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2007年12月31日 (月)

第298回 その日は可能な限り延期しなくては。

19年目6月、SPZクライマックス予選会が盛り上がっているころ。

6月上旬、ギブスの外れたギムレット美月は横浜市内の病院で2回目の手術を行い、右腕に埋められていた3本のボルトを外した。

「まずはなくなった筋肉をつけることですね。」

リハビリが始まった。負傷してからまったく動かしていなかったので、重い物も持てない状態だったので、まずは物を持つ練習から始めた。ラーメンどんぶりや数キロのダンベルは数日でなんとか持ち運べるようになったが、水を入れたポリタンクは持つのには2週間かかった。

人気のないギムレット美月でもファンからのお手紙はそれなりに来る。早くリングに戻ってきてくださいとかもう一度ドラゴンカベルナリアを見せてくださいとか。

「・・・ありがたいことです」

ギムレット美月、巡業で選手が出払い、がらんとした道場でひとりリハビリを兼ねた練習。日ごとに右腕は回復していって、腕立て伏せで体重をかけられる様にもなってきたが、関節の痛みは消えず、サンドバッグに向かっても右からの打撃を繰り出すことができない。思わずサンドバッグを見つめてしまう。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

ーこんなんで後半の試合に出られるのでしょうか。

SPZは日本でも有数のハードなプロレス団体。新人ははルックス重視で選ばれている傾向はあるが、試合内容は殴り合い極めあい投げあいで相手を潰しにかかるスタイルだ。市ヶ谷様や来島さんは人間離れしている。

そんなリングにこの状態でやっていけるのだろうか。頭の良い彼女だけに、無抵抗のまま殴り倒されるギムレット美月が想像できた。

ーSPZに、私の居場所はもう、無いのかもしれません。

ギムレット美月、道場で夜まで身体を動かしたが、不安な気持ちは消えなかった。

******************

6月シリーズ終了後、ギムレット美月は戸塚のSPZ本社に顔を出した。

「怪我は治りました。温泉治療が効いたようです」

「・・・わかった、来月から頼むよ」

6月分、振り込まれた給料は基本給の10万だけだった。生活のためにももう一度リングへ上がるしかないので吉田社長に復帰を告げた。

ーたとえ、戦いについていけず、ギムレット美月が終わるにしても、その日は可能な限り  延期しなくては。そして、私にはそれが可能だ。

これで7月シリーズからの復帰が決まった。しかし井上霧子や今野役員は初の入院からの復帰とあって、後半の試合には出さないなど、カード的に配慮した。

7月シリーズの1週間前、特注のサポーターが届いた。右ひじをすっぽり覆う物々しい黒いサポーター。こんなのをつけるのは関節技を出しにくくなるのでイヤだったが、仕方が無かった。

ーこれでエルボーも打てる。

 やるだけのことはやった、それでもダメなら・・・再就職を考えましょう。

ギムレット美月25歳、最後の勝負の時。

*******************************

(筆者より:本年もご愛読いただきましてありがとうございました。きょうは大晦日でいろいろ忙しいのでリプレイではなく、軽く書き下ろしました。2008年もよろしくお願いいたします。)

2007年12月30日 (日)

第297回 負けたくない!負けたくない!負けたくない!

19年目6月
恒例のSPZクライマックス予選会が開催。出場選手は以下の通り。

マッキー上戸(前回本大会6点)

ラッキー内田(前回本大会4点)

氷室紫月(前回本大会3点)

フレイア鏡(前回本大会1点)

フォクシー真帆(14期)

成瀬唯(15期)

ライラ神威(17期)

武藤めぐみ(18期)
リーグ戦上位4人までが本大会に出場できる。今年はけっこうレベルの高い争いになりそうな感じである。
第1戦山口周南大会。

F鏡(2点、ストレッチプラム 15.51)武藤

今回のリーグ戦は前回本大会に出た4人プラスここのところ急激に実力を伸ばしている武藤の5人が4つの椅子を争う展開。

先手を取ったのは武藤。ローリングソバットを連発で叩き込んでペースをつかむ。そしてダイビングプレスで追い込む。しかしフレイア鏡が最後に大逆転。攻め疲れの見えてきた武藤をストレッチプラムに捕らえる!

「うぐっ・・・・ああああっ!」

「うふふふふふふ、もっと苦しみなさい・・・・、あはははは・・・」

フレイア鏡、ストレッチプラムでギブアップを奪った。天才姫は黒星発進。勝ってた試合を落としただけに本人の悔しさはいかばかりか。

M上戸(2点、パワーボムからのエビ固め 10.28)ライラ神威

がすっ!がすっ!

マッキー上戸、頭を使った攻撃、頭突きでライラの動きを封じてパワーボムで幕。危なげなく白星発進。

L内田(2点、ラッキーキャプチャー 19.25)F真帆

大方の予想では白星配給係になるであろうフォクシー真帆、けんめいにラッキーにタックルを浴びせてくらいついてゆくが、初戦から負けるわけにはいかないラッキー内田、落ち着いてラッキーキャプチャーでさばいて白星発進。

氷室(2点、パイルドライバーからの片エビ固め 15.58)成瀬

成瀬よくねばったのだが、氷室の「本気スリーパー」にぐったりしてしまい、続くパイルドライバーで3カウントを奪われた。氷室も手堅く白星発進。

*************************

第2戦は島根くにびき大会。

F鏡(4点、脇固め 5.34)ライラ神威(0点)

5分過ぎにフレイアが仕掛けた脇固めが極まってしまった。

「うあああああっ!」

「うふふふふふ、ライラさん、もっと悲鳴を聞かせてちょうだい・・・」

たまらずライラはギブアップ。これでフレイア鏡2連勝、上々のスタート。

M上戸(4点、ジャンピングニーパットからの片エビ固め 17.51)F真帆(0点)

パワーファイトを得意とする両者の対戦。。だが地力に勝るマッキーが押し切ってフォクシーを退けた。これでマッキーも2連勝。

L内田(4点、フランケンシュタイナー 8.02)成瀬(0点)

この試合はラッキー内田の完勝。成瀬をまったく寄せ付けなかった。ラッキー内田も2連勝。

氷室(4点、ドラゴンスリーパー 20.07)武藤(0点)

―勝たなきゃ、この団体で上へいけない!
武藤めぐみ、先輩の氷室相手に一歩も引かないナイスファイト。しかし氷室も先輩の意地で手数を返す。

「ボケッとするなあ武藤!攻めて攻めろ!あんたが勝つにはそれしかねぇぞ!」

セコンドについているタッグパートナー来島さんが檄を飛ばす。

「い、言われなくてもわかってるわよ!」

武藤、強烈なバックドロップで氷室をグロッキーに追い込んだが、ここで2夜連続の大どんでん返し。

「これでとどめ」

氷室のドラゴンスリーパーが運悪くリング中央で決まる。

「う、うあああ・・・・」

もがけばもがくほどはまってゆく苦しさ。3分ほど耐えた武藤だったがついにギブアップ。氷室逆転大勝利。

―いけると、思ってたのに・・・

武藤連夜の逆転負け。悄然とした表情で移動バスに乗り込んだ。4人が2連勝している状況。本大会出場の星勘定が苦しくなってきた。

*************************

第3戦は鳥取大会。

F真帆(2点、ボディスラムからの片エビ固め 25.50)F鏡(4点)

14期生の同期対決。実力ではフレイアのほうが上。しかし今日のフレイア、調子でも悪いのかフォクシー真帆の力攻めに大苦戦。ヘッドバットの連発で大ダメージを受けてしまう。

「あーもう、しつこいと嫌われますわよ!」

脇固めで反撃するがギブアップを奪うに至らない。そして25分過ぎ、フォクシーが馬鹿力で放ったボディスラム、このあとのフォールを返せなかった。フレイア鏡、フォクシーのしつこさに根負け。格下相手に痛い1敗を喫した。

M上戸(6点、ジャーマンSH 9.50)成瀬(0点)

成瀬、積極的にストレッチプラムを繰り出すも、マッキー上戸、脇固めなどの関節は警戒してロープ際で戦う頭のよさ。そして成瀬の攻め疲れを見計らってヘッドバットをボコボコ叩きこんでジャーマンでトドメ。頭を使ったマッキー上戸、地元で完勝。

武藤(2点、シューティングスタープレスからの片エビ固め 19.37)L内田(4点)

本大会出場のためにはもうこれ以上は負けられない武藤、懸命に攻めてゆくが試合巧者ラッキーの前に勢いを止められる。

ーこの人も関節技持ってる、もらわないようにしないと・・
ラッキーの極め技を警戒するあまり腰が引けて、昨日おとといのような積極性がなくズルズルと追い込まれる。あっという間に追い込まれ、ラッキーキャプチャー、ラッキーキャプチャーZを極められるがロープに近かったので助かった。この辺、ラッキー内田も武藤の昨日おとといのファイトのイキのよさを見ていて、勝ちを急いで、焦ってしまった。勝負とはわからないものである。

―負けたくない!負けたくない!負けたくない!

そして武藤、ズタズタの状態ながら反撃に転じ、シューティングスタープレス、ムーンサルトプレスで追い込む。

―まさか?内田越えか?

ざわつく館内。
ムーンサルトがカウント2.8で返されたが先に立ち上がったのは武藤、この機を逃さず2度目のシューティングスタープレス!

ワン、トゥ、スリー!

ええええええええええ!
武藤が大きな1勝を挙げた。

氷室(6点、サソリ固め14.30)ライラ(0点)

目の前で同期のL内田が負けて危機感が募ったのか、いきなりストレッチプラムを仕掛ける氷室、いつも以上に気合のこもったファイトを見せる。ライラも熱くなり、必殺カムイエクウシカウチを仕掛けるがカウント2.最後は氷室のサソリ固めで決着。

予選会リーグ戦は3試合を消化した。

3勝0敗:氷室紫月、マッキー上戸

2勝1敗:フレイア鏡、ラッキー内田

1勝2敗:フォクシー真帆、武藤めぐみ

0勝3敗:ライラ神威、成瀬唯

「武藤、明日の上戸さんだろ、ガンガンいけよガンガン」

来島さんが的確?なアドバイス。果たして武藤めぐみ、本大会に出場できるのか(続く)

2007年12月29日 (土)

第296回 19年目5月 東西対抗戦

19年目5月シリーズ最終戦横スペ大会。大日本テレビのカメラが入った。

 「プロレスファンの皆さん皆さんこんばんわ、SPZプロレス中継の時間がやってまいりました、実況は私、森和紀、解説はもちろんこの人です」

「こんばんわ、吉田龍子です。」

 「いやあ、芝田選手がSPZチャンピオンになってしまいましたねえ」

「んー、まあ打撃に自信のある選手は番狂わせ起こしやすいですからね。頭に一発もらったらどんな強い選手も眠ってしまいますから」

 「しかしこれでSPZの女王の座、もう50代目まで来たんですねえ、まだベルトを創設して16年でしょう、政権交代の激しいベルトです」

「んー、まあそのときそのときのトップグループの力が拮抗しているちゅうことでしょうか」

 「それではここで歴代王者の一覧を出してみたいと思います。」

ここでテレビ画面に下からテロップがズラーッと。(選手名の横は防衛回数)

☆SPZヘビー級選手権歴代王者☆

初代 伊達遥    0
2代目 草薙みこと 0
3代目 南利美   0
4代目 伊達遥  10
5代目 草薙みこと 1
6代目 伊達遥   2
7代目 南利美   0
8代目 吉田龍子  1
9代目 伊達遥   1
10代目 永沢舞  0
11代目 吉田龍子 0
12代目 伊達遥  0
13代目 草薙みこと4
14代目 永沢舞  0
15代目 上原今日子0
16代目 伊達遥    0
17代目 吉田龍子 1
18代目 永沢舞  1
19代目 伊達遥  0
20代目 吉田龍子  15
21代目 ハイブリッド南 0
22代目 新咲祐希子 0
23代目 永沢舞  0
24代目 吉田龍子 0
25代目 ハイブリッド南 1
26代目 新咲祐希子 0
27代目 永沢舞   2
28代目 ハイブリッド南 7
29代目 スイレン草薙 0
30代目 吉田龍子  4
31代目 ハイブリッド南 1
32代目 新咲祐希子 0
33代目 スイレン草薙 0
34代目 吉田龍子   1
35代目 ハイブリッド南 1
36代目 新咲祐希子 0
37代目 スイレン草薙 7
38代目 スターライト相羽 0
39代目 ボンバー来島 0
40代目 菊池理宇 1
41代目 スイレン草薙 1
42代目 ボンバー来島 4
43代目 ビューティ市ヶ谷 11
44代目 ナターシャ・ハン 1
45代目 ロイヤル北条 0
46代目 ボンバー来島 0
47代目 ビューティ市ヶ谷 5
48代目 ナターシャ・ハン 1
49代目 ビューティ市ヶ谷 1
50代目 芝田美紀(現王者)

「えー、きょうは恒例の東西対抗戦ですね」

「んー、そうですね、こういう企画でしか見られないカードがありますからね、楽しみです」

所属選手が東西に分かれてシングルマッチで激突。

N白石○(新潟)― 野村つばさ×(愛媛)

「かいせつの吉田さん、どちらが有利でしょうか」

「んー、まあノエル選手ですね。ああ見えてけっこう力あるんですよ、あとはスタミナですけど場数踏んでいけばそのうちついてくるでしょう」

新人のノエル白石がパワーで攻め込み、ネックブリーカーの反撃もきっちり耐えて、最後はスクラップバスターで勝利。

「勝ったの・・・ふーん」
東軍がまず1勝。

武藤×(静岡)-M上戸○(鳥取)

「かいせつの吉田さん、また好カードが実現してしまいましたねえ」

「上戸選手にはジェラシーがありますからね、タッグベルト奪取で先を越されてしまいましたから。いい試合になると思いますよ」

昨日の新潟大会セミファイナルで沸かせたカードがまたも実現。早い段階でシューティングスタープレス、ダイビングプレスを繰り出し主導権を握ろうとする武藤。

「まだ、負けてたまっかよ!」
上戸、ヘッドバットで反撃、2発めのダイビングプレスを食らうも、そっちがその気ならこっちも切り札を出してやると考えたマッキー上戸、

―必殺技は一発で決めるから必殺技っていうんだ!

スプラッシュマウンテン発動、武藤はこれで沈んだ。勝負タイム7分24秒のわりにエキサイティングな攻防だった。これで西軍も1勝。

R神威×(北海道)-氷室(富山)○

「かいせつの吉田さん、これまた注目のカードですねえ」

「んー、まあライラ神威、ああ見えて基礎はしっかりできてますからね。ただのパフォーマーじゃあないですよ。もっとも氷室も実力者ですから、怖さでいったら氷室はSPZの中で一番怖いですよ。いろんな意味で」

今回は氷室、西軍での登場。対戦相手は極悪人ライラ神威。

「氷室のアホ!お前の運命は『死』だこのヤロー!!」

ライラ神威は花道で巨大ハンマーを振り回しながら入場。

「・・・・・・・・・・・・・」

しかし氷室との実力差はだいぶあり、最後はリング中央でドラゴンスリーパーを決められてジエンド。西軍が2勝目をあげた。

L内田○(東京)―成瀬(大阪)×

「かいせつの吉田さん、人気選手同士の対戦ですね」

「んー、まあラッキー選手、来月の予選会に向けて取りこぼしはできない相手です。」

東西対抗のルールとして、「出る選手の順番は年齢順」というという縛りがある。東軍のラッキー内田がじわじわと攻め、ラッキーキャプチャーでギブアップを奪い2対2のタイに持ち込んだ。

B市ヶ谷○(埼玉)-F鏡×(長崎)

「かいせつの吉田さん、市ヶ谷選手の状態はどうでしょうか」

「んー、まあやはりベルトを失ったショックはあると思いますよ。しかもJRのナンバー2の芝田さんにやられてしまったわけですから。ただフレイア鏡も強敵なんで切り替えていってほしいですね」

セミファイナルはJRの同門対決。

「誰が相手でも同じこと、適当に片付けますわ」

前夜SPZ女王の座から転落した市ヶ谷様だが、ショックを見せることなくフレイア鏡をうまく攻め込んでゆく。ハイキックでフレイア鏡を退けた。これで東軍が3勝目、王手をかけた。

Q金井×(北海道)-芝田○(大阪)

「かいせつの吉田さん、ある意味これはドリームカードですねえ」

「ハハッ、んー、まあキューティー金井の頑張りに期待しましょう。」

 「あ、あたしが、横スペで、シングルで、メインなの・・・?」

メインイベントは12期生の同期対決。SPZ新王者対アイドルレスラーの対戦なので、やる前から勝敗は見えていた。が、キューティーもまさかの横スペシングルメインなので懸命に芝田にぶつかってゆく。しかし芝田の余裕を消すまでには至らない。

「軽~くひねって差し上げますわ」

最後は逆片エビ固めで完勝。それでもキューティー金井、ひとりで21分57秒もメインを戦った。この結果第2回東西対抗は3対3の引き分けとなった。

****************************

 「かいせつの吉田さん、いいシングルマッチ6試合でしたね」

「んー、まあ各選手がもてる力をうまく出したんじゃあないでしょうか」

 「来月はいよいよSPZクライマックスの予選会ですね」

「ある意味8月の本戦より面白いですし、今年は混戦が予想されますからね。まあ一試合一試合目が離せないことになると思います」

 「それではこの辺で横浜スペシャルホールからお別れいたします、解説はSPZの社長、吉田龍子さん、実況は私、森がお送りいたしました」

「はいどうも」

2007年12月28日 (金)

第295回 50代目のチャンピオン

19年目5月
最古参選手、ギムレット美月が右腕骨折で入院。ボンバー来島は右ひざ負傷、フォクシー真帆も右手首負傷。個性派選手3人が抜けて、あららと頭を抱える吉田社長。そしてロイヤル北条に写真集のオファー。

「そもそもなぜ私なんですか?この団体には他に適役がいるでしょう。」

「いや、ファンからの要望が・・・」

今野人事担当役員は何とか説得し、かくてロイヤル北条ファースト写真集「TSURUGI」が発売された。かなーり売れたらしい。

**********************

第4戦高松大会、初来日の新外国人選手が第1試合のシングルマッチに登場。

「うう・・・」
ジーナ・デュラム19歳フランス出身、レスリングセンスはそこそこなのだが致命的なまでに弱気な性格で、所属していたGWAサイドからはその性格を直すために無期限遠征に出されたほどのレスラーである。この日もノエル白石の力攻めに弱気の表情を浮かべる。

しかし今日の相手は新人のノエル白石なので、ノーザンライトスープレックスで手堅く勝利。

「私・・勝てマシター!」

「何あれ」「ヨーロッパ版アイドルレスラーじゃない?」
「ネタ外人だよ」

高松大会メインは16期生3人、氷室、ラッキー内田マッキー上戸がデイジー、ヘレン、ローズ。ヒューイットの外人組を撃破した。最後は氷室のサソリ固めがデイジーからギブアップを奪った。

***************************

5戦目岡山大会、メインイベントはGWA選手権。王者ローズ・ヒューイットに挑むのは極悪ファイター、ライラ神威。

「アヒャヒャヒャヒャ!なにもかもぶっ壊してやるゥッ!」

なんとライラ神威は電動式ガトリング砲を担ぎながら入場。花道の途中で高笑いしつつガトリング砲を連射して(もちろん空砲である)観客の度肝を抜いた。

「ママー、あの人怖いよ~」
「SPZさんもイロモノが多くなってきたねえ」

ライラ神威、さすがにゴングが鳴ったら普通のレスリングを展開。しかしローズ・ヒューイット、ようやく日本のプロレスに慣れたのか、ライラをまったく寄せ付けずハイキックで勝利。勝負タイム16分13秒。

**********************

第7戦新潟大会。セミのシングルマッチ、マッキー上戸対武藤めぐみが凄かった。
「これでフィニッシュよ!」
終盤、武藤が勝負に出て、シューティングスタープレスはカウント2.8で返された。これ以上の攻め手がなくなりどうしたものかと戸惑う武藤。そこを突いた上戸、体勢を立て直すと

「決めるなら今しかない!」
スプラッシュマウンテン、誰もがこれで終わったと思った。が、カウント2.9で返す武藤。
ドドドドドド!
「うへー、粘るな、ならこれでどうだ!」

続くフェイスクラッシャー、武藤は顔面を強打。しかしこれも2.9で返す天才姫。
ドドドドドド!

