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2011年1月31日 (月)

第1,036.5回 ジャンヌ永原引退記念パーティー

2055年7月24日、ジャンヌ永原の引退記念パーティーがベイサイドホテルのバンケットルームで盛大に行われた。

「おかげ様で、レスラー生活を完走できました。これまで支援いただいた皆様に、感謝します!!」

フローラ小川以来、SPZのスター選手は自腹で引退記念パーティーを開くのが慣例となりつつある。

テーブルの上にはローストビーフや牛フィレ肉のパイ包みなどの豪華な料理が並べられ、招待されたマスコミ記者さんやトレーナー、リングドクター、そしてSPZ選手の関係者は一心不乱に飲食した。

ジャンヌ永原は関係者一人ひとりに声をかける。先輩のフローラ小川がまめな人だったのでその影響を相当受けている。

「龍子ちゃん」

ジャンヌ永原がサンダー龍子に声をかける。

「来月のSクラ、頑張ってね。白石さんの次はあなたがエースなんだから。SPZをあなたが引っ張っていってね。」

 「あ、はい・・・分かりました」

ジャンヌ永原は知っている。サンダー龍子はキャリアのわりに支援者がやたら多く、ギャラの交渉もいつも長引くなど、他の選手とは色が違うことを。

 「永原!引退おめでと!まあ飲め」

このためだけに新潟から上京したジャスティスえちごが和って入り、ジャンヌ永原のグラスにビールを注ぐ。

2011年1月30日 (日)

第1,036回 業務命令

47年目7月

「みんな、ありがとう!!」

最終戦を最高のジャーマンで制したジャンヌ永原が叫ぶ。

所属全選手の手により3度胴上げされたジャンヌ永原、最後は優香とガッチリ握手して、引き揚げた。

そのあとメインイベントまで5分ほどの合間。場もたせで渡辺智美(SPZ5期)歌謡ショーが行われた。

そして新日本ドーム大会メインはSPZ戦、新王者スーパーカオスに挑むのはサンダー龍子。

5月の横スペ大会で白石に敗れた際、「1年間は白石さんに挑戦しない」と発言していたが、ベルト海外流出という異常事態なので、スーパーカオスに勝ったことがある選手ということで、半ば「業務命令」で、サンダー龍子が挑戦者となった。

「あの選手はなるようにしかならん」

後援者から贈られた黒いロングガウンを着て入場したサンダー龍子、赤コーナー側に立つスーパーカオスをきっと見据える。午後8時33分、ゴングが鳴った。

「フフフフフ」

スーパーカオスの重厚な攻め。やはりパワーなら圧倒的に上だ。サンダー龍子、きょうはズルズルといってしまい、パワーボム、裏投げをもらってしまって劣勢に追い込まれる。

「フフフフフ」

2発目のパワーボム。これ以上受けられないと判断したサンダー龍子、ふらつく足で踏ん張りながらターボドロップ2、あの重量級のスーパーカオスを回転させながら落としたがスーパーカオスもきっちり受け身を取っていた。さすがプロレスサイボーグ。

「フフフ・・・無駄ダ。そんな攻撃は、きかん。」

サンダー龍子、なおもミサイルキック、タイガードライバーで反撃したが後が続かず

「フフフフフフ」

スーパーカオス、ここで切り札のスーパーハンマー。

「ぐがっ」

これでサンダー龍子をなぎ倒し3カウントを奪った。勝負タイム17分1秒。新王者が初防衛に成功。

「うう・・・・相手のペースでプロレスをしてしまった・・・・」

サンダー龍子、ベルト獲りはならなかった。スーパーハンマーのダメージが深く、ドルフィン下窪の肩につかまって引き揚げた。

*********************************

そのあとジャンヌ永原の引退セレモニー。私服に着替えたジャンヌ永原が笑顔でリングイン。そしてファンに最後の挨拶。

「みんな、今まで応援ありがとう!!」

スープレックス攻勢で多くのファンを魅了してきた個性派レスラーがリングを降りた。

******************************

ジャンヌ永原

SPZ38期

2046年4月20日、京都府立体育館での対 クラリッジ成瀬戦でデビュー。2055年7月23日、新日本ドームでの対優香戦で引退。稼動月数112ヶ月、出場試合数(概算)816試合。

タイトル歴

第103代、第105代・第107代SPZ世界タッグ王者(パートナーはフローラ小川)

第111代SPZ世界タッグ王者 (パートナーはミシェール桜井)

第73代・第75代 あばしりタッグ王者(パートナーはクラリッジ成瀬)

2011年1月29日 (土)

