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2008年11月16日 (日)

第543回 がんばれ祐希子(下)

28年目8月 第28回SPZクライマックス

第7戦はなにわパワフルドーム大会。
A中森(6点、コブラツイスト 14.33)八島(6点)

シード権争い(7点以上または4位以内)も苛烈。あと1点でシード権奪取の八島。もう1敗もできないイージス中森。両者の意地がぶつかり合った。イージス中森のほうが試合巧者だが、八島には一発の重さがある。しかしラストは突然に。

コブラツイストで八島が「わき腹がびりットした」感覚になってしまい、思わずギブアップしてしまった。

「勝った・・・・」

イージス中森、往年の動きはないがそれでも6点をかき集めたのだからさすが。千秋楽のマイティ祐希子戦にシード権をかける。

N神威(10点、サソリ固め 11.12)REKI(0点)

REKI泥沼6連敗。いったいどうしたのか。この日もいいところなくN神威に敗北。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

力なく引き揚げる後ろ姿に哀愁。やはり全身ガタガタなのか・・・

M千秋(4点、フィッシャーマンバスターからの片エビ固め 11.53)M祐希子(4点)

マーメイド千秋がボディスラムやフロントスープレックスで投げてからフィッシャーマンバスター。いきなり大技を持ってきた。早いつぶしにM祐希子のた打ち回る。しかしマイティ祐希子勝負を捨てず、ムーンサルトで反撃。両者大の字。

しかし先に立ち上がったのはマーメイド千秋、

「せぇぇい!」

最後の力を振り絞って延髄斬り、これはカウント2.9で返したマイティ祐希子だったが、続く2度目のフィッシャーマンバスターに力尽きた。

「・・・・」
マイティ祐希子、4敗目。シード権確保が厳しくなった。予選会で勝った相手に2連敗するというのも・・・・

C斉藤(12点、飛燕脚からの片エビ固め 17.43)H神田(6点)

ド迫力の殴り合い。こういうプロレスもありか。しかし消耗戦ではコンバット斉藤がどう考えても有利。案の定ニーリフト、裏拳とつないでH神田を追い込む。

「ハーーッ!」
そして最後は飛燕脚。これで終了。コンバット斉藤、昨年に続き2年連続の6連勝で最終戦の横スペ決戦に持ち込んだ。

******************************

最終戦は横スペ大会。

シード権争いは苛烈。
6点・・・A中森、H神田、八島
4点・・・M千秋、M祐希子

「7点以上または4位以内」がシード権確保の条件。(ただし同点で並んだ場合は同一順位とする)最終戦でH神田が八島と、A中森がM祐希子と直接対決するのでどう転ぶか分からない。

M祐希子(6点、ダイビングプレスからの体固め 22.38)A中森(6点)

「頑張れ祐希子!!」どん、どん、どどどん。

「頑張れ祐希子!!」どん どん どどどん。

「頑張れ祐希子!!」どん どん どどどん。

休憩が終るや自然発生的に「頑張れ祐希子」コール。初出場でシード権確保の可能性を残しているのだから、恐るべき16歳である。ファンもSPZの若き新星に大声援を送る。

「forever has gone」「today is infinity・・・・・」

そして鳴り響く「disintegration」。場内の盛り上がりは早くもピークに達した。まうティ祐希子が決然とした表情で花道を歩いてリングイン。

「晴れ渡る空に、丘をすべる風ー、希望の樹が、色濃く群れてく~」

そして「you give・・・」が流れるやイージス中森ファンがいっせいに手拍子。常連客の多い本拠地なのでみごとにタイミングが揃っている。

「蛹は蝶へと そして羽ばたいた 僕だけを、一人、取り残したままで~」

入場テーマ曲を唱和する固定ファンも多い。団体最古参、SPZ20期生のイージス中森が大歓声に包まれながら花道を小走りしてリングへ。

お互い、負けられない一戦。

―勝って終わる。

イージス中森が気合のこもった攻め。試合運びの技術では何枚も上。しかしマイティ祐希子もドロップキック連発で反撃。

「んー、マイティ祐希子選手、シード権の可能性はゼロじゃあありませんからね。頑張ってもらいたいです。んー、入門2年目でシード権なんてのはSPZクライマックスの歴史の中でもはじめてじゃあないですか」

