38年目12月、東京調布のギムレットホールで行われたのは、歳末恒例SPZお笑い興行、今年は選手会興行。
第1アトラクション SPZ関係者3WAY歌合戦
まずは渡辺智美歌謡ショー
「♪上野駅 16番ホーム
ボンネットの 金沢行き夜行急行
きたぐにへ 旅立つ
ラウンジカー 流れる街の灯
能登 能登
夜行急行 能登~~~
夢路はるかに 闇を駆け行く
能登 能登
夜行急行、能登~~~」
年齢を重ねるにつれ、えせ演歌歌手のようになってきた売れないタレント渡辺智美(SPZ5期)がリングに上がり、「夜行急行能登号」を披露。それなりに沸いた。
続いては京スポ新聞取締役・若林太郎氏。名物記者の熱唱に場内大爆笑
「八王子みっどないと 八王子みっどないと 輝くネオン 飲む酒よぉぉぉ」
SPZとは長い付き合いの若林太郎さん(京スポ新聞 常務取締役)がリングに上がり、カラオケでの持ち歌「八王子ミッドナイト」を熱唱。もう60代なのだが、まだまだタイトルマッチの立会人を務める等元気。
「よし、次は俺だ」
SPZ創業者、今野ファウンダーがリングに上がり、カラオケでの持ち歌、「私はあきらめない」を熱唱。もう70代のはずなのだが歌唱力は健在。場内沸いた。
世の中は世紀末 いくつもの夢、胸に描いてきた明日が消されてきた。
明日になれば何かが変わると思っても 変わらない明日があった。
今日を生きるため 危ない橋を渡り 何度も思う だめだ もう おかしくなる
それでも 今日まで 歩いて来れたのは 胸の奥 あなたが いたから
たとえ どんなに 高い壁だって 目の前 一歩一歩 上へ登って行けば
いつかきっと越えて進める
私はあきらめない。キセキを信じて。
積み上げられた 重いタスクの山 見上げてため息 ただゾーと思う
それでも 明日を 思っていられるのは あなたの 声が 聞こえるから
たとえ どんなに 遠い場所だって あせらず 一歩一歩 前と進んでいけば
いつかきっと たどりつける
私はあきらめない。ミライを信じて。
私はあきらめない。私の進む道は、いつだって前しか、ないだろうが!
たとえ どんなに 悲しい時だって 目の前 その日その日を なんとか 丸め込んで行けば
いつかきっと 越えて進める
私はあきらめない。次の世界、信じて
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「どうもありがとうございました。」
そのあと歌い終えた3人がリングに上がって、結果発表。ファンの挙手によって最優秀賞が決定される。抜群の知名度を生かした渡辺智美が賞品をかっさらうかに思えたが、意外にも
「フッフッフッ、まあ俺の人徳だよ」
京スポ新聞・若林太郎取締役がもっとも多くの挙手を集め最優秀賞に輝き、賞品の「最高級ワイン」を手に入れた。
「うーん、うまく歌えたのにのう」
今野ファウンダーが悔しがりながらリングを降りた。いつものようにロープをくぐって場外マットにすたっと着地したつもりが、転倒。
・・・イタ・・・・
創業者の大ボケかましに爆笑。しかしなかなか起き上がれない今野ファウンダー。あわててひかる夫人やフローラ小川が駆け寄ったが、今野ファウンダーうごけない。ざわつく場内。
「だから階段使いなさいって・・・」
この団体、社外のゲストさんはともかく関係者はリングを降りるのに階段は使わない。その横着さが仇となったか。けっきょく大事を取って今野ファウンダーは担架で運ばれた。
「もう私も、トシか・・・・」
第2アトラクション・選手トークショー
とんだハプニングがあったものの、葛城早苗のトークショーへとなだれこんだ。ふだんは寡黙なイメージの彼女だが、阿部リングアナといい感じでトークを展開。そのあとファンから事前に集めた問い合わせ。
「休みの日は何をしているんですか」
