25年8月 第25回SPZクライマックス
翌日は九州ドーム大会。
N神威(2点、地獄落としからの片エビ固め 15分くらい)Kカミスワ(2点)
「ウガアアアア」
狂乱ファイトのナイトメアとベーシックスタイルのカミスワ、これが微妙にスイングして盛り上がる。カミスワ、中盤からはドロップキックや脇固めでちまちま攻める。ローリングソバットもとりあえず出しておく感じで仕掛ける。そうやってスキをうかがっていたが、
「グフフ♪ツカマエタァ」
バックドロップ2連発。これでカミスワ頭を打った。すかさず地獄落としでとどめ。ナイトメア神威が予選会のとき同様に力押しでカミスワを沈めた。
A中森(2点、ストレッチプラム 16.09)REKI(2点)
開幕2連敗のイージス中森、シード権確保のためにも勝っておきたいところ。さすがに今日は気合いが入っていた。ジャンピングニーで追い込んでストレッチプラム。これでREKIからギブアップを奪った。
C斉藤(6点、ジェットスマッシュからの片エビ固め 28.42)N白石(4点)
「最終戦の横浜で武藤とコンバットが当たりますから、それまで両方とも取りこぼさないことですね」
かいせつの吉田龍子が語る。コンバット斉藤、この日の相手は怪力のノエル白石。組み付かれてのパワーに押されてなかなか殴る蹴るに持ち込めない。
「はっ」
踏み込んでくるノエル白石を急場しのぎの頭突きで応戦。
要するに密着して戦えば打撃の出せないコンバット斉藤などたいしたことはないのだ。懸命に裏拳で手数を返すコンバット斉藤、
―あたしはもう以前の空手家じゃあないんだ!
組み付いてくるノエルをコブラツイストに切り返す。4年余りのレスラー生活でここまで技術を身につけた。彼女の研究熱心さがうかがえる、
「・・うう・・・」
ノエル白石の身体が離れた。いまだ。
「ジェットスマッシュ!」
どかーん、はい終了。
―ゼェ、ゼェ、ゼェエ・・・
なんとか勝てたコンバット斉藤、控室に戻ってくるなりコンバット斉藤、ぶっ倒れた。
ー一歩間違ったら、持ってかれた・・・
武藤(6点、延髄斬りからの片エビ固め 12.41)R神威(0点)
光と闇の頂上決戦が九州ドームで組まれた。
「氏ねや武藤!」
レフェリーチェックのスキをついて急襲していったライラ神威だったが、武藤も倍返し。去年この選手に負けて優勝戦線から後退したのだ。Sクラ奪還のためにも2年続けての取りこぼしは許されない。
「あなたなんかに、あなたなんかに!負けるもんですか!!」
武藤一気の攻め、早い時点でムーンサルトを繰り出す。そして延髄斬り。武藤めぐみ3連勝。ライラ神威、開幕から3連敗、さすがに動きが落ちてきたのか・・・
3戦目を終えた時点で武藤めぐみとコンバット斉藤の二人が3連勝でトップ。翌日は大阪なにわパワフルドーム大会。
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A中森(3点、時間切れ引き分け)Kカミスワ(3点)
両者とも理詰めのレスリングを得意とするだけあってねちっこい技の応酬。いっときも目が離せないいい勝負となった。脇固めでみっちり右腕を集中攻撃してゆくカミスワ。しかしイージス中森も裏拳で追い打ち。闘いは長期化した。
あっという間に30分が経過、両者譲らずドロー。
「ハー、ハー、ハーッ・・・」
「・・・なかなか、やりますね。」
REKI(4点、新蛇抜からのエビ固め 11.48)R神威(0点)
DFの同門対決。しかし17期生、ライラ神威の動きがそうとう悪い。REKIのスピードについていけないのだ。
「クソッタレガーーーーーー」
なんとかカムイエクウチカウシで反撃したが2.5で返され、逆に農鳥の直撃弾を食らって棒立ちになったところへ新蛇抜(しんじゃぬけ・変形フランケンシュタイナー)で丸め込まれて敗北。DF総帥、ライラ神威4連敗・・・
