まえ、一気にたたきのめして終了。勝負タイム8分少々の短時間決着。

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第5戦は宇都宮大会。

ハイサスカラス○、ドスカナ(4点、ムーンサルトプレス11.47)エレン、ヘレン×(2点)

AAC軍がニールセン一族を持ち前のスピードで圧倒して下した。

B市ヶ谷、R北条○(6点、ロイヤルスパイクからの片エビ固め 17.54)ナターシャ、デイジー×(2点)

新鋭のお嬢様コンビがEWA代表軍にどこまで食い下がるかと思われたが、意外にもビューティ市ヶ谷、ナターシャといい勝負を展開。かわって出てきたデイジーの蹴りに手こずったが、ロイヤル北条がロイヤルスパイクをズバリ。これで3カウント。あばしりタッグ王者チームが3勝目。ある意味、大番狂わせか・・・

S草薙○、G小早川(8点、バックドロップからの片エビ固め、10分くらい)G美月、ウェイン×

スイレン草薙が混成チームを蹴散らした。

菊池、B来島○(8点、合体パワーボム24.20)S相羽、芝田×(2点)

昨日スイレンにあっけなく負けた相羽、汚名返上すべく来島をガンガン攻める。しかしヘッドバットで動きを止められ、すかさず菊池がムーンサルト、ミサイルキックの猛攻。スターライト相羽、たまらず芝田にタッチ。こうなっては王者組のペース。芝田も延髄斬りなどで応戦したが、最後は来島の重戦車攻撃につぶされてしまった。それでも24分20秒の好勝負に場内沸いた。

タッグリーグ戦は4戦を終え、GS(ガイアスイレン)砲と11期生コンビ(菊池来島)が8点でトップ、お嬢様コンビが6点で追う展開。

(続く)

2007年9月 5日 (水)

第197回 来島さんじゃ勝てない(その3)

14年目10月シリーズ最終戦、新日本ドーム大会、セミファイナルでは今シリーズ限りで引退するふたりの6期生、ハイブリッド南対新咲祐希子の一騎打ちが組まれ、ハイブリッド南がジャーマンで新咲を下し、有終の美を飾った。

ざわついた雰囲気のままメインのSPZ選手権へ、王者スイレン草薙に挑むのはボンバー来島。ボンバーの挑戦も2回目だが、ほかの有力選手がことごとく屈しているのでまた挑戦権が回ってきた。

「来島さんじゃ勝てない」
ゲストかいせつの上原今日子がまた断言。要するにパワー一辺倒で攻めるスタイルの来島はスイレンのような隙のないタイプにはどうしても弱いらしい。
この日もスイレン草薙に押し込まれてDDTでぐらつく。しかしー

「気持ちよく眠らせてやるぜー」

ナパームラリアットの強烈な一撃。

「ほとんどのレスラーはあれで終わりなんですけど、スイレン選手は耐久力もありますからね、ほら、目がまだ死んでないですよ」

ここでスイレン草薙が勝負に出て、バックドロップからストレッチプラム、延々と締め上げる。来島何とかこらえて振りほどく。そして来島タックルで反撃ももう力が残ってない。起き上がったスイレンがすばやく組み付いて、バックドロップ。

ワン、トゥ、スリー。
勝負タイム26分59秒、王者が6回目の防衛に成功。

「ちく、しょー、勝てねえ・・・」

ボンバー来島、SPZ王者へ最後の一歩がどうしても届かない。

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メイン終了後、ハイブリッド南の引退式。

「今まで応援ありがとう」

引退式は簡素で、テンカウントゴングのみ。ギムレット美月選手会長から花束の贈呈。

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ハイブリッド南が花道を去った後、つづけて新咲祐希子の引退式。引退後はグルメ番組のマルチタレントとして活躍するらしい。

「私はみんなのおかげでここまでこれました!みんな今まで応援ありがとう!」

こうしてSPZの戦国時代を支えた名レスラーが2人、リングを去った。

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ハイブリッド南

2014年4月10日、釧路アリーナ大会でのミシェール滝戦でデビュー。2022年10月22日、新日本ドーム大会での新咲祐希子戦で引退。

稼動月数103ヶ月。出場試合数(推定)728試合。

タイトル歴

第21代SPZ世界王者

第25代SPZ世界王者

第28代SPZ世界王者

第31代SPZ世界王者

第35代SPZ世界王者

第5代SPZ世界タッグ王者(パートナーは南利美)