第1,035回 ジャンヌ永原最終試合

47年目7月

最終戦は、新日本ドーム大会。

「ジャンヌ永原 最終試合」

の大看板が掲げられた。会場入り口の特設テントではジャンヌ永原のグッズが半額で投げ売りされるひつものセール。そこそこ人気のある選手なので、物販スタッフはおおわらわだった。

「SPZベルトまではあと少しのところまでいったんだけどね」

得意技のジャーマンの切れ味は素晴らしいものがあったのだが、守勢に回ったときに難があり、女王の座につくことはかなわなかったが、SPZマットで存在感を大いに発揮された。

午後6時半にいつものように第1試合開始。

第1試合は杉浦美月対富沢零子。淡々と始まった若手同士の第1試合。序盤は基本的な攻防をきっちりやる両者。

だが、5分経過と同時に杉浦が仕掛けた。するするするっと組み付いてドラゴンスリーパー。

「うわあああああーっ!ギブアップ!!」

勝負タイム5分37秒、杉浦が1期先輩の貫禄を見せた。負傷で先月のSクラ予選会には出場できなかったが、自分のプロレスをしっかり磨きつつある。

*****************************

第2試合はNARATA対ドルフィン下窪のシングルマッチ。

プレーオフまで行ったのだがSクラ本大会出場を逃したD下窪、悔しさをぶつけるいい攻め。

「たっ」

空手の経験を生かした得意の二段蹴りも見せたが、受けきったNARATAが強烈なボディスラムで反撃開始、ひるんだ所をフェイスクラッシャーで3カウント。勝負タイム11分4秒。

外人同士のタッグマッチをはさんで休憩。

******************************

休憩明けのあと、後半の試合。このあたりでジャンヌ永原もリングコスチュームに着替えて、アップを始めた。

そのあと第4試合。これも注目カード。オーガ朝比奈とグリズリー山本がタッグを組んで(今シリーズ八島さんは腰痛のため欠場)、ジュディコーディ、アナベラスミスと対戦。

「グハハハハ」「ウオオオオオオオ」

イスを振り回しながら入場するグリズリー山本、ヒザには分厚いニーブレスが装着されているが、タッグマッチならまだまだ元気だ。

この試合は盛り上がった。28分34秒のロングマッチの末、最後は朝比奈のスタミナが尽きてしまい、そこへジュディがデスバレー2連発。これで朝比奈は3カウントを奪われた。

***************************

セミ前は近藤真琴&真壁なつきの元タッグ王者チームが登場。

白石なぎさ&ミシェール桜井(このタッグは異色だ)と対戦。これまた激戦が展開された。

ぐしゃっ

真壁のエレガントブローでM桜井が流血。しかし残った白石が奮戦。真壁を捕まえてSTO,フィッシャーマンバスター、STOのすごい攻撃。これで真壁から3カウント奪取。勝負タイム24分11秒。

第4試合とセミ前がかなりいい試合になったのだが、場内のファンは少しもだれない。

まず場内にかかったのは「Little Baby Nothing」明るいデュエットの洋楽に乗って優香が花道を走ってリングイン。

そのあと、

「次の試合に登場するジャンヌ永原選手はこの試合が最後のファイトとなります。ファンの皆様より一層のご声援をよろしくお願いいたします」

引退試合であることを告げる定例句のあと、どよめき。

セミファイナル、ジャンヌ永原最終試合。

「トースト咥えたあいつにおはよう」がかかり、ジャンヌ永原が最後のリングへ向かう。トップ取りはならなかったが、上位グループで長く活躍された。古傷の首の具合がよくないのと、来月に結婚披露宴を控えていることもあり、ついに引退を決意した。

対戦相手は2年目の優香。さすがに表情が硬かったが、試合が始まるやタックルやドロップキックを繰り出していった。優香の攻めを懸命にこらえるジャンヌ永原。

「これで・・・決める」

優香、勝負をかけたシューティングスタープレス。しかしJ永原は2.5でクリアして、

「超必殺技!」

最後に最高のジャーマン。優香を見事にハイブリッジで投げきって3カウント。勝負タイム14分38秒。

神田レフェリーがマットを3つ叩いた。たちまち投げ入れられる紙テープ。そのあと全選手がリングに上がり、ジャンヌ永原を胴上げした。

(続きます)

2011年1月28日 (金)

新宿グルメ18 安具楽

今回ご紹介いたしますのは

西新宿は新宿センタービル地下街にあります「安具楽」

あの銀座ライオン系列の居酒屋店舗でして、個室座敷などもあり、西新宿のビジネスマン御用達の店です。

社用の忘年会で1回行ったのですが、社用では味を判断できないので仕事帰りでもう一回足を運んでみました。

おでん盛り合わせが980円と高いうえに味はそれほどでもない。

おやじサラダ(海鮮サラダ)もそれなりの味。

この店のウリの刺身盛り合わせは2人前からだったので注文できませんでした。

美味しかったのはサバの燻製 桜スモーク(950えんだったと思う)はうまかった。

桜チップでスモークするとサバというありふれた材料でもここまで変わるかと思った。

でもその3品と酒2杯飲んで3800円くらいした。

まあ、グループでいくのだったらお勧めの店です。

2011年1月27日 (木)

