2011新春特番 カレンダーガール2
(新春限定書き下ろしSSでもさらします)
時に西暦2016年、
横浜のお嬢様プロレス団体「SPZ」は、年末発売のカレンダーの準備に大わらわだった。
当時のSPZは「複数スター制」を取っており、誰がエースなのかを判然とさせないようなマッチメイクをしていた。
「グッズの売上とか、ファンを分散させとけばそのほうが儲かるじゃん。負傷したときのリスクヘッジにもなるし」
銭ゲバ社長の妄言。
でもって年末は「限定グッズ」と称して選手のカレンダーを発売して2000円でプロレス会場やらグッズショップ、ネット通販で売りさばく商魂たくましい団体なのである。
「ダイエーの中内さんが昔よく言っていたよ。『売上は、すべてを癒す』ってね」
でもってSPZ女王ベルトの戴冠歴のある選手・・・伊達遥南利美草薙みこと吉田龍子の4人プラス社長のヒイキで選ばれた小川ひかる。この5名のカレンダーが作成される。
「13枚あって2,000円ならお買い得だと思うよ、ハハハハハ」
アイドルカレンダーのように「2ヶ月で1枚」というマネはしない。良心的だと言いたいのだろう。どんなショットでカレンダーを飾るかというのは本人を交えた制作会社との打ち合わせで決定されるが、小川ひかるのだけは違う。社長が公私混同して内容に介入してくるのである。
「溺愛もここまで来ると笑うしかありませんね」
井上霧子秘書がぼやく。
打ち合わせと撮影で9月10月を使い、パパッと印刷して11月シリーズ開始とともに売り出される。
2017年の小川ひかるカレンダーの内容は次の通りであった。ちなみに表紙は試合出番前にリングコスチューム姿でちょっと緊張している場面を写したショットで飾られた。
(続きます)
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