第195回 6期生の2人 ファイナルバトル
14年目10月
「ここまでのようね・・・」
「そろそろ潮時かなって思って・・・」
6期生、ハイブリッド南と新咲祐希子がそろって引退を表明。これで初武道館、初ドームを知る世代が全員いなくなってしまった。
「ハイブリッド南・新咲祐希子引退シリーズ」初戦は山口大会。新咲の地元での興行。ハイブリッド南、新咲祐希子、スターライト相羽が「ドリームトリオ」を組んで菊池理宇、ボンバー来島、ロイヤル北条組とメインで対決。最後の地元凱旋で燃える新咲がラリアット、パワーボムと菊池を追い込む。出てきたハイブリッド南も来島のパワーをうまくかいくぐって関節地獄に持ち込む。最後はスタミナの尽きた菊池を相羽がうまくアキレス腱固めに捕らえてギブアップを奪った。勝負タイム32分47秒の激戦。
翌日の島根大会はメインでスイレン草薙、スターライト相羽、新咲祐希子対菊池理宇、ボンバー来島、ハイブリッド南の6人タッグマッチ。いまのSPZ所属選手上位6名が敵味方に分かれぶつかり合う好カード。
試合はボンバー来島のパワーが相羽新咲を蹴散らしたが、スイレンは落ち着いて切り返す。たまらずハイブリッドにタッチ。ここでスイレンが草薙流兜落とし。ハイブリッド南を戦闘不能に陥れた。このあたりから大技が乱れ飛んできた。
最後はスイレンが出ずっぱり状態。ここを冷静に捉えた菊池来島が合体パワーボム。これはカウント2.8で返したスイレンだったが、続く来島のフェイスクラッシャーに力尽きた。勝負タイム34分8秒の激闘。終わった後は6人とも倒れこんだ。
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3戦目鳥取大会。ハイブリッド南とマイトス香澄が最後の革命軍タッグを組んで、ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条と対戦。このタッグでSPZタッグをとったこともある。
「マットにひれ伏しなさい!」
ビューティ市ヶ谷、大先輩相手にこんな言葉を吐いてからビューティボム。しかしハイブリッドもカウント2で返して、
「これでおしまいね」
ネオ・サザンクロスロック発動。シングルマッチならこれで終わっていただろうが、これはロイヤル北条がカット。そのあとロイヤル北条とマイトス香澄の一騎打ち。最後はハッスルしたマイトス香澄が絶望2000(ハイブリッジジャーマン)を決めてフォール勝ち。革命軍コンビの有終の美を飾った。
メインはスターライト相羽、新咲祐希子対スイレン草薙、ビーナス麗子のタッグマッチ。スターライト相羽が初めて取ったベルトが新咲と組んでのSPZタッグだった。ということで相羽がハッスル。キャプチュードでビーナス麗子を仕留めた。
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第4戦福井大会。ビーナス麗子対新咲祐希子のシングルマッチが第4試合で組まれた。
ビーナス麗子が掌底を乱発し追い込んで行くが・・・
「はぁぁー、いっくよーっ!」
新咲の高速ジャーマン発動。受身が取りきれなかったビーナス麗子はこれでカウント3を奪われてしまった。
その次の試合がハイブリッド南対ギムレット美月。似たようなファイトスタイルだが寝技ではハイブリッド南が一枚も二枚も上。最後はスタミナの尽きたギムレットをジャーマンで屠った。
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翌日の石川大会、セミ前で組まれたのは新咲祐希子対スターライト相羽、タッグパートナー同士の対決だが今の力関係ではS相羽のほうが何枚も上。新咲も懸命に食らいついていったが、最後はS相羽のタイガースープレックスで涙を飲んだ。勝負タイム16分41秒。
セミファイナルではハイブリッド南対ナターシャ・ハン。最後の関節技世界一決戦である。
「ハイブリッドミナミ、引退だと?じゃあついでに入院サセテヤロウ」