「ゾンビかよーっ!」
しかしマッキー上戸、まったく容赦せず立て続けにフィッシャーマンバスター、15分12秒、これでカウント3が入った。
勝つには勝ったがマッキー上戸、慄然とした表情。

―このコはものが違う。近いうちに抜かれる。

セミの激闘の余韻が残る中、メインのSPZ戦。王者ビューティ市ヶ谷に挑むのは芝田美紀。ジュエルローゼス同門対決。いつものようにラリアットをぶんぶん振ってダメージを積み上げてゆく市ヶ谷様。しかし今回は芝田が善戦。

「はっ!」

芝田のダイヤモンドキックで頭を打ったのか、市ヶ谷の動きがおかしい。ふらついている。芝田さらに裏拳で大ダメージ。
ドワアアア!
芝田ついに市ヶ谷越えか、異様な雰囲気の中、芝田の裏投げでカウント2.8まで追い込まれ、続くドラゴンスリーパーでギブアップ寸前まで追い込まれる。懸命にパイルドライバーで反撃するも後が続かない。やはり蹴りが頭にきているためかいつもの波状攻撃が出せない。

そして芝田、右足でハイキック。これで市ヶ谷の戦意を不稼動に追いやった。
ワン、トゥ、スリー!
「57分30秒、ハイキックからの片エビ固めで芝田美紀の勝ち」
芝田美紀、22歳にしてようやく第50代SPZ女王に輝き、ベルトを巻いた。
「ホーホホホホ!!やりましたわーー!」

**************************

SPZ世界選手権(60分1本勝負)

芝田美紀(57分30秒、ハイキックからの片エビ固め)ビューティ市ヶ谷

第49代王者が2度目の防衛に失敗、芝田が50代王者となる

**************************

2007年12月27日 (木)

第294回 ギムレット美月の入院

19年目4月新日本ドーム大会第2試合

試合終盤、タッグマッチで分断作戦のための場外乱闘。

ギムレット美月はいつものように相手チームのヘレン・ニールセンを場外へ落とすと自らも後を追った。リングを勢いよく降りてうずくまっているヘレンを追撃しようとしたが、

疲労からか、足がもつれて転倒、右ひじを鉄柵に強打。

「・・・・・・・・!!」

ギムレット美月、一瞬違和感を感じたもののそのままヘレンとベタな乱闘。

しかし捕まえて鉄柵に振ろうとしたところ逆に振り返される。このとき右ひじに鋭い痛みが走った。

ーやってしまった、か・・・

がしゃん。

鉄柵に叩きつけられた痛みより右ひじの痛みが大きい。

うずくまるギムレット美月、ヘレン・ニールセンが組み付いてくる、が、異変を察知したのか殴りかからず押し倒して顔面にパンチ攻撃。そのあと両者転がりながらのつかみ合い。

「もうあきらめろ」

そのときリング上ではパートナーのフォクシー真帆がパトリシア・ルイスをトドメのパワーボムに捕らえた。

どオオン!

場外の二人はまだもみ合っているので気づかない。ギムレット美月、左腕一本でヘレンの攻勢を防ぐ。

ワン、トゥ、スリー。

3カウントが入った。ゴングが鳴りG美月のテーマ曲「oblivion」が流れる。セカンドロープに駆け上がり勝利をアピールするフォクシー真帆、しかしギムレット美月は場外で右ひじを押さえてうずくまっていた。

「美月さん、大丈夫?」

セコンドのキューティー金井が駆け寄る。

「・・・問題ありません。ちょっと打っただけだと思います」

ギムレット美月、リングに上がって勝ち名乗りを受けることなくそのまま花道を下がった。このとき常連ファンの何人かは異変に気づいたようだ。デビュー9周年のシリーズ、なんとか完走できたかと思ったが最後に落とし穴が待っていた

控室に戻る。いつもならぱぱっと着替えてしまうところだが負傷したときはそうもいかない。キューティー金井がシューズの紐を解くのを手伝ってくれた。何とかジャージに着替えたが右手がまったく使えない。

・・・・クルマ運転して帰れない・・・

きょうは都内興行なので横浜から愛車を駆って会場入りしているギムレット美月。

前半の試合が終わっても右腕に感覚は戻らなかった。休憩時間中に羽山リングドクターに見てもらった所、

「んま、・・・大変!!」

「えっ」

「これ、折れてるわ」

羽山リングドクター、右ひじに触って一言。いつものおっとりとした顔を見せることなく、一転して真剣な表情。

あとはもう大変な騒ぎとなった。上原今日子コーチの運転する車に乗せられ都内の病院へ直行。そして、

「右ひじ骨折およびじん帯裂傷で全治3ヶ月」の診断が下された。

「えっ・・・」

ギムレット美月、全身の力が一気に抜けた。

そのあといったん横浜に帰り、キューティー金井の自宅マンションに一泊したのち翌日、横浜市内の病院へ入院となった。SPZの18年の歴史の中で所属選手が入院に追い込まれたのは初めてのことである。

滑って転んだだけなのに、骨と筋肉とをつなぐじん帯も切れたために、腕を切り開いてボルトで固定して、2ヶ月ほどギブスで固めたらリハビリ前にもう一度手術してボルトを抜くことになった。

ギムレット美月、病気ではないので1回目の手術が終わると点滴と注射だけで、あとは食っちゃ寝の生活が続いた。しかも右腕が使えないので病院食をスプーンで食べる始末。吉田社長や今野役員が何回か寿司を差し入れてくれたが、これは大変だった。

・・・私は引き際を誤ったのでしょうか。

同期のビーナス麗子は引退してもなおギムレット美月は「年収700万確保」のため、現役に執着している、が(ビーナス麗子はタレントで再就職が容易だったということもあるが・・・)ハードなレスリングにいよいよ身体がついていかなくなり、事故を起こしてしまった・・・

5月の連休明け、退院。しかしギブスは6月頭まで取れないので、その間、することもないので、ギムレット美月はいったん岐阜の実家に帰郷した。入院費は会社が持ったものの、5月分のギャラは基本給の10万しか支給されなかった。

朝の垂井町の山裾をロードワークしながらギムレット美月は考えた。

・・・SPZからは、身を引いたほうがいいのかもしれない。まあAACのベルトも巻けたし、楽しんだかな・・・いや、でも、お客さんの声援は忘れられない。

ーどうすれば・・・・

ギムレット美月24歳、決断のときが近づいていた。

2007年12月26日 (水)

第293回 日米スーパーお嬢様対決

19年目4月シリーズ 後編

第4戦なにわパワフルドーム大会、

メインはビューティ市ヶ谷対ロイヤル北条のノンタイトル戦。JRの同門対決。昨年のSPZクライマックスでは北条が勝っているのだが、今回は市ヶ谷が余裕で押し切って、最後はムーンサルトで勝利。

***********************

第6戦九州ドーム大会。
第1試合は成瀬唯対新外国人パトリシア・ルイス。
「いてこましたる」
翌日のあばしりタッグ王座決定戦の前哨戦。成瀬が決然と攻めてゆく。脇固めやストレッチプラムでギブアップを迫るが、パトリシア、偶然なのか、意識したのか、ことごとくロープに近い位置で闘い決定的チャンスを作らせない。そのまま両者決め手を欠き30分ドローとなった。

福岡大会メインはSPZタッグ戦、王者ボンバー来島、武藤めぐみに挑むのはデイジー・クライ、アリス・スミルノフのEWAチーム。

「武藤、いくぜ、アリスを潰すぞ!」
ボンバー来島が早めのナパームラリアット、これを受けて武藤もダイビングプレス。しかしアリス、懸命に這っていってデイジーにタッチ。しかし武藤、蹴り大王に臆することなく、ローリングソバットで転がせて、

シューティングスタープレス!そしてもう一度コーナーに登ってダイビングプレス!何とかカウント2.8で返したデイジーだが、

「来島さん!」

なんとボンバー来島を呼び込んで合体パワーボム。これでデイジーから武藤が3カウントを奪った。王者組が2度目の防衛に成功。勝負タイム14分51歩。

「あのコ、マジで天才かも」

リング下で見ていたラッキー内田がボソッと。

**************************

SPZ世界タッグ選手権 60分1本勝負

ボンバー来島、○武藤めぐみ(14分51秒、合体パワーボムからのエビ固め)デイジー・クライ×、アリス・スミルノフ

王者組が2度目の防衛に成功

**************************

第7戦名古屋しゃちほこドーム大会.セミではフレイア鏡がライラ神威と23分の激闘の末、最後の力を振り絞ってのドロップキックで勝利。

そしてメインはあばしりタッグ王者決定戦。エレン・ニールセン引退に伴い、元王者の成瀬、フォクシー真帆組対へレン・ニールセン、パトリシア・ルイスの一戦が組まれた。4者が攻めあいしのぎ合ういい勝負が展開されたが、最後はフォクシー真帆のヘッドバットがパトリシアを昏倒させ3カウント奪取。成瀬組があばしりタッグ王者に返り咲いた。

「真帆はやったぞ!やったぞ!」

**************************

あばしりタッグ王座決定戦

○フォクシー真帆、成瀬唯(20分くらい、ヘッドバットからの片エビ固め)ヘレン・ニールセン、パトリシア・ルイス×

フォクシー真帆、成瀬唯組が第24代王者となる

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最終戦は新日本ドーム大会。

第1試合はノエル白石対野村つばさ。1年先輩の野村がうまくノエル白石の勢いをかわして。最後はネックブリーカーで3カウント奪取。勝負タイム7分53秒。

第2試合はフォクシー真帆がギムレット美月と組んでヘレン・ニールセン、パトリシア・ルイスと対戦。

最古参のギムレットが懸命のサポート。動きはそうとう鈍くなっているがそれでもドラゴンカベルナリアを繰り出し有利な状況を作る、そしてーそして終盤はヘレンを場外乱闘に誘う。場外へ落として自らも後を追う。勝負どころ、この辺の動きは身体で覚えている。

「・・・・・・・・・・・・!!」

しかしギムレット美月、場外に飛び降りたときに誤って右腕を鉄柵に強打。しかしアクシデントにも動転せずヘレンを場外でベタな乱闘に捕らえる。

リング上では、

「もうあきらめろ」
フォクシー真帆のパワーボムがパトリシアを撃沈。14分20秒。これで試合は終わった。

「・・・・・・・・・・・っ」

ギムレット美月、痛めた右腕をかばいながら引き揚げた。大事に至らなければいいのだが・・・

第3試合、ジュエルローゼスの3人が登場、芝田美紀、ロイヤル北条、フレイア鏡がボンバー来島、氷室紫月、成瀬唯のトリオと対戦。やはりひとり格落ちの成瀬がつかまってしまい。最後は15分47秒、ロイヤルスパイクに沈んだ。

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ブォンッ、バチバチバチッ!!

休憩明けの試合、ライラ神威対武藤めぐみのシングルマッチ。ライラ神威、なんと今日は電気式スタンロッドを振り回しながら花道を入場。危ない音がバチバチと。村越リングアナが悲鳴にも似た警告。

「お気をつけくださいお気をつけください」
しかもライラの悪行は止まらない。入場前に「それを持ってリングに上がるな」と制止した伊達レフェリーに「あんたうるさいよ」とスタンロッド攻撃。試合前に伊達レフェリーを病院送りにしてしまった。しかたがないのでレフェリーは前半の試合を裁いたばかりのスターライト相羽が再び出てきた。

試合のほうは例によって荒れ模様、しかしSPZタッグ王者の武藤がシューティングスタープレスを決めてなんとかライラを振り切った。勝負タイム11分22秒。

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セミはジューシーペアが登場。対戦相手はEWAのデイジー、アリス・スミルノフ組。押していたのはジューシーペア。しかしEWA軍も懸命のタッチワークで応戦。しかしー

―ここで勝たないと上には行けない!
マッキー上戸のパワーボムが粘るデイジーを仕留めた。勝負タイム27分47秒。

そしてメインイベントSPZ選手権。王者ビューティ市ヶ谷に挑むのは初来日のローズ・ヒューイット。日米スーパーお嬢様決戦である。

「解説の吉田さん、凄いカードが実現してしまいましたね」

「あー、んー、なんていうか、リングに並ぶだけで雰囲気が凄いですね、でもまあ油断しなければ市ヶ谷選手の勝てる相手ですよ」

で、そのとおりになったわけで、一方的に攻めた市ヶ谷がハイキックでローズ・ヒューイットを撃破。勝負タイム13分5秒。タイトル戦にしては短い。

ファンの反応は賛否両論であった。
「とんだいっぱい食わせ物」「いや、市ヶ谷様が強すぎるだけ」

2007年12月25日 (火)

第292回 19年目4月 ノエル白石デビュー

19年目4月

SPZは役員の人事異動を行った。

吉田龍子 取締役興行部長兼選手育成担当 → 代表取締役社長

井上霧子 取締役社長代行 → 取締役興行部長

要するに井上霧子が年取って社長業の激務をやりたくなくなったので、(酒の飲みすぎという説もあった)現役時代、5期生で華々しい戦績を残した吉田龍子(29)がSPZの女社長になってしまった。

「資金繰りの心配はしない、いやになったらいつでも辞める、それでもいいんなら適当にやるよ」

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「い・・・いやった~!写真集だ~!グラビアアイドルだ~!」
キューティー金井22歳、ファースト写真集「WHITEARROW」発売。この選手、若手のころは負けてばかり泣いてばかりだったのだが、古参になって第1試合でそこそこの勝率が出るようになって人気が出てきた・・のである。古くから応援してきたファンは涙を流して喜んだらしい。

「美月さん、やりました!やっとグラビアアイドルになれました!」

「・・・良かったですね」

そのころSPZの吉田社長(昇格してしまった)と今野人事経理担当役員は新潟は糸魚川市に大物新人の卵を口説きに来ていた。

性格は控えめでおっとりとしたタイプだが、けっこうな身体能力を持っているということで、吉田社長が「新女に取られる前に口説くべきです」と言ったので獲得に走った。

「ぜひ白石さんの力をプロレスの舞台で発揮してみてはどうでしょうか、契約金がこれくらいで、ファイトマネーが1試合あたり・・・」

「・・・わかりました、・・・・やります」

少女の名は白石直子15歳。リングネームは吉田社長が適当に考えてなぜか「ノエル白石」となった。道場で基礎練習をやらせてみるとなかなかの運動神経。無口で表情を表に出さないがきっちりついてゆく。

「あの性格を逆に使って、『不思議ちゃん』キャラにしちゃおうぜ」

吉田龍子の発想は恐ろしい。

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4月シリーズ「旗揚げ18周年記念 バトルカデンツァ」第1戦釧路アリーナ大会。第1試合はノエル白石デビュー戦。相手は1期先輩の野村つばさ。

「さあ行け白石。野村さんをぶん殴って来い」

「はい・・・」

ノエル白石、花道を小走りしてリングイン。そして反対側から野村つばさもリングイン。リングアナのコールのあと、ノエル白石のレスラー生活の始まりを告げるゴングが鳴った。しかし初めての試合でどう動いていいのか分からなかったのか、一方的に野村が攻める展開。

「ヤーッ!」
野村つばさ、軽快に飛んでネックブリーカー。先輩が軒並みそこそこの力を持っているので、シングルマッチでは連敗街道を突き進んでいた野村つばさ、ようやくシングル初勝利を挙げた。

第2戦は札幌どさんこドーム大会。
「寒い・・・・」
第1試合前、リングコスチュームに着替えて花道奥で待機するノエル白石がボソッと一言。4月とはいえ札幌は真冬の東京以上の寒さだ。
「・・・リングで暴れて来な、身体が温まるから」

吉田社長がアドバイス。今日の対戦相手も野村つばさだ。

ノエル白石、昨日と違い押し気味に試合を進める。しかし野村もネックブリーカー、ミサイルキックで反撃、
しかしノエル白石、タックルで野村を転ばせて、
「風船・・・ふわふわ・・・」
リングサイドの観客はこれまでいなかったタイプのレスラーの出現にあきれ返った。もっとも前述の一言は吉田社長の指示である。
力のこもったスクラップバスター(吉田龍子直伝)で野村からカウント3を奪った。

「やっと終わった・・・の・・・」
ノエル白石、11分3秒、デビュー2戦目で早くもプロ入り初勝利。これは将来が楽しみだ。

今シリーズからアメリカのプロレス団体、GWAと提携をし、初来日の選手が2名。まずはイギリス出身のパトリシア・ルイスがセミ前の試合に登場、ヘレン・ニールセンと組んでビューティ市ヶ谷、芝田美紀組と対戦。さすがにジュエルローゼスTOP2が相手ではいいところなく攻め込まれる。

「お前の負けダ!」
パトリシアの裏拳が市ヶ谷の顔面に。

市ヶ谷様、顔面への攻撃をする相手には容赦しない。

「おのれ・・・」

突き飛ばして転ばせてムーンサルト。なんとかヘレンのカットに救われたが、最後はパートナーのへレンが芝田にやられてしまった。

札幌大会セミでジューシーペアがEWAの強豪、アリス・スミルノフ、デイジー・クライ組に敗れてしまった。

そしてメインはGWA世界選手権・初開催。王者ローズ・ヒューイットに挑むのはデビュー1年たっていない武藤めぐみ。
「わたくしは美しい薔薇!」
薔薇の花吹雪が舞う中、ローズ・ヒューイットが入場。
札幌のファンはあきれ返った。

「何アレ」「イロモノっぽいねー」

だが試合が始まるや、ゴング早々リングを走りこんでのショルダータックル3連発。動きがかなりいい。
武藤もヤバイと感じたのか
「これでフィニッシュよ!」
いきなりのシューティングスタープレス初公開。そしてダイビングプレス2連発、ローズをカウント2.5まで追い込む。

しかしこれでローズも本気になり、強烈なシャイニングウィザード、そしてハイキック。

「・・・はうっ」
武藤これで目の前が真っ黒になり3カウントを奪われた。

「有名な言葉でしょう?美しい薔薇には棘がある」

勝負タイム16分3秒、王者が防衛に成功。

「・・・攻め切れなかった。」
落ち込む武藤。いや、デビュー1年ないのにそこまでGWAのトップスターといい勝負をやってのけたのだからたいしたものである。

2007年12月24日 (月)

第291回 エレン・ニールセン ファイナルバトル

18年目3月シリーズ最終戦 さいたまドーム興行

第4試合までの結果は下記の通り。

① F真帆(3分くらい、片エビ固め)野村つばさ

② R神威(10分3秒、トムラウシからの片エビ固め)G美月

③ L内田、○M上戸(25分50秒、合体パワーボムからのエビ固め)芝田美紀●、F鏡

④ 氷室紫月(12分27秒、裸絞め)武藤めぐみ

そのあと第5試合、入場前にアナウンスが流れた。

「次の試合に登場するエレン・ニールセン選手はこの試合が最後のファイトとなります。ファンの皆様より一層のご声援をお願いいたします!」

青コーナー側からあばしりタッグ王者チーム、エレン・ニールセン、ヘレン・ニールセンが入場。対戦相手はボンバー来島、成瀬唯のタッグ。

クールな選手の多いEWA系外人のなかで、に明るいキャラクターでSPZの若手中堅選手の壁として立ちはだかり、メインの6人タッグにも時折顔を出す、つぶしの利く名選手であった。はじめて来日したのがSPZ10年目の6月だったので、SPZ旗揚げ世代の小川ひかるや伊達遥、草薙みことともファイトしたことのある常連外人。

「セイ、ヤアー!」

エレン・ニールセン、B来島にも臆することなくチョップを叩き込んでゆく。しかしヘッドバットで反撃を食らう。

―エレンの最後は白星で送ってやりたい。
ヘレンのほうがハッスルし、成瀬をまるで相手にせず追い込んでゆくが、さすがに来島さんのパワーには太刀打ちできない。となれば合体攻撃で活路を開くしかない。

ダブルドロップキーック!

一族ならではの息の合った合体攻撃で来島を追い込みにかかる。

そしてサンドイッチラリアット。しかしこれで来島さんの闘志に火がついた。
「ウオオオオオオオオオー」
ナパームラリアットで反撃。エレンはこれで目の前が真っ黒になった。続くフォール、いつもならおとなしく負けるところだが、エレン、カウント3ギリギリで跳ね返し、エルボーを一発入れてからヘレンにタッチ。そのまま青コーナー下でうずくまった。

「オエ・・・」
エレン、強烈なナパームラリアットを食らってしまって頭がくらくらした。

「エレン、アーユーオーライ?」

セコンドのEWAエージェント、トム氏が声をかける。

しかしリング上では
「遊びの時間はお・し・ま・い」
ヘレンのノーザンが火を噴き、成瀬を叩きつける。

―あ、これは決まるカモ。
エレン、ふらつく足で青コーナー下へ走って、ボンバー来島にしがみついてカットを防止、そのままカウント3。ニールセン一族が23分16秒の激闘を制した。

3カウントが入るやエレン、リングインして、ヘレンの手を挙げた。

「勝ちマシター!」

万雷のエレンコール。そして吉田現場監督がリングに上がり、がっちりと握手。そのあと記念品と金一封を手渡した。そのあと登場した全選手(ライラ神威除く)がリングに上がり胴上げ。こうしてファンに愛された常連外人がまたひとりリングを去った。

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セミファイナルはロイヤル北条対デイジー・クライ。

しかしこの日はデイジーが打撃で猛ラッシュ。ロイヤル北条、デイジーの掌底、ハリケーンラッシュで大ピンチに追い込まれる。

―やっぱり、今日EWAの人、気合がハンパじゃない・・・

遠くヨーロッパから日本に殴り込みをかけた仲間が2人も引退するのだから心境推して知るべしである。

デイジー、2度目のハリケーンラッシュ。蹴りの乱れうちを受けてロイヤル北条、敗北。勝負タイム24分45秒。

デイジー・クライが珍しくマイクを取って、叫ぶ。

「EWA!エレン!ナターシャ!フォエバー!」
そしてメインイベント。SPZ選手権。

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「次の試合に出場するナターシャ・ハン選手はこれが最後のファイトとなります、ファンの皆様より一層のご声援をお願いいたします!」

どわあああああ!
引退試合がSPZシングル戦というのも恐ろしい話である。
まず挑戦者の前王者、ビューティ市ヶ谷が入場。

「まあ、ポカしなければ勝てる相手ですわ。引導を渡して差し上げます」

そしてロシア音楽が流れ、SPZベルトを巻いたナターシャが入場。勝てばSPZベルトを持ったまま引退である。この試合、引退セレモニーを終えたばかりのエレン、そしてへレン、セミを戦ったばかりのデイジー、EWAの面々がセコンドに陣取る。市ヶ谷のセコンドはJRの芝田、フレイア鏡。まるで団体対抗戦だ。

―押して押しまくればそのぶんだけ有利。

市ヶ谷様、ナターシャ攻略のセオリーどおり、早めのデスバレーを繰り出し王者を追い込む、しかしナターシャ、ワンチャンスにかけていた。17分過ぎ、ナターシャがいきなり仕掛けた。

脱出不能STF!

