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2007年10月31日 (水)

第244回 SPZ選手会興行クリスマス・ディストラクション(下)

⑤ メインイベント:20人参加・時間差バトルロイヤル。

SPZ初の試み。選手?は1分おきにひとりずつ登場する(いわゆるロイヤルランブル形式)。

なお参加する選手は自腹で参加費1万円を支払い。優勝した選手が参加費合計20万円を賞金として総取りできるという非情?なルールが設けられた。1万円を投資すれば頑張りと立ち回り次第で20倍になって戻ってくるかもしれない。お金にシビアな面々の多いSPZの選手関係者は色めきたった。村越リングアナがルールの説明をした時点で場内ウォォォの歓声。壮絶なバトルの予感が・・・そして館内に「エクリプス」が轟き、花道に姿を現したのは・・・

1. ボンバー来島(SPZ11期)
「ウオーーーッ」雄たけびを上げながらボンバー来島、右手に1万円札を掲げてレフェリーの伊達遥に渡してからまっさきにリングイン。コールされた後地獄バトルのゴングが鳴った。
しかし次の選手が出てくるまでの1分間は何もすることがない。
「軽くウォーミングアップでもすっか・・・」
来島さん、1分間腕立て伏せをやって時間をつぶした。場内失笑。

2.菊池理宇(SPZ11期)
登場順は選手会長のギムレット美月が厳正なる抽選で決めたと称しているが、自分の有利なように組んだのはいうまでもない。実力者の来島菊池を先頭に持ってくるあたりがズルイ。
「THROUGH THE FIRE」がかかり、菊池理宇が入場。リングインの際、幹事の伊達レフェリーに1万円札を渡す。

「・・・・パートナーだからって、手加減はしません。賞金がかかってますから」

しばらくタッグパートナーの来島さんと取っ組み合いを繰り広げる。来島さんが押し勝ち、ロープ際へ押し込む。
「ロォープ!」ここはクリーンにブレイク。続く3人目は・・

3:フォクシー真帆(SPZ14期)
「SHAAAAAAA」
「ウイリアムテル序曲」が流れる中、フォクシー真帆が入場。しかし菊池と来島さんがレスリングをまともにやっているので入り込めない。立ち尽くすフォクシー真帆、場内失笑。

4:吉田龍子(SPZインストラクター)
「20万稼ぐチャンスやからね。黙って見ているわけにはいかんよ」
久々に「赤い破片」がかかって、SPZの総帥?、吉田龍子がトレーニングウェアでリングイン。場内どよめき。しかし菊池と来島さんが黙々と取っ組み合っているのでやはり戦いに入り込めない。ニュートラルコーナーで立ち尽くすだけ。フォクシーもまさか吉田龍子に殴りかかるわけにはいかず困ったなという表情、このまま1分が経過し・・・

5:渡辺智美(SPZマスターズ・現「売れないタレント」)
「ウェーハハハハ吉田龍子、ここで会ったが百年目、今日こそ貴様の最期だ!あんたがメインイベントで・・・(以下略)」
前年とまったく同じ言い回しでディスコスーツ姿の渡辺智美がリングイン。そして同期で怨敵?吉田龍子と相対。

「きょうは秘密兵器を持ってきたわ。あんたにまともにやりあう気なんてないんだから」
なんと渡辺智美、クリスマスを意識したのかあやしげな白い包みを持って入場。取り出したのは・・・・「北海道産たまねぎ。」
ぐしゃっ。
渡辺、たまねぎを握りつぶすや吉田龍子の顔面にぐりぐりとこすりつけた。なんてひどいことを。
「ぐっ・・・目がっ、目が・・・」
涙をぼろぼろ零しながらがくっとひざをつく吉田龍子。若手のころでもあの吉田龍子が目に涙を浮かべることはなかったのに。

がすっ! どかっ!
「どうだ思い知ったか、この思い上がり者めが~」
殴る蹴るの暴行を加える渡辺、吉田龍子いきなり大ピンチ。

6:井上霧子(SPZ社長代行)

吉田龍子の大ピンチで館内に悲鳴がとどろく中、井上霧子が登場。参加費の1万円を伊達遥に渡してからマイク。
「渡辺さん、龍子ちゃんはSPZの役員なのよ、それをこんな目に合わせてただで済むと・・・」
といいつつも渡辺に加勢して、倒れこむ吉田を痛めつける。そして右足を持ってアキレス腱がため。なんと渡辺も左足を持ってアキレス腱固め!!これはたまらない。
「うぐうううううう!!」
両足の痛みにもだえる吉田龍子、そんなに人望がないのか!?

(わるいけど龍子ちゃんにはさっさと退場してもらおう。強敵は真っ先につぶすのがバトルロイヤルのセオリーなのよ。)

一方、リング中央では菊池理宇がボンバー来島のボディスラム、ブレーンバスターを食らって劣勢。そこをフォクシー真帆がいきなり仕掛けた。
「SHAAAAAAA」
フォクシー真帆の延髄ラリアット炸裂。完全に不意をつかれた来島さん。前のめりにバッタリ倒れこむ。

「くっ、キタネエゾ・・・」

7:氷室紫月(SPZ16期)
「これも・・・運命」
「ウォンテッド」が場内にかかり、新人の氷室がのっそりとリングイン。新人にとって参加費1万円の支払いはバカにならないのだが、20万円をゲットするチャンス。まずはニュートラルコーナーで静観。

ワン、トゥ、スリー。
延髄ラリアットを食らった来島さんがフォクシー真帆のスクールボーイで丸め込まれて3カウントを奪われた。菊池も上から乗ってキックアウトを阻止。
「真帆の勝ちだ!」
勝ち誇るフォクシー真帆。
「ボンバー来島退場」
村越リングアナが最初の退場者を告げる。

8.ラッキー内田(SPZ16期)
新人のラッキー内田が8番目に登場。

「氷室さん、決着をつけましょう!」

リングインするや氷室に襲い掛かりそのまま新人らしい基本的な攻防でやりあう。もっともこれはラッキー内田の作戦。
―終盤まで生き残るためには氷室さんとまともに1対1で戦ってればいい。

「ウギャアアアア!ギブアップだ・・・」
井上・渡辺連合軍のダブルアキレス腱がために吉田龍子懸命に耐えたもののギブアップ。20万円の夢は露と消えた。
「吉田龍子、退場」

「くっそー・・・」吉田龍子、まだ目が痛いのか顔面をタオルで覆って引き揚げた。

9.今野和弘(SPZ人事経理担当取締役)
「はい伊達さん1万円、危険そうだから外で見てていいよね」
バトルロイヤルに参加しておきながら本部席での静観を決め込むスーツ姿の今野役員。あろうことか本部席で缶コーヒーなぞ飲んでいる。金持ち?喧嘩せずということか。

リング上ではフォクシーと菊池が殴り合っている。青コーナー隅では氷室とL内田がグラウンド技の攻防を延々と。

10:若林太郎(京スポ新聞記者
「あー、何で私がこんなことを・・・」
若林記者も1万円を拠出させられた。とりあえずリングに上がり、顔なじみの井上霧子におそいかかる。

「おりゃあああ!脳天唐竹割りぃぃ」

「いいチョップね、さすが記者歴22年。だけど、戦いの年季が違うわ。ごめんあそばせ」

井上霧子、若林記者にすっと組み付いてスリーパー。

「うっ」
アーッという間に若林記者は落ちてしまった。マスコミ記者だろうが容赦なし!
「ごめんなさいね、酒代に困ってるのよ」
崩れ落ちた若林記者に乗ってそのまま踏みつけフォール。若林記者にフォール勝ち。
「若林太郎退場」

11.成瀬唯(SPZ15期)
「ほんなら、いくでー」
成瀬唯が軽やかに走ってリングイン。リング中央の菊池とフォクシーのやりあってるのに加わり、菊池を痛めつける。菊池、1対2の状況になり大ピンチ。

12。上原今日子(SPZマスターズ 何でもやる課 課長)
「・・・やれやれ、どうしろっていうんですか」
OGの元SPZ王者、上原今日子がおっとり刀でリングイン。井上霧子、渡辺智美とにらみ合う。
渡辺智美が提案。
「こ。ここはひとつOG3人で共謀しませんか?」

13.羽山海(SPZリングドクター)
羽山ドクターも伊達さんに1万円を支払ってからは本部席で今野役員とならんで戦況を見つめているだけ・・・しかし羽山さんの手には怪しいジュラルミンケースが・・・

リング上で動きが、
「せぇぇぇい!」
フォクシー真帆、成瀬唯のダブルのブレーンバスター。菊池投げられてダウン。その上から2人がのしかかる。これでカウント3.

「菊池理宇退場」

14.ミス・クリスマス(????)
純白のコスチュームに身を包んだなぞの覆面レスラーが登場。いったい誰なんだ。場内は一気にざわめきたった。リングインするやフォクシー真帆、成瀬をタックルで弾き飛ばす、

―かなりの実力者か?
「オーッホッホッホッホ!メリークリスマスですわ!」
自分から正体をばらしてしまう高笑い。後楽園のファンは笑い転げた。

「な、なにをする、きさまらーーーー!」
本部席で缶コーヒーを飲みながら戦況を見守っていた今野役員を井上霧子渡辺智美が拉致ってリング上へ運ぶ。

「ダブルキック!」
井上霧子が渡辺と肩を組んで2人がかりでビッグブーツ。
「そんなの、ありかよ~」
吹っ飛ぶ今野役員、そこを上原今日子が踏みつけフォール。カウント3が入ってしまった。
「今野和弘退場」

15.フレイア鏡(SPZ14期)

「今宵リングに女神が降臨しますわ!」

ここで千両役者・フレイア鏡が入場。場内はますます盛り上がった。ミス・クリスマスと2人がかりでフォクシー真帆を痛めつける。

「うー、真帆はもう、疲れた・・・」
序盤から闘い続けたフォクシー真帆、ついに集中力が切れてきた。

「ふふ、スキアリ・・・」
「ああ・・ぐわああああああ」
フレイア鏡、絡み付いての足4の字固め!フォクシー真帆の表情が苦痛にゆがむ。
「ふふふふ、ステキよ真帆さん、ぞくぞくするわぁ・・・」

16.キューティー金井(SPZ12期)
「今日は負けないんだから!」
人気レスラーの登場に場内沸いた。リング中央ではフレイアの足4の字ががっちり決まってしまって・・
「真帆はダメだ・・・ギブアップ」
「フォクシー真帆退場」

しかしそのとき、ミス・クリスマスがコーナー最上段からうっとりしているフレイア鏡にダイビングプレスで飛び降りた!
「・・・ぐわっ!」
虚を突かれたフレイア鏡、これで3カウントを聞いた。
「フレイア鏡退場」

現時点でリング上に残っているのは、
井上霧子、渡辺智美、上原今日子、成瀬唯、ラッキー内田、氷室紫月、羽山海、キューティー金井、ミス・クリスマスの9名。

17.エル・オガワ・メンドーサ(なぞのルチャドーラ)
ほわーんとしたメキシコ音楽が流れ、銀色の覆面をかぶったなぞのレスラーが伊達レフェリーに1000ペソを払ってリングイン。

「iTe voy a matar!」(日本語訳:ぶっ殺す)
物騒な言葉を吐きながら渡辺智美にナックルパートを打ち込んでゆく。ぐらつく渡辺、だがここでまたヒキョウな手を使った。凶器入り袋から取り出したのはUSBキーボード!

