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2007年11月30日 (金)

第273回 17年目5月 普通の女の子に戻ります

18年目5月

SPZ最古参レスラー、9期生スターライト相羽が引退を表明。
「体力の限界を感じちゃいました。普通の女の子に戻ります」

元エースのスターライト相羽、トップ争いを離れてからも24歳まで現役生活を続けたがついに身体が動かなくなった

 そして11期生の菊池理宇も引退を表明。
「ゴメン、社長!あたしもう若くないから、あはは・・・」

菊池理宇22歳、空中戦主体のレスラーだけあって体の痛み具合も早かった。

両方ともSPZシングル・タッグ王者に輝いた経歴を持つスーパースター選手なので営業に与える影響は大きい。5月シリーズは両名の引退シリーズとなった。引退興行は九州各所を回る。

初戦鹿児島大会、菊池、B来島、S相羽の3人がメインでトリオを組んでEWA軍ナターシャ、デイジー、アリス組と対戦。

やはりEWA軍の猛攻にヘボエース相羽が捕まりかけたが、懸命にしのいで来島さんにスイッチ。ボンバー来島がパワーあふれる攻撃でナターシャを追い込み、菊池を呼び込んで
「オラオラオラー!」
ダブルインパクト発動。これで試合は終わった。19分49秒、SPZ本隊チームが勝利。

第2戦宮崎大会、菊池はボンバー来島と組み、スターライト相羽はギムレット美月と組んでセミファイナルでタッグ対決。ボンバー来島がフェイスクラッシャーで相羽をたたきのめした。

第3戦熊本大会。スターライト相羽は第2試合で16期の氷室紫月とシングル対決。けっこう勝負は長引き、最後は集中力の切れた相羽をミサイルキックで氷室が仕留めた。

菊池はセミでボンバー来島と組んでジューシーペアと対戦。進境著しいマッキー&ラッキーだが、SPZタッグ王座の防衛記録を持つ菊池来島にはまだまだ通じず、最後は合体パワーボムにマッキーが力尽きた。

第4戦別府ビーコンホール大会。スターライト相羽はまたも第2試合で氷室と連日のシングル対戦。投げ技なら相羽、グラウンドなら氷室、気迫のこもった攻防が展開された。最後は氷室のパイルドライバーに相羽が力尽きた。

次の試合で菊池来島がビューティ市ヶ谷・芝田美紀組と対決。ここ数年のSPZを盛り上げたキラーマシン軍対お嬢様軍団ジュエルローゼスのラスト対決。最後は芝田のハイキックで菊池がフォール負け。勝負タイム29分46秒。

別府大会メインでは、ジューシーペアが返上したあばしりタッグ王座決定戦。ビーナス麗子、ギムレット美月対アリス・スミルノフ、エレン・ニールセン組。
「ガンガン、いっちゃうぞー!」

ーひとつ上の相羽さんが引退。ひとつ下の菊池も引退。自分たちがマットを去る日もそう遠くない。でも今できることを精一杯やる。

10期生コンビが意地を見せ、アリス・スミルノフを合体パワーボムで仕留めた。勝負タイム22分17秒。

第5戦長崎大会。菊池、ボンバー来島、スターライト相羽がメインに登場。対戦相手は16期生トリオ、氷室、ラッキー内田、マッキー上戸の3人。
試合はのっけから氷室がドラゴンスリーパーで来島を落としにかかり、ムッとした来島さんがマッキーをパワーボムで投げつける波乱の展開。スターライト相羽もハッスルしてバックドロップを氷室に打ち込んでいく。しかし氷室も裏投げでお返し。だが、最後は来島さんが暴れて、菊池を呼び込んでー

「いくぞオラーー」

合体パワーボム。20分47秒、これで試合は終わった。

第6戦佐賀大会。第3試合でスターライト相羽対ラッキー内田のシングルマッチ。スターライト相羽がタイガースープレックスを繰り出せばラッキー内田はドラゴンカベルナリア(ラッキーキャプチャーZ)。そしてー

「はああーっ!」
ラッキー内田のフライングニールキック。これでカウント3が入った。

続く第4試合で菊池理宇対マッキー上戸。こちらも熱戦となった。攻めあいしのぎあう両者。しかし菊池が勝負をかけたムーンサルトは自爆。菊池の自爆はよくあることだが、これが彼女の選手生命を縮めたとも言える。そして動けなくなった菊池にマッキーが猛反撃。

菊池、バックドロップはカウント2.9で返したものの続くジャンピングニーに万事休す。

「残り、あと二つか・・・」

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第7戦やまなしカイメッセ大会。

第3試合で菊池理宇対ラッキー内田。早い段階でムーンサルトを繰り出し勝利への執念を見せる。しかしラッキー内田もラッキーキャプチャーZ。最後はエルボーの打ち合い。制したラッキー内田が相羽に続いて菊池も撃破。

第4試合でマッキー上戸対スターライト相羽。

ー内田に出来てアタシにできないはずがない!

マッキー上戸が猛攻。しかし相羽もタイガースープレックス、キャプチュードで猛反撃。しかし激闘に終止符を打ったのは初公開、マッキー上戸のスプラッシュマウンテン。昔のSPZのDVDを見ながら練習を続けついに自分のものにした。食らった相羽はしばらく起き上がることができなかった・・・

最終戦横スペ大会。
「スターライト相羽 引退試合」
「菊池理宇 引退試合」

横スペ正面には大看板が2枚設置された。

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2007年11月29日 (木)

第272回 来島さんじゃ勝てないFINAL

レッスルエンジェルスサバイバー プレイ日誌のようなもの
「輝くエッセンシャル」
(かなり脳内妄想はいってます)

18年目4月。

時に西暦2026年、創立17周年を迎えた横浜のお嬢様プロレス団体「SPZ」は「旗揚げ17周年記念バトルカデンツァ」を開催。ドーム会場を5つ回るビッグなシリーズ。

第1戦、北海道は網走大会であばしりタッグ戦。ラッキー内田マッキー上戸のジューシーペアに挑むのは常連外人、エレン・へレンのニールセン一族。

売り出し中の17歳2人、ラッキー内田とマッキー上戸が颯爽とリングイン。ニールセン一族の血の連携に手こずったが、体格のいいマッキー上戸が前面に立って相手の攻撃を受け、ラッキー内田にタッチ。ラッキーもうまくエレンをさばいて、代わって出てきたヘレンに・・・

「そろそろ決めどき・・・ねっ」
ラッキーキャプチャーZ(変形のドラゴンカベルナリア)が炸裂。エレンのカットは上戸に阻まれた。これで終了。王者組が2度目の防衛に成功。

第2戦札幌どさんこドーム大会、メインではSPZタッグ選手権。ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条に挑むのは菊池理宇、ボンバー来島の前王者組。4人が4人ともSPZ女王の戴冠歴がある選手。

「北条さん、あんなヘボロートル2人わたくしひとりで十分ですわ」

その言葉通りビューティ市ヶ谷が20分ほどひとりで暴れて菊池来島に大ダメージを与えた。そして「炎のクローザー」ロイヤル北条登場。市ヶ谷様の攻撃でズタズタに弱った来島へ猛攻。バックドロップでカウント3を奪い28分49秒、防衛に成功。

「かー、やっぱり市ヶ谷は強い・・・」

「くー、勝てなかった・・・」

11期生の二人、悔しそうな表情。

第6戦九州ドーム大会。メインに組まれたのはAAC選手権、ハイサスカラス対ラッキー内田。どうみても16期生のラッキー内田にタイトルマッチの経験を積ませるマッチメイクだ。

16期生のラッキー内田、まだまだ世界の一流選手の壁は厚く、21分55秒、フランケンシュタイナーに敗れ去った。

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最終戦は新日本ドーム大会。

セミ前から3大シングルマッチ。まずラッキー内田対芝田美紀。ラッキー内田もラッキーキャプチャーZを繰り出すなど善戦したが、最後は芝田のダイヤモンドキックに沈んだ。

セミファイナルはロイヤル北条対マッキー上戸。前SPZ王者のロイヤル北条が11分24秒、カカト落としで勝利。

そしてメイン。SPZのトップ2が久々のシングル対決。SPZ王者ボンバー来島に挑むのは「最強の挑戦者」ビューティ市ヶ谷。

「来島さんじゃ勝てない、ベルト移動しますよ」

かいせつの上原今日子が断言。ボンバー来島は市ヶ谷様には分が悪い。来島さんのブルファイトは市ヶ谷には通じにくいのである。

「覚悟なさいっ!」
市ヶ谷のハイキック炸裂。ボンバー来島あっさり王座転落。勝負タイム16分0秒。市ヶ谷様の腰に4ヶ月ぶりにベルトが戻ってきた。

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2007年11月28日 (水)

第271回 17年目3月それぞれの幕間

17年目3月 それぞれの幕間

ロイヤル北条を撃破してSPZ世界王者になった来島さんは横浜戸塚の日本料理店「よこ川」でマスコミ記者さんたちと飲んでいた。

「まあどうせ市ヶ谷のバカヤロウに獲られちゃうけどよ、チャンピオンってのはええです。一番強いちゅう看板だけんね」

鯛の塩焼きをつつきながらビールを飲む来島さんだった。

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そのころボンバー来島のパートナー、菊池理宇(22)は入院していた。なんと胃潰瘍で倒れ吐血(表向きは肋骨骨折ということにしておいた)。レスラーの例に漏れず胃袋には自信のある彼女だったが、痛み止めの飲みすぎで胃がやられてしまった。もともと彼女は飛び技主体のプロレスでムーンサルト自爆は「伝統芸能」といわれるほど日常茶飯事であった。シリーズ終盤には必ずどこかを痛め、痛み止めの量が増えていくのが止まらなかった。