第13代・18代SPZ世界タッグ王者(パートナーはマイトス香澄)

EWA世界タッグ王者(パートナーは南利美)

第8回・第9回SPZタッグリーグ 優勝(パートナーは上原今日子)

写真集 1冊

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新咲祐希子

2014年5月7日、高知市体育館での渡辺智美戦でデビュー。2022年10月22日、新日本ドーム大会でのハイブリッド南戦で引退。

稼動月数102ヶ月。出場試合数(推定)728試合。

タイトル歴
第22代SPZ世界王者

第26代SPZ世界王者

32代SPZ世界王者

第36代SPZ世界王者

第3代SPZ世界タッグ王者(パートナーは吉田龍子)

第16代SPZ世界タッグ王者(パートナーはスイレン草薙)

第21代SPZ世界タッグ王者(パートナーはスターライト相羽)

第7回SPZタッグリーグ優勝(パートナーは吉田龍子)

第10回・第11回SPZタッグリーグ優勝(パートナーはスイレン草薙)

2007年9月 4日 (火)

第196回 ダブル引退試合

14年目10月。、横浜のお嬢様プロレス団体「SPZ」は圧倒的な人気と実力を兼ね備えた6期生ふたり、ハイブリッド南と新咲祐希子が引退を表明。

そして最終戦は新日本ドーム大会。
「新咲祐希子 最終試合」
「ハイブリッド南 最終試合」

正面玄関には上記の大看板が2枚。試合開始前には例によって「引退する選手のおもしろビデオ」が流される。内容はハイブリッド南が関節技を決めまくって対戦相手が絶叫するシーンをつなぎ合わせた残虐ビデオと、新咲祐希子が日本各地の巡業先で美味しいものを食べまくるグルメ紀行ビデオを立て続けに流す内容であった。

第1試合はフレイア鏡対フォクシー真帆の新人対決。フォクシーのDDTをカウント2.9で返したフレイアがアキレス腱固めで勝利。

第2試合はマイトス香澄、キューティー金井がエレン、ヘレンのニールセン一族と対戦。小柄な二人がEWAの実力者ふたりに挑んでいった。耐えて耐えて、最後はマイトス香澄が大逆転の絶望2000で勝利。勝負タイム15分17秒。

「南さんの引退試合なので気合はいりましたっ」

革命軍のマイトス香澄は力強くコメントした。

第3試合はスターライト相羽対デイジー・クライ。相羽がEWA新鋭のデイジーを問題にせず、11分3秒、最後はキャプチュードで終了。

休憩明けの第4試合はロイヤル北条、ビューティ市ヶ谷のお嬢様タッグ出陣。10期生コンビのビーナス麗子、ギムレット美月と対戦。お嬢様コンビが優勢に試合を進め、最後はロイヤル北条のロイヤルスパイク(変形DDT)で終了。

セミ前の第5試合は菊池理宇がガイア小早川とタッグを組んでナターシャ・ハン、アリス・スミルノフと対戦。菊池が安定感ある試合運びでEWAの2人を追い込み、最後はアリスをダイビングボディプレス2連発で片付けた。小柄な菊池が大柄なアリスを仕留める展開に場内沸いた。勝負タイム12分35秒。

いよいよセミファイナル。ハイブリッド南と新咲祐希子の最終試合。

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セミ前が終了し、場内がいったん暗転。ドームがドワアアアと揺れた。村越リングアナがやや上ずった声でアナウンス。

「次の試合に登場するハイブリッド南選手は、本日が最後の試合となります。ファンの皆様、よりいっそうの声援をお願いいたします!」

「スピード」のテーマ曲に乗って、黒いフードつきガウンを羽織ったハイブリッド南が入場。SPZの旗揚げ以来南利美ハイブリッド南のテーマとして使われたこの曲がかかるのもこれが最後である。

ロープをあけたのはセコンドのマイトス香澄。そしてハイブリッド南がリングイン。

そして、館内に響くはー

G・T,G・T,GTO!