館内悲鳴!悲鳴!悲鳴!

「ぐうっ・・・・」

「ギブアップしなさい・・・・あなた、死ぬわよ・・」

懸命に耐える市ヶ谷。3分ぐらいたっただろうか、ナターシャが息を吐いたのを見計らって腕のフックを外し、何とか脱出。
勝負をかけたSTFが外されてうろたえたのか、ナターシャ、直後に逆転のニーリフトを食らってしまってあっさり3カウントを喫した。

勝負タイム21分29秒、市ヶ谷にベルトが戻ってきた。

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SPZ世界選手権(60分1本勝負)

ビューティ市ヶ谷(21分29秒、ニーリフトからの片エビ固め)ナターシャ・ハン

第48代王者が2度目の防衛に失敗、B市ヶ谷が第49代王者となる

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敗れたナターシャ、市ヶ谷と握手して、さばさばとした表情で花道を引き揚げた。引退後はロシアでスポーツインストラクターになるらしい。

2007年12月23日 (日)

第290回 いまのあなたはこの程度

18年目 3月。「ファイヤーソウルシリーズ」開幕。

第6戦宇都宮大会、メインに組まれたのはあばしりタッグ戦。

エレン、ヘレンのニールセン一族に対するは元王者の成瀬唯、フォクシー真帆組。しかしニールセン一族の連係は挑戦者組の及ぶところではなく、28分29秒、合体パワーボムに力尽きた。

「フフッ、ベルトもったまま引退ねっ」

第7戦幕張大会、メインはSPZタック戦。

王者ボンバー来島、武藤めぐみ初防衛戦の相手はジューシーペア。昨年11月のタッグリーグではジューシーペアが勝っているので来島さんチームは厳しい防衛戦である。

―武藤さんにタッグベルトは先を越されたけど、絶対今日獲る!

先発を買って出たラッキー内田はボンバー来島に懸命にぶつかっていった。
5分過ぎ、マッキーを攻め上戸あぐねた来島さんが武藤にタッチ。

「いまだ潰すッ!」
単純な力勝負なら負けない。マッキー上戸が武藤をたちまちのうちに追い込んでゆく。
武藤たまらずボンバー来島にタッチ。しかしボンバー来島、上戸と大肉弾戦をやってのける。

「これでトドメだ!」

ナパームラリアットを食らったが、マッキー上戸、何とかブレーンバスターで反撃。そのあと這うようにしてラッキー内田にスイッチ。

しかしボンバー来島も意地を見せて内田を攻めこむ。

「ドオリャアーー!!」

フェイスクラッシャーでたたきつけて武藤にスイッチ。そしてー

「覚悟して」

ここでダブルインパクト発動。来島がラッキー内田を肩車で上げて、武藤がコーナー最上段からダイビングラリアット!

「うっ・・・」
頭からマットに突き刺さったラッキー内田、このあとのフォールを返せなかった。
「36分22秒、ダブルインパクトからの片エビ固めでボンバー来島、武藤めぐみ組の勝ち」

これで王者組が防衛に成功。

「くっ・・・そんな・・・」
ラッキー内田、呆然とした表情で控え室に戻った。

ー来島さんの動きは確実に落ちているし、武藤はまだまだ荒削り。勝機はあったはずなのだが負けてしまった。そしてなにより後輩の武藤にいくら合体攻撃とはいえ3カウントを許した自分が情けない・・・

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最終戦さいたまドーム大会。
第1試合はフォクシー真帆対野村つばさ。14期生のフォクシーが3分で新人の野村をたたきつぶした。

第2試合はライラ神威対ギムレット美月。きょうはライラ、どこから手に入れたのかフレイル(とげ付き鉄球)を振り回しながら入場。

「オラ!かかってこいやコノロートル!」

ラフファイトで悪の限りをつくすライラ。最古参のギムレット美月をあっという間に追い詰めてゆく。しかしギムレット美月も一発を狙っていた。

「勝率30%上昇修正」

ドラゴンカベルナリア発動!しかしロープに近い。このあとライラ神威が猛反撃。

2度目のタイガードライバーでギムレットを半失神に追い込んだあと、大声で必殺技の名を叫ぶ。

「トムラウシ!」

肩に担いでそのままデスバレーの要領でたたきつけた。ライラ神威のキラームーブ、トムラウシからの片エビ固めで10分3秒、選手会長を破壊。

第3試合はジューシーペア対芝田美紀、フレイア鏡組。ドームクラスのメインをも飾れるカードが、編成の都合で前半戦にまわされた。それでも次期タッグ挑戦権のことを考えるとお互い負けられない。しかし勝利への執念が上回ったのはジューシーペア。

―バラ軍団を潰す。そしてもっぺんタッグベルトに挑戦する。
マッキー上戸がブレーンバスターで芝田を追い詰める。そしてバックドロップ!しかし2.8で返す芝田。

「合体いくぜ!」
ラッキー内田を呼び込んでの合体パワーボム!これで芝田の息の根を止め、25分50秒の激戦を制した。

休憩明け、第4試合は武藤めぐみ対氷室紫月のシングルマッチ。注目のカードである。

SPZタッグ王者になった武藤でも16期生の氷室の壁は厚い。グラウンドではまだまだ氷室のほうが上、一方的に攻め込まれて、そしてスリーパーホールド。氷室が時たま見せる魔性のスリーパー、痛め技とかつなぎではない、本気で落としにかかっている。ファンもそれを分かっていて歓声と悲鳴が交錯する!

武藤の顔から血の気が引いてゆく。

「あの、武藤さん、その、参ったしたほうがいいと思うんだけど・・・」

伊達遥レフェリー(33)が困った顔で降伏勧告をささやく。若手選手はレフェリーにこういわれたらギブアップしろと会社から指示されている。

「・・・・・・・・・・」

しばらくは耐えた武藤だったが、ついに伊達レフェリーの手を叩いてギブアップの意思表示。伊達レフェリー、サッと右手でゴング要請のサイン。

「・・・運命を感じる」

「ウ・・・ゲホッ・・・ゲホッ」

スリーパーを解かれた後、咳き込んで苦しむ武藤。派手な技で決めなかったのは氷室なりに「いまのあなたはこの程度」とメッセージを送っているのか。

勝負タイム12分27秒、羽山リングドクターまでリングに上がって、ドームはちょっとざわついたが、武藤、数分横たわっていたものの、ふらふらと起き上がって、自分で歩いて退場した。

―この悔しさ、絶対忘れない。

(さいたまドーム大会、後半はEWA勢、二人のラストファイト。長くなるので続きます)

2007年12月22日 (土)

第289回 カムイエクウチカウシ!

18年目2月

ここまでのあらすじ

横浜のお嬢様プロレス団体「SPZ」は日々熱い闘いが繰り広げられた。そんな中、SPZタッグ王座をめぐる戦線で異常発生。ジュエルローゼスやジューシーペアを差し置いて、ボンバー来島さんがデビュー半年の武藤めぐみとタッグを組んで、タッグベルトを奪取してしまった。吼える来島さん。なんで武藤めぐみがタッグベルト取れるんだと忸怩たる表情の16期生3人。SPZにまた新しい火種がががが。

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そして2月シリーズ最終戦横スペ大会。いつもどおり超満員の盛況。

第1試合はキューティー金井対EWAの新人、ムーンシンガー・ミラー。ムーンシンガーはまだまだ荒削りな面の目立つレスラーだが、それでもアイドルレスラー相手だと強い。キューティーもノーザンを繰り出すなど健闘したが、最後はコブラツイストにギブアップ負けを喫した。第1試合から勝負タイム24分25秒と好勝負。

第2試合はフォクシー真帆、成瀬唯対ギムレット美月、野村つばさのタッグマッチ。選手会長ギムレット美月の裏投げ、ドラゴンカベルナリアの責めに苦しんだ成瀬組だが、

「もうあきらめろ」
フォクシーのパワーボム炸裂、

どぉーん。

ギムレット美月返せず試合終了。元AAC王者がこのクラスの相手にも負けるようになってきた・・・

第3試合はマッキー上戸対フレイア鏡。寝かせればフレイア鏡、立ち技ではマッキー上戸が有利。力のこもったいい勝負が展開された。しかし最後はリング中央でストレッチプラムを決めたフレイア鏡が先輩の意地を見せてギブアップ勝ち。勝負タイム20分40秒の激戦。その試合が終わると休憩。

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カン、カン、カン・・・・

休憩明け、「アメジスト」がかかり、SPZタッグ王者になった、武藤めぐみ入場。どことなく哀調を漂わせる旋律なのだがそれがかえってファンを沸かせる。

対戦相手は17期生のヒールレスラー、ライラ神威。「COLLECTIVE」が流れる中、なんとチェーンソーを振り回して入場。試合前から観客を恐怖のドン底に陥れる。

ぶいーん、ぶいぶいぶいーん。

「天才姫だかなんだかしらねえがぶっ殺してやるぜぇ!」

そしてゴング、昨日タッグ王座を獲った武藤へのジェラシーがあったのだろう、先手先手と攻めて行って、力のこもったタイガードライバーを連発してゆく。

しかし武藤もムーンサルトで反撃、カウント2.5で返すライラ神威。両者ダウン。若手同士の好勝負に場内拍手。しかし・・・

「カムイエクウチカウシ!」

さきに立ち上がったライラ神威、武藤を担ぎ上げて、観客にアピールしてからスプラッシュマウンテンの要領で垂直落下。ライラ神威の新技、カムイエクウチカウシが初公開。

「・・・ああああっ!」

武藤、薄れる意識の中、かろうじてカウント2.9で返したがすでに目は死んでいた。、ライラ神威、引きずり起こして掌底、鼻に命中、血を滴らせながら前のめりにダウンする武藤。ひっくり返してカバー、これでカウント3が入った。勝負タイム12分40秒。

「もっと強い相手を用意しな!」
またチェーンソーをぶいぶいぶいーんと震わせながら引き揚げるライラ神威。

「解説の吉田さん、ライラ選手がものすごい気迫でしたね」

「んー、まあ昨日、武藤がタッグチャンプになってしまいましたからね、嫉妬心があったんでしょうね、でも武藤はここで負けていいクスリになったと思いますよ」

セミ前、第5試合はボンバー来島対ラッキー内田のシングルマッチ。力の来島さんとレスリングセンスの内田の戦い。

しかしボンバー来島は打たれ強い。多少の攻撃では岩のような身体、びくともしない。しかもタッグベルトを奪還して勢いに乗っている。

ーふつうにやれば、あたしはまだ負けない。

終盤、ラッキーキャプチャーZでひやりとしたが、最後はダイビングプレスでふらつかせての裏拳で勝利。勝負タイム17分45秒。

「完全に力負けしました・・・もっとパワーアップして出直してきます・・・」

セミファイナルは6人タッグマッチ。ビューティ市ヶ谷、芝田美紀、ロイヤル北条のジュエルローゼス3枚看板がアリス・スミルノフ、エレン・ニールセン、へレン・ニールセンのEWA軍3人と激突。だがこのカードはジュエルローゼスのほうがどう見ても優勢。10分でビューティ市ヶ谷がエレンを始末して終了。

そしてメインイベントはSPZ選手権。王者ナターシャ・ハンに挑むのは16期生の氷室紫月。
だがやはりレスリングセンスではナターシャが何枚も上。氷室、手数を返せないままズルズル追い込まれてゆく。そしてDDTからドラゴンスリーパーで氷室、グロッキー状態に。そして2度目のドラゴンスリーパーで終了。勝負タイム19分35秒、ナターシャが初防衛に成功。3月に引退予定のナターシャ、このままベルトを持ち逃げしてしまうのか!

「やっぱり市ヶ谷さんに託すしかないか・・・」
本部席で今野役員はぼそりと呟いた。

2007年12月21日 (金)

第288回 ボンバー来島の咆哮

18年目2月

そして2月シリーズ「ウインターバトル2027」が開幕。メインはSPZのベルトを総取りしたEWA軍団に、SPZ最大派閥のジュエルローゼス、16期生のジューシーペア+氷室、キラーマシン軍残党がかわるがわるタッグでぶつかるカードが組まれた。

第4戦岐阜大会、メインはボンバー来島、武藤めぐみ、ギムレット美月 対 ナターシャ・ハン、エレン・ニールセン、ヘレン・ニールセンの6人タッグマッチ。

―最後の地元かもしれませんね。

ギムレット美月はEWA軍に懸命にぶつかっていったが、なんとチームリーダーの来島さんが脇の甘さを露呈し、ヘレン・ニールセンのノーザンを食らってフォール負けしてしまった。場内ええええ!の声。

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第6戦、和歌山大会メインはあばしりタッグ戦。王者のエレン・へレンのニールセン一族に挑むのは17期生のライラ神威、10期生のギムレット美月。ある意味、予測不能のカード。

「くっくっく・・・あたしのこぶしが血を見たいって騒ぐんだよぉ!」

なにしろSPZ始まって以来の本格ヒール、ライラ神威である。だれもタッグを組みたいという選手はおらず、選手会長がパートナーを務めざるをえなかった。

「なんか最近の私は便利屋って言うか、ネギみたいな使われ方ですね」

「COLLECTIVE」がかかり、観客をあおりながら入場するライラ。そのあとからゆっくりギムレット美月が入場。そしてゴング。

「ふっ!」
ヘレンのラリアットを良く見てキャッチし脇固めに切返すギムレット。このあたりのうまさはさすがだ。

だが連携では血のつながっているニールセン一族のほうが数枚上手。そうなると個々の力で応戦するしかないのだが、ギムレット美月、動きが全盛期に比べかなり落ちている。ニーリフトで苦悶の表情を浮かべる。

「ヘボ会長!とっとと戻って来い!」

7年先輩を先輩とも思わぬ言動でライラが檄を飛ばす。なんとかライラにタッチしたが、ヘレン・ニールセンのニーリフトが連発で火を噴く。そして最後はやっぱり、ギムレット美月がつかまってしまい、合体パワーボムに3カウントを奪われた。

「ナイスファイト!いい試合だったわ!」

笑顔で引き揚げるニールセン一族。しかしー
「けっ!使えねえヘボロートルがぁ!」

ライラ神威はうずくまる25歳の最古参レスラーにストンピングを見舞ってから引き揚げた。勝負タイム28分53秒。王者組が2度目の防衛に成功。

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翌日の第7戦長野大会メインではSPZタッグ戦、ナターシャハン、アリス・スミルノフに挑むのはボンバー来島、新人の武藤めぐみ。新人がSPZタッグタイトルマッチに抜擢されるのは異例のことである。

「いいか武藤、やるからには気合だぁ、勝ちに行くゼェ!あのロシア人どもを叩きのめしてやろうぜ!」

「・・・(ボソッと)来島さんとじゃ勝てないと思う」

対するEWAチームは自信満々。

「ククククク、なんだー、今回の相手はやけに弱そうだな・・・」

「関節がきしむ音をいやというほど聞かせてあげる・・・」

そしてゴング。
「先発はあたしだ。しばらく暴れるからそのあと頼む」

「・・はい。」

10分過ぎに武藤リングイン、ナターシャ・ハンにも臆せずローリングソバットを叩き込んでゆく。が、アリスのパワーには力負けし、たまらずボンバー来島にタッチ。そして来島さんがナターシャと熱い攻防を繰り広げる。

「これでとどめだっ!」

ボンバー来島、ナパームラリアット発動!!

「がふあっ!」

いくら動きが落ちているとはいえ、ボンバー来島の丸太ん棒の腕から繰り出されるラリアットの威力は変わらない。衝撃で吹っ飛んで頭からマットに落ちるナターシャ。

「武藤!逆カット!」
「・・・はい」

武藤がスッとリングインし、アリスを組みとめてカットを阻む。しかしナターシャ、カウント2.8で返す。ドドドドドド。

「ちっ・・・しぶといヤツ、これで終わりだッ!!」

しかしボンバー来島あわてず、トドメのフェイスクラッシャー。これで顔面を強打したナターシャ・ハン、このあとのフォールは返せなかった。

「23分34秒、フェイスクラッシャーからの片エビ固めでボンバー来島、武藤めぐみ組の勝ち」。

「!!!」

リング下で試合を見ていたジューシーペア、氷室の表情が凍りつく。いくら来島さんのパワー殺法がツボにはまったとはいえ、デビュー8ヶ月の武藤がタッグ王座をもっていくとは・・・

「やったぞぉぉぉぉ!」

ボンバー来島吼える。菊池理宇の引退後はパートナーに恵まれず、またシングル戦線ではB市ヶ谷との相性の悪さゆえ、挑戦権もあまり回らず、地方興行では前半の試合に回されることも多くなったが、腐ることなく練習を続け、まだまだ一流レスラーであることを彼女は自らの手で証明した。

武藤めぐみ、デビュー8ヶ月でのタッグ王座戴冠は最短記録。

「まだまだ、今度は自分の力で取って見せるわ」

2007年12月20日 (木)

第287回 18年目1月 山梨カイメッセ大会

18年目1月

「新春ロケットシリーズ」最終戦は山梨カイメッセ大会。最終戦でタイトルマッチも組まれているので大日本テレビのカメラが入り、超満員の盛況となった。

「おかげ様で女の子が産まれました。母子ともに元気です。居ない間いろいろありがとうございました。」

この日から奥さんの出産に立ち会うため休んでいた今野役員が現場復帰。さっそくグッズ売り場に立った。

午後6時30分、いつものように試合開始。

第1試合はキューティー金井(12期)対野村つばさ(18期)。アイドルレスラー同士の対戦だが、キューティー金井はSPZで6年もまれてそれなりの腕を持っている。あっさり5分56秒、キューティーがバックドロップで勝利。

第2試合はフォクシー真帆(14期)対成瀬唯(15期)。

「シャーーーーーー」

「はいはいっと、ワンパターンな攻めやな・・」

フォクシーの突進をかわす成瀬。実力的には互角の両者だが、右腕に狙いを絞った成瀬が脇固めをしつこくかけ続けて、24分38秒、ついにギブアップを奪って終了。

休憩前第3試合はギムレット美月対武藤めぐみ。10期生のギムレット美月が新人の武藤と対戦。武藤もショルダータックルやローリングソバットなどでギムレットと互角に渡り合う。しかしギムレット美月には古参としての意地がある。

―こっちは小川さんや伊達さんと戦ったこともある。デビュー半年の選手に負けるわけにはいきません。

―ギムレット美月、うまく武藤を組みとめて裏投げ炸裂、カウント2.5で返す武藤、
しかしー

―このレベルでとどまっちゃいけない。この人を倒してもっと上へ行く!
武藤めぐみ、アームホイップで転ばせて、コーナー最上段に登って、
初公開、ムーンサルトプレス!