「IT時代をリードする!SPそりゅーしょん!」
親会社の宣伝を叫びながらキーボードでメンドーサを殴りつける渡辺。飛び散るキー。ITを駆使した攻撃に館内は失笑。
さらに渡辺はITを駆使した攻撃、LANケーブルを取り出しメンドーサの首をしめようとするが、
「ええかげんにせえよ」
上原今日子がグーパンチ一閃。元正統派レスラーとしてこれ以上レベルの低い戦いにはついていけなかったのだろうか。
「きゃう・・・・」
アイドルレスラー渡辺が倒れこむ。そこへいっせいに井上、メンドーサ、上原が覆いかぶさってかウント3.
「渡辺智美退場」
「ううう、覚えテロ~!!」

18。ビーナス麗子
「やってきました、千両役者!!」
ビーナス麗子が元気よくトップロープを飛びこえリングイン。

「多くなって来ましたわね、少し片付けましょうか」
ミス・クリスマスが動いた。成瀬にものすごいラリアット。振り向きざまにキューティー金井にも。それぞれ立て続けにフォールを奪う。
「成瀬唯 退場」
「キューティー金井 退場」
「オーホホホホホホ!わたくしに勝てるものなぞおりませんことよ!」

しかしここでリング外から思わぬ伏兵が。
フッ。
吹き矢が飛んできてミス・クリスマスの足に命中。犯人はリングドクター羽山。当然吹き矢の中には巨象をも眠らせる麻酔薬が入っている。

ば た。
倒れこむミス・クリスマス。そこを井上霧子、メンドーサ、上原がのしかかってフォール。
「ミス・クリスマス退場」

大本命が担架で運ばれて退場。

19.ガイア小早川(SPZマスターズ/SPZ9期)

引退して半年そこそこのガイア小早川が一夜限りの復活。軽やかな身のこなしは健在。

「はっ!」

軽く飛んで上原今日子にローリングクラッチホールド。
「わ、しまった・・・」
カウント3が入った。しかし世の中甘くない。戦況を見ていた井上霧子とメンドーサがそのまま回転エビ固めをもう半回転。こんどはガイア小早川の肩がマットについた。これでまたカウント3が数えられた。
「上原今日子退場、ガイア小早川退場」

20.テキーラ・ビューティフルムーン(大物?ルチャドーラ)

またもメキシコ音楽が流れ、テキーラ・ビューティフルムーンと名乗る小柄な黒覆面ルチャドーラが1000ペソ払ってリングイン。名前からして正体バレバレである。これで全20選手の入場が完了。現時点で生き残っている選手は以下の7名。

井上霧子、羽山海、EOメンドーサ、ラッキー内田、氷室紫月、ビーナス麗子、Tビューティフルムーン。

赤コーナー側で動きが。
「そろそろ・・・ショーブ・・・かけます・・・っ」
ラッキー内田、いままでずーっと氷室とレスリングをやって2人だけの世界に没頭して時間稼ぎをしたがここで勝負をかけた。まず肩で息をしている氷室を場外にほうり投げて、そしてビーナス麗子を捕まえてブレーンバスター。

「あまいっ!」
ビーナス麗子、投げられたのに先にスックと起き上がってハイキック!これが20万円への意地執念か。崩れ落ちるラッキー内田。これで3カウント。
「ラッキー内田退場」これで残り6名。

残り6人となったところで、井上霧子もここで仕掛けた。

―強そうなコから、つぶす!
ぱかっ。ごくごく。・・・・・
「HAUUUUUUUUUU!」
隠し持っていた景気づけのワンカップを飲むや、殺戮モードに突入した。
―ヤクザキック!
「・・・ううっ!」
ビーナス麗子吹っ飛ぶ。

―ヤクザキック!
ビューティフルムーンも吹っ飛ぶ。なんてヤツだ。昨年のマスターズ戦の再現フィルムをみているようだ。
しかしリング下からまたも吹き矢が。
ぶっ!
バタン。

巨象をも眠らせる麻酔薬が井上霧子の足に刺さる。ここで羽山がリングインし、井上霧子に覆いかぶさって3カウント奪取。
「井上霧子退場」これで残り5名。

「・・・・・・・・・」
なおも吹き矢を構えるマッド女医・羽山だったが、さすがにメンドーサがうまくかいくぐって、絡み付いて多少ぎこちなかったものの、逆さ押さえ込みを決める。当然シロウトの羽山さんは返せるはずがない。
「羽山海退場」

―これで、あと3人ですね・・・

「・・・ウッ・・・」
メンドーサ、ここに油断があって、逆さ押さえ込みを解いた直後に羽山マッド女医の怪しいハンカチ攻撃を食らって意識が遠のいてしまった。
「iBasta・・・・ ya hijo・・・ de puta・・・」(日本語訳:やりやがったなテメー・・・)
ば た。

メンドーサ、ここで力尽きた。リング上には3体のマグロが転がっている状態。これが長く続いた。氷室もロングバトルの後遺症で場外でうずくまっている。1分後、ようやく蘇生したビューティフルムーンがまずメンドーサの上に覆いかぶさって、
「ワン、トゥ、スリ・・・」
3カウント奪取。
「エル・オガワ・メンドーサ退場」
残るはビーナス麗子、氷室紫月。
「・・・くっ!」
氷室が懸命にエルボーを打っていくが、ビューティフルムーン。やすやすと受け流して、

「勝率30%上方修正。」
ドラゴンカベルナリアに捕らえた。氷室の身体が弓なりにきしんで行く!だが・・・・
がす。
しかしこれをビーナス麗子が蹴りを入れてカット。そのままビューティフルムーンを引きずり起こしてニーリフト連打!同期のはずなのに、現金に目がくらむとみんな必死になってしまうのか。

―ここで負けたら、何のために順番の抽選に細工したのかわからなくなってしまう。

ぶんっ!
ビューティフルムーン、20万円への執念を見せ、普段はまず見せないラリアットをビーナス麗子に叩き込む!

「そんな、うわぁーー」
ハデに吹っ飛ぶビーナス麗子。そのままビューティフルムーンが上からのしかかって3カウント。
「ビーナス麗子退場」

―よしあとは新人の氷室選手だけだ、20万円獲れる・・・っ
その一瞬隙があった。ビーナス麗子のカバー解いた直後、氷室がうまーく組み付いて、スモールパッケージで丸め込んだ!

「わ・・・しまったっ」
ワン、トゥ、スリー。
「テキーラ・ビューティフルムーン退場、26分33秒、スモールパッケージホールドで氷室紫月の勝ち」

「これも・・・運命」
氷室紫月、賞金の20万円(正確には18万円と2000ペソ)を受け取っても平然としていた・・・

こうして魔の選手会興行は終わった。

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2007年10月30日 (火)

第243回 16年目12月 選手会興行クリスマス・ディストラクション(上)

2024年年末。SPZ選手会が風雲急を告げる。

「選手会で何かイベントやりましょう。また年末で飢えた吉田さんや井上さんがマスターズ戦やりましょうとか言い出す前に。」

昨年の「夢のマスターズ戦」は悪夢だった。SPZ選手会は「お手伝い」を強要?されて、レフェリーやリングアナをやらされ、ビーナス麗子やギムレット美月はメインでは酔っ払って殺人狂と化した井上霧子のヤクザキックを食らってノックアウトされたのである。しかも「井上霧子主催イベント」ということでギャラは出なかった・・・

「そうですね、先手を打って何かイベントをやらないとまた井上さんのキックの餌食になってしまいますから」

「でもでも、井上さんたちに声かけないと、後々やばくないですか~?」

ビーナス麗子が心配げに話す。

「心配ありません。こちらで企画をがっちり考えてから、堂々と誘えばいいのです。」

選手会長・ギムレット美月が決断。
「24日、後楽園プラザ、押さえましょう」

********************

そして12月24日、クリスマスイブ当日。チケットは割安の3,000円、SPZ選手会興行が久々に開催された。何かが起こるSPZの年末お笑い興行、今年も多くのファンが後楽園に詰めかけた。午後6時30分、ギムレット美月選手会長がリング上から挨拶。

「えーと、SPZ選手会長のギムレット美月です。メリー・クリスマス。」

ぱちぱちぱちぱち・・・・

「本日はクリスマスイブにもかかわらず、SPZ選手会主催イベント・『クリスマス・ディストラクション』にお越しいただきまして誠にありがとうございます。本日は2試合ほどプロレスの試合はありますが、まあゆるーいファイトですので、まあ笑ってください。」

① サンドバッグ選手権「ウルトラSPZクライマックス」

リング中央に置かれたのはゲームセンターとかで置かれているサンドバッグ。エントリーは8人、このサンドバッグを殴って、衝撃で一番多いポイントを稼いだ選手が「賞金1万円」を獲得する。映画音楽が流れる中、8人のつわものどもがリングに上がる。

