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2009年11月30日 (月)

第824回 39年目8月 真夏の祝祭(5)

39年目8月 SPZクライマックス(続き)

最終戦は横スペ大会。本拠地に戻ってきた。

前座の試合を行った後、後半戦はリーグ戦最後の4試合。

Jえちご(6点、ゴートゥベッドからの片エビ固め 19.36)M石川(4点)

シード権獲得の可能性がほとんどない両者だが、熱いファイトを展開。

えちごが殴る蹴るの打撃を繰り出せば、M石川はラリアットでブッ倒す。力押しの消耗戦が繰り広げられたが、えちごのタイガードライバー2連発で試合が動き出し、M石川もラリアット、バックドロップで勝負をかけてきた。これを耐えたえちご、

「覚悟はいいか?」

出た出た、ゴートゥベッド。これでM石川の戦意を絶って3カウント。6点でリーグ戦を終えた。

葛城(10点、スクラップバスターからの片エビ固め)中村(3点)

葛城早苗、格下相手に余裕の攻め。ジェットスマッシュで弱らせておいてのスクラップバスターで片つけた。これで葛城が3位を決め、賞品のスポーツドリンク1ケースをもらって引き揚げた。「3年連続3位」という珍記録だが、もらったドリンクの本数は8本→12本→24本と増え続けている・・・

G山本(8点、DDTからの片エビ固め 7.48)早瀬(0点)

グリズリー山本、アイドルレスラー早瀬葵を圧殺。延髄斬りこそ1発受けてやったものの、後は何もさせず完勝。これでシード権は守った。

「どけっ!コメントなしだ!」

そしてメインイベント。優勝のかかった大一番。フローラ小川対佐久間理沙子。

―今年こそ、優勝する・・・・

悲願の初優勝へ向けて、勝ちまたは引き分けで優勝の佐久間理沙子。これまで3年連続で準優勝とあって気合いはいりまくり。

対するフローラ小川、口では「いつも通りやるだけです」とか言っていたが、頭に優勝賞金の100万円がちらついたのか、いつもと違うどこか硬さのの残るファイト。逆に佐久間のほうが軽量のF小川をボディスラムでいいように投げて、

「これで終わりにします」

佐久間理沙子、リング中央でバイオドライバー。頭を打ってしまったフローラ小川の意識が遠のく。この一発でカウント3が入った。

「んー、フローラ小川が中途半端なレスリングでしたね。いつもはグラウンドで粘って粘ってスキ見つけてちゅう試合運びなんですけど、30分時間切れだと優勝できないって頭があったんでしょうね。きょうはそれがあんまり見られなかったんですよ。えちご戦で取りこぼしたのが今になって効いてきましたね。マアこれがリーグ戦の怖さというか面白さですね」

吉田取締役の解説。うなずける総括であった。

佐久間(14点、バイオドライバーからのエビ固め 15.13)F小川(11点)

敗れはしたもののフローラ小川、堂々の11点で準優勝。リング上で一礼し、横浜中華街のお食事券5万円分をもらって引き揚げた。

そして佐久間理沙子、ついにSクラ優勝。笑顔で優勝賞金100万円と副賞のブランドバッグを受け取った。

「これも毎日の努力の結果だと思います。これからもがんばります!」

2009年11月29日 (日)

第823回 39年目8月 真夏の祝祭(4)

39年目8月

SPZクライマックス。

リーグ戦4戦を消化して、トップは8点の佐久間理沙子。7点でフローラ小川が追う展開。

第6戦は仙台大会。

葛城(6点、ジェットスマッシュからの片エビ固め 12.42)Jえちご(4点)

タッグパートナー同士の試合、壮絶な終盤となった。

「覚悟」
葛城の殺人ヒザ魚雷がえちごの腹をえぐる。

「言い残す事はないかーーー」
えちご、ゴートゥベッド。葛城この一撃で表情が変わった。

―やってくれるね。

ー葛城、鬼の形相でSPZキック→ジェットスマッシュという地獄のコンボでえちごを担架送り。仙台のファンは凍りついた・・・

G山本(4点、グリズリーボムからの片エビ固め 17.0)石川(4点)

グリズリー山本、このレベルの相手に負けるはずがない。パワーで押して優位に進めるが、M石川もパワーボム2連発で応戦。場内もしかすると・・・というざわめきが聞こえ出したが

「はいつくばれぇーーー」

グリズリー山本の伝家の宝刀グリズリーボム。グリズリー山本がようやく2勝目を挙げた。

F小川(9点、STF 6.30)中村(3点)

フローラ小川、対戦相手の中村と軽く手合わせしたあと、いきなりSTFで決めにかかった。

「うぐぐぐぐぐ・・・・」

虚を突かれた中村、無念のギブアップ。6分30秒という短い勝負タイム。これまでのロングファイト続きが嘘のような短時間決着に場内どよめき。

「作戦通りに行きました。身体はきついですけど、あと2つですから頑張ります」

フローラ小川、負け無しの1分けをキープ。このまま最終戦まで突っ走るか。

佐久間(10点、ジャンピングニーからの片エビ固め 13.31)早瀬(0点)

佐久間理沙子、怒涛の5連勝。早瀬葵、無念の5連敗。

******************************

第7戦は広島若鯉球場大会。

葛城(8点、ジェットスマッシュからの片エビ固め 17.37)M石川(4点)

「覚悟ッ」

葛城早苗、M石川のパワーに手こずりながらも殺人ヒザ魚雷で動きを止めて、ストレッチプラムで悶絶させてジェットスマッシュでトドメ。終盤の猛攻で4勝目を挙げてシード権を守った。

「今年は、イケるかもしれないと思ったのですが・・・」

それでも目標を優勝においていただけに釈然としない表情の葛城だった。

ミネルヴァ石川、4敗目を喫し、シード権が非常に厳しくなった。

F小川(11点、ムーンサルトプレス 12.59)早瀬(0点)

フローラ小川、落ち着いて早瀬を下して勝利。最終戦の佐久間戦に勝てば優勝というところまで来た。

G山本(6点、掌底からの片エビ固め 23.57)Jえちご(4点)

6連覇の夢はついえても、会場に来てくれたファンのために全力ファイトのG山本。この日の相手は若手期待の星・ジャスティスえちご。この日も鋭いエルボーで挑んでいく。

―攻めは鋭い。ただ、受けに回ったときどうかな・・・

G山本、ある程度受けてからヘッドバットで反撃。Jえちご、さすがに苦しい表情。

「もいっちょ」
がす。
「おうらああ」
がす。

ヘッドバット攻めまるで容赦なし。キャリアの浅い選手は頭を攻められるとどうしても恐怖が働くのか動きが止まる。そこを突いてステップキック、掌底。あたまあたまあたまと攻める。グリズリー山本、なんというえげつなさ。

「おわりだーーー」
2発目の掌底、しかしえちご2.9で返す。

「よくやったよ、でもこれで終わりだーーー」
3発目の掌底。これでジャスティスえちごを叩き潰した。しかし23分57秒の熱戦。広島のファンは拍手でえちごの踏ん張りにこたえた。

これでえちごも1勝2分け3敗となり、シード権が絶望的となった。(G山本の最終日の相手が早瀬なので)

佐久間(12点、バイオドライバーからのエビ固め 15.36)中村(3点)

中村がよく粘ったものの、最後は佐久間のバイオドライバーに力尽きた・・・

「あとは最終戦次第ですね。ここまではうまくやったほうだと思います」(佐久間)

これで優勝の行方は最終戦横スペ大会のメイン、佐久間理沙子対フローラ小川の直接対決に持ち越された。どちらが勝ってもSクラ初制覇となる。

2009年11月28日 (土)

第822回 39年8月 真夏の祝祭(3)

39年目8月

SPZクライマックス。(続き)

これまでのあらすじ

横浜のお嬢様プロレス団体、SPZが毎年8月に開催する地獄のシングルリーグ戦「SPZクライマックス」。ことしも熱戦が展開された。リーグ戦3戦を終えた段階で、トップは6点の佐久間理沙子、5点でフローラ小川が追う展開。SPZ王者にして最多タイの6連覇を狙うグリズリー山本は、葛城、F小川に破れ、まさかの1勝2敗!苦しい状態で後半戦を迎える・・・・

5戦は飛行機で一気に北海道へ飛んでの札幌どさんこドーム大会。

Jえちご(4点、時間切れ引き分け)中村(3点)

えちごも打撃をよく繰り出したが、中村の戦意を断ち切るには至らなかった・・・最後はお互い決め手を欠きドロー。

「アーッ!!」くやしがるえちご。ここで勝ち点「2」を拾えなかったのはシード権のことを考えると非常に痛い・・・

葛城(4点、殺人ヒザ魚雷からの片エビ固め 11.06)早瀬(0点)

カツラロック、ストレッチプラムの痛め技攻勢を耐えた早瀬だったが、直後に殺人ヒザ魚雷をもらって万事休す・・・早瀬葵、あえなく4連敗で予選会行きが決定。

F小川(7点、ムーンサルトプレスからの片エビ固め 23.51)M石川(4点)

フローラ小川は攻めやすいところのある選手。4強の中でもっとも先に倒せるかもしれない選手・・・と若手勢も一発狙っていた。しかしM石川の攻めをしのぎきったF小川、ノーザン、ドラゴンスリーパー、ミサイルキックの大技攻勢で反撃。しかし耐え切ったM石川、パワーボムで反撃。なんという盛り上がる試合展開。

「・・・これならっ」

しかしフローラ小川、落ち着いて、立ち技での切り札であるムーンサルトプレスを繰り出して熱戦にけりをつけた。これで7点目を挙げ、シード権確保1番乗り。

佐久間(8点、ジャンピングニーからの片エビ固め 20.10)G山本(2点)

「ウォーーーッ」

奇跡の逆転優勝へ向けてもう勝つしかないG山本。しかしその焦りを見透かしたかのように佐久間、

―頭突きも、いつもの切れがないようね

延髄2連発で反撃。しかしグリズリー山本も伝家の宝刀グリボムで追い込むが、佐久間も、

―ごめん山本さん、ビートエンド!

変形フィッシャーマンバスターを食らって頭から落ちたグリズリー山本。

ワン、トゥ・・・ドドドドドド

これもなんとか2.8で返したG山本だがもはや目は死んでいた。佐久間、ふらつ来ながら起き上がったG山本を見るや、自らロープに走って、ジャンピングニーをぶち込んだ。

「がはっ・・・」

崩れ落ちるG山本。片エビ固めでカバーする佐久間。

ワン、トゥ、スリー。

ハリケーン神田レフェリーがマットを3つ叩く。

この瞬間、グリズリー山本の6連覇の夢はついえた。

がっくりと肩を落としながら引き揚げるG山本。控室の長いすに腰掛けてぼそりと。

「すみません。今日はコメント無しでお願いします」

よほど悔しかったのだろう。

吉田龍子の大記録に並ぶことはできなかった・・・

2009年11月27日 (金)

第821回 39年目8月 真夏の祝祭(2)

39年目8月

SPZクライマックス(続き)

第3戦は名古屋、しゃちほこドーム大会。
M石川(2点、タイガードライバーからのエビ固め 13.27)早瀬(0点)

パワーに勝る石川が優勢に試合を運び、タイガードライバーで追い込んで、もう一度タイガードライバー。これで初日を出した。

G山本(2点、グリズリーボムからのエビ固め 17.30)中村(2点)

タッグパートナー同士の試合だが、腕はどう考えてもG山本が数段上。中村のチョップ、ヘッドバットを受けてからきっちり倍返し。
「どりゃあああ」
ラリアットの迫力は健在。これで中村を弱らせて、

「げひゃひゃひゃひゃひゃ」
最後は必殺グリズリーボム。これで初日を出した。それでも中村を仕留めるのに17分もかかっているあたりが・・・

F小川(3点、ドラゴンスリーパー 27.21)葛城(2点)

昨日優勝候補の筆頭、G山本を倒して意気上がる葛城。ここでフローラ小川にも勝てば一気に優勝争いの主役になる。しかし試合巧者のフローラ小川、打撃を浴びながらもローリングソバット2連発で体勢を立て直し、ネックブリーカーで追い打ち。大きい会場であることを意識したのか、今日のフローラ小川は飛び技が多い。