ワン、トゥ、スリー!12分18秒、武藤がこれでギムレット越えを果たした。
「まだよ・・・もっと強くならないと」

************************

第4試合はボンバー来島(11期)、氷室紫月(16期)対デイジー・クライ、ドスカナリブレのタッグマッチ。ボンバー来島がひとり格落ちのドスカナを捕らえ、16分52秒、裏投げで勝利。

セミ前はビューティ市ヶ谷(13期)対ラッキー内田(16期)のシングルマッチ。SPZ女王の座から転落して再起を図る市ヶ谷、この日はラッキー内田を一方的に攻める。来島以上のパワーとレスリングセンスを兼ね備えているのだから普通のレスラーはまず勝てない。最後はニーリフト、パイルドライバー、フィッシャーマンバスターとたたみかけて終了。勝負タイム13分3秒。

―勝てなかった・・・
ラッキー内田、シングルでのトップ戦線に名乗りを上げようとしていたのだが、やはり市ヶ谷様の壁は厚かった・・・

セミファイナルはロイヤル北条対マッキー上戸。力のこもったぶつかりあいが続いたが、最後はロイヤルスパイク(変形DDT)一閃。11分30秒、ロイヤル北条が勝利をおさめた。

メインイベントはSPZタッグ戦、王者チーム芝田美紀、フレイア鏡に挑む今回の挑戦者はロシアンコンビ、ナターシャ・ハン&アリス・スミルノフ。

「最後の大暴れネ」
EWAの猛者2人がジュエルローゼスに襲い掛かる。勝敗の分かれ目はアリスのバックドロップ。芝田の頭がえぐい角度でマットへ。

「うう・・・っ」

これで頭を打ってしまった芝田は戦線離脱。あとはフレイア鏡がローンバトルを強制されてしまい、最後は合体パイルドライバー2連発にやられてしまった。勝負タイム28分53秒、ナターシャ・ハン、なんとSPZタッグ王座も強奪。

「井上サン、悪いワネ!ベルト貰っちゃって」
ナターシャ・ハン25歳、3月いっぱいでの引退をEWAサイドには申し入れている。最後の執念がSPZ2冠奪取に結びついたか。

2007年12月19日 (水)

第286回 100000AP達成

18年目1月。
成瀬唯のファンクラブが結成された。関西ど根性ファイターっぷりが人気を呼んだか。

「おお、ついにやったか・・・」

バランスシートを見て今野経理担当役員が歓声をあげた。
SPZの保有資産がとうとう100億円(10万AP)を突破した。18年前に3億えんを元手に立ち上げた会社はここまで大きくなったのである。

1月シリーズの初戦は新日本ドーム大会、いつもどおり超満員のファンで埋まった。

セミ前からは恒例の3大シングルマッチ。まずは16期生同士のシングルマッチ、マッキー上戸対氷室紫月。

「これで決まり。」
氷室紫月のドラゴンスリーパー。これでマッキー上戸はたまらずギブアップ。

セミファイナルはラッキー内田対デイジー・クライ。

デイジーの重い蹴りに苦しんだ内田だったが、最後は逆襲のラッキーキャプチャーZ(ドラゴンカベルナリア)。これでラッキー内田、EWAのナンバー2を撃破した。

メインイベントのSPZ選手権はビューティ市ヶ谷対ナターシャ・ハン。

前回の市ヶ谷長期政権を陥落させたのがナターシャ・ハンだったので今回も番狂わせが期待されたが、ことし最初のファイトということで市ヶ谷も力のこもった攻め。しかしナターシャも執拗な逆片エビで前回の悪夢を思い出させ、館内に悲鳴を上げさせる。そして20分過ぎ・・・
「骨がきしむ音を聞かせてちょうだい・・・」
ナターシャ・ハン、リング中央で市ヶ谷の警戒が緩んだ隙を見逃さずSTF!
正月早々、ファンのおとそ気分を覚ます異様な興奮に包まれた。市ヶ谷がもがけばもがくほど極まってゆくのが恐ろしいところ。

「ギブアップ・・・」

-24分51秒、STFでナターシャ・ハンの勝ち。

ビューティ市ヶ谷、またしてもナターシャにしてやられた。王座防衛に失敗。

しかし25歳でSPZ最高峰のベルトを取ってしまうのだからナターシャ恐るべしである。

「私が何年日本でヤッテルとお思いですか、向こうの技は全部知っテルから。勝つパターンハ事前に考えていた。だが市ヶ谷も強い。今日はたまたま向こうがミステークを犯しただけだ。」

ナターシャ、常連外人のプライドのにじみ出たコメント。

「そんな、このわたくしが・・・」

ビューティ市ヶ谷呆然。関節技が危ないとわかっていてはまるのだから悔しさ10倍である。

2007年12月18日 (火)

第285.9回 MITSUKI GENOME 偽装タッグ対決

引き続き18年目12月時点での完全妄想作話

「MITSUKI GENOME」

「ミツキ・ゲノム」メインイベントはMGF(ミツキ・ゲノム・ファイトクラブ)世界タッグ王座決定戦。まずタイタン有明の館内に流れたのは「サンライズ」。場内ええええの声。

「赤コーナー、岐阜が生んだブレーキの壊れたダンプカー、ミツキン・ハンセン!」

ーいっぺんこんなこと、やってみたかった。

テンガロンハットをかぶってブルロープをぶん回しながらリングイン。ご丁寧にドクロをかたどったベストまで着込んでいる。ギムレット美月の身体を張った芸にタイタン有明のファンは笑い転げた。

「お気をつけくださいお気をつけください!」

あおる村越リングアナ。そしてこんどは、「移民の歌」がかかり・・・

「赤コーナー、広島が生んだ超獣、ブルーザー麗子!」

「ウォッウォッウォッ!!」
もう無茶苦茶。チェーンを回しながらブルーザー麗子が入場。もちろん正体はこの間現役引退したばかりのビーナス麗子だ。こちらはシューズとかつら以外はふだんのビーナス麗子のコスチュームを流用している。SPZにまさかの超獣コンビ参上。場内は笑うしかなかった。

当然青コーナー側もろくな者ではない。

「アイアンマン」がかかり、ラッキー内田とマッキー上戸・・・ではない。顔面にペイントを塗りたくって髪を後ろへ流し、鎧のコスチュームを装備したマッキー・ウォリアーと、ラッキー・ウォリアーがリングイン。
「ジューシー・ウォリアーズ!」
舌を出して観客をあおりまくる2人。普段タッグを組んでいるだけに息はぴったりだ。
もう無茶苦茶。

「レフェリー、菊池理宇」

そのあと立会人のスターライト相羽が認定証の読み上げ。そのあとこの日のために作られた「ダンボール製ベルト」がお披露目される。場内失笑。

「ファイッ!!」

いきなり4人が殴りあう展開。こういう展開になるとマッキーが強いが、超獣コンビも年季の入った同期コンビらしく絶妙の連係。なんと乱戦の中、ブルーザー麗子がマッキーウォリアーを持っていたチェーンで場外フェンスにくくりつけるというヒキョウな手を使う。(セコンドのキューティー金井が手助けした!)そしてリング上に残ったラッキー・ウォリアーを集中砲火。

ダウンしたラッキーへミツキン・ハンセンがエルボードロップ。当然かけ声も再現。
「ディー、ヤ!」

そしてセカンドロープからブルーザー麗子も飛んだ。ダイビングニードロップで追い打ち。こっちはカツラがずれるのを気にしてかあまり動けない。

救援に入ろうにもマッキーウォリアーはきっちりチェーンでくくりつけられており動けない。
「ウガアアアアア」
ふらつきながら起き上がろうとするラッキー・ウォリアー。しかしミツキン・ハンセンが左腕のサポーターをずらした。場内異様な盛り上がり。

ラッキーが起き上がるのやいなや踏み込んで、ミツキン・ハンセン、目いっぱいのラリアットを叩き込んだ!迫力はオリジナルに比べれば皆無だが、それなりに真剣だ。

「ウアーッ」
ダウンするラッキー。そのまま覆いかぶさって3カウント。
「7分20秒、ウエスタンラリアットからの片エビ固めで、ミツキン・ハンセン、ブルーザー麗子組の勝ち」
「うぃーーーーーーー」
ミツキン・ハンセンがロングホーンを掲げる。偽装超獣コンビがジューシーウォリアーズを撃破した。場内大笑い。

2007年12月17日 (月)

第285.7回 MITSUKI GENOME 第3試合・セミファイナル

年末進行でズタズタなので、完全妄想作話で引き伸ばし第3弾

MITSUKI GENOME 第3試合・セミファイナル

前回までのあらすじ

SPZが年末に行うファンサービス興行、今年はギムレット美月が完全プロデュースということで「MITSUKI GENOME」と銘打たれた興行。前座の2試合はOGやら裏方関係者がはちゃめちゃなファイトを繰りひろげた・・・

休憩明けの第3試合、いよいよ現役選手が登場。

タイガー・ジェット・真帆 VSミゲル・ナルセ
ほわーんとしたメキシコ音楽が流れ、金色の覆面をかぶったなぞのルチャドーラが入場。しかしコーナー最上段でのアピールでやってしまった。

「いてこましたるで~!!」

これで正体がばれてしまった。対するT・J・真帆はサーベル代わりなのか、バーベキュー用の鉄串を振り回しながら客席になだれ込んで叫びまくる!

「ハタリハタマタ!ハタリハタマタ!」

そのまま客席を徘徊した後ようやくリングに上がり、ここでゴング。裁くレフェリーは菊池理宇。

試合はミゲル・ナルセが軽やかな動きでT・J・真帆の攻撃をかわし続けて、脇固めで勝負をかけたのだが、力任せに外されてしまった。
「真帆の勝ちだ!」

タイガー・ジェット・真帆、パワーボムで弱らせてからなんと、偽装コブラクロー。ただの「首しめ」だ。

「うぐ、ぐるじい・・・っ」

たまらず成瀬は降参・・・・

「6分33秒、コブラクローでタイガージェット真帆の勝ち」

第3試合終了後、ここまで進行が早かったのでキューティー金井が場もたせのトークショー、さらに恒例のラッキーナンバー抽選会。チケットに記された番号で各選手が提供した豪華?景品が当たる。
ボンバー来島提供:鉄アレイ(持って帰るのが大変そう)
ラッキー内田提供:「麻雀地獄戦記GXW」(移動中に読んだと思われる)
マッキー上戸提供:トレーニングウェア
ギムレット美月提供:「テーピング入門」

そして、MITSUKI GENOME セミファイナル。

「PROBLEM」
セミファイナル、館内に流れたのは「スカイ・ウォーク」。

現れたのは怪しい覆面レスラー2人。体型からして正体はバレバレであった。

「ケンドー・キシマ!」「ザ・グレート・ヒムロ!」

対戦相手はSPZ18期の武藤めぐみ&野村つばさ。この新人2人はいつもと変わらないコスチュームで登場。

「オラオラオラー!」
ケンドー・キシマが殴りまくり。オリジナルを意識したのか、意識して打撃を多く混ぜて来る。グレート・ヒムロもセントーンやトペスイシーダを披露してファンを驚かせる。

最後は少々ぎこちない動きだったもののケンドー来島が野村つばさを捉えて飛びつき腕ひしぎ逆十字。これでギブアップ勝ちを収めた。勝負タイム12分22秒。

「井上霧子!試合終わったからタクシー呼べぇ!」

ケンドーキシマ、マイクパフォーマンスで無茶苦茶言って引き揚げた。

そしてメイン。ギムレット美月とビーナス麗子が演じる伝説タッグチーム。

2007年12月16日 (日)

第285.6回 MITSUKI GENOME 第2試合

18年目12月 12月30日タイタン有明

「MITSUKI GENOME」(続き)

第2試合 吉田龍子 VS 渡辺智美with X

今年の選手会興行はJRの4人が「ハワイで特訓合宿しますから」ということで不参加を表明し、ライラ神威も「仲良しこよしなんかやってられっか!」と拒否したのでOG連中の手を借りるしかなかった。

「・・・ったく、気分転換にもならない」
「赤い破片」がかかり、黒いスーツ姿の吉田龍子が1年ぶりにリングイン。場内大歓声に包まれた。

そのあと「悲しみの日本海」(渡辺智美デビューシングル)がかかり、売れないタレント渡辺智美が入場。5期生同期の因縁の対決は引退してからも続く。

「吉田龍子!あたしは紅白を辞退してまでこの日の試合に備えてきた!」

「そんな話聞いたことがねぇぞ」

どわははははは。

「と、とにかく、今日こそアンタの最期よ!出でよ!あたしが10万円を投じてつくりあげた戦いの化身、マーシャルボーグU!」

ぷしゅうううう。

場内にUWFメインテーマが流れる中、バトルアクション用のスーツを着て顔を青くペイントした謎の女戦士が現れた。ペイントと髪を染めているのでよく分からないが正体は上原今日子らしい。

「・・・バカバカしい・・って、上原さん!!」

異様ないでたちのマーシャルボーグUがリングイン。場内どよめき。ここで渡辺智美が赤い怪しい拡声器を取り出した。何をする気だ。

―ベイダーハンマー!

渡辺智美が拡声器で指示するやいなやマーシャルボーグが吉田に襲い掛かり、ベイダーハンマーの嵐。ものすごいラッシュだ。

「ちょ、うわっ!」たじろぐ吉田龍子。

「ヒャーハハハハ、マーシャルボーグには世界中のあらゆる格闘家の動きをインプットしてあるのだ、わーハハハハ、じゃあ次いくわよー」

―地獄突き!。

渡辺智美が拡声器で指示するやマーシャルボーグ、右手で吉田龍子のノドをメッタ突き。恐ろしい戦闘マシーンだ。

「グ、ゲホッ」

ノドを押さえてもがき苦しむ吉田龍子。そして次に出した指示で場内は凍りついた。

―エメラルドフロウジョン!

渡辺智美が拡声器で指示するやマーシャルボーグ、吉田龍子を担いでそのまま頭からマットへ。現役を離れて5年近いので吉田龍子はこれで失神。

しかしここで吉田の弟子の菊池理宇が乱入。渡辺を殴り倒して拡声器を奪う。

「や、やめて、それは・・・」

どうやらマーシャルボーグ上原はこの拡声器の指示によって動くらしい。

ー んー、じゃあ、ジャイアントスイング」

マーシャルボーグU、ダウンしている渡辺の足を取ってジャイアントスイング。けっこう高速でぶんぶん回す。

「ああああれえええ~」

けっきょく15回転。渡辺智美もダウンしたままピクリとも動かない。しかしマーシャルボーグも目が回ってしまい場外でうずくまり活動停止。けっきょくここで両者ノックアウトの裁定が下された。場内のファンは失笑するしかなかった。この試合が終わると休憩。

**********************

(筆者より:年末進行で本編プレイが困難になっていますので妄想作話が続きます。)

2007年12月15日 (土)

第285.5回 MITSUKI GENOME

レッスルエンジェルスサバイバー プレイ日誌のようなもの
輝くエッセンシャル

(筆者より:年末進行でやばいので、WASをやってる場合ではないので、数日間は完全妄想話で引き伸ばしますとも、ええ。)

18年目12月 選手会興行「MITSUKI GENOME」
時に西暦2026年、12月30日、東京ベイエリアはタイタン有明。入り口看板には

「MITSUKI GENOME」

と書かれた大看板がががが。

「入場者1040名、客単価3,809円、売上額3,961,904円 計算どおりですね」
フロア中央にはいつものSPZの年季の入ったリングが置かれていた。きょうはSPZ選手会主催興行「ミツキ・ゲノム」である。

SPZは年末なら何をやってもいいという風土があり、ここ数年は「越年資金稼ぎ」の選手会興行とマスターズ興行が隔年開催される愚行が続いている・・・・当然カードは入場テーマが鳴るまで秘密。

「年末なのに・・・忙しい中・・来ていただいてありがとうございます」
選手会長ギムレット美月が挨拶。

「まあ・・そのなんです、きょうは年忘れらしいゆるいバトルをやりますので、笑ってください」

第1試合から驚愕のマッチメイク。男と女の真剣勝負。

第1試合:デンジャーゾーン若林 VS クラッシュ霧子

いきなり場内に昔の映画、トップガンの音楽「デンジャーゾーン」が鳴り響き、ジェット機のヒュウウウという音がとどろく。現れたのはTシャツに黒のショートタイツ、白いリングシューズ(水道橋のプロレスショップで買ったらしい)姿のおっさん・・・京スポ新聞若林太郎記者。宿敵・井上霧子との対決を前にやる気満々だ。セカンドロープをまたいでリングイン。リング上でストレッチまでする丁寧さ。

そして次に扇情的なテーマ曲「クラッシュ」かかかり、黒いジャンプスーツにグラサン姿のクラッシュ霧子がリングイン。そのままコーナーに登って黒いタオルを掲げる。これは壮絶な闘いになりそうな予感。特別リングアナは成瀬唯。

「青コーナー、SPZの影番、クラッシュー、きりーこー!」
「赤コーナー、京スポ新聞出身、デンジャーゾーン・わかばやしー!!」

若林記者白いTシャツを脱ぐ。ぽっこり突き出た腹がせくしぃ。
「レフェリー、伊達遥」
若林記者、リング上を軽快に歩いて、組み合うと見せかけて、

「だおおーう!!」
バックに回ってバックドロップ一閃。この記者、プロレス記者歴23年なのであらゆるプロレス技をいちおう知っている。クラッシュ霧子、きっちり受け身を取ったが苦悶の表情。
若林記者、さらに大きなモーションからゲンコツでクラッシュ霧子をなぐりつける。よろめいたところを組み付いて、
スモールパッケージホールド!
ワン、トゥ・・・

「・・・うまいじゃない・・・」
カウント3寸前で返すクラッシュ霧子。そのあともバックドロップとスモールパッケージを交互に繰り出しながら攻め続けるデンジャー若林。しかし5分過ぎに試合が動いた。

「ぎゃおおう~!!」
バックを取ったデンジャーゾーン若林に、クラッシュ霧子、右足を跳ね上げて容赦のない急所攻撃。悶絶してのた打ち回る若林。ようやく起き上がってくるところを・・・

「フザケンナ、エー、オラ!」
ヤクザキック一撃。そのままフォール。これでカウント3が入った。

「6分44秒、ヤクザキックからの片エビ固めでクラッシュ霧子の勝ち」

あわれ若林記者、急所攻撃が当初の打ち合わせの範囲を超えていたのか、担架で運ばれた。
「フザケンナ、エー、オラ!アイアム、キリコ!」

コーナーに登って勝利をアピールするクラッシュ霧子。素人相手に容赦のない勝ち方、ファンは笑うしかなかった。

第2試合は因縁の対決。5期生の怨念がまたも・・・(続く)

2007年12月14日 (金)

SPZスター選手列伝 021 菊池理宇

SPZスター選手列伝 21

従業員コード 24 SPZ11期生

ピュアダイナマイト 菊池理宇

2003年6月24日、宮城県仙台市出身。SPZの新人テストに合格し、11期生として2019年4月16日、釧路アリーナ大会での渡辺智美戦でデビュー。155cmの小柄な体格を持ち前のガッツでカバーする戦いで人気は上昇。また、吉田龍子が負けん気を見込んでコーチ役を買って出て、連日の特訓漬けで成長させたのは有名な話。

経験を積むごとに一つ一つの技に正確さ、重さが出てきて、EWA最強のナターシャ・ハンを破ってEWA世界王者に輝き、そしてボンバー来島を破って団体最高峰のSPZ世界王者にまで輝く。体格面でのハンデをものともせず、団体トップにまで登り詰めたその戦いぶりは多くのファンの胸を打った。タッグ戦線でも同期のボンバー来島とタッグを組み、あばしりタッグ王者、SPZタッグ王者に輝く。得意技はムーンサルトプレス、ミサイルキック。

2026年5月22日、横浜スペシャルホール大会での対 スターライト相羽戦で引退。 稼動月数86ヶ月、出場試合数(推定)602試合。

タイトル歴
第40代SPZ世界王者

第22代・第25代SPZ世界タッグ王者(パートナーはボンバー来島)

EWA世界選手権

初代あばしりタッグ王者(パートナーはボンバー来島)

第17回SPZタッグリーグ優勝(パートナーはボンバー来島)

写真集 1冊

今野役員コメント:
まさかこの小さな選手がSPZ世界王者、団体トップにまで登り詰めるとは誰も予想していなかった。とにかく負けん気の強い選手で、玉砕覚悟で飛び技を乱発するガッツの塊のような選手だった。彼女の得意技であるミサイルキック、ダイビングプレス、ムーンサルトプレスは威力抜群の反面、自爆も多く、それが選手寿命を大幅に縮める結果になり、2期上のS相羽と一緒に引退となってしまった。引退後はSPZに残り若手選手のコーチをしばらく続けるようだ。

2007年12月13日 (木)

SPZスター選手列伝 020 スターライト相羽

SPZスター選手列伝 20

従業員コード:020

「スターライト伝説」 スターライト相羽(SPZ9期生)

本名:相羽明子。2001年7月12日、石川県金沢市出身。SPZに第9期生として入門し、2017年7月16日、山口宇部大会の対マイトス香澄戦でデビュー。3度にわたる海外遠征を経て、あらゆるタイプのプロレスに対応できるスター選手へと成長し、新咲祐希子と組んでSPZタッグ王者に輝く。2023年1月にはついに団体最強のスイレン草薙を破ってSPZ世界王者に輝いた。得意技はタイガースープレックス。

2026年5月22日、横浜スペシャルホール大会の対 菊池理宇戦で引退。稼動月数107ヶ月、出場試合数(推定)811試合。

タイトル歴

第38代SPZ世界王者

第21代SPZ世界タッグ王者(パートナーは新咲祐希子)
第23代SPZ世界タッグ王者(パートナーはビーナス麗子)

第13代・15代・18代あばしりタッグ王者(パートナーはラッキー内田)
写真集 1冊

今野役員コメント:
SPZ9期生として採用し、未来のスター候補として3度にわたる海外遠征で育てられるなど会社からも期待された人材だったが、吉田龍子・永沢舞・H南・新咲祐希子といった上の世代になかなか勝てず、吉田龍子には引退シリーズでやっと勝てた程度で、会社もファンの期待も裏切り続けた。

