第285回 ビーナス麗子ラストファイト:ビーナス麗子×武藤めぐみ
18年目12月 ビーナス麗子引退シリーズ(続き)
第7戦名古屋しゃちほこドーム大会。セミ前で10期生同士の最後のシングル対決。ビーナス麗子対ギムレット美月。
「ふっ!」
しつこくしつこくしつこくギムレット美月のスリーパー責め。ビーナス麗子のキックの切れ味を鈍らそうとしているのか。
「せいっ!」
しかしビーナス麗子も掌底で反撃、そしてショルダータックル。SPZでもの凄いメンツに囲まれながらも存在感を出してきた両者の意地がぶつかりあった。
先に勝負に出たのはギムレット美月、裏投げ炸裂。しかしビーナス麗子もダイビングプレスを炸裂させて意地を見せる。
―やはり最後は関節で決めるしかないですね。
ギムレット美月、ドラゴンスリーパー、ドラゴンカベルナリアを繰り出して潰しにかかる。何とかロープに逃げたビーナス麗子だったがすでに虫の息状態。
「はっ!」
ギムレット美月、トドメのギロチンドロップ。19分11秒、これでビーナス麗子は3カウントを奪われた。試合後、両者はリング上で2人で手を上げ、声援にこたえた。
名古屋大会メインは6人タッグマッチ。ビューティ市ヶ谷・ロイヤル北条・フレイア鏡のジュエルローゼスに対するは氷室ラッキーマッキーの16期生トリオ。市ヶ谷様がラッキーからムーンサルトでフォール勝ち。
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そして、シリーズ最終戦はさいたまドーム大会。
第1試合はキューティー金井対野村つばさ。
元祖アイドルレスラーのキューティーが攻め込む。ギロチンドロップはカウント2.9で返す意地を見せた野村だったが、フロントスープレックスで頭を打ってやられてしまった。勝負タイム6分53秒。
第2試合はフォクシー真帆対成瀬唯。普段はタッグを組んでいる両者だが、シングルで組ませると熱戦を展開する。しかしこの日はいきなり決まった。成瀬の脇固めにフォクシー悲鳴。13分0秒、ギブアップで決着。
第3試合は常連外人同士のシングル戦。ハイサスカラス対エレン・ニールセン。力関係からいってハイサスカラスが8分43秒、ミサイルキックで完勝。
休憩明け第4試合は、ジュエルローゼス対EWA軍の6人タッグ。芝田美紀・ロイヤル北条、フレイア鏡対ナターシャ・ハン、アリス・スミルノフ、ヘレン・ニールセン。いつも通りの熱戦が展開されたが、ロイヤル北条のロイヤルスパイクが13分11秒、ヘレンを退けた。
そして第5試合。
「次の試合に登場するビーナス麗子選手はこの試合が最後のファイトとなります。ファンの皆様、より一層の声援をお願いいたします」
まず対戦相手の新人、武藤めぐみが「アメジスト」に乗って入場。そのあとビーナス麗子のテーマ「toghther forever」がかかる。場内大熱狂。
―さっさとあの生意気新人をけり倒してきますか!
ビーナス麗子、いつものように花道をにこやかに手を振りながら歩いて、トップロープをぴょこんと飛び越えリングイン。
「青コーナー、静岡県本川根町出身、むとー、めぐーみー」
「赤コーナー、広島県広島市出身、びーなすー、れいーこー」
最初で最後のシングル対決。
武藤めぐみが早めの勝負に出た。タックルで倒してダイビングプレス。
―組み立てが甘い、もっと弱らせてからそういう技は出さないと。
ビーナス麗子ヒザで迎撃。
「ぐわああ・・・」
マットを転げまわる武藤。
しかし武藤もただの新人ではない。体勢を立て直すや、ローリングソバットで追い込んでもう一度ダイビングプレス。今度は決まった。
―うわ、いったん場外へ逃げよう。
ビーナス麗子、場外へエスケープしたが武藤追って来て場外でアームホイップ、そしてスリーパー。
「ぐううう・・」
「中でやりなさいよ」レフェリーの井上霧子が声をかける。
ふらつきながらも、なんとかリングに戻ったビーナス麗子。しかし再度のローリングソバットで倒され、そして3度めのダイビングプレス!
ワン、トゥ、スリー!
「13分15秒、ダイビングプレスからの片エビ固めで武藤めぐみの勝ち」
「このくらい当然よ」
勝ち名乗りを受けるやスタスタと引き揚げる武藤めぐみ。
―何とかなると思ってたのに・・・新人にまで負けちゃったか・・・
ビーナス麗子、ゆっくり起き上がって一礼して引き揚げた。
セミファイナルはジューシーペア登場、対戦相手はボンバー来島、ギムレット美月組。やはり最後はひとり格落ちのギムレット美月が捕まってしまい、ニーリフトにフォール負け。勝負タイム20分56秒。
メインイベントはSPZ選手権、王者ビューティ市ヶ谷に挑むのは初挑戦の氷室紫月。
市ヶ谷様に誰を当てるかでマッチメイク委員会はもめたが、翌年以降のことも考えて若い16期生の氷室にチャンスを与えた。
しかし市ヶ谷強い。氷室も組み付いてグラウンド技を仕掛けようとするのだが、市ヶ谷、差し手を切って逆に投げ返す。
そして20分過ぎ、
「遊びはおしまいですわ」
ラリアット、そしてデスバレーボム、これで氷室は大ダメージを負った。そしてトドメはムーンサルトプレス。氷室これで3カウントを奪われた。
「オーッホッホッホッホッホ!私に勝とうなんて100万年早いですわ!」
24分29秒、市ヶ谷が5度目の防衛に成功。
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そしてメイン終了後、ビーナス麗子の引退式。ビーナス麗子、大泣き、言葉にならなかった。見かねたギムレット美月がリングに上がり、二人でお辞儀をして、肩を抱いて引き揚げた。
ビーナス麗子、引退後はタレントとしてやっていくようである。一見アイドルレスラーのようだったが、メインやセミでの激しいファイトにも対応できる「かわいい名選手」がリングを去った。
ビーナス麗子(SPZ10期)
2018年4月15日の札幌キターアリーナ大会でのガイア小早川戦でデビュー。
2026年12月20日さいたまドーム大会での武藤めぐみ戦で引退。
稼動月数105ヶ月、出場試合数(推定)736試合
**********タイトル歴***********
第23代SPZタッグ王者(パートナーはスターライト相羽)
第11代・第21代あばしりタッグ王者(パートナーはギムレット美月)
第14代・第19代あばしりタッグ王者(パートナーは氷室紫月)
AAC世界選手権
写真集2冊
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