新咲祐希子のテーマ曲「GTO」(シニータ)がかかり、いつものように黄色いジャケットガウンを羽織った新咲祐希子が入場。いつものようにトップロープを飛び越えてリングイン。そしてトップロープにもたれてぐいぐいっと背中を反らす。

「ただ今より、シングルマッチ30分1本勝負を行います。青コーナー、高知県高知市出身、ハイブリッドー、みなみーっ」

ハイブリッド南が右手を軽く上げる。

「赤コーナー、山口県下関市出身、しんざきー、ゆきこー!」

村越リングアナが万感の思いをこめてコール。
伊達レフェリーのチェックのあと、両者にらみ合う。

―最後くらい花持たせなさいよ。
―いやよ。勝ち逃げして辞めるわ。

ハイブリッド南は5回SPZ王者に輝いているが、うち4回は新咲にやられて王座転落している。寝技主体でいやらしく攻めるハイブリッドは何でもこなす新咲には相性が悪かった。

「解説の吉田さん、SPZの歴史の中でも引退する選手同士をぶつけるマッチメイクははじめてなんじゃないですか」

「そうですね、引退試合の相手ってのはやりづらいんですよ。私も草薙選手のときやりましたけど、面倒見てもらった先輩を相手にするわけですから思いが入っちゃって、それなら引退するもの同士気兼ねなくやりあってもらおうと井上さんが考えたんだと思います」

「どちらが有利でしょうか」

「んー、まあ、お互い明日からはただの人になるわけですから、お互いがまったく容赦なく殴ったり関節極めたりしてくるでしょうね。過去の相性では新咲選手が多少有利ですが、展開が読めないのでまったく分かりません、まあ私は新咲選手が気兼ねなくあの性悪女をボッコボコにしてくれると思ってますが」

カンッ。
20時6分、今野役員がゴングを一打。

「いくわよ。」
ハイブリッド南が組み付いていきなりボディスラム。しかし新咲もドロップキック、ローリングソバットで反撃。序盤は互角の展開。

「はっ!」

新咲のジャンピングニー狙いを背面トペで切り返すハイブリッド南。こういうところの流れの変え方はやはりうまい。

押しつぶされた新咲が足を少し引きずったのを見るやサソリ固め。運の悪いことにリング中央でガッチリきまっている。

場内ドワアアアアア。新咲がギブアップすればその時点でふたりのレスラー生活は終わってしまう。しかし新咲、懸命に匍匐前進し、サードロープをつかんだ。

「ゼェ、ゼェ・・」

「覚悟して」

ハイブリッド南、流れるような動きで組み付いて即バックに回って、ジャーマンスープレックス。はじめてSPZタッグを獲ったときの思い出の技だ。

ズドーン。

「ゆっこ、返せー!」

本部席の吉田龍子が叫ぶ。が、キックアウトしようにも足に力が入らず・・・

ワン、トゥ、スリー!

伊達レフェリーがマットを3つ叩く。そして本部席にゴングを要請のサインを送る。

カンカンカン・・・

「16分27秒、ジャーマンスープレックスホールドでハイブリッド南の勝ち」

横たわる二人、リング上を埋め尽くすオレンジと紫の紙テープ。

ハイブリッド南のテーマが流れる中、新咲は起き上がり、リング上で一礼してから足取り重く花道を引き上げた。涙を見せなくなかったのか、うつむきながら。人気では新咲もかなりのものがあったのでものすごい拍手が送られた。

ハイブリッド南はしばらく青コーナーにもたれながら新咲の退場を見送って、そのあと立ち上がって、伊達レフェリーに右手を上げてもらった。
「・・・お疲れ様・・」
「・・・まあ、楽しかったわ」

そのあと万雷の拍手が送られる中、ハイブリッド南が花道を引き上げた。

2007年9月 3日 (月)

第195回 6期生の2人 ファイナルバトル

14年目10月
「ここまでのようね・・・」
「そろそろ潮時かなって思って・・・」
6期生、ハイブリッド南と新咲祐希子がそろって引退を表明。これで初武道館、初ドームを知る世代が全員いなくなってしまった。

「ハイブリッド南・新咲祐希子引退シリーズ」初戦は山口大会。新咲の地元での興行。ハイブリッド南、新咲祐希子、スターライト相羽が「ドリームトリオ」を組んで菊池理宇、ボンバー来島、ロイヤル北条組とメインで対決。最後の地元凱旋で燃える新咲がラリアット、パワーボムと菊池を追い込む。出てきたハイブリッド南も来島のパワーをうまくかいくぐって関節地獄に持ち込む。最後はスタミナの尽きた菊池を相羽がうまくアキレス腱固めに捕らえてギブアップを奪った。勝負タイム32分47秒の激戦。