吉田龍子引退後も1期上のスイレン草薙になかなか勝てず、ようやく勝てたのも場外キャプチュードというなりふり構わぬ手でやっと勝てた印象が強く、世代交代というよりマグレの産物という印象しか与えなかった。しかもやっと手に入れたベルトを翌月あっさり来島さんに奪われてしまい、会社とファンの期待を大きく裏切った。スイレン草薙の投げ技、ボンバー来島のラリアット、菊池理宇のムーンサルトなど、これはという勝ちパターンを持っていないことが響き、上位選手と対戦したときの勝率は低く、選手生活の晩年には外人選手やビーナス麗子ギムレット美月といった中堅どころにも負けだし、ファンの期待を(以下略)。

しかしこの脇の甘さが相羽ちゃんなんだとファンは認識しだし、次第に温かい声援が飛ぶようになった。憎たらしいくらい強いのもレスラーだが、等身大のヒロインとして、活躍していただいたと思う。引退後はSPZに残り、若手のコーチをしている。

2007年12月12日 (水)

第285回 ビーナス麗子ラストファイト:ビーナス麗子×武藤めぐみ

18年目12月 ビーナス麗子引退シリーズ(続き)

第7戦名古屋しゃちほこドーム大会。セミ前で10期生同士の最後のシングル対決。ビーナス麗子対ギムレット美月。

「ふっ!」

しつこくしつこくしつこくギムレット美月のスリーパー責め。ビーナス麗子のキックの切れ味を鈍らそうとしているのか。

「せいっ!」

しかしビーナス麗子も掌底で反撃、そしてショルダータックル。SPZでもの凄いメンツに囲まれながらも存在感を出してきた両者の意地がぶつかりあった。
先に勝負に出たのはギムレット美月、裏投げ炸裂。しかしビーナス麗子もダイビングプレスを炸裂させて意地を見せる。

―やはり最後は関節で決めるしかないですね。

ギムレット美月、ドラゴンスリーパー、ドラゴンカベルナリアを繰り出して潰しにかかる。何とかロープに逃げたビーナス麗子だったがすでに虫の息状態。

「はっ!」

ギムレット美月、トドメのギロチンドロップ。19分11秒、これでビーナス麗子は3カウントを奪われた。試合後、両者はリング上で2人で手を上げ、声援にこたえた。

名古屋大会メインは6人タッグマッチ。ビューティ市ヶ谷・ロイヤル北条・フレイア鏡のジュエルローゼスに対するは氷室ラッキーマッキーの16期生トリオ。市ヶ谷様がラッキーからムーンサルトでフォール勝ち。

*****************************

そして、シリーズ最終戦はさいたまドーム大会。

第1試合はキューティー金井対野村つばさ。

元祖アイドルレスラーのキューティーが攻め込む。ギロチンドロップはカウント2.9で返す意地を見せた野村だったが、フロントスープレックスで頭を打ってやられてしまった。勝負タイム6分53秒。

第2試合はフォクシー真帆対成瀬唯。普段はタッグを組んでいる両者だが、シングルで組ませると熱戦を展開する。しかしこの日はいきなり決まった。成瀬の脇固めにフォクシー悲鳴。13分0秒、ギブアップで決着。

第3試合は常連外人同士のシングル戦。ハイサスカラス対エレン・ニールセン。力関係からいってハイサスカラスが8分43秒、ミサイルキックで完勝。

休憩明け第4試合は、ジュエルローゼス対EWA軍の6人タッグ。芝田美紀・ロイヤル北条、フレイア鏡対ナターシャ・ハン、アリス・スミルノフ、ヘレン・ニールセン。いつも通りの熱戦が展開されたが、ロイヤル北条のロイヤルスパイクが13分11秒、ヘレンを退けた。

そして第5試合。
次の試合に登場するビーナス麗子選手はこの試合が最後のファイトとなります。ファンの皆様、より一層の声援をお願いいたします

まず対戦相手の新人、武藤めぐみが「アメジスト」に乗って入場。そのあとビーナス麗子のテーマ「toghther forever」がかかる。場内大熱狂。

さっさとあの生意気新人をけり倒してきますか!

ビーナス麗子、いつものように花道をにこやかに手を振りながら歩いて、トップロープをぴょこんと飛び越えリングイン。

「青コーナー、静岡県本川根町出身、むとー、めぐーみー」

「赤コーナー、広島県広島市出身、びーなすー、れいーこー」

最初で最後のシングル対決。
武藤めぐみが早めの勝負に出た。タックルで倒してダイビングプレス。

―組み立てが甘い、もっと弱らせてからそういう技は出さないと。

ビーナス麗子ヒザで迎撃。
「ぐわああ・・・」

マットを転げまわる武藤。

しかし武藤もただの新人ではない。体勢を立て直すや、ローリングソバットで追い込んでもう一度ダイビングプレス。今度は決まった。

―うわ、いったん場外へ逃げよう。

ビーナス麗子、場外へエスケープしたが武藤追って来て場外でアームホイップ、そしてスリーパー。
「ぐううう・・」
「中でやりなさいよ」レフェリーの井上霧子が声をかける。

ふらつきながらも、なんとかリングに戻ったビーナス麗子。しかし再度のローリングソバットで倒され、そして3度めのダイビングプレス!

ワン、トゥ、スリー!
「13分15秒、ダイビングプレスからの片エビ固めで武藤めぐみの勝ち」

「このくらい当然よ」
勝ち名乗りを受けるやスタスタと引き揚げる武藤めぐみ。

―何とかなると思ってたのに・・・新人にまで負けちゃったか・・・

ビーナス麗子、ゆっくり起き上がって一礼して引き揚げた。

セミファイナルはジューシーペア登場、対戦相手はボンバー来島、ギムレット美月組。やはり最後はひとり格落ちのギムレット美月が捕まってしまい、ニーリフトにフォール負け。勝負タイム20分56秒。

メインイベントはSPZ選手権、王者ビューティ市ヶ谷に挑むのは初挑戦の氷室紫月。

市ヶ谷様に誰を当てるかでマッチメイク委員会はもめたが、翌年以降のことも考えて若い16期生の氷室にチャンスを与えた。
しかし市ヶ谷強い。氷室も組み付いてグラウンド技を仕掛けようとするのだが、市ヶ谷、差し手を切って逆に投げ返す。
そして20分過ぎ、
「遊びはおしまいですわ」
ラリアット、そしてデスバレーボム、これで氷室は大ダメージを負った。そしてトドメはムーンサルトプレス。氷室これで3カウントを奪われた。
「オーッホッホッホッホッホ!私に勝とうなんて100万年早いですわ!」
24分29秒、市ヶ谷が5度目の防衛に成功。

******************************

そしてメイン終了後、ビーナス麗子の引退式。ビーナス麗子、大泣き、言葉にならなかった。見かねたギムレット美月がリングに上がり、二人でお辞儀をして、肩を抱いて引き揚げた。

ビーナス麗子、引退後はタレントとしてやっていくようである。一見アイドルレスラーのようだったが、メインやセミでの激しいファイトにも対応できる「かわいい名選手」がリングを去った。

ビーナス麗子(SPZ10期)

2018年4月15日の札幌キターアリーナ大会でのガイア小早川戦でデビュー。

2026年12月20日さいたまドーム大会での武藤めぐみ戦で引退。

稼動月数105ヶ月、出場試合数(推定)736試合

**********タイトル歴***********

第23代SPZタッグ王者(パートナーはスターライト相羽)

第11代・第21代あばしりタッグ王者(パートナーはギムレット美月)

第14代・第19代あばしりタッグ王者(パートナーは氷室紫月)

AAC世界選手権

写真集2冊

2007年12月11日 (火)

第284回 ビーナス麗子引退シリーズ

18年目12月

「もう限界なの・・くすん」
10期生のビーナス麗子が引退を表明。実力はともかく抜群のルックスで人気は凄いものがあっただけに惜しむファン多数。12月シリーズは「ビーナス麗子引退シリーズ」として行われることが発表された。

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初戦はどさんこドーム大会。ビーナス麗子は第4試合で12期生・キューティー金井とシングルで対戦。だが、ビーナス麗子の動きはそうとう落ちていて、アイドルレスラーのはずのキューティー金井に押し込まれる。それでもー
「これで決めちゃうから!」
数々の番狂わせを演じたハイキックで形勢逆転。これはなんとかカウント2.8で返したキューティーだったが、すかさずジャンピングニーを決めてカウント3。勝負タイム19分52秒。

どさんこドーム大会メインはSPZタッグ戦。王者芝田美紀、フレイア鏡に挑むのはタッグリーグ全勝優勝チーム、ラッキー内田、マッキー上戸のジューシーペア。

-10月のタイトル戦では負けた、11月のリーグ戦では勝った。きょうが決着戦ですね。

試合は先月先々月同様4名の持ち味が正面からぶつかり合う好勝負になった。

―連携ならこっちのほうが上だ!
ダブルのドロップキックを連発するジューシーペア。しかしJRもタッグ王者の意地。

芝田、裏拳でぐらつかせてのダイヤモンドキック。しかしマッキー上戸もパワーファイトで応戦。

マッキー上戸がスプラッシュマウンテンをフレイアに叩き込む。

しかし今日は芝田が怖い。ラッキー内田をきれいなノーザンでたたきつける。しかしジューシーペア、追い込まれたら無理せずパートナーにタッチする戦法で難を逃れる、

マッキー上戸のジャーマンがフレイア鏡をぐらつかせるが、ここでフレイア鏡が関節地獄コースで勝負に出た。

「しつこいと、嫌われますわよ・・・・」

ラッキー内田にストレッチプラム。1度目のトライはマッキーのカットに阻まれたが、芝田がうまく場外に投げ落としてて自らも追撃する。そして2度目のストレッチプラム!ラッキー内田、ついにギブアップ。王者組が51分51秒の死闘を制し、2度目の防衛に成功。

「あー、クソ、何で勝てねえんだ~!」

控室で叫ぶマッキー上戸。頭にタオルをかぶったままがっくりと肩を落とすラッキー内田。

―要するに芝田さんたちとの力関係はどっちに転んでもおかしくない状態なんだ。もっとパワーアップして勝てる要素を増やさないと・・・

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第2戦 仙台大会。ビーナス麗子の相手は15期の成瀬唯。しかしビーナス麗子が一方的に押しこまれ最後はドラゴンスリーパーにつかまってしまった。だんだんビーナス麗子の身体から、力が抜けてゆく。

「う・・・ギブアップ」
勝負タイム16分22秒。

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第3戦京都大会、ビーナス麗子は14期のフォクシー真帆と対戦。

―馬力だと負ける。なんとか蹴りを入れないと。
しかしフォクシー真帆、開始早々にパワーボムでたたきつける。ビーナス麗子、受け身は取ったのだがこれで動きがさらに落ちた。それでもハイキック、キャプチュードで反撃。しかしフォクシー真帆も2度目のパワーボム。しかしビーナス麗子カウント2.9で返す!
ドドドドドド!

「もうあきらめろ」
フォクシー真帆3度目のパワーボム狙い、場内悲鳴。しかしビーナス麗子、何とかリバースで返した、そしてー

がすっ!
ビーナス麗子2度目のハイキック。しかしフォクシー真帆、カウント2.9で返す。しかし頭に入ってしまったのか、フォクシー真帆起き上がれない。

ビーナス麗子、急場しのぎにギロチンドロップを決めて14分40秒、3カウント奪取。

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第4戦なにわパワフルドーム大会、ビーナス麗子、16期生の氷室紫月に一方的に攻め込まれてドラゴンスリーパーで敗北。

なにわパワフルドーム大会はひさびさの最強外人対決、EWA選手権はナターシャ・ハン対ハイサスカラス。チャンプのナターシャが意地を見せてSTOでカウント3を奪い防衛に成功。

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第5戦広島若鯉球場。12月の寒い時期だが球場にはビーナス麗子の最後の姿を見ようと多数のファンが詰め掛けた。

最後の地元凱旋となったビーナス麗子はセミで同期のギムレット美月と組んでジューシーペアと対戦。

「・・・私たちが勝てる確率は0.01%ですから、せいぜい好き勝手に暴れてきましょう」

タッグ戦戦でトップ争いを繰り広げている後輩、ジューシーペアに懸命にくらいついてゆく。
「ぐう・・っ」

ビーナス麗子、ラッキーキャプチャーに捕らえられギブアップ寸前まで追い込まれるがこれはギムレット美月がカット。このあと4人が入り乱れるお約束の乱戦となり、最後は合体パイルにパートナーのギムレットが沈んでしまい13分21秒試合終了。

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第6戦は九州ドーム、メインがあばしりタッグ選手権という弱いカード編成だったがなんとか営業力を駆使して満員になった。

ビーナス麗子は第3試合で新人の野村つばさと対戦。さすがにこれは楽勝で、5分34秒、ハイキックで文字通り一蹴した。

九州ドーム大会セミ前は芝田がダイヤモンドキックでナターシャ・ハンからシングルで3カウント奪取。しかしセミではロイヤル北条がハイサスカラスのムーンサルトに苦杯を喫した。

そしてメインはあばしりタッグ選手権。王者エレン・ヘレンのニールセン一族に挑むのは「頼れる姉御」SPZ選手会長・ギムレット美月と「円熟の妙」キューティー金井。ドームには「会長」コールがこだました。

―たぶん、タイトルマッチもこれが最後ですね。それにしても九州ドームのメインで組むとは思いませんでした・・・

いつものようにギムレット美月はじっくりとしたレスリングから入っていった。しかしニールセン一族もギムレット美月の技術を警戒したのか、場外ノーザンライトスープレックスという破天荒な技で早いつぶし。

「美月さん!」
キューティーの呼びかけに応じてダブルドロップキック。そのあとも奮闘したが、最後はヘレンのノーザンライトスープレックス、フロントスープレックスと投げまくられてジエンド。ギムレットは頭を打ったら無理はしないで負ける。勝負タイム28分34秒。

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控室のモニターでメインを見ていたビーナス麗子。

「あと、ふたつか・・・」

あさっての名古屋とその次のさいたまでレスラー生活が終わる。しかし名古屋では同期で戦友のギムレット美月との最後のシングルマッチが組まれている・・・

2007年12月10日 (月)

第283回 まあ優勝はできなかったけど、よくやったよ。

18年目11月 SPZタッグリーグ 後編

ここまでのあらすじ

横浜のお嬢様プロレス団体「スーパースターズプロレスリングゼット」は、毎年11月にタッグリーグ戦を行うのであるが、今年は団体最強のビューティ市ヶ谷が負傷欠場してしまったため混戦模様となった。そんな中、若い16期、ラッキー内田とマッキー上戸のジューシーペアが、順調に白星を積み重ねていった。

第7戦は幕張コンベンションホール大会。リーグ戦も佳境なので大日本テレビ中継が入った。

R北条○、R神威(10点、カカト落としからの片エビ固め)氷室、G美月×(4点)

 「北条選手とライラ選手のタッグは統制が取れてないようで取れてるんですよ。北条選手の度量って言うんですか、ライラ選手の悪役道へのプロ意識の高さは認めていますからね」

解説の吉田龍子現場監督が話す。

「あーっと、ロイヤル北条掌底乱打!厳しい攻めです、あーそして、カカト落としーっ!あー、しかし氷室2.5で返したっ」

 「北条選手気合はいってますねえ、市ヶ谷選手が抜けて奮起しているのがわかります」

「あーっと、ギムレット美月にもカカト落としーっつ、3カウント入った、入りました。解説の吉田さん、勝因は」
 「んー、まあ、やっぱり北条選手が気兼ねなくのびのびと戦ってますから。でもこのコンビがまだ1敗ですから優勝の可能性を残してます。よくやっていますね」

L内田、M上戸○(12点、ギロチンドロップからの片エビ固め 23.08)F真帆×、成瀬(2点)

「ジューシーペア、ここは確実に勝っておきたいですね」

 「んー、まあ油断しなければ負ける相手じゃないでしょう」

20分後、

「あーっと、マッキー上戸のギロチン落ちたぁ!ギロチン落ちたぁ、フォクシー返せるか、返せるか、だめだぁー、」

 「んー、フォクシーも成瀬も良く頑張ったんですけど、最後はマッキーがパワーで押し切りましたね」

ナターシャ○、アリス(4点、STF,14.20)デイジー、エレン×(2点)
優勝争いに絡まないこの一戦はダイジェストのみで放映となった。

B来島○、武藤(6点、パワーボムからのエビ固め22.57)芝田×、F鏡(8点)

「芝田組は正念場です、優勝の望みをつなぐためにはなんとしても勝たねばいけません」

 「んー、まあ、来島のパワーも健在ですから、難しい相手でしょうね、何とか来島をひるませて武藤を引きずりだすしかないですね」

「アーっと武藤、かろうじてアームホイップで反撃!来島にタッチー!おーそして来島怒りの咆哮!」

 「んー、これはいけませんね。武藤をつぶさないといけないのに・・・タッグマッチでは弱いほうを狙えといるのは鉄則中の鉄則ですよ」

「出たー、ボンバー来島2度目のパワーボム!フレイア鏡のカットは、アー武藤がしがみついて阻止―、芝田、返せるカー、だめだーーー!なんとタッグチャンピオン2敗め~、ボンバー来島、武藤めぐみ組に痛い敗戦!、この瞬間チャンピオンチームの優勝はなくなりましたーー!」

 「んー、いかんですね、チャンピオンは最後まで優勝争いにからまないと、まあ今日は沈まなかった武藤の頑張りをほめるべきでしょうね」

「これで優勝争いは全勝でジューシーペア、1敗でロイヤル北条、ライラ神威組が追う展開!それではこのへんで幕張コンベンションホールからお別れいたします。解説はSPZの吉田龍子さん、実況はわたくし、森でお送りいたしました」

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そして最終戦横スペ大会

デイジー○、エレン(4点、DDTからの片エビ固め17.24)R北条、R神威×(10点)

北条組が引き分けか負けでその瞬間メインを待たずしてジューシーペアの優勝が決まる。しかも相手は難敵・EWAオランダ軍。
「くらえー!」
デイジーの裏拳がロイヤル北条をたじろがす。たまらずライラ神威にスイッチ。最後はデイジーのハイキック、これがもろに入ってしまいライラ、マスク越しでもわかるくらい口からおびただしい流血。これはロイヤル北条がカットしたが、トドメのDDT。ライラ神威、最終戦で血の海に沈む・・・それでもライラ、タッグリーグ初出場で10点の成績は立派。

氷室、G美月○(6点、ドラゴンスリーパー 15.26)B来島、武藤×(6点)

来島が圧倒的パワーで攻めたが、一気に攻めきれずに武藤にタッチしたところで巧者、ギムレット美月が・・
「いまなら勝つ確率が高い!」

武藤にドラゴンスリーパー。タッグマッチでは弱いほうを狙えというのは鉄則である。

「ぬ、抜けられないっ・・うわああ・・・」
だんだん漂白されていく武藤めぐみの意識。これが旗揚げ世代と戦った者の意地である。
ボンバー来島がカットしようとしたが氷室が組み付いて逆カット。ついに武藤タップ。

6点に終わった来島、武藤組。控室で悔しそうにうつむく武藤に来島さんが声をかけた。
「お疲れ、まあ優勝はできなかったけどよくやったよ。」

ナターシャ、アリス○(6点、ラリアットからの片エビ固め 16.17)F真帆、成瀬×(2点)
若手チームが横スペのセミで闘うところまで来た。だが相手もEWAの強豪ロシアンチーム。徐々に押されていって最後は成瀬が沈んだ。館内はロシアコールに包まれた。

L内田、M上戸○(14点、ジャーマンSH 30.0)芝田×、F鏡(8点)

横スペ大会・メインイベント。優勝は決めたもののタッグ王座挑戦のためには負けられないジューシーペア。チャンピオンチームもこれ以上負けられないので白熱した。
「さぁ、これでトドメです!」
早い段階からダイヤモンドキックを打ってゆく芝田。マッキーも頭突きで応戦、2発目が鼻に入ってしまい芝田流血。そこを狙ってマッキー上戸バックドロップ!芝田大ダメージ。

しかし後を受けたフレイアも奮戦。ラッキー内田もラッキーキャプチャーZ,懸命に耐えるフレイア。4選手の死力をつくした激闘に沸いた。しかし激闘に終止符を打ったのは、タイムアップ寸前でマッキーが仕掛けたジャーマン!これでカウント3!