A:羽山海(SPZリングドクター)
「えいっ!」
めいっぱい力をこめてサンドバッグを殴りつけた。シロウトだがなかなかのいい突き。80kgの数値が出た。

B.ラッキー内田(SPZ16期)

「はっ!」
この選手、打撃はあまり得意でないのだがミドルキックを叩き込んで120kgをたたき出した。場内どよめき。やはり新人にとって1万円はバカにならないのか。

C.今野和弘(SPZ取締役)

「オアタァアアア」
かけ声だけは立派だったが、もう51歳、寄る年波には勝てず、渾身のグーパンチは70kg、場内は失笑に包まれた。

D.ギムレット美月(SPZ選手会長)

「別にこんなのに本気出すのも・・・」
裏拳を軽くスナップ利かせて105kg。

E.森和紀(大日本テレビアナウンサー)

「みなさまこんばんは世界のかずのりでございます。大日本テレビは年末年始の特番を数多く用意しておりまして(以下番宣で3分しゃべる)わたくしも正月は駅伝の実況に例年駆り出されます。世界の大日本テレビ、みんなの大日本テレビ、ホワァァァッ!」
体重の乗った右フックを打ったが95kgどまりであった。

F.エル・オガワ・メンドーサ(謎のメキシコ人?マスクウーマン)

銀色の怪覆面マスクウーマンが現れると場内どよめき。
「iTe cogi!」(もらった!)
本業の監査法人勤めのストレスを吐きつけるかのようなグーパンチ炸裂。現役時代を上回る90kgをマーク。

G.成瀬唯(SPZ15期)

「ほな、いくでー」
べっちーん。
受け狙いなのか、サンドバッグにはり手。それでも100kgをマークするあたり、この選手も只者ではない。

H。井上霧子(SPZ社長代行)

そして真打ち、SPZの裏番が登場。

「HAAAAAAAAA」

井上霧子、ものすごい表情で気合をこめる。

「大人気ないぞ!霧子さん!」

館内は失笑とヤジが交錯した。

「ヤクザキック!」

DOGOOOOON!

恐ろしい勢いのヤクザキックがヒット。しかし、マシンごと壊してしまったのか、威力得点の表示が出ない。場内ざわめき。リング下では協議が始まった。

「えー、ただいまの競技について説明いたします。井上霧子さんのキックは命中しましたが、マシーンを壊してしまったので記録なしと致し、したがって最高得点のラッキー内田選手が優勝となります」

京スポ新聞若林記者が説明。

「何ですって・・・・」井上霧子愕然。

② ラッキーナンバー抽選会。

各選手が快く提供した物品が抽選で当たる選手会興行定番の企画。選手会長のギムレット美月は電子手帳を提供。若手のラッキー内田は巡業中に読んだと思われるコミック本「麻雀地獄戦記GXW」全10巻を提供。そしてボンバー来島からは移動中に使用したと思われるサンダル。菊池理宇はTシャツを提供。これは大いに盛り上がった。

③ 移動中の秘蔵ショット公開。

大型スクリーンに移動中の秘蔵ショットがさらされる。ビーナス麗子のトークが冴える。ネタにされたのは山ごもり特訓中のスターライト相羽だった・・・

「あ、これも相羽ちゃんですね。前の日フォール負けして凹んでるんですね。」

④ セミファイナル・普通のシングルマッチ。

「やはりまともな試合を1試合くらい入れておかないとお客さんは引いてしまいます」

とのことで、お嬢様軍団の同門対決。ロイヤル北条VS芝田美紀の20分1本勝負が組まれた。このカードは2週間前のさいたまドームのセミでも組まれていて内容は保証書つき。いつものように目いっぱい戦って時間切れドロー。後楽園プラザは拍手に包まれた。

⑤ メインイベント:20人参加・時間差ドリームバトルロイヤル。

SPZ初の試み。

・選手?は1分おきにひとりずつ登場する。バトルロイヤル形式で戦い、最後まで残った選手が優勝。

・参加する選手は自腹で参加費1万円を支払い、優勝した選手が参加費合計20万円を賞金として総取りできる。

という非情?なルールが設けられた。SPZの選手は15名、しかも相羽ちゃんは「山ごもり」で欠席、マッキー上戸は海外修行中でこのイベントに出られる状況なのは13名。あと7名はどうするつもりなのか・・・(続く)

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2007年10月29日 (月)

SPZスター選手列伝 019 ガイア小早川

従業員コード:019

暴走エクスプレス ガイア小早川

本名:小早川桃子、2002年1月16日、福島県郡山市出身。2017年のSPZ新人テストに合格し、9期生として入門。2017年4月11日、釧路市体育館での保科優希戦でデビュー。勝気な性格を生かしたファイトで活躍。最近ではスイレン草薙のパートナーに抜擢され、SPZタッグ王座を獲得。またギムレット美月とのタッグであばしりタッグ王者にも輝く。得意技はミサイルキック。

2024年6月22日、さいたまドーム大会でのスイレン草薙戦で引退。稼動月数87ヶ月、出場試合数612試合(推定)

タイトル歴

第20代・第24代SPZタッグ王者(パートナーはスイレン草薙)

第2代・4代・7代あばしりタッグ王者(パートナーはギムレット美月)

第14回SPZタッグリーグ優勝

写真集 1冊

SPZ9期生で採用したが、マイトス香澄同様に体格面でのハンデを背負い、大成は難しいかと思われていた。シングル戦での勝率はあまり良くなく、SPZクライマックスへの出場も果たせなかった。しかしスイレン草薙のタッグパートナーに抜擢されてからは懸命のファイトが胸を打った。パートナーのスイレンの力が大きかったのだが、SPZタッグ王者にまで輝いたから満足いくレスラー生活が送れたのではないかと思う。引退後はグッズショップSPZフィーバーの福島店店長をしている。

(筆者より:リプレイ日記・書き溜めた在庫で食いつないでいる状態が続いています。PS2のスイッチを入れても別のゲームをやる状況です。武藤めぐみの連勝街道が続いて・・・)

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2007年10月28日 (日)

SPZスター選手列伝 018 マイトス香澄

SPZスター選手列伝

従業員コード:018 SPZ8期生
「突貫少女」 マイトス香澄

本名:秋山香澄 2000年10月10日、東京都江戸川区出身。2016年のSPZ新人テストに合格し、8期生として入門。2016年4月14日、札幌キターアリーナ大会での南利美戦でデビュー。ハイブリッド南と革命軍を結成し、SPZタッグ王者にも輝く。ハイブリッド南引退後は「ひとり革命軍」として、小柄な体格を持ち前の精神力でカバーする熱いファイトを展開。得意技は絶望2000ジャーマン。
2024年4月29日、新日本ドームでのフォクシー真帆戦で引退。稼動月数97ヶ月、出場試合数(推定)692試合

タイトル歴
第13代SPZ世界タッグ王者
第18代SPZ世界タッグ王者(パートナーはハイブリッド南)

スイレン草薙と同期入門の選手。新人スカウトで採用したスイレンが順調に出世街道を突っ走ったのに対して、テスト上がりのこの選手は前座要員で長いこと耐えてきた。SPZクライマックスにも1回だけ出たが全敗。体格やパワーのハンデがあり、シングルマッチでの大成は厳しかったが、ハイブリッド南が打倒吉田を掲げ革命軍を結成したときはいち早く加入して、ハイブリッド南のパートナーを務めた。タッグマッチでは弱いほうが狙われるのだが、懸命のファイトでSPZタッグ王者に輝いた。しかしその激闘の数々で身体を痛めてしまい、稼動8年で引退という比較的短い選手生命となってしまった。太く短くを体現したレスラーだったと思う。

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2007年10月27日 (土)

SPZスター選手列伝 017 スイレン草薙

SPZスター選手列伝
従業員コード:017 SPZ8期生

スイレン草薙

本名:本堂ななか。2000年9月21日、山形県寒河江市出身。幼い頃から草薙流武術を伝承体得し、15歳で草薙流武術大会で優勝。この才能に目をつけた草薙みことがSPZプロレスにスカウトし、2016年4月14日、札幌キターアリーナ大会の渡辺智美戦でデビュー。

持ち前の格闘センスと草薙流兜落としを武器にめきめきと実力をつけ、伊達遥とのタッグでEWAタッグ王者、SPZタッグ王者に輝く。また、団体最強の称号・SPZ世界王者にも4度輝く。得意技は草薙流兜落とし。2024年8月14日、横浜スペシャルホールでの芝田美紀戦で引退。稼動月数101ヶ月。出場試合数(推定)708試合

タイトル歴
第29代SPZ世界王者
第33代SPZ世界王者
第37代SPZ世界王者
第41代SPZ世界王者
 (累計防衛回数 8回)

第9代SPZ世界タッグ王者
第12代SPZ世界タッグ王者(パートナーは伊達遥)
第16代SPZ世界タッグ王者(パートナーは新咲祐希子)
第20代SPZ世界タッグ王者
第24代SPZ世界タッグ王者(パートナーはガイア小早川)

EWA世界タッグ王者(パートナーは伊達遥)

第14回SPZクライマックス優勝

第10回SPZタッグリーグ優勝
第11回SPZタッグリーグ優勝(パートナーは新咲祐希子)
第14回SPZタッグリーグ優勝(パートナーはガイア小早川)

写真集 2冊

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今野取締役コメント:
草薙流格闘術の猛者として、SPZで存分に暴れていただき、実績では草薙みこと以上の結果を残したが、キャリアの前半から中盤まではあの絶対王者・吉田龍子に分が悪く、ファンの間からは長い間ナンバー2と見られていた。やはり第12回第13回SPZクライマックスの優勝決定戦で2年続けて吉田龍子に負けたのが後々まで響いた。

