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2008年12月18日 (木)

第562回 29年目7月 最後の農鳥(下)

29年目7月 REKI引退シリーズ 最終戦・新日本ドーム大会

「次の試合に登場するREKI選手はこの試合が最後のファイトとなります。ファンの皆様より一層のご声援をお願いいたします」

シューマンの「二人の擲弾兵」に乗ってREKIがリングイン。

「赤コーナー、山梨県早川町出身、れーきーー!!」

村越リングアナが万感のコール。青紫の紙テープが乱舞。

対戦相手は28期生の藤原和美。どう考えても「最後をかっこよく農鳥で決めちゃってください」という会社側が気を使ったマッチメイク。先月の予選会でもREKIが勝っている。

しかしこの日は藤原の気合いが入っていた。REKIのすばやい動きにもきっちり対応。

―勝って、REKIさんを送り出す。

7分過ぎ、藤原のジャーマン!スピードの乗った投げを食らってREKIの動きが止まる。しかしREKIもこれ以上は受けられないと判断して、アームホイップで転ばせるやコーナーに駆け上がって、藤原が起き上がるのを待って、思い切りジャンプ。新日本ドームに舞った。

「農鳥!」

ドワアアアアア!!

出た出た代名詞の農鳥(急角度ミサイルキック)。スワンダイブ式より高く飛ぶので受けにくいのだ。吹っ飛ぶ藤原。続くフォールは藤原カウント2で返す。しかしREKI,立て続けにフェイスクラッシャー。そのあと、REKI、コーナーに登って一瞬だけ客席に目をやった。

「・・・・これで、終わり・・・」

REKIが飛んだ。もう一度。

この日2発目の農鳥、急角度の一撃をまともに食らって吹っ飛ぶ藤原。そしてREKI、片エビで押さえ込む。誰もがこれで終わりだと思った。

ワン、トゥ・・ドドドドド!

しかし藤原はなんとカウント2.9、ギリギリで返して、起き上がり、懸命にREKIに組み付いて、バックドロップで投げる。

―なっ・・・・

これでREKIは頭からマットへ。続くフォール、カウント2.5で返すREKI。

ワーワーワーワー。

両者大の字。さあどちらが先に起き上がるか。セコンドのRIKKAがバンバンバンとエプロンを叩いているが、REKI起き上がれない!藤原がゆっくり起き上がって、

「必殺技!行きます!」
2発目のジャーマン炸裂。ブリッジの高さもそのあとのグリップも完璧。REKIは肩を上げることができなかった。

ワン、トゥ、スリー!!

「14分59秒、ジャーマンスープレックスホールドで藤原和美の勝ち」

REKIさんに・・・勝った!

元SPZタッグ王者からの勝利に喜ぶ藤原。場内はどよめきに包まれたREKIはなかなか起き上がれず、羽山リングドクターがリングに上がって介抱。

REKIかなりの時間をかけて起き上がり、リング上で藤原と握手。手を離す前にREKIが藤原にささやいた。

「・・・ありがとう。」

そのあとREKI,四方にお辞儀をして引揚げた。

「解説の吉田さん・・・REKI選手最後を飾れませんでしたね」

「んー、まあ、私も2発目の農鳥で終わったと思ったんですけどねえ、まあ藤原も打たれ強くなったんでしょうね。今後が楽しみです」

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ざわついた雰囲気のまま、セミファイナル。

SPZクライマックス予選会決着ラウンド3戦目。斉藤彰子対スカーレット小縞。

斉藤彰子が勝つか引き分ければ、斉藤彰子と霧島レイラが本大会出場。

S小縞が25分46秒以内に勝てば、S小縞と斉藤彰子が本大会出場。

S小縞が勝っても勝負タイム25分46秒以上であれば、霧島と斉藤彰子が本大会出場。

果たしてどう転ぶか。試合前のスカーレット小縞は吹っ切れていた。

「なるようにしかなりません。ドームのセミで同期の斉藤さんとやれて嬉しいです」

しかし既に本大会出場を決めている斉藤彰子、失うものは何もないのでこういうときの斉藤彰子は強い。

S小縞相手には6月の予選会でも勝っているので落ち着いたファイト。掌底を的確に当てていって、5分過ぎに早くも飛燕脚。

「ううっ・・・・」
スカーレット小縞、頭突きで反撃するも飛んできたのは斉藤の裏拳。棒立ちになったところへ裏拳。これでふらついたところへ2度目の飛燕脚。これで大ダメージを負ったS小縞、スクラップバスターであっさりと敗北。