「全勝優勝ダァーッ!」
吼えるマッキー上戸。にっこり微笑むラッキー内田。ジューシーペアには賞状と金一封、副賞として「ノートパソコン」が送られた。準優勝は10点のR北条、R神威組が入り、例年通り賞状と副賞の「ももかん詰め合わせ」が贈られた。

2007年12月 9日 (日)

第282回 あたしたちはチームだ。

18年目11月 SPZタッグリーグ戦

第4戦鹿島大会。

R北条、R神威○(6点、タイガードライバー10.21)B来島、武藤×(4点)

予想のつきづらい無茶苦茶なカード。最後はライラが武藤を捕まえてラフファイトでいたぶったあげくタイガードライバーで幕。

「武藤、弱すぎだぁ! 話にならねえ!」

北条組まさかの3連勝。
「・・・・・」
悔しさか、武藤の肩は震えていた。

「武藤、気にすんな、今日は今日、明日は明日だ!」

ボンバー来島が声をかけるが、武藤はスタスタと控え室に入っていってしまった。
「け、最近の若いモンは・・・」

F真帆、成瀬○(2点、ストレッチプラム 13.40)デイジー、エレン×(0点)

デイジーの蹴りに苦しんだ若手チームだったが終盤に大逆転。成瀬がストレッチプラムでエレンからギブアップを奪い初日を出した。

L内田○、M上戸(6点、ラッキーキャプチャー17.15)ナターシャ×、アリス(2点)

「くたばれ!」
マッキー上戸の大技攻勢がナターシャを捕らえる。パワーボムはウラカンラナで返されたが、続いてスプラッシュマウンテン。これはアリス・スミルノフがカットしたが、すかさずラッキー内田に後を託し、自らはアリスを場外乱闘に引きずり込む。

ラッキー内田、落ち着いてマットに横たわるマグロ・・・もといナターシャをラッキーキャプチャーに捕らえてギブアップを奪った。

芝田○、F鏡(4点、ノーザンライトSH 30.0)氷室、G美月×(0点)

キーパーソンとなったのは団体最古参のギムレット美月選手会長。JRの攻めをしのいで氷室につなげるか、それともその前に沈んでしまうのか。

「会長!会長!会長!会長!」
茨城のファンがものすごい会長コール。

―動きが多少落ちても簡単にはやられません。私は小川さんや伊達さんともやったことがありますから。

旗揚げ世代と肌を合わせたことのある世代も、もう残り2人。意地でドラゴンカベルナリアも決めた、が、頼みの氷室がフレイアのストレッチプラムでフラフラになってしまう。そしてギムレットが孤立。芝田のノーザンに沈んだ。それでも30分戦ったボロボロの選手会長に大きな拍手が送られた。

「時間切れで逃げ切るつもりでしたが・・・ダメでした」

**********************

第5戦は宇都宮大会。
デイジー○、エレン(2点、ハリケーンラッシュからの片エビ固め 18.37)B来島、武藤×(4点)

試合前の作戦会議、来島さんが作戦を立てて耳打ちする。

「いいか、今日の相手はEWAの強敵だ、あたしが行けるところまで行くから、もしものときは頼む」

しかしEWAの猛者2人をひとりで相手するのはどう考えてもムリがあった。

「最後のお祈りは済んだか?」

デイジーのハリケーンラッシュ。そしてパイルドライバー。この猛攻で来島さんはのびてしまった。

孤立した武藤にもハリケーンラッシュ。ロー、ミドルでバランスを崩し、3発目のハイキックがまともに入り武藤失神。

「・・・あ、がっ。」

当然これでカウント3が入った。EWA軍が退場したあとも起き上がらない武藤、担架で運ばれた。きょうは宇都宮大会、リングドクターは来ていないので、吉田龍子現場監督の運転する車で病院へ運ばれた。ボンバー来島も病院へ同行。

「別に・・・来てくれなくても・・・」
「武藤!そんな言い方はないだろう!」

運転席から吉田現場監督が怒鳴る。しかし来島さん、

「馬鹿ヤロウ、あたしたちはチームだ。武藤がこんな目にあったのも半分は試合を作れなかったあたしの責任だ。」

「来島・・・さん・・」

氷室○、G美月(2点、スクラップバスターからの片エビ固め20.51)成瀬、F真帆×(2点)

氷室組20分余の熱闘を制し、ようやく初日を出した。

L内田、M上戸○(8点、ジャーマンSH 22.55)R北条、R神威×(6点)
全勝同士の一戦。

「ジューシーペアはやりづらい」ロイヤル北条がぼそりと。要するにマッキーの直線的パワーファイトのあとにラッキーの粘着質テクニカルレスリングに対応してゆくのは難しいのだ。こらえきれずライラにタッチしたところで勝負は見えた。最後はマッキーのジャーマンで幕。これでジューシーペア4連勝。マッキー上戸が吠える。

「このまま、突っ走るぞーーーー!!」

芝田○、F鏡(6点、ダイヤモンドキックからの片エビ固め 16.25)ナターシャ×、アリス(2点)

ナターシャ・ハン奮闘、裏投げでフレイア、芝田を投げる。しかし芝田には恐怖のダイヤモンドキックがある。この2連発を食らってナターシャ撃沈。

*****************************

第6戦は群馬大会。

氷室、G美月○(4点、合体パワーボム 17.46)デイジー×、エレン(2点)

昨日武藤を病院送りにした「EWAの怖いおねえさん」デイジーが今日もうなる。氷室の関節技を受けながらもニーリフト、裏拳でボコボコの刑。しかしタッチを受けたギムレット、目で合体技の指示を送り、合体パワーボム!これで終了。オランダチームはデイジーの出ずっぱりが敗因・・・

R北条、R神威○(8点、合体パワーボム 17.23)ナターシャ×、アリス(2点)

いかにライラ神威がラフファイトに長けていてもアリス・スミルノフ相手となると分が悪い。ひとまずロイヤル北条にスイッチしたが、北条もナターシャのマットさばきに大苦戦。たまらずライラに再スイッチ。これで終わったかと思ったが・・・

「ハハハハ、泣き叫びな!」
ナターシャを左手でスリーパーに捕らえると、右手でシューズの中を探り鉄製の凶器を取り出した。これでEWAの女王、ナターシャの額を一突き!滴り落ちる鮮血!!
「ウガアアア・・・」
これで戦意をなくしたナターシャ。EWAはシュート選手の多い団体なのでこんなギミックをやる選手は居ない。

「北条さんよ、連携!」

合体パワーボムでEWAロシア軍を下した。

SPZ所属選手が凶器攻撃に手を染めたのは、団体始まって以来はじめてのことである。

「人でなし!」
「そこまでして勝ちたいのか!」

前橋のファンは怒号。ナターシャ・ハンも常連外人なのでファンはけっこう多いのである。花道を引き揚げるライラとロイヤルに、絶対にやってはいけないことなのだが、ビールの紙コップやら弁当ガラなどが飛んでくる。

「物を投げないでください物を投げないでください」
「アーハハハハハハハ!アーハハハハハ!」

それでも観客をあおるライラ神威。心無い観客の誰かが食べかけていた、しめ鯖の直撃を受けても平然とした表情。

L内田、M上戸○(10点、ジャーマンSH 16.28)B来島、武藤×(4点)

けっきょく武藤は脳には異常はなかったものの大事を取って一晩病院に泊まって、翌日、吉田龍子現場監督の運転する車で、前橋へ向かった。しかしやはり精彩を欠くファイト。来島のフォローも続かず、マッキーのジャーマンに敗北した。

「やったぜ!」
ジューシーペア、破竹の5連勝。

芝田○、F鏡(8点、裏拳からの片エビ固め 19.49)F真帆、成瀬(2点)
SPZタッグチャンピオンチームが落ち着いた試合運びで若い2人を追い込む。成瀬もストレッチプラムを見せるなど大いに健闘したが、最後は裏拳1発で殴り倒して終了。リングに響く高笑い。

第18回SPZタッグリーグ戦、残り2戦の段階でジューシーペアだけが全勝。R北条組、芝田組が1敗で追う展開。(続きます)

2007年12月 8日 (土)

第281回 勝とうが負けようが、そんなの関係ねえ

18年目11月

SPZのマッチメイク委員会は夜遅くまで紛糾した。
恒例のSPZタッグリーグ戦。しかしまたもSPZ女王のビューティ市ヶ谷が負傷欠場。この選手案外怪我が多い。したがってタッグリーグのチーム分けは難航した。絶対エースの欠場、氷室と来島のパートナーの人選。マッチメイク委員会はああでもないこうでもないと揉めたが、

「夜おそくまで会議してもこういうのは難しいです。井上さんに一任しましょう」(今野人事経理担当役員)

「・・・そうですね、それがいいと思います」(ギムレット美月選手会長)

けっきょく、結論が出ないままSPZの影番・井上霧子に一任ということになってしまった。

その番、横浜某所の日本料理店「よこ川」で、今野役員と井上霧子が飲んだ。表向きは「カード編成打ち合わせ」として経費で落とそうというあさましい魂胆。

「ああ、市ヶ谷さんも書き入れ時のシリーズで休んじゃうから、北条さん誰と組まそうかしら」

「うーん」

そのまま飲んで午前0時が回った。

「今野さん、そろそろ帰ったら?電車なくなるよ、ひかるちゃん待ってるでしょう」

 「いや、カミさんは松本の実家帰ってます。年末、出産予定だから」

「えっ・・・・」

 「言ってなかったっけ?」

「・・ったく、この男は・・・まあ、飲みましょうか。」

***************************

井上霧子は明け方まで日本酒を飲みながら考えて「若手の育成を第一義に考えたので」下記の組み合わせを考えた。

■芝田美紀(12期)・フレイア鏡(12期) 組(JR・SPZタッグ王者)

タッグ王者で市ヶ谷様不在ということもあり本命。

■マッキー上戸(16期)・ラッキー内田(16期) 組(ジューシーペア)

やはりこのチームは外せない。対抗。

■ボンバー来島(11期)・武藤めぐみ(18期) 組

 「今回は武藤のために出るんだ、勝とうが負けようがそんなの関係ねえ」(来島さん談)

「ふーん、まあ、チャンスだと思ってやるわ。」(武藤めぐみ談)

■氷室紫月(16期)・ギムレット美月(10期) 組

 パートナーのいない氷室は選手会長と組ませた。

■ロイヤル北条(13期)・ライラ神威(17期) 組

市ヶ谷様欠場で代役はライラ神威が抜擢された。さすがにロイヤル北条も困惑の表情。

・・・・プロとして最善を尽くします」

「全員再起不能にしてやるぜ、ウェーッハハハァ」

■成瀬唯(15期)・フォクシー真帆(14期) 組

前あばしりタッグ王者、ついにタッグリーグ参戦がかなった。

■デイジー・クライ、エレン・ニールセン(EWAオランダチーム)

■ナターシャ・ハン、アリス・スミルノフ(EWAロシアチーム)

この8チームがタッグリーグを闘う。

第2戦岩手・盛岡大会からタッグリーグ戦、開始。

B来島○、武藤(2点、フェイスクラッシャーからの片エビ固め 12.11)成瀬、F真帆×

ボンバー来島がひとりでまとめてやっつけた。武藤出番なし!
「どうしてあたしの出番がないのよ!」

ナターシャ○、アリス(2点、ジャーマン 23.27)氷室、G美月×

いくらグラウンド上手の氷室とはいえサンボの鉄人のナターシャ・ハンが相手では分が悪い。しかもギムレットとのタッグはインスタントチームのそしりを免れない。それでもロシアンコンビと互角の戦いをやるあたりはさすがだったが、最後はギムレットがつかまってしまった・・

L内田、M上戸○(2点、スプラッシュマウンテンからのエビ固め 14.15)デイジー×、エレン

昨年全敗におわったジューシーペアだったが、この1年で長足の進歩を遂げ、今年は優勝候補にも挙げられている。初戦の相手はEWAオランダチーム。EWAの怖いおねえさん、デイジーの掌底にマッキー上戸流血。これで闘志に火がついたのか

「くたばれぇーーーー!」
スプラッシュマウンテン一撃。往時の吉田龍子を思わせる豪快な大技にデイジー撃沈。ジューシーペア、タッグリーグ戦初勝利。

R北条○、R神威(2点、合体パイルからの片エビ固め 30.0)芝田、F鏡×

予測不能のロイヤル北条、ライラ組。最初のうちは連携も何もなく好き勝手に暴れるだけ。中盤、ライラがダイヤモンドキック2連発を食らってしまうなど、危ないシーンがあったが、最後はなんとライラとロイヤル北条が意外にも合体攻撃・!合体パワーボムで弱らせてのダブルパイルドライバー。これでフレイアから3カウント。

「別に。タッグベルトもってのさばっている連中が気に食わなかっただけさあ!」

*****************************

第3戦は秋田大会。

R北条、R神威(4点、タイガードライバー12.28)成瀬×、F真帆(0点)

「ええ?どうしてアタシが北条のテーマで入場しなくちゃいけねえんだ?」
「それは北条さんのほうが先輩だし、格上だからよ」
井上社長代行が諭すが、

「ふざけるな!角だか序列だかしらねえが、そんなものはすべてアタシがこれからぶっ壊すんだ。」

試合前に上記のやり取りがあり、SPZ裏方サイドは困り果てた。神威のプロ意識はここまで徹底している。この2人はタッグであってタッグチームでないのだ。

「ひとりずつ入場」案は時間がかかるしどちらが「後に」入場するかでまた揉め事になりかねない。かといってロイヤル北条のテーマ「Jive into The Night」と、ライラのテーマ「COLLECTIVE」との「2曲合体」は「あんまりです」とロイヤル北条が拒否ったので、けっきょく今野役員裁定で無関係の音楽「熱き星たちよ」で入場する羽目になった。

試合のほうは若手コンビを一蹴して終了。
試合後またしてもライラががなる。
「何であたしのコールが北条よりも前なんだ!気に入らねえ!」

B来島○、武藤(4点、合体パワーボムからのエビ固め14.18)ナターシャ×、アリス(2点)

7分過ぎに待望の武藤登場。アリスのパワーに苦しみながらもローリングソバットで反撃。ナターシャにもドロップキックをぶち込む強心臓の武藤。デビュー5ヶ月目とは到底思えない。最後はなんと合体技、合体パワーボムが炸裂し、ナターシャから3カウント奪取。

「いやぁ、武藤はよくやってるよ、外人にも物怖じしないからね」

「別に、当然でしょ」

L内田○、M上戸(4点、14.23ラッキーキャプチャー)氷室、G美月×(0点)

16期生3人がセミのリングに会す。
「どらぁっ!」
マッキーの強烈ヘッドが氷室をたじろがす。そしてスプラッシュマウンテン!氷室は戦闘不能状態に・・・孤立したギムレットをラッキー内田が料理した。タッグチームとしての完成度の差が出たか・・・

芝田○、F鏡(2点、ノーザンライトSH,19.35)デイジー、エレン×(0点)
初戦で苦杯を喫したチャンピオンチーム。この日はEWAの強豪チームと対戦。弱いエレンに狙いを定めきっちり白星ゲット。

第18回SPZタッグリーグ戦、リーグ戦2試合を消化してトップはR北条組、B来島組、そしてジューシーペアの3チーム。

(続きます)

2007年12月 7日 (金)

第280回 ジューシーペア死闘60分

18年目10月

10月シリーズ「秋のバトル・カデンツァ」開幕。

第5戦は金沢大会。メインであばしりタッグ戦。フォクシー真帆、成瀬唯組に挑むのはエレン・ヘレンのニールセン一族。SPZでの戦い方を熟知している常連外人2人、強敵である。悪い予感は的中し、ヘレンのパイルドライバーに成瀬が沈んでしまった。王者組、2度目の防衛に失敗。勝負タイム20分5秒。

「・・・もっと、強なって、仕返し・・したるわ。」

第7戦神戸大会。メインは関西圏でひさびさ開催のSPZ世界選手権。王者ビューティ市ヶ谷に挑むのはAACのハイサスカラス。いまのSPZで市ヶ谷に勝てる確率がわずかにあるのは芝田美紀かボンバー来島で、芝田は先月ダメで来島は能力に翳りが見え出ししかも市ヶ谷様とは相性が悪い。ということで消去法でハイサスカラスに挑戦権を回した。

ハイサスカラスもムーンサルトを繰り出すなど健闘したが、最後は市ヶ谷が裏拳、パイルドライバーで意識を飛ばして、トドメはシューティングスタープレス。飛び技も私のほうが上だという強烈な意思表示。勝負タイム27分25秒、王者が4度目の防衛に成功。

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最終戦は新日本ドーム大会。メインのカードが斬新だったこともあり、超満員札止めの大盛況。

第1試合はフォクシー真帆対成瀬唯。あばしりタッグを失ったばかりの2人の対戦。

この二人は実力が拮抗しているので一進一退の攻防が続き、長引く傾向が強い。この日もお互い決め手を欠き。相譲らず30分時間切れドローとなった。

「―くっ。次こそいてこましたるわ」

成瀬唯は悔しさをあらわにして引き揚げた。

第2試合は外人同士の対決。ハイサスカラス対エレン・ニールセン。AACトップのハイサスカラスが必殺ムーンサルトで8分0秒、完勝。

第3試合はライラ神威対ビーナス麗子。
「ウァハハハハハハー!」
ライラが荒々しい攻めを見せて10期生のビーナス麗子をあっという間に追い込む。フィニッシュは強烈なスクラップバスターを出して元SPZタッグ王者のビーナス麗子から3カウントを奪った。その試合が終わると休憩。

第4試合は氷室紫月、武藤めぐみ対デイジー・クライ、ヘレン・ニールセン組。

デイジーの鋭い掌底で武藤が、ついで氷室が流血に追い込まれる苦しい展開。最後はデイジーの鋭いハイキックが氷室を捉え、苦し紛れに武藤にタッチした時点で実質的に終了。ヘレンのニーリフトで幕。

セミファイナルはボンバー来島、ギムレット美月のコンビがビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条と対戦。SPZ王座を守った昨日の勢いそのままに市ヶ谷様が猛攻。余裕の表情でギムレットにエルボーを打ち込んでゆく。

ボンバー来島、菊池の引退後はパートナー不在なのでタッグマッチでは苦しい展開。ビーナス麗子やギムレットでは力不足、武藤めぐみはあまりにも経験不足とあって適当な人がいない。

―だったらアタシがひとりで高慢ちき女の鼻をへし折ってやる!
だがジュエルローゼスの守りはテッペキ。だんだん来島さんは追い込まれていった。
「ウオオーー!!」
それでもナパームラリアットで反撃してギムレットにつなぐ。
「勝率30%上方修正」
なんとギムレット美月もドラゴンカベルナリア。さすがに市ヶ谷これはロープに逃げる。

「こしゃくな・・・」

市ヶ谷、ロイヤル北条にタッチ。そしてロイヤル北条も強い。かかと落とし2連発であっさりギムレット美月にフォール勝ち。それでも勝負タイム27分33秒、ドームのセミにふさわしいいい試合となった。

そしてメインイベント。SPZタッグ戦「CHEER UP FULL THROTTLE!」がかかり、ラッキー内田、マッキー上戸入場。これがSPZタッグベルト初挑戦。

―お嬢様軍団だか、おどる宝石だかしらねえが、ぺしゃんこにしてやるぜぇ!

―デビューから2年半、やっとここまで来た。タッグの頂点を獲る!

そのあと「セプテンバー」がかかり、芝田美紀、フレイア鏡のタッグ王者チームが入場。

20時33分、メインイベントのゴングが鳴った。
場内ものすごい内田コール。しかし芝田も掌底ラッシュでペースを握らせない。
「落ーちーろー!」
マッキー上戸が先に勝負に出てスプラッシュマウンテン、バックドロップでフレイア鏡を追い込み、合体パワーボム。

なんとかカウント2.5で返したフレイア鏡はフラフラになりながら、チームリーダーの芝田にタッチ。

「ほっ!」
芝田の裏拳は蜂のように刺す。マッキー上戸の勢いをこれで止めてしまう。代わって出てきたラッキーにも
「いきますわよ!」
ダイヤモンドキック炸裂。カウント2.8で返したもののラッキー内田は目の前が真っ黒になった。続くノーザンは何とかロープへ逃れた。

「マッキー!」
懸命にマッキーにタッチ。ここでマッキーパワーボム、カウント2.8で芝田返したが、

「これで終わりだっ!!」

マッキー上戸ジャーマン。これで決まったかと思われたが、しかし芝田叩きつけられた瞬間にホールドを外して場外へ逃げる!フォールを許さない。このあたりはインサイドワークのうまさ。

最後はラッキー内田とフレイア鏡がお互いぼろぼろになりながらの死闘。しかし集中力が切れなかったのはフレイアのほう。

「ハァ、ハァ・・・しつこいと嫌われますわよ!」

がすっ!

