第510回 コンバット斉藤21連勝
27年目5月
「えー、そんなー」
新人の二人(マイティ祐希子と霧島レイラ)は基礎ができていないので、横浜の道場で居残り練習。ラッキー内田コーチが受け身を叩き込んだ。
5月シリーズ「バトルカデンツァ」は四国地方を転戦した後、第5戦岡山大会。
メインはあばしりタッグ大会、王者セイレーン千春、マーメイド千秋に挑むのは、25期生コンビ八島静香&ハリケーン神田。チームワークも経験も悪役姉妹コンビが上だが、25期生コンビにも最近力をつけてきて、メインやセミでも存在感を出すようになってきた。
「死ねやオラ」
悪役姉妹のコンビプレイに苦しむハリケーン神田。セイレーン千春はそこそこ攻め込めてもマーメイド千秋は実力者、ペースをなかなかつかめない。
「おうらあ!」
しかし女番長・八島もデスバレーでセイレーン千春を苦しめる。すかさずマーメイド千秋が出てきてフォロー。姉と違ってこの選手はSPZで5年もまれたのでなかなかの実力者。
「遊びは終わりだ、くらえっ」
マーメイド千秋の急角度バックドロップ2連発。これでハリケーン神田は動けなくなり3カウントを喫した。王者組みが防衛に成功。
「くくくくく、相手にならねえ」
勝負タイム26分47秒。
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第7戦新潟大会。メインではSPZ戦。王者コンバット斉藤に挑むのはベテラン強豪外人ローズ・ヒューイット。たまに地方でSPZ戦が組まれたのでファンは大喜び。
コンバット斉藤が最後にシングルマッチで敗北したのが昨年のローズヒューイット戦。立ち技飛び技打撃技なんでもこなせる意外に器用な選手なので油断のならない相手だ。
「ふっ!」
ローズヒューイット、いきなり走ってでのタックル。この選手見た目以上に筋力もある。しかしコンバット斉藤も掌底で応戦。珍しくフロントスープレックスまで見せた。
「はいっ!」
そしてニーリフト。打撃技を効果的に使って追い込んでゆく。しかしローズヒューイットもバスターローズで応戦。試合は盛り上がった。
「何やってんだ斉藤、打撃ぶちかませガンガンいけ」
吉田龍子(SPZ社長)が解説そっちのけで本部席からどなるが、ローズヒューイット、STOからのストレッチプラムでコンバット斉藤をカウント2.8まで追い込む。また逆転劇か。
「くっ・・・」
試合後の社長の叱責や制裁を恐れたのか、何とかコンバット斉藤、飛燕脚で動きを止めてのパワーボムでヒューイットの猛追を振り切った。
勝負タイム39分49秒、勝つには勝ったがコンバット斉藤、しばらく起き上がれなかった。ともあれこれで7度目の防衛。シングルマッチの連勝も20に伸ばした。
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最終戦は横スペ大会。毎年恒例の東西対抗戦。勝者チームには1人10万円の賞金が出るので真剣勝負が展開された。
斉藤彰(三重)×―○S小縞(和歌山)
初戦は26期生同士の対戦。しかし賞金奪取に燃えるスカーレット小縞が頭突き頭突きラリアットとアイドルレスラーらしからぬ攻め。しかし斉藤も姉譲りの飛燕脚で応戦。試合は盛り上がったが、
「これでも食らえ!」
スカーレット小縞、2度目のラリアット。これで斉藤を沈めた。勝負タイム10分32秒。これで西軍が1勝目。
H神田×(茨城)―八島○(島根)
次は25期生どうしの対決。馬力なら八島なのだがハリケーン神田には打撃がある。
「なめんな!」
八島がデスバレーでH神田の動きを止めて、最後はショルダータックルから押さえ込んで3カウントを奪取。これで西軍が2連勝。
N神威○(北海道)―S千春×(鳥取)
これは勝負は見えていた。ナイトメア神威がいつもどおりの狂乱ファイト。最後は高角度バックドロップで動きを止めてからのミサイルキック。勝負タイム12分18秒。
C斉藤○(三重)-M千秋×(鳥取)
昨日40分近い死闘を闘ったコンバット斉藤、さすがに動きに精彩がない。しかしこの日の相手は攻めやすいところのあるマーメイド千秋。落ち着いてニーリフトと掌底で攻めてゆく。そしてマーメイド千秋が弱ったところで伝家の宝刀ジェットスマッシュ炸裂。危なげなく勝利。コンバット斉藤21連勝。これで2勝2敗の振り出しに戻った。
N白石○(新潟)―野村×(愛媛)
古参選手同士の対決だが、アイドルレスラーと元SPZ王者では結果は見えていた。バックドロップであっさりノエル白石が勝利。東軍が3連勝でリーチをかけた。
REKI(山梨)-A中森○(徳島)
大将戦は20期生同士の対決。REKIはスピード、イージス中森はグラウンドレスリング。ファイトスタイルがまるで違う両者の対戦だが妙にかみ合った。
「・・・・・」
REKIが回し蹴りの連打で優位に立つが、イージス中森も寝かせてしまえばこちらのものとばかりスリーパーや逆片エビでねちねちと。
「ふっ!」
REKIのフェイスクラッシャー2連発。イージス中森をカウント2まで追い込む。しかしイージス中森も裏拳で反撃。しかしここでREKIが勝負。農鳥で急降下、しかしイージス中森もカウント2で返して、
「はっ」
大きく振りかぶって裏拳で倒し、そのまま組み付いてドラゴンスリーパー。懸命にこらえたREKIだがついにタップ。イージス中森が28分16秒の熱戦を制した。この結果東西対抗戦は3対3の引き分けとなり、規定により賞金はフロントに没収された。
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