「あー、菊池さん、今後はしばらく痛み止め禁止ねー、マジで死んじゃうから」

マッド女医、羽山海が宣告する。

「・・・・そんな、あたし、どうやって闘えば・・・」

ついていった井上霧子が助言。

「菊池さんには悪いけど、ファイトスタイルを変えるしかないわね。剛速球投手でもある程度ベテランになると軟投派になるでしょ。関節技や打撃主体に闘い方を変えて・・・」

「そんなの私のプロレスじゃありません、菊池理宇であるかぎり飛び続けなくちゃいけないと思います」

「でもでも~、お医者さんの立場からすれば、クスリは出せませんよ~、第2の人生、棒に振っちゃうわよ~」

「・・・・・・・・・」

深夜の病室。菊池理宇、なかなか寝付けない。いきなり血を吐いたときの恐怖、リングに上がれなくなる恐怖。

「来月、痛み止めなしでリングに上がって、ダメだと思ったら・・・そのときは・・・」

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スターライト相羽(24)も引退を真剣に考えていた。

ーボクは、ボクは・・・

横浜某所の居酒屋でギムレット美月と焼き鳥を食いつつ、ビールを飲んでいた。一時はSPZ女王の座にまで輝いたが実力はピークを過ぎ、最近は前座に回ることも多くなってきた。会場でふがいないファイトをして、いちばんヤジが飛ぶことが多い。

「年収1000万を手放すのは痛いと思います。動けるうちは現役にしがみつくべきです」

ギムレット美月が助言。

「・・・うん、でも・・・」

相羽ちゃん、実力は落ちても人気はあるのでグッズの収入がばかにならないのである。

「いまさら、カネのために、仕事やってるんじゃない・・・」

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SPZ今野役員(52)は久々のオフなので妻の元レスラー(今は公認会計士)、ひかる(32)を連れて信濃大町温泉へ1泊旅行に出ていた。

「冬の木崎湖も・・・いいですね。」

真っ白な世界、今野役員はひかると手をつなぎ、雪を踏みしめながら木崎湖のほとりを歩いていた。

「ふゆのよっぞらー、まだ、しろいかっけらー♪・・・、やってみたかったんだ、スノーエンジェルごっこ。」

「何言ってるんですか、って、アッ!」

雪の上を歩いているうちに二人揃って思いっきりコケた。

「アイタタ・・・」今野役員は頭を打ってしばらく動けなかった、が

「こ、こんなところで受け身取っちゃいました・・・」

ひかるは元レスラーの習性できっちり受け身を取っていた。

「うわ、星が・・・こんなにきれいです」

「・・・もうちょっと、こうしてようか・・・」

今野役員とひかるは雪の上に横たわって星を見上げていた。

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そのあと海ノ口駅のベンチで、ふたり並んで座っていた。

「あー、つめた。寒い」

「もうすぐ大町行きの電車来ますから」

「はー、明日からまた出社だ。SPZも人がいるようで居ないから、ひかるさん経理部長やってよ」

「ダメです。家族経営はよくないですよ。仮にも日本屈指の興行会社なんですから」

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その夜信濃大町温泉の某旅館で、温泉に漬かり、黒部会席を食べて、温泉卓球をやった後・・・

「こうやって旅行するのも久しぶりですね・・・」

「・・そうだねえ、今回たまたま休みが合ったから」

「ねえ・・・そっちへ・・・行って、いいです・・か?」

「・・・うん」

「・・うふふ♪」

(16年後へ向けて伏線張ってます、ええ。)

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そのころ戸塚のSPZ本社、

「はい、SPZプロレスです、はい、はい、・・・・・・・4月シリーズの仙台大会、特別リングサイド2枚ですね。ありがとうございます。お名前は・・ヤナガワ様、ですね。それではチケットは代金引換でお送りいたしますので、はい。ありがとうございました。」

(ラッキー内田、電話番)

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2007年11月27日 (火)

第270回 復活!ボンバー来島

17年目3月、

「ファイヤーソウルシリーズ」開幕。菊池理宇は肋骨骨折のため欠場。

第6戦、宇都宮大会。

第3試合で組まれたシングルマッチは氷室紫月対ハイサスカラス。氷室やはり世界の一流選手の壁は厚くバックドロップ2連発に敗北。

宇都宮大会メインはあばしりタッグ選手権。王者ジューシーペア(ラッキー内田マッキー上戸)に挑むのは「通称ギムキュー」ギムレット美月、キューティー金井のコンビ。

「さっさと終わらして餃子食いに行くぜ~!」

「美月さんの関節技は警戒しないと・・・じっくり攻めたほうがいいですね」

長いキャリアを持つギムレットが関節技でかく乱してゆくが、試合中盤にキューティー金井が長いこと捕まってしまう展開。それでもー

「もしかして今日は勝っちゃうかも?」

キューティー金井「必殺バックドロップ」発動。ラッキー内田は頭からマットへ。

「ウワーッ!」

男子団体を何度も観戦に出かけてコピーした技だ。そしてラッキー内田にダブルラリアット。懸命にギムレット美月につなぐ。マッキー上戸対ギムレット美月の局面。

ー何がファイティングコンピュータだ、ぶっ壊してやる。

しかしギムレット美月、強烈なマッキーの頭突き連発でかなりふらつく。
そしてー
「落――ちーーろーー!」

マッキー上戸のバックドロップ炸裂。これでカウント3が入った。ジューシーペアがあばしりタッグ初防衛に成功。勝負タイム51分15秒。キューティー金井のベストバウトといえた。

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7戦目幕張大会。メインはSPZタッグ選手権。
ー赤コーナー、SPZタッグ選手権者、ビューティー、いちーがやー。SPZタッグ選手権者、ロイヤルー、ほうーじょー!!

村越リングアナのコール順が代わった。ロイヤル北条がSPZベルトを取ったのであとからコールされるようになった。市ヶ谷様はちょっと複雑な気分。テーマ曲も今日はロイヤル北条のテーマで入場した。

が、いまのSPZにはこの2人を止められるチームがいない。とりあえず今月はEWAの実力者2人、デイジー・クライとアリス・スミルノフを当てたが、この2人はもともと「あばしりタッグレベル」の選手。市ヶ谷様の敵ではなく最後はムーンサルトが決まり、高笑いが幕張に響いた。勝負タイム20分37秒。

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最終戦さいたまドーム大会。

SPZマッチメイク委員会はもめた。

「やっぱり選手のモチベーションを考えると一回くらいは防衛させてあげたほうがいいと思います」

「じゃ市ヶ谷さんは次の次でいきますか。北条さんの相手どうしますか。」

「うーん・・・」

(SPZも人がいるようでいない。16期生はまだ発展途上だし菊池は故障中だし相羽ちゃんは問題にならないし)

「まあいいや、今回は来島さんでいく?」

「それしかないと思うよ」

さいたま大会、休憩時間には元プロレスラーSPZ5期生にして売れないタレント渡辺智美(27)のデビューシングル「悲しみの日本海」が披露された。CDを売りさばくためにドームで3万人の前で歌うという暴挙に出た。演歌っぽい曲がかかり、オーロラビジョンに渡辺智美の熱唱シーンが大写しになる。

ー悲しみの日本海ー (作詞・作曲:今野和弘)

ひとり 夜汽車の 自由席

ふらり 旅立つ きたぐにへ

窓枠 もたれ 外の闇

ぼんやり、見つめ、もの思う

夢破れ 恋破れ ああ それでも あんた 愛しくて

鉛色 涙色 ああ 悲しみの 日本海ー

姫川 渡れば 糸魚川

荒波 流れる 朝ぼらけ

私の 心は 遠い空

はるかな 波間 揺れている・・・

夢破れ 恋破れ ああ それでも あんた 愛しくて

鉛色 涙色 ああ 悲しみの 日本海ー

 ( さいたまドームのファンは笑うしかなかった。それでもこのあとグッズ売り場にCDの即売会を行ったところそれなりに売れたらしい )

さいたまドーム大会、セミファイナルはビューティ市ヶ谷対氷室紫月のシングルマッチ。やはり10分3秒、デスバレーからのパイルドライバーに氷室玉砕。響き渡る高笑い。

メインはSPZ選手権、

新王者ロイヤル北条が「jive into the night」に乗って入場。リングで控える初防衛戦の相手は元王者のボンバー来島。楽な相手ではない。

「ぶっ殺してやるぜーー!!」

ボンバー来島、いままでロイヤル北条にシングルでは負けたことがない。調子に乗ったときの来島さんは止められない。

がすんがすんヘッドバット責めにして突進力を鈍らす。こうなってしまってはロイヤル北条きつい。そしてー
「食らいやがれー」
早い段階でのパワーボム2連発、これは何とかカウント2.5で返したロイヤル北条だったが、続くフェイスクラッシャーをもろに食らってはどうにもならなかった。16分46秒、ボンバー来島が久しぶりにベルトを奪還した。

「ふっふっふっ、まだまだSPZで暴れてやるぜ、エーオラ!」

「はぁぁ・・・力技をまともに受けすぎました・・・」

控室、ベルトを失ったR北条、試合内容のビデオをチェックして一言。乾杯用に置かれたビールが物寂しい。

「そろそろベルトを奪還する頃合いですわ。あんな野蛮なプロレスの人にベルトを預けては置けませんから・・・」

(ビューティ市ヶ谷、ベルト奪還を決意。そしてSPZは18年目へ突入)

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2007年11月26日 (月)

第269回 17年目2月 千載一遇のチャンス

17年目2月。マッチメイク委員会は紛糾した。

SPZ王者のナターシャ・ハンの対戦相手をどうするかで。市ヶ谷の再チャレンジの前に誰をぶつけるか。来島さんがダメだったので順当に行けばJRナンバー2の芝田なのだが、先シリーズの最終戦でマッキー上戸に負けてしまったことがマイナス要因となった。かといって菊池も動きが落ちてきているし、ヘボエースの相羽は問題にならないし・・・SPZも人がいるようでいない状況?になってきた。

第6戦高岡大会、メインはあばしりタッグ選手権。アリス・スミルノフ、アンナ・クロフォード組に対するはマッキー上戸、ラッキー内田のジューシーペア。
「マッキー がんばれえー!!」
マッキー上戸のファンは子どもが多い。ラッキー内田は男性ファンが多数。
「いっちゃうよ、バーカーヤーロー!」
マッキー上戸がパワーで押し切った。最後はバックドロップでアンナを仕留めた。これでジューシーペアにあばしりタッグ王座が渡った。