「ハハハハ、プレッシャーが無いと斉藤さん強いね」

かいせつの吉田龍子は笑うしかなかった。

斉藤彰(4点、スクラップバスターからの片エビ固め 9.19)S小縞(0点)

これで本大会出場は斉藤彰子と霧島レイラの2名に決定。

「ううっ、うわあああああん・・・・」

試合後、あと一歩のところで本大会出場を逃したS小縞は洗面所で号泣。

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そのころリング上ではメインのSPZ戦、王者マイティ祐希子に挑むのは21期生、SPZの重鎮、元エースのコンバット斉藤。マイティ祐希子が真のエースとなるにはタイトル戦で、ドームの大舞台でコンバット斉藤の壁を越えなくてはならない。

―蹴りを怖がっても仕方がない。やられるときはやられる。ガンガン攻める。

何も考えずにドロップキックやアームホイップでペースを握ろうとする。しかしコンバット斉藤も掌底で応戦。

「んー、祐希子選手が勝つには攻めて攻めてペースを崩して大技たたっこむしかないですからね」

「これでっ!」

試合中盤に放ったバックドロップが効いたのか、コンバット斉藤の動きが止まった。そこへローリングソバット、エルボー、2発目のバックドロップ。

しかしコンバット斉藤、勝負に出てジェットスマッシュ、そして裏拳!マイティ祐希子口の中をきったか流血。しかし、

「アーッ!!」
マイティ祐希子、3発目のバックドロップで斉藤をダウンさせるやコーナーに登って、

ムーンサルトプレス!

ワン、トゥ、スリー!!

勝負タイム39分51秒、王者が初防衛に成功。前エースのコンバット斉藤を下して、世代交代を印象付けた。

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そのあとREKIの引退セレモニー。

イージス中森選手会長が花束の贈呈。そしてSPZの吉田社長も記念品を贈呈。そのあとマスコミ各社から花束記念品の贈呈と続く。

そしてかつてのタッグパートナー・ライラ神威(現・居酒屋トムラウシ店主)が顔を出し、花束の贈呈。

「お疲れ、第二の人生も頑張れや」

そのあと10カウントゴング。20期生のREKI,クノイチレスラーとして、ヒール軍団DarkFraction、PerfectDarkFractionの核弾頭として精一杯SPZマットを駆け抜けた。満場のREKIコール。

「さらば・・・」

REKI、引退後は奈良田の里で身体のオーバーホールをした後、経験を生かして要人警護の仕事に就くらしい。

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REKI

SPZ20期生

2028年4月16日、京都市体育館での対 野村つばさ戦でデビュー。2037年7月23日、新日本ドームでの対 藤原和美戦で引退。稼動月数112ヶ月、出場試合数(概算)808試合

タイトル歴

第45代SPZ世界タッグ王者(パートナーはライラ神威)

第48代SPZ世界タッグ王者(パートナーはライラ神威)

第53代SPZ世界タッグ王者(パートナーはライラ神威)

第55代SPZ世界タッグ王者(パートナーはナイトメア神威)

第57代SPZ世界タッグ王者(パートナーはナイトメア神威)

第59代SPZ世界タッグ王者(パートナーはナイトメア神威)

第61代SPZ世界タッグ王者(パートナーはナイトメア神威)

第64代SPZ世界タッグ王者(パートナーはナイトメア神威)

第26代あばしりタッグ王者(パートナーはライラ神威)

第28代あばしりタッグ王者(パートナーはライラ神威)

第33代あばしりタッグ王者(パートナーはフレイア鏡)

第35代あばしりタッグ王者(パートナーはコンバット斉藤)

第26回SPZタッグリーグ優勝(パートナーはナイトメア神威)

写真集 1冊
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