吉田龍子が引退後、ようやくSPZの大エースとして君臨したが、こんどは下の世代、S相羽菊池理宇ボンバー来島―の猛追にさらされ、実質的なスイレンの天下は1年少々だったのでめぐり合わせの悪い選手だった。けっきょくSPZクライマックスで優勝できたのは第14回の1回だけ。キャリアの終盤はビューティ市ヶ谷率いるお嬢様軍団に追い越されてしまった。実力は吉田龍子並みのものを持っていたとは思うのだが、返す返すもめぐり合わせが悪かった。引退後は実家のタクシー会社の電話番をしているらしい。

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2007年10月26日 (金)

第242回 16年目12月 SPZ選手権 ビューティ市ヶ谷VSスターライト相羽

16年目12月

そして最終戦さいたまドーム大会。正面入り口の看板は・・

SPZ選手権試合 

王者:ビューティ市ヶ谷 VS 挑戦者:スターライト相羽

「えっと・・あの・・その・・今年最後なので・・・気合入れて・・・行きましょう」

試合前、伊達レフェリーが全選手に気合を入れる。

第1試合、成瀬唯(15期)対キューティー金井(12期)。
「関西弁の美少女レスラー」として実力はともかく人気上昇中の成瀬が「アイドルレスラー」キューティーと対決。しかしキューティーも先輩の意地で、だんだん投げ技で追い込んでいって、最後はフロントスープレックスで勝利。

第2試合はフレイア鏡(14期)対フォクシー真帆(14期)。

「うがああああ・・・」

「うふふふ、も~っと苦しみなさい、ふふふふ・・・」

同期だろうがまったく容赦なし。妖しい笑みを浮かべながらアキレス腱固め!何度かロープに逃げたがフレイア鏡のアキレス腱地獄は続く。ついに根負けしたフォクシー真帆はギブアップ。勝負タイム26分1秒の長い試合。後半は残虐ショーっぽかったが。

第3試合は氷室紫月(16期)対ドスカナ・リブレ。ドスカナのスピード感に氷室ついていけず、最後はローリングソバットに撃沈。勝負タイム10分59秒。

休憩明けの第4試合、ボンバー来島(11期)の登場に館内沸く。きょうは新人のラッキー内田(16期)と組んでエレン、ヘレンのニールセン一族と対戦という比較的楽なマッチメイク。しかしきょうは来島さんの調子があまりよくないのか、ニールセン一族の打撃に苦しむ。シャイニングウィザードまで食らってしまう。

ラッキー内田が懸命につなぐが、来島の動きが本調子でなく、エレン、ヘレンの猛攻にピンチの連続。エレンのステップキックで来島が「もうダメだ返せない」と思ったところまで追い込まれたが、ラッキー内田がカット成功。そのまま30分フルタイムドローとなった。

「来島さん、らしくなかったけど・・・大丈夫?・」
心配した今野役員が声をかける。
「カゼだよ、カゼ。頭で思ってた動きができなかっただけ」

第5試合はビーナス麗子、ギムレット美月の10期生タッグがデイジー・クライ、アンナ・クロフォード組と対戦。しかしデイジーとの蹴りあいに競り負けたのはビーナス麗子。11分16秒、ハイキックに撃沈。

セミ前はハイサスカラス対ナターシャ・ハンの最強外人対決。ナターシャがジリジリと押していって、最後はパイルドライバーからの片エビでフォール勝ちをスコア。

セミファイナルはロイヤル北条(13期)対芝田美紀(12期)。お嬢様軍団の同門対決でナンバー2争い。芝田が打撃で優位に立とうとするが、

「この技に耐えられるか?」
この日2度目のロイヤルスパイク発動。これで芝田を倒した。勝負タイム19分42秒。

**************************

メインイベントのSPZ選手権、ビューティ市ヶ谷の挑戦者はスターライト相羽。B来島でもダメ芝田でもダメ、菊池は負傷欠場とあって、勝てないエース・スターライト相羽にチャンスがもう一度、回ってきた。もう一花咲かせることが出来るか、S相羽。

「最後の挑戦のつもりで頑張って来ますッ」

「オーホホホホホホホ、相羽・・・・さん。あなたもこの美しいわたくしの生贄になるのですわ!」

ここ数年のS相羽のヘタレっぷりは首都圏のファンはみんな知っている。せっかくスイレンを倒して新時代を開いたのに翌月に来島さんにベルトを奪われ、そこから再びベルトを巻くこともなく、芝田やR北条にも負けてトップグループから脱落しつつある。この日も市ヶ谷のラリアット攻めに防戦一方。

「ウワーーッ!」
それでもS相羽、ビューティ市ヶ谷の攻めをかいくぐってタイガースープレックスで見せ場を作る。そしてバックドロップ、キャプチュード、ハイキック!珍しい大技ラッシュを見せる。

―もう一度、ベルトを・・・巻くんだ・・・っ・・・

ビューティ市ヶ谷の顔から余裕の表情が消える。
だが、相羽の頑張りはここまでだった。
市ヶ谷の強烈パイルドライバー。相羽2.8で返すが起き上がれない・・・

「このわたくし相手に良く耐えたとほめて差し上げますわ!」
市ヶ谷、コーナー最上段によじ登る、まさか・・・
市ヶ谷が優雅に飛んだ。そして宙返り。
本邦初公開、ビューティ市ヶ谷のムーンサルト!

「プレミアものですよ!」
解説の上原今日子が叫ぶ。
ドーン。これはスターライト相羽返せず。
勝負タイム21分15秒、ビューティ市ヶ谷が4度目の防衛に成功。

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年末のプロレス大賞、MVPはビューティ市ヶ谷。当然の結果ですわねとのこと。最優秀新人は氷室紫月。シングルのベストバウトはビューティ市ヶ谷対ボンバー来島のSPZ戦、タッグのベストバウトは地方会場で組んだ特別試合、ボンバー来島、S相羽対ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条のタッグマッチが選ばれた。

しかしプロレス大賞の表彰会場にスターライト相羽の姿はなかった。

山形県の奥山。

「ボクはもう疲れた・・SPZ、辞めようかな・・・」

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2007年10月25日 (木)

第241回 らきすた砲、結成

16年目12月
菊池理宇が右足首負傷で欠場。この選手は空中戦主体なのでどうしてもどこかを痛めてしまう。

新人のマッキー上戸をEWAへ海外遠征に出し、ラッキー内田を呼び戻した。今野役員が「内田選手のほうが固定ファンがつきそう」と発言したためだったらしい。このオッサン、ショートカット萌えなのか。

12月は一般ピープルがお金を持っているということで「ドーム興行5発実施」というむちゃくちゃなシリーズ。

第1戦札幌どさんこドームでは第4試合で

「ラ ッ キ ー 内 田 凱 旋 帰 国 試 合」

と題してラッキー内田対ドスカナ・リブレの一騎打ち。しかしAACの強豪、ドスカナは手ごわい。一方的に攻められてしまう。ラッキー内田もコブラツイストで懸命に反撃したが、最後はスタミナ切れを起こしたところをエルボーで一撃されて3カウントをとられてしまった。勝負タイム9分41秒。

―くっ、勝てなかった・・・

―フウ、ハア、アト2年モスレバ恐ロシイ存在ニナルダロウ・・・

、そして本部席では今野役員がほくそ笑んでいた。久々にSPZにニューヒロインが入ってきた。氷室さんとの2枚看板で売り出そう・・・・

どさんこドーム大メインは外国人選手同士のAAC選手権。王者デイジー・クライに挑むのはハイサスカラス。デイジーのケリまくりに追い込まれたハイサスカラスだったが、最後はフランケンシュタイナーで逆転勝利。勝負タイム24分10秒。ハイサスカラスがAACベルトを奪還した。

第3戦は大阪なにわパワフルドーム大会。第1試合は氷室紫月対アンナ・クロフォード。氷室もストレッチプラムを繰り出すなど健闘したが、最後はアンナのパイルドライバーに撃沈。勝負タイム18分15秒。

第4試合はボンバー来島、ラッキー内田対ハイサスカラス、ドスカナ・リブレ。だがやはりハイサスカラスにはいまの内田では太刀打ちできない。ムーンサルトで半失神まで追い込まれたが何とか来島にスイッチ。そのあとは来島さんが力まかせに攻め立て、最後はブレーンバスターの打ち合いを制してカウント3。

大阪大会メインはEWA選手権。王者ナターシャ・ハンに挑むのはビーナス麗子。前シリーズのタッグリーグでの奮闘が評価されたのと、EWAサイドが「ビーナスかギムレットじゃなきゃヤダ、ベルトを持ってかれると困る」と申し出てきたのである。

「麗子ちゃん、いつもいつもトップ外人相手のタイトル戦の相手させて悪いねえ」
さすがにマッチメイクする今野役員にも罪悪感はあるらしい。

「あら、社長には感謝してますよ、ナニワドームのメインでシングルでやれるんですから、レスラー冥利に尽きますよ。それに、私、勝つつもりでやりますし。」

ビーナス麗子もすきあらば打撃でペースを作ろうとするのだがナターシャもEWAトップだけあって容赦のない関節攻め。

がすっ!

ビーナス麗子のハイキックにナターシャがキレた。コマンドサンボ仕込の変形ドラゴンスリーパー。これでビーナス麗子失神。あわてで伊達レフェリーが試合を止めた。館内悲鳴。勝負タイム13分7秒。

*********************

第4戦広島大会メインは久々開催のあばしりタッグ選手権、エレン、ヘレンのニールセン一族チャンプに挑むのはスターライト相羽、ラッキー内田組。
「ええ、デビュー7ヶ月でタイトル挑戦させちゃうんですか?無茶ですよ、いくら喫茶店ベルトとはいえ」
井上霧子社長代行が驚愕。

「これも試練だ。内田さんが3年後くらいに大成してもらうために」

「なんで、ボクが、いまさらあばしり・・・」

スターライト相羽は複雑な表情。いくら力が落ちてきたとはいえSPZシングル・SPZタッグの戴冠経験のある自分が格下の中堅タッグベルトにいまさら挑戦・・・

「相羽さん、わるいんだけど内田さんとタッグ組んであばしりに挑戦してねん」

ーボクは、そこまで会社に信頼されてないのか。ああもう、みんな叩き潰してやるっ。

しかしスターライト相羽、二流外人のエレンにも打撃技で攻め込まれるありさま。SPZ本隊エースとは思えない動き。

―アイバをタタキツブセバ、ウチダがデテクル。ソコヲ一気に潰ス。
試合は外人組の作戦通りの展開になった。

ーなんとしても受けきって、相羽さんにつなぐ・・・

しかしラッキー内田もうまく戦って、セオリー通りある程度戦ったら深追いせず、パートナーの相羽にタッチする戦法を守る。なかなか新人はこれができない。ヘレンの打撃技、DDTをしのいでコブラツイストで反撃して相羽につなぐ。これにはスターライト相羽も燃えた。

―内田さん、よく見ておいて、これでボクはトップを張ってきたんだ!