第7戦神戸大会メインはSPZタッグタイトル戦。王者組ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条。今回の挑戦者は芝田美紀、フレイア鏡のジュエルローゼス同門対決。
芝田のダイヤモンドキックが王者組をたじろがせたものの・・・
「覚悟なさい!」
ビューティ市ヶ谷がフィッシャーマンバスター。これでフレイア鏡から3カウントを奪った。勝負タイム45分52秒の激戦。

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そして最終戦は横スペ大会。

第1試合はフォクシー真帆対ビーナス麗子。
―あーあ、あたしも前座に使われるようになっちゃったか・・・
ビーナス麗子の動きも落ちている。それでもフォクシーを危なげなく追い込んで、最後はハイキックで仕留めた。勝負タイム14分34秒。

そして第2試合・・・
次の試合に登場するイレーヌ・シウバ選手はこの試合が日本で最後のファイトとなります、ファンの皆様、よりいっそうのご声援をお願いいたします!」

AACの鉄砲玉ファイター、イレーヌ・シウバ最終試合。イレーヌももう25歳になり、身体にガタが来ている状態。対戦相手はSPZ15期の「関西弁ファイター」成瀬唯。

「死ね!」
切れ味鋭い掌底を乱打。ハデに吹っ飛ぶ成瀬。しかし成瀬も体勢を立て直すと
「腕、もろたー!」
延々と脇固めをかけ続ける。しかし負けたらその場で日本でのレスラー生活が終わるイレーヌ、懸命にこらえ、そのまま30分時間切れドローになった。後半の試合に出場する所属選手がリングに上がり、みんなでイレーヌを胴上げしたあと、井上社長代行から記念品と金一封を贈呈。

続く第3試合も常連外人のラストマッチ。
「次の試合に登場するアンナ・クロフォード選手はこの試合が日本で最後のファイトとなります。ファンの皆様よりいっそうのご声援をお願いいたします」

元SPZタッグ王者、あばしりタッグ王者のヒール外人、アンナ・クロフォードもこの日が最後。
対戦相手は12期のキューティー金井。アンナにはずいぶん泣かされたクチだ。

「いらっしゃい。じっくり、たっぷりいじめてあげるわ・・・」
「アアアーいたーい!」
アンナクロフォードの執拗なアキレス腱固め。しかしキューティーも懸命にこらえてノーザンで反撃。アンナ、なんとかカウント2.5で返す。

ーもう少し弱らせてから決めるか・・・

アンナパイルドライバー、バックドロップで弱らせておいてまたもやアキレス腱固め。半べそ状態のキューティーにまるで容赦なし。

「・・・・・・・!!」
キューティー金井、今度は悲鳴を上げる余裕すらなく、ついにギブアップ。勝負タイム26分58秒。アンナ・クロフォードが日本で最後の1勝を挙げた。

また後半の試合に出る選手がいっせいにリングに上がりアンナを胴上げ。井上社長代行が記念品と金一封を手渡した。

そのあとアンナ・クロフォードが本部席前でマイクを取った。
英語でなにやら話し始めた。スッと京スポ新聞・若林太郎記者が気を利かせて同時通訳。

「日本のファンのみなさま、きょうは来てくれてありがとう。・・・イギリスの・・飲み屋で闘っていたわたしが9年前にこの会社・・・SPZに来て、エキサイティングな試合をやることができた。おかげでイギリス本国での評価も上がり、ビッグな一流のレスラーになれたと思う。リングを去るのは心残りだが、イギリスには2人目、3人目のアンナ・クロフォードがとても、たくさんいる。・・・そいつらが日本人レスラーどもを絶望のどんぞこに落とすことを私は予測する。」

「ハーハハハハハハ!使えない通訳メ!」

そのあとアンナは若林記者にヤクザキック一撃。
「ぬわーっ!」
京スポ新聞若林太郎記者(47)失神。ハーハハハハと高笑いしながら引き揚げたアンナ・クロフォード、最後まで悪役道を貫いた。

休憩明けはスターライト相羽登場。きょうはギムレット美月と組んでEWAのアリス・スミルノフ、エレン・ニールセンと激突。動きが落ちて元エースといわれて久しくなっても相羽は懸命のファイトを見せる。

―この1勝をアンナに捧げる。
きょうのEWA選手は先輩の引退試合の日とあって、眼の色が違っていた。しかし最後はスターライト相羽が往年の必殺技、タイガースープレックスをエレンに決めて試合は終わった。勝負タイム18分4秒。

セミ前はボンバー来島、菊池理宇対ハイサスカラス、ドスカナ・リブレ。SPZタッグ王者の前王者と元王者が激突。しかしこの試合は「弱いほうを狙え」のセオリーどおりに動いた来島さんがあっさりドスカナをエルボーで料理。10分41秒と短めの勝負タイム。

セミファイナルはビューティ市ヶ谷、芝田美紀、フレイア鏡の「ジュエルローゼス」が、氷室紫月、ラッキー内田、マッキー上戸の「16期生トリオ」と対戦。若手3人が代わる代わるぶつかっていっても市ヶ谷様の壁は崩せない。
「覚悟なさい!」
市ヶ谷様のムーンサルトがマッキー上戸に決まって11分42秒、終了。

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メインはSPZ選手権。王者ナターシャ・ハン対挑戦者ロイヤル北条。けっきょく挑戦者は市ヶ谷のパートナーのロイヤル北条が選ばれた。

―天下獲りの千載一遇のチャンス、必ずものにするッ!
王座挑戦の優先順位が低くなかなかチャンスが回ってこなかったロイヤル北条、いつも以上の気迫でEWA最強のナターシャに挑んでいったが、相手も世界の強豪。巧みな関節攻撃でペースを手放さない。そして強烈な裏投げ、ネックブリーカーで追い込む。がー

「この技に耐えられるか?」
伝家の宝刀ロイヤルスパイク。しかしナターシャ、カウント2.8で返す。

ナターシャハン、来島を仕留めたSTFをここで繰り出す、しかしあまりにもロープに近い。

―絶対に、絶対にこれで決める!
ロイヤル北条、裏投げ。ナターシャを思い切りたたきつけて、片エビでカバー。
ワン、トゥ、スリー。
「23分56秒、裏投げからの片エビ固めでロイヤル北条の勝ち!」
・・・ついにベルトを獲った・・・
市ヶ谷の強烈な個性と実力に隠れること数年、ロイヤル北条がついに団体の頂点に駆け上がった。

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2007年11月25日 (日)

第268回 17年目1月 SPZの新しい波

年末恒例のプロレス大賞、MVPはビューティ市ヶ谷。最後の最後でベルトを失ってしまったが年間通じた活躍が評価された。最優秀新人はライラ神威。シングルのベストバウトはビューティ市ヶ谷対ボンバー来島。タッグマッチはどこかの会場で組んだドリームカード、ビューティ市ヶ谷、ナターシャ・ハン対ボンバー来島、ハイサスカラスの一戦が選ばれた。

そして年が明けて2026年、「新春ロケットシリーズ」開幕。
初戦は1月5日新日本ドーム大会。第1試合のキューティー金井対フォクシー真帆から始まる。体格だけで判断すれば、どう見てもキューティーのほうが負けそうなのであるが、キャリアの長さを生かしキレイなノーザンライトスープレックスなど繰り出す。しかしフォクシーも馬力には定評があるのでキューティーをエルボーでぐらつかせてDDT2連発。
「うわああーっ!」
キューティー金井、涙を浮かべながらノーザンを繰り出すが、
「真帆の勝ちだ!」
受けきったフォクシー真帆がパワーボムで第1試合を制した。勝負タイム18分25秒。

「たっぷり、じっくり、痛めつけてあげるワ・・・」
第2試合にEWAのベテラン、アンナ・クロフォード登場。今日の対戦相手は15期の成瀬唯。やはりアンナが優勢に試合を進め、最後は脇固めでギブアップを奪った。
「マア、こんなものネ」
19分38秒の公開オペが終わった。

第3試合はスターライト相羽対アリス・スミルノフ。かつてのエースが休憩前に登場。しかもこの試合は最終戦でSPZタッグ王座挑戦の決まっているアリスが奮起して相羽を攻め込んでゆく。
―ちょっと前はこんな選手に負けることはなかったのに・・・

S相羽、懸命のタイガースープレックスもカウント2で返され逆に
「血祭りにあげてやるよ!」
裏投げ。たまらず相羽は場外へ逃げる。しかしおってきたアリスに場外ジャーマン、場外パイルを食らってズタズタ状態。

「アタシの本気を見せてやろう」
2度目の裏投げ。相羽2.9で返す。アリスはデスバレーで追い打ち。相羽また場外へ転がって逃げる。ここからまた場外乱闘。

―ボクは負けない!
相羽、場外パイルドライバーのお返し。これでぐったりしたアリスをリングに戻して、
「せぇぇい!」
強烈なハイキック一閃。これで3カウントを奪った、勝負タイム15分50秒。

休憩明けの第4試合はビーナス麗子、ギムレット美月対ラッキー内田、マッキー上戸。10期生古参タッグ対新鋭のジューシーペア。

「はっ!」
ギムレット美月、あまり見せない裏投げ。これはカウント2.8で返したラッキー内田だったが、合体パイルを立て続けに食らって万事休す。勝負タイム17分44秒。

セミ前は菊池理宇、氷室紫月対芝田美紀、フレイア鏡のタッグマッチ。芝田が打撃技で菊池を追い込み、氷室にも優勢に試合を進めてゆく。

「軽くひねってさしあげますわ」
芝田ダイヤモンドキック。延髄斬りだがこの選手が仕掛けるとこの名で呼ばれる。しかし氷室もカウント2.8で返す。ここで30分タイムアップ。

セミファイナルはビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条が登場。今日の相手は外国人連合、ハイサスカラス、エレン・ニールセンと対戦。しかしSPZシングルのベルトを失ってごきげんななめの市ヶ谷様、エレンをあっさりと退治。勝負タイム6分2秒。あっさりと終わった。

