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2008年11月23日 (日)

あきらめなければ、夢はかなう(3)

SPZ外伝 ギムレット美月の「それから」

あきらめなければ、夢はかなう(その3)

前回までのあらすじ

SPZきっての知性派レスラーであったギムレット美月(33)は、SPZマットから身を引いてから、自分の理想のプロレス会場を持ち、プロレス団体に貸して使用料で食べてゆこうという野望を持っていた。引退から苦節9年、ついに東京調布に「ギムレットホール」が完成し、12月1日、こけら落とし記念興行を行うところまでこぎつけた。最初の興行は、自らのネットワークを駆使して選手スタッフを呼び集め、手作りで「タッグトーナメント」を開催する・・・

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「大変長らくお待たせいたしました」

SPZの元リングアナ、今野役員62歳が久々にマイクを握った。この人も昔のよしみで日当1万円で借り出された。齢のせいか、SPZ初期の名調子は出ず、カンペを見ながらのしゃべり。

「本日はギムレットホールこけら落とし、グランドオープン記念タッグトーナメントにご来場いただきまことにありがとうございます。」

ワアアアアア!!

「本日のタッグトーナメントにエントリーの8チームを読み上げます。」

ドワアアアアアアア!!

「あいちおいでんプロレス、ウイング下地、レインボー船町組」

この会場には電光掲示板やジャンボトロンなどないので、ライラ神威レフェリーが半紙に「ウイング下地 レインボー船町」と墨書されたものを掲げる。

「上諏訪温泉地下プロレス、ジュードー・シモスワ、アイキドーオカヤ組」

「さいたまソウルプロレス、ミラクルひばり、ファンタやまばと組」

「きたぐにプロレス、デスマシーン489、ドリームマシーン583組」

このあたりはSPZ撤退後のギムレット美月と取引のある団体がエントリー。

「アメリカ独立系団体JOSより、ラフォリア、クーラント組」

名前も聞いたことのないような謎の外人ふたりがエントリーされた。

「国籍不明、マクロベータ1号、マクロベータ2号組」

そして、

「ギムレットオフィス代表、ギムレット美月&キューティー金井組」

ドワアアアアアア

ギムレットオフィスの社長、ギムレット美月もタッグトーナメントに参戦、しかもパートナーにはSPZの後輩で現マルチタレントのキューティー金井を起用。このチームが優勝候補の大本命なのか。キューティー金井(31)のコンディションが鍵か。

さらに、
「スーパースターズプロレスリングゼット代表、藤原和美、中江里奈組」

ドワアアアア

横浜のお嬢様プロレス団体・SPZも新人2名を派遣。ギムレットオフィス側から要請があった際、吉田社長も快く引き受けた。もっとも送り出したのがとにかく実戦経験を積ませたい新人2人というところがSPZらしい。

「なお優勝チームには賞金1,000円と、副賞として『喫茶あばしり』からクッキー1年分が贈られます。」

ドワハハハハハハハ!!

「せこいぞー、美月さん!!」

場内爆笑。どこまでしょぼい主催者なのだ。

「それではさっそく第1試合を始めたいと思います」

8チームの試合の組み合わせ、試合順は知らされず、テーマ曲が鳴って初めてわかるという状態。
場内に流れたのは、

「oblivion」
いきなり会場のムードは最高潮に高まった。SPZ10期のファイティングコンピューター、ギムレット美月が花道に姿を現した。

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