スターライト相羽、バックに回って、すばやく腕をフックし、
タイガースープレックス!これでヘレンは3カウントを奪われた。勝負タイム24分34秒。

ドオオオオオ!

まだ16歳になったばかりのラッキー内田があばしりタッグ王座戴冠。
「内田さん、おめでとう」
氷室がラッキー内田の腰にあばしりベルトを巻く。

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2007年10月24日 (水)

第240回 ボンバー来島の咆哮

16年目11月 SPZタッグリーグ戦

最終戦、地元に戻って横スペ大会。消化試合にもかかわらず超満員となった。

第1試合はマッキー上戸対フォクシー真帆。
―来年はあたしもタッグリーグに出るんだ!
同期、氷室の懸命のファイトに触発されたのか上戸がハッスル。しかしパワー勝負ならフォクシー真帆のほうがまだ上。ド迫力のパワーボムで終了。

第2試合はキューティー金井対成瀬唯。

「もう逃げられへん!」
成瀬、気合のこもったストレッチプラム。懸命にロープに逃れる金井、今シリーズ、氷室のがんばりが若手に大きな刺激を与えている。打たれ弱い成瀬だがこの日は金井相手に互角の好ファイト。ステップキックでカウント2.8、スクラップバスターでカウント2.9までキューティーを追い込むが、キューティーがノーザンで逆転勝利。第2試合から24分23秒の激闘。

「ちく・・しょう。」

第3試合からリーグ戦最終日の公式戦4試合。
ナターシャ、アンナ○(8点、合体パイルドライバーからの片エビ固め 24.26)芝田、F鏡×(8点)

勝てば10点の芝田組だったが、EWA組が好連携を見せる。ナターシャが延々とアキレス腱固め。芝田、なんとかフレイア鏡のカットに救われたが足が動かなくなった。終盤、フレイア対アンナの一騎打ちとなったが最後は合体パイルを決めたEWA組に凱歌。この試合も24分の大激戦。会場は盛り上がった。

デイジー、ヘレン○(6点、ラリアットからの片エビ固め 14.44)G美月×、氷室(2点)

「ヒムロ?まだ15歳なんだろ、叩き潰してやる。」
デイジー・クライの容赦ない攻め。氷室懸命に耐える。客席からは「人でなし」という声があがるほど、懸命に耐えてショルダータックルで反撃したがそこまで、あとは場外でのびてしまい、孤立したギムレットがやられてしまうパターン。それでも客席は沸いた。14期15期と有望な新人が出なくて、ファンは新しい血に飢えていたのか。

S相羽、V麗子○(10点、バックドロップからの片エビ固め 10.30)ドスカナ、イレーヌ×(0点)
このカードなら相羽組が断然有利。順調に押し込んでイレーヌを仕留めた。相羽組、なんとか10点を挙げたが、パートナーのビーナス麗子の奮闘が光った。

菊池、来島○(10点、パワーボムからのエビ固め 24.02)B市ヶ谷×、R北条(12点)

消化試合だが最終戦メインカードはこれしかない。来島と市ヶ谷は相変わらずの大迫力バトル。しかしDDT2連発で市ヶ谷が優位に立つ。流れを変えたのが菊池のムーンサルト。しかし菊池も代わった来島にビューティボム!菊池が懸命のファイト、ミサイルキック乱打。

終盤は4人が入り乱れる超絶バトルが展開される。最後は菊池のダイビングプレスが市ヶ谷に命中!直後フォールはロイヤル北条がカットしたものの、菊池がロイヤル北条を場外へ連れ出し、

「ウォオオオオオオ」

来島がグロッキー状態の市ヶ谷を高々と抱え上げパワーボム!これでカウント3が入った。24分2秒の大激闘。試合後は4人とも大の字となった。

優勝を決めながら最終戦でフォール負けを喫したビューティ市ヶ谷はメイン終了後の表彰式をボイコット。控室ではかなり荒れたようだ。賞金と賞状、副賞の「エルメスバッグ」はロイヤル北条が2人分受け取った。

2位は10点で菊池来島と相羽組が並んだが、直接対決で勝っている菊池・B来島組が準優勝扱いになり、賞状と副賞の「ももかん」を受け取った。
試合後の控え室。
ぱか。
菊池、来島、吉田コーチの3人がももかんを貪り食いながら残念会を行った。

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2007年10月23日 (火)

第239回 This is the future

16年目11月 SPZタッグリーグ戦:中編

あらすじ:横浜戸塚に自社ビルを3つ構えるお嬢様プロレス団体「スーパースターズプロレスリング・ゼット(略称SPZ)」恒例のタッグリーグ戦を開催。しかし優勝候補筆頭のボンバー来島・菊池理宇組が開幕2連敗という大波乱。いっぽう、菊池来島のキラーマシン軍、頼りない本隊エースのS相羽ちゃんを差し置いてSPZの一大勢力になってしまったビューティ市ヶ谷率いるお嬢様軍団(カッコイイ軍団名を検討中です)は市ヶ谷組、芝田組ともに快進撃。SPZの勢力図が塗り替えられようとしている・・・

第5戦宇都宮大会。
ナターシャ○、アンナ(6点、パイルドライバーからの片エビ固め 12.25)G美月×、氷室(2点)

氷室紫月の試練は続く。この日もナターシャのSTFで早々の戦線離脱。残ったギムレット美月、ひとりでEWAの猛者二人を相手に出来るわけなく力尽きた。

デイジー○、ヘレン(2点、ハイキックからの片エビ固め 8.17)ドスカナ、イレーヌ×(0点)

EWAのデイジー組がようやく初勝利。怖いキックのおねえさんデイジーが本領発揮。

B市ヶ谷○、R北条(8点、デスバレーからの片エビ固め12.6)芝田、F鏡×(6点)

お嬢様軍団の同門対決。互いに3連勝して激突。しかしB市ヶ谷が冷静にひとり格落ちのフレイアを仕留めた。やはり優勝のためには弱いほうを狙わないといけないと感じたのか。

菊池、来島○(4点、STOからの片エビ固め 15.01)S相羽、V麗子×(4点)
最近のキラーマシン軍は来島さんが相手に大ダメージを与えて、菊池がトドメを刺すパターンが多い、が、今日は先発来島が大暴れ。本隊エース(のはず)スターライト相羽をまったく寄せ付けない。

「おうらあああ!」

代わったビーナス麗子にも猛攻をしかけSTOで幕。菊池、きょうは顔見世程度のファイト。

「さあ仕事は終わった!餃子食いにいくぞーー!」

第6戦は群馬大会。
デイジー○、ヘレン(4点、ハイキックからの片エビ固め 12.06)ナターシャ、アンナ×(6点)

「最後のお祈りは済んだか?」

EWA勢どうしの対決は怖いキックのおねえさん・デイジーのケリが猛威。アンナをのしてしまった。ナターシャ組、優勝争いから後退する痛い2敗目。

S相羽、V麗子○(6点、ハイキックからの片エビ固め20.1)芝田、F鏡×(6点)

「相羽ガンガンいけよ!そんなもんじゃないだろう!」

客席からは痛烈なヤジも飛ぶ。が、時の流れなのか不調なのか、芝田の打撃技についていけない。なんとかタイガースープレックスで反撃したがあとはリング下でうずくまるだけ。

そして芝田対ビーナス麗子の局面。ビーナス麗子も裏投げを繰り出すなど、芝田美紀相手に大いに健闘した。が、芝田にボコボコにされたあげく新鋭のフレイアにも攻め込まれる。スクラップバスターでカウント2.9まで追い込まれる。
しかしビーナス麗子が先輩の意地を見せた。

がすっ!

組み付こうとするフレイア鏡に、みごとなハイキック一閃。これがフレイアの戦意を不稼動に追いやった。そしてカウント3、大逆転。

「勝ったよーーーーー」
ものすごい麗子コール。

B市ヶ谷○、R北条(10点、フィッシャーマンバスターからの片エビ固め10.41)G美月×、氷室(2点)

「まあ今日は安パイですわね」
ビューティ市ヶ谷が氷室にトップ選手の洗礼を浴びせる。えぐいパイルドライバーで氷室を潰す。なんとかカウント2.8で返した氷室だったがもう戦う力なく、ギムレット美月にタッチ。あとは市ヶ谷、ギムレット美月をあっさり処刑。これで無傷の5連勝。

菊池○、来島(6点、タイガードライバーからのエビ固め 12.55)ドスカナ、イレーヌ(0点)

「まあ今日は安パイだよな」
来島さんが落ち着いて闘ってAACの二人を追い込んで、最後は「炎のクローザー」菊池登場。タイガードライバーで3勝目。時すでに遅し・・の感はあるが、ようやくチャンピオンチームにエンジンがかかってきた。

第7戦千葉大会。

芝田○、F鏡(8点、ダイヤモンドキックからの片エビ固め 23.39)デイジー×、ヘレン(4点)

「芝田様~!」
会場の女性ファンからものすごい声援が。きょうはEWAのデイジー組と力のこもった好勝負を展開。デイジーのパワーに手こずった芝田だが、パートナーのフレイア鏡がストレッチプラムで大ダメージを与えて流れを引き寄せるナイスフォロー。

「はっ!」

最後は芝田が延髄斬り(ダイヤモンドキックと命名)でデイジーを倒して、23分の激闘に勝利。場内ものすごい芝田コール。

B市ヶ谷○、R北条(12点、ニーリフトからの片エビ固め 9.47)ドスカナ×、イレーヌ(0点)

「さっさと決めてきますわ!」
勝てば最終戦を待たずして優勝の市ヶ谷組。といっても結果はこのカードでは見えていた。前の試合でお嬢様軍団が盛り上げたため市ヶ谷もじつに気持ちよくファイト。AAC組を追い込んで最後はニーリフトでドスカナから3カウント、

「オーッホッホッホッホ!まあ当然の結果ですわーーーー」

お嬢様軍団、2年連続の優勝!投げ込まれる紙テープ。ビューティ市ヶ谷とR北条はリング上でがっちり握手。

S相羽、V麗子○(8点、ジャンピングニーからの片エビ固め15.54)ナターシャ×、アンナ(6点)

幕張大会のセミメインは消化試合と化した。頼りないエース・スターライト相羽が今日はEWA軍と対戦。ナターシャの関節地獄に苦しみ悲鳴をあげまくる相羽だったが、どうにか振り切ってビーナス麗子につなぐ。

「私だって、やるときはやるんだからっ!」

ここでビーナス麗子が予想外の大ハッスル。なんとハイキック、ジャンピングニーと恐ろしいまでの猛攻を見せ、EWA最強のナターシャからまさかの3カウントを奪取。

その瞬間、幕張が燃えた。ウォオオオオオオ!