WAS特訓SS メディシンボール

「正直あまり気が進まんな」

時に西暦2060年。SPZの道場で、SPZ51期、美冬がつぶやく。

「だ、相手の攻めを受けきるのもプロレスですから。この特訓は避けて通れませんよ」

1期先輩の武藤晶(ジーニアス武藤)が諭す。

リング中央に立つ美冬。四方のコーナーには先輩レスラーの優香、杉浦美月、小嶋聡美そしてジーニアス武藤が。手にはバスケットボールのようなものを持っている。

「じゃあ、行きます・・・えいっ」

ジーニアス武藤がボールをぶつける。

「ぐっ」

美冬が肩で受ける。もちろん投げたのはバスケットボールではない。中に砂を詰めた特訓用のメディシンボールと呼ばれるシロモノでかなり重い。SPZの特訓で使われる定番の道具だ。

「えいっ」

続いて優香が勢い良くボールを投げた。これは頭で受けた美冬。

「ぐっ・・・・」

大きくよろめく。

「てい」

ここで小嶋が3級目を続けざまに投げた。これが脳天に入ってしまったらしく、片ヒザをつく美冬。そこへ杉浦が4級目。

「ウッ」

わき腹に命中。痛みに耐えかね倒れこむ美冬。リング下からはコーチ陣が追加のボールを先輩選手に手渡している。

バシッ、ビシッ、

美冬、砕けそうな意識の中、頭の急所だけをかばいながら、倒れ伏した状態でボールの猛攻を受ける。

そして10分ほど経った。4人の先輩選手はボールを10球ずつ投げた。

うつぶせにダウンした状態の美冬をジーニアス武藤がひっくり返してカバー。杉浦美月がカウントを数える。

「ワン、トゥ・・・」

カウント2で美冬はフォールをはね帰した。

「やった・・・耐え切った・・・」

なんとかふら付きながらも起き上がる美冬。メディシンボールの洗礼を耐え切った。過去これで意識を失ったりケガをした選手は数知れないのだが、美冬は受けきった。この経験が後日の躍進につながってゆくのである。

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WASの選手育成メニューである「特訓」は何をやるのか。想像して書いてみました。

2011年1月26日 (水)

冬は続く20110126

今週のスポーツニュースみたいなもの。

■プロレス

・全日本プロレス渕正信選手57歳。

ボディスラム一発で場内を沸かせることのできる名選手。35年もひとつの団体に上がり続けた老雄まだ健在。

・世界ジュニア選手挑戦者決定戦 カズハヤシVS近藤修司

ストーリーの流れ的には近藤が勝つんだろうな。

■野球

キャンプイン間近。石井琢朗選手も沖縄入り。今年からチームメイトになった豊田清投手と健闘を誓い合う。今年のカープはどうだろう。

■相撲

・白い子6連覇

まあこんなものでしょう。千秋楽結びの一番に魁皇が出てきて感動した。

・魁皇懸命の土俵

今場所もクンロクで乗り切りました。しかし10日目のキセノサト戦で右肩を痛め、注射やら鍼治療やらテーピングで応急措置してやっとの思いで勝ち越し。千代の富士の通算勝ち星記録まで10勝。アクシデントがなければ5月場所で達成か。

・次の大関は誰か

◎琴奨菊 (出身福岡 柳川市)

 がぶり寄りという「自分の型」を持っている。日馬に滅法強い。ずんぐりむっくりした体型で攻めにくい。親方衆の評価はこの力士が一番高い。そして琴欧州と対戦せず、格上が4人しかいないので(白い子、バルト、カモにしている日馬、ボロ大関)白星を稼ぎやすい。20kgの錘をいつも足にはめてるという努力家。

○稀勢の里 (茨城県牛久市)

 あの白い子に2連勝したのですよ。これだけでも大関になる資格がある。しかし欧州の2人(琴欧州・バルト)に弱い。ポカ癖がある。だが魁皇も大関に上がるのに難渋したのだから悲観する必要はない。

△豊ノ島 (高知県宿毛市)

 今場所はバルトに勝ったあと7連敗7連勝というジェットコースターぶり。小柄な上背をカバーするテクニックはピカイチ。

▲豪栄道 (大阪出身)

野球賭博で下がっていたがようやく上位戦線に戻ってきた。魁皇を真っ向勝負で下すなど、地力はあるので。

▲鶴竜 (モンゴル)

