第257回 今は勝てない、でもいつか必ず勝つために、せいいっぱいやる。
17年目8月4 SPZクライマックス(続き)
第3戦は広島・若鯉球場大会。夜のスタジアムに異様な熱気が漂う。
S相羽(2点、タイガーSH 11.15)氷室(2点)
「いくら力が落ちたとかヘボエースとか言われても、ボクはデビュー1年ちょっとの人には負けません」
S相羽、タイガードライバー、DDTで優位に立って、氷室のドラゴンスリーパーを受けきった上でタイガースープレックス。これでリーグ戦初日を出した。
芝田(2点、ダイヤモンドキックからの片エビ固め 6.54)V麗子(0点)
地元凱旋で燃えたビーナス麗子だったが、芝田がいきなりの打撃攻勢。ダイヤモンドキック(鋭い延髄斬り)、裏拳、そしてまたダイヤモンドキック。ビーナス麗子、7分でボコボコにされた・・・
B来島(4点、STOからの片エビ固め 17.20)菊池(2点)
タッグパートナー同士の対決。しかし今回は来島さんが気合が入っていた。
「あのタカビーお嬢と横スペで当たるまでは負けられねえんだ!!」
要するに市ヶ谷は最終戦まで全勝で来るだろうから、それまで負けるわけにはいかないということ。
来島ショルダータックル。軽量の菊池ハデに吹っ飛ぶ。ローリングソバットで反撃するも岩のような来島の身体には通用しない。しかし菊池も裏投げで懸命に反撃。ダンプカーを追い込んだが、
「オラオラオラー!」
久々のSTO炸裂。F1がダンプカーに潰された。
B市ヶ谷(4点、ムーンサルトからの体固め 12.1)R北条(0点)
セミの激闘を見ながらビューティ市ヶ谷ひとこと、「しょせんは三流の試合ですわね。最後は私があの怪力だけの来島・・・さんを這いつくばらせてあげます」
この日は同期で同門のR北条の攻めを受けきってムーンサルトで勝利。
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第4戦はなにわパワフルドーム大会。
S相羽(4点、タイガーSH 15.37)V麗子(0点)
「麗子ちゃーん!」「アイバー!」「ヘボエース!」
キャリアの長い両者に声援が飛ぶ。互角の戦いが展開されたが
「すっごいのいくよ!」
ビーナス麗子ハイキック。それでも相羽は沈まない。逆にタイガースープレックス。しかしビーナスは場外に逃げた。しかしリングに戻るや相羽2度目のタイガースープレックス。これはビーナス麗子返せなかった。必殺技にこだわったS相羽が2勝目。
R北条(2点、ロイヤルスパイクからの片エビ固め 16.56)氷室(2点)
ロイヤル北条に初日。氷室のマイペースな対応にやや手を焼いたが、シャイニングウィザードでぐらつかせてカカト落としで追い込む。氷室もドラゴンスリーパーで反撃したが最後はロイヤルスパイク(変形DDT)の餌食。
B来島(6点、フェイスクラッシャーからの片エビ固め18.37)芝田(2点)
昨年は引き分けに終わった一戦。今年も大熱戦が展開された。
「あたしはあのタカビーお嬢とやるまで負けられねえんだー」ボンバー来島の意地が芝田をねじ伏せた。
B市ヶ谷(6点、ニーリフトからの片エビ固め 14.55)菊池(2点)
前年の公式戦では市ヶ谷が負けているので油断のならない相手。その反省か、市ヶ谷、チョップチョップの乱打とベーシックな技で慎重に崩してゆく。菊池も懸命にドロップキックを打ってゆくが市ヶ谷には通じない。逆にラリアット、スリーパーで弱らせてから
「覚悟なさい」
バックドロップ、フィッシャーマンバスター。これで決定的ダメージを負った菊池、続くニーリフトに3カウントを聞いた。
「アー、来島さんの援護射撃できなかった。勝ったら飲み1って話だったのに・・・」
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第5戦は名古屋しゃちほこドーム大会。
R北条(4点、パワースラムからの片エビ固め 9.22)V麗子(0点)
ロイヤル北条、ビーナス麗子の打撃をかいくぐり、うまく攻めてパワースラムで2勝目ゲット。ビーナス麗子、今年も全敗の予感。