「勝ったーーー!!」

コーナーに上がって両手を突き上げるビーナス麗子、とどろき渡る歓声。

「麗子―!、お前がエースだ!」

会場からはそんな声も。スターライト相羽は赤コーナーで座り込んでいた・・・

菊池○、来島(8点、ムーンサルトプレスからの体固め 12.10)G美月、氷室×(2点)

盛り上がった幕張大会、メインイベントで菊池来島登場。SPZの未来、氷室紫月が懸命のファイトを展開するも岩のような身体の来島さんには通じない。やすやすとはじき返される。そして来島さんならではの重量感あふれる攻撃。

「うっ・・・くっ・・・」

倒れこむ氷室紫月。氷室への声援が凄い。

「んじゃ、あと頼む」

満場のヒムロコールの中、満を持してクローザー菊池登場。かっこよくムーンサルトで決めた。チャンピオンチームの厚い壁にはじき返された氷室だが、いつの日かさなぎは蝶へと、そして羽ばたくことを予感させるファイトだった。This is the future!

2024.11.22幕張。ここ数年のSPZの首都圏興行の中で空前の盛り上がりを見せた。タッグマッチ4連発、いずれも見ごたえのあるいい試合だった。

「いいプロレスの興行だったよ」
「優勝はできませんでしたが、きょうはプロレスしてて楽しかったです。明日は市ヶ谷選手に恥をかかせます。負けて賞金を受け取るシーンを見せたいです」
菊池来島は笑顔でコメント。

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筆者より。月・火と黒部峡谷へ山ごもりに行っていたので月曜日の連載はお休みさせていただきました。

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2007年10月21日 (日)

第238回 16年目11月 SPZタッグリーグ戦

16年目11月、恒例のSPZタッグリーグ戦。参加チームは以下の8チーム。

菊池理宇、ボンバー来島(SPZタッグ王者)

ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条(前回優勝)

芝田美紀、フレイア鏡(お嬢様軍団2)

スターライト相羽、ビーナス麗子(本隊代表)

ギムレット美月、氷室紫月(選手会長&期待の新人)

ナターシャ・ハン、アンナ・クロフォード(元SPZタッグ王者)

デイジー・クライ、ヘレン・ニールセン、(EWA代表)

ドスカナ・リブレ、イレーヌ・シウバ(AAC代表)

2戦目の岩手大会からリーグ戦スタート。

G美月○、氷室(2点、カカト落としからの片エビ固め 13.0)ドスカナ×、イレーヌ

「これも運命だ。全敗でいいから、タッグリーグ戦でもまれてきなさい」

今野役員は数年後を見越して、新人の氷室をタッグリーグに出した。当然相手チームに狙われる氷室。しかし、どうにか粘ってギムレットにつなぐ。ギムレット美月はいつもの落ち着いた戦いぶりを見せて、最後はカカト落としでドスカナを沈めた。これで氷室、うれしいリーグ戦初勝利。

S相羽○、V麗子(2点、DDTからの片エビ固め 16.40)デイジー、ヘレン×

SPZ本隊とEWAの激突。スターライト相羽の動きに往時の切れがなく苦戦を強いられたがなんとかヘレンをDDTで振りきった。

B市ヶ谷○、R北条(2点、デスバレーからの片エビ固め11.06)ナターシャ、アンナ×

最強お嬢様コンビが2連覇へ好発進。市ヶ谷がナターシャとアンナをたたきのめした。

芝田、○F鏡、(2点、アキレス腱固め20.07)B来島、菊池×

タッグ王者チームまさかの敗戦。ボンバー来島が芝田美紀をいつものパワー殺法で痛めつけ、あとは菊池が料理するだけだったのだが、伏兵・デビュー3年目のフレイア鏡がストレッチプラム、アキレス腱固めと関節技のオンパレードで菊池を追い込む!

「・・・・うわああっ!」

「ふふふふ、菊池・・・さん、もっとよ、もっと苦しみなさい!」
これで菊池は足の痛みに耐えかね、ギブアップしてしまった。

「ごめんッ、来島さん・・・」

SPZタッグ王者V10チームがまさかの黒星発進。

翌日は山形大会。
芝田、F鏡○(4点、合体パワーボムからのエビ固め18.47)ドスカナ、イレーヌ×(0点)

優勝候補筆頭の来島組を破って、意気上がるお嬢様チームがAAC軍を追い詰めて最後は合体パワーボムがズバリ。

S相羽、V麗子○(4点、キャプチュード 11.17)G美月、氷室×(2点)

スターライト相羽、のっけからタイガースープレックスを氷室に仕掛けてトップ戦線の厳しさを叩き込む。そしてビーナス麗子も続いてキャプチュード。これで氷室撃沈。本隊チーム2連勝。ひょっとする・・・のか?

B市ヶ谷○、R北条(4点、ダブルラリアットからの片エビ固め 15分くらい)デイジー×、ヘレン(0点)

市ヶ谷組も2連勝。EWAの強豪にも正攻法で撃破。

○ナターシャ、アンナ(2点、STF 12.38)菊池、B来島×(0点)

まさかの敗戦から一夜明けても王者組は落ち込んではいなかった。
「クヨクヨしたって仕方ないです、次頑張ります」

「さっさと叩き潰してメシ食いに行こうぜ!」

いつも通りのボンバー来島の暴れっぷりにアンナは早々に戦線離脱。残るナターシャ・ハンも快調にヘッドバットなどで追い込んでいって一丁上がりかと思われたが、最後に大どんでん返し。

「ウフフフ・・・これで終わり」
ナターシャ・ハンの必殺STFが!ボンバー来島の首が曲がってゆく!今まで防戦一方だったのは来島さんを油断させる罠だったのか!

「あ、あぶない!」

菊池のカットはアンナが場外から足を押さえて阻まれた。そのまま来島さんが脱出不能STFのえじきになってゆく。

「くそ・・・ギブアップ」

えええええええええええ!
タッグ王者V10チームがまさかの2連敗。これで優勝は絶望的となった。

*************************

翌日は茨城大会。
芝田○、F鏡(6点、合体パワーボムからのエビ固め14.24)G美月、氷室×(2点)

新人氷室に芝田のきつーい延髄の洗礼。
ぐったりと横たわる氷室、これはギムレットがカットしたが続く合体パワーボムで終了。芝田組は3連勝。

ナターシャ○、アンナ(4点、STF 10.52)ドスカナ、イレーヌ×(0点)

EWAチームが2勝目を挙げた。2日連続で必殺STFが猛威。

B市ヶ谷○、R北条(6点、フィッシャーマンバスターからの片エビ固め 23.13)S相羽×、V麗子(4点)

2連勝同士、お嬢様軍と本隊の激突。しかしエースの相羽の動きに切れがなく、ロイヤルスパイクを食らってしまう。ビーナス麗子がキックで奮闘するが、お嬢様軍の2人に追い込まれていって潰される。最後は相羽を捕らえた市ヶ谷がフィッシャーマンバスターでフォール勝ち。

「オーホホホホホ!優勝は決まったも同然ですわ!!」

B来島、菊池○(2点、ダイビングプレスからの体固め 13.24)デイジー、ヘレン×(0点)

「お前らなにやっとんだ!」

まさかの開幕2連敗に、吉田コーチの怒声が飛ぶ。

「・・・・・」

来島菊池のショックもありあり。吉田龍子もまずいなと感じたのか、
まあ、相手あってのプロレスだから思い通りにいかんこともあるわな。もう優勝は厳しいから、ももかん(準優勝の副賞)目当てに頑張ってこい。3人でももかん食おう。」
この言葉に奮起?した菊池来島、いつもどおりのレスリングを見せ、来島痛めつけーの、菊池トドメ刺しーので初白星。しかし菊池のダイビングプレスはいつ見ても大空に羽ばたく鳥のようで、美しい。

3試合を消化して、市ヶ谷組と芝田組が3連勝でトップ。このままお嬢様軍団がワンツーフィニッシュしてしまうのか。(続く)

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2007年10月20日 (土)

第237回 16年目10月 菊池来島タッグV10

16年目9月

「秋のウルトラバトルシリーズ」開幕。前半は四国各県を回る。
新人の氷室紫月がメインで戦う機会も増えてきた。3戦目の徳島大会でボンバー来島、菊池理宇と組んで「お嬢様軍団」ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条、フレイア鏡と対決。

バシッ!