「これなら」
華麗にムーンサルトで舞って、そのあと満を持してドラゴンスリーパーでしめあげる。こんな崩し方はこの人しかできない。27分の熱戦の末、葛城からギブアップを奪い、これで初日を出した。

敗れた葛城は憮然とした表情で引き揚げた。

「クソ・・・・」(せっかくG山本に勝ったのにF小川に負けては・・・)

「ハァッツ、ハァッハァッ・・・・厳しい試合でした・・・」

(勝ったフローラ小川も苦しそう。この人はいつもめいっぱいのファイト)

佐久間(4点、ボディスラムからの片エビ固め 10.52)Jえちご(1点)

佐久間理沙子、万全のスープレックス攻勢でJえちごの戦意をなくしてから最後はボディスラムで投げ捨てて2連勝。これで早くも単独トップに立った。

*****************************

第3戦は福岡九州ドーム大会。好カードが組まれた。

M石川(4点、パワーボムからのエビ固め 26.21)中村(2点)

予選会ではM石川が勝っているカードの再戦。中村もチョップ、頭突きで流れを作ろうとするが、受けきった石川がパワーボムで粘る中村を振り切った。

Jえちご(3点、パワーボムからのエビ固め 24.35)早瀬(0点)

若手一番星のJえちご、アイドルレスラーだが打撃はあなどれない早瀬。いい勝負となったが、

「これでどうだっ」

2発目のダークレフトが早瀬の意識を遠のかせる。しかし早瀬も最後まで勝負を捨てず延髄、ジャンピングニーで反撃

「どうだっ」
しかし最後はえちごの勝利への執念が勝り、パワーボムで早瀬を振り切った。

F小川(5点、STF、15.08)G山本(2点)

―きょう勝てば、まだ踏みとどまれる・・・

グリズリー山本、きょうの相手のフローラ小川にはまだシングルで負けたことはない。パワーに難がある相手なので攻めやすいのだ。

「ぐはぐはぐはぐは」

余裕の表情でF小川をヘッドバット、チョップで攻める。このカードに良くある公開SMショーのような試合展開。

しかしそこに一瞬の余裕というか隙があったのか、グリズリー山本が安易に組み付いたところをカニバサミで倒され電光石火のSTF。

「ウググググ、抜けられねぇ・・・」

顔面を襲う激しい痛み。かなりの長時間耐えたG山本ったが、

―この手は絶対離さない・・・・

この人に勝ちたい。その一心で顔面を絞め続けるフローラ小川

根負けしたグリズリー山本は無念のタップ。これで2敗目を喫し、6連覇の夢が大きく遠のいた。

佐久間(6点、ハイキックからの片エビ固め 12.49)葛城(2点)

葛城でも佐久間の牙城は崩せず。佐久間理沙子、万全の攻めで3連勝。最後は隠しムーブのハイキックだった。葛城早苗、無念の2敗目・・・

第39回SPZクライマックス。公式戦3試合を消化して、トップは6点の佐久間理沙子。フローラ小川が5点で追う展開・・・

(続きます)

2009年11月26日 (木)

第820回 39年目8月 真夏の祝祭(1)

39年目8月
恒例のSPZクライマックス。出場選手は以下の8名。

■「狂乱ベアー」グリズリー山本(23)

SPZ世界王者 7年連続7度目の出場 第34回・35回・第36回・第37回・第38回大会優勝
「全員ぶっ潰す!ワハハハハハ」

■「キラーマシーン」葛城早苗(22)

6年連続6度目の出場
「まあ、全力をつくします」

■「ビートエンドの女」佐久間理沙子(21)

4年連続4度目の出場
「エースたるもの、勝ち続けないとね」

■「ヒロインファイター二世」 フローラ小川(20)

4年連続4度目の出場 。
「作戦通りに行けば勝算はあります。」

以下は予選会勝ちあがり組

■「うなる豪腕」ミネルヴァ石川(19) 

3年連続3度目の出場 B組1位通過
「頑張りますーーー」

■「悪魔の左手」ジャスティスえちご(17)

2年連続2度目の出場 A組1位通過
「せっかく出たので、一人でも大物食いをしたいと思います」

■「ナチュラルパワー」中村真帆(18)

2年連続2度目の出場 B組2位通過
「全力で戦うぞっ」

■「ど根性アイドル」早瀬葵(22)

3年連続4度目の出場 A組2位通過
「が、頑張りまっすっ!」

************************

第2戦大阪なにわパワフルドーム大会から地獄のリーグ戦がスタート。
中村(2点、掌底からの片エビ固め 27.47)早瀬

予選会AB2位同士の対決。力で押す中村。
「シャッ」
エルボーの重さも団体トップクラス。そしてひるんだところをスクラップバスター

―動き回れば、勝てる。

そう読んだ中村、早瀬のガス欠を狙って動き回る。しかし早瀬もベテランのうまさを見せて、中村のラリアット狙いを2回も切り返す。
―なら、地道に殴り倒す。

中村真帆、あまり大技に頼らず馬力を生かしたエルボー攻め、弱ったところをニーアタック。だんだん早瀬の集中力が切れていった・・・

「チェストーッ!」
しかし早瀬もふわっと飛んでの延髄で反撃。お互い大ダメージを負ったが、

「も、もう・・・あきらめろッ」

掌底でぶん殴って3カウント。唐突な結末に場内沸く。

「か、かいせつの吉田さん・・・」
「んー、まあ、いい試合でしたよ。でも最後がちょっとあっけなかったかもしれませんがアレが中村ですよ」

リーグ初戦から27分の大勝負。場内は俄然盛り上がった。そして次のカードは、本来ならドームのメインに持ってきてもおかしくないカード。

葛城(2点、カツラロック、17.34)G山本

先月の新日本ドームでのSPZ戦の再戦が大阪のセミ前で組まれた。

―出たとこ勝負で、行くしかない・・・
葛城早苗、前月の反省を踏まえ、掌底をごつごつ当てていく戦法でG山本の切り崩しにかかった。

「テメェコノヤロウ!!」

G山本、流血に追い込まれて怒ったのか、突如エンジンを全開させグリボム、ラリアット、DDTの大技攻勢。大阪のファンはヤンヤの歓声。

しかしこれを耐え切った葛城が奥の手を出してきた。倒れ伏す葛城へ手を伸ばしたところをうまくグラウンドに引きずり込んで、変形のSTF「カツラロック」に捕らえた。この技は本人もめったに使わない。

「・・・・」

グリズリー山本、思わぬ痛め技で完全に虚を突かれた。無念のギブアップ。G山本、初戦敗北で6連覇に暗雲がががが。

「か、かいせつの吉田さん・・・」

「んー、葛城は狙ってたんでしょうかね。裏技で決める作戦を」

F小川(1点、時間切れ引き分け)Jえちご(1点)

「どうだっ!!」
ジャスティスえちご、相手がSPZ戴冠経験のある選手でも臆せず頭突きをガスガス入れてゆく。

「んー、ああいう攻めかたされるとフローラ小川は弱いんですよ。えちご選手よく考えて闘ってますねぇ」

ジャスティスえちご、中盤までは互角以上のファイト。フローラ小川、グラウンドに活路を見出すもえちごの突進を止められない。最後はお互い決め手を欠き時間切れドローとなった。

「んーーーー、はぁ、フローラ小川ねぇ、3年目の選手に時間切れ引き分けですか。ファイトスタイルがああだから仕方がないのかもしれませんけどね、ここで2点を奪えないようでは優勝は覚束ないですよ」

かいせつの吉田龍子が辛口コメント。

佐久間(2点、ラリアットからの片エビ固め 13.13)M石川

佐久間が横綱プロレスを見せて快勝。最後は佐久間が逆転を狙って仕掛けたラリアットを見切ってかわし、逆にラリアットをぶち込んで3カウント。

第39回SPZクライマックス、6連覇を狙ったグリズリー山本が黒星スタートの波乱。

(続きます)

2009年11月25日 (水)

本業激務につき

こんばんわ、WAS没頭中 筆者のkonnoです。

本業の仕事がゲキレツに忙しいので、今日の雑記は短めに。

◆魁皇と千代大海53回目の対決。

 (対戦回数歴代2位)

 泣けた。最後は魁皇が押し出しで勝利。けっきょく魁皇の33勝20敗。

◆最近面白いと感じたマンガ

 「賭博黙示録カイジ」ムチャクチャなストーリーと人間社会の本質をえぐる書きっぷりがすごい。

◆11月の休みは11月10日(火)、11月24日(火)の2回だけでした。

 こうまでしてカイシャインの座を守らなければならぬのか。

2009年11月24日 (火)

SPZスター選手列伝 054 藤島瞳

SPZスター選手列伝 054
従業員コード:056
藤島瞳

本名:同じ 2024年2月9日、京都府西京区出身。SPZの新人テストに合格し、SPZ31期生として2039年4月15日、札幌どさんこドーム大会での対マーメイド千秋戦でデビュー。飛び技には目を見張るものがあり、キューティー金井や渡辺智美以上のアイドルレスラーになるべく奮闘。早瀬葵と組んであばしり王者に輝く。得意技はシューティングスタープレス、ムーンサルトプレス。

2046年9月22日、さいたまドーム大会での対 ジャンヌ永原戦で引退。稼動月数90ヶ月、出場試合数(概算)632試合。

タイトル歴
第67代・70代あばしりタッグ王者(パートナーは早瀬葵)

今野ファウンダーコメント
タレントとしても充分やっていける抜群のルックスで、面接したときにはこんな娘をレスラーにしてもいいのかと一瞬考えた。レスリングセンスやパワーは微妙で、残念ながらあばしり以外のタイトル戦線に絡むことも、SPZクライマックスに出場することもなかったが、アイドル商会の一員として前座戦線を大いに沸かせていただいた。引退後はタレントに転向し、テレビ番組のバラエティなどで時折姿を見せている。

2009年11月23日 (月)

SPZクライマックス予告編

第39回SPZクライマックス

出場選手

グリズリー山本(SPZ31期)

葛城早苗(SPZ32期)

佐久間理沙子(SPZ33期)

フローラ小川(SPZ34期)

ミネルヴァ石川(SPZ35期)

中村真帆(SPZ35期)

ジャスティスえちご(SPZ37期)

早瀬葵(SPZ32期)

*********『歴代の優勝・準優勝選手』*********

第1回 優勝 ミミ吉原   準優勝 南利美
第2回 優勝 沢崎光    準優勝 デスピナ・リブレ
第3回 優勝 南利美    準優勝 草薙みこと
第4回 優勝 伊達遥    準優勝 秋山美姫
第5回 優勝 草薙みこと  準優勝 南利美 秋山美姫 沢崎光
第6回 優勝 草薙みこと  準優勝 伊達遥
第7回 優勝 草薙みこと  準優勝 伊達遥
第8回 優勝 吉田龍子   準優勝 伊達遥
第9回 優勝 吉田龍子   準優勝 ハイブリッド南
第10回優勝 吉田龍子   準優勝 新咲祐希子 

第11回優勝 吉田龍子   準優勝 ハイブリッド南
第12回優勝 吉田龍子   準優勝 ハイブリッド南
第13回優勝 吉田龍子   準優勝 スイレン草薙
第14回優勝 スイレン草薙 準優勝 ボンバー来島
第15回優勝 ボンバー来島 準優勝 スイレン草薙
第16回優勝 ビューティ市ヶ谷 準優勝 ボンバー来島、芝田美紀
第17回優勝 ビューティ市ヶ谷 準優勝 ボンバー来島
第18回優勝 ビューティ市ヶ谷 準優勝、ボンバー来島、芝田美紀、ロイヤル北条
第19回優勝 ビューティ市ヶ谷 準優勝 ロイヤル北条
第20回優勝 ビューティ市ヶ谷 準優勝 武藤めぐみ

第21回優勝 武藤めぐみ   準優勝 マッキー上戸
第22回優勝 武藤めぐみ   準優勝 ノエル白石
第23回優勝 武藤めぐみ   準優勝 ノエル白石
第24回優勝 コンバット斉藤 準優勝 武藤めぐみ
第25回優勝 武藤めぐみ   準優勝 コンバット斉藤
第26回優勝 コンバット斉藤 準優勝 ナイトメア神威
第27回優勝 ナイトメア神威 準優勝 コンバット斉藤
第28回優勝 コンバット斉藤 準優勝 ナイトメア神威
第29回優勝 コンバット斉藤 準優勝 マイティ祐希子
第30回優勝 マイティ祐希子 準優勝 霧島レイラ

第31回優勝 マイティ祐希子 準優勝 霧島レイラ
第32回優勝 マイティ祐希子 準優勝 霧島レイラ
第33回優勝 マイティ祐希子 準優勝 霧島レイラ
第34回優勝 グリズリー山本 準優勝 霧島レイラ
第35回優勝 グリズリー山本 準優勝 霧島レイラ
第36回優勝 グリズリー山本 準優勝 佐久間理沙子
第37回優勝 グリズリー山本 準優勝 佐久間理沙子
第38回優勝 グリズリー山本 準優勝 佐久間理沙子

『優勝回数 ベスト10』

1位:吉田龍子 6

2位:ビューティ市ヶ谷 5

   グリズリー山本 5(現役) 

4位: 武藤めぐみ 4

   コンバット斉藤 4

   マイティ祐希子 4

7位:草薙みこと 3

8位:ナイトメア神威、スイレン草薙、ボンバー来島、伊達遥、南利美、沢崎光、ミミ吉原

  (いずれも1) 

SPZ38年の歴史で、真夏の祭典、SPZクライマックスの優勝トロフィーを抱いたものは「14名」しかいない。

また、そのなかで複数回、優勝トロフィーを抱いたものはSPZの長い歴史の中でも「7名」しかいない。

「トップに立ち続けること、ここ一番に強いこと」の難しさか。

第39回SPZクライマックス。SPZ世界王者・グリズリー山本が優勝すれば、吉田龍子に並ぶ6回目の優勝、6連覇。はたして夢の大記録達成なるか。乞うご期待!