新日本ドーム大会、メインイベントはSPZ選手権試合。新王者ナターシャ・ハンに挑むのはボンバー来島。最近は市ヶ谷様の活躍に隠れがちだった「団体ナンバー2」ボンバー来島、ベルト奪還の大チャンスをもらった。

―ま、まあ普通にやりゃあ負ける可能性は低い。
いつもどおり頭を使って(といっても頭突きの連発だが)攻めてゆくボンバー来島。そしてバックドロップ、裏投げ。徹底的な頭攻めだ。ナターシャをあと一歩まで追い込んだのだがー

「壊れなさい・・・」

脱出不能STFがここで発動。関節技使いは一発逆転があるからタマラナイ。

「う、抜けられねえ・・・」
そのまま数分、耐えた来島さんだったがついに力尽きた。勝負タイム19分16秒、王者が初防衛に成功。

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第6戦岡山大会、メインはあばしりタッグ選手権。王者スターライト相羽、ラッキー内田(通称・らきすた砲)に挑む今回の挑戦者はEWA悪役コンビのアリス・スミルノフ、アンナ・クロフォード組。楽な対戦相手ではない。まして今の相羽選手はゼッ不調。

「仕掛けるわよ!」
アンナ・クロフォードがアリスを招き入れてダブルインパクト。相羽まっさかさまにマットへ。続くフォールは何とか内田がカットしたが、アンナ・クロフォード、落ち着いてスクラップバスターで相羽にトドメを刺した。勝負タイム28分34秒、あばしりタッグ王座もEWAへ流出した。

「・・・・・・・・・・ううっ。」

スターライト相羽が中堅外人にまで敗れるようになってしまった。控室でタオルをかぶって落ち込む。

**********************

1月シリーズ最終戦新潟大会。後半で「若手3選手チャレンジシングルマッチ」が組まれた。
第4試合のシングルマッチで16期生のマッキー上戸がジュエルローゼス2番手の芝田美紀を破ってしまう快挙。初公開のフィッシャーマンバスターで22分59秒、芝田を沈めた。
「やっぱアタシってば最強!」
芝田は呆然とした表情で引き揚げる。これで次期シリーズのSPZ王座挑戦は難しくなった・・・

そしてその熱気はセミファイナルにも伝染。同期のマッキー上戸の奮戦に触発されたラッキー内田がスターライト相羽の投げ攻勢を耐え抜いて、最後はラッキーキャプチャー(変形STF)。これで17分12秒、元エースのスターライト相羽からギブアップを奪った。

「そんな・・・・」

立て続けて格下選手に敗れたS相羽、ただただ呆然。

「こういう雰囲気の中やるのやだな・・・」

セミファイナルは菊池理宇対氷室紫月。進境著しい氷室が菊池も食ってしまうのではないかという異様な雰囲気の中ゴング。菊池もローリングソバットを連発するなど氷室を倒しにかかったが、13分過ぎ、氷室のスリーパーが決まる。他の選手のスリーパーは痛め技なのだが、この選手は決めるスリーパーだ。

「ううっ・・・」
―やばい落ちる。

菊池これでギブアップしてしまった。
「ごほっ、ごほっ・・・・」マットに伏せて苦しむ菊池。なんと氷室が元SPZ王者の菊池を倒した。SPZに新しい時代が来ようとしている。

そしてメインイベントのSPZタッグ戦。なんと今回の対戦相手はEWAのナターシャ・ハン、アリス・スミルノフのロシアンコンビ。ナターシャに敗れて女王の座を失った市ヶ谷様、そのショックもいえぬうちにタッグで因縁の相手と対戦。

しかしこの試合は市ヶ谷のパートナー、ロイヤル北条が頑張る。アリス・スミルノフを一方的に攻めて最後は伝家の宝刀ロイヤルスパイクを決めて勝利。勝負タイム18分43秒。王者組が6度目の防衛に成功。

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2007年11月24日 (土)

第267回 夢のマスターズ編・1期生トリオ一夜限りの復活?

17年目12月 夢のマスターズ編後編

横浜のお嬢様プロレス団体SPZは毎年年末に越年資金捻出のためにファン感謝デー興行を行っている。ことしも現役選手・引退したマスターズ選手による、ゆる~いバトルが繰り広げられた。

休憩明けの第3試合はガイア小早川(9期)対マイトス香澄(8期)の「10分間マラソンマッチ」である。要するに10分間目いっぱい闘ってどちらが多くフォールまたはギブアップを取るかといった形式。両方とも動きが早く、現役を離れて比較的日が浅いのでいい勝負になる予感がした。

「せいっ!」
いきなり組み付いてスクールボーイで丸め込むガイア小早川、反応が遅れたマイトス香澄、あえなく3カウントを聞いた。裁くレフェリーはロイヤル北条、マラソンマッチらしく高速でカウントを取る。

「ガイア小早川、1ポイント」
そのあとリング中央でのもみ合いが数分続いたが、バックの取り合いからサッとスリーパーを決めたマイトス香澄。ガイア小早川、ここは無理せずタップ。

「マイトス香澄、1ポイント」
ロイヤル北条レフェリーの指示でいったんブレイクした後試合再開。
ぱんっ!
マイトス香澄、猫だまし。一瞬の隙を突いて絡み付いて逆さ押さえ込み。これでカウント3が入った。

「マイトス香澄、2ポイント。」
リードされて焦ったガイア小早川、強引に寝かせようとするがマイトス香澄もしっかりガード。
「あっ!!」
マイトス香澄、いきなり南側客席を指差す。思わずそっちを向いてしまうガイア小早川。隙を突いてスモールパッケージ。そのまま3カウント。

「マイトス香澄、3ポイント」
―くっ、そんな・・・
焦ったガイア小早川、コーナー最上段に登って、現役時代得意技にしていたミサイルキック。しかし久しぶりにブッツケ本番で放ったせいか当たりが浅く、逆に背中で受け身を取ってしまったので衝撃で動けない。すかさず上からのしかかったマイトス香澄、カウント3奪取。

「マイトス香澄4ポイント」
―残り時間2分。
「くっ・・・この!」
ガイア小早川、負けん気は現役時代と変わらない。組み付いてフロントネックロックに捕らえる。マイトス香澄あえなくタップ。
「ガイア小早川2ポイント」

―やば。くらっとした・・・
なお反撃に出るガイア小早川、息の切れかけたマイトス香澄をムリヤリ押さえつけてエビ固めで3カウント。
「ガイア小早川3ポイント」

ここでマイトス香澄、場外へ逃げた。そのまま南側客席へなだれ込んでの追いかけっこが展開された。さらにバルコニーへ逃げるマイトス香澄、追い詰めるガイア小早川、しかし身のこなしを生かしマイトス香澄、バルコニーからジャンプ。そのままきれいに着地。これには沸いた。ここでタイムアップ。

「試合終了、4対3でマイトス香澄の勝ち」

セミファイナルはタッグマッチ。

SPZ社長代行井上霧子、京スポ新聞記者若林太郎 対 SPZコーチ上原今日子、SPZ今野役員。民間人2名混入でクオリティ無視の無茶苦茶なカード編成。

先発は井上霧子と上原今日子。2人とも黒いパンツスーツ姿なので、女マフィアの決闘シーンに見えなくもない。

「井上さん、前回のような暴挙はさせませんよ。」
上原今日子、組み付いてコブラツイスト。井上霧子の年齢を考えてじわじわと痛めつける作戦に出た。

「う・・・あっ・・・たす・・けて・・・」

さすがに苦悶の表情を浮かべる井上霧子、しかし若林記者が新聞紙攻撃でカット。シングルマッチなら決まっていたかもしれない。

「食らえ、アイアンクロー」
調子に乗った若林記者、長年の記者生活で鍛えた右腕で上原今日子をアイアンクローに捕らえる。この男、プロレス記者歴23年なのであらゆるプロレス技を知っている。
「うわ、イタ・・・」
苦悶の表情を浮かべる上原、場内大ブーイング。しかしこんなので怯む上原さんではない。片ひざを突いて弱ったふりをしてから、
がっ!

若林記者のノドへ鋭い地獄突き。
「ぐっ・・・ゴボ・・・」
ノドを突かれてダウン、のた打ち回ってもがき苦しむ若林記者、
「これでとどめ!」
上原今日子、スーツ姿の若林記者の足を持って
ジャイアントスイング!

「・・うわあっ、や、やめろおおお~、あ~れ~」
体重70キロの若林記者をぶんぶん回してしまうのだから上原今日子のパワーはさすがというしかない。意外な展開に場内は沸いた。井上霧子は空気を読んで、カットにあえて入らない。
「いち、にー、さん、しー・・・」
上原今日子、回すまわす回す。素晴らしい筋力。現役を離れてからも若手選手の練習を見ながらトレーニングを積んでいた成果が出た。けっきょく21回転もぶん回した。

「ぐふっ!」
三半規管がやられてしまった若林記者、目がうつろだ。完全に戦闘不能に追い込まれてしまった。しかし仕掛けたほうの上原も様子がおかしい。調子こいて21回も回したせいでやはり三半規管にダメージが残っているようだ。足元がふらついている。
「そこダァ!」
井上霧子、スッとリングインして、
「ヤクザキック!!」
上原今日子に強烈なフロント顔面蹴り。これでダウンした上原、場外へ転げ落ちた。

「あー、どないせいっちゅうねん・・・・」
今野役員しぶしぶリングイン。井上霧子とにらみ合い。しかし相手はかつて氷のヤクザキックといわれたほどの猛者なので容易に近づけない。

「ごめんあそばせ」
先に仕掛けたのは井上霧子、組み付いてスリーパーに捕らえる。井上霧子、若干手加減はしていたが今野役員の意識がだんだん漂白されてゆく。

「うわ・・・死ぬぅ・・・・」
「アブナイ!」
しかし上原今日子が懸命にリングに戻ってカット。今野役員はかろうじて死から逃れた。しかし井上霧子が上原をあっさり場外にハンマースルーで落とす。
「若林さん!」
やっとジャイアントスイングのダメージから立ち直った若林記者が半落ちの今野役員をはがいじめに捕らえる。そのまま距離をとって・・・
「ハァァーッ」
ヤクザキックを狙う井上霧子、オーバーアクションで気合をためる。

しかし今野役員、寸前で羽交い絞めから逃れる。当然ヤクザキックは若林記者に誤爆。つうこんのいちげき。
「オーマイガッ・・・」
やってしまったぜという表情で頭を抱える井上霧子、アメリカンプロレスの古典的ムーブだ。

昏倒した若林記者に今野役員が覆いかぶさる。井上霧子のカットは上原今日子がしがみついてカット。
ワン、トゥ、スリー。
成瀬唯レフェリーがマットを3つ叩いた。
「7分11秒、ヤクザキック誤爆からの体固めで今野役員上原今日子組の勝ち」
「若林さん、ゴメン、ホントゴメン・・・」
翌日の京スポ一面には「元女子レスラー 本紙記者を蹴撃」という記事が載ってしまった。

メインイベントは豪華メンバーのストリートファイト6人タッグマッチ。

沢崎光、伊達遥、エル・オガワ・メンドーサ VS 富沢レイ、永沢舞、新咲祐希子。SPZの地方興行で時折あった顔合わせ。あのころと違うのが6人が6人とも私服姿ということ。メンドーサ、正体はバレバレなのだが、例年通り銀色の覆面をかぶって参戦。

「Matar!」(死んでしまえっ!)

