第1,031..5回 決闘アフター
「横浜決闘」白石なぎさ VSサンダー龍子のあと、
見事15度目の防衛に成功した白石なぎさ、試合後もさほど苦しそうな表情を見せず、「なんとか試合を組み立てられました」というコメントを出すや、シャワーを浴びて私服に着替え、ジャンヌ永原の運転する車で帰宅した。横スペ大会のときは年長組の選手はマイカー通勤が認められているが、タイトル戦に出る選手は大ダメージを負った場合運転して帰れなくなる恐れがあるので、極力乗り合わせを行うよう会社から通達が出ている。
「んじゃ、永原さん、おやすみなさい」
「おつかれー」
戸塚のSPZ本社近くにある年長組選手の社宅アパートに到着した白石。かんたんに夕食のお茶漬けを食べてそのまま就寝した。相変わらずこの人は何考えてるのかわからない部分がある。
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「・・・・・・・・・・」
担架で控室に運ばれたサンダー龍子、ダメージもさることながら精神的ショックで20分ほど起き上がることが出来なかった。付け人の下窪がリングシューズを脱がし、毛布をかける。
ーこのままじゃ、トップに上がって、自分の価値を高めて新団体を作るなんて、はるか先のことになってしまう。
ひとりの格闘選手としては、ただ、白石なぎさを倒したい。会社内でアクションを起こすのはそのあとだ。
「浅野さん(サンダー龍子の本名)、そろそろ引き払わないと」
アリーナではリング及び花道撤去作業が終わりつつある。
「ん。わヵった」
サンダー龍子、リングコスチュームを脱いでシャワーを浴び、手早く私服に着替えると付け人が呼んだタクシーに乗った。
「どうもありがとう」
単身、行きつけのベイサイドホテルへカフェへ向かった。
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そのころ横スペ関係者廊下では緊急打ち合わせが。
「V15の壁は破らせちゃあいかん。SPZの長い歴史でも誰もやってない」
「通算防衛でも後1回祐希子の記録に並んじゃうしね」
「じゃあもうここはスーパーカオスをぶつけるしかないんじゃないの」
「・・・・そうですね」
WWCAのトップ選手であるスーパーカオスにSPZベルトの挑戦者にさせると
それはそれで追加費用の支払いが発生するのだがやむを得ない。
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