「山本選手も動きは落ちてますよ。確かに。でも力はまだまだ団体で一番ですからね。佐久間選手との争いになると思いますが、優勝は充分狙えますよ。まあ並ばれるのは悪い気はしません。25年以上前の話なんで、ハハハ」(吉田龍子取締役・談)

2009年11月22日 (日)

第819回 39年目7月 葛城早苗ラストチャンス

39年目7月
サマースターナイツシリーズ開幕。

「まだまだ。感覚は全然戻ってないよ。」

SPZ25期の八島静香がリング復帰を先月、中森社長に直訴して、話題作りが欲しかった会社サイドは了解した。3年のブランクは想像以上で、同期入門の神田コーチが付きっ切りでトレーニングに付き合った。

「復帰の理由?簡単だよ。稼がなきゃあならないんだ。プライベートでいろいろあって。それ以上は聞くなよ、空気読め」

京スポ新聞は復帰の真相を書かなかったが、一部週刊誌では結婚、出産、離婚で幼い子供を抱えて生活が苦しくなるのは目に見えていた、だったらレスラーをもう一度やって稼ごうということらしい。

「しばらくは前座で使う。後半は今の状態では使い物にならない」

神田コーチ、私情を押し殺して上記のコメント。

***************************

東北地方か南下してゆくシリーズが続く。

第7戦幕張大会メインはSPZタッグ戦。王者葛城早苗、ジャスティスえちごに対するはフローラ小川、早瀬葵組。

「くらえっ」

えちごのダークレフトが早瀬の意識を遠のかせる。こうなるとフローラ小川の粘りがポイントだったが、いつも通りののらりくらりファイト。この流れに焦れた葛城が

「必殺の一撃受けてみろ」

出た出たついに、SPZキック。もんどりうって場外に落ちるフローラ小川。代わった早瀬もえちごのゴートゥベッドで悶絶。

フローラ小川、それでも勝負を捨てず、STFでえちごを追い込んだが、えちごもなんとか耐え切って葛城にスイッチ。そして代わった葛城のジェットスマッシュをもらってしまい、フローラ小川、苦悶の表情。

最後は早瀬が捕まってしまい、王者チームのダブルインパクトを食らって終了。勝負タイム59分53秒、意外といい勝負になった。王者チームが初防衛に成功。

*************************

最終戦は新日本ドーム大会。メインはSPZ選手権。王者グリズリー山本に対する挑戦者は葛城早苗。

―これが最後のチャンスかもしれない。

32期生の葛城早苗、デビュー7年が過ぎ、そろそろ動きに難が出始めるところ。幸い35期生以降が思ったほど育っていないので、TOP4の座はキープしているが・・・

―山本さんも100パーじゃあない。蹴りが入れば・・・

そう考えて、葛城、序盤はスリーパー責め。グラウンドでG山本のスタミナを奪う戦法に出た。

―葛城、そんなショボイ手を使うか・・・

グリズリー山本、後先考えずチョップ、スクラップバスター、ステップキックと目いっぱいの攻め。ベテランの域に入ってから山本なりにつかんだものがあったか。

「ぶっつぶううす」

やられるまえに殺れの鉄則どおり、グリズリー山本、先に大技攻勢を仕掛けバックドロップ、グリズリーボム、ジャーマン。なんとか2.9で返したりロープに逃げたりしてフォールを防いだが、もう目は死んでいた。

「うおりゃ」

G山本、エルボーで介錯。これで3カウントが入った。

この日も勝負タイム59分27秒の熱戦。グリズリー山本、倒れたまましばらく天井を見上げていた。

ーしんどい・・・・

王者が初防衛に成功。これでSPZ王座の累計防衛回数が23となり、吉田龍子を抜いて歴代単独3位に躍り出た。(その上はマイティ祐希子の31、武藤めぐみの27、この2人しかいない!)

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SPZ世界選手権(60分1本勝負)

グリズリー山本(59分27秒、エルボーからの片エビ固め)葛城早苗

第109代王者が初防衛に成功

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デビューから8年余り、グリズリー山本の戦いはいまだ終わらない・・・・

2009年11月21日 (土)

第818回 最強熊は死なず

39年目6月

最終戦はさいたまドーム大会。

第1試合は八島静香対カトリーヌチャン。

「帰ってきたぜ!」

今シリーズから晴れて現役復帰したSPZ25期生八島静香29歳だが、まだ3年に及ぶブランクで実戦カンが戻っていないのか動きがいまいち。それでも休んでいる間に徹底的にオーバーホールしただけあってラリアットの腕の振りもさすが。

しかし10分しないうちにスタミナ切れを起こしてしまい、カトリーヌチャンの逆襲にあってしまう。最後はアームホイップを連発で食らって3カウントを奪われた。やはり29歳、プロレス現役復帰は無理があったのだろうか・・・・勝負タイム9分40秒。

「あたしは稼がなくちゃならないんだ。半端な気持ちで戻ってきたわけやないで」

そのあと予選会リーグ戦最後の4試合。まずAブロックから。

Jえちご(6点、タイガードライバーからのエビ固め 6.40)ミシェール(0点)

ジャスティスえちごが一方的に攻めて3連勝。堂々のAブロック1位通過。

早瀬(4点、ギロチンドロップからの片エビ固め 13.07)J永原(2点)

Aブロックの残る1枠は早瀬葵とジャンヌ永原の直接対決で決まることとなった。J永原は「4色のスープレックス」があるが、早瀬にも長年の経験と強烈な打撃がある。一進一退の攻防を制したのは早瀬、シャイニングウィザードで意識を遠ざけてから、

「チェスとーーーー」
延髄炸裂。これでジャンヌ永原は動けなくなった。続けざまにギロチンを入れて3カウント。これで早瀬も予選会Aブロック2位通過を決めた。

休憩を挟んで、続いて予選会Bブロック。

中村(3点、掌底からの片エビ固め 12.51)ラズベリー(1点)

M石川に破れ、C成瀬に引き分けた1点同士の戦い。勝てば可能性がつながるのでお互い必死。しかし地力に勝る中村が掌底一撃。これがまともに入ってしまった。中村真帆3点で予選会を終えた。後は次の試合の結果待ち・・・

M石川(6点、パワーボムからのエビ固め 9.38)成瀬(2点)

勝てば予選会出場のクラリッジ成瀬だが、最終戦の相手は馬力には定評のあるミネルヴァ石川(既に通過を決めている)。一方的に攻め込まれ、パワーボムに屈した。これで

中村真帆のBブロック2位通過が確定。

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セミファイナルは日本人外人混合の6人タッグ、フローラ小川、マユリシアター、グレースハン対葛城早苗、ダークスターカオス、ブリジットウォン組。

果敢にもドロップキックをカオスに打ち込んでいったF小川だったがカオスは余裕の表情で受けて、ボディスラムで壊れたおもちゃのようにぶん投げる。このやられっぷりはさすがフローラ小川。これだけで試合は盛り上がった。

この試合、ひとり格落ちのグレースハンが捕まってしまい、最後は葛城の殺人ヒザ魚雷で幕。勝負タイム13分26秒。

そしてメインはSPZ戦、先月引き分けに終わったので同一カードの再戦、

王者佐久間理沙子に挑むのはグリズリー山本。

―疲れているけど、やるほかねえ・・・

一昨日の高岡で60分近いタッグ戦を戦い、そして団体エース佐久間との決戦、

―あたしには馬力しかない。

開き直ったグリズリー山本、ヘッドバット、スクラップバスターそして大振りの掌底、ラリアット。

―行ける、行けるぞ

しかし佐久間も起死回生のビートエンド。しかし受けきったG山本、

「うるあーーーーーー

起き上がって組み付き、すばやくバックに回ってジャーマン。

「ぐふっ・・・・」
唐突な一撃に佐久間、フォールを返せなかった。
一瞬の機転がグリズリー山本に勝利をもたらした。勝負タイム26分55秒、グリズリー山本が王座奪還。

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SPZ世界選手権試合(60分1本勝負)

グリズリー山本(26分55秒、ジャーマンSH)佐久間理沙子

第108代王者が4度目の防衛に失敗。G山本が109代王者となる

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「ウァハハハハ、まだまだ暴れてやるぜえええええええ」

2009年11月20日 (金)

第817回 39年目6月 イス取りGAME

39年目6月
恒例のSPZクライマックス予選会。出場者は以下の8名、2ブロックに分かれてリーグ戦を行い、各ブロックの得点上位2名が本大会に出場できる

(Aブロック)
早瀬葵(前回本大会4点)
ジャスティスえちご(前回本大会2点)
ジャンヌ永原(38期)
ミシェール桜井(40期)

(Bブロック)
ミネルヴァ石川(前回本大会4点)
中村真帆(前回本大会2点)
クラリッジ成瀬(36期)
ラズベリー(36期)

初戦山口大会。Aブロックから

早瀬(2点、シャイニングウィザードからの片エビ固め 10.29)ミシェール

デビュー2戦目で予選会というチャンスもらったミシェール桜井、新人らしくタックルやボディスラム、ドロップキックを繰り出したが、余裕で受けきった早瀬、相手のスタミナがなくなったのをみはからってシャイニングウィザード。この一発で勝利。

続いてBブロックリーグ戦。
M石川(2点、パワーボムからのエビ固め 8.21)ラズベリー

ちょこまかと動き回ったラズベリーだが、やはり石川のパワーに太刀打ちできず、タックルで吹っ飛ばされてコブラツイストで悲鳴をあげる。フィニッシュはパワーボムだった。

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第2戦くにびき大会。予選会Aブロックリーグ戦。

Jえちご(2点 パワーボムからのエビ固め 11.01)J永原

力ではジャスティスえちごが断然上。ジャンヌ永原もジャーマン、ノーザンのスープレックス攻勢ででえちごを慌てさせたが、

―こんなところ手こずってられない。私はトップを取るんだ!!