ハイキック炸裂。前のめりに崩れ落ちるラッキー内田、懸命にひっくり返してカバーするフレイア鏡。

―これはダメだ。
マッキー上戸、カットに飛び込んだが、

「させませんわ!」
芝田が組み付いて阻止

「ラッキーーー、返・・・もごっ」
叫ぶ口も芝田が手のひらでふさぐ。これでラッキー内田、カウント3を奪われた。

「60分0秒、ハイキックからの片エビ固めで芝田美紀、フレイア鏡組の勝ち」
―ドワアアアア!
精根尽き果ててマットに転がる4人。新日本ドームはものすごい歓声に包まれた。そして「エスピーゼット」コール。

「アーーーークソ、何であそこでジャーマンのグリップ切られちゃったんだ、ウアー!」
「・・・・取られたのは私。・・どんなに内容が良くても負けは負けだわ。」

ジューシーペアのタッグ王座戴冠はならなかった・・

2007年12月 6日 (木)

第279回 ギムレット美月死闘60分

18年目9月
マッキー上戸、ラッキー内田にファンクラブが。

そして18年目9月「秋爽シリーズ」開幕。ライラ神威が右足痛で欠場。

1試合目高知大会、武藤めぐみがプロ入り初勝利。同期の野村つばさをドロップキックで下した。

このシリーズ前半、メインは市ヶ谷様率いるお嬢様軍団ジュエルローゼスとラッキー内田マッキー上戸氷室紫月の16期生トリオが連日6人タッグで組まれた。結果は連日市ヶ谷様の高笑い。

第4戦香川大会メインで武藤めぐみが登場。ボンバー来島ビーナス麗子と組んで市ヶ谷様、ロイヤル北条、フレイア鏡と対戦。武藤めぐみ、JR(ジュエルローゼス)の猛者・ロイヤル北条にも臆せずタックルでぶつかってゆく。

―あのコ、将来恐ろしい存在になる・・・

井上代行は本部席で見ながらそう感じた。だが最後はJRのスキのない布陣に来島組が押されだし、結果的に出ずっぱりを強いられ来島が市ヶ谷のフィッシャーマンバスターにフォール負け。それでも21分49秒の試合を成立させ、メインの役割を果たした。

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「アナタの詳細データはインプット済みです」

第5戦岡山大会メインであばしりタッグ戦。

フォクシー真帆(14期)、成瀬唯(15期)に挑むのは「ギムキュー」ことギムレット美月、キューティー金井。ギムレット、キューティーともに実力に翳りが見え始めているが、王者組の2人は実力微妙。いい意味で4人の実力が拮抗しているので闘いは長期化した。

「・・・足もらいます。」
ギムレットのアキレス腱固めが成瀬を追い詰める。これはフォクシーがカット。

「UAAAAAAAA」

そしてフォクシー真帆も奮闘し、ギムレット美月を身体ごとぶつかるネックブリーカーで追い込む。そして4人が4人とも疲労困憊し動きが鈍くなっていって、ついに60分時間切れドロー。あばしりタッグ戦では初の事態。

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あばしりタッグ選手権試合(60分1本勝負)

フォクシー真帆、成瀬唯(時間切れ引き分け)ギムレット美月、キューティー金井

第22代王者が初防衛に成功

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「はへー、今日は疲れたー!」

「・・・勝てると思ったのに、私の力は・・・こんなに・・・」

ギムレット美月は狼狽していた。

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第7戦新潟大会。メインはSPZタッグ選手権。王者ビューティ市ヶ谷、ロイヤル北条に挑む今回の挑戦者は同じジュエルローゼスの芝田美紀、フレイア鏡。しかしここで番狂わせが。19分過ぎ、ロイヤル北条がフレイア鏡のストレッチプラムに捕らえられてしまう。

「ふふふふ、苦しむ北条さんもステキよ、・・・」

「あああっ・・・!」

アブナイ表情で締め上げるフレイア鏡。芝田、顔面の痛みに耐えかねてギブアップ。場内ええええの声。勝負タイム19分45秒、王座移動。市ヶ谷組、11回目の防衛ならず。菊池来島の防衛記録に並ぶことはできなかった。

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SPZ世界タッグ選手権

芝田美紀 フレイア鏡○(19分45秒、ストレッチプラム)B市ヶ谷、R北条×

第26代王者が11度目の防衛に失敗、芝田組が第27代王者となる

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最終戦はさいたまドーム大会。

第1試合はキューティー金井(12期)対野村つばさ。(18期)

筋金入りのアイドルレスラー、キューティー金井がまだ身体のできていない野村つばさを6分20秒、ミサイルキックで屠った。

第2試合はビーナス麗子(10期)対フォクシー真帆。(14期)

終始良く攻めたビーナス麗子が23分38秒の激闘を制し、フォクシー真帆をダイビングプレスで退けた。

第3試合はギムレット美月(10期)対アリス・スミルノフ。

ギムレット美月がドラゴンカベルナリアで大ダメージを与え。これで非力になったアリスを手堅く裏投げで仕留めた。

「外人選手はパワーはありますけど、そのぶん根性がありませんから、作戦が立てやすいです。」

ここで休憩。休憩時間にはSPZ5期生で「売れないタレント」渡辺智美(28)がリングに上がり、「悲しみの日本海」を熱唱。

休憩明けの第4試合は元SPZ王者のボンバー来島(11期)がなんと新人の武藤めぐみと組んで、氷室紫月(16期)、成瀬唯(15期)組と対戦。ある意味冒険的なマッチメイク。

「ま、あたしがあの2人をボッコボコにしてくるから、そしたら登場させてやるよ」
武藤、中盤に成瀬と一通りやりあって来島につなぐ、あとは来島がいつもどおり暴れまくって最後はジャーマンで成瀬を沈めた。勝負タイム15分10秒。

セミファイナルはタッグマッチ。ジューシーペア(ラッキー内田・マッキー上戸)に対するはジュエルローゼスのロイヤル北条(13期)、フレイア鏡(14期)。試合はマッキー上戸が大暴れ。たちまちフレイア鏡を追い込んでゆく。代わったロイヤル北条にも猛攻。ヘッドバット、バックドロップとまるで市ヶ谷様のような大技ラッシュ。

「決めるなら今しかないっ!」

スプラッシュマウンテンでフレイア鏡をたたきつける。これはロイヤル北条がカットしたが、続けてフィッシャーマンバスター。フレイア鏡は完全に沈黙した。勝負タイム22分39秒。試合後ジューシーペアはSPZタッグベルト挑戦をアピールして引き揚げた。

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メインのSPZ戦。王者ビューティ市ヶ谷(13期)に挑戦するは芝田美紀(12期)。連続挑戦なのだが、先月のSPZクライマックス公式戦で市ヶ谷に勝ってしまった実績が評価された。

試合はやはり熾烈なものになった。市ヶ谷の波状攻撃を芝田の打撃が止める。しかし、20分過ぎに市ヶ谷が放ったバックドロップが流れを変えた。芝田ぐらつく。そこを狙ってもう一度バックドロップ。これ以上は受けられないと感じた芝田、ダイヤモンドキック、裏拳と粘りを見せるが、市ヶ谷もニーリフトで反撃。

「がはっ・・・」

これで大ダメージを食らった芝田。続くフィッシャーマンバスターに力尽きカウント3を許した。勝負タイム27分19秒、王者が3度目の防衛に成功。

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SPZ世界選手権

ビューティ市ヶ谷(27分19秒、フィッシャーマンバスターからの片エビ固め)芝田美紀

第47代王者が3度目の防衛に成功

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2007年12月 5日 (水)

第278回 18年目8月SPZクライマックス(後編)

18年目8月 SPZクライマックス

横浜のお嬢様プロレス団体、SPZは恒例のシングルリーグ戦「SPZクライマックス」を開催した。リーグ戦3試合を消化して、6点でトップを走るのはお嬢様軍団・ジュエルローゼスの総帥ビューティ市ヶ谷、そして16期生新鋭のマッキー上戸。

第5戦は広島・若鯉球場大会。

L内田(2点、ジャンピングニーからの片エビ固め 28.38)F鏡(1点)

予選会ではラッキー内田が勝っている試合の再戦。ラッキーが着々とグラウンドで攻め込んでゆくが、フレイアも要所要所で反撃するので試合は長期化した。後半はフレイア執拗な脇固めで攻めるが、しのぎきった内田がジャンピングニーで仕留めた。28分の激闘を制したラッキー内田、リーグ戦初勝利。

「フゥ・・・勝てました。やはり甘くないですね。SPZクライマックスは・・」

R北条(4点、裏投げからの片エビ固め 13.05)M上戸(6点)

3連勝の勢いを駆ってロイヤル北条に挑んでいったマッキー上戸だが、やはり上位の壁、ジュエルローゼスの壁は厚い。マッキー上戸のパワーに力負けせず、逆に真っ向から頭突きを撃ち返すあたりはさすがとしかいいようがない。

「ROYAL SPIKE!」

そして伝家の宝刀ロイヤルスパイク。マッキー上戸これはカウント2.5で返したが立て続けに裏投げを食らって万事休す。

B来島(6点、ジャーマンSH 9.41)氷室(1点)

ボンバー来島が氷室を圧殺。氷室いいところなく敗北。

芝田(6点、ミサイルキックからの片エビ固め 20分くらい)B市ヶ谷(6点)

今の市ヶ谷に勝つ可能性がわずかながらあるのがJRナンバー2の芝田美紀。芝田の打撃にはさすがの市ヶ谷も少々手こずる。掌底をゲシゲシ打ち込む。そして裏拳。館内どよめく。これで棒立ちになった市ヶ谷に裏投げ、そして裏拳、市ヶ谷をカウント2.8まで追い込む。

「くっ・・・この!!」

しかし怒りの市ヶ谷ビューティボム!芝田カウント2で返す。しかし先に立ち上がったのは芝田、コーナーに駆け上がりミサイルキック!これが顔面に入り、市ヶ谷様まさかの3カウント献上、広島若鯉球場が爆発した。

「そんな、まさか・・・」

なんと残り3試合でマッキー上戸、芝田、B市ヶ谷、B来島の4人が6点で並ぶという予想外の展開。優勝争いが俄然盛り上がってきた。

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第6戦、九州ドーム大会。

R北条(6点、ロイヤルスパイクからの片エビ固め16.12)L内田(2点)

ラッキー内田もそこそこ善戦したのだが、最後はロイヤル北条に力負け。

芝田(8点、ダイヤモンドキックからの片エビ固め 25.34)氷室(1点)

氷室も25分粘ったのだが、最後は芝田のダイヤモンドキックに沈んだ。

「おほほほほほ、まあこんなものですわ。」

芝田美紀1敗キープ。

B来島(8点、ジャーマンSH 10.06)F鏡(1点)

市ヶ谷が破れて優勝の可能性が出てきた来島、地元の大声援を背に受けて、ジャーマン2連発で快勝。

「ヨッシャー!ヨッシャー!ヨッシャー!」来島さんも1敗キープ。

B市ヶ谷(8点、デスバレーボムからの片エビ固め 9.22)M上戸(6点)

市ヶ谷様、昨日のショックを引きずることなくデスバレーを連発してマッキーの挑戦を退けた。
6戦目を終えてビューティ市ヶ谷、ボンバー来島、芝田が8点で並走。

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第7戦名古屋しゃちほこドーム大会。選手の疲労もピークに。

R北条(8点、ロイヤルスパイクからの片エビ固め 11.57)氷室(1点)

氷室勝てない。この日もロイヤル北条に力負け。ロイヤルスパイク2発食らってジエンド。

B来島(10点、ダイビングプレスからの片エビ固め 15分くらい)M上戸(6点)

「てゅりやああああ!!」

マッキー上戸の力のこもったバックドロップ。

「ウヘ~!」

場外に逃げる来島さん。マッキー上戸、追いかけて場外バックドロップ。これでボンバー来島のペースが狂った。しかし来島、リングに戻るや体勢を立て直しパワーボム、そしてダイビングプレス。1発目はカウント2.8で返されたが同じ技をもう一度。あのガタイが2連発で降ってきたらどうにもならない・・・

「菊池の技を借りたよ」笑顔でコメントしたボンバー来島。これで1敗のまま横スペで宿敵・市ヶ谷戦になだれこむ。

L内田(4点、コブラツイスト 19.2)芝田(8点)

「そろそろ決めどき・・ねっ」

ラッキーキャプチャーを懸命に振りほどく芝田。最大の必殺技を返されたラッキー内田だが、あきらめなかった。ダイヤモンドキックをカウント2.5で返してコブラツイストで反撃!

「うわあああっ!!」

芝田こらえきれずギブアップの言葉を吐いてしまった。大波乱。芝田、これで2敗となり優勝争いから土壇場で脱落・・・

「せっかく市ヶ谷さんに勝っても後輩に負けたら意味がありませんわ・・・」

B市ヶ谷(10点、シューティングスタープレスからの体固め 14.15)F鏡(1点)

セミで芝田の取りこぼしを見ても顔色一つ変えず市ヶ谷様がいつも通りのファイト。JRの同門だろうが容赦せず。フィニッシュには秘技・シューティングスタープレスを使う余裕を見せた。

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最終戦は本拠地へ戻って、横スペ大会。

氷室(3点、ドラゴンスリーパー 22.24)L内田(4点)

16期生同士の対戦。リーグ戦で1勝もしていないので勝ちたい氷室、予選会で氷室に負けているので2連敗したくないラッキー内田。両者の静かな闘志がぶつかりあった。しかしサソリ固めを長時間かけて動きを封じた氷室、
「これでおしまい・・・」
ドラゴンスリーパー。ラッキー内田を絞め落として終了。去年2点、今年は3点、得点の上積みは1点だけ。それでも氷室は淡々とした表情で引き揚げた。

R北条(10点、ロイヤルスパイクからの片エビ固め13.26)F鏡(1点)

ジュエルローゼス同門対決。ロイヤル北条が順当に攻めて、最後はやはりロイヤルスパイクがズバリ。これで10点でリーグ戦を終了。フレイア鏡は最下位、氷室と引き分けた1点のみ。

芝田(10点、逆片エビ固め 15.49)M上戸(6点)

引き分け以上でシード権確保のマッキー上戸、それ以上に
「内田に出来てあたしに出来ないことはない!」
昨日内田の芝田戦勝利に触発されたのか猛然と攻める。しかし芝田にしてみれば16期生のジューシーペアなんぞに2連敗はできない。15分過ぎ、強烈な逆片エビをしかけてギブアップを奪った。

B市ヶ谷(12点、シューティングスタープレスからの体固め15.25)B来島(10点)

「なんとかなりそうですわね。」

千秋楽結びの一番、去年同様に勝ったほうが優勝という大一番。しかしビューティ市ヶ谷はボンバー来島の処理には自信を持っている。

「あんな力任せの野蛮単細胞なプロレスにこのわたくしが負けるはずがありませんわ」

来島もナパームラリアット、バックドロップ、フェイスクラッシャーを繰り出すなど健闘したが、最後は市ヶ谷の飛び技攻勢につかまる。ムーンサルトはカウント2.8で返した来島だったが、立て続けにシューティングスタープレスを食らってはどうにもならなかった。市ヶ谷様堂々のSPZクライマックス3連覇。

「オーホホホホホ、決まりきった結果ですわね!」

館内に響く市ヶ谷の高笑い。賞状と金一封、副賞としてブランド腕時計が贈られた、2位はボンバー来島、芝田、ロイヤル北条が10点で並んだので横浜中華街のお食事券は3等分して分配された。

2007年12月 4日 (火)

第277回 18年目8月SPZクライマックス(前編)

18年目8月。SPZクライマックスの出場選手記者会見がSPZ本社2階のメイド喫茶「あばしり」を借り切って行われた。

■「殺人ラリアット・前SPZ世界王者」ボンバー来島(22)

6年連続6回目の出場 第15回大会優勝 京スポ予想倍率6.3倍

「引退した菊池の分まで頑張る」

■「一騎当千のお嬢様」芝田美紀(21)

5年連続5回目の出場、 京スポ予想倍率18.9倍
「ホーッホッホホホホ!芝田ここにありということを全国のファンに見せ付けますわ」

■「史上最凶のお嬢様 SPZ世界王者」ビューティ市ヶ谷(20)

4年連続4回目の出場 前回優勝 京スポ予想倍率1.2倍

「オーッホッホッホ!全員このわたくしにひざまづくのです!」

■「スーパーお嬢様」ロイヤル北条(20)

4年連続4回目の出場 京スポ予想倍率22.9倍

「自分のレスリングを信じて白星を積み重ねたいです」

以下は予選会勝ち上がり組。

■「氷の彗星」ラッキー内田(17)初出場 

予選会1位通過 京スポ予想倍率50.5倍
「シード権を確保するために頑張ります」

■「炎の闘志」マッキー上戸(17)初出場 

予選会2位通過京スポ予想倍率44.5倍
「ぺしゃんこにしてやるぜ!」

■「超新星」氷室紫月(17)

2年連続2回目の出場 予選会3位通過 京スポ予想倍率99.9倍

「運命の歯車が回り始めた・・・」

■「地獄案内人」フレイア鏡(19)初出場

 予選会3位通過 京スポ予想倍率99.9倍

「ふふふふ。私の技の犠牲になりたい方はだぁれ?」

第1戦釧路大会は前夜祭。各選手が翌日からのリーグ戦に備え調整ファイト。メインではなんとデビュー2シリーズ目の武藤めぐみがメインに抜擢された。ボンバー来島、マッキー上戸と組んでビューティ市ヶ谷ロイヤル北条フレイア鏡のJR(ジュエルローゼス)と激突。だが案の定、武藤が狙われてしまい8分43秒、市ヶ谷に叩きのめされてしまった。

2戦目の札幌どさんこドーム大会から地獄のリーグ戦がスタート。
M上戸(2点、パワーボムからのエビ固め 15.54)F鏡

予選会のとき同様マッキー上戸が暴れまくってパワーボムで終了。フレイア鏡、ほとんどいいところなく完敗・・・

芝田(2点、逆片エビ固め 30.0)R北条

ジュエルローゼス同門対決。一進一退の攻防が続く。パワーでは北条なのだが芝田のほうが打撃技のキレがあり、お互いペースをつかみきれない。だが最後は意外な形で決着。芝田の逆片エビが極まってしまいロイヤル北条無念のギブアップ。あと1秒耐えていればドローだったのだが・・・

B来島(2点、パワーボムからのエビ固め 10.15)L内田

「ヘッ、テキトウに相手してやっから、来いや」

全盛期に比べてパワーに翳りが出てきている来島さん。だが新鋭のラッキー内田にはまだまだ余裕の表情で対応する。そして内田が攻め疲れてきたところへ、パワーボム、裏投げ、フェイスクラッシャーの波状攻撃。教科書どおりの勝ち方で危なげなく白星発進。

B市ヶ谷(2点、ムーンサルトプレスからの体固め9.27)氷室

前年はなすすべなく市ヶ谷に一蹴された氷室。1年間でどれだけ成長したのか。市ヶ谷のラリアットをすり抜けてラリアットを返す。このムーブが2回続きどよめく館内。

「あー、もう、キーッ!」

しかし市ヶ谷も意地になって3度目のトライでラリアットを決める。あとは市ヶ谷様のボコボコ劇場。フィニッシュはムーンサルトだった。

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3戦目はなにわパワフルドーム大会。

M上戸(4点、フィッシャーマンバスターからの片エビ固め13.32)氷室(0点)

予選会ではマッキーが勝っている。しかし氷室も同じ相手に2連敗はさけたいと考えたのか懸命にこらえるが、最後はマッキーのフィッシャーマンバスターに力尽きた。

芝田(4点、ダイヤモンドキックからの片エビ固め 11.06)F鏡(0点)

ジュエルローゼス同門対決。ストレッチプラムで見せ場は作ったフレイア鏡だが、裏拳で意識を飛ばされて最後はダイヤモンドキックの餌食に。

R北条(2点、ロイヤルスパイクからの片エビ固め 12.25)B来島(2点)

この試合は盛り上がった。アクシデントでボンバー来島が流血。そのせいか動きににいつもの荒々しさがない、逆にロイヤル北条が攻めて攻める・・・
ロイヤル北条、シャイニングウィザード、カカト落とし、ロイヤルスパイクとたたみかけて終了。

B市ヶ谷(4点、フィッシャーマンバスターからの片エビ固め 24.17)L内田(0点)

―とうとうここまで来た。

ラッキー内田、なにわパワフルドームのメインに立つ。相手は団体最強のビューティ市ヶ谷とシングルマッチ。

懸命にスリーパーやアームホイップ、ドロップキックなど小技の連発で食らいついてゆくが、
「無駄ですわ!そんな攻撃はききませんわよ!」

DDT一発で形勢を変えてバックドロップ。追い込まれたラッキー内田、ラッキーキャプチャーZを仕掛けたがロープに近い。これで本気モードに突入した市ヶ谷様、フィッシャーマンバスターで仕留めた。それでも24分17秒も市ヶ谷様相手にもったのだからラッキー内田、大健闘といえた。

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第4戦京都大会。
氷室(1点、時間切れ引き分け)F鏡(1点)

優勢に試合を進めたのは氷室。サソリ固めで追い込む。しかしフレイア鏡もストレッチプラム、逆片エビで反撃。そのあとは両者決め手を欠き、予選会のとき同様ドロー。

M上戸(6点、ジャーマンSH 12.31)L内田(0点)

「内田とはパートナーだけどよ、予選会で負けてっから借りを返したいね」
その言葉通り積極的にがつがつ攻める。対照的にラッキー内田は昨日の市ヶ谷戦で精根尽きていたのかあまりいいところがない。終盤になってラッキーキャプチャーZで反撃したがロープに近い。最後はジャーマンで決着。マッキー上戸、予選会で戦った相手とはいえ快進撃3連勝。

B来島(4点、STOからの片エビ固め 20.14)芝田(4点)

ロイヤル北条に破れ団体ナンバー2の座も危うくなってきたボンバー来島。今日の相手はジュエルローゼスの芝田。

―2日続けては負けられねえよ!