「うーん・・・映画ですね。映画館で新作の映画は観ますよ。アクション映画は欠かさず。俳優さんの表情とかですね、プロレスのヒントになる部分もあります」
そのあと休憩。
第3アトラクションは普通のシングルマッチ。フローラ小川対ザ・ラズベリー。
若手対上位選手のドリームシングルマッチ。ラズベリーの攻めを受けきったフローラ小川がじっくりと攻めに転じて、最後はスリーパーに捉えた。
「うわああああ、もうダメーーーー」
ラズベリーがスリーパーでやられてしまった。
セミファイナルはハードコアマッチ。ジャスティスえちご対早瀬葵。セコンドが手渡す凶器の使用はOKだ。そして決着はKOまたはギブアップのみという冷酷なもの。ただし対戦相手がダウンした状態でその凶器は使用できなくなるルール。
「けえええーーっ」
ファッション雑誌の角でえちごを殴ろうとする早瀬、場内大爆笑。しかしえちご、軽快なフットワークでかわし続けるが
「あっ!」
早瀬葵、南側客席を指差す。つられて視線を向けてしまったえちご、その隙に雑誌攻撃が。たまらずダウンするえちご、
ワーン ツーウ
レフェリーのクラリッジ成瀬がダウンカウントを数える。なんというシュールな試合。
しかしカウント5で起き上がったえちご(ファイティングポーズを確認するレフェリーにまた爆笑)、今度は
「もうゆるしませんよ」
竹刀を取り出しめった打ち。懸命にこらえた早瀬だがついにダウン。
ワーン ツーウ・・・
しかし早瀬、カウント7で起き上がり、取り出した凶器がスタンロッド。場内どよめき。かつてライラ神威が頻繁に使っていた凶器だ。
ばちばちばちいっ!!
感電して絶叫し、リングに横たわるジャスティスえちご、これで決まったかに思われたが、ジャスティスえちご、カウント9で立ち上がった。なんという頑健さ。
ジャスティスえちご、なお工具箱投げなどで反撃したが、ダメージが深くあっさりとかわされ、背後に回られて、
かちゃり
早瀬に手錠をかけられてしまう。
「しまった」、
懸命にもがくえちごだが手錠が外せない。あせればあせるほど手錠が食い込んでゆく・・・
「もらった、チェストーーーー」
早瀬、とどめのビール瓶攻撃。頭で受けたえちご、ビール瓶が砕け散った。(当然このビール瓶は飴細工なのだが)もんどりうって倒れ伏すジャスティスえちご。かなり苦しそう。
ワーン、ツーウ・・・・
冷静にダウンカウントを数えるクラリッジ成瀬、場内大爆笑。けっきょくえちごは起き上がれず10カウントを聞いた。早瀬葵がKO勝ちを収め、賞品の「喫茶あばしりマドレーヌ」をもらって引き揚げた。
メインイベントはKOで動けなくなったえちご以外の全選手が参加の5万円争奪バトルロイヤル(グリズリー山本のみ不参加)。いきなり団体エースが佐久間理沙子が集中攻撃を食らって早々に敗退。そのあとはバトルロイヤルらしいゆるい攻防が続いた。フローラ小川は葛城の蹴りを食らってあっさり敗北。葛城もF小川をしとめて気の緩んだところをクラリッジ成瀬に倒され全員にフォールされる屈辱。場内大爆笑。
最後は要領よく立ち回ったジャンヌ永原とあれよあれよというまに回りが退場して生き残ったミネルヴァ石川との一騎打ち。
「行きますよ~、覚悟はいいですが~」
意外にも逆片エビ固めでギブアップを奪ってバトルを制したミネルヴァ石川、賞金を手ににっこり笑顔。うまく立ち回ったか。こうしてファン感謝デーは幕を閉じた。
年末のプロレス大賞、MVPには佐久間理沙子。最優秀新人もジャンヌ永原が受賞。ベストバウトはグリズリー山本対佐久間理沙子のSPZ戦タッグマッチではどこかの会場で組んだ佐久間、フローラ小川組対グリズリー山本、葛城早苗戦が選ばれた。
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