渾身のパワーボムで白星スタート。

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第3戦は鳥取大会。Bブロックリーグ戦

中村(1点、時間切れ引き分け)C成瀬(1点)
「いてこましたる」

クラリッジ成瀬、相手の力攻めを懸命にしのいでストレッチプラムで反撃もギブアップを奪えず、そのまま時間切れドローとなった。

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第4戦神戸大会。Aブロックリーグ戦。
Jえちご(4点、パワーボムからのエビ固め19.21)早瀬(2点)

―予選会は今年で最後にする!!
ジャスティスえちごがはつらつとした攻め。早瀬の延髄2発でぐらついたが、最後はパワーの差を見せて、タイガードライバー、パワーボムと大技を畳み掛けて勝利。2勝目を挙げたえちご、残る相手は新人の桜井なので予選会通過をほぼ決めた。

神戸大会メインはあばしり戦。王者クラリッジ成瀬、ジャンヌ永原に挑むのは中堅外人グレースハン&アイドル外人カトリーヌチャン。

―関西でウチが負けるわけにはいかない。カトリーヌさんを倒す。

しかしカトリーヌチャンもきっちり分をわきまえて適当に攻防をやってからグレースにタッチ。そしてグレースが鋭いキックを連発。最後は27分39秒、強烈なカカト落としでジャンヌ永原がやられてしまった。王座移動。まあ喫茶店ベルトだからよいが・・・

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第5戦は福井大会、Bブロックリーグ戦
M石川(4点、パワーボムからのエビ固め 25.08)中村(1点)

ミネルヴァ石川2勝目、おっとりとしたファイトながら中村に決定打を許さず、最後は中村の息が上がったところをパワーボムで退けた。これでミネルヴァ石川も2位以内がほぼ確定。

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第6戦は金沢大会、Aブロックリーグ戦。

J永原(2点、ジャーマンSH 8.47)ミシェール(0点)

これはジャンヌ永原の快勝。ジャーマンで余裕の勝利。

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第7戦は富山高岡大会。Bブロックリーグ戦。
C成瀬(2点、時間切れ引き分け)ラズベリー(1点)

脇固めで腕を壊しにかかったクラリッジ成瀬、しかしラズベリーもロープを背にして戦い決定的チャンスを作らせない。そしてネックブリーカーで反撃。そしてステップキック。きょうのラズベリーは実にいい動き、そのまま時間だけが過ぎて30分タイムアップドロー・・・

「この引き分けは、負けに等しいねん」

クラリッジ成瀬、最終戦はミネルヴァ石川戦を残しているが、もうこれで勝つしかなくなった。

最終戦を残して戦績は下記の通り。

Aブロック:ジャスティスえちご4点、早瀬葵2点、J永原2点、ミシェール桜井0点

Bブロック:M石川4点、クラリッジ成瀬2点、中村真帆1点、ラズベリー1点。

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高岡大会メインはSPZタッグ戦、

王者グリズリー山本、中村真帆に挑むのは葛城早苗、ジャスティスえちご組。試合は中村とえちごが真正面からやりあう力のこもった展開。

「覚悟」
葛城のジェットスマッシュが中村をたじろがす。こうなるとG山本が矢面に立つしかない。
「いくぞ」
葛城のSTOがさくれつ、G山本をマットに這わせる。最後は中村とジャスティス越後の局面、
「くらえっ」
えちごがローリングソバット。もんどりうって倒れる中村。そのまま押さえ込んで3カウントが入った。G山本のカットはうまく阻止された。

これで王座移動、葛城早苗、ジャスティスえちご組がSPZタッグ王者に輝く。

勝負タイム59分55秒の激戦。

(続きます)

2009年11月19日 (木)

推薦図書

ベースボール・マガジン社から、

魁皇博之 自伝「怪力」発売中です。

(税込み1575円)

内容は37歳にしてなお大関で活躍中の人気力士、魁皇が

これまでの土俵人生をつづったものであります。

少年時代から相撲界入り(当時は相撲が好きではなかったらしい)

実力をつけて出世して、入幕して上位に定着し、曙、貴乃花らと

しのぎを削る日々、そして大関昇進、優勝、綱とり失敗・・・と

波乱万丈の土俵人生が一冊に集約されています。

淡々とした筆致で書かれているので、裏話的なエピソードがもう少し

ほしかったかなとも思いますが、現役在職中なので書けない話も多々

あったものと思われます。

それでも連敗のゲン直しで日本酒を3~4升空けたという話もあり、

酒豪の片鱗ものぞかせています。

巻末の星取表はデビュー以来の全取り組みの結果がががが。

新十両の平成四年頃の対戦相手は花ノ国、逆鉾、剣晃など懐かしい面々が。

あの頃から闘い続けてきたのかと思わせます。

写真も豊富で読み応えがある一冊。ひとりのアスリートの足跡を知ることの出来るいい本だと思います。

2009年11月18日 (水)

オリンピアの季節。

11月23日に年末の風物詩、「世界最強タッグ決定リーグ戦」が開催されます。

このタッグリーグ戦のテーマ曲が「オリンピア」という曲でして、

(作曲:BARRY MANN、CYNTHIA WELL)

曲調はスポーツニュースにでも出てきそうな平板なものなのですが、

世界最強タッグ決定リーグ戦の入場式にこの曲がかかると、

「ああ、今年も終わりだな」という気分になります。

昔の「最強タッグ」は今の武藤全日本とは違い、そうそうたる世界の強豪選手が

(たまにとんだ一杯食わせ物的白星配給係もいたけど)参戦しており、

プロレスの面白さを存分に味わわせていただきました。

YouTubeで当時の動画を見ると涙が出てきそう。

ハンセン、スパイビー組とか、キッド、スミス組とか、馬場、アンドレ組とか・・・

そして全日本プロレスは創業37年を経過し、今なお年末のタッグリーグは健在。

(メンツは微妙だけど。外人がもう少し欲しい)

時間があれば見に行きたいと考えています。

2009年11月17日 (火)

第816回 死闘60分 佐久間 VS G山本

39年目5月
「バトルアトランティス」開幕。葛城早苗が左わき腹痛で休場。けっこう重症らしい。クラリッジ成瀬も右足負傷で欠場。

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7戦目新潟大会、メインで組まれたのはSPZタッグ戦。王者佐久間理沙子&ミネルヴァ石川に挑むのはグリズリー山本、中村真帆組。

団体最古参のグリズリー山本、身体の悪いところは多いが、それでも規格外のパワーでもって佐久間を苦しめる。そのまま一気に攻めて佐久間をDDTで屠ってしまった。勝負タイム26分16秒。タッグベルトを見事奪還。

「そんな・・・」

佐久間理沙子、24時間後のシングル防衛戦に暗雲が。。。

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そして最終戦横スペ大会。メインのSPZシングル戦、

佐久間理沙子対グリズリー山本。

「ヌッ潰してやるぜええ」

グリズリー山本、相変わらずのブルファイトの冴え。頭突きやエルボーの一発一発が重い。
「ううっ」
佐久間がぐらついたのを見るやフェイスクラッシャーで顔面を打ちつける。そして引きずり起こして容赦のない掌底。ここまで力押しで来られると佐久間は苦しい。

「この技を受けても立っていられるかしら」

佐久間、そうとう追い込まれたのでここで起死回生のビートエンド。

頭から落ちてしまったG山本、これで動きが止まってしまった。しかし佐久間もダメージが深い、苦しそうな表情。

それでも佐久間、先に立ち上がってG山本を引きずり起こして、バイオドライバー。しかしG山本、カウント2.8で返して

「ぶっ潰す」

DDTで反撃。カウント2.8で返した佐久間。

「ぬおおおお」

グリズリー山本、ここで切り札のグリズリーボムを狙ったが、佐久間がうまく回転エビで切り返す。山本も落ち着いてフォールをカウント2で返す。

佐久間、ここで隠しムーブのハイキックを狙ったが、

―タイミングが、バレバレなんだよ!

グリズリー山本、スッと沈んで水面蹴りで切り返す。

「ウォーーー」
そのままのしかかったG山本、しかし佐久間は2.8で返した。

ドドドドドド ワーワーワーワー

そのまま両者ダウン。ソノ状態のまま60分タイムアップのゴングが鳴った。王者が3度目の防衛に成功。

2009年11月16日 (月)

第815回 旗揚げ38周年記念興行

39年目4月

「旗揚げ38周年記念シリーズ」

最終戦は新日本ドーム大会。

第1試合はラズベリー対マユリシアター。強豪外人のマユリがオープニングマッチに登場。ラズベリーのすばやい動きに手こずったが、動きが落ちてきたのを見計らって

「ツカマエタゾ」
「うわーーーっ!ひーーー」

バーン。マユリが力のこもったボディスラム一発で3カウントを奪った。勝負タイム10分38秒。

続く第2試合、デビュー2年目のジャンヌ永原が新外国人カトリーヌ・チャンとシングルマッチ。カトリーヌ・チャンはWWCAの新鋭というふれこみだったが。実力的には動きがすばやいだけで、むしろビジュアル受けするタイプのレスラーで、メインやセミへの起用は6人タッグで混ぜても厳しいというのがSPZ首脳陣の見解であった。

「えいっ」

この日もいいところなくジャンヌ永原に攻め込まれて、最後はエルボーでやられてしまった。勝負タイム9分43秒。

休憩前第3試合はクラリッジ成瀬対イザベラ・スミス。

「ナメラレタカードネ・・・」

「WWCAのスター」が「休憩前」という扱い。プライドを傷つけられたのかイッキの攻めを見せて、最後はミサイルキック2連発でクラリッジ成瀬を仕留めた。勝負タイム10分4秒。

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休憩明け第4試合は早瀬葵、ミネルヴァ石川の本隊タッグ登場。対戦相手は強豪外人タッグのコバトフ、マレン組。マレンがM石川の力技をしのいで会場をわかせる。ラリアットで吹っ飛ばされてもすぐ起き上がってエルボー、ネックブリーカーで反撃。

この試合はそこそこ長引いた。ベテラン早瀬が奮闘してコバトフの攻めをしのぎ、最後はミネルヴァ石川がマレンをパワーボムで退けた。勝負タイム30分の大激戦。

セミ前はグリズリー山本、中村真帆対ダークスターカオス、ジョディビートン組。この試合も盛り上がった。最後は実力ビミョウのビートンが捕まってしまい、合体パワーボムで終了。勝負タイム18分20秒。

セミはジャスティスえちご7番勝負最終戦。

最終戦の相手はタッグパートナーにして先輩、葛城早苗。

―勝てないまでも、1発は入れたい・・・・

しかし葛城早苗、タッグパートナーであるえちごの動きは読みきっていた。まず逆片エビ固めで痛めつけておいて、殺人ヒザ魚雷。

「がは・・・・っ」

これでえちごがガクッときたところをストレッチプラムでギブアップを奪った。勝負タイム11分46秒。結局7番勝負はコバトフ、イザベラに勝っただけの2勝5敗で終った。

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メインイベントはSPZ戦、王者佐久間理沙子に挑むのは「挑戦者ローテ」どおり、34期のフローラ小川。

―寝技にさえ気をつければなんとかなる相手ね。

「かいせつの吉田さん、この試合の見所は」
「んー、まあフローラ小川がどこまであわてさせるかでしょうね。」

序盤はじっくりとした攻防を展開。チョップの応酬なんかもやって沸かせる。
しかしパワーでは佐久間が上。タックルでブッ倒してボディスラム。力押しで来られると苦しい。

「これは、どう?」

パイルドライバー、DDTと攻める。そして佐久間得意のバイオドライバー。この一発でフローラ小川はやられてしまった。勝負タイム26分1秒。

「20分くらいまでは見ごたえあったんですけどね。んー、フローラ小川は攻め込まれるとガタガタってのがありますねぇ・・・」

解説の吉田龍子がぼそりと総括。

王者が2度目の防衛に成功。

2009年11月15日 (日)

第814回 ジャスティスえちご七番勝負

39年目4月

「ジャスティスえちご7番勝負」(続き)

第4戦しゃちほこドーム大会。

セミで七番勝負第4戦、ジャスティスえちご対イザベラ・スミス。ここまで1勝2敗と黒星が先行しているえちご、ここは勝って五分の星に戻したいところ。

「んー、まあ、七番勝負組まれるちゅうことはそれだけ会社から期待されてることですからね」

解説の吉田龍子が指摘。かつてはコンバット斉藤が七番勝負で武藤めぐみを失神に追い込み大ブレイクしたのは有名な話だ。

「WWCAのトップスターの恐ろしさを教えてあげマース」

イザベラさん、アフロヘアを振り乱しながら応戦。10分過ぎに勝負を仕掛けてバックドロップ、ラリアット、DDTの猛攻。

「やっぱりね・・・えぐく攻め込まれたときに受けきりに難があるね・・・」

中森社長も花道奥で顔をしかめる。

「このっ」

しかしえちごもダークレフトで反撃。これでイザベラを弱らせてノーザンライトスープレックスで勝利。勝負タイム17分6秒。

「これで2勝2敗・・・」

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「本日のメインイベントは旗揚げ38周年記念特別試合です!」

名古屋大会メインは名古屋にふさわしく超ゴーカ6人タッグ。

佐久間理沙子、フローラ小川、コバトフ組対グリズリー山本、葛城早苗、ダークスターカオス組。

SPZ4強+強豪外人2人のそろい踏みだけに誰が負け役なのかが読めない。

「くらえっ」

葛城のSPZキックがまともに入ってフローラ小川悶絶。ここでダークスターカオスが出てきてバックドロップ葬をねらうがF小川、空中でうまーく体勢を入れ替えて切り返す。そして佐久間にタッチ。おおっと場内沸いた。

ソノ後もしばらく乱戦が続いたが、18分頃にコバトフがG山本を逆片エビ固めに捕らえた。

「うおっ」

これでG山本の腰に電気が走ってしまったのか、G山本がタップしてしまった。葛城カオスのカットも待てなかったのか・・・

ええええええええええええええええええ!