モンゴル第三の男。ゴルフに行ったときの会計係。今場所も小結で勝ち越したので地力はある。

上位の大関が微妙な分(後半失速する琴欧州、足の負傷で本調子でない日馬とバルト、そしてポンコツ大関)3場所で33勝をクリアするのは難しいことではないだろう。

今週はこんなところ。

2011年1月25日 (火)

第1,034回 がんばれ優香

47年目
「へへっ、ありがとうございました」

SPZ37期、ジャンヌ永原が引退を表明。

Sクラ出場権を取ったのにどうしたのかという声もあったが、関係筋の話では古傷の首がけっこうやばい状況なのと、結婚(相手は一般の会社員とのこと)らしい。

なおSPZクライマックス出場権はB組2位が未確定で、しかも6月シリーズで2点を獲得したひとり、辻香澄が右太もも負傷で戦線離脱。したがって、宙に浮いたA組とB組の枠1つずつは、

6月の予選会で2点を獲得した残り3人―ミシェール桜井、優香、ドルフィン下窪の3人で「プレーオフ」を行い出場枠を争うことになった

シリーズは東北地方を南下。第5戦いわき大会でプレーオフ第一戦。

優香(1点、時間切れ引き分け)D下窪(1点)

進境著しい優香と、打撃には見るべきもののあるドルフィン下窪の対決。前月の対決では下窪が勝っている。序盤は優香ペースで進んだが、下窪の掌底連打で流れが変わる。ドルフィン下窪、シャイニングウィザードまで見せて追い込んだが、けっきょく両者決め手を欠き、時間切れドローとなった。

翌日の宇都宮大会ではプレーオフ2戦。

優香(3点、シューティングスタープレスからの体固め)M桜井(0点)

ローリングソバットを連発して追い込んでいった優香だが、M桜井もタイガードライバーで反撃。試合は長引いたが、2発めのタイガードライバーで追い込まれた優香が勝負に出て、秘技・シューティングスタープレスで勝利を引き寄せた。この結果、優香の2位以上が確定し、優香のSPZクライマックス初出場が決まった。

「や、やりました・・・・っ」

入社2年目でのSPZクライマックス出場は快挙といっていいだろう。

そして第7戦、幕張大会。

M桜井(2点、ダイビングプレスからの体固め 14.19)D下窪(1点)

負けか引き分ければ4年間出てきた本大会出場がなくなってしまうM桜井、勝つか引き分ければ初出場が決まるドルフィン下窪。お互い持ち味を出すいい勝負。2度目のダイビングプレスで何とか勝ちをもぎ取ったミシェール桜井が本大会出場を決めた。

「うううっ・・・」

先月に続いて「勝てば本大会出場」のチャンスを逸したドルフィン下窪、控室で涙ぐんだ・・・

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幕張大会メインはSPZ世界タッグ戦。王者ジュディコーディ、アナベラスミスに挑むのは、白石なぎさ、優香組。
「いつまでも海外団体にタッグベルトもたせたままというのもいかんのです」

中森社長が白石にタッグベルト奪還を命じた。全盛期からやや力が落ちているとはいえ、先月までSPZシングルベルトを巻いていたのでそのパワーは健在。この日もアナベラを軽くあしらう。

「私がヤル。」

ならばとジュディ・コーディが出てくる。優香を捕まえかけたが優香もうまく立ち回って白石にスイッチ。しかしシングルベルトを失ったせいか、白石の動きにいつもの精彩がない。ジュディ・コーディにズルズルと攻め込まれてしまう。

「食ライナ」

そしてこんどこそ優香を捕まえて、バックドロップ2連発で動けなくしておいて、合体パワーボムで3カウント奪取。勝負タイム28分58秒、王者組みが2度目の防衛に成功。

2011年1月24日 (月)

第1,033回 47年目6月 新記録達成なるか

47年目6月

第4戦神戸大会から、こんどはBブロック。

D下窪(2点、二段蹴りからの片エビ固め 19.14)優香

デビュー2年目の優香、レスリングセンスも抜群で受けもうまいので会社側からの期待も高い。この日はたたき上げのドルフィン下窪と対決。

「そりゃっ」

ローリングソバットを連発して攻めて行く優香、しかしドルフィン下窪もノーザンライトSHで反撃。試合が膠着化しはじめたとき、優香が初公開のシューティングスタープレス。これには場内どよめいた。しかしこれを2.9で返した下窪、お返しの二段蹴り。これで優香を沈めた。

NARATA(2点、裏拳からの片エビ固め 8.09)辻

予選会出場メンツのなかでは実力的に抜き出ているNARATA、あっさりと辻を殴り倒して白星発進。

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第5戦は福井大会。

NARATA(4点、農鳥からの片エビ固め 12.34)D下窪(2点)

