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2008年5月17日 (土)

第410回 光と闇の頂上決戦(1)

前回までのあらすじ

横浜のお嬢様プロレス団体「スーパースターズプロレスリングゼット」はじまって以来の悪役レスラー・ライラ神威はついにノエル白石を下し、団体の頂点、SPZ世界選手権のベルトを巻くに至った。

しかし、営業面への影響および団体イメージの低下を恐れた社長吉田龍子・取締役井上霧子ら「マッチメイク委員会」は、すぐさま団体最強の武藤めぐみを挑戦者として推挙し、ライラ神威のベルトを取り戻しにかかった。

そして、2031年12月15日、埼玉ドーム、光と闇の頂上決戦!!!

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セミが終わるやいなやさいたまドームに詰め掛けたファンはメインの試合への期待感からか、大歓声大声援。

まず「アメジスト」に乗って武藤めぐみが花道を歩いてリングへ。9月にノエル白石に不覚を喫して以来、3ヶ月ぶりにベルト奪還のチャンスがめぐってきた。実力なら団体最強。SPZベルト連続防衛15回の歴代1位タイ記録も持っている。若手時代はともかく、ここ3年ほどは1期先輩のライラ神威には全て勝っている。

「この花道、勝って戻って見せる!」

いつも通りクールな表情でリングイン。

そのあと、ライラ神威の番、しかしなかなか入場しない。そして・・

ドオオオオオ!!

花道に高そうなオープンカーが姿を現した。いつもと違って、エルガーの「威風堂々」がかかる中、ベルトを掲げたライラ神威が後部座席に立ってリングへ進む。オープンカーを運転しているのは今野役員。助手席にはREKIが「DF」の黒い旗を掲げている。

―これをやるのが、夢だった・・・

エプロンサイドでオープンカーが止まり、第64代SPZ王者・ライラ神威がリングイン。

ライラ神威のセコンドにはREKIとコンバット斉藤、武藤めぐみのセコンドには成瀬唯がついた。

続いて認定証の読み上げ。

立会人の京スポ新聞若林記者(50)が井上霧子に支えられてリングに上がる。やらせなのだが、まだ頭に包帯を巻いている。10月にこの選手、ライラ神威のスタンロッドを食らって入院に追い込まれたのである。

若林記者、認定証の文字を読まずに、こう一言。

「ふたりの生き様を見せてください。2031年12月15日、若林太郎。」

続いてチャンピオンベルトの返還。ライラ神威が若林記者にベルトを返還。若林記者がベルトを四方に掲げるお決まりのセレモニー。

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そのあと村越リングアナが両者をコール。

「本日のメインイベント、SPZ世界選手権 60分1本勝負を行います!」

ドワアアアア

「青コーナー、挑戦者、静岡県本川根町出身、武藤ー、めぐーみー!!」

「赤コーナー、SPZ世界選手権者 北海道新得町出身、らいらー、かむーいー!!」

ドドドドドドド

「レフェリー、ロイヤル北条」

ロイヤル北条がレフェリーチェックに入ろうとしたところを、ライラ神威がいきなり武藤に襲い掛かってきた。

「ウルァアアアアアアアア!!」

いきなり右のパンチ。武藤めぐみの側頭部を思い切り殴りつけた。不意打ちに片ひざを突く武藤、なおもショートレンジで殴りかかってゆくライラ神威。やむを得ずロイヤル北条レフェリーは本部席へゴング要請のサインを送った。

カンッ

本部席の今野役員がここでゴングを鳴らした。

「氏ね、オラアアアアアアアア」

なおもボコボコと殴っていくライラ神威、当然オープンフィンガーグローブの中には何か入っているに違いない。

歓声と怒号が渦巻くさいたまドーム、光と闇の頂上決戦がいま幕を開けた。

「さあいよいよ始まりましたSPZタイトルマッチ、解説はSPZの社長、吉田龍子さんにお越しいただきました。さて、吉田さん、この試合のポイントは」

実況はいつも通り世界のかずのりこと森和紀アナ、かいせつは吉田龍子。

「んー、まあ武藤選手が自分のプロレスをきっちりやれれば結果はついてくると思いますよ。逆にライラ選手はあわてさせる事ですね。悪い事でも何でもやって」

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頭をぶん殴られて先手をとられた武藤めぐみ、ひとまず場外へエスケープ。しかしライラ神威、まだ追っては来ない。場外でうずくまる武藤めぐみを指さして挑発。

「ヘイヘイどうしたこのクソ天才姫!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

武藤めぐみ、リングの回りを一周して呼吸を整え、サッとリングイン。

しばしにらみ合ったあと、リング中央で組み合った。武藤めぐみが押し勝ち、ロープ際へクリーンにブレイク・・・・その隙を突いたライラ神威、

―先手を取られたらまず勝てない。

武藤まぐみの強さはよく分かっているライラ神威、早くも凶器入りヘッドバットで先手。覆面の中には絶対何かが入っている。

ごつ、ごつ、ごつ!!!

「ぐうっ・・・・」

リング上をのた打ち回りながら苦しむ武藤めぐみ、ライラ神威、追ってきてストンピングを降らせてから、上に乗ってスリーパーで攻めようとする。しかし武藤めぐみもしっかりガード、しばらくそのままグランドの攻防となった・・・

なんとか武藤めぐみロープブレイク。

そのあと両者立ち上がって組み付く。こんどは武藤めぐみがいい差し手、ライラ神威をロープに振って、かえって来た所をめがけて跳躍。

「はっ!」

お手本どおりのドロップキックで手数を返す。

「うおっ!」

ハデに吹っ飛ぶライラ神威。

「5分経過、5分経過・・・」

ここで5分経過のアナウンス。序盤は互角の展開。

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(長くなるので、続きます)

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