第197回 来島さんじゃ勝てない(その3)
14年目10月シリーズ最終戦、新日本ドーム大会、セミファイナルでは今シリーズ限りで引退するふたりの6期生、ハイブリッド南対新咲祐希子の一騎打ちが組まれ、ハイブリッド南がジャーマンで新咲を下し、有終の美を飾った。
ざわついた雰囲気のままメインのSPZ選手権へ、王者スイレン草薙に挑むのはボンバー来島。ボンバーの挑戦も2回目だが、ほかの有力選手がことごとく屈しているのでまた挑戦権が回ってきた。
「来島さんじゃ勝てない」
ゲストかいせつの上原今日子がまた断言。要するにパワー一辺倒で攻めるスタイルの来島はスイレンのような隙のないタイプにはどうしても弱いらしい。
この日もスイレン草薙に押し込まれてDDTでぐらつく。しかしー
「気持ちよく眠らせてやるぜー」
ナパームラリアットの強烈な一撃。
「ほとんどのレスラーはあれで終わりなんですけど、スイレン選手は耐久力もありますからね、ほら、目がまだ死んでないですよ」
ここでスイレン草薙が勝負に出て、バックドロップからストレッチプラム、延々と締め上げる。来島何とかこらえて振りほどく。そして来島タックルで反撃ももう力が残ってない。起き上がったスイレンがすばやく組み付いて、バックドロップ。
ワン、トゥ、スリー。
勝負タイム26分59秒、王者が6回目の防衛に成功。
「ちく、しょー、勝てねえ・・・」
ボンバー来島、SPZ王者へ最後の一歩がどうしても届かない。
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メイン終了後、ハイブリッド南の引退式。
「今まで応援ありがとう」
引退式は簡素で、テンカウントゴングのみ。ギムレット美月選手会長から花束の贈呈。
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ハイブリッド南が花道を去った後、つづけて新咲祐希子の引退式。引退後はグルメ番組のマルチタレントとして活躍するらしい。
「私はみんなのおかげでここまでこれました!みんな今まで応援ありがとう!」
こうしてSPZの戦国時代を支えた名レスラーが2人、リングを去った。
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ハイブリッド南
2014年4月10日、釧路アリーナ大会でのミシェール滝戦でデビュー。2022年10月22日、新日本ドーム大会での新咲祐希子戦で引退。
稼動月数103ヶ月。出場試合数(推定)728試合。
タイトル歴
第21代SPZ世界王者
第25代SPZ世界王者
第28代SPZ世界王者
第31代SPZ世界王者
第35代SPZ世界王者
第5代SPZ世界タッグ王者(パートナーは南利美)
第13代・18代SPZ世界タッグ王者(パートナーはマイトス香澄)
EWA世界タッグ王者(パートナーは南利美)
第8回・第9回SPZタッグリーグ 優勝(パートナーは上原今日子)
写真集 1冊
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新咲祐希子
2014年5月7日、高知市体育館での渡辺智美戦でデビュー。2022年10月22日、新日本ドーム大会でのハイブリッド南戦で引退。
稼動月数102ヶ月。出場試合数(推定)728試合。
タイトル歴
第22代SPZ世界王者
第26代SPZ世界王者
32代SPZ世界王者
第36代SPZ世界王者
第3代SPZ世界タッグ王者(パートナーは吉田龍子)
第16代SPZ世界タッグ王者(パートナーはスイレン草薙)
第21代SPZ世界タッグ王者(パートナーはスターライト相羽)
第7回SPZタッグリーグ優勝(パートナーは吉田龍子)
第10回・第11回SPZタッグリーグ優勝(パートナーはスイレン草薙)
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