NARATAが粘る下窪を振り切った。最後は見事な農鳥(急角度ミサイルキック)で決めた。

「NARATA選手の農鳥はいつ見てもフォームがいいですね。さすが元忍者あがりです」

優香(2点、シューティングスタープレスからの体固め 14.09)辻(0点)

優香が予選会初白星、昨日の反省からか、積極的に攻めた。終盤息切れしたところをバックドロップを食らうなど危ないシーンはあったが、最後は必殺シューティンスターで勝利。

******************************

第6戦は、金沢大会。

NARATA(6点、農鳥からの片エビ固め 13.58)優香(2点)

スピードならNARATAのほうが上、ひとつひとつの技の重さはくらべものにならない。優香のシューティングスタープレスを受けきった上で攻めに転じ、農鳥でフォール勝ち。いちばやくBブロック1位通過を決めた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

このくらい当たり前だという感じ。無表情のまま引き揚げるNARATA.

辻(2点、バックドロップからの片エビ固め 14.53)D下窪(2点)

勝てば2位通過が決まるD下窪、しかしそれで固くなったのか辻に攻め込まれてしまう。そのままズルズルといってしまい最後は辻のバックドロップに屈した・・・

この結果、Bブロックは辻香澄、優香、ドルフィン下窪が2点で並び、直接対決の成績も3すくみなので、7月に「決着戦」を行うことが発表された。

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第7戦高岡大会ではあばしりタッグ戦が組まれた。辻香澄、真壁なつき組があばしり王座を奪還。辻香澄がバックドロップでトラットリアマスクをしとめた。勝負タイム20分44秒。

最終戦は、さいたまドーム大会。

メインで大記録がかかる大一番があるのでチケットの売れ行きも上々

セミ前から3大シングルマッチ。セミ前は近藤真琴がオーガ朝比奈を蹴りまくって沈黙させた。

セミファイナルはサンダー龍子VSジュディ・コーディ。サンダー龍子が危なげないファイトを見せて、ジュディコーディをバックドロップで退けた。快勝である。

「このくらいの相手に手こずるわけには行かない」

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そしてメインはSPZ戦、王者白石なぎさに対するはスーパーカオス。

防衛街道を突っ走り自身2度目のV15を果たした白石なぎさ、止められるとしたらWWCAの人間サイボーグ・スーパーカオスしかいないと会社側が判断した。長い長いSPZの歴史でも団体の至宝を16回連続で防衛した選手はいないのだ。

「んっ・・・・・・」

きょうは白石の動きがいまひとつ。スーパーカオスのスーパーDDT2連発で頭を打ってしまったか、動きに精彩を欠く状況。そこへスーパーバックドロップ、スーパーニーリフトをもらってしまう。白石もスプラッシュマウンテンで逆転をかけたが、スーパーカオスは2で返して

「フッ・・・・」

すばやくバックに回って、スーパージャーマンスープレックス。白石はフォールを返せなかった。

「フフフフ・・・」

勝負タイム25分7秒、ついに白石政権が止まった。団体の至宝が海外流出。白石なぎさV16の新記録はならなかった。

あーあという場内の空気。勝ち誇るスーパーカオス。破れた白石はいつものように淡々とした表情で、一礼してから引き揚げた。

2011年1月23日 (日)

第1,032回 47年目6月 予選会Aブロック

47年目6月

恒例のSPZクライマックス予選会。

出場選手は下記の8名。
(Aブロック)

ジャンヌ永原(前回本大会6点)
ミシェール桜井(前回本大会0点)
真壁なつき(SPZ期)
富沢零子(SPZ47期、ほんらいは杉浦美月が出場するはずだったが、杉浦負傷欠場で急遽参戦決定)

(Bブロック)

NARATA(前回本大会4点)
辻香澄(前回本大会2点)
優香(SPZ46期)
ドルフィン下窪(SPZ45期)

第1戦山口大会から予選会がスタート。まずAブロックから

真壁(2点、ミサイルキックからの片エビ固め 6.36)富沢

「まあ、相手は新人、楽勝よ。問題は明日以降ね」

真壁があっさりと白星発進、

J永原(2点、ジャーマンSH 9.34)M桜井

タッグパートナー同士の対戦。お互い手の内を知り尽くしているのでやりづらいはず、しかし何も考えずにスープレックス攻勢を仕掛けたJ永原が競り勝った。

山口大会メインイベントはSPZタッグ戦、王者の外人コンビジュディコーディ、アナベラスミスに挑むのはSPZ実力派コンビ、元タッグ王者のNARATA、オーガ朝比奈組。

