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2010年11月30日 (火)

君と見る夢(21)

「Die」

シェリルはボウルを手に取ると、中身を全て小川ひかるの顔面にぶちまけた。前衛的な光景だ。

「うわああああ」

倒れて、顔を押さえてもがき苦しむ小川ひかる。すかさず
シェリルが助走をつけてのレッグドロップ。これで3カウントが入った。

防衛に成功して、コーナーに上がって勝ち誇るシェリル。最後のレッグドロップのダメージが深い(ことになっている)小川ひかるは担架で運ばれた。その担架を持つ社長。

****************************

「アハハハハハハハ」

バックステージで笑いが止まらない社長。

「ま、こういうのもありか。」

 「そ、そうですね・・・」

分かりやすい結末。悪の日本人レスラーが負けそうになってソルト攻撃を仕掛けるが、善玉さんがそれをかわして返り討ちにするというブック。
塩にまみれた顔を洗い、シャワーを済ませて私服に着替えた小川ひかる。控室で社長といっしょに後半の試合をモニター越しに観戦。

「これはこれで勉強になります。お客さんのリアクションとか」

豪州公演のメインイベントが終わったのが午後10時、プロモーターさんに挨拶してギャラをキャッシュで受け取り、タクシーでシドニー市街のホテルにたどりついたのは日付が変わる頃だった。ツインルームにチェックイン。

「カンパイ!」

ビールとハンバーガーで軽く夕食を済ませたあと、二人は取り留めの無い話をしていたが、

「じゃ・・・ひかるさん。明日も朝早いんだけど・・・」

「はい・・・『夢のつづき』・・・・を・・・」

唇を合せた。

長めのキスをした二人だが、お互い強行軍ですこし疲れていたし、すこし豪華なシティホテルだったので、先に風呂に入ることにした。

「一緒に・・・入りますか」

 「もう・・・・社長は・・・」

先に社長が湯船に使っているところへ、服を脱ぎ終わった小川ひかるが浴室にはいってきた。軽くシャワーを浴びた後

「じゃ、じゃあ入ります」

大き目のタイル造りのバスタブなので、二人で入ってもさほど窮屈ではない。

「あんまり・・・見ないでください」

 「・・・うん」

顔をやや赤らめた小川ひかるが社長に。社長はなるべくひかるの顔に視線をやりながら浴槽に漬かった。

軽く身体をそれぞれ洗った後、いよいよベッドへ。

「お待たせしました」

髪にドライヤーをかけていた小川ひかるが、裸身にバスタオルを巻いただけの姿で社長の横に座る。

「・・・・んっ・・・・・」
再び唇を合わせた。そのまま二人の身体はベッドに沈んだ。

「二度目でも、ドキドキします・・・・」

(中略)

午前6時、社長の携帯電話のアラームがけたたましく鳴る。

「・・・・あーあ、やれやれ、・・・・おはよう、ひかるさん。」

夢の時間は終わった。二人はスパッとベッドから出るやいそいそと身支度を整え、チェックアウトを済ませるやホテル前からタクシーに乗って空港へ向かった。

「・・・それじゃあ、私はこっちですから」

2泊3日の弾丸ツアーを終え、帰国の途につく。小川ひかるは9時過ぎの便で羽田へ、社長は8時半の便で関空へ向かう。念には念を入れて帰国の途の飛行機を分けたのである。

その日の夕刻、関空に降り立った社長はその足で大阪梅田にあるグッズショップを視察して、その夜は大阪市内で取引先と会食。シリーズ終了翌日はオフ、翌々日は関西出張、ということになっている巧妙なアリバイ作りである。

**********************************

取引先との会食のあと、社長は梅田バスターミナルを深夜に出る夜行バスで横浜へ戻った。さいたまを出発した土曜日、オーストラリアでの日曜日、大阪でアリバイ作りをした月曜日、

逢瀬するのが目的とはいえ、まるで推理小説のアリバイトリックみたいだなと思いながら、社長は火曜日の朝、横浜に戻ってきた。

新子安のマンションで仮眠したあと、昼過ぎに社長は本社に顔を出した。はんこを押さなければならない書類がたまっている。

本社ビル3階の経理では小川ひかるが事務の手伝いをしていた。

「よっ」

「あ、・・・お疲れ様です」

―まだ、二人だけの秘密というか、夢。
 でも、近い将来、必ず・・・・

小川ひかるが現役を引退する日もそう遠くない。そこから二人の付き合いはまた変わりはじめるはずだ。小川ひかるはパソコンのエクセル画面に視線を戻した。

(君と見る夢 了 )

2010年11月29日 (月)

君と見る夢(20)

「これでっ」

組み付いてスモールパッケージ。2で返すシェリル。

「これならっ」

続いて逆さ押さえ込み。マイナー技だが技術の要る技。オーストラリアのプロレスファンはどよめいた。日本から来たゴクドー・オガワはイロモノではなく、外見に似合わぬ高い技量を持っている選手らしい。

―ワン、トゥ、ドドドドド・・・・

カウント3直前で抑え込む力を緩める小川ひかる。フォールが解けた。

シェリルが起き上がるのを待って、今度は小川のほうから果敢に組み付いていったが、

「オゥゥゥゥゥ」

シェリル、滞空時間の長いブレーンバスター。

バァアン。勢い良く叩きつけられる小川ひかる。これで試合の流れが変わった。

「うう・・・っ・・・」

長いこと逆さまにされて、頭にきてしまったか、小川ひかる、マットに倒れ伏し苦悶の表情を浮かべる。

「フィニッシュ!」

チャンスとみたシェリル、弱った小川を捕らえてパワーボム。小川ひかるが派手に叩きつけられる。

―ワン、トゥ・・・・ドドドドド。

リング下の社長は小川ひかるの闘いをじっと見ている。地方開場の第3試合でようくある、小川ひかるが存在感を見せるも最後は中堅外人に力負けするパターン。

そして試合は事前の打ち合わせどおりの結末へ向かった。

「ウォォォォォォ」

雄たけびのあと、ロープの反動を利すべくロープに走ったシェリルだが、ここで社長がシェリルの足に手をかけた。

バタ。

虚をつかれてスッ転ぶシェリル。

そのあと社長は小川ひかるにボウルに入った塩を手渡した。

「やっ」

起き上がってくるシェリルに至近距離から塩まき攻撃。まさに日本的な攻撃だ。

「ヌワアアアア」

目を押さえてもがき苦しむシェリル。

小川ひかる、悪乗りして四股を踏み、拍手を打つスモウ・パフォーマンス。ファンはどよめく。

「はっ」

相手がマヌーサ状態なのをいいことに、小川ひかる、蹴りとチョップを連打して相手を倒し、そのまま上に乗ってフォールするも、反則とみなされレフェリーはカウントを取らない。

「What?」

レフェリーに詰め寄って抗議する小川ひかるだが、そのすきに起き上がったシェリルが起き上がって強烈なミドルキックを叩き込む。

「うう・・・・」

たじろぐ小川ひかる。

ここで社長がまたしても塩の入ったボウルを小川ひかるに手渡した。

「やっ」

またしても小川ひかる、塩まき攻撃。しかしシェリルは寸前で見切ってかわし、倒れこんで小川ひかるにスライディングキック。

「あ、アッ」

塩の入ったボウルを取り落とし、尻餅をついてしまう小川ひかる。

「Die」

シェリルはボウルを手に取ると、中身を全て小川ひかるの顔面にぶちまけた。前衛的な光景だ。小川ひかるの顔面が塩パック状態。

「うわああああ」

倒れて、顔を押さえてもがき苦しむ小川ひかる。すかさず

「ウォォォォォォォォォォ」

シェリルが助走をつけてのレッグドロップ。これで3カウントが入った。

2010年11月28日 (日)

君と見る夢(20)

「昨日メールでもらった、今日のギミック」

 「・・・はい」

英文がプリントアウトされたメールの写しに目を走らせる小川ひかる。一読して思わず苦笑してしまった。いかにもアメリカ人受けしそうなエンターテインメイト性あふれるギミック。

「こ、これは・・・」

「だから小川さんが一番いいと思ったのよ、吉田さんやハイブリッドさんはちょっと微妙だよね」
「・・・ハハハハ、そうですね」

書かれた内容を忠実に実行するとなると、吉田龍子あたりは怒り出してしまいそうではある。

昼過ぎに会場へ到着し、まずGWAのプロモーターさんと挨拶。そして対戦相手との入念な打ち合わせ。いつもなら試合内容はアドリブをきかせるのだが、この団体はきっちりブックが決まっている。

そのあと小川ひかるは会場隅で黙々と調整。強行軍の疲れも見せず、身体をほぐす。社長はGWAの関係者にあいさつ回りをこなした。

そして夜になり、試合開始。GWAの豪州公演は8000名くらいの動員に成功。

小川ひかるの出番は前座の第3試合。

「じゃ、じゃあいこうか」

「ええ」
社長はなぜか柄の悪そうなダブルのスーツに着替え、黒いグラサンをかけた。手にはなぜか模造の日本刀。

小川ひかるは、いつものリングコスチュームの上に着物の打ち掛けを羽織っている。

「パパパ パー」

そして入場テーマ曲はいつもの「マイティ・ウイング」ではなく、演歌。

「津軽海峡冬景色」が流れる中、小川ひかるがリングへ。

後を数歩遅れて歩くマネジャー役の社長。日本刀を高く掲げて。まあ日本人に与えられた良くあるギミックだ。

「ジャパン・ヨコハマ・ビッグスター。オガワ、ゴクドー、オガーワ。」

♪私もひとり 連絡船に乗り~

よく分からない雰囲気の中、小川ひかるはクールな表情を崩さずリングへ。

そして社長はコーナーに上がって日本刀を構えながらお経を唱え始めた。

「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経・・・」

どっと沸く観客席。

そして対戦相手の女レスラーがリングイン。

「サウスオーストラリア・チャンピオン、シェリル・ヒューバー」

肉付きのよい20代前半くらいと思われる金髪外人レスラーが花道を歩いてリングイン。腰にはチャンピオンベルトが巻かれている。

―いちおう、ローカルのタイトルマッチ・・ですか。

海外団体では試合を盛り上げるためだけにタイトルが乱造され、タイトルマッチが1興行に5試合も6試合もあるところが少なくない。

「ファイッ」

ゴングが鳴る。シェリルと組み合う。やはり相手のほうが力が強い。ジリジリと押し込まれる小川ひかる。一度目はロープブレイクできたが、次に組み合った瞬間

「ウーラッ」

ボディスラムで投げつけられた。すばやく起き上がったものの、もう一度投げられる。

「うう・・・」

マットに倒れ伏す小川ひかる。これで威力を表現しているつもりなのか、なかなか起き上がらない。
業を煮やしたシェリルが小川の足を取って、レッグスプレッドに捉える。

「ううっ」

しかしこのくらいの攻めなら、小川ひかるも耐久範囲内。あえて受けて、隙をうかがう。
レッグスプレッドを仕掛けられながらうまく身体をずらしてロープへ逃げた小川ひかる。身体が離れた。

「い、いまだ」

中途半端な間合いを取ったシェリル、小川ひかるはうまくカニバサミで相手をスッ転ばせると腕関節を取る。

「ウァウ・・・」

シュートファイトではないので、極める気では絞らない。あくまで痛め技である。
5分経過までは静かにファイト。そして小川ひかるは唐突に仕掛ける。

「これでっ」

組み付いてスモールパッケージ。2で返すシェリル。

「これならっ」

続いて逆さ押さえ込み。マイナー技だが技術の要る技。オーストラリアのプロレスファンはどよめいた。

(続きます)

2010年11月27日 (土)

君と見る夢(18)

君と見る夢(18)

降ってわいたようなチャンスをものにして、一線を越えたプロレス団体の社長と小川ひかるだが、お互いの接し方は以前と基本的に変わらなかった。あくまでも起こったことは夢。会社のなかでは雇い主と部下という関係。ふたりとも律儀なところがあるので、その辺の思いをぐっと堪えていた。

しかし団体創設からまる9年が経過しようとするある冬の日、社長は一計を案じた。

「小川さん、オーストラリア行かない?」

「お、オーストラリアですか?なぜ・・・」

シリーズ中盤、開場の際にすみっこでストレッチをしていた小川ひかるに社長が声をかける。
「いや、アメリカのGWAさんと提携を考えててね、まだ条件が合わなくて交渉中で実現はかなり先になりそなんだけど、GWAさんがオーストラリア公演を計画しててね、選手1人特別参加のオファーが来たのよ」

「・・・そうなんですか」

「断ると、新女に話が行っちゃうことは想像つくからさ、誰かしらうちから出さないと行かないのよ。でも最終戦のさいたまの翌日だから、トップどころ出すのもキツイし・・・それに・・・」