かいせつの吉田龍子社長がコメント。しかし実況の伊藤アナ、事前に下調べしていたらしく鋭い突っ込み。

「いやちょっと待ってください。えーと、あーこれは22年前、第6回大会のときに吉田龍子って選手がいて、そのときに8点を挙げてシード権とってますね。それ以来の記録ということになります」

「あっははははは!」

吉田龍子笑う。本人も忘れていた22年ぶりの大記録がかかっている。

しかし放送席が盛り上がる間にイージス中森も逆片エビやコブラツイストで反撃。試合は長期化した。しかしマイティ祐希子、鋭いローリングソバットでペースを握って、最後はダイビングプレス2連発。これで3カウントを奪った。

結局2人とも3勝4敗の6点でSクラ公式戦を終えた。このあとの試合の結果次第で、4位以上確定によるシード権がころがりこんでくるのだが・・・

八島(8点、ドロップキックからの片エビ固め 18.09)H神田(6点)

6点同士の直接対決。30分ドローならば両方がシード権確保して終了だが、両者のファイトスタイルからいって難しいだろう。気合いが入っていたのは八島で、開始直後から力押しの猛攻を見せる。

ハリケーン神田もゴッドハンドを繰り出したが、それまでにダメージ蓄積がないので八島、ひるまず攻め続ける。最後はH神田のスタミナが尽きたところへタックル、そしてドロップキック。腰から崩れ落ちたハリケーン神田。チャンスと見た八島、上から無理やり押さえつけて3カウント奪取。

「3位・・・ね、賞品サンキュ」

八島静香が8点を挙げ、堂々の3位入賞。シード権奪取。賞品のスポーツドリンク1ケースを手に入れて引揚げた。

「くうっ・・・」

ハリケーン神田、3連勝のあと4連敗。ゴッドハンドが当たれば強いのだが・・・

この結果、現時点で6点でマイティ祐希子、イージス中森、ハリケーン神田の3人が並び、「同一得点上でのシード権争いは全員が通過とする」という大会規定に救われ、この3人のシード権確保が決まった。

REKI(2点、農鳥からの片エビ固め 11.13)M千秋(4点)

4位争いラインが6点まで下がったため、勝てばシード権奪還のマーメイド千秋、猛然と攻める。フィッシャーマンバスターでペースをつかんでバックドロップ。これは2.9で返したREKI、最後の力を振り絞ってコーナーに上がり跳んだ。

農鳥。

カウント2.5で返したM千秋だが、目がうつろだ。

「決める」

2度目の農鳥。これで試合は終わった。マーメイド千秋、シード権奪還はならなかった。REKI、最後に1勝を挙げてリーグ戦を終えた。

この結果、4位にはハリケーン神田、イージス中森、マイティ祐希子が6点で並び、この3人がシード権を確保した。

そしてメインイベント。頂上決戦。

C斉藤(14点、デスバレーボムからの片エビ固め 15.35)N神威(10点)

―ナイトメアさんとは差がない。だから積極的に蹴るしかない。

5分頃いきなりジェットスマッシュを放って流れを強引に手繰り寄せるC斉藤。ぐらついたところをフロントスープレックス。勝つためにはある程度目先を変えないといけない。しかしナイトメア神威も

「UHYAAAAA」

パワーボムで叩きつける。しかしC斉藤もここで勝負どころと見たのかパワースラム、裏拳の波状攻撃。しかしナイトメア神威もタイガードライバーで逆襲。そして掟破りの掌底まで繰り出す。しかし・・・

「勝負」
コンバット斉藤2度目のジェットスマッシュ。しかしN神威右腕をロープに伸ばす。コンバット斉藤デスバレー。しかしN神威ロープへ逃れる。これはポジショニングのまずさ。

N神威、フラフラになりながらもバックドロップで反撃したがそこまでだった。コンバット斉藤2度目のデスバレー。今度はリング中央で決まった。これで3カウント。勝負タイム15分35秒、コンバット斉藤が2年ぶり3度目の優勝。

Sクラ優勝回数3回というのは吉田龍子6回、ビューティ市ヶ谷5回、武藤めぐみ4回に続く歴代4位タイ(草薙みことも3回)の記録である。

「次も優勝を狙えるよう、これからも精進あるのみです」

優勝したコンバット斉藤には賞状と賞金100万円、副賞としてブランド物のバッグが贈られた。

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