どよめく場内。Sクラ5連覇のG山本がこんなあっさり負けようとは・・・

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第5戦仙台大会、ジャスティスえちご七番勝負第5戦の相手は現SPZ王者・佐久間理沙子だったが、落ち着いて戦った佐久間がノーザン連発でえちごをしとめた。勝負タイム17分10秒。えちごはこれで2勝3敗となり、勝ち越しへ後がなくなった。

第6戦どさんこドーム大会。メインはジャスティスえちご7番勝負第6戦、対グリズリー山本戦。厳しい相手が続く。

「ウラアアアアアア」

シングルマッチ連戦で疲れを見せてきたえちごに対してパワーで圧倒。最後は掌底で殴り倒して終了。勝負タイム18分38秒。これで最終戦を待たずして7番勝負の負け越しが決定。まだトップ選手の壁は厚かったか・・・・・・

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第7戦釧路大会。第1試合はミシェール桜井デビュー戦。

対戦相手は36期のクラリッジ成瀬。まだ素人に近いのでクラリッジ成瀬が適当に試合を作る展開か。

「はっ・・・」

ミシェール桜井、覚えたてのドロップキックでクラリッジ成瀬に向かっていったが、5分過ぎにやはり息が切れてしまった。

「ぜぇ、ゼェ・・・・」

そこを落ち着いてクラリッジ成瀬が逆片エビに捕らえてギブアップを奪った。勝負タイム7分17秒。SPZにまたひとり新しい戦士が加わった。

2009年11月14日 (土)

第813回 そう かんけいないネ、フフフフフ

39年目4月。

新人テストで桜井里子を採用。運動神経がそれなりに良い子でルックスもそれなり。リングネームは「ミシェール桜井」とつけた。

「旗揚げ38周年記念エッセンシャルシリーズ」開幕。

ドーム級の会場を回るビッグなシリーズである。が、前売り券の動きが芳しくない。困った会社サイドは

「ジャスティスえちご7番勝負」

という企画を立てて集客てこ入れを図ったが、ファンの反応は「誰それ」みたいな感で、九州ドームも招待券をばら撒いて満員にするのがやっとだった

初戦の相手はメインで強豪ロシアン外人コバトフと激突。

「ファンの評価を変えてきなさい」
中森社長の激励にこたえたジャスティスえちご、相手がレスリングのうまいコバトフでも堂々と渡り合い、

「言い残すことは無いかーーー」
ひどい決め台詞を吐いた挙句、新技ゴートゥーベッド(変形トラースキック)でコバトフをぐらつかせる。

「ウウ・・・・」
いまのは頭に入った。見るからに痛そうだ。

「これで終わりだ!!」
最後は魔の左裏拳ダークレフトでコバトフから3カウントを奪った。勝負タイム17分15秒。ジャスティスえちご、7番勝負を白星発進。

「オロロキましたねえ、コバトフが負けてしまいましたよ」

「んー、あれは打撃が入っちゃっただけ。まぐれですよ。でも本人には自信になるんじゃないですか」

吉田役員はさすが辛口の解説。

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第2戦広島大会、

ジャスティスえちご7番勝負第2戦の相手はなんと、ダークスターカオス!

「いくら打撃ガ凄クテモソノ前ニ眠らせれば、そう、かんけいないネ、フフフフフ」

ダークスターカオス、その言葉を実践し、段違いのパワーでえちごを圧殺。フィニッシュは豪快なパワーボム2連発だった。勝負タイム11分46秒。

「まだまだ、実力不足だな・・・」

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第3戦なにわ大会で、セミにジャスティスえちご7番勝負第3戦、対マユリシアター戦。さすがにえちごVS誰それがメインでは満員にならないと会社側は判断した。

「何ガゴーツーベッドだ。恥ずかしくないのか。私のバックブローでお前こそゴーツーベッドだ」

ベテラン外人マユリが怪気炎。その通り試合は凄まじい殴りあいになった。

「はーーーーー」

マユリのエルボーがえちごの鼻に入ってしまった。大流血。さすがベテランだけあって相手にダメージをあたえる手段に長けている。流血を気にしたえちごへローリングソバットを乱打。

「ヒャハハハハハ GOTO BED」

ノリノリのマユリさん。ここで必殺バックブロー。これでぐらついたえちご、

勝ちを確信したマユリ・シアターコーナー、最上段から

「BEAT END!」

佐久間の得意技の名を叫んでから豪快なミサイルキック。これでえちごを仕留めた。勝負タイム14分17秒。

「くっ・・・勝てない相手じゃないのに・・・」

えちご、7番勝負は1勝2敗と黒星が先行。

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大阪大会メインはSPZタッグ戦。王者の佐久間理沙子、ミネルヴァ石川に挑むのは前年タッグリーグ準優勝のコバトフ、マレン組。久々に大阪のメインで日本人VS外人の正統派カードが組まれた。

しかしコバトフ、初戦でジャスティスえちごにゴートゥベッドされてから動きが悪い。佐久間にボディスラムでいいように投げられる。

「ナラバ私ガイキマース」

そこそこ強い外人マレンが佐久間と相対するが、なにしろ団体エースが相手なので分が悪い。あっというまにジャーマンを食らって劣勢に。なんとかM石川を捕まえようとするが、そこはM石川も心得ていて、そこそこつかまって会場を沸かせた後佐久間にスイッチ。

「そろそろ終わりにしましょうか」

最後はコバトフを場外に放り出して、残ったマレンを合体パワーボムで仕留めた。勝負タイム25分5秒、王者組が5度目の防衛に成功。

2009年11月13日 (金)

第812回 特訓の果てに

(今回は冷凍物ではなく書き下ろし)

バシッ、バシッ、バシッ!!

SPZ道場で夜遅くまでサンドバッグを蹴る音が響いていた。

この団体、日本でも有数の女子プロレス興行会社なのだが、ストイックに練習に取り組む選手は2-3人である。フローラ小川もつい最近までは線の細さをカバーすべく特訓に明け暮れる日々だったのだが、グリズリー山本の凶悪な技を受け続けて腰を痛めてしまい、いまでは身体のケアを優先させている。

そしていま、SPZ道場でもっとも練習熱心なのが、SPZ37期のジャスティスえちご。(本名:田中裕子)リングネームがジャスティスえちごなのはただ単に新潟県出身だから。消して素質の高い選手ではなかったが、猛特訓を繰り返し、会社サイドからは「未来のエース候補」の評価を得るに至った。不器用そうな性格だが、受けが強く、ちょっとやそっとの攻撃では音を上げない「気合いと根性型」の選手だ。

「あとは攻撃面でフィニッシュホールドが出来れば上でも使えるんだけどね」

吉田龍子取締役が辛口の評価。本人もそれは分かっている。いちおう必殺技としてダークレフト(左の裏拳)を持っているのだが、かわされ易いのと、相手が受けきってかうんと2で返した場合もう攻め手が見つからなくなってズルズルいってしまうパターンが多かった。

サンドバッグを蹴り続ける。弱った相手にトドメを刺す蹴り技の精度を上げるつもりらしい。

「一撃で、潰せるようにならなきゃ、山本さんや佐久間さんを倒せない」

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「田中さん田中さん、あまり特訓ばかりやってると身体を悪くしちゃうよ、スポンサーの方から映画のチケットいただきましたから、気分転換に観にいきましょう」

先輩のフローラ小川が特訓に没頭するえちごを見かねたのか、気分転換に誘った。

あくる日の夕方、二人は私服で、目立たないよう髪形とメイクを変えて、関内の映画館へ出向いた。取引先からタダ券をもらった(押し付けられた)映画のタイトルは、下記のごとくであった。

「借金大王~夜逃げ東海道~」

ストーリーはうだつの上がらない弱小工務店の社長が借金を重ねて、悪徳金融業者に追われるというありきたりのストーリー。当然シネマの席は平日ということもありガラガラ。

「微妙な映画ですね」

えちごもつまんなさそうにポップコーンを口に運ぶ

「でも、後半、アクションシーンがあるらしいですよ」

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上映開始から80分、眠気に耐えながらスクリーンを見ていたえちごとフローラ小川。いよいよ後半に入り、ストーリーが動き出した。借金を重ねた社長は、ついに経営再建を断念しこのみ金融に自社ビルの鍵を渡し夜逃げ。そしてその、このみ金融が自社ビルを占有。しかし別の債権を持っていたもう1社、柄の悪いタマキ金融が夜逃げ発覚に激怒。このみ金融が占有する自社ビルへ向かった。施錠されたオフィスの入口ドア。

「おんどりゃあ、開けんかい!」

 「それはできないのであります。社長から言われているのであります」

ドア越しの押し問答が続く

「ちくしょう、ラチがあかねえ」

タマキ金融の部長がドアに向かって構えた。

「あけろっつってんだろーーーーーーー」

バーンッ

左足でドアを蹴破った。

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「こ、この蹴りだ・・・・・」

えちご、一撃でドアを蹴破ったシーンでなにか閃いたようだ。

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そのあと映画はハチャメチャなアクションシーンに突入し、このみ金融とタマキ金融の社員同士が大乱闘をおっぱじめた。双方が携帯電話で増援を呼びオフィスは修羅場となったが、最後に現れたタマキ金融の社長がアイアンクローで全員を沈黙させ、このみ金融の債権を買い取る話で一件落着・・・というストーリーだった。

映画を見終わったジャスティスえちご、すぐさま帰り支度。

「小川さん、すぐ会社帰って特訓します、閃きました」

「実家で焼き肉食べようと思ってたのに・・・・」

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1時間後、夜のSPZ本社会議室、

「アイツ、オフィスで特訓とは何やってるんだ」

SPZ本社会議室、中森社長が呆れ顔で。残業していた数人のスタッフも青ざめた表情。

開いている会議室のドアを内側からロックし、えちごが外から蹴破ってゆく特訓。

げし、げし、げしっ!!

しかし一撃でドアを蹴破ることは難しい。何発か入れないとドアが壊れないのだ。

「修理代はファイトマネーから引いとくからな」

中森社長がぼそりと。ついでに京スポ新聞社に連絡して記者とカメラマンを手配。

ジャスティスえちご、本社自社ビルの会議室商談室のドアを破壊しまくること1時間、そしてついに、

バキイッ

社長室のドアを一撃で吹き飛ばした。

「つかんだ・・・このタイミングだっ」

「あんたねえ・・・・」中森社長も呆れ顔。SPZ本社のドアのほとんどが破壊されてしまった。修理代はいくらかかるのやら。

「あとで工務店呼ばないと・・・・」

翌日の京スポ新聞一面は

「女子プロレスラー Jえちご、狂乱の本社破壊」

となってしまった。修復費用はウン百万円になり、ジャスティスえちごは月々のファイトマネーから「分割払い」で返済する破目になった。

「で、田中さん、必殺技のネーミングはどうしますか?」

特訓の翌日、本社でのスタッフへの謝罪フローラ小川が冷静に突っ込み。

「そうですね・・・」

「天空剣なんていうのはどうですか、かっこいい」

 「うーん・・・・」

「おお花子、来てたのか。」

SPZ創業者、今野ファウンダー(ファウンダー室のドアも壊されたので見に来た)が缶コーヒーを手にやってきた。必殺技ネーミング談義に加わる。

「なに、必殺技のネーミング?それなら私がハイソでエレガントな案を出してやろう」

「・・・・・・・・・・・・・」

「ゴートゥーヘル(地獄へ行け)ってのはどうかな」

 「・・・いかにもな感じが」

「じゃあゴートゥースリープ(眠っちまえ)」

 「男子の団体で既に使われてませんでしたっけ」

「ゴートゥーホスピタル(病院へ行け)」

 「いや、病院関係者から苦情が来そうな・・・」

以下喧々諤々。

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3日後、ジャスティスえちご新必殺技発表会がSPZ本社会議室で開かれた。中森社長が話題づくりで仕掛けた。えちごには弁償額を6掛けに減額してやるということで納得させた。

「えちご選手がすごい必殺技を開発したらしいので、次期シリーズでは7番勝負を組もうと思います」

ドアの向こうにえちごがいる。

「それではえちごさん、必殺技の名前を叫びながらドアを蹴破ってください」

少しの間を置いて、ドアの向こうからえちごの声が。

「行きます、ゴ、ゴートゥーベッド!!」

バキイッ!!