翌日の島根大会はメインでスイレン草薙、スターライト相羽、新咲祐希子対菊池理宇、ボンバー来島、ハイブリッド南の6人タッグマッチ。いまのSPZ所属選手上位6名が敵味方に分かれぶつかり合う好カード。
試合はボンバー来島のパワーが相羽新咲を蹴散らしたが、スイレンは落ち着いて切り返す。たまらずハイブリッドにタッチ。ここでスイレンが草薙流兜落とし。ハイブリッド南を戦闘不能に陥れた。このあたりから大技が乱れ飛んできた。

最後はスイレンが出ずっぱり状態。ここを冷静に捉えた菊池来島が合体パワーボム。これはカウント2.8で返したスイレンだったが、続く来島のフェイスクラッシャーに力尽きた。勝負タイム34分8秒の激闘。終わった後は6人とも倒れこんだ。

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3戦目鳥取大会。ハイブリッド南とマイトス香澄が最後の革命軍タッグを組んで、ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条と対戦。このタッグでSPZタッグをとったこともある。
「マットにひれ伏しなさい!」
ビューティ市ヶ谷、大先輩相手にこんな言葉を吐いてからビューティボム。しかしハイブリッドもカウント2で返して、
「これでおしまいね」
ネオ・サザンクロスロック発動。シングルマッチならこれで終わっていただろうが、これはロイヤル北条がカット。そのあとロイヤル北条とマイトス香澄の一騎打ち。最後はハッスルしたマイトス香澄が絶望2000(ハイブリッジジャーマン)を決めてフォール勝ち。革命軍コンビの有終の美を飾った。

メインはスターライト相羽、新咲祐希子対スイレン草薙、ビーナス麗子のタッグマッチ。スターライト相羽が初めて取ったベルトが新咲と組んでのSPZタッグだった。ということで相羽がハッスル。キャプチュードでビーナス麗子を仕留めた。

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第4戦福井大会。ビーナス麗子対新咲祐希子のシングルマッチが第4試合で組まれた。
ビーナス麗子が掌底を乱発し追い込んで行くが・・・
「はぁぁー、いっくよーっ!」
新咲の高速ジャーマン発動。受身が取りきれなかったビーナス麗子はこれでカウント3を奪われてしまった。

その次の試合がハイブリッド南対ギムレット美月。似たようなファイトスタイルだが寝技ではハイブリッド南が一枚も二枚も上。最後はスタミナの尽きたギムレットをジャーマンで屠った。

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翌日の石川大会、セミ前で組まれたのは新咲祐希子対スターライト相羽、タッグパートナー同士の対決だが今の力関係ではS相羽のほうが何枚も上。新咲も懸命に食らいついていったが、最後はS相羽のタイガースープレックスで涙を飲んだ。勝負タイム16分41秒。

セミファイナルではハイブリッド南対ナターシャ・ハン。最後の関節技世界一決戦である。

「ハイブリッドミナミ、引退だと?じゃあついでに入院サセテヤロウ」
エルボーが鼻に入ってハイブリッド、鮮血を滴らせながらのファイトとなった。これで動きが鈍り、防戦一方となったハイブリッドだが、彼女には「一発逆転」がある。

「あの性悪・・・」
セコンドについていた吉田コーチがぼそりと。リング中央になったと見るやすっと押し倒してネオ・サザンクロスロック。このあたりのズルさはさすがとしかいうしかない。これでギブアップ勝ち。勝負タイム11分39秒。

石川大会メインは「あばしりタッグ選手権」ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条に挑むのはエレン、ヘレンのニールセン一族。エレン、ヘレンの血の連係がお嬢様コンビを追い込む。そしてエレンが市ヶ谷を挑発しようと考えたのか、執拗に市ヶ谷の顔面を狙ってステップキック3連発。

しかしこの攻撃に最凶のお嬢様がキレた。
「わたくしにひざまずきなさいッ!」
高々と抱え上げてのビューティボム一撃。エレンはこの一撃で戦闘不能状態に。へレンがカットに入ろうとするがロイヤル北条がすっと立ちはだかる。カウント3が入った。20分17秒、王者組が2度目の防衛に成功。