 「負けブック・・・・ですか?」

「そう。その条件出してきた。断ることもできるんだけど、先々のことを考えてここは恩を売っといたほうがいいかなって考えて。小川さんならうまくやってくれると思うし」

 「ええ、まあ。」

「それに、さ。マネージャーってことで、僕も同行するから」

小川ひかるは社長の魂胆に気づいた。

「・・・・社長も策士・・・ですね」

*********************

シリーズ最終戦のさいたま大会。午後七時前、セミファイナルが始まろうとする頃、

「じゃあちょっと行ってくるから、あと頼むわ」

リングアナ業務を部下の営業社員に任せ、社長は大急ぎでボストンバッグを持ち、本部席を離れて関係者駐車場に待たせてあったタクシーに乗り込んだ。

「羽田空港まで」

タクシーは勢い良く夜の高速を走り、羽田空港の国際線ターミナルに到着した。急いで航空会社のカウンターへ行き、搭乗チケットを受け取る。

夜十時過ぎのシドニー行き直行便で9時間のフライト。社長はエコノミークラスの座席に座った。

―さて、寝るか・・・・

飛行機が離陸し、南へ向けて水平飛行に入るころ、社長は眠りについた。仕事疲れがたまっていたので良く眠れた。

そして九時間ほどたった。

翌朝、現地時間の8時頃、シドニー空港にランディング。

「あっ、社長、お疲れ様です」

シドニー空港の到着ロビーで小川ひかると落ち合う。さいたま大会の第2試合に出て、富沢レイにあっさり丸め込まれたあと、手早く着替えて羽田へ一足先に向かい、同じ便のビジネスクラスでオーストラリア入りしたのだ。

「お疲れ様」

社長が小川ひかるに声をかける。
今回の行動は井上霧子しか知らない。まだ横浜のお嬢様プロレス団体はGWAと提携契約を締結していないため、小川ひかるはあくまで個人としての参戦。ギャラは小川ひかる個人に支給される。

空港内のカフェで軽めの朝食を済ませた後、二人はタクシーで試合会場へ向かった。

「昨日メールでもらった、今日のギミック」

 「・・・はい」

英文がプリントアウトされたメールの写しに目を走らせる小川ひかる。一読して思わず苦笑してしまった。いかにもアメリカ人受けしそうなエンターテインメイト性あふれるギミック。

「こ、これは・・・」

「だから小川さんが一番いいと思ったのよ、吉田さんやハイブリッドさんはちょっと微妙だよね」

「・・・ハハハハ、そうですね」

(続きます)

2010年11月26日 (金)

新宿グルメ12

今回紹介いたしますのは

西新宿 ヨドバシカメラ近くにあります

やきとりメインのお店「鳥元」

ラムラグループのチェーン店なのですが、

筋の通ったやきとり専門店。

カウンター席の向こう、ガラス越しで何人もの職人さんたちが備長炭の炭火でやきとりを

丹念に焼いております。これはこれでひとつのパフォーマンス。

おまかせ串焼き盛り合わせ(850円くらいだったと思う)がお勧め。

備長炭で焼いていて焼き鳥が看板なだけあって質的に断然違う。

酒が進む一品です。

飲めない人でも、鶏串焼き定食や唐揚げ定食など

あくまで鶏メインですがお食事系メニューも充実しています。

締めにいいのが「鶏スープ」

あっさりとした味ですが、鶏のうまみが感じられます。

2010年11月25日 (木)

訃報

各団体に参戦され、独自のキャラクターで売り出した個性派選手が

また一人、亡くなられました。

愚乱・浪花(ぐらん・なにわ 享年33)

93年に16歳の若さでデビューされ、98年に全日本プロレスにスポット参戦。ジャイアント馬場さんからも「カニくん」と呼ばれていました。

「かに道楽」のCMソングで入場するというイロモノレスラーでしたが、みちのくプロレスで技術を習得しただけあって、なかなかいい動きのできるレスラーだったと記憶しています。

ここ数年はプロレスで食べていけず、会社員が本業になっていたらしいのですが、

10月8日、突然心筋梗塞で亡くなられました。

私が浪花選手の試合を生で見たのは過去2回でした。初めて観たのは2001年1月、熊谷市体育館のことでした。第1試合でボツワナの怪人・ジャイアントキマラと対戦。第1試合で最初にかかった入場テーマ曲が「とれとれぴちぴちカニ料理」というなごみ系の曲でしたので、一体全日本はどうなっちゃうんだろうと思いながら観た記憶があります。

以下は本家HPからの観戦記の転載。

*******************************

第一試合 ジャイアント・キマラ 対 愚乱・浪花

異色派対決。入場シーンだけでも面白い。浪花は「♪とれとれピチピチカニ料理~」でおなじみの「カニ道楽」のテーマで入場。浪花は大阪出身?のカニの覆面をかぶった軽量レスラーであり、阪神タイガースの法被を着て入場。そのあと、アフリカのサバンナっぽい音楽が流れ「アーアーーアアアアアーアーッ!」という歌?に乗ってキマラが入場してきた。

リングアナのコールの後、キマラがコスチュームを脱ぐ。さすがに間近で見るとデカイ。パンフレットによれば体重は170kgだという。対する浪花は98kg。闘う前から勝敗は見えていた。

案の定キマラが浪花をいいように痛ぶり、浪花の見せ場はお決まりの「ロープかに歩き」くらいしかなかったと思う。10分経過後、グロッギー状態になった浪花をランニングボディプレスで圧殺。3カウントを奪われた浪花はダメージが大きくセコンドにおぶってもらいながら帰った。キマラは「まだ暴れたりないぜ」とばかりにリングをタテヨコに走りまわった後、退場した。

*********************************

早過ぎる旅立ち。合掌。

2010年11月24日 (水)

寒いねえ20101124

こんばんわ。WAS没頭中・筆者のkonnoです。

今週のスポーツニュースみたいなもの

■プロレス

全日本プロレス・年末の風物詩、世界最強タッグリーグ開幕。

ジョー・マレンコが久々来日。西村とタッグを組んでいきなり鈴木みのる船木に時間切れ引き分け。

参加メンツに昔年の豪華さは無いものの、季節を感じます。

■大相撲

大関魁皇38歳いったいどうしちゃったのか9日目での勝ち越し

勝ち越すのがやっとが直近だったのに、一体なにが起こったのか。

下記(1)~(4)のどれかだと思うが。

(1)本人はこれが最後の九州と決めており、壊れてもいいからと本気を出している

(2)魁皇コールの大声援がすごいので対戦相手は完全アウェーでやりづらい

(3)場所前に巡業を休んでプールトレーニング等の調整がうまく行った

(4)アナボリックステロイドでも注射したか

優勝は無理だと思うが、せっかくのチャンスなので2ケタ白星を目指してほしい。

■プロ野球ストーブリーグ

佐伯貴弘中日入り。横浜で四番を張っていたのでかなりの戦力になるか。

豊田清広島入り 戦力としてはともかくブルペンの束ね役を期待したか。

広島カープは石井琢朗を獲って構想外となった選手利用のうまみを覚えたか。

今週はこんなところか。

2010年11月23日 (火)

君と見る夢(17)

レッスルエンジェルスサバイバー 外伝SS

「君と見る夢」

(スケベ心だだけで書きました。平行世界の話ですのでSPZのお話と関係はございません。直接的描写の部分も書いたのですが、不適切な表現としてブログごと削除される可能性もあると判断しましたので、家庭用ゲーム機らしい幅にとどめました)

*****************************

「小川さんと一緒に泊まるのって初めてだね。変なことしてもわかんないんじゃないの」
セクハラまがいの発言をする。

「・・ふふ、社長って人は・・・」

選手との間には一線を引いていたが、実は社長はかなりのスケベおやじだと言うことが8年以上の付き合いなので小川にはわかってきている。

社長も言い過ぎたかなって感じたのか

「あ、でもまだ雇い主と部下っていう関係だからだからダメか、はははは、残念だ」
ここで小川が意外な一言

「これは・・・夢だ・・・って思えばいいんじゃないですか」

「そうか、これは・・・夢・・・これは・・・夢か。」

社長は小川ひかるとの距離を縮め、

唇を合せた。

「ん・・・んっ」

だんだん二人の思考できる域が狭くなってくる。

「ん・・・・・・」

もう一度唇を合わせた。

社長はもう一度

「これは夢」とつぶやいてから、

「ひかるさん」

そう呟いた。この団体、二人の仲は半ば公認状態なのだが、名前で呼ぶことはほとんどなかった。

 「・・・はい」

「あなたを、抱きたい」

小川ひかるの顔が赤くなるが、言い返した。

 「・・・わかりました」

そのあとベッドの上で抱き合った状態でもう一度キス。

「・・・ん・・んっ」

今度は舌を絡めるキス。いよいよ長い間待ち望んできた、時が来た。社長はそう感じた。
「お願い・・・・シャワーを・・・・・」

「うん」

小川はきょうファイトしてからシャワーを浴びていない。バスルームに入ってシャワーを浴びる。

ザアアアアア

「お待たせ・・・・しました」

裸身にバスタオルを巻いた格好で小川が姿を見せた。
「じゃあオレもシャワー浴びるわ」

小川ひかるがドライヤーで髪を乾かす間、社長も軽くシャワーを浴びた。社長は腰にタオルを巻いて、小川の元に歩み寄った。

「じゃ、いい?」

 「・・・はい」

二人は口づけあいながら、お互いのバスタオルを外した。そのあと二人はベッドに倒れこみ、夢の時間を刻みはじめた・・・

(以下中略)

********************************

「悪いことしちゃってたのかな・・・」

事が終わって、社長が一言

「こんなに小さくて可愛い女の人に、プロレスやらせちゃって・・・・ひどい目にあわせて・・・」

 「・・・いまさら、何を言って・・・るんですか・・・」

社長に二度抱かれた小川ひかる、瞳が少し潤んでいる。

「・・・まあ、もう、寝よう」

二人は手をつないだまま心地よい疲労感とともに眠りについた。
そして、夜が明けた。

**********************

「社長、起きてください、もう9時です」

「・・・・そうか」

小川ひかると一夜を過ごした。なんか恥ずかしい感じだが、社長は服を着て、顔を洗った。
「じゃあ私は先にここ出て横スペ行くから。設営とかいろいろあるんで。小川さんは羽山センセのところ寄って6時までに会場入りしてくれればいいから」

そのあと一言。

「・・・・・小川さん、私を殴ってくれ」

「・・・えっ」

「・・・あんなことをした後だ。後悔はまったくしてないけど、このままだと、リング上のあなたをまともに見ることができない、・・だから私を殴れ、あ、軽くね。」

「・・・はい。」
パチン。

小川ひかるは社長の頬を軽く張った。

「うん、これでいい・・・それじゃ」

社長は部屋を出て行った。

その日の夕刻、横浜スペシャルホール大会がいつものように行われた。小川ひかるは第3試合のタッグマッチに登場。スイレン草薙とタッグを組んで、渡辺智美&富沢レイ組と対戦。
いつものように地道に相手の足関節を取っていく小川、そこへ観客席から心無い野次が飛ぶ。
「社長の愛人~!!」

小川ひかるがこの野次を貰うのはたまにあることだ。社長と小川ひかるが一緒に行動することが多いのは常連客なら知っている。そんな野次はいつもは聞き流す小川ひかるだが、一瞬固まってしまった。

「へぶっ」

その隙を突かれて、富沢レイに蹴られて倒れこんでしまった。社長は頭を抱え込んだ。

2010年11月22日 (月)

君と見る夢(16)

「歩けるか?」
「・・・ええ、まあ、なんとか」

どう見ても普通の状態ではない。早く休ませなければならない。そう考えた社長は以前仕事で泊まったことのある大垣市街地のグランドホテルのツインを携帯電話で予約した。

「ほら、クルマ乗って」

社有車のADバンに乗り込み、社長がクルマを走らせてグランドホテルの駐車場へ。チェックインを済ませ10階の部屋にたどり着くや、小川ひかるをベッドへ横にさせた。

「頭は痛くない?」

容態が急変したら本当に大変なことになる。会社としてそれはあってはならないことだ。

「・・・大丈夫です。しばらく横になれば感覚が戻ります」

ジャージ姿のまま横たわり荒い息をつく小川ひかる。

「社長・・・・」

 「・・・ん?」

「手を、握ってて、ください・・・」

 「ん、わかった。」

「なあ、小川さん」

 「・・・・何ですか、社長」

「そろそろ・・・こんな危ない仕事・・・・切り上げたらどうだ。今日あなたが頭から落ちるのを見て、ホント怖かった」

小川ひかるも23歳、動きが微妙に落ちて来ていて、同期の選手も伊達遥を除いて引退してしまった。

「うん・・・・でも、まだもう少しやってみたい気もします。」

この選手、意外と強情なところがある。

「そっか・・・」

セミやメインではパワー不足は否めないが、前半の試合で観客を乗せるのはまだまだうまい。

やがて小川ひかるは浅い眠りについた。社長は手を握り続けていた。

すぅ・・・すぅ・・・
そして2時間ほど経った。日付が丁度変わる頃。

「ん・・・・」

小川ひかるが目を覚ました。

「どうした」

痛いとか苦しいのかを心配した社長、声をかける。

「おなかが・・・すきました」

「はははは」

二人は外食するのも面倒だったので、まだ開いていたグランドホテル二階のメインバーで、ビールを飲みクラブハウスサンドをつまんだ。

そのあと部屋に戻り、しばし談笑。

「元気出てきたっぽいな、明日やれる?」

 「・・やります。ごはんを食べたら元気になりました。それに、私のためにチケットを買ってくれた方も少しはいるわけですから」

「まあでも用心に越したことはないから午後いちにでも羽山さんの病院いってきてよ。そのあとカード的には配慮するから」

「わかりました」

酔いもあってか、社長が発した一言。これが急転回の布石となった

「小川さんと一緒に泊まるのって初めてだね。変なことしてもわかんないんじゃないの」

セクハラまがいの発言をする。

「・・ふふ、社長って人は・・・」

選手との間には一線を引いていたが、実は社長はかなりのスケベおやじだと言うことが8年以上の付き合いなので小川にはわかってきている。

社長も言い過ぎたかなって感じたのか

「あ、でもまだ雇い主と部下っていう関係だからだからダメか、はははは、残念だ」
ここで小川が意外な一言

「これは・・・夢だ・・・って思えばいいんじゃないですか」

(続きます)

2010年11月21日 (日)

君と見る夢(15)

「ウァハハハハ」

岐阜県・大垣市中心部にある体育館。きょうはここで「横浜のお嬢様プロレス団体」の興行が開催されている。

すでに夜8時半を回り、興行を締める最後の試合、メインイベントの6人タッグマッチもたけなわとなっていた。

ワン・・・トゥ・・・・ドドドドド

リング上で気の毒なくらい攻め込まれているのは団体の一期生、小川ひかるだ。レスリング技術には定評があるが、小柄で攻めやすいところがあるので、メインやセミに出ることは稀で、そのときも6人タッグマッチで一番最初にコールされる立場。

「UOOOOOOO」

うなり声を上げた凶暴そうな外人レスラーAが小川を高々と抱えあげて、

バーンッ!