来島、懸命に攻める。しかし芝田も掌底で痛打を与える。これで流れを止められてしまうのだ。しかし芝田、裏投げ、ダイヤモンドキックの猛攻。場内悲鳴。来島カウント2.8で返して
「オラーッ!
ナパームラリアット。これはカウント2.9で返した芝田だったが続くSTOに力尽きた。まさに死闘。

B市ヶ谷(6点、ニーリフトからの片エビ固め 13.20)R北条(2点)
ジュエルローゼス同門対決でタッグパートナー同士の対決。

「パートナーだからって容赦はしませんわよ、死なない程度に叩き潰してあげます」
「望むところです」
ふだんは同じコーナーで市ヶ谷の圧倒的強さをいちばん見ているロイヤル北条。SPZクライマックスのときくらいしかシングルでは当たらない。
「ハッ!」
ロイヤルスパイクを決めてもそれまでに蓄積ダメージがないので市ヶ谷様は平然と起き上がってくる。そのあとニーリフトで沈没。

第18回SPZクライマックス、リーグ戦3戦を終えて市ヶ谷様とマッキー上戸が3連勝でトップ

2007年12月 3日 (月)

第276回 18年目7月 武藤めぐみデビュー戦

18年目7月。

SPZ王者・ビューティ市ヶ谷が右ひじ負傷で欠場。氷室紫月も右足首負傷で欠場。さらに悪いことにEWAを新女に持っていかれた。したがって7月シリーズはエース不在の興行が続いた。

第1戦青森大会第1試合、野村つばさデビュー戦。相手はEWAで1年修行を積んで凱旋帰国した17期生のライラ神威。

「キエーッヘッヘッヘ」
客席をあおりながら、殴る蹴るで新人を追い込むライラ。野村もネックブリーカーを2度繰り出すなど健闘したが最後はタイガードライバーに屈した。勝負タイム8分46秒。
「弱すぎだぁ、話にならねぇ!」

続く第2試合は武藤めぐみデビュー戦、相手は14期生のフォクシー真帆。

武藤めぐみ、花道を走ってリングへ。新人なのでテーマ曲はまだない。階段を上がりセカンドロープをまたぐ。

ーまぶしい。これが、本番のリング・・・

「青コーナー、静岡県本川根町出身 むとうー、めぐーみー!!」

「赤コーナー、岩手県田野畑村出身、ふぉくしー、まーほー!!」

カンッ。

「ウォーーッ」

フォクシー真帆がうなり声を上げながら組み付く。押し込まれる武藤、しばらくそんな展開が続いて・・

「シャ~~~」

フォクシー真帆開始早々のパワーボム。懸命にカウント2.8で返す武藤。だがー
「もうあきらめろ」
新人相手にまるで容赦のないパワーボム。これで武藤は失神し、セコンド陣に背負われて帰った。勝負タイム4分37秒。

控室で武藤めぐみ、気がついた。

「・・あれ、試合・・・」

「4分37秒、あんたの負け」

ボンバー来島が告げる。

「・・・・・・・・」

武藤めぐみ、あっさり負けた悔しさで手が震えていた。のちにこの選手はSPZで絶対王者と呼ばれるようになる・・・

第4戦山形大会、メインではあばしりタッグ戦。王者のビーナス麗子、ギムレット美月のコンビに挑むのは14期生のフォクシー真帆、15期生の成瀬唯。16期生の躍進に隠れがちだがこの2人も着実に力をつけてきた。

―うちらの意地、見せたるねん!

ギムレット美月のドラゴンカベルナリアでフォクシーがギブアップ寸前まで追い込まれたが、成瀬が盛り返し最後は合体パワーボムでギムレットを仕留めた。勝負タイム29分8秒。

「やったでー!」
3年前、大阪から来た少女がついに努力を実らせ、あばしりタッグのベルトを巻いた。

山形大会終了後、今野役員が井上社長代行に一言。

「井上さん悪い。オレ東京帰るわ。かみさんの具合が・・・」

「ひかるちゃんが?」

「うん、悪いね悪いね、物販はみんなでカバーしたってよ」

******************

最終戦新日本ドーム大会。市ヶ谷不在でも営業努力でなんとか満員にこぎつけた。

第1試合は成瀬唯対野村つばさ。

野村つばさ、成瀬の逆片エビに悶絶。そしてトドメのアキレス腱固め。5分45秒で成瀬が先輩の貫禄を見せた。

第2試合はビーナス麗子対キューティー金井。

先月の予選会ではキューティーが勝っている。その再現を狙ったキューティーだったが、今回はビーナス麗子のハイキック。これでキューティーは意識が飛んでしまった。そのまま3カウントが入った。

第3試合は有望新人の武藤めぐみが新日本ドーム初登場。ギムレット美月と組んで、14期生のフレイア鏡、フォクシー真帆と対戦。だが武藤があっさりフォクシー真帆のヘッドバットに沈んでしまった。

休憩明けの第4試合はライラ神威対ドスカナ・リブレ。

海外長期遠征から帰国したライラが初めて新日本ドームで試合。ドスカナの飛び技に苦戦したが、ラフファイトを織り交ぜながら優位に立ち、最後は3度目のタイガードライバーで逆転勝利。

セミファイナルはボンバー来島対アリス・スミルノフ。菊池がいなくなってこの選手のポジションも微妙なものになってきた。この日は格下外人のアリス・スミルノフを9分57秒、パワーボムで退けた。

メインイベントはスペシャルマッチ。ラッキー内田、マッキー上戸のジューシーペアに芝田美紀ロイヤル北条のジュエルローゼスが激突。

―あの二人を倒さなければ、市ヶ谷さんには勝てない。

そう考えたジューシーペアがJRの2人に懸命に向かってゆくが、相手はSPZ最大派閥のジュエルローゼス。市ヶ谷様が黄門様ならばこの2人は助さん角さんである。最後は22分27秒、芝田のダイヤモンドキックがラッキーを仕留めた。
16期生がJRの壁を越えるにはまだしばらくかかりそうである・・・

2007年12月 2日 (日)

第275回 18年目6月 SPZクライマックス予選会

18年目6月
SPZは新人テストを実施した。

「えっと・・・一生懸命がんばりますのでよろしくお願いします!」
この声のキュートさに今野人事担当役員は転んで
「オッケイ!採用!」

あとで「いいんですかあんなの採っちゃって」などと吉田龍子に言われたが、今野役員は気にしなかった。

「QTもそろそろ動きがあれになってきてるから、ドルレス(アイドルレスラーの略か)はもうひとりぐらいいてもいいでしょう、ね」。
かくて野村つばさ採用.

そして、新人スカウトで採用したのは武藤めぐみ。静岡県にスポーツ万能の天才少女がいるという話を井上霧子がかぎつけ採用した。だがまだ2人とも身体ができていないので6月は道場での自主トレ程度にさせた。

恒例のSPZクライマックス予選会。
出場選手は以下の8名。リーグ戦上位4名に本大会出場権が与えられる。

氷室紫月(前回本大会2点)
ビーナス麗子(前回本大会0点)
ラッキー内田、マッキー上戸(16期)
キューティー金井(12期)
フォクシー真帆、フレイア鏡(14期)
成瀬唯(15期)

なおギムレット美月が右足捻挫で負傷欠場。

第1戦沖縄大会。
F真帆(1点、時間切れ引き分け)成瀬(1点)
予選会最初の試合からお互いに決め手を欠きドロー決着。

Q金井(2点、ノーザンライトSH 23.37)V麗子
ビーナス麗子の能力も翳りをみせていて、「永遠のアイドルレスラー」キューティー金井に攻め込まれる始末。フロントスープレックスで投げまくられる。フィニッシュはノーザンライトだった。

L内田(2点、ラッキーキャプチャー 23.01)F鏡
やはり壮絶な極めあい。フレイア鏡のストレッチプラムをしのぎきった内田がラッキーキャプチャーで白星発進。

M上戸(2点、ウラカンラナから丸めこむ 25.04)氷室
沖縄大会の予選会リーグは4試合とも20分を超える激戦となった。このカードも未来のSPZ戦のような雰囲気。最後は氷室のパワーボム狙いをウラカンラナで切返したマッキー上戸が勝利。

第2戦は浜松大会。
V麗子(2点、ハイキックからの片エビ固め 20.57)F真帆(1点)

ビーナス麗子勝利。フォクシーのパワー攻撃に苦しんだが、何とか最後は伝家の宝刀ハイキックを決めて振り切った。

F鏡(2点、アキレス腱固め15.28)Q金井(2点)

15分過ぎにアキレス腱固めがズバリ。悲鳴を上げて苦しむキューティーを見てニヤリと笑うフレイア。場内どよめき。これでギブアップ勝ちを収めた。

氷室(2点、ネックブリーカーからの片エビ固め、14.52)L内田(2点)
「運命を感じる・・・・」(試合後の氷室のコメント)

M上戸(4点、ジャーマン11.02)成瀬(1点)
マッキー上戸のジャーマン炸裂。これで2連勝

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第3戦は三重大会。

F鏡(4点、スクラップバスターからの片エビ固め 28.11)F真帆(1点)

「SPZクライマックスに出る!」
フォクシー真帆、力のこもったファイトを見せるが、フレイア鏡のほうがマットさばきは上。場外でフロントスープレックスまでやってダメージを与え、最後はスクラップバスター。フォクシー真帆、28分の苦闘報われず・・・

氷室(4点、スクラップバスターからの片エビ固め 18.07)Q金井(2点)
氷室が手堅く2勝目を挙げた。

L内田(4点、逆片エビ固め 15.42)成瀬(1点)
ラッキー内田の左足攻撃に成瀬、悶絶・・・

M上戸(6点、ギロチンドロップからの片エビ固め6.24)V麗子(2点)
マッキー上戸、破竹の3連勝。ビーナス麗子をわずか6分で仕留めた。

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第4戦岐阜大会。
氷室(6点、サソリ固め 11.18)F真帆(1点)

氷室も3勝目。先輩のフォクシーをサソリ固めで仕留めた。

成瀬(3点、ドラゴンスリーパー 28.11)Q金井(2点)

28分11秒の激戦の末、成瀬がリーグ戦初白星を挙げた。ドラゴンスリーパーで金井を半失神に。

L内田(6点、フライングニールキックからの片エビ固め14.50)V麗子(2点)

ビーナス内田のハイキックにぐらつく内田、続くボディプレスでカウント2.8まで追い込まれたが、奥の手ニールキックで振り切った。

M上戸(8点、パワーボムからのエビ固め 13.26)F鏡(4点)

マッキー上戸、終始パワーファイトで圧倒し、フレイア鏡をパワーボムで退けた。

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第5戦、滋賀大会。
F鏡(6点、脇固め17.16)成瀬(1点)

関節の極めあいが続く。時折投げ技や打撃を織り交ぜながらもフレイアは成瀬の腕を壊しにかかる。そしてついに執拗な脇固めで腕の感覚がなくなったのか、成瀬ギブアップ・・・

V麗子(4点、バックドロップからの片エビ固め 13.51)氷室(6点)

―これ以上は負けられない!

すでに3敗を喫しているビーナス麗子が懸命に戦う。そしてハイキックで氷室がぐらついておかしくなった。氷室のドラゴンスリーパーはロープに近く、パワーボム狙いはリバースで返されてしまう、氷室、最後はバックドロップで追い越したはずの先輩に3カウントを奪われてしまった。

「勝ったよーーー!」

ビーナス麗子、絶叫。永沢舞や上原今日子の引退試合の相手だっただけのことはある。

L内田(8点、フランケンシュタイナー 15.41)F真帆(1点)

ラッキー内田4勝目、本大会出場を確実にした。

M上戸(10点、ブレーンバスターからの片エビ固め 14.21)Q金井(2点)

マッキー上戸、キューティーを一蹴して5連勝。無傷で本大会出場を決めた。

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第6戦、和歌山大会。
F鏡(8点、スクラップバスターからの片エビ固め13.17)V麗子(4点)

2敗のフレイア鏡と3敗のビーナス麗子。予選通過4つ目の椅子をかけた闘いは熾烈なものになった。が、フレイア鏡が押し切って4勝目をゲット。これで予選会通過を決めた。

氷室(8点、ストレッチプラム 8.52)成瀬(3点)

氷室も予選会突破を決める。成瀬をストレッチプラムで仕留めた。

L内田(10点、フランケンシュタイナー 22.42)Q金井(2点)

よくねばったキューティーだったがラッキー内田のフランケンシュタイナーに力尽きた・・・・

M上戸(12点、パワーボムからのエビ固め 15分くらい)F真帆(1点)

まだ勝ち星のないフォクシー真帆、懸命に上戸をタックルや頭突きで攻め込んでゆくが、マッキー上戸がうまく後半盛り返しパワーボムで逆転勝利。

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第7戦長野大会。消化試合だがリーグ戦は白熱。

成瀬(5点、延髄斬りからの片エビ固め)V麗子(4点)

成瀬もビーナス麗子越えを果たした。

氷室(9点、時間切れ引き分け)F鏡(9点)

やはりグラウンド技主体の地味な攻防が続き、両者譲らず時間切れドローとなった。

Q金井(4点、バックドロップからの片エビ固め 12.57)F真帆(1点)

結局フォクシー真帆は1勝もできなかった・・・・

L内田(12点、エルボーからの片エビ固め24.56)M上戸(12点)

タッグパートナー同士の対戦。

20分過ぎ、リング中央でラッキー内田のラッキーキャプチャーZが決まる、

懸命にギブアップだけはしなかったマッキーだったが、続くエルボーに沈没。

この結果予選会リーグ戦は1位通過ラッキー内田、2位通過マッキー上戸、3位通過氷室紫月、フレイア鏡となった。16期生の3人が揃って真夏の祭典に出場、SPZに新風を巻き起こせるか。

長野大会メインはSPZタッグ戦。今回の挑戦者はハイサスカラス、エレン・ニールセンの強豪外人コンビ。だがやはり市ヶ谷様強い。格落ちのエレン・ニールセンをデスバレーで一蹴。19分22秒、10回目の防衛に成功。

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最終戦さいたまドーム大会。メインはSPZ選手権。王者ビューティ市ヶ谷に挑むのは芝田美紀。ジュエルローゼスの同門対決。

だが市ヶ谷様強い。芝田をまったく問題にせず16分33秒、デスバレーで仕留めて完勝。これで2度目の防衛を果たした。

2007年12月 1日 (土)

第274回 スターライト伝説最終章

18年目5月

最終戦横スペ大会。
「スターライト相羽 引退試合」
「菊池理宇 引退試合」

横スペ正面には大看板が2枚設置された。

第1試合はキューティー金井対アリス・スミルノフ。パワーに勝るアリスが猛攻。アイドルレスラー金井をパイルドライバーで仕留めた。

第2試合はビーナス麗子、ギムレット美月対デイジー・クライ、ヘレン・ニールセン。デイジーの蹴りがビーナス麗子を粉砕、勝負タイム13分31秒。

第3試合はフレイア鏡、芝田美紀対ラッキー内田、マッキー上戸。

「ウオーッ!」

マッキー上戸、芝田のダイヤモンドキックをカウント2.8で返して内田にタッチ。しかし内田もダイヤモンドキックを食らってもうろう状態。

「さ、これでトドメです!」

そしてネックブリーカー、スクラップバスターと波状攻撃を食らって、ジュエルローゼスが勝利。27分42秒の激闘。

セミ前から3大シングルマッチ。まずはボンバー来島対氷室紫月。やはり前SPZ王者ボンバー来島のパワー殺法に氷室なすすべなく、ジャーマンで敗北。勝負タイム10分35秒。

そしてセミファイナル。引退する選手同士のシングルマッチ。

まずスターライト相羽が入場。

次の試合に登場するスターライト相羽選手はこの試合が最後のファイトとなります。皆様よりいっそうのご声援をお願いいたします」

ドワアアアア!

「スターライトシンフォニー」に乗って、スターライト相羽がゆっくりと花道を歩きリングイン。ベースの実力はあり、会社からも期待されてたのだが、追い込まれるともろいという弱点があり、SPZシングル、タッグ王座を巻きながら、一時代を築くまでには至らなかった。

そしてー

「次の試合に登場する菊池理宇選手はこの試合が最後のファイトとなります。皆様よりいっそうのご声援をお願いいたします」

ワアアアアア!!

「THROUGH THE FIRE」が流れる中、菊池理宇が若干緊張した面持ちで花道を歩く。空中戦主体のファイトスタイルがたたり、7年2ヶ月という短いレスラー人生だったのだが、一度はSPZシングルのベルトを巻くところまでいったので菊池に悔いはなかった。いつものようにトップロープを飛び越えリングイン。

青コーナー、石川県金沢市出身、すたーらいとー、あいーばー!」
「赤コーナー、宮城県仙台市出身、きくちー、りーゆー!」」

緑と赤紫のテープが乱舞乱舞。

序盤はエルボーやチョップの打ち合い。お互いの情念をぶつけるかのような殴り合い。

―最後はボクが勝つ!

スターライト相羽ニーリフトで最後の1勝を取りに行く。が、菊池もシャイニングウィザードでお返し。

―今のあたしがあるのは、鍛えてくれた吉田さん、パートナーの来島さん、そしてファンのみんなが支えてくれたおかげ。そのためにも最後は絶対勝つ!

相羽ぐらつく、そこをミサイルキック。しかし相羽も裏拳で反撃。菊池2回目のミサイルキック。カウント2.5で返す相羽。

―ボクは、ボクは・・・・

懸命に向かっていく相羽、だが組み付く前に待っていたのは菊池の肘だった。これがアゴにまともに入った。崩れ落ちるS相羽、そのまま覆いかぶさる菊池。

ワン、トゥ・・・

―ダメだ動けない!

スリー。

「16分41秒、エルボーからの片エビ固めで菊池理宇の勝ち」

この日2度目の「THROUGH THE FIRE」が流れる中、まず菊池がお辞儀をして退場。スターライト相羽もそのあと立ち上がってお辞儀をして引き上げた。

「―相羽ちゃん、最後の最後まで勝負弱かったな・・・」

テレビ解説の吉田龍子がつぶやく。

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そしてメインイベント、SPZ新王者ビューティ市ヶ谷に挑むのはナターシャ・ハン。5ヶ月前に敗れて王座転落させられた因縁の相手だ。

「解説の吉田さん、この試合どちらが有利でしょうか」

「いや、これは実力からいったら市ヶ谷ですよ。しかしナターシャ選手は関節技がありますから、グキッていったらすべて終わりですね。まあこれが面白いところでもあるんですけど」

5ヶ月前の悪夢がよぎったのか、ナターシャのスリーパーに苦しむ市ヶ谷。10分過ぎ、前回ギブアップを奪われた逆片エビ。ビューティ市ヶ谷懸命にプッシュアップで振りほどく。

―この私が2度も続けて同じ相手に負けるはずがありませんわ!!

ラリアット、DDT,裏拳の猛攻。そしてデスバレーボム。これでナターシャ・ハンは完全に沈黙。勝負タイム21分57秒、47代王者が初防衛に成功。

メイン終了後、二人の引退式。両選手とも引退後はしばらくは団体に残りコーチとして後進の指導に当たることが決まっている。

スターライト相羽が挨拶。
「ボクはふつうの女の子になりますが、団体のこと応援よろしくお願いします!」

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スターライト相羽(SPZ9期生)

2017年7月16日、山口宇部体育館の対マイトス香澄戦でデビュー。2026年5月22日、横浜スペシャルホール大会の対 菊池理宇戦で引退。稼動月数107ヶ月、出場試合数(推定)811試合。

タイトル歴

第38代SPZ世界王者

第21代SPZ世界タッグ王者(パートナーは新咲祐希子)

第23代SPZ世界タッグ王者(パートナーはビーナス麗子)

第13代・15代・18代あばしりタッグ王者(パートナーはラッキー内田)

写真集 1冊

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続いて菊池理宇の引退式。

「あたしは思い残すことはありません。いままで応援ありがとうございました!」

まさかこの小柄な選手が団体トップまで駆け上がるとは誰も予想していなかった。それだけに、ものすごい拍手が送られた。

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菊池理宇(SPZ11期生)

2019年4月16日、釧路アリーナ大会での渡辺智美戦でデビュー。2026年5月22日、横浜スペシャルホール大会での対 スターライト相羽戦で引退。 稼動月数86ヶ月、出場試合数(推定)602試合。

タイトル歴

第40代SPZ世界王者

第22代・第25代SPZ世界タッグ王者(パートナーはボンバー来島)

初代あばしりタッグ王者(パートナーはボンバー来島)

第17回SPZタッグリーグ優勝(パートナーはボンバー来島)

写真集 1冊
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