第821回 39年目8月 真夏の祝祭(2)
39年目8月
SPZクライマックス(続き)
第3戦は名古屋、しゃちほこドーム大会。
M石川(2点、タイガードライバーからのエビ固め 13.27)早瀬(0点)
パワーに勝る石川が優勢に試合を運び、タイガードライバーで追い込んで、もう一度タイガードライバー。これで初日を出した。
G山本(2点、グリズリーボムからのエビ固め 17.30)中村(2点)
タッグパートナー同士の試合だが、腕はどう考えてもG山本が数段上。中村のチョップ、ヘッドバットを受けてからきっちり倍返し。
「どりゃあああ」
ラリアットの迫力は健在。これで中村を弱らせて、
「げひゃひゃひゃひゃひゃ」
最後は必殺グリズリーボム。これで初日を出した。それでも中村を仕留めるのに17分もかかっているあたりが・・・
F小川(3点、ドラゴンスリーパー 27.21)葛城(2点)
昨日優勝候補の筆頭、G山本を倒して意気上がる葛城。ここでフローラ小川にも勝てば一気に優勝争いの主役になる。しかし試合巧者のフローラ小川、打撃を浴びながらもローリングソバット2連発で体勢を立て直し、ネックブリーカーで追い打ち。大きい会場であることを意識したのか、今日のフローラ小川は飛び技が多い。
「これなら」
華麗にムーンサルトで舞って、そのあと満を持してドラゴンスリーパーでしめあげる。こんな崩し方はこの人しかできない。27分の熱戦の末、葛城からギブアップを奪い、これで初日を出した。
敗れた葛城は憮然とした表情で引き揚げた。
「クソ・・・・」(せっかくG山本に勝ったのにF小川に負けては・・・)
「ハァッツ、ハァッハァッ・・・・厳しい試合でした・・・」
(勝ったフローラ小川も苦しそう。この人はいつもめいっぱいのファイト)
佐久間(4点、ボディスラムからの片エビ固め 10.52)Jえちご(1点)
佐久間理沙子、万全のスープレックス攻勢でJえちごの戦意をなくしてから最後はボディスラムで投げ捨てて2連勝。これで早くも単独トップに立った。
*****************************
第3戦は福岡九州ドーム大会。好カードが組まれた。
M石川(4点、パワーボムからのエビ固め 26.21)中村(2点)
予選会ではM石川が勝っているカードの再戦。中村もチョップ、頭突きで流れを作ろうとするが、受けきった石川がパワーボムで粘る中村を振り切った。
Jえちご(3点、パワーボムからのエビ固め 24.35)早瀬(0点)
若手一番星のJえちご、アイドルレスラーだが打撃はあなどれない早瀬。いい勝負となったが、
「これでどうだっ」
2発目のダークレフトが早瀬の意識を遠のかせる。しかし早瀬も最後まで勝負を捨てず延髄、ジャンピングニーで反撃
「どうだっ」
しかし最後はえちごの勝利への執念が勝り、パワーボムで早瀬を振り切った。
F小川(5点、STF、15.08)G山本(2点)
―きょう勝てば、まだ踏みとどまれる・・・
グリズリー山本、きょうの相手のフローラ小川にはまだシングルで負けたことはない。パワーに難がある相手なので攻めやすいのだ。
「ぐはぐはぐはぐは」
余裕の表情でF小川をヘッドバット、チョップで攻める。このカードに良くある公開SMショーのような試合展開。
しかしそこに一瞬の余裕というか隙があったのか、グリズリー山本が安易に組み付いたところをカニバサミで倒され電光石火のSTF。
「ウググググ、抜けられねぇ・・・」
顔面を襲う激しい痛み。かなりの長時間耐えたG山本ったが、
―この手は絶対離さない・・・・
この人に勝ちたい。その一心で顔面を絞め続けるフローラ小川
根負けしたグリズリー山本は無念のタップ。これで2敗目を喫し、6連覇の夢が大きく遠のいた。
佐久間(6点、ハイキックからの片エビ固め 12.49)葛城(2点)
葛城でも佐久間の牙城は崩せず。佐久間理沙子、万全の攻めで3連勝。最後は隠しムーブのハイキックだった。葛城早苗、無念の2敗目・・・
第39回SPZクライマックス。公式戦3試合を消化して、トップは6点の佐久間理沙子。フローラ小川が5点で追う展開・・・
(続きます)
« 第820回 39年目8月 真夏の祝祭(1) | トップページ | 第822回 39年8月 真夏の祝祭(3) »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント