第200回 新スター降臨!ブック破り2連発。
14年目12月
12月は冬のボーナスが出た直後で一般大衆がお金を持っているので大きめの会場で興行を連発してがっぽりもうけましょうというのがSPZのポリシーである。
ということで初戦どさんこドーム大会。メインは客寄せのためにスイレン草薙対ハイサスカラスのノンタイトル戦を組んだ。
が、
「はっ!」
意外にもスイレンがハイサスカラスの裏拳に沈み、カウント3を奪われてしまった。
「やられました・・・油断したわけではないのですが」
SPZベルトがかかっていなかったことが救いか。波乱の開幕戦となった。
******************************
3戦目京都大会、メインではあばしりタッグ選手権が組まれた。王者チーム、ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条の対戦相手はEWAのアリス・スミルノフ&ウェイン・ミラー。
「えーと、この試合は、横浜市戸塚区のメイド喫茶「あばしり」が管理する、あばしりタッグ選手権試合であることを、認定する~。2022年12月6日、喫茶あばしり店長、鈴波かすり」
わざわざ横浜から来ていただいた「あばしり」店長、鈴波かすりがいつものスマイルで認定証を読み上げる。そのあとゴング。
だがビューティ市ヶ谷はこの数ヶ月でそうとう強くなった。EWA軍がせこい反則でかき回そうとも、自信を持って攻め込んでゆく。
「スイレン草薙の次のエースは来島さんでも相羽さんでもなく、市ヶ谷さんになるんじゃないの?」
本部席の今野役員は井上霧子にボソッとつぶやく。まだ17歳なのに自信満々にスミルノフをぶん殴ってゆく。
「その可能性は大きいですね」
市ヶ谷、アリスをたたきのめしてからウェインも叩きのめし、最後はロイヤル北条を招き入れてのダブルラリアットで防衛に成功。勝負タイム26分13秒。
********************************
第4戦大阪なにわパワフルドーム大会、大阪のプロレスファンは目の肥えたファンが多いので、空席を恐れた「SPZマッチメイク委員会」は、「大阪ではタイマンが受ける」ということでセミで菊池理宇対ハイサスカラス、メインでボンバー来島対ナターシャ・ハンの豪華シングルマッチ組んだが、いずれも外国人選手が勝ってしまった。このあたりに菊池来島の勝ち切れなさが現れている。
第5戦広島若草アリーナ大会、メインは客寄せのために組んだAACタイトル戦。王者ハイサスカラスに挑むのはビューティ市ヶ谷17歳。
市ヶ谷はメキメキと地力をつけ、ファンの間では現時点の日本人4強(S草薙、S相羽、菊池、B来島)に次ぐのではないかとうわさされていた。
しかしハイサスカラスの壁は厚い。一方的に攻め込まれてしまう。ハイサスカラス、空中殺法の華麗さが目立つがじつのところ打撃も投げ技も威力のあるレスリング巧者である。
ハイサスカラスの一方的な攻めは続き、とくいのフランケンシュタイナーで市ヶ谷はカウント2.9まで追い込まれてしまう。
―まあ、こんなものだろう、最初なら。
今野役員も井上社長代行もそう思っていた。広島大会メインを務める仕事は果たした。市ヶ谷に世界の壁が立ちはだかる結末でもファンは納得するはずだ。
しかし、市ヶ谷の目は死んでいなかった。
「わたくしにひざまづきなさい!」
ビューティボム炸裂。
―ほう、市ヶ谷さんも見せ場は作るねえ。
しかしこれが思った以上に効いたのか、ハイサスカラスの動きが鈍る。そこをついて
DDT。
―おや、けっこういい見せ場つくってくるねえ、いい根性だよ。
市ヶ谷、さらに攻撃の手を緩めずデスバレーボム。
ハイサスカラス、カウント2.8まで追い込まれる。
今野役員の表情が変わる。
―ひょっとしたら大逆転?
市ヶ谷、休まずに攻めてー
「はああっ!」
裂帛の気合とともに、初公開のフィッシャーマンバスターをここで繰り出した。
場内異様などよめき。
ワン、トゥ、スリー。
レフェリーのAACエージェント、ハヤトール氏が呆然としながらマットを3つたたく。
「私に・・・勝とうなんて。100万年、早いですわ・・・」
ダメージを押し殺しながら勝ち誇る市ヶ谷。広島で大番狂わせ。控え室はちょっとした騒ぎとなった。なにしろハイサスカラス、今シリーズはシングルでスイレンと菊池にフォール勝ちしているエース外人である。
「に、20分23秒、フィッシャーマンバスターからの片エビ固めで、ビューティ市ヶ谷の勝ち」
その瞬間、ひろしま若草アリーナが爆発した。
控室へ戻ったハイサスカラス、手はわなわなと震えていた。
ハヤトール氏は呪いの言葉を撒き散らす。本国でのクリスマス興行を前にしてベルトが流出。SPZは気を使ってくれてトップどころは当てず、デビュー2年目でまだ若手の域の市ヶ谷を当ててくれて、ハイサスカラスが難なく防衛というブックだったのだが。
「ま、このわたくしが本気を出せば当然のことですわ、オーホホホホ。」
********************************
翌日は九州ドーム大会。メインに組まれたのはEWA選手権、王者ナターシャ・ハンに挑むのはビューティ市ヶ谷。二日連続でシングルのタイトルマッチをやらせるあたりSPZのビューティ市ヶ谷にかける期待がうかがえる。
「オーホホホホ、きょうも完璧な試合で観客を魅了しましてよ」
バッハの「トッカータとフーガ」がかかる中、観客に手を振りながら入場する市ヶ谷。きのうのハイサスカラスとの死闘でダメージは残っているのに結構なプロ根性をしている。実は昨日の大番狂わせの影響もあって当日券がかなり伸びて九州ドームが満員になった。
そしてゴング、
「いやあ、昨日の広島はマグレもあったと思いますし、ハイサスカラス選手も油断があったと思いますよ、ですからナターシャ選手、ベルトを守ろうとなりふり構わず必死で向かっていくと思いますよ」
ゲストかいせつの吉田龍子が見解を述べる。ナターシャ・ハンも関節技では市ヶ谷に攻め手を与えない。市ヶ谷、ラリアットやDDTで見せ場は作るが、昨日のダメージか動きに切れがない、と思ったら、
「覚悟なさい」
ドーン!