メインはわりとまともな立ち上がりとなった。先発を買って出たメンドーサがスペイン語で物騒な言葉を吐きながら富沢レイに殴りかかる。しかし富沢レイ(怪しい軍服姿だった、どこかのアニメのコスプレなのだろうか)、うまく腕を手繰ってアームブリーカー。
「あいたっ・・・」
思わず日本語でうめいてしまうメンドーサ。場内失笑。富沢レイが昔を思い出したかのような執拗なアームブリーカーをしつこく仕掛ける。

5分過ぎ、ようやく1期生連合の息が乱れてきた。3人とも32歳、やはりスタミナに難がある。タッチワークを細かくしてもごまかしきれない。
「よーし、一気にいくわよ、勝っておいしいもの食べに行くんだから~」
新咲祐希子がエルボー、崩れ落ちる沢崎、
「ワン、トゥ・・・」
レフェリー・ギムレット美月がカウントを取る。
なんとかカウント2.5で返す沢崎。息が上がっている。
―ハァ、ハァ・・・

しかしここで1期生トリオが汚い?手に出た。
「アミーゴ、アミーゴ」
なんとタッチを受けて出てきたE・O・メンドーサがレフェリーのギムレット美月に1万円札を手渡す。

「アミーゴ、アミーゴ」

そして握手。なんと堂々とレフェリーを買収する作戦に出た。場内は失笑とブーイングに包まれた。

「くっ・・・ならば正面からタオス!」
代わって出てきた永沢舞が正面からぶちかまし気味の体当たり。大きく吹っ飛ぶメンドーサ。

「おおおっ!」

7年目ころのSPZのメインでよく見られた光景が再現。しかし、
「ワ・・・・・・・ン、ツ・・・・・ウ」
買収されたレフェリーのギムレット美月、超鈍足カウント。その間に沢崎が悠々カット。
「フコウヘイ、アンフェア、ヒドイ!」
永沢舞がギムレット美月に食ってかかるが、ギムレット美月は冷たく言い放つ。

「・・・アイム、ルールブック・・・」
場内爆笑。なおも対戦相手そっちのけでレフェリーに抗議を続ける永沢舞。すかさずメンドーサが後ろから足を取って、スクールボーイで丸め込んだ。これもアメリカンプロレスではよくあるムーブだ。

「ワントゥスリッ」
80年代のアメリカ団体よりもひどい超高速カウント。

「9分3秒、スクールボーイからのエビ固めで伊達遥、沢崎光、エルオガワメンドーサ組の勝ち」

こうして頭脳プレーに成功した一期生チームが勝利を収めた。場内はあきれ返ってしまって、笑うしかなかった。
「エーイ!」
敗れた永沢舞はギムレット美月にボディスラム一閃して憂さを晴らして引き揚げた。

こうして夢のマスターズ戦は終わった。

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2007年11月23日 (金)

第266回 夢のマスターズ編・頭突き限定デスマッチ

レッスルエンジェルスサバイバー プレイ日誌のようなもの
輝くエッセンシャル 17年目12月 夢のマスターズ戦

(今回と次回は完全妄想作話です。)

世の中がクリスマスで浮かれる12月23日、東京水道橋は後楽園プラザ。年季の入った会場のフロア中央にはいつものSPZの年季の入ったリングが置かれていた。
カン、カン、カン、カン、カン・・

「メリー・クリスマス」
リング上で井上霧子が挨拶。
「本日は、年末のお忙しい中、SPZマスターズ自主興行、ストリートファイト2025にお越しいただきましてまことにありがとうございます」
(チケットは破格の2,000えん)
「なお、本日出場する選手は、いずれも元プロレスラーでありますので、技のかけ方は忘却しておりますし、私どもと致しましても怪我でもされたらうまくありませんので、頭から投げ落とす攻撃は禁止と致しました。」
(場内笑い)
「なお、本日の興行は株式会社スーパースターズプロレスリングゼットは無関係であります。従いましてこのイベントの権限と責任のすべては井上霧子個人にあります。この興行の収益の50%はチャリティ施設に寄付致します。残りの50%は井上の飲み代とさせて頂きます」
(場内失笑)
やはりカードは試合開始まで発表されず、「全5試合」とアナウンスされたのみであった。

第1試合:頭突き限定マッチ 10分1本勝負
アクション映画のテーマが流れる。ナレーションはギムレット美月。
「SPZに大きな遺恨を残した5期生、吉田龍子と渡辺智美。メインイベンターと前座要員の光と影。現役を引退しても両者の確執は続く。今夜、完全決着なるか。」
「赤い破片」がかかり、吉田龍子入場。ジャージ姿でリングイン。そのあとディスコ音楽がかかり渡辺智美が入場。

「アーハハハハ!今日こそ決着をつけにきたわ!吉田龍子!この1年あたしは芸能活動のかたわら秘密の特訓をつんできたのよ!頭突き対決で勝負だー!」

5期生の渡辺智美、現役時代はかわいい顔して強烈なヘッドバットで数多くの若手選手を泣かせてきた実績がある。

「・・・おもしろい。私も頭の固さには自信がある。」

ということで両者、それぞれ後ろ手に手錠をかけて、腕をつかえなくしておいてから、午後6時44分、世紀の一戦?のゴング。

―カンッ。

「さあマスターズ戦とは思えない決闘がはじまりました。頭しか使ってはいけないというこの対決どうなるんでしょうか。」

なんとレフェリーのギムレット美月、手にはワイヤレスマイクを握っている。頭突きの音を拾おうというのか。

まず両者にらみ合い。これだけで場内拍手。

「食らえーっ!この思い上がり者めがーー」

先に仕掛けたのは渡辺智美。反動を大きくつけてから、

がっ。
けっこうな頭突き。頭突きの音がスピーカーから出力される。それだけでどよめく。大きくよろめく吉田龍子、絶対王者がんがれー!の声援が飛ぶ。

「氏ねやーーーー!!」

がすっ。
渡辺智美もう一発頭突き。現役時代と変わらない威力。思わずダウンしてしまう吉田龍子。場内どよめき。本当にこれはマスターズ戦なのか。
「ワーン、ツーウ、スリー、フォー」

まるでK1のようにダウンカウントが数えられる。吉田龍子、むくっとカウント5で起き上がり、

がすっ!
頭突きの返礼。ぐらつく渡辺、

「おら、おら、オラ!」

ごすっ、がすっ、ごつっ!!

頭突き連打。やはりこの人、引退して4年になろうとするのに気性の荒さは相変わらず。頭の固さはともかくパワーがあるので鋭い頭突きが多段ヒット。恐怖の頭突きサウンドが後楽園プラザを震撼させる。

「あがあううう・・・」
足元が大きくふらつきだした渡辺智美。やはり役者が違うのか。

「遊びじゃないんだよ!」
吉田龍子大きく振りかぶってトドメの一撃を放とうとするが、

「ふっバカめが」
渡辺智美、手錠をぶちっと外してポケットから栓抜きを取り出しそれを吉田龍子の頭に突き立てた。

「ぐ、がああああっ!」

凶器のカウンター攻撃を食らった吉田龍子、リング上をのた打ち回る。足をばたつかせているのだからかなり痛かったのだろう。

「ふふ、あたしの手錠はいつでも外せたのよ」

しかしここでレフェリーのギムレット美月が厳格なジャッジ。
「はい渡辺さん、反則負けです」
「4分15秒、凶器攻撃により渡辺智美の反則負け」

「ヒャハハハハハ、そんなことはどうでもいいこと。吉田龍子、今日こそキサマの最期だー」

リングサイドからパイプ椅子を持ち出し、吉田龍子にトドメを刺そうとする渡辺。
しかし吉田龍子、何とかかわして、

「アンタの根性は、ゴミよりも腐っているようだな・・・」

ぶ ち っ。

吉田龍子、手錠を自らの腕力だけで引きちぎった。なんという怪力。そしてー

「うらあああっ!」
ラリアット一閃。ハデに場外まで転げ落ちた渡辺智美、そのまま起き上がれずに担架で運ばれた。館内はヨシダコールに包まれた。

第2試合:極め技オンリー・ドランカーデスマッチ 時間無制限1本勝負。

ハイブリッド南、菊池理宇(現役) VS スイレン草薙、スターライト相羽(現役)

