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2008年5月 7日 (水)

書き下ろしSS ギムレット美月のそれから2

元SPZ10期生のギムレット美月(28)のそれから(その2)

フリーになってもう4年が経つ。その間彼女はリングネームを「悪の殺し屋 ジ・オブリビオン」に変えて、黒いカッターシャツとタイツに身を包み、オファーがあればいろいろなインディー団体のリングに上がり、「1試合5万円」のギャラを稼ぎ続けた。

愛知県設楽町にある小さめの体育館。ここ1週間、「あいちおいでんプロレス」の巡業に同行して、若い選手にみっちりレスリングを叩き込んでいる。

「痛い痛い痛い痛い!!」

対戦相手の女子レスラー、ウイング下地をいたぶって観客からブーイングを浴びる。

客数は500人もいないし、内陸部の小さな町なのでさほどプロレスを見慣れているとも思えないので、オーソドックスに関節を極めていった。

なんとかロープに逃れるウイング下地。

「FINISH・・・・」

10分くらい痛めつけたのでもうそろそろかなと感じたオブリビオン、ウイング下地の頭をつかんで引きずり起こして、

右腕を大きく振りかぶってラリアットを狙った。が、モーションが大きいのでうまく決まった試しがない。元々この選手は立ち技はあまりうまくない。

ばさっ!

ウイング下地はリストバンドに隠し持っていたパウダーを投げつけた。白い粉が飛散する。

「うわあ、目が、目がっ・・・」

直撃を食らったオブリビオン、たまらずその場に倒れこんで、顔を押さえて足をばたつかせる。意外な展開に観衆は沸いた。

「いまが、チャーンス!」

ウイング下地、すばやく組み付いて、フィッシャーマンズスープレックスで投げた。そのままフォール。

ワン、トゥ、スリー。

ジ・オブリビオン、11分33秒であっさり敗北。もちろんブックは事前に決まっていた。

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ばしゃっ。

オブリビオン、洗面所でこびりついたパウダーを洗ってからセミ、メインの男子レスラーのルチャリブレを観戦。そのあと社長に挨拶。

「今週はどうもありがとうございました。ギャラのほうは、後日請求書をお送りいたしますので、9月20日払いで振り込んでください」

愛知県の東部の町や村を7戦サーキットしたジ・オブリビオン。往年の動きは望むべくもないが、グラウンドレスリングだけならまだまだ通用する。

ー東京に帰ったら、物件を見て回らないと・・・

一昨年に個人事務所「ギムレットオフィス」を立ち上げ、オブリビオンのフリー参戦とプロレスグッズのネット通販でまずまずの売り上げが上がっていた。この選手、老後のためにプロレス会場のオーナーになって、会場使用料で食っていこうという野望がある・・・

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j筆者より、修行から帰ってきてズタズタなので15分で場もたせ用のSSを書きました・・・

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