力のこもったパワーボムでたたきつけた。

「ヒカル、返してーー」

場外からタッグパートナーの一人、草薙みことが叫ぶが、外人Bに押さえつけられており動けない!

―もうダメ、返せ・・・ない・・・

小川ひかる、パワーボムの衝撃で目の前がぼうっとかすんでしまった。社長からはこうなったときは無理しないでそのままフォール負けしろと指示されている。

「ワン、トゥ・・・」

しかしカウント3直前にリング下からもう一人のパートナーのハイブリッド南が間一髪カットに入り、フォールを妨害した。本人が諦めてもなお試合が続くことがあるのがタッグマッチの面白さでもあり怖さでもある。

「ケケケケケ」

コーナーに控えていた外人Cがリングインし、外人Aと二人がかりでハイブリッド南に殴る蹴るの攻撃を加えたあと、

「オウラア」

ハイブリッド南を場外にほうり捨てた。

リング上でダウンしたままの小川ひかる。外人Aと外人Cが客席にアピールしてから、外人Cが小川の髪をつかんで引きずり起こしてから、肩車の要領で担ぎ上げる。

「UOOOOOOO」

外人Aがコーナー最上段に登る。場内は悲鳴が轟く!まさか・・・・

外人Aが小川ひかるめがけてダイビングラリアット。小川ひかるがまっさかさまに落下。ダメージが深いので1回転しての受け身が取れない。

「あ、あぶない!」

本部席で見守っていた社長が思わず叫ぶ。

外人Aがそのまま小川ひかるを押さえ込む。外人Cはハイブリッド南を足止め。草薙は外人Bに捕まったままだ。

「ワン、トゥ、スリー」

レフェリーの手がマットを3つ叩く。小川ひかるは薄れる意識の中3カウントを聞いた。

カンカンカンカン

社長はゴングを木槌で叩くや本部席から立ち上がり、リングに上がって、ダウンしたまま動けない状態の小川ひかるに駆け寄った。この団体の社長は最初に採用して、団体草創期の苦しい時期を闘ってきた小川ひかるをことのほか溺愛しており、常連客や関係者はあきれ返っていた。

「さっきのは受けたのか?落ち方がやばかったぞ」

社長の呼びかけにも、小川ひかるは応答がない。手を握ってみたが、いつものように握り返してこない。これはよほどのことだと判断した社長は

「担架だ担架!」

ほどなく担架が運び込まれ、若手選手によって担架に乗せられた小川ひかる、ものすごい拍手の中引き揚げた。

このへんになってやっと意識が戻ってきて、自分がどんな状況か気づいたのか、顔を左手で覆いながら(レスラーにとって担架で運ばれるというのは屈辱である)運ばれる小川ひかる。
控室の床に敷かれたタオルの上に横になった小川ひかる。団体草創期の頃はよくあったシーンだが。

若手選手がリングシューズの紐を解く。小川ひかる、頭を打ったらしくてボーっとした表情。

「小川さん、大丈夫か、感覚あるか」

 「・・・大丈夫・・・です・・・心配要りませんよ」

「念のために明日先生に脳波とってもらったほうがいいかもね」

井上霧子が心配そうに呟く。

「じゃあ今日は宿舎で様子見・・・って、きょう『ハネ立ち』じゃん」

 「・・・そうだったわね」

ほかの所属選手は全員、ジャージに着替えて帰り支度をしている。今日はこの後バスで本拠地の横浜まで突っ走り深夜2時頃に帰着。そして翌日横スペ大会という鬼のようなスケジュール。財政難に苦しむ会社が宿泊費を出したくなかったためと思われる。

「社長、小川さんのこと頼むわね。明日の横スペ、欠場になりそうだったら携帯に電話ください」

井上霧子がそう告げて、そのまま所属選手と一緒にバスに乗り込んだ。これから夜の東名を突っ走って横浜へ向かう。

「ううん・・・・」

横になっていた小川ひかる、時計が10時近くになっているのを見た。そろそろ会場使用時間が切れて引き払わないといけない。
「とりあえず・・・着替えてきます」

小川ひかるは立ち上がり、衝立の奥へ向かい着替えを済ませた。

「歩けるか?」

「・・・ええ、まあ、なんとか」

*******************

(急展開、続きます)

2010年11月20日 (土)

君と見る夢(14)

横浜戸塚にある横浜のお嬢様プロレス団体の本社ビル。その2階に間借りしているのが、アンティークメイド喫茶、「あばしり」である。

美味しいケーキと紅茶の店でそれなりに評判だが、戸塚の駅からすこし遠いという場所柄、集客には苦戦していた。大家であるプロレス団体も気を使って、商談や記者会見を「あばしり」で行うようにしていたし、選手も練習後に立ち寄り、スイーツを食べてお金を落としている。

夜九時の閉店すこし前、小川ひかるが一人で「あばしり」を訪れた。本社で事務手伝いをやった帰りらしい。

「お疲れ~、ひかるちゃん、久しぶり」
パティシェ姿の鈴波かすり店長が出迎える。

「・・・いつもので」
「はいはい、ブラックね。」

一期生と同い年の鈴波店長、人当たりのよい性格で自社ビル建設直後から選手全員に営業をかけ、一期生・二期生全員と仲良くなった。小川ひかるもこの店によく顔を出し、コーヒーを飲む。

手際よくコーヒーをいれる鈴波店長。

「なんかケーキ食べる?閉店前だから安くしとくよ~」

 「適当なので、お願い」

「じゃあ、売れ残っちゃったリンゴのタルト、処分してね~」

「・・・・・・」

小川ひかるは静かにブラックコーヒーをすすった。閉店前のあばしり、ほかに客は誰もいない。

「社長と、うまくいってるの?」

 「・・・ええ、まあ」

鈴波店長はこの団体の内部事情にも通じているようだ。

「もう、したの?」

 「ぐっ」

動揺した小川ひかるはケーキのフォークを取り落とす。こういうことをあけすけに聞いてくるのは鈴波さんならではだ。団体選手しか店内にいないとき、猥談を仕掛けてくるのは選手の中ではよく知られていた。

 「でも、まだ・・・・上司と、部下ですし・・・」

「固いね~、ひかるちゃん。好きだったら・・・・エッチしてもいいとおもうわよ。それでもっと好きになるんだったらいいことだと思うし。」

 「うん・・・わかってる・・・でも、現役のうちは・・・ね、線引かないと。向こうもそう思ってると思うし」

「巡業で地方行ったときにチャンス見っけてやっちゃえばいいのに」

 「・・・・・・・・・・そう、うまく行かないわよ」

一期生で実力は無いものの、その人柄で後輩選手からも慕われている委員長的存在。後輩たちの手前、門限破りだの無断外泊はできない。

「ま、ひかるちゃんの気持ちも分かるけど、こういうのって、必ずチャンスはあるから。急展開でズバッと決めちゃいなさい」

 「そ、そうはいわれましても・・・」

顔を赤らめる小川ひかる。

ゴーンゴーン・・・・
アンティーク置時計が9時の閉店を鐘で告げる。

「さー仕事終わった、彼のところ行こうっと、ひかるちゃん、恋愛塾は終わり、税込み1260えん!」

「はい・・・」

鈴波店長、ぱぱっと売上金の集計を終えると奥の金庫に売上金をしまい、

「明日香ちゃん、帰るよ~」
厨房にいたスタッフに声をかける。

「え、てんちょ、待って~」

「あっと、アレもって帰らないと」

鈴波店長はビニールパックに入った生クリームを冷蔵庫から取り出した。

 「生クリームなんて・・・どうするんですか?」
小川ひかるが問う。自宅で新メニューの練習でもするのだろうか。

「いやいや、彼が生クリームプレイにはまっちゃってね、お泊りするときは持っていくようにしてるのよ」

 「生クリームプレイって・・・・か、かすりさん!」

顔を赤らめる小川ひかる。

「ほら、私の彼、変態さんだから。エッチのとき生クリーム使うと異様に喜ぶのよ」

といいながらスタッフといっしょに厨房を閉め、三人で店を後にする。

「電動シャッター、ドーン。さ帰ろう~」

などといって鈴波店長とスタッフは下の駐車場に停めてあったヴイッツに乗り込み
「じゃ、おやすみ~」

去っていった。

―やれやれ、いつものかすりさんだ・・・

小川ひかるは本社ビルをあとにし、上の階を見やったあと、社宅へ向かった。
四階のオフィスにはまだ明かりがついている。
―まだ社長、仕事してるのか・・・・

2010年11月19日 (金)

新宿グルメ11

今回ご紹介いたしますのは、

西新宿は新宿三井ビル地下のレストラン街にあります

コリアンダイニングのお店「シクタン」

(「シクタン」とは韓国語で「食堂」の意味らしいです)

○○タン、となると興奮するのが我々二次元宗徒ですが、

落ち着いた雰囲気の店内で韓国料理をいただけるいいお店です。

風邪で体調が悪かったので、

キムチ盛り合わせ(840えん)と

海鮮ズンドゥブチゲ(1260えん)をオーダー。

キムチはさすがに韓国料理店だけあってうまかった。

辛さの中にも味わいの深みというような旨さがあります。

海鮮ズンドゥブチゲ

Zundobuchige

あさり、小イカ、イイダコなど、唐辛子スープに

シーフードの組み合わせが良い。

汗をかきながら完食。

これからの季節、あったまりたいときには最適だと感じました。

2010年11月18日 (木)

俺の嫁 あなただけの花嫁 プレイ感想

「俺の嫁 あなただけの花嫁」6人攻略終了。

先週も書きましたが6人の中から選んでプレイする感じです。

名前もプレイヤーがつけてくださいという感じで、プレイする側の妄想力が試されます。

私は下記のような名前をつけましたけど。

・おっとり天然タイプ(渕崎 彩)

・妹タイプ(豊科 あずさ)

・ツンデレお嬢様タイプ(芦安 亜美)

・感情希薄タイプ(能登 優希)

・おねえさんタイプ(家山 桜)

・幼馴染タイプ(鈴波かすり)

一番お勧めなのはやはりツンデレタイプ。結婚してもツンが残っています。

正直6人目の「幼馴染タイプ」をプレイする頃はだれてきました。

名前も「鈴波かすり」にしましたし。ええ。

恋人編はあっさり終わるので、嫁編で、新婚生活でのいちゃいちゃラブラブを

楽しむゲームらしいのですが、ひねりが足りない。

一緒にお風呂はいるシーンなんかもあるのですが、エロゲーに慣れた身としてはつまらない。絵のきれいさもそれほどでもない。「けよりな」でフィーナとお風呂に入ったときのドキドキ感が無いのよ。

(いやまあ、お酒を口移しで飲ませてもらうシーンや、感情希薄タイプの子の場合プリンを口移しというシーンもあるので、子のゲームの開発スタッフは口移しフェチなのかと思うのですが)

でも声優さんは釘宮さん広橋さん伊藤静さんなど一流どころをつかっているので、

一種の妄想CDに絵がついただけと考えるべきかもしれません。

けっきょく1週間しか楽しめずお蔵入りとなりました。

XBOX360を含めると3万円の無駄遣い。

でも、せっかくXBOX360こうたので、「バイオハザード5」で遊んでます。

これはこれで恐怖ッ。

2010年11月17日 (水)

白い子の連勝止まる20101116

こんばんわ、WAS没頭中筆者のkonnoです。

水曜日恒例のスポーツニュースでも。

■プロレス

オリンピアが流れる「世界最強タッグリーグ」の季節が近づいてきました。

もう、今年も終わりに近づいたな・・・・と思うのであります。

昔の最強タッグに比べるとメンツは微妙になりましたが。

優勝候補筆頭は鈴木みのる・船木誠勝組。仲間割れさえしなければ。

■野球

横浜ベイスターズのムードメーカー、佐伯選手(40)が中日入り。

正直もう活躍は厳しいと思うが、落合監督の打撃指導で復活する

可能性はある。いちおう村田の前は横浜の四番を張っていたので。

巨人のクローザー・豊田清投手、広島入り。

峠を越えた選手でも、若い選手への影響を考えて獲得する。うまい手です。

■相撲

白鵬63連勝で止まる。

過去20勝4敗とお得意様にしていた稀勢の里にまさかの敗北。

日本人若手のホープと呼ばれていた稀勢の里さんも、外国人力士の踏み台扱いにされ、先場所はポンコツ魁皇に敗れて負け越し、今場所は平幕に落ちてしまい、ネットではマレスとかデブ猫などといわれ、日本人ホープの座も栃煌山に取って代わられ、伸び悩んでいた存在なのですが、地力はある力士なので、今回はやってくれました。