しかしジュディのパワーの前に挑戦者組、どうしても主導権を握れない。終盤。アナベラを捕まえかけたが振り切られてしまう。そして再びジュディ登場。NARATAを豪快なラリアットで吹き飛ばす。NARATAも身のこなしを生かして丸め込みを連発して隙をうかがうが、形勢を変えるに至らない。最後はスタミナの尽きたオーガ朝比奈が捕まってしまい、

「HAU」

独特のバネを生かしたアナベラスミスのフロントスープレックスにやられてしまった。勝負タイム39分7秒の熱戦。王者組が初防衛に成功。SPZはベルトを取り返すことが出来なかった。

*****************************

第2戦は島根大会。

J永原(4点、ジャーマンSH 4.29)富沢(0点)

格からいってジャンヌ永原の完勝。富沢はジャーマンの衝撃でしばらく起き上がることが出来なかった・・・・

真壁(4点、エレガントブローからの片エビ固め、18.12)M桜井(0点)

真壁なつきがエレガントブローで殴り倒して3カウント奪取。これでAブロックは3戦目を待たずして通過者の2名―真壁なつきとジャンヌ永原―が決まった。

「こうなったら永原さんも倒して1位通過を狙うわ」

************************

第3戦は鳥取大会、Aブロック最後の2試合。

M桜井(2点、フランケンシュタイナーからのエビ固め 9.16)富沢(0点)

ミシェール桜井が先輩の貫禄を見せて勝利。最後はフランケンでかっこよく決めた。

真壁(6点、延髄斬りからの片エビ固め 18.38)J永原(4点)

ジャンヌ永原のラリアット連発を耐えた真壁が延髄で勝利。これで先輩越えを果たすとともに堂々のAブロック1位通過。

「なつきちゃんにも、取られちゃったか・・・・」

古参のジャンヌ永原、さすがに落ち込んでいた。

2011年1月22日 (土)

第1,031..5回 決闘アフター

「横浜決闘」白石なぎさ VSサンダー龍子のあと、

見事15度目の防衛に成功した白石なぎさ、試合後もさほど苦しそうな表情を見せず、「なんとか試合を組み立てられました」というコメントを出すや、シャワーを浴びて私服に着替え、ジャンヌ永原の運転する車で帰宅した。横スペ大会のときは年長組の選手はマイカー通勤が認められているが、タイトル戦に出る選手は大ダメージを負った場合運転して帰れなくなる恐れがあるので、極力乗り合わせを行うよう会社から通達が出ている。

「んじゃ、永原さん、おやすみなさい」

「おつかれー」

戸塚のSPZ本社近くにある年長組選手の社宅アパートに到着した白石。かんたんに夕食のお茶漬けを食べてそのまま就寝した。相変わらずこの人は何考えてるのかわからない部分がある。

****************************

「・・・・・・・・・・」

担架で控室に運ばれたサンダー龍子、ダメージもさることながら精神的ショックで20分ほど起き上がることが出来なかった。付け人の下窪がリングシューズを脱がし、毛布をかける。

ーこのままじゃ、トップに上がって、自分の価値を高めて新団体を作るなんて、はるか先のことになってしまう。

ひとりの格闘選手としては、ただ、白石なぎさを倒したい。会社内でアクションを起こすのはそのあとだ。

「浅野さん(サンダー龍子の本名)、そろそろ引き払わないと」

アリーナではリング及び花道撤去作業が終わりつつある。

「ん。わヵった」

サンダー龍子、リングコスチュームを脱いでシャワーを浴び、手早く私服に着替えると付け人が呼んだタクシーに乗った。

「どうもありがとう」

単身、行きつけのベイサイドホテルへカフェへ向かった。

***************************

そのころ横スペ関係者廊下では緊急打ち合わせが。

「V15の壁は破らせちゃあいかん。SPZの長い歴史でも誰もやってない」

「通算防衛でも後1回祐希子の記録に並んじゃうしね」

 「じゃあもうここはスーパーカオスをぶつけるしかないんじゃないの」

「・・・・そうですね」

WWCAのトップ選手であるスーパーカオスにSPZベルトの挑戦者にさせると

それはそれで追加費用の支払いが発生するのだがやむを得ない。

2011年1月21日 (金)

第1,031回 横浜決闘2055(下)