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その翌日は富山高岡大会。

セミ前で組まれたのは新咲対ナターシャ・ハン。SPZのトップスター対トップ外人なのでいままで数多くの激闘を繰り広げてきた。最終対決のこの日は新咲が高速ジャーマンを早めに繰り出し、これで決定的ダメージを受けたナターシャをハイキックでけり倒し3カウント奪取。

セミファイナルではハイブリッド南対ビューティ市ヶ谷。先月あっけなく終わったさいたま決戦の再戦。市ヶ谷も懸命に抵抗し、ビューティボムを一発叩き込んだところまでは良かったのだが、ダメージをこらえて立ち上がったハイブリッドがロープに走って、反動をつけてヒップアタック。これですっ転んだビューティ市ヶ谷の足を取ってアキレス腱固め。

「ひあああああーっ!」
15分46秒、ビューティ市ヶ谷はギブアップした。

「のこりあと、ふたつね・・・」

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第7戦神戸大会。第2試合で組まれたのは新咲祐希子対新人のフレイア鏡。ほんらいなら新人には酷なカードなのだが、新人にも最後に元SPZ王者の凄さを体感してほしいとこのカードを組んだ。

「これでどうだ!」
一方的に攻めた新咲がハイキック一閃。マットに崩れ落ちるフレイア。これで試合は終わった。勝負タイム6分8秒。

第3試合ではハイブリッド南対フォクシー真帆。ハイブリッドは新人相手でもまったく容赦しない。開始早々のネオ・サザンクロスロックでギブアップを奪った。勝負タイムわずか2分30秒。

―何もさせてもらえなかった・・・・

リング上で呆然とするフォクシー真帆。ハイブリッド南はゴングを聞くやさっとリングを降りてスタスタと退場。場内は静まり返った後、ものすごい拍手に包まれた。

神戸大会メインはSPZタッグタイトル戦。菊池理宇、ボンバー来島に挑むのはスイレン草薙、ギムレット美月組。
 翌日にSPZシングル戦を控えたボンバー来島とスイレン草薙が激しくやりあう。スイレンが投げ飛ばせば来島は頭突き。しかし王者組のコンビネーションは抜群。菊池のハイキックから来島のパワーボム。これで大ダメージを負ったスイレン、ギムレット美月にタッチ。しかしギムレットもあっさり痛めつけられてしまったので、再度ふらふらのスイレン草薙が登場。パートナーのギムレットが実力微妙なのでスイレン草薙は2人を相手にする苦しい状況。

「はっ!」
スイレンがバックドロップを仕掛ける。しかし菊池、空中でたくみに体を入れ替え上からのしかかり押しつぶした。

「しまっ・・・た」

これでカウント3が入ってしまった。28分30秒、王者組が4度目の防衛に成功。
そして最終戦は新日本ドーム大会。6期生の2人が最後の戦いを見せる。

2007年9月 2日 (日)

第194回 14年目9月 お嬢様軍団結成か

14年目9月
「オータムランブルシリーズ」開幕。前半は四国各地を巡業。

第5戦岡山大会。メインに組まれたのはあばしりタッグ選手権。ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条の王座にアリス・スミルノフ、デイジー・クライのEWA若手軍が挑む。前半は外人組の連携に手こずった市ヶ谷組、しかし徐々にビューティ市ヶ谷がラリアットやバックドロップで猛チャージをかける。最後もデスバレーボムでアリスを仕留め、27分37秒の激戦を制して防衛成功。

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第7戦新潟大会、メインで組まれたのはSPZタッグ戦。菊池、ボンバー来島に挑戦するのはEWAのナターシャ・ハン、デイジー・クライ組。11期生の連携にナターシャが関節技でどれだけ対抗できるかがポイントだったが、パートナーのデイジーが捕まってしまい、ボンバー来島のフェイスクラッシャーをまともに食らって終了。王者組が3度目の防衛に成功。

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最終戦はさいたまドーム大会。なんと後半は「5大シングルマッチ」が組まれている。
第1試合はエレン・ニールセン、ウェイン・ミラー対アリス・スミルノフ、デイジー・クライの外人同士のタッグ戦。EWA本場そのままのカード編成なので4人がのびのびと戦った。熱戦の末、最後はデイジーのハイキックがエレンの戦意を絶った。勝負タイム16分28秒。普段と違い第1試合から激しい試合に場内沸いた。