魁皇がんがれ。この原稿を書いている火曜日朝の時点では1勝1敗。

ただ38歳で土俵、しかもトップ戦線を務めること自体が奇跡的ですよ。

いくら酒を控えて人参ジュースを飲んだりマッサージで身体のケアしたり、オフの日に飼っている愛犬と戯れたり、ラジコンで気分転換しても限界というものがあります。

どのあたりで魁皇本人が「もうこのへんでいいか」と思うか。判断が注目されます。

2010年11月16日 (火)

君と見る夢(13)

君と見る夢(13)

「小川さん小川さん」

団体旗揚げから8年目の秋。旗揚げ直後の苦しい時期をともにした一期生たちもだんだん脇役に追いやられ、先月はとうとう初代エースの南利美がリングを去った。残りの一期生たちは、自分たちにもそう遠くないうちに、その日が来ることを認識していた。

「明日、休みにできそうだから遊園地行こうか」

月曜日の夕方、横浜市内の本社で電話番をしていた小川ひかるに社長が声をかける。

「や、やだ、社長、こんなところでデートの誘いですか?」

顔をやや赤らめて小川が口ごもる

「表面上は遊びじゃないよ。新人のカスミちゃんとスイレンさん呼んで、4人でアポカリプスランド行くよ」

「・・・アポカ・リプス、ランド・・・・」

小川ひかるの脳裏に数年前の地獄絵図が蘇る。

「ふたりっきりで遊園地なんか行ったら、写真週刊誌に撮られる。かなりの確率で。表面上は特訓だよ」

  「絶叫マシーンに立て続けに乗るのがですか・・・」

「そう、新人二人はシングルマッチで三下外人にも勝てない。これはこれで問題だ。ついては絶叫マシーンに連続で乗せて恐怖への耐性をつけてやらねばならん」

「・・・・・・・・・・」

と言うことでその翌日。4人は相模原市西の外れにある絶叫マシーン系遊園地「アポカリプスランド」に特訓に来た。

「いいかあ、格闘技はのまれたほうが負けだ。そのためにきょうは新人2人に特訓を課す。私を恨むな。これもあなたたちに強くなってもらいたいという会社サイドの配慮であるうっ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・えええええ」

あ然とする新人二人。この団体の特訓メニューは厳しいが、こんなのまで存在していたとは・・・

「ではまず超高速回転コースター・凍る鮮血」からいってみよう」

「・・・・・っ」

 (結構怖いが、後輩たちの手前叫ぶわけには行かなかった小川ひかる)

「うわあああああああああああああ」

 (東京育ちで絶叫マシーンは多少慣れていたが、ここまで酷いのは初めてと言うことで香澄絶叫)

「ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」

(山国育ちのため絶叫マシーンに免疫がなく涙目で怖がるスイレン)

それから一時間、いくつもの種類の絶叫マシーンをはしごした4人。スイレン草薙が気分が悪くなってしまったため、休憩。

「うっ、うっ・・・うう~」

「・・・はあああ・・・・」

園内のカフェのテーブルに突っ伏すスイレン草薙とマイトス香澄。

「チッ根性のない。それでもレスラーか。まあ今日はこのぐらいでカンベンしてあげよう。じゃあ休んでて、小川さん、次のアトラクション行こうか」

「・・・はい」

ぐぉん・・・ぐぉん

次に二人が乗ったのは、観覧車だった。

「最初からこれが狙いだったんですね」

 「・・・・いやあほんとに新人2人怖がってたからねえ、ははははは」

小川を含む1期生・2期生は全員がここの洗礼を受けて、絶叫マシーンに慣れっこになってしまっている。

「ほら、高くなってきた」

やがて観覧車が頂上近くに達するとき、

「ひかるさん・・・・」

「・・はい・・・」

どちらからともなく、肩を寄せ合い、そのまま距離が縮まっていって、
唇を合せた。

「んっ・・・・・・・」

やがて観覧車が下りにかかる頃、社長はゆっくりと唇を離した。

「・・・もう」

 「ひかるさんが、現役引退したら、続きをしよう、待てないかも知れないけど」

「ふふっ・・・・はいはい」

―この人と、一緒にいよう。できる限り。
二人がそう思った瞬間だった。

2010年11月15日 (月)

君と見る夢(12)

WASリプレイ 並行世界編のお話

(SPZとは直接関係はござらぬ。スケベ心だけで書きました)

「君と見る夢」

************************

団体旗揚げから8年目の夏。

「あー、疲れた。このあと支払い業務だよ」

シリーズ最終戦のさいたまドーム大会、団体の経営者にとって大事な業務がもうひとつある。

外人選手への支払い業務である。常連外人が多い団体だが、遠路はるばる日本まで来てファイトしてくれる選手への支払いはきっちりやらなければならない。

ワンマッチいくらと出場給は決まっているが、交通費や各種手当て、際立っていいファイトをした外人選手へのボーナス給などもあるのである程度計算せねばならない。昔から、プロレスビジネスでの外人レスラーへのギャラの支払いは現金払いと決まっている。

開場前、リング上でスパーリングする選手たちを横に、本部席に陣取った社長はノートパソコンを立ち上げ、表計算ソフトでギャラを計算する。

しかし巡業疲れか夏バテか、社長はギャラの計算に集中できなかった。本部席で頭を抱え込む社長。

どうにか支払うべきギャラを確定させた社長だが、やはり疲れからか本部席に突っ伏してしまった。開場まではあと一時間。社長にはリングアナ業務も残っている。

「社長・・・疲れてるんですか」

社長と最も仲の良い選手、小川ひかるが声をかける。一期生で団体旗揚げメンバーで、もう選手と経営者との立場を超えて、この団体のマネジメントを支えあっていた。

「まあ・・・・最終戦だからね。いろいろと雑務があるんだけど集中できん」

疲れた顔で社長がつぶやく。

この団体は急成長で業績を伸ばしたため、雑務を引き受ける人間が育っておらず、経営者といえども現業から離れられない状況である。

「社長・・・・・私、この間、リフレクソロジーの資格を取ったんですよ」

 「足裏マッサージ?小川さん・・・いつの間に」

この団体けっして選手も暇ではない。猛練習やって移動して月8試合してのハードスケジュール。

「移動中にテキストを読んで、実技はオフの日に習いました」

この人はオフの日でもゴロゴロして過ごすことをあまりしない。引退後のことを考えてさまざまな勉強をしている。タッグパートナーでエース選手の草薙みことのコンディションを保つため、リフレクソロジーの勉強をしたようだ。

・・・だから草薙さんシリーズ最終戦の大一番は分がいいのか。

「一時的ですけど、疲労が取れますよ」

 「あれ、痛いんじゃないの」

「悪いところがあると、痛いらしいです。健康な人なら心配いりませんよ」

 「ドキ・・・まあ、お願いするよ」

関係者通路奥、社長は革靴と靴下を脱いだ。

 「じゃあ・・・頼むわ」

「男の人のを揉むのは、初めてなんですけど・・・・」

素足になった社長へ、小川ひかるがかしづき、社長の足裏ツボを指先で容赦なく刺激してゆく。

「くっ・・・・・効くね」

健康サンダルとは比較にならないほどの心地よさを社長は感じた。

―本当に、この人は研究熱心だ。

「ここは、どうですか?」

「ウウ・・・キクねえ。小川さんこれでも食っていけるんじゃない」

社長は思わず声を漏らす。

「いまのが・・・神経系・・・今度は・・・こっちのツボ・・・・」

小川ひかるが別のツボを押しにかかった。

「あ、あぎゃあ~うううううう・・・」

社長は痛みを感じた。

「えっ」

小川ひかるはもう一度同じツボを押した。

「痛い痛い痛い痛い痛い」

特定のツボを押されると、社長は痛みを感じてしまう。

一通りの足裏マッサージが終わった後。

「小川さん・・・・私は・・・どこか悪いのか」

  「・・・・・っ・・・・・」

口ごもる小川ひかる。

 「思い当たる節は・・・胃かな、肝臓かな?」

団体経営のストレスで胃が痛くなることはあったし、ストレス発散のために酒もそこそこ飲んでいるので、それなら合点が行く。

  「こんどの休みにオレ病院に行った方がいいかな」

「いえ・・・そうじゃなくって・・・・」

小川ひかるがはにかみながら切り出す

「あのツボで痛みを感じるのは、その・・・・・」

  「どこなのかね」

「せ、性機能減退・・・です。」

  「・・・そうか」

深刻といえば深刻な症状だ。社長はため息をついた。

「小川さんに早く引退してもらわないと。私に残された時間は長くない」

社長がつぶやく。
「・・社長、セクハラですよそれは」

小川ひかるは少し赤面した。

2010年11月14日 (日)

君と見る夢(11)

WASリプレイ 平行世界編(SPZとは直接関係はございません。スケベ心だけで書きました)

「君と見る夢」(11)

*************************

「小川さん、きょうボッケリーニさんとの会食に同席したって、7時に『よこ川』だから」

この団体の社長が溺愛している1期生レスラー・小川ひかるに声をかける。団体旗揚げから7年がたって、すっかり古参選手となった小川だが、その実力微妙さとやられっぷりにますます磨きがかかっていた。

しかし、この団体の社長は旗揚げメンバーの小川ひかるを「選手の中で一番好きだよ」と公言しており、小川ひかるもまんざらでもなさそうな感じで、寄せられる好意を拒絶はしていなかったので、巡業でいっしょに夕食に出かけるのは日常茶飯事であった。

「あの・・井上さんは・・・・?」

しかしお取引先との打ち合わせとなると秘書の井上霧子が同席するのが筋である。

「ああ・・・井上さんはちょっと用事があるからっていって早退しちゃった。先方2人来るし、僕そんなに飲めないから出て、お願い」

「・・・わかりました。着替えてきます」

小川ひかるはジャージ姿からスーツに着替えるため、いったん自宅にとって返した。

**************************

その夜、戸塚の日本料理店「よこ川」で、会場設営・演出で懇意にしているイベント会社「ボッケリーニ」の社長と事業部長を招いて打ち合わせと会食が行われた。

「お世話になっております。小川と申します」

名刺には「巡業部 担当係長 小川ひかる」と刷られている。

入社から7年が経過しているので役職もついている。この団体の選手は名刺交換はあまりしないのだが、小川ひかるは社長と行動を共にすることも多かったので、コンスタントに名刺を配っていた。

「次のビッグマッチ、新日本ドームの入場演出はですね・・・・」

あらかじめ、実務担当者間で話がついていたので、商談もつつがなく終わり、そのあとなし崩し的に飲みに入った。

「いやあ小川さんはレスラーには見えないですよね」

闘いを生業とするもの特有のオーラを完全に消しているのである。

「・・・よく・・・言われます。」

 「でしょう。一期生の中では一番手がかかったんですよ。でもそれで人気が出たからこの業界何が幸いするか分からんのですよ」

飲み会済んで夜が更けて。

「じゃあどうもご馳走様でした」

といって先方の2人は迎えの車に乗っていった。

社長はコートを着て、

「ああ、少し酔った。取引先の接待も疲れる。小川さん、私を戸塚の本社まで引っ張っていってくれ」

 「帰られないんですか」

「まだ送んなきゃならないメールがゴロゴロ、一眠りして酔いが醒めたらもうちょっと頑張るよ」

この会社は急に大きくなったので、実務もいろんなところでまだ社長の手を離れず、その点ではいびつな構造をしている会社であった。社長は巡業のないときは週に3回は会社に泊まりこみ、新子安にある社長の自宅マンションにはほとんど帰っていない状況である。

深夜、二人並んで本社までの道を歩く。靴音だけが響く。

「手くらい・・・・つないでよ」

社長がはにかみながら右手を差し出す。

「・・・・はい」

小川ひかるが社長の手を握ってきた。そのまま二人、団体の本社へ向かって歩く。とはいっても「よこ川」から本社までは5分もかからないので、すぐ着いた。

「やれやれっと・・・・」

社長はバッグからカードキーを取り出し、警報装置を解除する。そのあと3階の営業部まで階段を上がり、社長は仮眠を取るために応接のソファを2つ繋げた。

「大丈夫ですか?」

「うん、少し酔っているだけだ。」

そのまま社長はコートを乱雑に脱いで、ネクタイを外し、ソファに寄りかかる前に、いきなり小川ひかるに近寄り

「え、社長・・・・っ」

唇を合せた。

「んっ・・・・・・」

一秒くらいの間をおいて、唇を離す。

「そ、それじゃ、おやすみ」
そのまま社長はソファに倒れ伏した。

「・・・・・・・・・・」

思わぬ不意打ちに小川ひかるはちょっと固まってしまったが、我に返ると、
「おやすみなさい・・・」

既に寝息を立てている社長にコートを掛けて、営業部フロアの電気を消して、本社ビルを後にした。

(続きます)

2010年11月13日 (土)

君と見る夢(10)

吉田龍子、左ひざの状態を確かめたが、そのスキに小川が立ち上がり背後からするするっと組み付いた。そして起死回生の逆さ押さえ込み!

「しまっ・・・・」

「いけ―――」

ワン、トゥ・・・・・・ドドドドドド!!