せっかく再設置したドアが一撃で蹴破られた。

「この技で、SPZのトップをとりに行きます」

ジャスティスえちご、少し赤面しながらトップ取りを宣言した・・・・

2009年11月12日 (木)

第811回 この技を受けても立っていられるかしら?

38年目3月
「ファイヤーソウルシリーズ」開幕。前半は東北地方各地を回り、そして北関東へ。

第6戦宇都宮大会メインであばしりタッグ戦。王者組みの外人チームが返上したので王座決定戦が組まれた。前回同様、横浜戸塚の「喫茶あばしり」からチーフウエイトレス香取玲亜が来場し、メイド服に身を包んで認定証を読み上げ。

「宇都宮であばしり戦が組まれることが多いよな」

ヘビーユーザーのファンは苦笑。SPZも興行形態が固定化してきている。餃子の街で知られる宇都宮、SPZ執行部にも「宇都宮餃子好き」が多く、カードを組むのにもつい力が入るらしい。とはいえ決定戦のカードは若手中堅のタッグ戦。

クラリッジ成瀬、ジャンヌ永原 対 早瀬葵、ラズベリー組。

試合は非力なラズベリーが捕まってしまい、26分50秒、クラリッジ成瀬のネックブリーカーにフォール負け。ジャンヌ永原はデビュー1年足らずであばしり戴冠。

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あばしりタッグ 王者決定戦

クラリッジ成瀬○、ジャンヌ永原(20分くらい、ネックブリーカードロップからの片エビ固め)早瀬葵、ザ・ラズベリー×

成瀬組が第73代王者となる

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第7戦幕張大会メインイベントではSPZタッグ選手権。

なんと今回の挑戦者はダークスターカオス&ジョディ・ビートン組。目新しさを考えて外人組みを挑戦させた。

「ずいぶん厄介な相手ね・・・分断作戦しかないわね」

タッグ王者の佐久間理沙子&ミネルヴァ石川も表情が硬い。

キーパーソンとなったのはジョディ。耐えてカオスにつなぐのか、それともその前に沈んでしまうのか。懸命に佐久間相手に応戦したジョディだったが、やはりつかまってしまい、さいごはジャンピングニーで幕。とうぜんダークスターカオスは場外でミネルヴァ石川にしがみつかれていた。王者組みが防衛に成功。勝負タイム24分17秒。

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SPZタッグ選手権(60分1本勝負)

佐久間理沙子○、ミネルヴァ石川(24分17秒、ジャンピングニーからの片エビ固め)ダークスターカオス、ジョディ・ビートン×

第96代王者組が、4度目の防衛に成功

「少し危なかったですけど、勝てましたね。分断作戦が成功しました。」

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最終戦さいたまドーム大会。

「これで、終わりだーッ!!」

休憩前のシングルマッチでジャスティスえちごがダークレフトでミネルヴァ石川を破った。SPZ4強に続く争いも白熱してきた。

さいたま大会メインは当然SPZ戦が組まれた。

王者佐久間理沙子に対するは葛城早苗。

かっこいい葛城のテーマ曲「ザ・フォー・ホースメン」が流れるや場内ドワアアアアの歓声。今度こそSPZベルト奪取なるか。

「なるべく打撃をもらわないように、試合を作ります」

今度は「Energy」がかかり、佐久間理沙子がゆったりと入場。

若林太郎氏による認定証読み上げ、花束贈呈とお決まりのイベントが続く。そしてゴング。

佐久間理沙子、2日続けてのタイトル戦だが、葛城早苗は蹴りにさえ気をつければよいので比較的やりやすい存在。

「行くわよ」

佐久間がDDTで葛城を追い込むが、葛城早苗も得意のSPZキックで反撃。行方は分からなくなったが、

「この技を受けても立っていられるかしら」

出たビートエンド。これで葛城を完全ノックアウト。勝負タイム27分28秒。王者が初防衛に成功。

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SPZ世界選手権(60分1本勝負)

佐久間理沙子(27分28秒、ビートエンドからの片エビ固め)葛城早苗

第108代王者が初防衛に成功

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2009年11月11日 (水)

水曜日更新の日記。

◆時々みょうに信長の野望がやりたくなる

天翔記(PSP版)でタイムアターック。5日間かかって、武田家での天下統一(シナリオ1 初級)の所要時間は14時間59分53秒。いかに長考しないかがポイント。判断力を養う訓練になります。

◆11月23日から世界最強タッグリーグ戦!!!!

 「オリンピア」が流れると、このシリーズが始まると、「ああ、今年も終わりだな」という気になります。後楽園ホール興行は11月23日(月祝)と12月1日(火)。長州力&征矢学組エントリーって・・・

◆大相撲九州場所は11月15日から。

37歳大関・魁皇がんがれ。来年3月の大阪まで現役続行すれば100場所という金字塔。

今場所達成できそうな記録は下記二つ(9勝以上は不可能)

あと2勝で幕内800勝、

あと6勝で幕内804勝(歴代2位の北の湖に並ぶ)

しかしですよ、上位6人(青いの、白いの、ミッキー、カロヤン、ヒマス、チヨス)を2勝4敗で乗り切っても、伸び盛りの関脇小結の4人から1つ以上(バルタン、ツルリュー、GAD、キセノン)勝たないと、対平幕5戦(筆者予想ではあみ錦、琴しょうぎく、武州山、豪風、時天空、楽な相手はいない)を全勝しても負け越す。星勘定が苦しい。今場所も胸が苦しい日々が15日間続くのか・・・(先場所も関脇小結平幕戦は4敗したのですが、大関のカロヤン、ミッキー、チヨス戦をどうにか拾ったから8勝7敗で乗り切れた)

◆火曜日は岐阜方面へ取材に行ってきます。

2009年11月10日 (火)

第810回 38年目2月 佐久間理沙子の意地

38年目2月

「スノーエンジェルシリーズ」開幕。フローラ小川が負傷欠場。先月のタイトル戦のG山本戦で腰を痛めたらしい。

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第4戦三重サンシャインアリーナ大会ではSPZタッグ戦。

王者佐久間理沙子、M石川組に対するはグリズリー山本、中村真帆組。

「ウァハハハハハ、佐久間、ブッツブシテやるぜ」

「受けて立ちます」

両エースのふたりがズタズタになるまでの激闘を見せる。こうなるとパートナーの奮闘がポイントとなったが、この日は中村真帆が捕まってしまい、最後は再登場した佐久間がノーザンからネックブリーカーとつないで勝利。勝負タイム29分24秒。

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最終戦は横スペ大会。メインイベントはSPZ世界選手権

王者グリズリー山本に挑むのは佐久間理沙子。

「そろそろ、ベルトを取り返さないといけませんね」

佐久間、団体エースとしてなんとしてもSPZ王座を奪還しないといけない。

三重大会に引き続き団体エースの2人が激しい戦いを展開。責め合いしのぎ合う両者。あっという間に25分が経過した。

「ぎゃがっ」
佐久間の延髄が入ったか、ぐらつくグリズリー山本。チョップで反撃するが普段の力がない。

「はいっ」

ここで勝負をかけた佐久間、重量級のG山本を懸命に抱え上げてのバイオドライバー。これはなんとか3ギリギリで肩を上げたG山本だったが、グリズリー山本この一撃で首を痛めてしまった。起き上がれない。

「・・・・・」

佐久間、動けないG山本をボディスラムで投げて介錯。これで3カウントを奪った。勝負タイム29分30秒。

「フゥ・・・最後はカッコつきませんでしたけど、なんとか勝てましたね」

王座移動、佐久間理沙子が久しぶりにSPZ王者に返り咲いた。

2009年11月 9日 (月)

第809回 まあ少しは粘った方かな

38年目1月
新春ロケットシリーズ開幕。九州各地を回る。

第4戦鹿児島大会でSPZ世界戦。鹿児島で組まれるのは珍しい。王者グリズリー山本に対するは挑戦者フローラ小川。

新日本ドームで組まないところが会社側のフローラ小川に対する期待感を物語っている。
「あんなのに負けるわけ、ねえよ」

パワーの差は歴然。この日も頭突き連打で主導権を握る。こうなるとフローラ小川は関節技に賭けるしかない。しかしグリズリー山本もその辺は分かっているのでグラウンドにも必要以上に付き合わない。

「えい」
フローラ小川の逆水平チョップ。
「ぎゃはははは、なんだー、そのチョップはーーー」

やはり打撃は効くはずがない。しかしフローラ小川、懸命にG山本の攻勢をこらえるとシャイニングウィザード2連発、これでグリズリー山本をぐらつかせる。

「調子にのてんじゃねぞてめえええ」
グリズリー山本、ここでスクランブルをかけてきて得意のグリズリーボム、DDT。あーあというファンの声。

「まあ少しは粘った方かな」
放送席の吉田役員も苦笑い。最後は2度目のグリズリーボムがフローラ小川の意識を持っていって3カウント。勝負タイム29分14秒。王者が3度目の防衛に成功。

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最終戦は新日本ドーム大会。

第3試合のクラリッジ成瀬対中村戦からカメラがまわり始めた。この試合はパワーで押した中村が12分47秒、ラリアットで勝利。その試合が終わると休憩。

休憩後第4試合、「禿山の一夜」が流れて、SPZの女帝グリズリー山本登場。きょうはイージーマッチ。ファントムローズ2号との対戦。これはもう公開処刑だろう。実際にもその通りで、掌底、エルボーでぶっ飛ばして最後は豪快にグリズリーボム。勝負タイム8分39秒、完勝である。

セミファイナルは新人のジャンヌ永原が登場。フローラ小川と組んでマユリシアター、マレン組と対戦。やはりジャンヌ永原が強豪外人に何もできぬままやられてしまい、残ったフローラ小川がローンバトル。案の定マユリの打撃にボコられ、強烈バックブローで戦線離脱。最後はジャンヌ永原がマユリのハイキックに散った。勝負タイム23分45秒。

メインはSPZ世界タッグ戦。

王者佐久間理沙子、ミネルヴァ石川に対するは挑戦者葛城早苗、ジャスティスえちご。しかしいまやSPZのエースとなった佐久間、相手が葛城だろうが容赦のない攻め。バイオドライバー2連発でさくっと勝利。勝負タイム19分28秒。王者組が2度目の防衛に成功。

2009年11月 8日 (日)

第808回 38年目12月 歳末ファン感謝デー

38年目12月、東京調布のギムレットホールで行われたのは、歳末恒例SPZお笑い興行、今年は選手会興行。

第1アトラクション SPZ関係者3WAY歌合戦

 まずは渡辺智美歌謡ショー

「♪上野駅 16番ホーム
 ボンネットの 金沢行き夜行急行
きたぐにへ 旅立つ
ラウンジカー 流れる街の灯
能登 能登
夜行急行 能登~~~
夢路はるかに 闇を駆け行く
能登 能登
夜行急行、能登~~~」
年齢を重ねるにつれ、えせ演歌歌手のようになってきた売れないタレント渡辺智美(SPZ5期)がリングに上がり、「夜行急行能登号」を披露。それなりに沸いた。

続いては京スポ新聞取締役・若林太郎氏。名物記者の熱唱に場内大爆笑

「八王子みっどないと 八王子みっどないと 輝くネオン 飲む酒よぉぉぉ」

SPZとは長い付き合いの若林太郎さん(京スポ新聞 常務取締役)がリングに上がり、カラオケでの持ち歌「八王子ミッドナイト」を熱唱。もう60代なのだが、まだまだタイトルマッチの立会人を務める等元気。

「よし、次は俺だ」

SPZ創業者、今野ファウンダーがリングに上がり、カラオケでの持ち歌、「私はあきらめない」を熱唱。もう70代のはずなのだが歌唱力は健在。場内沸いた。

世の中は世紀末 いくつもの夢、胸に描いてきた明日が消されてきた。

 明日になれば何かが変わると思っても 変わらない明日があった。

 今日を生きるため 危ない橋を渡り 何度も思う だめだ もう おかしくなる

 それでも 今日まで 歩いて来れたのは 胸の奥 あなたが いたから

 たとえ どんなに 高い壁だって 目の前 一歩一歩 上へ登って行けば 

 いつかきっと越えて進める

 私はあきらめない。キセキを信じて。

 積み上げられた 重いタスクの山 見上げてため息 ただゾーと思う

 それでも 明日を 思っていられるのは あなたの 声が 聞こえるから

 たとえ どんなに 遠い場所だって あせらず 一歩一歩 前と進んでいけば

 いつかきっと たどりつける

 私はあきらめない。ミライを信じて。

 私はあきらめない。私の進む道は、いつだって前しか、ないだろうが!