続く第2試合はガイア小早川、キューティー金井対マイトス香澄、フォクシー真帆のタッグマッチ。やはり新人のフォクシー真帆が捕まってしまう。最後もガイア小早川の延髄斬りにフォール負け。勝負タイム13分19秒。

第3試合はスターライト相羽、新咲祐希子対菊池理宇、ボンバー来島。休憩前にこんなタッグ選手権級のカードが組まれる。しかし新咲の動きは全盛期に比べだいぶ落ちていて、菊池と来島の合体パワーボムに3カウントを奪われた。

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休憩後、さいたまドーム大会目玉の5大シングルマッチ。メインのSPZ戦以外は「スーパーお嬢様軍4人のシングルマッチ」である。

第4試合はフレイア鏡対ドスカナ・リブレ。ドスカナがわすか7分で新人のフレイア鏡を仕留めた。

第5試合はロイヤル北条対ギムレット美月。先輩のギムレット美月がテクニックを生かした関節技攻勢でキリキリ舞いさせたが、ロイヤル北条もロイヤルスパイク、パワースラムでギムレットをカウント2.9まで追い込む。しかしギムレットも奮起。

―1年半の人にはまだ負けられません。

ハイキック炸裂。どうにかロイヤル北条を退けた。勝負タイム12分19秒。

第6試合セミ前は芝田美紀対ビーナス麗子。打撃技をガシガシ繰り出し積極的に攻めたビーナス麗子が、最後はバックドロップで芝田から3カウントを奪い、SPZクライマックスに出られなかったウサを晴らした。勝負タイム20分6秒。

セミファイナルはビューティ市ヶ谷対ハイブリッド南のシングル初対決。しかしハイブリッド南、市ヶ谷のパワーファイトをものともせず、あっさりと8分で脇固めでギブアップを奪って終了。

「・・・・・・くっ・・・・」

ビューティ市ヶ谷完敗。トップを張ってきた選手の凄みを味わった。

メインイベントはSPZ選手権、スイレン草薙対ナターシャ・ハン。なにしろ先月スイレン草薙はSPZクライマックスで危なげなく全勝してしまったのでもう外国人選手を当てるしかない。
だがー
スイレン草薙快勝。ロープに足が届く範囲で戦ってナターシャに決定的なチャンスをつくらせない。そしていつものように投げまくってフィニッシュはデスバレーボム。勝負タイム19分14秒。あっさりと防衛に成功。

そして・・・
14年目10月のシリーズ前、
「ここまでのようね・・・」
「そろそろ潮時かなって思って・・・」

6期生、ハイブリッド南と新咲祐希子がそろって引退を表明。これで初武道館、初ドームを知る世代が全員いなくなってしまった。

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ハイブリッド南・新咲祐希子 最終試合 「伝説最終章」

2022年10月22日 新日本ドーム 18時30分試合開始

主催: スーパースターズプロレスリング・ゼット

後援: 大日本テレビ 京スポ新聞 Cafeあばしり

(対戦カード)

・SPZ世界選手権試合 60分1本勝負

(王者)スイレン草薙 VS (挑戦者)ボンバー来島

・特別試合

 ハイブリッド南   VS  新咲祐希子

                  他、数試合予定。

特別リングサイド10,000円 アリーナ席A 8,000円 アリーナ席B 6,000円

内野スタンド席 4,000円 外野スタンド席 3,000円
チケットは各種プレイガイド またはSPZフィーバー各店にて発売。

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2007年9月 1日 (土)

第193回 スイレン草薙の優勝

14年目8月、引き続きSPZクライマックスリーグ戦。第6戦は広島大会。

H南(8点、ネオ・サザンクロスロック 15.16)菊池(2点)

6期生で関節技にはまだまだキレのあるハイブリッド南。11期生で飛び技、スピードなら団体随一の菊池。しばらくは互角の攻防が続いたが、12分過ぎにいきなりハイブリッドがネオサザンクロスロックを繰り出す。

「うっ、わあああ・・・」」

かなり耐えた菊池だったがついにギブアップ。やはり一発を持っている選手は強い。

B来島(8点、ジャーマンSH 13.45)新咲(3点)

終盤は投げの打ち合い。新咲がフロントスープレックスを立て続けに見舞ってのキャプチュード。しかしボンバー来島もカウント2.8で返してバックドロップ、裏投げ、ジャーマン。これで6期生の新咲をしとめた。