カウント3ギリギリで肩を上げた吉田龍子、小川を力任せにぶん殴って反撃。一方の小川にはこれ以上の攻め手は残っていなかった。

「20分経過、20分経過。」

時間経過のアナウンスは営業社員が代行。

吉田龍子、相手の首筋にガスガスとスレッジハンマーを撃ち込み、小川をひざまづかせると

「いくぞおらああああ」

腰に手をやり、小川を高く抱え上げて、

ドーン!

とうとうパワーボムに捕らえた。叩きつけるときヒザを気にして少し体勢を崩したが、それでも小川の後頭部をマットにたたきつけた。そのまま足を持ってフォール。

ワン、トゥ・・・

「返せーーーーーー」

ドドドドドドド

小川ひかる、カウント3ギリギリで肩を上げた。予期せぬ小川の粘りに場内ハイテンションマックス。

(意識が飛びそう・・・でも楽しい・・・これがメインイベント・・でもこのへんでいいかな)

小川ひかる、フラフラの状態だが起き上がって、吉田龍子に組み付き、愚直にもこの試合5度目の首固め。吉田から3カウントを取れる技を自分は持っていない、そう考えると丸め込みを出し続けるしかない。そう考えたか・・・・

ワン、トゥ・・・・

「うおっ」

しかし吉田龍子、フォールされながらも冷静に、もがいて返すのではなく自ら半回転して体勢を入れ替えた。このムーブの練習も道場で何回か小川とやったことがある。こんどは小川の肩がマットについている。

「ワン、トゥ・・・・」

しかし、半回転して切り返す技術は小川も持っている。さらに半回転して吉田の肩をマットにつける。

「しまっ・・・」

どよめく場内。

「ワン、トゥ・・・」

しかし吉田龍子も気合いをこめてさらに半回転、力ずくで体勢を入れ替え、その状態のまま全身に力を入れた。

―これで終わらせる。

「ワン、トゥ、スリー」

小川はもう回転させる力が残っておらず、半ば根負けした状態で3カウントを聞いた。

「22分13秒、首固めで、吉田龍子の勝ち」

「ふうっ」

吉田龍子、格下の小川ひかる相手にきっちり試合を作って勝った。これでまた超一流レスラーへの階段を上がったか。

座ったまま両者握手。南利美の負傷退場という緊急事態を乗り切った。勝った吉田のほうが頭を下げていたのが印象的。

吉田龍子のテーマ曲が会場に流れる。この団体の社長がリングへ上がり、小川ひかるに声をかける。

「ありがとう。良くやってくれた」

そのあと一礼して、小川ひかるはリングを降りた。花道を歩き、控室にたどり着くなり倒れこんだ。

―しんどかった・・・・

シングルマッチで団体最強クラスの吉田龍子とメインで対戦して、そこそこの内容を残さなくてはならない状況で、相手がある程度空気を読んでくれたこともあり、何とか重責を果たした。

「お疲れ様」

ジャージに着替えていた南利美がタオルを差し出す。

「後半のほう見ていたけど、内容はあなたらしかったわ」

 「・・はい」

そこへ社長が入ってきた。

「小川さんお疲れ。南さん明日のさいたま、やれそう?」

「・・・・わからない。とりあえず歩けるようにはなったけど・・・」

南利美、不安げな表情を浮かべる。

「よしわかった、明日のさいたま、カード差し替えで、南さん明日セミ前で外人とシングルやる予定だったけど、第3試合で小川さんと組んで渡辺さんデスピナさんとやってよ。小川さん出ずっぱりでそのままやられ役でいいから、南さんはコーナーで・・・・」

「ぷっ」

おもわず噴き出す小川ひかる。コーナーで置物状態の南利美と言うのもなかなか見られるものではない。でもシリーズ中に大きな負傷したレスラーを最終戦のビッグマッチに出場させるとなるとこの手が多く使われるのである。

「でも真面目な話、南さんの勇姿を期待して、チケットを買ってくれたお客さんが一人でもいる以上は欠場はよろしくないと思うんだけど」

「・・・わかったわ。内容的なものは小川さんと考える」

そのあと一行はバスで横浜の本社に戻り、翌日はシリーズ最終戦、さいたま大会。

「うううっ・・・・」

第3試合でタッグを組んだ小川ひかると南利美、やはり先発を買って出た小川が渡辺智美の頭突き攻勢につかまってしまい、30発以上のヘッドバットを受けてしまって、フラフラとリング上をさまよう姿に場内大爆笑。その後数歩歩いてぶっ倒れるというリック・フレアーばりのムーブを見せたので観客は笑い転げた。

「はああ・・・っ」

救援に入ろうとした南だったが、デスピナのミドルキック一発で倒され、うずくまったとところを2人がかりで腰を狙われて殴られ蹴られてしまいふがいない状態に。痛み止めを打って、テーピングでぐるぐる巻きにしても痛いものは痛い。

南はそのまま場外に落とされ、小川がリング上に孤立したところをあっさりデスピナがネックブリーカーを決めてフォール。小川ひかるはあえて返さなかった。勝負タイム9分44秒。

メイン終了後、横浜市内の日本料理店へ移動し、選手全員で打ち上げを行ったが、負傷した南は先に自宅へ帰った。

「ぷは、今シリーズも儲かった儲かった。」

社長がビールを飲む。

「ふふ、良かったですね」

小川ひかるが隣にいた。思えば二人の距離は、このあたりから縮まっていったのかもしれない。

2010年11月12日 (金)

君と見る夢(9)

「私の策に・・・かかったようですね」

その隙を突いて、立ち上がった小川ひかるが組み付き、

「えいっ」

この団体では、ほかに誰も使う人がいないマイナーな丸め技、スモールパッケージを繰り出してきた。

・・・・しまっ・・・

ワン、トゥ・・ドドドドド

カウント2でもがいて肩を上げた吉田龍子、あわや大金星かに場内大盛り上がり。

「もう一度っ」

小川ひかる、もう一度組み付いてスモールパッケージ。

ワン、トゥ・・・・ドドドドド!!

これも2で返す吉田龍子。スモールパッケージのような丸め技は新人レスラーならともかく、そこそこの相手だと虚を突かない限り3カウントを取ることは難しい。

「15分経過、15分経過」

吉田龍子、パワーで叩き潰す自分のプロレスをあまりさせてもらえぬまま15分が経過。いや、これは吉田が相手を光らせて勝つということを意識的にやっているのか。

「コノヤロウ」

吉田は重たいチョップでたじろがすと早くもパワーボムの体勢に。こんなのに付き合ってたらひざが壊れてしまうと言うことで勝負を焦ったか。

気合いと力のこもる吉田龍子、小川を力任せに持ち上げた。

「足をばたつかせろ!切り返せる!!」

セコンドについた社長、その言葉通りに小川が空中で足をばたつかせて失敗させた。

「くっ・・・・」

吉田龍子、やはりひざを痛めているせいで踏ん張りが利かない。

その隙を突いて小川ひかるがもう一度首固め!

ワン、トゥ・・・ドドドドド!

―小川さん、ワンパターンだよ!

そして小川ひかる、4度目の首固めに行くと見せかけてバックに回り

「・・・えいっ」

重い吉田をバックドロップで投げきった。高さもスピードもない微妙なバックドロップだが、吉田龍子の後頭部をマットに突き刺した。

思わず頭に手をやる吉田。

「くっ・・・よくも!!」

口ではそういいながら、吉田は冷静になっていた。

―落ち着け、普通にやれば絶対に勝てる、力ずくでは絶対なんだから・・・

苦しむ吉田を見て小川ひかる、4度目の首固め、これも吉田龍子カウント2で返す。

「このっ」

吉田龍子、もう一度首固めを狙ってきた小川の背後に回り、力ずくでスリーパーでしめあげた!そのままグラウンドに移行して絞め上げつづける!

「あああっ・・・」

こうなると体力差がものをいう。小川ひかるの意識がだんだん遠くなっていく。

「抵抗しろ!何とか振りほどけっ」

社長の声援もだんだん遠くなってゆくが、小川ひかる、あいていた右手で懸命に吉田の顔をかきむしった。しかし吉田スリーパーを離さない。

「井上さん、これチョークじゃない?」

セコンドの社長が井上レフェリーに抗議。井上が吉田に目で注意。

―少しは手加減しなさいよ。

3分ほど絞めつけて小川をぐったりさせたので、吉田龍子は自らスリーパーを解いた。

「ぐううう・・・・」

執拗なスリーパーが効いたのか、マットに倒れ伏す小川ひかる。やはりこの人はやられるシーンが絵になる。

非力となった小川ひかる。あとは大技で仕留めるだけだが、吉田の左ひざは異変が起こっており派手な大技が使えない。

「渡辺さん、頼む」

「はいはい」

吉田龍子、相手がマットに倒れたままなのを確認するといったん青コーナー側に戻り、セコンドの渡辺智美に依頼して左ひざにコールドスプレーを噴射させる。

シューーー

「あれルール違反だろ?」

社長が声を上げるが井上霧子は見てみぬふり。

「よし・・・これで少しは動かせる」

吉田龍子、左ひざの状態を曲げたり伸ばしたりして確かめたが、そのスキに小川が立ち上がり、背後からするするするっと組み付いた。そして起死回生の逆さ押さえ込み!

「しまっ・・・・」

「いけ―――」

(続きます)

2010年11月11日 (木)

俺の嫁 没頭CHU

(具合が悪いので通常更新はお休みさせていただきます)

アキバブログで気になっていた、新婚生活体験シミュレーション

「俺の嫁~あなただけの花嫁~」(XBOX360)を買ってしまった。

XBOX360も持っていないので、本体も買いましたよ。ええ。

まあいってしまえば内容はあっさりとしたもので

1.自分の名前と誕生日を入れる(ええ、ちゃんと私は本名入れましたよ、でもラブプラスのように名前で呼んでくれるわけではありません)

2.女の子の名前を自分で考えて入れる。誕生日も入れる(これ、案外難しい)

3.女の子の外見と性格を選ぶ

4.声優を選ぶ(2択ですが)

5.恋人編をプレイする

 高校3年の11月に告白して、翌年3月までの間に好感度を(LPというパラメータ)上げていって、卒業式の日にプロポーズする。デートに誘うのをさぼったり、よほど変な選択肢を選ばない限りはここで失敗することはない

6.嫁編をプレイする。いちおう1年でスタッフロールだが、エンドレスなので何回転でもできる。

選べる性格は以下の6通り、右側は私がつけた名前

1.おっとり天然タイプ (渕崎 彩) 

 実際にこんな嫁を持つと疲れるだろうが、癒される。

2.妹タイプ (豊科 あずさ)

 外見があまりに幼いし、結婚してもお兄ちゃんと呼んでくるので嫁編は1ヶ月で止めた。

3.ツンデレお嬢様タイプ (芦安 亜美)

 釘宮ボイス最高や。一緒にいて飽きないタイプ

4.感情希薄タイプ (能登 優希)

 無口な子だが、けっこうくるものがある。

 「選択肢は4つある、食事、入浴、就寝、配偶者との精神的な交流」wwww

5.お姉さんタイプ (家山 桜)  

 伊藤静ボイスがたまらん。大人っぽい魅力です。タマ姉に似てます。

 「ご飯にする、お風呂にする?それともわ・た・し?」 味噌汁噴いた。

6.幼馴染タイプ(まだプレイしていません)

**********************

細かいところまで作りこんでいないのが長所でもあり短所。

一緒にデートするとか、朝起こしてもらうとか、落ち込んだとき励ましてくれるとか、一緒にお風呂はいるとか。お酒を口移しで飲ませてもらうとか、プリンを口移しとか、けっこうツボついたイベント多数。

短所は作りがあまりにチープ。ヒロインの服装が共通なのにはあきれた。

絵もそんな綺麗ではないし。OP・EDも毎回聞くに堪えない。

それに家庭用ゲーム機なので過激な描写はございません。

まあ、前後の文脈から、そういうことをしたんだろうなという推定はつく。

朝起こしに来るイベントで

「昨夜なかなか寝かせてくれなかったから・・・」と主人公が言うのですが

「あなたが先に悪戯してきたからでしょ、わ、私は翌朝に差し支えるから止めようって言ったのに」を釘宮ボイスでいわれたら・・・

まあネタゲームとしてやってみるのもいいかもしれません。

2010年11月10日 (水)

冬が近づく20101109

こんばんわ。WAS没頭中筆者のkonnoです。

水曜日恒例の今週のスポーツニュース。

■プロレス

全日本プロレス初のラダーマッチ開催

世界ジュニアベルトの挑戦権をめぐって6WAYでやるらしい。高く吊るされた挑戦者認定証を

取ったものが勝利らしい。時代は流れてく。

■ジョー樋口さん 死去

享年81

名物レフェリーとして、全日本プロレスの外人係として、縁の下のすごい力持ちだったと思います。

80年代の乱闘に巻き込まれてジョー樋口失神ギミックで不透明決着で、プロレスのうさんくささを知りました。

■野球

日本シリーズはロッテが制しました。パリーグ3位からの躍進。中継ぎ抑えがこの大舞台でうまく機能したと思います。延長戦3度。見ごたえのあるシリーズだったと思います。

■相撲

大関魁皇38歳ファイナルバトルか。故郷で終わろうと考えているのかもしれない。

もう体はがたがた。白鵬戦で最後の本気を出してぶっ壊れて終わるつもりかも。

横綱白鵬の連勝を止めるのは誰か。

◎鶴竜 モンゴルの3番手。最近力をつけてきているので侮れない。

○稀勢の里 左四つの正統派、がっぷりに組んで攻め立てれば勝機はある。

△把瑠都 技術はないが馬力ではナンバーワン、番狂わせあるで。

▲日馬富士 モンゴルの2番手、技術はあるが、今場所は負傷を押しての出場。

×魁皇 最後に白鵬が負けた相手。魁皇が本気を出せば・・・

■個人的なこと

・風邪引いてしまった。心労がたたっています。

・自宅のネット環境死亡。ルーター壊れる。statusランプ点灯せず。

 仕方がないので今週の更新は高幡不動のネットカフェからやってます。

今週は、こんなところ。

2010年11月 9日 (火)

