第790回 札幌で大事件発生
レッスルエンジェルスサバイバー
プレイ日誌のようなもの
38年目4月
「永原です、よろしくお願いします」
新人で永原敦子を採用。経歴は2030年、群馬県松井田町出身。中学時代はスポーツ万能で、いくつもの運動部から助っ人を頼まれていたという武勇伝を持つ。これに目をつけた内田スカウトが出向いて口説いたらしい。
「いい新人も入ったことだし、SPZはますます躍進していきますよ!」
中森社長が力強く宣言。SPZは旗揚げ37周年。老舗のプロレス団体だ。
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「旗揚げ37周年 エッセンシャルシリーズ」開幕。
初戦の札幌大会でWWCA選手権が組まれた。王者ダークスターカオスに挑むのはやはり非力な34期生フローラ小川。どうみてもフローラ小川のやられっぷりを堪能するタイトルマッチ。SPZフロントもこの辺は分かっていて、公開SMショーになると分かっていてこのカードを投入するところが恐ろしいと言うかなんと言うか・・・
「フフフフフ」
やはりフローラ小川、子ども扱い。それでもフローラ小川、ドロップキックで反撃。
「・・・フフフフ」
まるで効いていない。なんてやつだ。
「アーーーッ!!」
フローラ小川、組み付いてボディスラム2連発。どうにかダークスターカオスの巨体を投げた。ひるんだ所を掌底を叩き込む。最近覚えた打撃技だ。夜遅くまで道場でサンドバッグを叩いていたらしい。
「キサマア・・・」
ムッとしたダークスターカオス、怒りに任せて小川をとらえ、パワーボム!!凄い威力だ。
ワン、トゥ・・・
かろうじて2で返すフローラ小川、
「ヌウアアアアア」
なおも怒りに任せて攻め立てるダークスターカオス
・・・冷静さを欠いてる、今なら・・・っ
カニバサミでうまく倒して、すかさず上に乗ってSTF!!場内ドワアアアア。
「ウゴオオオオオオオ」
・・・この手は、死んでも離さない!
「ウグゥ・・・ウグゥゥゥゥ・・・」
懸命にこらえるダークスターカオス、
ドワアアアア場内大歓声。
フローラ小川、母親の教えの通りリストバンドの部分で鼻をつぶすように絞める。絞める。
「UGA・・・・・・」
懸命にこらえたダークスターカオスだったがついにギブアップの意思表示
「23分53秒、STFでフローラ小川の勝ち」
どえええええええええ!
札幌大番狂わせ。あのフローラ小川がダークスターカオスに勝った。
誰もが公開SMショーのあげくF小川が叩きのめされて負けという予想をしていたのだが、最後の最後で大どんでん返し。
フローラ小川の細い腰にWWCAのベルトが巻かれる。本部席の今野役員は涙がとまらなかった。
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WWCA世界選手権試合(60分1本勝負)
フローラ小川(STF,23分53秒)ダークスターカオス
王者が防衛に失敗、フローラ小川が新王者となる
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「まぐれです、でも、良かった・・・・」
フローラ小川がまさかのシングルベルト戴冠。決して素質の高い選手ではなかったが、特訓に次ぐ特訓を重ね、デビューから4年でついにあのダークスターを倒し、ベルトを巻いた。
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