出場する4人がリングイン。OG2人はジャージ姿、現役の2人はTシャツとトレパン姿。現役選手2人とOG2人がタッグで対決。もちろん普通の試合ではない。

試合前に井上霧子レフェリーからルールの説明。

_______________________________
■リングで闘うのはOG2人、ハイブリッドとスイレン草薙のみ、ただし危険防止のため投げ技飛び技厳禁、レスリングだけで戦ってもらう。
■パートナーの現役2人はコーナーで控えてるだけ。リング内への立ち入りは厳禁。
■リングで闘っている選手がロープエスケープした場合はペナルティーとしてコーナーに控えるパートナー(スイレン草薙の場合はS相羽、ハイブリッド南の場合は菊池)が「連帯責任」としてワインを1杯、ギブアップした場合はパートナーがワインを2杯飲む。
■コーナーに控えるパートナー、菊池かS相羽が最後まで立っていたチームが勝者。

________________________________
あまりにも過酷なルールに場内唖然。
カンッ!
スイレン草薙とハイブリッド南がひさしぶりに組み合う、ただそれだけで大歓声。現役時代はSPZ選手権で激闘を繰り広げた仲。

関節技ならば一日の長があるハイブリッド南、しかしスイレン草薙はまだリングを離れて1年ちょっとでブランクが短い。
するするとスイレン草薙が流れの中からヘッドロックに捕らえる。ハイブリッド南、元レスラーの習性が抜けず、足を伸ばしてサードロープへ。

「あ、ダメ・・・」
場内あーあの声。
「赤コーナー、減点1、なお本日使用するワインはAOCボージョレ、カルベネ・ソービニヨンであります」
セコンドの若林記者が菊池にワイングラスを手渡す。

くいっ。
菊池1杯目は軽く飲み干した。飲んでいる間はリング上の二人は休憩。

しかしここでハイブリッド南が反撃、バックの取り合いからスッと腕を極める。このあたりの技術はさすがだ。

「・・あッ」
たまらずスイレン草薙タップ。
「青コーナー、減点2」
スターライト相羽が赤ワイン2杯の刑。1杯目は軽く飲み干したS相羽だったが、2敗目は時間をかけてクラッカーで中和しながら飲んだ。場内失笑。そのあと試合再開。

「スイレンさん、お願いします、さっさと片付けちゃってください!ボク、これ以上はきっついです。」

スイレン草薙、スッと取っ組み合いを制してハイブリッド南をコブラツイストに捉える。
「う・・・くっ!」
「全力でいきます!」
しかし堪えたハイブリッド、何とか前進してセカンドロープをつかんだ。
「赤コーナー、減点2」

「はー・・・・ふー・・・」
何とか2杯目のカルベネを飲み干す菊池。
「菊池選手、ああ見えてもそれなりに飲めるんですよ。酒豪の吉田龍子さんが師匠でしたからねぇ」
本部席ではビーナス麗子が暴露解説。館内どわははははと笑い。

15分が経過。闘っている二人は現役を離れているのでインターバルを挟んでいるとはいえ相当疲れてきた。戦況を見守っている二人も少しヤバイ。赤ワインを2杯ずつ飲まされている菊池とS相羽は足元がふらついてきた。トップロープにしっかり身体を預ける相羽ちゃん。

そのあとスイレンとハイブリッド南がグラウンドの攻防、動きにキレがなくなってきたのを見た菊池が、

「南さん、足っ!」
的確なアドバイス。「タッグマッチではコーナーに控えている選手も戦闘中だ」という吉田コーチの教えを守っている。
ハイブリッド南、スイレン草薙の右足を捉えてアキレス腱固め!
「うああああ・・っ」
なんとか左手をサードロープに伸ばすスイレン草薙、

「青コーナー、減点3」
3杯目のカルベネを飲ませられるS相羽。もう一気には飲めず一口ずつ慎重に口にした。顔面真っ赤。
「相羽選手はすぐ酔いますからね。負けたあと飲み屋でウサ晴らしに付き合うことはよくありますけど生中ひとつで真っ赤ですから」
ビーナス麗子がまた暴露。後楽園プラザはまたまた笑いに包まれた。しかしリング上では元SPZ王者同士が熾烈?な闘い。

「ハァ、ハァ、ハァ・・・」
スイレン草薙も息が上がっていた。
「フーフーフーフー」
コーナーに控えるS相羽もターンバックルにしがみついている状態。ある意味SPZ選手権より過酷な死闘となった。

「・・・もう逃げられませんね」
スイレン草薙、意を決して攻めかかったが、ハイブリッド南、うまくカニバサミで転ばせて、上に乗って伝家の宝刀ネオ・サザンクロスロック!

「ぐ、あ、うっ!」
何とか匍匐前進、スイレン草薙懸命にロープブレイク。
「青コーナー、減点4」
スターライト相羽、4杯目の赤ワイン。
「ハァハァ・・・ボクは、負けません・・・」
気合と根性で飲み干した。そして試合再開、組み合った・・・と思ったら、
がしゃん。
足に来たスターライト相羽、立っていられず場外に転落、フェンスに激突した。
「・・・・・うあ」

カンカンカンカンカン!
「25分23秒、スターライト相羽場外転落により、ハイブリッド南、菊池理宇組の勝ち」
こうしてSPZ元王者4人の死闘が終わった。ここで休憩。

(後半へ続きます)

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2007年11月22日 (木)

第265回 17年目12月 絶対王者が沈むとき

そして2025年12月、スノーエンジェルシリーズ開幕。久々にSPZ全メンバー揃っての巡業となった。

2戦目の札幌どさんこドーム大会。メインに組まれたのはEWA選手権。王者ナターシャ・ハンに挑むのは若手の氷室紫月。要するにEWAサイドがまた「日本人選手を叩きのめす実績がほしい」ということで、氷室をタイトルマッチの経験をつませる意味で人身御供に差し出した。
「いくわよ」
サソリ固めでいたぶっておいてのキャプチュード2連発。氷室はわずか7分3秒でフォール負けを喫した。

第4戦なにわパワフルドーム大会。メインイベントでは同様の理由でAACのタイトルマッチ。王者ハイサスカラスに挑むのはやっぱり氷室紫月。こんどは氷室がわりと善戦した。終盤になってハイサスカラスがラッシュ。ミサイルキック2連発、バックドロップ、フランケンシュタイナーで17分57秒、氷室を沈めた。
「・・・・・・・・・・・」
負けても平然とした顔で引き上げる氷室。

ーこの選手はきっと近い将来大物になる。

今野役員はそう感じた。

*********************

第5戦広島大会メインは久々に実施のあばしりタッグ戦。王者スターライト相羽、ラッキー内田(通称:らきすた砲)に挑むのはビーナス麗子、ギムレット美月の10期生コンビ。
―ボクは負けない!
数年前だったら100%勝てる相手だったビーナス麗子ギムレット美月に容赦のない攻めを見舞ってゆくスターライト相羽24歳。場外のマットをはがしてボディスラム。

「うぐっ・・・!!」

ギムレットの口から悲鳴が漏れる。
ビーナス麗子にもキャプチュード、たまらず場外に逃げたビーナス麗子を追撃して場外キャプチュード。スターライト相羽は団体最古参になってからなりふり構わず勝つことを覚えた。
これでズタズタになったビーナス麗子。最後はラッキー内田を呼び込んでの合体パワーボムで終了。勝負タイム28分15秒、王者組が2度目の防衛に成功。

***********************

第7戦しゃちほこドーム大会はSPZタッグ選手権。王者チーム、ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条に挑むのは先月のタッグリーグで優勝した菊池理宇、ボンバー来島。

だがボンバー来島のブルファイトはいまの市ヶ谷には通じない。ましてや飛び過ぎがたたって身体がボロボロの菊池に至っては問題にならない。

―勝てるとしたら北条さんを狙うしかねえ・・・

そう考えて攻めていった来島だが、ロイヤル北条もひとしきり受けてきっちり市ヶ谷にスイッチ。ならばと細かいタッチワークで市ヶ谷に立ち向かっていった挑戦者組だがー
「マットにひれ伏しなさい!」
ビューティ市ヶ谷のビューティボム炸裂。
「グヘッ・・・」
来島何とかかうんと2.8で返すも目が死んでいる。
「北条さん、その獲物はあなたにさしあげますわ、てきとうに仕留めてあげなさい!」
「・・・・」
ロイヤルスパイク一撃。これでカウント3が入った。勝負タイム24分43秒。

**************************

最終戦はさいたまドーム大会。
「さあ、今年最後の興行です。みんなミスがないようにして、さすがSPZだといわれるように頑張りましょう!」

井上霧子社長代行が檄を飛ばす。しかも今日の大会のサブタイトルは

「ICHIGAYA FESTIVAL」と銘打たれていた
第1試合は前座の定番カード、キューティー金井対フォクシー真帆。試合はフォクシーがパワーボムを連発し17分17秒、勝利。

第2試合は6人タッグマッチ。スターライト相羽、ビーナス麗子、ギムレット美月の9-10期生トリオに対するは氷室紫月、ラッキー内田、マッキー上戸の16期生トリオ。元SPZ王者のS相羽がが第2試合に回されるという屈辱のマッチメイク。しかし16期生のほうがのびのびとファイト。

「ぐはっ・・・」

なんと12分49秒、マッキー上戸のバックドロップでギムレット美月昏倒。これで16期生トリオが勝ってしまった。この選手はけっこうパワーがある。

休憩前の第3試合に菊池理宇・ボンバー来島が登場。後半はすべてジュエルローゼス登場のため、この位置に追いやられた。菊池、来島、成瀬唯対ハイサスカラス、ドスカナ・リブレ、エレン・ニールセンの6人タッグマッチ。だが来島がドスカナを簡単に捕まえて、最後は裏投げを叩き込んで終了。勝負タイム11分24秒。

後半4試合は「ジュエルローゼス対EWA 4対4対抗戦」が組まれた。

最初はフレイア鏡 対 アンナ・クロフォード。

ともに関節技を得意とするだけあって地味な攻防が続いたが、最後はフレイア鏡がアキレス腱固めで勝利。

セミ前はロイヤル北条対アリス・スミルノフ。ロイヤル北条が落ち着いたファイトを見せ、11分42秒、ロイヤルスパイクからの片エビ固めでアリスをあっけなく仕留めた。これでジュエルローゼスが2勝。

