42年目4月
SPZのエース・ジャスティスえちごの水着写真集「KUBIKINO」発売。あの生真面目な性格で、ゴートゥベッドでなみいる強豪を蹴り倒す、ジャスティスえちごが水着写真集を出す。ファンは騒然となった。SPZフィーバーで先行発売となったときは、開店前行列までできた。
「自分は柔道やってましたから、パワーには自信あります」
新人スカウトで朝比奈麻衣を獲得。格闘技経験もあるごつい外見だったので、ヒールレスラーとして売り出そうということになった。
朝比奈を採用してなお、レスラーのライセンス枠に空きがあるので、SPZはもう一人採用しようと考え、新人テストを行い辻香澄を獲得。朝比奈とは対照的に小柄な体格だが、運動神経はかなりのものを持っている。
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「旗揚げ41周年記念エッセンシャルシリーズ」 開幕。
しかし団体エースのジャスティスえちごが写真集撮影のため不在という状況でドーム興行の連発。さてどのように集客したものか。中森社長以下は考えた結果、
「カオスさんの力を借りましょう」
アメリカから8冠王、プロレス界の超女神、ダークスターカオス様を招聘して集客を図るSPZであった。
それだけでは心もとないので、SPZ中森社長は企画モノとして「近藤真琴 試練の7番勝負」を組んだ。
「近藤選手は身体ができていますからハードな戦いにもついていってくれるでしょう。たとえ全敗しても、将来、女王となる日が近づくはずです」
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初戦のどさんこドーム大会。近藤真琴は百戦錬磨の八島さん(SPZ25期)にぶつかっていったが、息切れしたところをタックル連打食らって敗北。勝負タイム12分2秒。
どさんこドーム大会メインはSPZタッグ戦。王者、コバトフ、マレン組に対するは前王者のフローラ小川、ジャンヌ永原組。
「ウチもいいチームがいそうでいないんだよね」
名解説者吉田龍子が放送席でぼそりと。
昨年のタッグリーグ覇者のJ永原、F小川組はジャンヌ永原が伸び悩み、フローラ小川はぐだぐだップリが円熟味を増してきた。この日もマレンを捕まえきれず、要所要所でコバトフが出てきて二人にダメージを与える。コバトフはSPZマットを知り尽くしているだけあってお手のもの。
「でぇーい!!」
ジャンヌ永原がノーザン、これでムッとしたコバトフが必殺のSTF、しかしこれはフローラ小川がカット。最後は4人が入り乱れる乱戦の中、フローラ小川がマレンを捕まえた。
「これで決めます」
ドラゴンスリーパーでマレンからギブアップを奪った。勝負タイム26分21秒、F小川、ジャンヌ永原組が王座に返り咲いた。
「やーりー、タッグベルトもらいーーー!!」
「苦しい戦いでした・・・最後はうまく立ち回れたのでよかったです」
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第2戦 仙台大会、近藤真琴七番勝負2戦目は中村真帆に力でねじ伏せられた。DDTで動きを止められて、最後は力任せの掌底を食らって撃沈。勝負タイム9分15秒。
第3戦大阪大会、セミ前で近藤真琴七番勝負第3戦、対戦相手はなんとフローラ小川、元SPZ王者と対戦。
「うげっ・・・・・」
いきなりのスリーパーで動きを止められてしまう。近藤、タックルやエルボーで反撃するが後が続かず、シャイニングウィザードで倒されたところをムーンサルトを食らって終了。さすがにこのクラスが相手となるとても足も出ない。勝負タイム9分47秒。
ー悔しい、相手の余裕を崩せなかった。近いうちに必ず倒してやる。
大阪大会メインはEWAタッグ戦、王者チームのダークスターカオス、イザベラスミス組が佐久間、M石川組を破り防衛に成功。ダークスターハンマーがミネルヴァ石川に命中。あわれ、ミネルヴァ石川は散ってしまった・・・
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第4戦若鯉球場大会。セミ前で近藤真琴七番勝負第4戦。対戦相手は元SPZタッグ王者のミネルヴァ石川。
「てやああああ!!」
懸命にぶつかっていったがまだまだ耐久性に難があり、良く攻め込んだが、最後はミネルヴァ石川が逆転のパワーボムで終了。勝負タイム14分22秒、中堅どころですら壁は厚い。
広島大会メインはWWCAタッグ選手権、ダークスターカオス&イザベラスミス組がフローラ小川、NARATA組を破り防衛に成功。ダークスターハンマーがNARATAに(略)
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第5戦九州ドーム大会、セミ前で近藤真琴七番勝負第5戦、きょうの相手も楽ではなく、前SPZタッグ王者のマレン・ニールセンが相手。やはりパワーで押し込まれていって、最後はネックブリーカーで敗北。勝負タイム12分2秒、内容は悪くないのだが、結果が出せない。
「どうして結果が出せないんだ・・・」
さすがに落ち込む近藤真琴。
「いまの近藤さんは相手になめられてる。警戒させるものを持たないとね」
イージス中森社長がアドバイス。このあと彼女がどう化けるかが、見ものだが・・・
九州ドーム大会メインはTWWAタッグ戦、王者ダークスターカオス、イザベラ・スミス組がまたも佐久間、M石川組を下し防衛に成功。ダークスターカオスのダークスターハンマーがM石川(ry)
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第6戦京都大会、第1試合で新人のオーガ朝比奈デビュー戦。本名の朝比奈麻衣ではヒールにふさわしくないので、オーガ朝比奈というリングネームが中森社長から与えられた。
「リングに上がれば先輩も後輩も関係ねえ、はり倒してやる」
相手は36期のクラリッジ成瀬。
「ん、まあ、仕事してきますわ」
午後6時32分、オーガ朝比奈のデビュー戦のゴングが鳴った。
「だああっ」
練習で教わったタックルを連発でぶちかましていくオーガ朝比奈、流れの中で頭突きも出せた。もっともこれはクラリッジ成瀬の掌の上。相手を攻めさせるのもうまい。
「これがタックルや!」
逆にタックルで朝比奈をなぎ倒す成瀬、場内は沸いた。体格では朝比奈がかなり上回っているのだが、クラリッジ成瀬の方が経験に裏打ちされている分強烈。
「これで終わりや」
クラリッジ成瀬、このへんでやめときまひょかという感じで、アキレス腱固めに捕らえる。
「うあああああっ・・・・・」
オーガ朝比奈、懸命に耐えてなんとかロープへ逃れたが、
「あ、足が・・・」
オーガ朝比奈、足が立たない。
「ほな、これでお仕舞いっ!」
無理やり引きずり起こしたクラリッジ成瀬、ストレッチプラムにとらえた。これはもう抜けられない。懸命にこらえたオーガ朝比奈だったが、ついに根負けしてギブアップの言葉を吐いた。勝負タイム13分49秒。
「なかなかええ動きやったで!」
オーガ朝比奈、新人で13分の試合を成立させるのもなかなかできることではない。
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第7戦名古屋大会、近藤真琴はグレース・ハンの打撃攻勢の前に手も足も出ず敗退。これで6連敗。
「どうしてだよ・・・・」
近藤真琴、完全に壁にぶち当たってしまった。
名古屋大会メインもGWAタッグ。ダークスターカオス、イザベラスミス組が防衛に成功。対戦相手も決まり手も書く必要はないだろう。
(続きます)
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