 たとえ どんなに 悲しい時だって 目の前 その日その日を なんとか 丸め込んで行けば

 いつかきっと 越えて進める

 私はあきらめない。次の世界、信じて

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「どうもありがとうございました。」

そのあと歌い終えた3人がリングに上がって、結果発表。ファンの挙手によって最優秀賞が決定される。抜群の知名度を生かした渡辺智美が賞品をかっさらうかに思えたが、意外にも

「フッフッフッ、まあ俺の人徳だよ」

京スポ新聞・若林太郎取締役がもっとも多くの挙手を集め最優秀賞に輝き、賞品の「最高級ワイン」を手に入れた。

「うーん、うまく歌えたのにのう」

今野ファウンダーが悔しがりながらリングを降りた。いつものようにロープをくぐって場外マットにすたっと着地したつもりが、転倒。

・・・イタ・・・・

創業者の大ボケかましに爆笑。しかしなかなか起き上がれない今野ファウンダー。あわててひかる夫人やフローラ小川が駆け寄ったが、今野ファウンダーうごけない。ざわつく場内。

「だから階段使いなさいって・・・」

この団体、社外のゲストさんはともかく関係者はリングを降りるのに階段は使わない。その横着さが仇となったか。けっきょく大事を取って今野ファウンダーは担架で運ばれた。

「もう私も、トシか・・・・」

第2アトラクション・選手トークショー

とんだハプニングがあったものの、葛城早苗のトークショーへとなだれこんだ。ふだんは寡黙なイメージの彼女だが、阿部リングアナといい感じでトークを展開。そのあとファンから事前に集めた問い合わせ。

「休みの日は何をしているんですか」

「うーん・・・映画ですね。映画館で新作の映画は観ますよ。アクション映画は欠かさず。俳優さんの表情とかですね、プロレスのヒントになる部分もあります」

そのあと休憩。

第3アトラクションは普通のシングルマッチ。フローラ小川対ザ・ラズベリー。

若手対上位選手のドリームシングルマッチ。ラズベリーの攻めを受けきったフローラ小川がじっくりと攻めに転じて、最後はスリーパーに捉えた。

「うわああああ、もうダメーーーー」

ラズベリーがスリーパーでやられてしまった。

セミファイナルはハードコアマッチ。ジャスティスえちご対早瀬葵。セコンドが手渡す凶器の使用はOKだ。そして決着はKOまたはギブアップのみという冷酷なもの。ただし対戦相手がダウンした状態でその凶器は使用できなくなるルール。

「けえええーーっ」

ファッション雑誌の角でえちごを殴ろうとする早瀬、場内大爆笑。しかしえちご、軽快なフットワークでかわし続けるが

「あっ!」

早瀬葵、南側客席を指差す。つられて視線を向けてしまったえちご、その隙に雑誌攻撃が。たまらずダウンするえちご、

ワーン ツーウ

レフェリーのクラリッジ成瀬がダウンカウントを数える。なんというシュールな試合。

しかしカウント5で起き上がったえちご(ファイティングポーズを確認するレフェリーにまた爆笑)、今度は

「もうゆるしませんよ」

竹刀を取り出しめった打ち。懸命にこらえた早瀬だがついにダウン。

ワーン ツーウ・・・

しかし早瀬、カウント7で起き上がり、取り出した凶器がスタンロッド。場内どよめき。かつてライラ神威が頻繁に使っていた凶器だ。

ばちばちばちいっ!!

感電して絶叫し、リングに横たわるジャスティスえちご、これで決まったかに思われたが、ジャスティスえちご、カウント9で立ち上がった。なんという頑健さ。

ジャスティスえちご、なお工具箱投げなどで反撃したが、ダメージが深くあっさりとかわされ、背後に回られて、

かちゃり

早瀬に手錠をかけられてしまう。

「しまった」、

懸命にもがくえちごだが手錠が外せない。あせればあせるほど手錠が食い込んでゆく・・・

「もらった、チェストーーーー」

早瀬、とどめのビール瓶攻撃。頭で受けたえちご、ビール瓶が砕け散った。(当然このビール瓶は飴細工なのだが)もんどりうって倒れ伏すジャスティスえちご。かなり苦しそう。

ワーン、ツーウ・・・・

冷静にダウンカウントを数えるクラリッジ成瀬、場内大爆笑。けっきょくえちごは起き上がれず10カウントを聞いた。早瀬葵がKO勝ちを収め、賞品の「喫茶あばしりマドレーヌ」をもらって引き揚げた。

メインイベントはKOで動けなくなったえちご以外の全選手が参加の5万円争奪バトルロイヤル(グリズリー山本のみ不参加)。いきなり団体エースが佐久間理沙子が集中攻撃を食らって早々に敗退。そのあとはバトルロイヤルらしいゆるい攻防が続いた。フローラ小川は葛城の蹴りを食らってあっさり敗北。葛城もF小川をしとめて気の緩んだところをクラリッジ成瀬に倒され全員にフォールされる屈辱。場内大爆笑。

最後は要領よく立ち回ったジャンヌ永原とあれよあれよというまに回りが退場して生き残ったミネルヴァ石川との一騎打ち。

「行きますよ~、覚悟はいいですが~」

意外にも逆片エビ固めでギブアップを奪ってバトルを制したミネルヴァ石川、賞金を手ににっこり笑顔。うまく立ち回ったか。こうしてファン感謝デーは幕を閉じた。

年末のプロレス大賞、MVPには佐久間理沙子。最優秀新人もジャンヌ永原が受賞。ベストバウトはグリズリー山本対佐久間理沙子のSPZ戦タッグマッチではどこかの会場で組んだ佐久間、フローラ小川組対グリズリー山本、葛城早苗戦が選ばれた。

2009年11月 7日 (土)

第807回 38年目12月 ウルトラタッグリーグ(下)

38年目12月 ウルトラタッグリーグ戦(続き)

第7戦は仙台大会。
葛城○、えちご(7点 ジェットスマッシュからの片エビ固め28.05)G山本×、中村(8点)

去年、このカードでジャスティスえちごは担架送りになっている。

「これでどうだっ!」
ジャスティスえちご、1年間の成長のあとを見せつけるかのようにダークレフト(やばい左の裏拳)。G山本の重爆DDTを食らっても怯まず、タイガードライバーで反撃。満を持して葛城にタッチ。
後輩がここまで踏ん張っては葛城も燃えた、なんとSTO,ジェットスマッシュの猛攻でSPZ世界王者、グリズリー山本から3カウントを奪ってしまう快挙。

コバトフ、マレン(12点、STF 9.06)Pローズ2号×、3号(0点)

コバトフ組も快勝。これで無傷の6連勝のまま最終戦へ。

F小川○、早瀬(7点、バックドロップからの片エビ固め 15.50)マユリ、Aビーチ×(4点)
フローラ小川が懸命のファイトで3勝目を挙げた。

佐久間○、M石川(10点、ビートエンドからの片エビ固め 12.21)ブリジット、ソフィア×

佐久間組が1敗をキープ。これで優勝の行方は最終戦の直接対決佐久間組VSコバトフ組にゆだねられた。

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最終戦はさいたまドーム大会。
マユリ、Aビーチ○(6点、ミサイルキックからの片エビ固め 14.38)葛城、えちご×(6点)

なんとかタッグリーグを完走した葛城組だが結果は6点。この日もえちごがつかまってしまった・・・

「納得してませんよ。オフの間に特訓してもっとパワーアップします」(えちご)

G山本、中村(10点、ジャーマンSH 11.54)ブリジット、ソフィア×(2点)
G山本組が有終の美。ジャーマンでソフィアを退けて終了。しかし3年連続でタッグリーグ優勝してきたグリズリー山本、憮然とした表情で引き揚げた・・・

佐久間○、M石川(12点、ノーザンライトSH 14.31)コバトフ、マレン×(12点)

佐久間組が勝つには本割と決定戦の2連勝が必要、逆にコバトフ組は引き分けても優勝。

―優勝シテ、秋葉原デ電化製品買ッテ国に帰ル・・・

コバトフが序盤から積極的な攻めを見せるが、息が上がったところをM石川が反撃、パワーボム。これでマレンが矢面に立たざるを得なくなった。佐久間とマレンでは勝負にならない。落ち着いて攻めた佐久間、DDTで追い込んでノーザンライトSH、パートナーの石川はコバトフの前で通せんぼポーズ。これで3カウント。土壇場で追いついた。これで同一カードでの優勝決定戦。ファンは1試合儲けたと大喜び。

佐久間、M石川(ビートエンドからの片エビ固め 25.41)コバトフ、マレン×

20分のインターバルをはさんで優勝決定戦。しかしメインで勝って意気あがる佐久間、まずマレンを投げまくりで戦線離脱させておいてコバトフを攻める。しかしお互い賞金60万円がかかっているので必死。試合後半になって蘇生したマレンもステップキック、ラリアットを見せてこの戦いについていく。

最後は4選手が入り乱れる攻防となったが、やはりマレンがつかまってしまった。合体パワーボムこそ2.9で返したものの
「これで、終わりです」
出たビートエンド。これで粘るマレンから3カウントを奪った。

優勝した佐久間組には賞状と賞金60万円、副賞としてブランドアウターが贈られた。準優勝はコバトフ、マレン組で、商品のもも缶が贈られた。

2009年11月 6日 (金)

第806回 38年目12月ウルトラタッグリーグ(中)

38年目12月 ウルトラタッグリーグ戦(続き)

第4戦九州ドーム大会。
葛城○、Jえちご(4点、ノーザンライトSH 12.30)ブリジット、ソフィア×

葛城組が2勝目。格落ちのソフィアを落ち着いてさばいた。

マユリ○、Aビーチ(2点、バックブローからの片エビ固め 13.16)Pローズ2号×、3号
古参外人コンビも初日。

コバトフ、マレン○(6点、パイルドライバーからの片エビ固め 13.37) F小川、早瀬×(2点)
フローラ小川組早くも2敗目、優勝争いから脱落。最後は早瀬が相手チームに捕まってしまった・・
G山本○、中村(4点、ジャーマンSH 23.40)佐久間×、M石川(4点)
「これで終わりです」

佐久間が早めのビートエンド。しかしグリズリー山本、頭からマットに叩きつけられながらもラリアット、ステップキックで反撃。壮絶な試合となった。

「どりゃああああ」
ビートエンドのお返しか、佐久間の顔面をフェイスクラッシャーで叩きつける。しかしこれでお互いスタミナが尽きたか、パートナーにタッチ。最後は4人が入り乱れる乱戦の中、うまく佐久間のバックを取ったG山本が

「シネやあああああ」

ハイブリッジで見事に投げたジャーマン。佐久間はこれで 3カウントを聞いた。
「見たかああああ!SPZのトップはこの私なんだよ!永遠にな!アイツなんかあの程度だ」

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第5戦は名古屋しゃちほこドーム大会
マユリ○、Aビーチ(4点、バックブローからの片エビ固め11.39)ブリジット、ソフィア×(2点)
古参外人コンビが2勝目。重たいバックブローが炸裂。

G山本○、中村(6点、ジャーマンSH 9.33)Pローズ2号×、3号(0点)

山本組が1敗を守った。グリズリー山本がジャーマンで完勝。

コバトフ、マレン○(8点、ステップキックからの片エビ固め 17.51)葛城、Jえちご×(4点)
「これでっ!」

えちごのダークレフトがコバトフに命中。流れを変える。しかしコバトフも耐えて耐えてマレンにつなぐ。

「テヤーーー」

伏兵マレン、本気の顔面蹴りでえちごを眠らせて終了。

「今年コソォ、優勝イタダキデース」

外人チームまさかの4連勝、ひょっとしたらひょっとするか?

佐久間○、M石川(6点、バイオドライバーからのエビ固め 20.55)F小川、早瀬×(4点)

フローラ小川のヘタレっぷりが遺憾なく発揮された一戦。格上相手のズルズルプロレスを展開。本部席で頭を抱える吉田役員。ファイトスタイルの悪いところまで母親譲りだ。

でもってパートナーの早瀬も輪をかけたぐだぐだ。佐久間の波状攻撃に無抵抗状態・・・

フィニッシュはバイオドライバーだった。

************************

第6戦は北海道でのどさんこドーム大会。

G山本○、中村(8点、グリズリーボム 13.05)マユリ、Aビーチ×(4点)

「ウァハハハハハ」

グリズリー山本組が1敗キープ。高笑いしつつのグリズリーボムでAビーチを退けた。

葛城、Jえちご(5点、時間切れ引き分け)F小川、早瀬(5点)

葛城とえちごの連携のよさが光った。ダブルインパクトでフローラ小川を戦闘不能に追い込み、残った早瀬に集中砲火を浴びせるが、早瀬が粘って30分タイムアップに持ち込んだ。

「うーん、前半時間かけすぎましたね、葛城選手」
フローラ小川ののらりくらりペースに前半はまってしまったのが痛かった。

コバトフ○、マレン(10点、ジャーマンSH 8.39)ブリジット、ソフィア×(2点)
コバトフ組が5連勝。もしかしてもしかすると・・・

佐久間、M石川○(8点、ラリアットからの片エビ固め 9.23)Pローズ2号×。3号(0点)
札幌大会メインは佐久間組が完勝。1敗キープ。

38年目12月、ウルトラタッグリーグ戦。コバトフ、マレン・ニールセン組がまさかの全勝でトップ。このまま、逃げ切るのか?(続きます)

2009年11月 5日 (木)

第805回 38年目12月 ウルトラタッグリーグ(上)

38年目12月

恒例のウルトラタッグリーグ戦。
出場チームは下記の8チーム。

グリズリー山本&中村真帆(前年優勝)

佐久間理沙子&ミネルヴァ石川(SPZタッグ王者)

葛城早苗&ジャスティスえちご(デインジャラス)

フローラ小川&早瀬葵

ブリジットウォン&ソフィア・ドルチェ(悪の外人コンビ)

コバトフ&マレン(前年度準優勝 実力派外人コンビ)

マユリシアター&アニービーチ(古参外人)

ファントムローズ2号、ファントムローズ3号

2戦目のなにわ大会からリーグ戦スタート、

ブリジット、ソフィア○(2点、脇固め 17.54)Pローズ2号×、3号

外人同士の対戦はソフィアが終盤のドサクサ乱戦の隙を突いて脇固めで決めた。

G山本、中村○(2点、合体パワーボムからのエビ固め 19.52)F小川×、早瀬

―はぁ、いきなり山本さん・・・ですか・・

難敵相手に頭を抱えるフローラ小川。パワーで圧倒的に劣るため試合が作れないのだ。それでもグリズリー山本へ右腕一点集中攻撃を見せて20分近く粘ったものの、最後は合体パワーボムであえなく敗北。

コバトフ○、マレン(2点、STF、15.37)マユリ、Aビーチ×
外人対決はコバトフがSTFで制した。

佐久間○、M石川(2点、ジャンピングニーからの片エビ固め 18.37)葛城、Jえちご×

「賞金が欲しいので全部勝ちますよ。石川さんも力をつけてきましたし」

佐久間理沙子、タッグ王者チームなので優勝候補の筆頭。この日は佐久間が積極的にファイトし、最後は格落ちのジャスティスえちごを捕まえてジャンピングニー2連発。これで試合は終わった。

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第3戦広島大会。
葛城○、えちご(2点、SPZキックからの片エビ固め 11.17)Pローズ2号×、3号(0点)
葛城組が初日を出した。蹴りで相手チームを完全に沈黙させた。

F小川○、早瀬(2点、STF 13.26)ブリジット×、ソフィア(2点)

F小川組も初日を出した。きっちりSTFで2点ゲット。

コバトフ○、マレン(4点、STF、13.45)G山本、中村×(2点)

前年VのG山本組まさかの敗北。コバトフのSTFに中村さんがタップしてしまった・・・

佐久間○、M石川(4点、ビートエンドからの片エビ固め 11.27)マユリ、Aビーチ×(0点)
出たビートエンド。これが出たらほとんどのレスラーは終わり。

第38回ウルトラタッグリーグ、2戦を消化してコバトフ組と佐久間組。

(続きます)

2009年11月 4日 (水)

本編の今後の展開予定2009.11

こんばんわ。

今日の更新、寒いので本編の今後の展開予定でも。

◆しばらくはグリズリー山本、佐久間理沙子、フローラ小川、葛城早苗の4強体制が続く模様です。これからのし上がってくるのが、そう、恐怖の打撃王・ジャスティスえちご・・・

◆二世レスラーのフローラ小川(SPZ34期)、なるべく長く現役をやらそうと考えています

◆創業40年あたりでそろそろSPZ創業者の今野ファウンダーを殺そう・・・げふんげふん、死去させようと思います。創業者を失ったSPZがどう変わってゆくのか。伏線はりまくりんぐな展開にしたいのですが・・・さあ、自分で自分の「死にざま」をどう書くのか。

◆いつかは「エンタメプロレス団体」をやってみたいので、参考図書のつもりで「賭博黙示録カイジ」をマンガ喫茶で13巻+13巻イッキ読み。震えましたね。

2009年11月 3日 (火)

先日ついにフリーズ

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次回のリプレイ(805回目)からタッグリーグなので、

切りのよいところで月曜夜ですがきょうはひと休み。

画像はいま一押しのマンガ「フロッグマン」の泉ハルカさん。

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WASも46年やっているといろいろあります。

先日ついにゲーム中にフリーズという現象が起こりました。

月初めのイベント(負傷だの引退だのタイトル返上だの他団体選手の参戦とか)がたくさん重なると行動パート前に起こる確率があるようです。

いうまでもなく1ヶ月進めるのに1時間はかかっていますので、1回リロードして2回続けてフリーズが起こった時点で筆者もぶち切れ、再度リロード時には原因と思われるベルトをあらかじめ返上させてから、バカンスで1ヶ月進めたら固まりませんでした。防衛記録1回は脳内で加算されることになりました。

2009年11月 2日 (月)

第804回 捨てない限り、夢は逃げてゆかない・・・

38年目11月
「バトルグランデ」開幕。

 今月からWWCAを新女に引き抜き返されたのでダークスターカオスらが参戦できなくなった。

第6戦幕張大会はSPZタッグ戦、王者佐久間理沙子、ミネルヴァ石川に対するは挑戦者フローラ小川、早瀬葵組。

本隊同士のタッグ選手権だが、20分過ぎにエンジンをかけてきた佐久間理沙子のノーザンが連発で火を噴きフローラ小川を叩きつける。代わって出てきた早瀬にはパイルドライバー、DDT.

フローラ小川も懸命にグラウンド技で挽回しようとしたがローンバトルが続いてしまい、3度目のノーザンを食らって動きが止まったところを合体パワーボム。これは早瀬のカットに救われたが、

勝負どころと見た佐久間が立て続けにバイオドライバーを繰り出してきてフローラ小川から3カウント。51分48秒の熱戦を制した王者組が初防衛に成功。

「フローラさん相手らしいしんどい試合でしたけど、勝てたようですね」

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SPZ世界タッグ選手権(60分1本勝負)

佐久間理沙子○、ミネルヴァ石川(51分48秒、バイオドライバーからのエビ固め)フローラ小川×、早瀬葵

第96代王者組が初防衛に成功

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最終戦は本拠地に戻っての横スペ大会。今年最後の横スペなので盛り上がった。
メインイベントはSPZ戦、王者グリズリー山本に対するは葛城早苗。ベルトを持って越年できるか。

―蹴りさえ入れば・・・・

しかし最近のグリズリー山本、力が落ちてきたのを自覚しているのか、やられる前にやれという考え方。パワフルなスクラップバスター連発で葛城を追い込む。

「SPZキック」

しかし葛城もSPZキックを叩き込むが

「てめぇ・・・コノヤロウ」

グリズリー山本、怒り大振りラリアット。吹っ飛ばされた葛城だが殺人ヒザ魚雷2連発で反撃。壮絶な死闘となった。

「ぬ・・・ぐううっ」
しかし先に起き上がったグリズリー山本、組み付いてDDTを決めて、なんとか葛城を屠った。勝負タイム29分29秒。これで2度目の防衛に成功。

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SPZ世界選手権(60分1本勝負)

グリズリー山本(29分29秒、DDTからの片エビ固め)葛城早苗

第107代王者が2度目の防衛に成功

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「あと一歩が届かない・・・・」

トップグループに入っている葛城早苗、なかなか女王の座をつかめない。

(1回、王者の佐久間にシングルで勝っておるのですが、そのときは筆者がタイトル戦かけ忘れでノンタイトルで開催している大ポカをやらかしてます。スマン葛城)

2009年11月 1日 (日)

第803回 SPZ世界戦 グリズリー山本VS佐久間理沙子

38年目10月
「バトルカデンツァ」開幕。32期の早瀬葵は腰痛で欠場。

4戦目の神戸大会。SPZタッグ選手権、王者グリズリー山本、中村に挑むのは佐久間理沙子、ミネルヴァ石川組。

試合はSPZ2強の激突。グリズリー山本が力押しで攻めれば佐久間も鋭いビートエンドで応戦。しかしG山本も無類のスタミナ。ビートエンド一発ぐらいでは沈まない。

「ならば、倒れるまで・・・」

しかしグリズリー山本も逆転のグリズリーボム。SPZ両エースのシバキアイが続く。そのまま両者場外で伸びてしまった。

こうなつとパートナーの優劣が鍵。ミネルヴァ石川が長時間奮闘して中村をたたきのめしてしまう。そして疲労しているG山本をかついで、

「佐久間さん!」

この土壇場でダブルインパクト炸裂。

「ぐわぁーーーー」

グリズリー山本、頭からマットへ。いくらグリズリー山本でもこれは返せるわけがない。勝負タイム51分30秒、佐久間・石川組がタッグ王座を奪還した。王者組みは5度目の防衛に失敗。

「・・・・・・・・・・・・・」

試合後も起き上がれなかったグリズリー山本、担架で運ばれる屈辱を味わった。新日本ドームのSPZ戦に暗雲が漂う敗戦・・・

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最終戦新日本ドーム大会、セミ前からは恒例の3大シングルマッチ。

まずセミ前は最強外人ダークスターカオス対ロシアの新星コバトフ。ダークスターカオスが余裕の試合運びを見せて、最後はコバトフをパワーボムで屠った。勝負タイム11分17秒。

セミはフローラ小川対葛城早苗。8月のSクラ公式戦では引き分けに終っているカードの再戦。

しかし今回は葛城の攻めが光り、フローラ小川を追い込んだ。掌底を連発してぐらつかせると
「くらえっ」
殺人ヒザ魚雷炸裂。腹を押さえてうめくフローラ小川。

「覚悟」

ジェットスマッシュまでも炸裂。フローラ小川、なんとか2.8で返したが、続けざまに2度目の殺人ヒザ魚雷を食らってはどうにもならなかった。勝負タイム19分30秒。

「まだまだ・・修練をつまないと」
葛城早苗がSPZ前王者フローラ小川を倒し、次期挑戦者に名乗りを上げた。

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そしてメインイベントSPZ戦、新王者グリズリー山本、初防衛戦の相手は元王者佐久間理沙子。
しかしグリズリー山本、今シリーズは神戸大会でダブルインパクトでまっさかさまに落とされて本調子ではない。

―先に潰す、それしかねえ。

グリズリー山本が積極的に仕掛ける。佐久間のジャーマンを一発食らったものの怯まずに攻め立て、頭突き、チョップ、掌底というベーシックな技でも迫力満点。あっという間に追い込んで

「どおりゃあああ」

DDT炸裂。この一発で3カウント奪取。これで初防衛に成功。勝負タイム16分12秒、グリズリー山本の完勝に終わった。

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