そしてメインはSPZ戦。

「今度負けたら、1年間は白石さんに挑戦しない」

挑戦者サンダー龍子。これまで(Sクラ優勝決定戦を除いて)白石に勝っていない。

Too Many Broken Hearts」が流れる中、赤いジャンバーに身を包んだサンダー龍子が決然とした表情でリングへ。

♪この道に誓う 宿命の灯を 絶やさない 思いという名の宝石があるからー

そのあと「Fatally」が場内に響く。

王者白石なぎさはいつものようにポーカーフェースで静々と入場。通算防衛回数30回なるか。

京スポ新聞記者さんの認定証読み上げ、チャンピオンベルト返還といったセレモニーを経て

午後8時22分、ゴング。

「たっ」

序盤はチョップの打ち合い。そして白石がタックル。

―手数を、なんでもいいから、返す

サンダー龍子も負けじとボディスラムを連発。白石を軽々と投げてゆく。序盤戦はお互い互角。

「どうだっ」

エルボーの連発で白石の顔がゆがむ。ムッとした白石、スクラップバスター2連発。この選手、意外に組み立てがうまい。そしてブレンバスターをはさんで得意のSTO

・・・またズルズルとやられるのか・・・

本部席の中森社長が頭を抱える。

「うん・・・」

白石なぎさ、そしてパワフルな掌底を連発。

べしゃっ

サンダー龍子、口元から流血。

「・・・・っ・・・・この!!」

これで怒りに火がついたのか、残る力を振り絞って白石を担ぎ上げた。

「うおおおおおお」

サンダー龍子の必殺技・ターボドロップ2がここで炸裂。白石、回転させられて頭からマットへ。

ワン、トゥ・・・・ドドドドドドド!!

―そんなっ・・・・

得意のターボドロップ2を返されてサンダー龍子、顔がゆがむ。白石なぎさ、ゆっくり起き上がった。

「今度は、こっちの、番」

白石、狼狽を隠せないサンダー龍子を組みとめるや、スプラッシュマウンテン、サンダー龍子、派手にたたきつけられたものの、体制がやや崩れてカバーが遅れたのが幸いしロープへ何とか逃れる。

「・・・えい」

白石、掌底で顔面を殴りつけはり倒す、そしてカバー、

ワン、トゥ・・・ドドドドドドド

龍子2.9で返す。かなりの時間をかけて起き上がってきたが目の焦点があってない。

「えっと・・・・」

なおも攻撃の手を休めない白石、この日2度目のSTO。龍子なお諦めずロープへ逃れる。場内大盛り上がり。

「んっと・・・・」

先に起き上がった白石なぎさ、まったく手を休めず、フィッシャーマンバスター。

ワン、トゥ、スリー。

今度はサンダー龍子、返せず試合は終わった。勝負タイム28分44秒、王者が15度目の防衛に成功。

「ううう・・・」

壮絶に敗北したサンダー龍子、担架に乗せられて退場。

勝った白石なぎさ、SPZベルトの累計防衛回数を「30」とし、歴代1位のマイティ祐希子の持つ記録へ「あと1」と迫った。V15を2回もやるとは抜群の安定感。

2011年1月20日 (木)

第1,030回 横浜決闘2055(上)

47年目5月 バトル・カデンツァ

四国各地で熱戦を繰り広げたSPZご一行、最終戦は本拠地に戻って横スペ大会。

第1試合はミシェール桜井VSブルー・ローズ。

ベテランの域に入ったミシェール桜井がパフォーマンスを交えながらブルーローズといい勝負を展開。必殺ダイビングプレスも決めたが、この攻めをしのぎきったブルーローズがラリアットをぶち込んで形勢逆転。

「YAAA」

DDTでミシェール桜井は3カウントを喫した。勝負タイム14分28秒。

続く第2試合、早くも強豪選手NARATAが登場。SPZ世界タッグ新王者のアナベラ・スミスとシングル対決。

「HAUUU」

タッグ王者を戴冠して勢いに乗るアナベラがリズムいい攻めを見せるが、NARATAも強烈なソバットで応戦。勝負は白熱した。しかしNARATA、リーサルムーブの転付峠(変形タイガードライバー)で弱らせると、ダイビングプレスでなんとか3カウントを奪った。