君と見る夢(8)

―やるしか・・・ない。社長がああ言ってくれたのだから。

もう自らのテーマ曲は2番に入ってきている。急遽メインイベントの再試合に出場することとになってしまった小川ひかる、てばやく自団体のTシャツを羽織ると、花道へ向かって駆け出した。

そのころリング上では南利美が担架に載せられて、花道を運ばれていた。

大試合のタイトルマッチでで叩きのめされた選手がこのような形で退場・・ということはよくあるが、地方の試合での担架出動は珍しい。恥ずかしさと屈辱で顔を覆う南利美。

―担架で運ばれるのって・・・屈辱だわ・・・・

そのあと反対側の花道から小川ひかるが入場し、リングに上がる。

後年になって「あのときなんで小川さんを起用したんですか」という質問が社長にも何度かあったが、社長も直感というか、一番信頼している選手に声をかけたにすぎないし、セミの6人タッグで闘った伊達と草薙は翌日のさいたま大会でシングルベルトを賭けての一騎打ちが決まっているので、どちらかに2試合やらせてしまったらそれはそれでハンデになってしまう・・・と考えたからと答えた。

小川ひかるのリングインを確認するや、社長はコールをせずに再試合の開始を告げるゴングを鳴らした。そのあと本部席には座らず、赤コーナー下で自らセコンドについた。

カンッ

小川ひかる、手早くTシャツを脱ぐとニュートラルコーナーに控える吉田龍子を見据えた。

―どうやって勝つ、つもりなの?

真正面からやれば100パーセント吉田龍子が勝つことは誰の目にも明らか。この異常事態をどう収束させて興行を締めるのか。吉田龍子はいまさらながらシングルメインの重さというものを感じた。

―わかりました。前半はやられますから。組み立てはおまかせします。

吉田龍子、鋭い表情で小川を見つめ返した。

しばらくにらみ合う両者、やがてリングを半周してから組み合った両者、まずは吉田が押し勝ち、ロープブレイク。

その後再度組み付くと見せかけて、小川ひかるは相手のヒザ関節へ向かって蹴りを入れた。

「くうっ」

怯んだ吉田、そこをのがさず小川ひかる、小さく飛んで、吉田龍子の左ひざめがけてドロップキックを撃ち込んだ。

「低空ドロップキックだ!」

リングサイドのファンが声を上げる。善玉キャラが確立している普段の小川ひかるは、まずこんなえぐい技を使うことはないが、相手が相手だけに禁じ手を使ったようだ。

「あ、があ・・・・っ」

左ひざを押さえてうめく吉田龍子。今まで感じたことのない痛みに身体をよじる。そのあと小川は倒れた吉田のヒザに手をやり、まずはヒザ関節を伸ばしにかかる。

「うあ・・・・っ」

単純にひざを伸ばすだけなのだが、低空ドロップキックのあとだけに効果は絶大。吉田龍子が珍しく悲鳴を上げる。

「ギブアップか?ギブアップかっ?」

井上霧子もいい仕事。

もう吉田龍子、耐えることしかできない。うめき声を上げながらロープに手を伸ばすことしかできない。そしてロープに逃れてもう一度組み合ってもヒザを攻められて苦悶の表情を浮かべる。小川の左ヒザ集中攻撃は10分以上にわたり続いた。

ーいまの吉田さん相手だと、こういう攻め手でしか、やりようがないから・・・

しかし今日の休憩前第3試合で外人にやられていてダメージの残っている小川ひかる、息が上がってしまった。

ゼェ・・ゼェ・・・・

「ガンガン行け!ひかる!相手イヤがってるぞう」

・・・・っ!!

このとき初めて名前で呼ばれた。公私の別をきちんとする社長はたとえ溺愛しているのがバレバレでも7年間「小川さん」と言いつづけてきたが、いまはセコンドで声援を送る立場とあってか名前で呼んだ。

―もうひとふんばり、しますか・・・

小川ひかる、スライディングしてのカニバサミで吉田龍子を倒すと、うつぶせに倒れた吉田のヒザを責める。

「ぐああああっ・・・・」

しかし吉田龍子も闘志の塊、気迫で小川のいやらしい責めを耐えしのぐと、力任せの首投げで小川を転がし、小川が起き上がったところを

「テメェこのやろう!」

右腕を振りぬいてショートレンジのラリアットを叩き込む。

「ああっ」

力なく倒れた小川に更なる追撃を加えんと手を伸ばしたとき、吉田龍子は左ひざに違和感を感じた。一点集中攻撃が功を奏したか。

・・ううっ・・・・

顔をしかめながらヒザに手をやる吉田。そのまま1分近くが経過した。場内大盛り上がり。

「クソーッ」

今ここで得意の大技ラッシュをかけて相手を仕留めたらヒザに負担がかかって、まずいことになる。直感的に吉田はそう感じた。

「私の策に・・・かかったようですね」

(続きます)

2010年11月 8日 (月)

君と見る夢(7)

君と見る夢(7)-フラグが立った日-

「・・・・あ、アッ」

異変はこの時起こった。南利美の腰に電気が走り、投げ落とす前にその場にグシャッと崩れ落ちた。吉田も中途半端な状態でマットに墜落した。

「つう~、あ、え?」

吉田龍子が起き上がったとき見たものは、腰を押さえてもがいている南利美の姿であった。

―困ったな

井上レフェリーの方を見やるも、彼女も厳しい表情。これは明らかに試合中にアクシデント。

「うっ・・・あっ・・・・・」

試合中に腰が爆発してしまったらしい。痛みで手足をばたつかせている状態。

「オラ」

困った吉田、とりあえずストンピングで軽く南の頭を蹴ったりするが、南は立ち上がれない。

ざわ・・ざわ・・・・

このあたりで観客も南の異変を察したのかざわつきだす。ミナミコールが沸き起こったが、起き上がれない。

―まずいな・・・・

メインイベントが尻切れトンボに終わってしまうとお客様は満足しない。社長はどうしようかとちょっと思案したが、本部席を出てリング下へ駆け寄り、セコンドとして南に声をかけていた小川ひかるに声をかけた。すでに第3試合で外人選手にやられて自分の仕事は終わっていたのでジャージ姿である。

「小川さん、用意してください」

 「えっ?」

「こんな状態でお客さんを帰すわけにはいかない。用意してください。南さんの代わりにあなたが行け」

 「・・・・・私で、いいんですか?」

「ここはあなたしかいないと私が判断した。頼む。用意してください」

 「・・・はい。わかりました」

小川ひかる、小走りで控室にとって返した。その後社長はエプロンに上がり、井上レフェリーに指示。

そのあと、井上レフェリーが宣する。

「ストップ!吉田!ニュートラルコーナーへ」

なおも無抵抗状態の南の頭や肩を蹴っていた吉田を井上レフェリーが制止し、ニュートラルコーナーで待機するよう指示。

「ダウン、ワン。トゥ、スリ、フォー・・・

そのあと井上レフェリーはダウンカウントをすばやく取り始めた。南利美は殺虫剤をかけられた後のゴキブリのようにばたつかせるも腰がイってしまっており起き上がれない。

「ファイ、シクス、セブン、エイ、ナイン・・・テン!」

そのまま10カウントが数えられた。

ここで社長がマイクを持った

「南利美、試合続行不可能のため、10分22秒、吉田龍子のKO勝ちといたします。」

えー?

ざわつく場内。こんな感じでメインが終わり、本日の試合は全て終了いたしましたまたのお越しを・・・・ナドといったら大顰蹙ものである。しかし、社長が次に発した言葉は、

「南選手の希望により、このメインイベント、南利美選手を小川ひかる選手に代えての、再試合を行います!」

どわあああああ

ええええええええ?

まさかのサプライズにざわつく場内。

そして社長はいったんリングを降り、本部席へ戻って、小川ひかるの入場テーマ曲の音楽ファイルを起動した。たちまち流れる「Mighty Wings」のイントロ。

「これはプレミアものだ!」

「なぜ小川さん?」ざわつく場内。

**********************

―あっ、もうイントロ鳴り始まった・・・

ジャージと下着を脱いで、汗ばんだ試合用の下着に着替えたあたりで自らの入場テーマ曲が鳴り始めた。

小川ひかる、汗まみれのリングコスチュームをもう一度着る。6年以上プロレスをやってきたが、こんな経験は初めてである。肘とヒザにサポーターをつけ、手首にテープを巻く。そのあとリングシューズを履き、紐を結ぶ。

―やるしか・・・ない。社長がああ言ってくれたんだから。

もう自らのテーマ曲は2番に入ってきている。小川ひかる、てばやく自団体のTシャツを羽織ると、花道へ向かって駆け出した。

(続きます)

2010年11月 7日 (日)

君と見る夢(6)

スケベ心だけで書いたSSです。

君と見る夢(6)

フラグがたった日

―社長のことを、男として意識しだしたのはいつごろからですか。

小川ひかるが、引退後、プロレス雑誌や夕刊紙のインタビューで何回か聞かれた質問だが。本当のところは彼女自身も分からなかった。

プロレス団体を社長と一緒に立ち上げて、とんとん拍子に規模を大きくしていった。社長とは仲間であり戦友であり、共犯者であり、そして、パートナー。

ただ、「この人にできる限りついていこう」とはっきり思ったのは、そう、前橋で起こったあの事件からだった・・・

*********************************

横浜のお嬢様プロレス団体は各地で熱戦を繰り広げ、きょうはシリーズ第7戦、群馬県は前橋市にある体育館で熱戦が繰り広げられていた。

セミまでの5試合、順調に興行は進み、あとはメインイベントを残すのみとなった。

今日のメインはシングルマッチ。南利美対吉田龍子のシングルマッチ。

南利美は1期生で、団体草創期の頃のエースだったのだが、いまは伊達遥や草薙に追い越され、それでも団体きっての技巧派として存在感があった。

一方の吉田龍子は5期生、デビューしてまだ2年だが、圧倒的なパワーと大柄な体格を生かしてトップグループに割って入ってきており、先日のドーム興行で伊達遥に敗れてベルトを手放したものの、シングル王者の経験もある。

ほんらいなら地方興行のメインは6人タッグで予定調和的に締めるのがセオリーなのだが、群馬地区はライバル団体の営業が強く、集客に苦戦していたので、てこ入れの意味合いもあって社長はこのカードを組んでメインにぶつけた。

「ふぅ・・・・」

この団体の社長兼リングアナウンサーは本部席で一息ついた。この大会も大きな問題なくメインイベントを迎えた。あとは南さんと吉田さんがやりあって、20分頃攻め疲れた南さんを吉田が大技で派手に決めて終わりかなというのが社長の予想であった。

南さんの高い技量なら会場をそれなりに盛り上げて終わってくれるはずだ。一人のプロレスファンとして、じっくりこの試合を観戦するか。

そう考えて社長は缶コーヒーを開けた。

序盤は地味にグラウンドの攻防。地方のやや小さな体育館なので、寝技での攻防でも充分盛り上がる。

「うわああああ」

足を取った南がそのままレッグスプレッドの体勢にとって、吉田を大きくたてに開脚させる。体の固い選手には結構痛い股裂きの刑だ。

吉田龍子、ある程度耐えてから懸命に身をよじってロープに手を伸ばす。

「ギブアップか?、ギブアップか?」

裁く井上レフェリーもあおる。

「うあ・・・っ」

さんざん股裂きでいたぶられた吉田龍子、ようやくロープへ。

「はい、ブレイク」

しかし南は無視して股裂きを続ける。意地悪さをこれで表現しているつもりなのか。

「ブレイクしろっての!」

井上レフェリーが力ずくで南を制止する。このあたりの沸かせ方も慣れたもの。

「クククク・・・井上さん・・・」

社長も本部席で笑ってしまう。

しかしそんな南さんのペースはすぐにくずれた。さんざん股さきを仕掛けられてムッとした吉田龍子が大先輩に向かって一言。

「てめぇ、このやろう」

暴言を吐いてからラリアット一撃。吹っ飛ぶ南。起き上がったところをさらにタックルではじき飛ばす。このあたり、吉田龍子の馬力が凄い。

「くらえっ」

吉田龍子が南を引きずり起こしてブレンバスターの体勢に、しかし南も簡単には打たせない。力をこめて踏ん張る。このあたりも試合序盤から中盤にかけてのお約束ムーブである。

そのまま1分近く力比べが続いた。ドォォォと盛り上がる場内。

「リミさん!」

バンバンとセコンドの小川ひかるがエプロンを叩いて励ます。ここは踏ん張りどころだ。

「このやろうっ」

やや熱くなっていた吉田龍子が力をこめるが、エキサイトしているせいか南を持ち上げるに至らない。

「ふっ」

南、力比べを一瞬やめて、左手で吉田の腹部を殴って怯ませてから、

「ウアー」

ブレーンバスターで吉田のガタイを持ち上げ返した。場内拍手。後は後方に反って投げ落とすだけ。

「・・・・あ、アッ」
異変はこの時起こった。南利美の腰に電気が走り、投げ落とす前にその場にグシャッと崩れ落ちた。吉田も中途半端な状態でマットに落ちた。

「つう~、あ、え?」

吉田龍子が起き上がったとき見たものは、腰を押さえてもがいている南利美の姿であった。(続く)

