第532回 27年目3月 グッバイSPZ
3月シリーズ「ファイヤーソウルシリーズ」開幕。前半は東北地方を転戦。
第5戦宇都宮大会で注目カード、マイティ祐希子対ローズ・ヒューイットの一騎打ち。
今シリーズ限りで引退のローズヒューイット。新人のマイティ祐希子相手に余裕のファイト。最後はシャイニングウィザードを連発してマイティ祐希子を仕留めた。勝負タイム11分13秒。
「あと2年もすれば恐ろしい存在になるだろうけど、まだまだ一流レスラーとしての動きに欠けている」
第7戦幕張大会メインではあばしりタッグ戦。悪役姉妹タッグに挑むのは外人チーム、ハムルシアター、マリシア・ルイス組。力のこもった好勝負が展開されたが、ハムルシアターのニーリフトがガスガス入り、悪役姉妹は大苦戦を強いられた。
「ハァッ!」
ハムルのハイキックにセイレーン千春悶絶。フラフラと起き上がったところをフライングニールキック。これでカウント3が入った。勝負タイム36分28秒、あばしりベルトまたも海外流出・・・
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最終戦はさいたまドーム大会。
第1試合は霧島レイラ対マリシア・ルイス
昨日の幕張であばしり王者に輝いたマリシア・ルイス。きょうも落ち着いて持ち味である小気味いい打撃で霧島レイラをぶん殴ってゆくが、
「覚悟ッ!」
霧島レイラのラリアットが入った。これがまともに入ってしまった。これでカウント3。外人選手相手に堂々のフォール勝ち。新人の霧島レイラもM祐希子の陰に隠れてはいるが進歩を見せている。
第2試合は若手アイドルレスラー・スカーレット小縞対実力派外人Jビートン。この試合から大日本テレビのカメラが回り始めた。
「全国のプロレスファンの皆様こんばんは。今週もSPZプロレス中継の時間がやってまいりました。さて、リング上はちょうどアイドルレスラーのスカーレット小縞があがっております。あーっとビートンのDDT,これはイターイ!!そしてスクラップバスター!!なんとか2.5で返したがスカーレット小縞反撃できるか」
「んー、まだ目は死んでいませんね」
「アーッとスカーレット小縞うまく組み付いた。そしてパワーボムか?違うパイルドライバー、のーうてんくいうち、これは効いた。ビートンフラフラ、ビートンフラフラ、そしてスカーレット小縞何を持ってくるか、ダブルアームの態勢から、タイガードライバー、タイガードライバー決まった、あーこれでカウント3が入ったーッ!スカーレット小縞鮮やかな逆転勝利!!」
勝負タイム10分41秒。
第3試合はハムルシアター、アネットデュラム対ディスガイズマスク、ミスティアマスクのタッグマッチ。この一戦はダイジェストでの放映となった。
「実況は私、伊藤啓、かいせつはおなじみのSPZの社長、吉田龍子さんです」
「んー、どうも。」
第3試合はハムルシアターが格の違いを見せてハイキックでミスティアマスクを屠った。この試合が終わると休憩。
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休憩後の第4試合シングルマッチ。
「次の試合に出場するシンディー・ウォン選手はこの試合が日本で最後のファイトとなります。ファンの皆様より一層のご声援をお願いいたします。」
ドオオオオオオ!!
悪役外人バイプレイヤーとして長らくSPZを支えてきた名選手がリングを去る。
対戦相手は26期生の斉藤彰子。出だしこそ掌底で攻めたものの、すぐに形勢逆転される。
ぼこっ!
見た目は痛そうに見えないがものすごく痛いシンディーのステップキック。これで斉藤彰子は動けなくなってしまった。一発やられると動きが止まるのが斉藤の欠点。
「フフフフフ・・・」
シンディ、斉藤彰子をヘッドロックに捕らえると、隠し持っていたフォークで斉藤彰子をメッタ突き。テレビカメラに見せ付けるような残虐シーン!!