S相羽(6点、裏拳からの片エビ固め 9.24)G美月(1点)

スターライト相羽が力関係どおり攻め込んでいって快勝。

S草薙(10点、デスバレーボムからの片エビ固め11.31)芝田(2点)

広島大会メインはスイレン草薙の完勝。

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翌日第7戦は名古屋しゃちほこドーム大会。
菊池(4点、エルボーからの片エビ固め 23.47)新咲(3点)

熱のこもった好勝負になった。菊池、ローリングソバットで攻め込むも新咲、高速ジャーマン、そしてパワーボム、カウント2.5で返す菊池。勝負をかけた新咲のキャプチュードをキックで切り返した菊池、

これが勝負の分かれ目か、菊池の猛反撃、ムーンサルトプレスはなんとかカウント2.9で返したものの続くエルボーで新咲は沈んでしまった。

S相羽(8点、キャプチュード 13.01)芝田(2点)

スターライト相羽、芝田を振り切って4勝目ゲット。

B来島(10点、フェイスクラッシャーからの片エビ固め 16.01)H南(8点)

1敗同士の対決。力ではボンバー来島が圧倒的に上だが、ハイブリッドには関節技がある勝敗の読めない好カード。

一方的にボンバー来島が攻めたが、ハイブリッド南が13分過ぎにネオサザンクロスロック!

ドワアアアア!

館内異様な雰囲気。来島も食ってしまうのか。しかしボンバー来島、力まかせにフックを外してしまう。最後はボンバー来島、パワーボム、フェイスクラッシャーと畳み掛けて勝利。ボンバー来島が辛くも1敗を守った。

S草薙(12点、ノーザンライトSH 15.58)G美月(1点)

序盤はスリーパーの決めあいといった静かなレスリングを展開。しかしスイレンもノーザンで猛攻を開始。ローリングソバット、バックドロップ。そして2発目のノーザン。ギムレット美月はたまらず3カウントを聞いた。

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最終戦は横浜へ戻ってきての横スペ大会。

H南(10点、アキレス腱固め 22.31)新咲(3点)

6期生同士の対決。これまでSPZ選手権でいくども激突してきた両者の対戦に館内は沸いた。ハイブリッド南、アキレス腱固めを延々かけ続けて動きを封じる作戦がズバリ的中。新咲の動きにいつもの切れがない。最後もサソリ固めで弱らせてのアキレス腱固めでギブアップを奪い勝利。

「こうでもしないと新咲選手には勝てないわ」

さすがハイブリッド南、一点集中攻撃をやらせたら右に出るものはいない。この状態で勝ち点10をかき集めたのだからさすがと言うしかない。新咲、リーグ戦3点どまりで予選会行き決定。

菊池(6点、ダイビングボディプレス10.07)G美月(1点)

終始攻めきった菊池、最後もフライングボディプレスで白星。3勝4敗の勝ち点6でリーグ戦を終えた。

B来島(12点、パワーボム 11.32)芝田(2点)

ボンバー来島が持ち前のパワーで芝田をねじ伏せて終了。スイレンに敗れただけの堂々の勝ち点12.メインの結果次第では決定戦の可能性もあるので来島はそのまま控室で待機。

S草薙(14点、ドラゴンスリーパー14.56)S相羽(8点)

負けなければ優勝の草薙。最後に意地を見せたいスターライト相羽。

千秋楽結びの一番のゴングが鳴った。序盤は一進一退の攻防。そして中盤、スターライト相羽がバックドロップ2連発で勝負に出る。しかしスイレンも草薙流兜落とし、そしてバックドロップで流れを一気に引き寄せる。

「ううっ・・」

これでふらついたスターライト相羽、最後はリング中央でドラゴンスリーパーに捕らえられてしまう。相羽逃げられず、ギブアップ負け。

―やっと、優勝できた・・・

こうして第14回SPZクライマックスはスイレン草薙が初優勝。過去2年、決定戦で吉田龍子に敗れて優勝を逃しただけあって喜びもひとしお。賞状と金一封、副賞として「ブランド腕時計」が贈られた。準優勝はボンバー来島、賞状と「横浜中華街お食事券」が贈られ、3位のハイブリッド南にも「スポーツドリンク1ケース」が贈られた。

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