2010年11月 6日 (土)

君と見る夢(5)

そして、旗揚げの日から6年が経った。

横浜のお嬢様プロレス団体は、徐々にではあるが確実に、固定ファンを増やし、大きな会場で興行を行えるようになった。

とくに団体3強の、南利美、伊達遥(一期生)草薙みこと(二期生)が本気の闘いを見せるにあたって、京スポ新聞の後押しがあったものの、団体のファンは加速度的に増えて、それを見た社長は、新日本ドーム興行の実施を決断した。

小川ひかるもレスラー生活7年目を迎えた。線の細さはあいかわらずだが、若干は筋肉もつき、少々の攻撃なら耐えられるようになり、やられながらもねちっこい寝技に活路を見い出すという通好みのファイトスタイルが定着してきた。

「小川さんはいい選手だよ。メインでも第1試合でも、休憩前でも使える。料理で言う長ネギだね」

・・・長ネギ・・・・

シングルメインは務めたことはないが、草薙や南とタッグを組んでメインイベントに登場することは結構ある。試合の前半捕まって、相手チームにやられながらも懸命に耐えて、会場をヒートさせてからパートナーにつなぐ役回り。

第1試合では新人レスラーに基本的な攻防をきっちりやってのけ、休憩前に登場すればウィン・ミラーなどの中堅外人相手に堅実なレスリングを展開して場内を沸かせる。

小川ひかるもこの業界での生き方が分かりかけてきて、倒れこみ方とか痛がり方もある程度観客の存在を意識したものになっていた。倒れたあとなかなか起き上がらないことで、ダメージ量というか、相手の技の威力を表現することができる。

また、試合前に客層をさりげなくチェックして、試合内容を変える芸当もできるようになった。カード発表のとき、会場がうんともすんともいわなければ、地味で堅実なレスリングをやったほうがかえって後半盛り上がる。自分のカードのとき観客が反応すれば、お約束ムーブである「やられっぷり」を展開するといった具合で。

リングを降りれば旗揚げメンバーの一人として、後輩のフォローにも気を配る。社長により初代選手会長に任命されたのもそのあたり。実力では草薙や伊達に遠く及ばないものの、団体が大きくなった主犯格の一人だった。

「小川さんは私のパートナーで、共犯者だよ、はははは」

巡業バスの中で社長が話す。旗揚げ直後の苦しいときを乗り切り、移動車両も大型サロンバスになって、14名の選手を擁する大所帯になり、女子プロレス団体の中では押しも押されもせぬメジャー団体へとのし上がった。スターへの階段を駆け上がっていった永沢舞も、吉田龍子も、最初は小川ひかるからプロレスのなんたるかを学んで行って、ほどなく小川ひかるを打ち負かして、トップ戦線へ上がっていったのである。

他の一期生や井上霧子秘書は、社長が小川ひかるに向ける視線だけが違うのに薄々気づいていた。とはいえ、公然と付き合っているわけでもないし、いまのところ二人きりでどこかへ行ったそぶりもない。そのあたりはまだ、一線が引かれているようだ。

「いやー、選手に手を出しちゃったらこの団体おかしくなる。仕掛けるとしたら小川さんの引退間際かな」

冗談とも本気ともとれぬ台詞を口走る社長だった。

**************************

さて、初めてのドーム興行、リング搬入が午前中というスケジュールなので、スタッフ総出で朝から水道橋にある新日本ドームへ向かった。

社長は例によって旗揚げメンバーの保科優希、小川ひかるを連れて湘南新宿ラインの「グリーン車」で新宿。そこから黄色い電車で水道橋。

正面入口の大看板を見て社長フラッと立ちくらみ。その場にフラフラとうずくまってしまう。

「だ、だだ大丈夫ですか社長?」

小川ひかるが駆け寄る。

「いや、小川しゃん、ちょと興奮してくらってしただけ。6年前から考えたら信じられないんだけど」

「凄いです~」

保科優希も第1試合で会場の雰囲気作りという、ある意味メインイベントより大役を長い間担当した選手である。

二塁ベース後方にリング設営。今野社長と小川、保科、渡辺智美のほかに井上秘書、会場スタッフが手伝ってリングの設営が終わったのが10時頃。このあと照明やら音響やら花道設営なんぞで会場スタッフはてんてこ舞いが続く。

「じゃあ本番まで8時間もあることなんで控室でまったりとお茶でも・・・」

モニターを見ながら3人はこれまでの思い出話をしながら過ごした。そのあと昼食。支給されたスタッフ弁当をパクつく。

「小川さん、カメラテストやるからリング来て」

オーロラビジョンに大写しになるのだが、今回は初のドーム興行でクレーンカメラとかの設置テストも時間がかかっている。

「もう逃げられないわよ!」ジャージ姿の小川がにこやかに。

カメラテストのやられ役は社長。フェースロックを手加減状態でかけられる。

「うぉ、痛い、痛い、痛いーーギブアップ」

14時、当日券の発売開始。

「大丈夫ですよ。メインは吉田さんと伊達さんのシングルでタイトル戦ですから。私も楽しみなカードですから、必ず当日券、はけますよ」

「そうかなぁ・・・」

前売りではけっこう売れたそうだが当日券が伸びるかどうか。社長は気を揉んだ。しかし主力選手が集合する頃にはー

51967名(超満員札止め)。

「えうおえう」

「社長、言葉になってません」

井上秘書の突っ込みにも社長はものがいえない状態。

「みんなありがとう。あとは内容で今日来たお客さんを喜ばせてください!よろしくお願いします」

ひとしきりリングでみんなが練習したあと、17時半の開場。控室のモニターを、吉田龍子永沢舞上原今日子の3人は食い入るように見ていた。

「すげえ・・・」

「やるしかないね、チャンピオン」

「がんばれ、ガンバレ!」

一期生は言葉にできない感動。1000人を埋めるのがやっとだった旗揚げの頃からは信じられない光景が目の前。涙を流す選手もいた。

「みんなで力をあわせると、こんな事が・・・出来るんやね・・・ぐすっ」

南利美は思わず涙ぐんでしまった。

小川ひかるはこのドーム興行、セミファイナルの6人タッグマッチに登場。南利美、ナスターシャ・ハンと組んで、チョチョカラス、秋山美姫、草薙みことと対戦。このメンツの中では一番格下。しかし、社長の温情というか愛情というかヒイキでセミに抜擢された。

ーこれは、うまくやられろ・・・ってことですね。

タッグパートナーの草薙さんに頭から落とされて終わるのが一番盛り上がるかな・・・と思いながらリングに上がった小川だが、結果は彼女の予想の斜め上をいった。10分過ぎ、南利美が客席の雰囲気がすこし疲れていたのを察知して、突如シュートファイトを仕掛けて、チョチョカラスから腕ひしぎでギブアップを奪ってしまったのだ。

ーリミさん・・・・

草薙と手合わせしたくらいの顔見世ファイトで終わってしまった。

「いや、メインが凄い試合になるから、セミはあっさり終わらそうと思っただけよ、ほら、重たい試合が2試合続くとお客さん疲れちゃうでしょ」

試合後の控室、南利美がさらりと言ってのける。

ドーム大会メインは熱戦の末、伊達遥が吉田龍子を殺人ヒザ魚雷で破壊してベルトを奪還した。

帰りの車の中。上原今日子の運転する車の後部座席に社長と小川ひかる。

「小川さん、本当に・・・・ありがとうな。」

「こちらこそ・・・社長がいたから、私もここまでやって来れました」

2010年11月 5日 (金)

君と見る夢(4)

横浜のお嬢様プロレス団体は、最初は、

ミミ吉原、保科優希、小川ひかるの3名。このメンバーで旗揚げを行った。

その翌月。1シリーズを乗り切って、プロレス団体としての活動実績ができたので、新人テストにもそれなりの多くの選手が押し寄せた。

その中で秋山美姫と沢崎光を採用した。

また社長は高知へ飛んでスカウト活動。新女入りが有力と見られていた南利美のスカウトに成功した。

こうして新人5人が揃い、ともに練習し、寮で寝食をともにして共同生活が始まり、小川ひかるもこの生活にだいぶ慣れてきたが、それでも5人の中ではいちばん力もなく、センスもない。受け身の練習をしてもいちばん最初に動けなくなってしまう。

「やっとプロレス団体らしくなってきた。いまはね、小さな体育館だけど、このメンバーでブトウカンやドームをやる日が来るように頑張ろう」

社長が励ます。

「水道橋の、新日本ドームのオーロラビジョンに小川さんがやられて悲鳴上げるのが大写しになるシーン、見たいよ」

「・・・・・・・・」

*******************************

「小川さんの入場テーマは・・・決めた。Mighty Wingsでいこう」

 「マイティ・ウイング・・・ですか?」

「そう、トップガンの映画音楽。洋楽だけどいい曲ですよ。小川さんのイメージとはあわないかもしれないけど、会場が盛り上がると思うからこれにするよ」

 「・・・わかりました。」

5月シリーズ、やはり小川ひかるは負け続けた。南利美のデビュー戦の相手を務めたが、1シリーズ先に入門とは言っても、格闘センスや力は南のほうが格段にあった。案の定、ショルダータックルで吹き飛ばされたあと、エルボーを打ち込まれて倒され、怯んだところを3カウントを奪われた。

ミミ吉原とタッグを組んで出た試合では、吉原がうまくリードしてくれたので立ち回ることができたが、シングルマッチでは試合が作れないので、負け続け、初白星を挙げることができず13連敗を喫して、5月シリーズを終えた。

***************************

さらにその翌月、伊達遥が加入し、吉原のつてでフリーレスラーのミシェール滝も入団し、8人の選手を擁するまともな団体らしくなってきた。

小川ひかるは一期生の中ではもっとも手のかかる新人で、特訓で力をつけさせようとしたら動けなくなる。本当に手のかかる新人であった。

「まだまだ努力が足りないみたい・・・」

自信のないまま小川ひかるのレスラー生活は続いた。ろくに技らしい技も繰り出さないままただやられるだけ。毎月、手取り28万円の給与が振り込まれているので、退職を口にできなかったし、一期生はみんな必死でがんばっていた。

社長も「よこ川」にひんぱんに選手を連れ出して、おいしいごはんでフォローする。

「どんなタイプのレスラーが好きかって言うのは、もうそれはお客さんそれぞれの価値観なんだよ。アットー的な強さで相手を叩き潰す選手が好きな人もいれば、やられてもやられても起き上がって来る選手が好きな人もいる。・・・だからね。みんなが自分のプロレスをしっかりやれば、固定ファンはついてくるよかならず」

「社長は、誰のプロレスが好きなんですか」

秋山美姫が問う。

「一期生の中では、小川さん。やられるだけなんだけど、なんか胸に残るんだよね」

 「・・・っ」

小川ひかるは少し赤面した。

「いやほら、いまの世の中、耐える人、耐えなきゃならない人が多いんだよ。会社員のお客さんがさあ、毎日会社へ行ってさあ、朝から夜遅くまで働いて、取引先ときつい交渉して、上司には無理難題を言われ・・・その耐えている自分と、小川さんのファイトが重なるんだよ」

 「・・・そういうものですか」

「で、そういう選手が、ごくたまに勝っちゃったりするともう大喜びするわけです。」

―ごくたまに・・・・

思えば、小川ひかるへの社長の溺愛っぷりはこの辺から始まっていたのかもしれない。

2010年11月 4日 (木)

君と見る夢(3)

―私、やっていけるのかな・・・・

小川ひかるは選手寮の天井を見ながらつぶやいた。

あっという間に4月下旬の旗揚げ戦を迎えた。道場から井上霧子の運転する営業車に乗って、午後3時ころ、会場の「赤レンガ倉庫」に着いた。

人手が足りないのでリングは選手スタッフ全員で組み立てた。

「時間が押してます!5時半の会場までにイス並べもお願いします」

社長も自らイスを並べる。見かねたAACの外人レスラー3人もイス並べを手伝う。

「スモールハウスネ。でもこの方が燃えるワ」

メインでミミ吉原と対戦するデスピナ・リブレがつぶやく。

「アナタがオガワ・・サンね。私はジュリア・カーチス。ヨロシク」

「よ、よろしくおねがいします・・・・」

開場前に顔合わせ。スパーリングで胸を借りてみたが全然相手にならない。組み合った次の瞬間に投げ飛ばされている。

5時半、開場、小川ひかるは控室で、緊張していた。

「ど、どうしよう・・・」

あと1時間で、私はリングの上に立って、観衆の前で闘わなければならない。1ヶ月前には想像もしていなかったシチュエイション。

「本日は旗揚げ興行へお越し頂き誠にありがとうございます。私たちはまだ小さな団体ですが、努力と良いファイトを積み重ねて大きくなっていきたいと思います。どうかこれからも応援よろしくお願いいたします」

選手3名と井上さんが整列するリング上、社長が挨拶。

意外に事前でプロレス雑誌への告知が功を奏したのか、はたまた新団体ということで物珍しさもあったのか、赤レンガコロシアムは超満員となりチケットは完売した。

****************************

旗揚げ挨拶のあと選手は控え室に戻り試合用のコスチュームに着替える。

第1試合に出場する小川ひかるが最初に衝立の陰でジャージを脱いでリングコスチュームに着替えた。初めての実戦。小川の胸の鼓動は高まった。露出の多い水着のようなコスチュームに着替えたあと、新しいリングシューズを履く。

「うまくやれるかしら・・・」

一般的にはプロレスラーは入門して数ヶ月は道場でみっちり教え込んでからデビューというのが当たり前である。しかしこの団体は資金繰りの都合で新人とってすぐに旗揚げ興行という無謀といえば無謀の流れである。

午後7時すこし前、場もたせの井上霧子トークショーが終わり・・・・

「大変長らくお待たせしました、これより第1試合を行います」と場内アナウンス。

ワアーという歓声が場内に響く。

「ど、どうしよう・・・」控室扉の前で小川は緊張に震えていた。

「ほらヒカル、頑張ってきなさい」控室奥でミミ吉原が声をかける。

「は、はい・・・・」小川の足は震えていた

緊張ぶりを察した吉原は小川のもとへ歩み寄り、いきなり

パーンッ!