氷室、ビューティ市ヶ谷のラリアットを食らってしまうも逆片エビで反撃、そして菊池につなぐ。最後は菊池のダイビングプレスがフレイアに命中。カウント3を奪った。

5戦目岡山大会でSPZタッグ戦。菊池来島に挑むのはEWAのナターシャ・ハン、アリス・スミルノフのロシアンコンビ。菊池がナターシャのスリーパー攻勢に苦しんだが、代わって出てきたボンバー来島強い。ロシア人2人を蹴散らす蹴散らす。ならばとナターシャ、STFで勝負をかけるも来島ムリヤリ振りほどく。そしてー

「気持ちよく眠らせてやるぜー」
ナパームラリアット炸裂。EWAの女帝からこれで3カウント奪取。勝負タイム24分52秒。王者組が9度目の防衛に成功。

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SPZ世界タッグ戦

菊池理宇、○ボンバー来島(24分52秒、ナパームラリアットからの片エビ固め)ナターシャ・ハン× アリス・スミルノフ

王者組みが9度目の防衛に成功

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第7戦新潟大会ではAAC選手権。王者デイジー・クライに挑むのは10期生のギムレット美月。ビーナス麗子やギムレット美月はこんな使われ方ばかりされている。

「まあ、やるしかありませんね・・」

しかし、この試合はデイジーが打撃技で押しまくり、最後もハイキックでギムレットを仕留めた。勝負タイム16分49秒。

最終戦さいたまドーム大会、SPZ王者ビューティ市ヶ谷に挑むのは同じお嬢様軍団の芝田美紀。SPZクライマックス準優勝の実績が評価された。

市ヶ谷、走りこんでいきなりラリアットの構え。しかし芝田、巧みに身をかがめてかわしラリアットで反撃。その後も市ヶ谷の力技をことごとく読みきって打撃で痛打を与えてゆくが、市ヶ谷様、ビューティボムで形勢逆転。あとは一方的な市ヶ谷様のペース。ミサイルキック、裏拳で攻め立てる。パイルドライバーで芝田カウント2.8まで追い込まれる。フィニッシュはミサイルキックだった。
「ホーホホホホ!私に勝とうなんて100万年早いですわ!」
勝負タイム28分47秒、またも市ヶ谷の高笑いが響く。王者が3度目の防衛に成功。

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SPZ世界選手権(60分1本勝負)

ビューティ市ヶ谷(28分47秒、ミサイルキックからの片エビ固め)芝田美紀

第43代王者が3度目の防衛に成功

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16年目10月。

「写真集?まったく今更ですの?本来なら私がこの団体に入ったときにすぐオファーを入れるのが常識だというのに・・・」

ビューティ市ヶ谷ファースト写真集「RABBIT」発売。SPZ世界王者にして最凶のお嬢様がまさかの写真集発売。ファンの間は驚きに包まれた。

10月シリーズ「レッドフラクションシリーズ」開催。売り出し中の新人・氷室紫月は今シリーズも菊池来島と組んでメインに顔を出す。
「壊レナサイ・・・」
第2戦島根大会、ナターシャ・ハンの強烈STFで氷室、ギブアップ負け。それでも観客は氷室の奮闘に拍手を送った。

4戦目高岡大会、氷室はこの日も地元凱旋とあってメイン起用。菊池理宇、ボンバー来島と組んで、スターライト相羽、ビーナス麗子、ギムレット美月と対戦。

「来島さんは厄介ですから、氷室さんが出てきたら即つぶしましょう」
しかし氷室もデビューして半年がたち、ある程度耐える力をつけてきているので、粘って来島にタッチ。試合は地方会場ということで派手な場外乱戦をギムレット美月が仕掛けた。場外ドラゴンカベルに菊池が燃えた。なんと場外裏投げ。これでギムレット美月グロッギー状態。あとは菊池がリング上に戻してエルボーで仕留めた。

シリーズ最終戦は新日本ドーム大会。市ヶ谷様不在でも超満員札止めの観衆を集めた。

第1試合は成瀬唯対マッキー上戸。なんとマッキーが一気の攻め。ボディスラムで力強く投げてゆく。しかし成瀬も上戸の攻め疲れを待って猛反撃。タイミングよく組み付いてDDT。第1試合から盛り上がった。しかし最後はマッキー上戸、ブレーンバスター2連発。先輩からフォール勝ちを収めた。勝負タイム14分29秒。

第2試合はフォクシー真帆対キューティー金井。2期先輩のキューティーが意地を見せ、11分19秒、バックドロップで勝利。

第3試合はフレイア鏡対へレン・ニールセン。ヘレンの打撃が冴え、最後はフロントスープレックスで鏡をたたきつけて3カウント奪取。その試合が終わると休憩。

休憩明けの第4試合、ビーナス麗子、氷室紫月対アンナ・クロフォード、アリス・スミルノフのタッグマッチ。しかしEWAのアリス・スミルノフ、ノリノリで闘い、まずビーナス麗子をバックドロップで戦闘不能にした後、氷室には激しいラリアット。これで氷室撃沈。

セミ前はロイヤル北条対ハイサスカラス。菊池を破るなどSPZでも上位に食い込んできたハイサスカラス、きょうはAAC最強のハイサスカラスとノンタイトルで対戦。
「あなたよくがんばったわ、でもこれまでね」
ハイサスカラスのムーンサルトをなんとか2.5で返す北条。そしてロイヤルスパイクで反撃。ハイサスカラスをカウント2.5まで追い込んでー

グシャッ!
カカト落とし炸裂。なんとロイヤル北条が15分42秒、ハイサスカラスに勝ってしまった。

セミファイナルは芝田美紀対ナターシャ・ハン。いまやキラーマシン軍にかわってSPZの最大勢力となったお嬢様軍団の副将が登場。なんとナターシャ・ハンにほとんど攻め手を与えず打撃技で流れを変えつつ最後はノーザンで勝ってしまった。市ヶ谷がいなくてもお嬢様軍団恐るべし。

メインイベントはSPZタッグ戦。

キラーマシン軍の菊池理宇、ボンバー来島対「本隊(ヘボ)エース」スターライト相羽、ギムレット美月のタッグが挑む。スターライト相羽のパートナーがギムレットなのは菊池の極め技絞め技対応の甘さを見越しての起用。

菊池のテーマ「THROUGH THE FIRE」がかかる中、ベルトを巻いた王者組が入場。
「今日の犠牲者はどこのどいつだ!」

そして試合が始まるや来島さんのパワーが爆発。

「ウワーーッ!」

来島のタックルに派手に吹っ飛ぶスターライト相羽。そしてヘッドバット。鼻で受けてしまったのでスターライト相羽流血。

「・・・・・・・・・・・・・・・・!!」

これで相羽、闘志に火がついたのかタイガースープレックスで来島さんのガタイをブン投げる。

ーこういうファイトを連日見せてくれれば今頃スイレン並みの大エースになれたものを・・

本部席で吉田龍子が頭を抱える。

「菊池、すまねえ、しばらく頼んだ・・・」

これで両者大ダメージを負い菊池対ギムレット美月の局面。ギムレットのアキレス腱固めで会場沸いたが菊池なんとかロープへ。

そのあと菊池がダメージの回復した来島を呼び込んで合体パイル。これでギムレットも昏倒し、相羽にはいずりながらタッチ。しかしタッチを受けたS相羽が簡単につかまり来島のパワーボムで終了。28分17秒、王者組が前人未到のタッグV10達成。

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SPZ世界タッグ選手権

菊池理宇、ボンバー来島○(28分17秒、パワーボムからのエビ固め)スターライト相羽×、ギムレット美月

王者組が10度目の防衛に成功。

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「V10、おめでとーーー!!」

井上霧子社長代行がタッグ王者の二人にビールをかける。偉業といっていいだろう。タッグベルトを10回連続防衛。来島さんが暴れ回って菊池がつなぐ。守勢に回ってもお互い耐久力が強いので簡単には沈まない。SPZ史上ベストタッグの呼び声も高い。

「この調子で来月のタッグリーグも取るぜ!賞金けっこー馬鹿になんねえしな!」

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2007年10月19日 (金)

SPZスター選手列伝 016 新咲祐希子

新咲祐希子

SPZ6期生 従業員コード:016

1999年3月2日、山口県下関市出身、2014年5月7日、高知体育館の対渡辺智美戦でデビュー。デビュー戦を白星で飾る。AACで海外武者修行を行い、2015年11月の凱旋帰国後は吉田龍子とタッグを組んでSPZタッグ王者にも輝く。

トップに立つために受け身の取りづらい高速ジャーマンを編み出し、SPZ世界王者に4度輝く。得意技は高速ジャーマン、シャイニングウィザード。

2022年10月22日、新日本ドーム大会でのハイブリッド南戦で引退。稼動月数102ヶ月。出場試合数(推定)728試合。

タイトル歴
第22代SPZ世界王者
第26代SPZ世界王者
第32代SPZ世界王者
第36代SPZ世界王者

累計防衛回数:0回

第3代SPZ世界タッグ王者(パートナーは吉田龍子)
第16代SPZ世界タッグ王者(パートナーはスイレン草薙)
第21代SPZ世界タッグ王者(パートナーはスターライト相羽)

第7回SPZタッグリーグ優勝(パートナーは吉田龍子)
第10回・第11回SPZタッグリーグ優勝(パートナーはスイレン草薙)

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今野取締役コメント
6期生で入門し、高速ジャーマンやシャイニングウィザードなどの躍動感あふれるプロレスを得意とするかなりの実力者だったのだが、吉田龍子の影に完全に隠れてしまった感がある。ハイブリッド南にはめっぽう強く、4度のSPZベルト戴冠はすべてハイブリッド南を破ってのものだが、永沢舞やスイレン草薙といった無心で投げまくってくる選手に弱く、4回もベルトを巻いたのに1度も防衛できなかったという記録?も持っている。
タッグ戦戦での活躍もめざましく、誰がパートナーでもきっちり結果を残したのはさすがである。吉田引退後はさすがに息切れしてしまったのか、ハイブリッド南と同時引退となった。いまは大食いタレントに転進し、グルメリポーターでそこそこ活躍しているらしい。

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2007年10月18日 (木)

SPZスター選手列伝 015 ハイブリッド南

SPZスター選手列伝15

ハイブリッド南
SPZ6期生 従業員コード:015

1999年3月1日、高知県高知市出身。姉は元SPZ王者で「関節のヴィーナス」南利美。本人いわく「姉をいたぶる連中に復讐するため」SPZ入り。

2014年4月10日、釧路アリーナ大会の対ミシェール滝戦でデビュー。姉譲りの関節技で実力は急上昇。ついには南利美とのタッグでEWAタッグベルト、SPZタッグベルトを戴冠。南利美の引退後は革命軍を結成し、吉田龍子の首を付け狙い、SPZ王座に5度輝くなどSPZのトップ戦線で大いに暴れ回る。得意技はネオ・サザンクロスロック(変形STF)

