第321回 SPZ選手権 ラッキー内田VS氷室紫月
19年目2月
晴れてSPZ新王者となったラッキー内田、最初のシリーズが2月の「ハイパーバトル2028」である。初戦山口大会、新王者のラッキー内田はメインイベントの6人タッグに登場し、マッキー上戸、武藤めぐみと組んでビューティ市ヶ谷、芝田美紀、ロイヤル北条のジュエルローゼスと対戦。
「覚悟なさい!」
後輩にベルトを持ってかれた市ヶ谷がハッスル。マッキー上戸をエルボーでなぎ倒し、代わって出てきた武藤にはラリアット、そしてデスバレー。武藤をあっという間に追い込む。
そしてロイヤル北条、芝田もまだまだ下の世代には負けんと熱いファイトを展開。世代闘争マッチは長引いた。そしてロイヤル北条が手ごわい。恐怖のロイヤルスパイクがジューシーペアの2人を立て続けに突き刺す。ここで市ヶ谷様登場。ニーリフトでカウント2.9まで追い込まれた内田だったが、なんとか返し、マッキー上戸にタッチ。
しかし芝田がここでダイヤモンドキック。代わったロイヤル北条もこの日3発目のロイヤルスパイクをたたきき込む。マッキー上戸、半失神状態に追い込まれたが、これは武藤のカットに救われた。
最後は6人が入り乱れる攻防の中、武藤が芝田を捕らえて、ノーザンライトスープレックス!これでカウント3奪取。
「はぁ、はぁ、・・・・まだよ!もっと強くならないと!」
地方大会のメインながら38分57秒の激闘。しばらく6人はリング上に転がっていた。
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第4戦富山大会メインはあばしりタッグ戦。成瀬唯、フォクシー真帆のコンビが登場。今回の挑戦者は「キックの鬼」デイジー・クライと「弱気のネタ外人」ジーナ・デュラム。だが今回はデイジーの蹴りが猛威。ニーリフト、ハイキックでまず成瀬が脱落。孤立したフォクシー真帆にも猛攻。DDTでぐらつかせて、伝家の宝刀ハリケーンラッシュ。蹴り乱打を食らったフォクシーがのされてしまった。25分6秒、王座移動。
「ABASHIRI・・タッグベルト?」
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第7戦神戸大会メインはSPZタッグ戦。王者ロイヤル北条、芝田美紀に挑むのは前王者のジューシーペア。ラッキー内田にSPZ王者の風格が出てきたのか、ジュエルローゼス相手でも優位に試合を進める。ならばとロイヤル北条もヘッドバットなどラフに転じるが、逆にラッキー内田に捕らえられコブラツイストを延々かけられてしまう。ここで弱ったロイヤル北条を捉えて・・・
「マッキー!」
「おうよー!」
合体パワーボム炸裂。29分2秒、これでカウント3が入った。これでジューシーペアがベルトを奪還。なんとラッキー内田は2冠王。
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SPZタッグ選手権(60分1本勝負)
○ラッキー内田、マッキー上戸(29分2秒、合体パワーボムからのエビ固め)ロイヤル北条×、芝田美紀
R北条組が2度目の防衛に失敗、ジューシーペアが第32代王者となる
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最終戦は横スペ大会。会場入り口には下記の大看板が。
「SPZ世界選手権 ラッキー内田 VS 氷室紫月」
第1試合は野村つばさ対ジーナ・デュラム。
「いやーーッ!」
会場の男性ファンの感性を味方につけた?ジーナが悲鳴を上げながら放ったニーリフトが入ってしまって、野村からカウント3奪取。勝負タイム8分4秒。
第2試合はノエル白石対キューティー金井。アイドルレスラーのキューティーも団体最古参となり、新人のノエル白石相手に投げ技を軽やかに決めてゆく。しかしー
「もう終わりにするの」
ノエル白石のSTOが思ったより効いたのか、動きがガクッと落ちるキューティー、しかし・・
「これでどぉだぁ!」
必殺バックドロップ炸裂。これでノエル白石からカウント3.16分16秒の激闘だった。
第3試合は「悪党」ライラ神威 対 「キックの鬼」デイジー・クライ。今年最初の横スペ登場に気合が入ったのか、ガトリング砲を乱射しながら登場したライラだったが、デイジーが蹴りを的確に決めて優位に試合を進め、最後はネックブリーカーでカウント3を奪った。勝負タイム12分42秒。その試合が終わると休憩。
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休憩明けの第4試合はフレイア鏡・ロイヤル北条・芝田美紀の「ジュエルローゼス」登場。やはりこの3人がリングに並ぶと壮観。
対するはフォクシー真帆、成瀬唯、マッキー上戸の寄せ集め?トリオ。試合は6人タッグマッチらしいバタバタした攻防が続いた。しかし最後はマッキー上戸のパワーが大爆発。ロイヤル北条をスプラッシュマウンテンで半失神に追い込んで、合体パワーボムで3カウント奪取。勝負タイム18分5秒。
「やっぱアタシってば最強ッ!」
セミファイナルはビューティ市ヶ谷対武藤めぐみ。SPZベルトをラッキー内田に奪われ失意の市ヶ谷に対するは武藤めぐみ。しかしこの日の市ヶ谷は強かった。イッキの攻めで武藤を撃沈。8分13秒、フィッシャーマンバスターで一蹴した。
メインイベントはSPZ戦。新王者ラッキー内田、初防衛戦の相手は同期の氷室紫月。ファイトスタイルが似ているのでレスリングの真髄が見られるカードで、固定ファンの多い横スペだからあえてこういう地味なカードをメインのタイトル戦に持ってきた。しばらくはグラウンドレスリングの地味な攻防が続く。選手会興行のバトルロイヤルで周囲そっちのけで2人きりの世界を20分も作ったのは語り草になっている。満員のファンもじっと見入る。
「ううっ・・・」
氷室のねちっこい攻めに苦しむラッキー。逆片エビで反撃するも氷室はロープ近くで闘い決定的チャンスを作らせない。そしてワンチャンスを先にものにしたのは氷室。
「これで決まり。」
リング中央でのもみ合いを制して、さっと組み付いてドラゴンスリーパー。ラッキー内田の身体からすうっと力が抜けてゆく。
―ダメ、防衛・・しなきゃ・・・
しかしどうあがいてもドラゴンスリーパーから抜けられない。しばらく耐えた内田だったが、ついに諦め、ギブアップの言葉を吐いた。勝負タイム27分19秒、氷室がSPZ第54台王者に輝いた。
「良かった・・・」
氷室の腰にベルトが巻かれる。16期生の氷室もこれで女王の座に輝いた。
ラッキー内田はパートナーのマッキー上戸の肩を借りて控室へ戻った。悔しさをこらえて「氷室さんは・・・ああいう勝ち方を狙ってたと思う。それに気づかなかった私のミス。」とコメントした。
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SPZ世界選手権(60分1本勝負)
氷室紫月(27分19秒、ドラゴンスリーパー)ラッキー内田
第53代王者が初防衛に失敗、氷室が54代王者となる。
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