セミファイナルは芝田美紀対デイジー・クライ。このシングルは容赦のない殴り合いとなる。バチバチファイトが展開されて場内大盛り上がり。
「はっ!」
芝田裏拳。ぐらつくデイジー。しかしデイジーも体制をたてなおして・・・
がすっ!
ハイキック炸裂。
「ううっ・・・これでトドメです!」
これ以上は受けられないと判断した芝田、ここでダイヤモンドキックを叩き込んで勝利。30分ジャストの激戦を制した。

軍団対抗戦は早々とJRが勝ちを決めたが、メインは市ヶ谷様対ナターシャ・ハンのSPZ選手権。

あまりに強い市ヶ谷、勝てそうな選手がいない現状に頭を抱えたマッチメーク委員会(井上霧子上原今日子吉田龍子伊達遥今野役員がお茶を飲み和菓子を食いながらカードを決める会議体)は関節がマグレで極まってしまうのに賭けてナターシャ・ハンを挑戦者に選んだ。

午後9時ゴング。市ヶ谷がいつものように猛然と攻める。ナターシャは関節一振りにかけるしかやりようがない。
「いつの間にか・・市ヶ谷さんの団体になっちゃったね」

今野役員が井上社長代行にぼそっと。いまの市ヶ谷を止める選手はいない。

「ええ、16期生の氷室さんたちが伸びてくるまでは・・え、、って、ちょっと。えええ?」

ナターシャ・ハンがグラウンドの攻防から流れるように足をつかんで逆片エビ固め。

「ひああああああっ!」
市ヶ谷の痛がり方は尋常ではない。

「―ただの逆片エビなのになんであんな痛がって・・・」

「これヤバイ。入るときに腰をやってます。そのまま絞られてるから、ものすごい痛いはずですよ」

「・・・ぬわあああああっ!」

市ヶ谷の悲鳴。腰に走る激痛。ついに市ヶ谷は諦めた。
伊達レフェリーの腕をたたいてギブアップの意思表示。

「21分7秒、逆片エビ固めでナターシャ・ハンの勝ち」

「あーっと、絶対王者が沈んだーーーーー!!」
森アナウンサーが絶叫。

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SPZ世界選手権 60分1本勝負

ナターシャ・ハン(21分7秒、逆片エビ固め)B市ヶ谷

第43代王者が12度目の防衛に失敗、ナターシャが第44代王者となる。

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市ヶ谷呆然。負ける相手ではないし油断したつもりもない。いつもどおりのファイトをして追い込んだのに。

「運が悪いとしか言いようがないですね。」
テレビ解説の吉田龍子が一言。自らが持っていた連続防衛15を破られるかなと思っていたがここで止まった。
「極め技はいくら警戒してもやられるときはやられますから。ましてや相手はあのナターシャ選手ですからね・・・」
ビューティ市ヶ谷、連続防衛は11でストップ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・!!」
市ヶ谷様、追い込んでおきながらの敗北に呆然としながら引き上げた。なんとSPZ女王のベルトが初の海外流出という事態。

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2007年11月21日 (水)

第264回 17年目11月SPZタッグリーグ後編

第6戦は宇都宮大会。
S相羽○、G美月(4点、タイガーSH 15.15)ハイサスカラス×、ドスカナ(6点)
スターライト相羽の意地が爆発。

―ボクは負けない!
AAC最強のハイサスカラスもなんのその、場外で痛めつけてからギムレットを呼び込んでダブルインパクト!これでハイサスカラスは半失神状態。何とかドスカナのカットに救われたが相羽、容赦せずタイガースープレックス。ギムレットはうまくドスカナを押さえ込んでいる。これで終了。

R北条、氷室○(8点、スクラップバスターからの片エビ固め23.04)芝田×、F鏡(8点)

ロイヤル北条、同じお嬢様軍団相手の試合でもプロ意識を見せきっちりと自分のプロレスをやってのける。そして氷室も弱った芝田を追い込み、なんとネックブリーカーからのスクラップバスターで芝田から3カウントを奪った。
「良かった・・・」
館内ドオオの声。2年目の氷室がロイヤル北条のアシストがあったとはいえ、JR2番手の芝田にフォール勝ちしてしまったのだからある意味大金星。ともかくこれで勝ちっぱなしがなくなった。

デイジー○、アリス(4点、アキレス腱固め 11.26)M上戸、L内田(0点

デイジー・クライが蹴りまくってジューシーペアをボコボコにしたあと満を持してアキレス腱固め。マッキー上戸悶絶・・・

菊池、B来島○(8点、合体パワーボムからのエビ固め 16.21)エレン×、アンナ(2点)

「よっしゃあこれで望みが出てきたぜえ!」現金なボンバー来島。セミ前で芝田組が敗れたので優勝の望みが出てきた。とはいえ今日の相手は星が上がっていないとはいえEWAの常連外人なので油断ならない。来島がいつも以上の力任せのファイトを見せてエレン・ニールセンから3カウント奪取。

第7戦、幕張コンベンションホール大会。
R北条○、氷室(10点、ロイヤルスパイクからの片エビ固め 13.20)S相羽、G美月×(4点)
ロイヤル北条がけっこうな気迫。

―市ヶ谷さんがいなくても自分の手で優勝をつかみとってみせる!
相羽を痛めつけ、ギムレット美月をロイヤルスパイクで仕留めた、。

デイジー、アリス○(6点、バックドロップからの片エビ固め 9.19)エレン、アンナ×(2点)
EWA軍の同門対決はデイジー組に凱歌。

芝田、F鏡○(10点、合体パワーボムからのエビ固め 23.35)ハイサスカラス、ドスカナ×(6点)

芝田がハイサスカラスのムーンサルトを食らってあわやと思われたが、なんとかフレイア鏡が戦局を挽回して、最後はドスカナを捕まえて23分の激闘にピリオドを打った。

菊池、来島○(10点、STOからの片エビ固め10.14)L内田×、M上戸(0点)
「オラオラオラー!」
ボンバー来島がほとんどひとりでやっつけた。以上。

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最終戦は本拠地横スペ大会。
R北条○、氷室(12点、ダブルインパクトからの片エビ固め24.13)ハイサスカラス×、ドスカナ(6点)

ロイヤル北条、氷室組が優勝の可能性を残したまま最終戦へ。最終戦の相手はAACチーム。勝てない相手ではないが難敵だ。
「よし、いくぞっ!」
氷室がハイサスカラスを肩車。ロイヤル北条がコーナー最上段から飛んでダブルインパクト!これで3カウントが入った。これでトップタイを保ったままリーグ戦を終えた。

S相羽○、G美月(6点、タイガーSH10.47)L内田×、M上戸(0点)
相羽がハッスルしてタイガースープレックスを決める。ジューシーペア、屈辱の全敗・・・

芝田○、F鏡(12点、ドラゴンスリーパー 10.18)エレン×、アンナ
芝田組はエレン組を問題にせず退けた。これで優勝決定戦の実施が決まった。館内大盛り上がり。

菊池、B来島○(12点、ジャーマンSH 14.47)デイジー×、アリス

―今日の夜は長くなりそうだぜ。
来島もデイジーを落ち着いてジャーマンで屠った。この結果団体始まって以来の3チームによる優勝決定巴戦。横スペのファンは大喜び。

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メイン終了後、15分のインターバルを置いて優勝決定戦第1試合は菊池、ボンバー来島対芝田、フレイア鏡。
「菊池、とりあえずあたしが攻めて攻めまくる、動けなくなったときのフォロー頼む」
菊池の動きがピークを越し、昨年までのような「どこからでも勝てるチーム」ではなくなっている。勝つためには来島が攻めて攻めるしかない。

―リーグ戦の負けも出会いがしらの事故みたいなもんさ。
来島猛烈な攻め。芝田を弱らせフレイアも投げ技でずたずたにする。
「おらおらおらー!」
最後は13分9秒、ジャーマンでフレイア鏡を仕留めた。
「よぉっし!あと1勝!」

15分のインターバルを置いた後、今度は菊池、来島組がロイヤル北条、氷室組と対戦。勝てば優勝の菊池来島、やはり先ほどの試合同様、先発の菊池は軽く手合わせしただけであとはボンバー来島が矢面に立ってロイヤル北条の攻撃を受け続ける。
ロイヤル北条、来島のパワーに力負けしたのか氷室にタッチ。

―チャンスだ、氷室をつぶす。

しかし氷室もそうとう力をつけていて、来島のパワーボムをカウント2.5で返して、ドラゴンスリーパーで窮地を脱出してロイヤル北条に再びタッチ。そのあと菊池とロイヤル北条がひとしきり熱い攻防を繰り広げ、ボンバー来島につなぐ。
最後はボンバー来島、集中力の切れたロイヤル北条にパワーボム!これで3カウントが入った。菊池来島、悲願のタッグリーグ戦初優勝。

「まあ、当然の結果だけどな、へへっ」
3試合戦い抜いたボンバー来島、さすがに疲労の色は隠せないが、笑顔で賞金の小切手を掲げた。

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2007年11月20日 (火)

第263回 17年目11月 SPZタッグリーグ戦(前編)

17年目11月
恒例のSPZタッグリーグ線の季節だが、ビューティ市ヶ谷負傷。先シリーズ最終戦のボンバー来島との激闘で痛めたらしい。したがってSPZタッグリーグ戦の出場チームは以下のようになった。

菊池理宇、ボンバー来島(前SPZタッグ王者)

芝田美紀、フレイア鏡(JR)

スターライト相羽、ギムレット美月
 ビーナス麗子負傷欠場のため相羽のパートナーはギムレットとなった。

ロイヤル北条、氷室紫月
 市ヶ谷負傷欠場のためR北条のパートナーは2年目の氷室が抜擢された。

マッキー上戸、ラッキー内田(ジューシーペア)

ハイサスカラス、ドスカナ・リブレ(AAC代表)

デイジー・クライ、アリス・スミルノフ(EWA代表)

エレン・ニールセン、アンナ・クロフォード(EWA代表その2)

