第794回 予選会Bブロック
38年目6月
横浜のお嬢様プロレス団体「スーパースターズ・プロレスリング・ゼット」は、毎年8月に灼熱のシングルリーグ戦「SPZクライマックス」を開催している。本大会2ヶ月前の6月、本大会出場権をかけた「予選会」が若手中堅選手により行われる。ある意味、本大会より面白いと言われているこの予選会。2ブロック制になって選手の負担は軽減されたが、そのぶん1つの敗北が命取りになる。
第5戦岐阜大会
早瀬(2点、ジャンピングニーからの片エビ固め 14.33)C成瀬
そしてBブロック開戦。最初のうちは互角の攻防だったが、早瀬が頃合いを見て延髄斬りで突破口を開き、ぐらついたのを見て
「ちぇすとーーーーー」
ジャンピングニーでトドメ。
Jえちご(2点、ドロップキックからの片エビ固め 9.16)J永原
ジャンヌ永原、デビュー2シリーズ目で予選会リーグ戦に放り込まれる。やはりジャスティスえちごの厳しい攻めに防戦一方。最後は動けなくなったところをドロップキックでトドメを刺されて終了。
「ぜったい、1位通過で本大会行きますよ!」(えちご)
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第6戦浜松大会。
早瀬(4点、シャイニングウィザードからの片エビ固め 6.17)J永原(0点)
長い事中堅どころでやってきた早瀬がデビューすぐの永原に負けるわけがない。あっさりシャイニングウィザードで昏倒させて終了。
「おっけ!予選会通過ー!!ぱっぱっぱっぱらぱらっぱら~♪」
ウルトラクイズのテーマを口ずさむ早瀬さんであった。
Jえちご(4点、エルボーからの片エビ固め 16.06)C成瀬(2点)
勝てば予選会突破が決まるJえちご、なんとしても望みをつなげたいC成瀬、お互いの思いがぶつかり合った。C成瀬、ストレッチプラムや逆片エビでギブアップを迫るが、耐え切ったジャスティス
「これでどうだっ」
鋭いエルボーが入った。これで3カウント奪取。なんとジャスティスえちご、デビュー2年目でSクラ出場を決めてしまった。
「本大会?ただの通過点ですよ。上の人を倒さなきゃならないんですから」
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第7戦長野大会。メインでSPZ選手権が行われるとあって超満員札止めの大盛況。
「SPZ世界選手権 佐久間理沙子(王者)VSフローラ小川(挑戦者)」の大看板が掲げられた。
その前にSクラ予選会カード2つ。消化試合になってしまったが。
Jえちご(6点、ダークレフトからの片エビ固め 27.20)早瀬(4点)
既に本大会出場を決めている両者だが、ジャスティスえちご、先輩越えのために懸命のファイト。
「くらえ、ダークレフト!!」
Jえちごのダークレフト(やばい破壊力の左裏拳)が入ったが、早瀬2.8で返す。
「終わりーーーー」
これ以上は受けられないと判断した早瀬、ミサイルキック、ジャンピングニーと大技攻勢。ああ終ったかと誰もが思ったが、
「・・・ウアーーーー!!」
ジャスティスえちご2.9で返して、フラフラと起き上がり、
「アーーーッ!!」
2発目のダークレフト。これで早瀬の意識を闇に落とした。27分20秒の大勝負を制した。
「はぁ、はぁ・・・・」
ジャスティスえちご、予選会Bブロック1位通過決定。本大会でも大暴れが期待できそうだ。この試合は「メインより面白かった」と一部のファンの間では言われた。
C成瀬(2点、逆片エビ固め 8.40)J永原(0点)
消化試合となったが、C成瀬が逆片エビで絞って手堅く勝利。
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ー相手は佐久間さん。まだ一度も勝ったことはないけれど、母さんから教わった、STFにかけるしかない。
メインイベントに登場するフローラ小川、リングコスチュームに着替えて大きく息を吐いた。
(次回、決戦)
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