菊池(4点、ボディスラムからの片エビ固め13.58)氷室(2点)
売り出し中の氷室が元SPZ王者の菊池と対戦。だが菊池の空中戦に氷室ただやられるだけ。ドラゴンスリーパーで反撃もロープに近い。最後はスタミナの尽きた氷室を菊池がボディスラムで仕留めた。
B来島(8点、パワーボムからのエビ固め 8.07)S相羽(4点)
来島さんが一方的にスターライト相羽を8分でやっつけた。相羽、元エースの風格はどこへ・・・
B市ヶ谷(8点、ミサイルキックからの片エビ固め 13.46)芝田(2点)
いまのSPZで暴君市ヶ谷に勝つ可能性がわずかながらあるのが来島と芝田。だが今年の市ヶ谷は本気で全勝優勝を狙っている。ミサイルキックでジュエルローゼスの2番手、芝田を撃破。
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第6戦は北海道どさんこドーム大会。
菊池(6点、ダイビングプレスからの体固め 20.5)R北条(4点)
SPZタッグベルトをめぐって熱い闘いを展開している両者がシングルで対戦。空中戦を展開した菊池がやや押し気味に進める。そしてミサイルキックで追い込んで北条が倒れたのを見計らって、コーナー最上段に登り、
ダイビングプレス!いっせいに瞬くフラッシュ。1回目はカウント2.8で返した北条だが、立て続けにもう一度食らっては返せず。20分の激闘を制した菊池が3勝目を挙げた。
「ファンの皆さんのおかげです。キツイけどあと二つ、頑張ります!」
芝田(4点、ダイヤモンドキックからの片エビ固め19.43)S相羽(4点)
「ボクはこのまま終わる気はありませんよ」
ジュエルローゼスの芝田相手に一歩も引かず戦っていく相羽、得意のタイガードライバーも。しかし芝田もものすごい裏拳をヒットさせる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・うあ・・・・・」
そしてー
「いきますわよ!」
芝田のダイヤモンドキックが相羽の意識を闇へ。
叩き込むダイヤモンド。両手を高く掲げる芝田、ドームにとどろき渡る歓声が。
B来島(10点、パワーボムからのエビ固め 5.17)V麗子(0点)
「さっさと終わらせて寿司食いに行くぜー!」
来島さんの圧倒的パワーにビーナス麗子どうすることもできず3カウントを聞いた。勝負タイムわずか5分17秒。
B市ヶ谷(10点、デスバレーボムからの片エビ固め 7.39)氷室(2点)
札幌どさんこドームのメインカードは前衛的なものとなった。絶対王者市ヶ谷様に挑むのは未来のエース候補、氷室紫月。
「3分で終わるんじゃないか?」今野役員。
「いや、ドームのメインですし5分は持つでしょう、市ヶ谷さんも気を使うでしょうし」井上霧子。
「じゃあ氷室さんが5分持つかどうかで賭けましょう。今夜の炉端焼き」
本部席での失礼な会話をよそに氷室は絶対王者の入場を心待ちにしていた。
―やっと、ここまで、来た・・・・
デビューから1年4ヶ月でSPZ絶対王者とシングルが組まれるところまで来た。
ー今は勝てない。でもいつか必ず市ヶ谷さんに勝つために、せいいっぱいやる・・・。
「オーオホホホホホ!すぱぁッと終わらせてあげますわ」
市ヶ谷ラリアット2連発、ハデに吹っ飛ぶ氷室。さらに市ヶ谷様、攻撃の手を緩めることなくニーリフト、アームホイップの猛攻。
札幌に悲鳴が。
しかし氷室懸命にドロップキックで反撃、だがここまでだった。
バックドロップ、そしてデスバレー。氷室撃沈。
「オーホホホホホホ!準備運動にもなりませんでしたわ!」
市ヶ谷、勝ち誇り観客にアピールしまくりながら引き上げた。氷室はラッキー内田の肩につかまりながら退場。
「7分持ったですね。じゃあ炉端焼きおごりで」
「・・・はい」
第17回SPZクライマックス、残り2戦の段階で、優勝はボンバー来島とビューティ市ヶ谷の二人に絞られた。
(続く)
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