第1,031回 横浜決闘2055(下)
そしてメインはSPZ戦。
「今度負けたら、1年間は白石さんに挑戦しない」
挑戦者サンダー龍子。これまで(Sクラ優勝決定戦を除いて)白石に勝っていない。
「Too Many Broken Hearts」が流れる中、赤いジャンバーに身を包んだサンダー龍子が決然とした表情でリングへ。
♪この道に誓う 宿命の灯を 絶やさない 思いという名の宝石があるからー
そのあと「Fatally」が場内に響く。
王者白石なぎさはいつものようにポーカーフェースで静々と入場。通算防衛回数30回なるか。
京スポ新聞記者さんの認定証読み上げ、チャンピオンベルト返還といったセレモニーを経て
午後8時22分、ゴング。
「たっ」
序盤はチョップの打ち合い。そして白石がタックル。
―手数を、なんでもいいから、返す
サンダー龍子も負けじとボディスラムを連発。白石を軽々と投げてゆく。序盤戦はお互い互角。
「どうだっ」
エルボーの連発で白石の顔がゆがむ。ムッとした白石、スクラップバスター2連発。この選手、意外に組み立てがうまい。そしてブレンバスターをはさんで得意のSTO
・・・またズルズルとやられるのか・・・
本部席の中森社長が頭を抱える。
「うん・・・」
白石なぎさ、そしてパワフルな掌底を連発。
べしゃっ
サンダー龍子、口元から流血。
「・・・・っ・・・・この!!」
これで怒りに火がついたのか、残る力を振り絞って白石を担ぎ上げた。
「うおおおおおお」
サンダー龍子の必殺技・ターボドロップ2がここで炸裂。白石、回転させられて頭からマットへ。
ワン、トゥ・・・・ドドドドドドド!!
―そんなっ・・・・
得意のターボドロップ2を返されてサンダー龍子、顔がゆがむ。白石なぎさ、ゆっくり起き上がった。
「今度は、こっちの、番」
白石、狼狽を隠せないサンダー龍子を組みとめるや、スプラッシュマウンテン、サンダー龍子、派手にたたきつけられたものの、体制がやや崩れてカバーが遅れたのが幸いしロープへ何とか逃れる。
「・・・えい」
白石、掌底で顔面を殴りつけはり倒す、そしてカバー、
ワン、トゥ・・・ドドドドドドド
龍子2.9で返す。かなりの時間をかけて起き上がってきたが目の焦点があってない。
「えっと・・・・」
なおも攻撃の手を休めない白石、この日2度目のSTO。龍子なお諦めずロープへ逃れる。場内大盛り上がり。
「んっと・・・・」
先に起き上がった白石なぎさ、まったく手を休めず、フィッシャーマンバスター。
ワン、トゥ、スリー。
今度はサンダー龍子、返せず試合は終わった。勝負タイム28分44秒、王者が15度目の防衛に成功。
「ううう・・・」
壮絶に敗北したサンダー龍子、担架に乗せられて退場。
勝った白石なぎさ、SPZベルトの累計防衛回数を「30」とし、歴代1位のマイティ祐希子の持つ記録へ「あと1」と迫った。V15を2回もやるとは抜群の安定感。
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