本命不在のタッグリーグ、2戦目の岩手大会からスタート。

エレン○、アンナ(2点、合体パワーボムからのエビ固め17.56)L内田×、M上戸

ラッキー&マッキーがついにタッグリーグ参戦。しかし外人組のコンビネーションに苦しむ。ラッキー内田が終盤つかまってしまう。逆転をかけたフランケンシュタイナーは2.9で返されて最後は合体パワーボムに撃沈・・・

芝田、F鏡○(2点、ダブルインパクトからの片エビ固め19.48)S相羽×、G美月

芝田が打撃を武器に暴れまわる。そして余力充分のフレイア鏡が相羽組にトドメを刺す。フィニッシュはダブルインパクトだった。

ハイサスカラス○、ドスカナ(2点、バックドロップからの片エビ固め 14.12)デイジー、アリス×
外人対決はAAC軍に凱歌が上がった。

菊池○、B来島(2点、エルボーからの片エビ固め 18.58)R北条、氷室×

ロイヤル北条、氷室組は地方興行を除けばこれがおそらく初タッグ。抜群の連携を誇る菊池来島相手となるとやはり苦しい。タッグチームとしての経験の差が出た。最後は氷室が孤立。菊池のエルボーに沈んだ。

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3戦目秋田大会。

R北条、氷室○(2点、ドラゴンスリーパー 13.04)エレン×、アンナ(2点)

氷室がSPZ常連外人のエレン・ニールセンからギブアップを奪い、初白星を挙げた。

芝田、F鏡(4点、スクラップバスターからの片エビ固め 30.00)L内田×、M上戸(0点)

意外とこの勝負は盛り上がった。ジューシーペアはフレイアに狙いを定めて攻撃。しかし芝田も打撃で活路を見出し最後はラッキー内田にダイヤモンドキック一撃。これはカウント2.9で返した内田だったが続くスクラップバスターで肩を上げることはできなかった・・・

デイジー○、アリス(2点、DDTからの片エビ固め23.10)S相羽×、G美月(0点)

団体元エースのスターライト相羽が捕まってしまい、デイジーのDDTに3カウントを奪われた。相羽組2連敗・・・

菊池、B来島○(4点、合体パワーボムからのエビ固め 14.12)ハイサスカラス、ドスカナ×(2点)

菊池来島のコンビはまだタッグリーグで優勝していない。タッグベルトを持っていたときは負傷で出られなかったり、市ヶ谷組に負けたり格下相手の取りこぼしで優勝を逃している。それだけに今年こそはという思いがあった。
ハイサスカラスの攻勢を振り切ってドスカナに狙いを絞り集中攻撃。フィニッシュは合体パワーボム。

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第4戦山形大会。
R北条○、氷室(4点、シャイニングウィザードからの片エビ固め 29.26)L内田×、M上戸(0点)
このメンツの中ではトップどころに近いロイヤル北条が試合を引っ張り、ジューシーペアの2人を追い込んでゆく。そして満を持して氷室登場。ラッキー内田も懸命の反撃、しかしラッキーキャプチャー(変形STF)はロイヤル北条のカットに阻まれた。そして最後はロイヤルがシャイニングウィザードで締めた。29分26秒の激闘。ジューシーペア、善戦むなしく3連敗・・・

ハイサスカラス○、ドスカナ(4点、ムーンサルトプレスからの体固め 11.03)エレン、アンナ×(2点)
AAC組も2勝目を挙げた。

芝田、F鏡○(6点、ダブルインパクトからの片エビ固め 30.00)デイジー×、アリス(2点)

この試合も長引いた。最後は芝田が捕まりかけ、ハリケーンラッシュを食らってしまったが、なんとか2.9で返しフレイアにスイッチ。フレイアは体勢を立て直すとダブルインパクト。これで30分の激闘に終止符を打った。ジュエルローズ軍これで3連勝。

菊池、B来島○(6点、ナパームラリアットからの片エビ固め 23.11)S相羽、G美月×(0点)

菊池の動きが少々悪くなっても来島の破壊力は健在。しかしスターライト相羽も意地を見せバックドロップ、タイガースープレックスで来島を追い込む。しかし相羽がフィニッシュのつもりで繰り出したパイルドライバーはカウント2.9で返された。そしてギムレットにタッチしたとたん、ボンバー来島の不意打ちナパームラリアット。これでギムレット沈没。菊池・来島組も3連勝。

第5戦は福島いわき大会。
ハイサスカラス○、ドスカナ(6点、スクラップバスターからの片エビ固め 18.05)L内田、M上戸×(0点)

ジューシーペア勝てない。この日はマッキー上戸がハイサスカラスにも臆せず場外バックドロップを連発して追い込んだが逆転のムーンサルトを食ってしまった。これはラッキー内田がカットしたが続くスクラップバスターで万事休す。

S相羽○、G美月(2点、キャプチュードからの片エビ固め13.43)エレン×、アンナ(2点)

相羽組がようやく初白星。エレン・ニールセンをキャプチュードで退けた。

R北条○、氷室(6点、ロイヤルスパイクからの片エビ固め 11.44)デイジー、アリス×(2点)

ロイヤル北条が伝家の宝刀でアリス・スミルノフを撃破。インスタントチームなのにこれで早くも6点。

芝田、F鏡○(8点、ストレッチプラム 13.55)菊池、B来島×(6点)

全勝同士の対決。昨年の公式戦では芝田組が勝っている。優勝の行方を占う上で重要な一番。しかし来島のパワーがうなる。フェイスクラッシャーで芝田をボコボコにのしてしまう。芝田はフラフラになりながらも懸命にフレイアにスイッチ。

―あとは鏡のヤツを仕留めるだけだ
そう考えたボンバー来島、油断があったか、フレイアの逆襲ストレッチプラム!来島抜けられず菊池のカットは芝田が懸命に逆カット!!

「くそ・・ギブアップ。」
腕の痛みに耐えかね来島ギブアップの言葉を口にしてしまった。
勝ってた試合を落としてしまった菊池来島。がっくりと肩を落として引き上げた。またタッグリーグ戦の優勝に見放されしまうのか・・・

(続く)

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2007年11月19日 (月)

第262回 ギムレット美月の巡業

こんばんは、SPZのギムレット美月です。

今回はSPZの巡業について書いてみたいと思います。SPZの興行形態は旗揚げ時からほぼ変わらず、2週間のシリーズを行いそのなかで全8戦の興行をこなすというスタイルです。これは外国人選手のギャラが1週いくらという体系のため、それにあわせているようです。

いまのSPZは日本全国を回るようにしており、どの都道府県でも8ヶ月に1回は必ず興行を行うようにしています。あまり間隔があいてしまうと、お客さんに忘れられてその地域での人気が下がってしまう・・・という理由らしいです。しかし、大阪や福岡や名古屋広島といった大き目のハコがあるところは、「儲かるから」という理由で4ヶ月に1度興行を行い、東京神奈川埼玉といった地元首都圏は「やっぱりプロレス団体は地域密着だから」という理由で3ヶ月に1度興行を行っています。こういうところにこの会社の銭ゲバ、げふんげふん、利益に執着する体質が現れています。

巡業初日(前泊の場合は前日)、選手は横浜戸塚のSPZ第2ビルの道場に集まり、移動用バス「NEWあおりんご号」で興行地へ向かいます。NEWあおりんご号の車内はサロンバス形式で、とっても広々としています。16人の選手プラス井上さん、吉田コーチ、今野さんといったスタッフが大型バスで旅をします。バスは2つに分かれており、前部に未成年の選手、後部に20歳以上の選手が座っています。後部には冷蔵庫が備え付けてあり、井上さんの発案なのか、キリンビールがタップリ詰まっています。

私は移動中はもっぱらパソコンでネットを見ているか、本を読んでいるかのどちらかです。同期のビーナス麗子さんはたいてい携帯用ゲーム機で遊んでいます。最古参のスターライト相羽さんはたいていバスの一番後ろの座席で横になっています。
SPZチャンピオンのビューティ市ヶ谷さんはリング上では騒々しいのですが、移動中は物静かな人で、眠っているか本を読んでいるかのどちらかです。
スタッフの皆さんは様々で、伊達さんは携帯のメールを打っている姿をよく見かけます。今野さんはバスの一番前でいつも伝票を整理したり取引先にメールを打ったりで仕事をしており、吉田龍子さんはコーチしている若手選手にアドバイスを送ったりしています。井上霧子さんはたいてい後ろのほうでビールを飲んでいます。

巡業中のスケジュールは単純で、選手は朝7時ごろに起きて、ホテルの周りを軽く走って調整します。朝ごはんはホテル近くのファミリーレストランか喫茶店でテキトウに済ませます。個人的にはクロワッサンとコーヒーが好きです。来島さんのように朝から牛丼を食べる気にはなりません。

朝10時ころ集合時間で、ホテルの前に全選手スタッフが集まります。各選手、朝のうちに身体を動かしているので遅れる人はほとんどいません。むしろ井上さんや今野さんといった役員クラスが朝寝坊しまくります。
そのあとバスに乗り込んで、その日の興行場所に向かいます。SPZは基本的に長い移動のときは移動日をはさむので、バスに乗っているのは長くて3時間程度です。昼食は移動中、ドライブインやファミレスでテキトウに食べます。しかし渋滞にはまってしまったときは昼食の時間が取れないときもあります。2月の山陰シリーズのとき、雪で道路が通行止めになり、迂回を余儀なくされたことがありました。こういうときのためにNEWあおりんご号の後部座席にはカップラーメンが箱で置いてありまして、みんなでカップめんをすすりながら移動したときもあります。

その日の興行地にはだいたい午後2時ごろ到着します。以前は全員でリングを設営していたのですが、今は団体がそこそこ儲かっているのでリング屋さんと呼ばれるスタッフが組み立ててくれるので楽になりました。到着後すぐに練習です。リング上では氷室選手やラッキー内田選手といったキャリアの浅い選手が吉田コーチの指導を受けながら取っ組みあっています。私たちのようにある程度のキャリアを積むと、試合前の調整は各人の自由に任されています。

私は会場に着いてま