ビューティボム発動。
「クッ」
ナターシャ、サードロープに手を伸ばしてブレイク。
しかし市ヶ谷休まず攻める。
「覚悟なさい!」
2発目のビューティボムの体勢、これはヤバイと感じたナターシャ、ウラカン・ラナでうまく切り返す。カウント2でフォールを返す市ヶ谷。
しかしビューティ市ヶ谷!あきらめることなくもう一度ビューティボムの体勢。
力まかせに高々と抱え上げてたたきつけた。
ワン、トゥ、スリー。
3カウント入ってしまった。
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・ありゃ」
観衆の大多数、今野役員井上霧子吉田解説ほか多数が口あんぐり。まだプロレスを始めて1年8ヶ月のビューティ市ヶ谷が二日連続で格上の外国人エース選手を食ってしまった。
「26分8秒、ビューティボムからのエビ固めで、ビ、ビューティ市ヶ谷選手の勝ち。」
村越リングアナも震えながら結果をアナウンス。
「オ、オロロキましたねえ」
実況の森和紀アナ(大日本テレビ)が裏返った声で第一声。
「そ、そうですね。ハイサスカラスに続いてナターシャ選手も連破してしまうとは。昨日の試合を見てナターシャ選手が慎重に行き過ぎたんでしょうかね、やっぱりプロレスは終了のゴングが鳴るまで何が起こるかわかりませんね」
解説者・吉田龍子も驚きながらコメント。
「オーッホホホホホ!当っ然の結果ですわ!」
両手にAAC,EWAのベルトを掲げ勝ち誇る市ヶ谷。いまここにSPZに新しいスターが誕生した。14年のSPZの歴史の中でも海外団体のシングルベルト2本同時戴冠したなんてのは初めてのことである。
今野役員は頭を抱え込んだ。予想を覆す結果を出した市ヶ谷の奮闘は褒めなければならないが、あとでエージェントに謝りに行かないといけない。
****************************
(筆者より)
この連載も200回を数えるに至りました。訪問していただいた皆様、つたないプレイ日記を読んでいただいた皆様、ありがとうございます。いまWASのプレイは21年目11月で止まっております。(ここ数日「えろすまっしゅ!」攻略CHUです)どうやって終わらせようか、考えものです。でもラッキー内田はかわいいです。うわっと思いました。とうぶん連載は続ける予定ですので、まあご期待ください。
« 第199回 「あったりまえじゃん!これでも一生懸命やったんだから!」 | トップページ | 第201回 菊池理宇 玉砕 »
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
« 第199回 「あったりまえじゃん!これでも一生懸命やったんだから!」 | トップページ | 第201回 菊池理宇 玉砕 »


久しぶりのコメントです。
200回到達おめでとうございます。
・・・えっ・・・21年までプレイしたんですか!すごいですねえ。
しっかしさすが市ヶ谷様ですねえ。
ブックを守らないのも当然といえば当然です。
だって、市ヶ谷様の存在はアンタッチャブルですから(笑)
今後の活躍に期待しております。
投稿: N | 2007年9月 9日 (日) 17時43分
200回達成おめでとうございます。
21年目ということは8年近く残りプレイあるということですね。
市ヶ谷様の2冠も本来の力が発揮してきたということですかね、今後のSPZは見所満載(スレイ選手の防衛記録更新・来島・相羽さんのリベンジ・勢いに乗って市ヶ谷さまの3冠?)で楽しみです。
投稿: HAL | 2007年9月10日 (月) 00時13分
N様こんばんわ。1泊旅行から帰宅直後@今野です。
今夜21年目11月で市ヶ谷様の引退シリーズをやる予定です。カード編成悩みそうです。
ドーム興行をやるときにはどうしてもタイトルマッチの力を借りなければならないので(笑)海外団体のトップどころに5番手くらいの力の選手を特攻させて玉砕させるのはSPZに限らずよくやる手だと思いますが、さすが市ヶ谷様、やらかしてくれます(笑)
HAL様こんばんわ。リプレイは80か月分くらい「在庫」がありますので単純計算で約100回の連載が可能です。16期17期と個性派を採用してしまいましたのでますます深みにはまっていくと思います。多少食傷気味のところもありますが、フローラ小川を登場させるまでやりたいと思います。
投稿: konno | 2007年9月10日 (月) 14時37分