エルボーが鼻に入ってハイブリッド、鮮血を滴らせながらのファイトとなった。これで動きが鈍り、防戦一方となったハイブリッドだが、彼女には「一発逆転」がある。
「あの性悪・・・」
セコンドについていた吉田コーチがぼそりと。リング中央になったと見るやすっと押し倒してネオ・サザンクロスロック。このあたりのズルさはさすがとしかいうしかない。これでギブアップ勝ち。勝負タイム11分39秒。
石川大会メインは「あばしりタッグ選手権」ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条に挑むのはエレン、ヘレンのニールセン一族。エレン、ヘレンの血の連係がお嬢様コンビを追い込む。そしてエレンが市ヶ谷を挑発しようと考えたのか、執拗に市ヶ谷の顔面を狙ってステップキック3連発。
しかしこの攻撃に最凶のお嬢様がキレた。
「わたくしにひざまずきなさいッ!」
高々と抱え上げてのビューティボム一撃。エレンはこの一撃で戦闘不能状態に。へレンがカットに入ろうとするがロイヤル北条がすっと立ちはだかる。カウント3が入った。20分17秒、王者組が2度目の防衛に成功。
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その翌日は富山高岡大会。
セミ前で組まれたのは新咲対ナターシャ・ハン。SPZのトップスター対トップ外人なのでいままで数多くの激闘を繰り広げてきた。最終対決のこの日は新咲が高速ジャーマンを早めに繰り出し、これで決定的ダメージを受けたナターシャをハイキックでけり倒し3カウント奪取。
セミファイナルではハイブリッド南対ビューティ市ヶ谷。先月あっけなく終わったさいたま決戦の再戦。市ヶ谷も懸命に抵抗し、ビューティボムを一発叩き込んだところまでは良かったのだが、ダメージをこらえて立ち上がったハイブリッドがロープに走って、反動をつけてヒップアタック。これですっ転んだビューティ市ヶ谷の足を取ってアキレス腱固め。
「ひあああああーっ!」
15分46秒、ビューティ市ヶ谷はギブアップした。
「のこりあと、ふたつね・・・」
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第7戦神戸大会。第2試合で組まれたのは新咲祐希子対新人のフレイア鏡。ほんらいなら新人には酷なカードなのだが、新人にも最後に元SPZ王者の凄さを体感してほしいとこのカードを組んだ。
「これでどうだ!」
一方的に攻めた新咲がハイキック一閃。マットに崩れ落ちるフレイア。これで試合は終わった。勝負タイム6分8秒。
第3試合ではハイブリッド南対フォクシー真帆。ハイブリッドは新人相手でもまったく容赦しない。開始早々のネオ・サザンクロスロックでギブアップを奪った。勝負タイムわずか2分30秒。
―何もさせてもらえなかった・・・・
リング上で呆然とするフォクシー真帆。ハイブリッド南はゴングを聞くやさっとリングを降りてスタスタと退場。場内は静まり返った後、ものすごい拍手に包まれた。
神戸大会メインはSPZタッグタイトル戦。菊池理宇、ボンバー来島に挑むのはスイレン草薙、ギムレット美月組。
翌日にSPZシングル戦を控えたボンバー来島とスイレン草薙が激しくやりあう。スイレンが投げ飛ばせば来島は頭突き。しかし王者組のコンビネーションは抜群。菊池のハイキックから来島のパワーボム。これで大ダメージを負ったスイレン、ギムレット美月にタッチ。しかしギムレットもあっさり痛めつけられてしまったので、再度ふらふらのスイレン草薙が登場。パートナーのギムレットが実力微妙なのでスイレン草薙は2人を相手にする苦しい状況。
「はっ!」
スイレンがバックドロップを仕掛ける。しかし菊池、空中でたくみに体を入れ替え上からのしかかり押しつぶした。
「しまっ・・・た」
これでカウント3が入ってしまった。28分30秒、王者組が4度目の防衛に成功。
そして最終戦は新日本ドーム大会。6期生の2人が最後の戦いを見せる。
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