「チキショウ消えうせろ!」
記者陣に悪態をつくライラ神威。それがかえって痛々しい
N神威(4点、パワーボムからのエビ固め 24.11)C斉藤(6点)
またまたDFの直接対決。奇声を発しながら襲い掛かっていったナイトメアだが、
「スキだらけです。」
掌底でボコボコ。しかしナイトメア神威打たれ強い。何事もなかったかのように頭突きで反撃。
―きいてないはずはない、必ず足に来る、それまで・・っ
ナイトメア神威の力任せの攻撃に懸命に耐える、そしてー
「一気に決める!」
ジェットスマッシュ!ナイトメアの動きがさすがにこれで止まった。
「ハァーッ!!」
トドメの飛燕脚。しかしなお2.8で返すナイトメア
―しぶとい・・・
コンバット斉藤、急場しのぎにローリングソバットをたたきこむ。しかしこれも2.9で返すナイトメア。
―くう、まるで、まるで・・・
学生時代に見たゾンビ系ホラー映画がコンバット脳裏をよぎる。
攻め疲れてしまったコンバット斉藤、そこへ狂ったようにナイトメア神威が攻めかかる!
「ファーハハハハ!」
ナイトメア神威、地獄落としを挟んでの渾身のパワーボム。
ワン、トゥ、スリー。
SPZ王者が3カウントを奪われた。
「負けてしまった・・・」
コンバット斉藤、この1敗が尾を引かなければいいのだが・・・
武藤(8点、DDTからの片エビ固め 14.57)N白石(4点)
目の前で最大の敵・コンバット斉藤が敗れるのを見た武藤、単独トップに立つべくノエル白石を攻め立てる。ノエルのパワーさっぽうに苦しんだものの、ノーザンで形勢逆転。すかさずムーンサルトを叩き込む。これはなんとか2.8で返したノエル白石だったが、トドメのDDTに沈んだ・・・
「あと3試合ですか。しっかりやります。」
単独トップに立った武藤めぐみ、俄然有利に・・・
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シリーズ6戦目は一気に北海道へ飛んでどさんこドーム大会。
A中森(5点、ノーザンライトSH 15.33)R神威(0点)
「もうリーグ戦なんてどうでもいい。気にくわねえやつらをぶっコロスだけさあ」
この日の相手は実力者、イージス中森、終盤にストレッチプラムにつかまってしまう。ライラ神威、カムイエクウチカウシで反撃。しかしイージス中森もノーザンでお返し。ライラ神威泥沼5連敗、長い事守ってきたシード権も失った・・・
「シード権?知るかそんなの!!そんなん気にしてプロレスやってねえよ!」
ライラ神威、ウサ晴らしに行くのか、ススキノの街へ消えていった・・・・
N白石(6点、STOからの片エビ固め 12.13)N神威(4点)
おとといコンバット斉藤を破る殊勲の星を挙げたナイトメア神威。しかしパワーならノエル白石のほうがまだまだ上。ナイトメア神威の狂乱ファイトもノエルのマイペースぶりに空回り。
「えっと・・・・」
バックドロップで動きを止められてしまう。そして修羅場をかいくぐってきた経験ではノエル白石が断然上。最後はきっちりSTOで3勝目を挙げた。
C斉藤(8点、飛燕脚からの片エビ固め 10.55)Kカミスワ(3点)
「これで今日の札幌、明日の仙台負けられなくなりましたね」
なんとか1ゲーム差で武藤に食らいつかないといけない。この日はカミスワを打撃でさくさく攻め立てる。
―川端さんはまだ大きいのを持っていないから大丈夫だ。大丈夫。
コンバット斉藤飛燕脚であっさり3カウント奪取。
武藤(10点、サソリ固め 10.41)REKI(4点)
武藤めぐみエンジン全開、サソリ固めでREKIをあっさり始末。
第25回SPZクライマックス、武藤めぐみが10点で首位を走り、1敗でコンバット斉藤が追う展開・・・(続く)
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