第1,026回 越えられない壁
46年目3月。
「ファイヤーソウルシリーズ」開幕。東北各地を回るシリーズ。
第5戦宇都宮大会メインであばしりタッグ戦、王者トラットリアマスク&ブルーローズに挑むのはジャンヌ永原&杉浦美月組。どう考えても杉浦の育成マッチだ。
ジャンヌ永原も不意打ちジャーマンを決めるなど存在感を発揮したが、新人の杉浦があっさり捕まってしまい、トラットリアマスクのジャンピングニーに屈した。勝負タイム17分26秒。王者組が初防衛に成功。
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第7戦、千葉大会メインではSPZタッグ戦が組まれた。新王者NARATA,オーガ朝比奈に挑むのは強豪外人、ジュディ・コーディ&アナベラスミス組。
「UOOOOOOOOOOOO」
いつもながら気合は入りまくりのジュディ。ゴングが鳴るやオーガ朝比奈を一方的に攻める。朝比奈もパワーは持っているのだが、ジュディとはモノが違う。アナベラスミスはジュディのサポートに徹する堅実なファイト。しかし終盤にはいってNARATAの農鳥→オーガ朝比奈のパイルドライバーがアナベラに決まり、これで3カウントが入った。王者組が見事な逆転勝利。勝負タイム24分24秒。
「危なかったけど、ベルトを守れたから良しとすっか」
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最終戦はさいたまドーム大会。都合によりセミ前からの3大シングルマッチのみ紹介。
セミ前はジャンヌ永原VS優香。
もうすぐデビュー1年になる優香。センスは非常にあるほうで、この1年受けが格段に進歩し、ちょっとやそっとの攻撃なら耐えられるようになった。この日はジャンヌ永原の力攻めを耐えつつローリングソバットで反撃。
「えーいっ」
しかし馬力ならまだまだジャンヌ永原。豪快なラリアットで転倒させてから延々と逆片エビで絞り上げる。
「行くよっ」
最後はジャンヌ永原の代名詞、ジャーマンで沈んでしまったが、それでもあのジャンヌ永原相手に16分14秒の試合を成立させたのだからたいしたもの。
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セミファイナルは近藤真琴 対 NARATA。
現時点でのシングル戦線ナンバー3とナンバー4の対決。NARATAは動きが速いのはいいのだが、近藤がカウンターの打撃を入れてくるのでNARATAは近藤を苦手としている。この日もカウンターを何度かもらったところをDDT,デスバレーで攻め込まれ、もう一回デスバレーを食らって終了。勝負タイム9分11秒、ドームのセミにしては短い。
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そしてメイン。SPZ選手権。王者白石なぎさに挑むのはサンダー龍子。
9月、1月に続いて3度目の挑戦。
「白石さんに作戦は通用しない、出たとこ勝負でやるだけ」
サンダー龍子、体格やパワーでは白石を上回っており、長時間のファイトに耐えられるだけのスタミナもついてきた。劣っている部分があるとすれば、修羅場をかいくぐってきた経験の差か。
「ふっ!」
ラリアットやエルボーで攻め続けるサンダー龍子だが、白石もレスリングがうまい。組み付くやボディスラム、ブレーンバスターで投げ捨てる。
―くそ、このままじゃあ前と同じだ
サンダー龍子、あせってラリアットを狙ったが、大振りなので動きを読まれ逆にラリアットを食らってしまう。
「クソーッ」
やはり相手にダメージを与える術は白石のほうが長けている。ブレンバスターの力比べで疲弊させておいて、いきなりバックに回ってのバックドロップ。サンダー龍子、なかなか大技につなぐことができない。
2度目のブレーンバスターの仕掛けあい。これがけっこう長かった。
「あそこで意地を張り合うからダメなんですよ」
かいせつの中森社長が指摘。
「・・・・・っ」
「ううう・・・っ」
ややサンダー龍子が優勢。白石の身体が浮きかけたところで、
がしっ
白石なぎさの左拳がサンダー龍子の腹部へめり込んだ。思わぬ打撃を受けてブレーンバスターが中断されてしまった。そこへすかさず白石がブレンバスターで切り返す。
白石、上に乗ってカバー。これで3カウントが入った。勝負タイム48分24秒。王者が13度目の防衛に成功・・・
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SPZ世界選手権試合
白石なぎさ(48分23秒、ブレーンバスターからの片エビ固め)サンダー龍子
王者が13度目の防衛に成功
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「どうして・・・・だよ・・・」
タイトルマッチで白石なぎさの壁を越えられない。
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