2022年10月22日、新日本ドーム大会での新咲祐希子戦で引退。
稼動月数103ヶ月。出場試合数(推定)728試合。

タイトル歴
第21代SPZ世界王者
第25代SPZ世界王者
第28代SPZ世界王者
第31代SPZ世界王者
第35代SPZ世界王者
(累計防衛回数 10回)

第5代SPZ世界タッグ王者(パートナーは南利美)
第13代・18代SPZ世界タッグ王者(パートナーはマイトス香澄)
EWA世界タッグ王者(パートナーは南利美)
第8回・第9回SPZタッグリーグ 優勝(パートナーは上原今日子)
写真集 1冊

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今野取締役コメント:

南利美の妹で運動センスは姉以上のものがあったので迷わず6年目開始と同時にスカウトに走った。若手の頃は伸び悩んでいた時期があったが、南利美の引退直前から大ブレイクし、第8回SPZクライマックスであわや初出場初優勝かというところまで行って、南利美の引退シリーズでついに姉妹でのタッグベルト奪取をなしとげた。

1期上の絶対王者・吉田龍子に「勝てる可能性のある唯一の選手」だったが、それでもリング中央でネオサザンなどの痛め技が決まればという条件でのことだった。それでもシングル王座に5回も輝いたのだから大したものである。だがやはりシングル戦の勝率に関しては吉田ほど高くはなく、SPZクライマックスでは毎回優勝争いに絡むものの、けっきょく1度も優勝できずに終わった。吉田龍子のライバル的存在として、1期生のいなくなったSPZを大いに盛り上げていただいたと思う。吉田のあとを追い続けたハイブリッド南、吉田引退後はやはり動きが落ち、吉田の引退から7ヵ月後に、新咲と同時引退となった。引退後は郷里の高知に帰って実家の手伝いをしているらしい。

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2007年10月17日 (水)

第236回 スイレン草薙最後の戦い

16年目 8月 SPZクライマックス(続き)

第7戦は名古屋しゃちほこドーム大会。

菊池(6点、ムーンサルトプレスからの体固め 13.44)S草薙(2点)
シード権確保のためにはこれ以上負けられない菊池、しかし菊池はいままでスイレンにシングルで勝ったことはない。そして勝つチャンスは今日しかない。スイレンの極め技絞め技に苦しんだものの・・・

「あたしが勝つんだから!」
ムーンサルト2連発。菊池これでスイレンに初めて勝った。
「今日は菊池選手の執念に負けました」

試合後のスイレンの表情はさっぱりとしていた。

B来島(11点、ジャーマンSH 8.54)V麗子(0点)

順当に来島さんが勝った。今シリーズの来島さんはフィニッシュにジャーマンを多用。対市ヶ谷用に決め技を複数持とうと考えているのか・・・

芝田(9点、リバーススープレックスからの体固め 18.14)S相羽(6点)

予選会のときと同じく芝田が延髄などで優位に立つ。相羽もタイガースープレックスなどで懸命に反撃するが、芝田の裏拳でぐったり。しかし相羽諦めずデスバレーでぐらつかせて裏拳のお返し。これで芝田の動きが止まった。パイルドライバー、サソリ固めで最後の猛攻、あと一歩で芝田をつぶせるところまで来たかに思われたが、

「うおおおおおお!」
スターライト相羽、最後はパワーボムか何か大技を狙ったところを根負けしてリバースに切り返され3カウントを聞いた。

B市ヶ谷(10点、ミサイルキックからの片エビ固め 14.15)R北条(4点)

お嬢様軍団の同門対決。ビューティ市ヶ谷が余裕を持って攻め込んでゆく。ロイヤル北条も「スパイク」を2回も繰り出すなど健闘したが、最後は市ヶ谷のミサイルキックに力尽きた。
これで優勝の行方は最終戦で組まれている一騎打ち、ボンバー来島(10点)とビューティ市ヶ谷(11点)の勝ったほうとなった。引き分けの場合は1点差でボンバー来島が優勝となる。

「30分逃げ切り?あたし器用じゃないから、んなの狙ってできるもんじゃないよ。いつもどおり叩き潰しにいくだけさあ」

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そして最終戦横スペ大会。休憩明けに場内にアナウンスが流れた!

次の試合に登場するスイレン草薙選手はこの試合が最後のファイトとなります。ファンの皆様よりいっそうのご声援をお願いいたします。

ドワアアアア!

「オリエンタルクラッシュ2」がかかる中、スイレン草薙が最後のリングへ向かう。

最後まで「草薙みことのコピー」という風評がささやかれていたが、実力では元祖を越えていた。とくに関節技絞め技では本家より上であった。SPZ王者としての連続防衛回数7回は吉田龍子15、伊達遥10に次ぐ記録である。吉田龍子と演じたSPZクライマックスの死闘は記憶に新しい。

最終戦の相手は12期生「お嬢様軍団」の芝田美紀。勝てない相手ではないが、今シリーズのスイレンはここまでリーグ戦1勝5敗と絶不調である。

「赤コーナー、山形県寒河江市出身、すいれんー、くさなぎー!」

村越リングアナが最後のコール。リングには白い紙テープが乱舞乱舞。

「レフェリー、井上霧子」

ー最後だから思いっきり暴れなさいよ。

カンッ!

午後7時15分、スイレン草薙の最後の戦いが始まった。

「はあっ!」

スイレン草薙、DDTで優位に立ち、
「これで決めます!」
草薙流兜落とし!いっせいにフラッシュが瞬く。芝田カウント2で返す。
スイレン草薙ノーザン!しかし芝田これもカウント2で返す。

スイレン草薙、隠しムーブの延髄斬り!しかし芝田カウント2.9で返す。

ドドドドドドド!

ここから芝田猛反撃、裏拳でぐらつかせてからの延髄斬り、スイレン2.5で返す、

芝田ハイキックを狙うしかしスイレン水面蹴り。続くフォールは芝田2.8で返す。

しかし芝田ドラゴンスリーパー!これでがくっと崩れたスイレン、続くパワースラムに無念の3カウントを聞いた。

芝田(11点、パワースラムからの片エビ固め 25.39)S草薙(2点)

25分39秒の激闘が終わり、スイレンはリング上で一礼してから引き揚げた。ものすごい拍手。

R北条(6点、裏投げからの片エビ固め15.25 )菊池(6点)

引き分け以上でシード権確保の菊池、しかしロイヤル北条も元SPZ王者からの1勝を挙げようとけんめいに応戦、なりふり構わぬヘッドバットでペースを握る。しかし菊池もローリングソバットで反撃。最後は大技の応酬、菊池ムーンサルト、ロイヤル北条はタイガードライバー、そしてロイヤルスパイク!カカト落としと怒涛の猛攻、最後は裏投げで菊池を仕留めた。
「これくらい当然です」ロイヤル北条は力強くコメント。

S相羽(8点、パイルドライバーからの片エビ固め10.0)V麗子(0点)

スターライト相羽、ようやく最終戦で勝ち越し&シード権確保を決めた。SPZの本隊エースとして、最低限の仕事を果たした。

B市ヶ谷(12点、デスバレーボムからの片エビ固め15.34)B来島(11点)

いよいよ千秋楽結びの一番、来島さんの2連覇か市ヶ谷の初Vか、しかし今年に入ってから来島は市ヶ谷相手のシングルには2連敗しておりブが悪い。
「覚悟なさい!!」
ラリアットでペースをつかむ市ヶ谷。そして早めの仕掛け。デスバレーボムでまっさかさま。

もともとスキの大きい来島は守勢に回るともろい。そこまで読みきっての仕掛け。以降は来島の攻めに精彩がなくなり、2発目のデスバレーで動きが止まった。来島、意地だけでナパームラリアットで反撃するも市ヶ谷攻撃の手を緩めずミサイルキック、そして3発目のデスバレーボム。これで来島を仕留め、SPZクライマックス優勝のトロフィーを手に入れた。

ビューティ市ヶ谷高笑い。
「オーッホッホッホッホ!まあ、決まりきった結果ですわね!」
優勝したビューティ市ヶ谷には賞状と金一封、副賞として「ノートパソコン」が、準優勝はボンバー来島と芝田美紀が11点で並び、直接対決でも引き分けているので両者に賞状と「横浜中華街のお食事券」が贈られた。

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表彰式の後、スイレン草薙の引退セレモニー。クールなスイレンの目から涙。また涙。まだやれると思っていたファンもSPZクライマックスの戦績が2点という結果を突きつけられては・・・・
こうしてSPZを支えたスーパースターがまたひとり、リングを去った。

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スイレン草薙

(SPZ8期生)

2016年4月14日、札幌キターアリーナ大会の渡辺智美戦でデビュー。2024年8月14日、横浜スペシャルホールでの芝田美紀戦で引退。稼動月数101ヶ月。出場試合数(推定)708試合

タイトル歴
第29代SPZ世界王者

第33代SPZ世界王者

第37代SPZ世界王者

第41代SPZ世界王者

SPZ王座の通算防衛回数8回(歴代4位)

第9代SPZ世界タッグ王者(パートナーは伊達遥)

第12代SPZ世界タッグ王者(パートナーは伊達遥)

第16代SPZ世界タッグ王者(パートナーは新咲祐希子)

第20代SPZ世界タッグ王者(パートナーはガイア小早川)

第24代SPZ世界タッグ王者(パートナーはガイア小早川)

EWA世界タッグ王者(パートナーは伊達遥)

第14回SPZクライマックス優勝

第10回SPZタッグリーグ優勝(パートナーは新咲祐希子)

第11回SPZタッグリーグ優勝(パートナーは新咲祐希子)

第14回SPZタッグリーグ優勝(パートナーはガイア小早川)

写真集 2冊

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2007年10月15日 (月)

筆者取材のため