「ぐわあーっ!!」
もがき苦しむ斉藤彰子。すかさずフォールして3カウント。最後まで悪役道を貫いたシンディーウォンが10分29秒、凶器攻撃でラストマッチを飾った。
第5試合はタッグマッチ。セイレーン千春マーメイド千秋の悪役姉妹に対するは25期生コンビ、ハリケーン神田&八島静香。あばしりタッグをめぐって何回か対戦しており内容は保証書つき。25期生の二人が上に行くためにはこの悪役姉妹を叩きのめさないといけない。
先にセイレーン千春をつぶしてマーメイド千秋を孤立させる25期生の作戦がズバリ的中。いくら試合巧者のマーメイド千秋といえどこの2人にかわるがわる攻められてはたまったものではない。
「はっ!」
ハリケーン神田のゴッドアンド炸裂。これでカウント3が入った。勝負タイム15分12秒。
「次の試合に出場するローズ・ヒューイット選手はこの試合が日本で最後のファイトとなります。ファンの皆様より一層のご声援をお願いいたします。」
最強外人の一角、ローズヒューイットもこれが最後のファイト。市ヶ谷様やロイヤル北条、ラッキー内田、武藤と名勝負を繰り広げ、SPZベルトを巻いた名レスラーも今日で最後。いつものように対戦相手のイージス中森を圧倒。
バッシーン。
結構力のこもったラリアット。腕の振りが凄い。イージス中森も懸命に応戦したが、シャイニングウィザードをモロに食らって3カウントを奪われた。勝負タイム15分36秒。
そして次の試合セミファイナルも最強外人のラストマッチ。
「次の試合に出場するジェナ・メガライト選手はこの試合が日本で最後のファイトとなります。ファンの皆様より一層のご声援をお願いいたします。」
「ウォーッ!」
ジェナメガライト、いつものようにコーナーに上がってパワーを誇示。SPZベルトも3度巻いた外人最強クラスの選手。この選手、TWWAマットから撤退するのでこれが最後のSPZマット参戦となる。
対戦相手は新人のマイティ祐希子。前衛的なマッチメイクだ。
―投げが速い。
組み付かれた次の瞬間には投げられている。マイティ祐希子どうすることもできず投げまくられ、最後はバックドロップ、パイルドライバーと畳み掛けられて終了。勝負タイム7分0秒。
「ガッハハハハハハ!グッバイ!SPZ」
育成マッチで玉砕したマイティ祐希子、ダメージが深くセコンドの肩を借りて引揚げた。一方的な敗戦に控室で悔し泣きしたらしい。
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メインのSPZ戦、王者コンバット斉藤に対するはナイトメア神威。本隊エース対PDF首魁の頂上対決。
「UHYAHYAHYHAYHA」
ナイトメア神威、積極的に攻めにかかる。要するにつぶされる前につぶすという仕掛け。パワーボム、タイガードライバー、地獄落としとドトウの攻め。
「UHAAAAAAAA」
ナイトメア神威裏投げ。しかしコンバット斉藤もパワースラムで応戦。しかしここで試合が動いた。
ナイトメア神威凶器攻撃。ぶっとい釘をコンバット斉藤の頭に突きたてる。なりふり構わない手だ。
「ぐわああああ」
滴り落ちる鮮血。さいたまドームは悲鳴と怒号に包まれた。しかしこれでコンバット斉藤がキレた。
「うらあっ!」
コンバット斉藤、気合いとともにものすごい飛燕脚。これはカウント2で返したが、コンバット斉藤容赦しない!!
「はあーっ!」
コンバット斉藤、ジェットスマッシュ!これはまともに入った。崩れ落ちるナイトメア神威、ひっくり返してカバー、そのまま3カウントが入った。勝負タイム29分57秒、王者が2度目の防衛に成功。
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28年目4月
忘れた頃にやってくる手塚オーナーの資金要請。パソコンショップチェーンを買収するらしい。SPZは泣く泣くおよそ30億円を拠出した。
新人スカウトで藤原和美獲得。
新人テストで中江里奈獲得「パワーには自信あるんだ」という積極性を買った。
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