小川の顔面を張った。「ほら、行って来い!」

小川はこれで覚悟が定まったか、控室のドアを開けて通路を走ってリングへ上がった。デビュー戦なのでテーマ曲はまだない。

試合そのものは5分そこそこで終わったし、小川ひかる自身も何をやったのかあまりよく覚えていない。要するに対戦相手にいいように殴られて蹴られて、何もできずに終わった。最後のジャンピングニーを食らったあとは意識が遠のいた。

・・・私、ここで・・・・・どうなって・・・

「ひかる、大丈夫、立てる?」

「・・・・はい」ふらふらと小川が立ち上がり、しんどそうに一礼したあとリングを降り、保科につかまりながら控室へ向かった。会場からはパラパラと拍手が送られた。

控室でうなだれる小川ひかる。

勝てないことは分かっていたけど・・・何もできなかった。

「ヒカル、デビューおめでと!これでヒカルもあたしらの仲間入りだ」吉原が祝福の声をかける。

「吉原さん、私、何も・・何もできな・・・かった」

吉原は震える小川の肩に手をやり、「デビュー戦はみんなこんな感じだと思う、何もできなくて悔しいのはわかるけど、練習して強くなりなさい、それしか言えない」と励ました。

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旗揚げシリーズで関東各地を回ったが、まるで何もできなかった。小川ひかるは連日、殴られ、蹴られ、いいように投げられて、意識が遠のいたところを引きずり回され、そして負けた。

水着のようなリングコスチュームを着て衆人環視の中リングに上がるのも抵抗があったし、何もできずさらし者状態でリングに叩きつけられるのもイヤだった。

―辞めたい。やはり、私には・・・・

さすがに群馬や栃木といった北関東エリアではあまり観客は入らなかったが、手作りでどうにか旗揚げシリーズ全7戦を乗り切った。

「ほら小川さん、週刊ハッスルのこのページに出ている」

タイタン有明での最終戦の日、社長がプロレス雑誌を見せてくれた。

白黒ページだが、ミミ吉原の活躍を報じるページの隅っこに、小さく新人の小川と保科がワンカットずつ取り上げられていた。試合直前で、やや不安げな表情のショット。

小川は完全に自信をなくしていたのがありありだった。

・・・これはまずいな・・・彼女のモチベーションが・・・

そう感じた社長は最終戦は保科優希とのシングルマッチを組んで、スパーリングに近い感じでやらせてみたが、試合がやや長引き10分で息切れしたところを押さえ込まれて負けた。

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「お疲れ様でした。」

シリーズ終了後、「よこ川」で打ち上げ。

「小川さんのファイト、初めてにしては良かったよ」

社長が声をかける。

「えっ・・・・」

 「あれはファンつくよ。やられ方がひどいもん」

「どういう・・・ことですか」

「やられっぷりも・・・・芸のうちなのよ」

井上霧子が説明する。

「あれでちょっとでも反撃できるとお客さんが沸くのよ。そしてソーゼツにやられて負けたら、お客さんは手を叩いてくれて、印象に残って・・・・またあなたの試合を見たいって、思うようになるわ」

 「まあ・・この業界、なんだかんだいって選手個人の人気商売だからね」

―やられるのも、芸のうち・・・・

小川ひかるの売り出し方はこのように固まってしまった。強い相手にに相手にひたすらやられ続ける存在として。

2010年11月 3日 (水)

連載最大のピンチ2

■今週のスポーツ関連

・プロレス

天山広吉選手が11月18日にカムバック。若手中心の興行から再スタート。首と右肩の重傷から何とかカムバック。無理だけはしないでほしい。

年末の風物詩、世界最強タッグは11月20日(土)後楽園大会からスタート。

オリンピアの季節が、やってくる。個人的にはダークオズ&ダーククエルボのネタ外人チームに期待。

・野球

日本シリーズ開幕。中日対ロッテ。この原稿を書いている11/2時点では1勝1敗。地上波中継も無く盛り上がらない。

横浜ベイスターズ、売却交渉は破談。住生活は横浜から出て行きたかったらしい。

・相撲

大相撲九州場所番付発表。三役以上の力士(横綱1大関4関脇2小結2)のうち日本人力士は引退目前の魁皇と、期待のホープ栃煌山のみ。もはや国技は完全に占拠された。

■連載最大のピンチ2

何をトチ狂ったか、Xbox360と、「俺の嫁~あなただけの花嫁~」を買うてしまった。

これで当分のWASプレイの可能性は消えた。

2010年11月 2日 (火)

君と見る夢(2)

松本市内で行われた入団交渉で、小川ひかるは当初思っていたことと正反対の言葉を口にした。この一言で、彼女の運命が変転した。

「・・・わかりました、チャンスだと思って、やります」

その1週間後、JR東海道線の戸塚駅。大き目のボストンひとつを抱えた小川が戸塚駅に降り立った。駅には井上霧子が迎えにきていた。

「社長は徹夜続きで車運転させられないから私が迎えに来ました。とりあえず合宿所まで行きましょう」

井上霧子の運転するヴィッツでアパートを改造したと思われる合宿所に到着。1階の隅っこの6畳間。

「ここがあなたの部屋になります」

合宿所に荷物を置き、ジャージに着替えた後、すぐ近くにある道場兼事務所へ。中古の倉庫を改造したと思われ、1階が道場、2階が事務所になっている。
道場でエース選手兼コーチ役のミミ吉原と、同じような新人選手で1歳年上の保科優希を紹介された。

「よろしくね。」

「旗揚げ戦が決まりました。4月21日です。あと2週間しかありません。それまでに受け身だけは覚えてください」

井上霧子が言い放つ。

「えっ・・・・そんな」

普通、プロレスラーは入門してからリングでデビューするまで数ヶ月、人によっては1年近くかけるのが標準である。

「さあ、リングに上がって」

小川ひかるは井上に促されてリングに上がった。

「悪く思わないでね。手作りでも、質が悪くても興行をやったっていう実績を残さないと、いい新人も集まらないのよ」

―思っていたより、かなり厳しそうな業界・・・

そのあと小川ひかるは井上霧子にボディスラムで投げられまくった。最初のうちはかなり易しめに投げてくれたので、受け身を何とか取ることができたが、ある程度力を入れて投げられると衝撃でかなり痛い。

「ううっ・・・・・」

リングに倒れ伏す小川。傍らでは保科優希が同じようにミミ吉原に投げられまくっている。

「ほら、立って・・・・」

井上霧子が冷たく言い放つ。
「厳しいようだけど、まずは痛みに慣れるのがプロレスなのよ」

そのとき2階にいた社長が階段を降りてきた。

「おっ、新人ふたり今日から練習ですか?受け身の音で目が覚めた。ハハハ」
どうやら社長は机の上かなんかでつっぷして仮眠を取っていたらしい。

「ちょっと頭痛いから頭痛薬買ってくるわ。あー、保科さん小川さん、練習頑張ってね。試合で事故ったらそれは大変なことになるから、やられることだけは覚えといてください」

そう言って社長は出て行った。

けっきょくこの日、小川ひかるは投げられまくって終わった。動けなくなるまで投げられて、かなりの時間をかけて起き上がって・・・の繰り返し。

夕方からはプロレスのビデオを見てのお勉強。井上霧子の現役時代のファイト。

「簡単でしょ、受けだけ覚えてればあとはコノヤロウっていって相手を殴って蹴ればいいのよ」
「・・・・・・・・・・」

井上霧子のファイトは技の数が極端に少ない。単純な殴る蹴る中心で試合を組み立てている。

―殴って蹴ってなんて、私に、できるのかしら・・・・

「おー、メシ喰ってこう」

社長が夜になって声を掛ける。保科、小川、井上の4人で道場近くの日本料理店、「よこ川」へ向かった。

―高そうなお店・・・

焼き魚をつつきながら、小川ひかるが切り出した

「殴って、蹴ってなんて・・・私が出したら、笑われそうで・・・」

社長の答えはこうだった。

「んー、しばらくは、受けることだけだけ考えてればいいんじゃないかな。ほら、攻められて、このやろーって思えるようになったら、自然と反撃できるから」

そのあと合宿所へ戻って就寝。小川ひかるはなかなか寝付けなかった。

―私、やっていけるのかな・・・・

2010年11月 1日 (月)

君と見る夢(1)

レッスルエンジェルスサバイバー プレイ日記
平行世界編

「君と見る夢」

(文章の練習で書いたものをさらします。SPZとは直接関係はないと思ってください)

「社長」

設立したばかりの横浜のお嬢様プロレス団体。合宿所の手配やら機材の購入やらといった立ち上げ業務に追われていた社長のもとへ、井上霧子秘書がファイルを手渡した。

「ご指示のありました、『有望な人リスト』が出来上がりました。全国各地のレスリングクラブやプロレス支援者のネットワークを駆使し、15-16歳前後で資質のあると思われる新人候補を10人ほどピックアップしました。ルックス重視との事でしたので、可能な限り画像もつけておきました」

「ありがとう。どれどれ」

社長はページをめくり始めた。A4の用紙1枚に、新人候補の画像1枚と、簡単なプロフィルが記載されており、最後に井上霧子の視点からの評価コメントが記されている簡素にして要を得た資料であった。

団体設立を決めてから、とりあえずエース格の選手をと言うことでフリーランスのミミ吉原の招聘に成功したが、やはり次代を支える新人を獲得しないことには始まらない。

社長は丁寧にファイルを1枚1枚めくっていったが、1人の少女の画像に目を留めた。

「小川ひかる(15) 1993年11月生まれ、長野県松本市平田、新松本レスリングクラブ在籍。中学時代からレスリング歴。戦績は南信地区大会ベスト16が最高。」

そのあと井上が記したと思われる寸評は、

「地道に練習を重ねるも、体格やパワーに見劣りし、大成は厳しいと考えます。D-」

というものだった。

しかし、社長はこの画像に釘付けになった。おそらくレスリングの練習中を写したものと思われるが、温厚そうな表情をしていた。

「この子、取ろう。人となりを見てみたいからアポ入れてみてください」

「えっ・・・・・」

井上が用意したリストには南利美や伊達遥といった新女のスカウトも候補に入れている即戦力となりうるであろうのもいたが、最初にスカウトせんと動いた選手は小川ひかるだった。

「あまり期待できないタイプですよ。プロレスはなんだかんだいって馬力ですから」

「・・・それでもいい。取りに行きたい。組織はまず人だ。旗揚げメンバーはいい人で揃えたい」

「・・・わかりました」

井上霧子は自席へ戻り、電話をかけ出した。

「あ、もしもし、お世話になっております。新横浜女子プロレスリングの井上でございます。どうもどうも。ええ、今度新団体を立ち上げることになりまして、ええ、それでですね、新松本RCのええと、小川さんをぜひスカウトさせていただきたく、まずは一度お会いしてお話だけでも・・・・」

そして3日後。松本市内の洋食店で両親同席の元、スカウト交渉の場が設けられた。小川ひかるは緊張気味で、口数はほとんどなかった。社長は挨拶と新団体立ち上げの経緯を一通り話すと、条件面の話を切り出した。

小川ひかるから見た、初めてあった社長の第一印象は、会社のトップという感じではなく、中小企業の営業マンという感じだった。腰が低く、とつとつと話を切り出してくる感じに好感が持てた。

「それでですね、契約金が1500万円、これは額面の話で、お支払いの時期に関しては6月と12月に分けてと言う形で。なお給与ですが、最初の半年間は基本給10万円プラス試合出場給1試合あたり3万円という条件で。なお出場給に関しましては半年ごとに評価があり云々」

―えっ?

小川ひかるはこの言葉で揺らいだ。この話を聞いた当初は自分がまさかプロレス団体にスカウトされるとは思ってもいなかった。甲信越区に自分より強くて素質のある選手はいくらでもいる。力のない自分になぜ声がかかったのだろう。会うだけ会ってお断りしようと考えてこの席に臨んだのだが、具体的なギャラの話をして表情が一変した。

「・・・その、試合は・・・月にどのくらいあるのですか?」

「8試合程度を考えております」井上が補足。

基本給とあわせて額面で月給34万!工場に勤める自分の父親もそんなに貰っていない。これがいまの自分の評価。コンビニやファストフードのバイトでは到底稼げない金額だ。

小川ひかるは口元に手を当てて考え込んだ。そののちに口を開いた。

「・・・わかりました、チャンスだと思って、やります」

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