「・・・・・・・・・・・・・・」

勝負タイム19分10秒の締まった試合だった。勝ったNARATAも辛そうに勝ち名乗り。

休憩前第3試合は6人タッグマッチ。

「ウァハハハハハハハ」

鉄パイプを振り回しながら入場した大ベテランのグリズリー山本、続いて八島静香、杉浦美月が入場、

そして青コーナー側からはガンスリンガーの3人(真壁なつき、辻香澄、ドルフィン下窪)が登場。

先発こそ若い杉浦と下窪が基本どおりにやりあったものの、グリズリー山本が出てくるや試合はむちゃくちゃに。力任せのラフファイトで相手をいたぶる。

「なめんな!」

最古参の八島さんもまだまだ元気。得意のぶちかましで下窪をふっとばし、最後はグリズリー山本がギロチンドロップ。これで下窪から3カウント奪取。勝負タイム9分14秒。

「ウァハハハハハ」

グリズリー山本が下窪を踏みつけ高笑い。八島さんはそばでにらみを利かせる。女帝コンビが貫禄を見せた。その試合が終わると休憩。

***********************************

休憩明け第4試合はタッグマッチ。ジャンヌ永原、優香対ダイナマイトリナ、トラットリアマスク組。

「うううっ」

ダイナマイトリナのパワーに苦しむ優香。しかしそこはジャンヌ永原がいいフォローを見せる。
「どっせーい!」

ノーザンライトスープレックスを連発して流れを引き寄せる。

「はい終わりー!」
最後はジャンヌ永原、代名詞のジャーマンでダイナマイトリナを投げきって3カウント。勝負タイム17分21秒。

そのあと、ビッグマッチ恒例の3大シングルマッチ。

セミ前は近藤真琴対オーガ朝比奈。

最近メキメキと力をつけてきたオーガ朝比奈がトップグループの一員・近藤に挑む。そのパワーを生かしたヘッドバットを軸に近藤を攻略して、

「つぶれろー」

高角度パワーボムでたたきつける。しかし近藤は受けきって2で返す。ならばとオーガ朝比奈はパイルドライバー。これも2で返す近藤。

「もいっちょう」

2度目のパイルを狙った朝比奈、しかしこれは近藤、食えないと思ったのかリバースで返す。
「クソーッツ」

ならばとオーガ朝比奈、バックドロップ。しかし近藤これも2.8で返す。意外に盛り上がった一戦、場内大歓声。朝比奈まさかの近藤越えか?

しかし近藤落ち着いて反撃開始、ニールキック。しかし朝比奈2.9で返す。

「まだまだあ!」
しかしここで近藤、不意打ちの掌底。

がすっ

「アッー」

崩れ落ちるオーガ朝比奈、覆いかぶさる近藤、これで3カウントが入ってしまった。勝負タイム26分18秒の激戦は近藤が制した。

「いや驚きました、前女王の近藤をここまで朝比奈が追い込むとは」

セミファイナルは最強外人対決。スーパーカオスがスーパーハンマーでジュディ・コーディを下した。勝負タイム11分23秒。

そしてメインはSPZ戦。白石なぎさに挑むのはサンダー龍子。

「今度負けたら、1年間は白石さんに挑戦しない」

2011年1月19日 (水)

さむいよー20110119

こんにちは、WAS没頭中筆者のkonnoです。

今週のスポーツニュースっ

■プロレス

次期三冠挑戦者決定戦は曙VS KENSO VS KONO

どうせ三流悪役集団のブードゥが介入してきてKONOになるのではないか。

曙の三冠挑戦も見てみたい気がするが、巨体だけが売りなので

シングルマッチに耐えられるかがね。タッグマッチなら休めるけど。

■プロ野球

今週は取り立てて書くことなし。

石井琢朗選手は伊豆で自主トレ中。ブログに晒された貢ぎ物の数々。

■相撲

この原稿を書いている時点では文化財大関・魁皇6勝3敗。

通算出場回数1700回目を白星で飾りました。

残る相手は白い子、欧州・日馬・把瑠(通称ヒマカロバル)3大関

、白の連勝を止めたデブ猫(通称マレス)、あとザコ1人(玉鷲or豪栄道)

果たしてこの中から2勝できるのか。はらはらどきどきです。

優勝争い?どうせ白い子が(以下略)

■猛烈に寒い

酔っぱらってエアコンのリモコンをどこかにやってしまった。エアコンが機能しない

ブラック企業に勤めてるので石油が買えない。

電気ストーブは狭い部屋では危険なので、現時点の暖房は電気毛布だけ。

寝るときはジャンパー着てブランデー飲んで寝てます。

■しまなみ海道65km徒歩で歩いてみた。

旅行記は本家HPに晒しています。

2011年1月18日 (火)

全日前橋大会観戦記04

引き続き全日前橋大会観戦記。セミとメインを。

そしてセミファイナル、

曙、西村修、KAI VS TARU KONO スーパーヘイト

「ヨ・コ・ヅ・ナ インパクト!」の叫びに始まる曙のテーマ曲で赤コーナー側の3人が入場。西村は「無我」のロングガウン姿。若手のKAIと3人でトリオを組む。

ブードゥの3人は悪の首魁TARU、そして昨年悪の軍団に身を投じた河野真幸改めKONO、そして平井伸和がヒール化したヘイトが今年からグレードアップして「スーパーヘイト」を名乗る。顔は黒いペイント、金髪、SUPERとプリントされた金色のトランクスとグローブ、そしてトレードマークの消火器も金色。場内爆笑。

裁くレフェリーは引き続きボンバー斉藤。先発は西村とスーパーヘイト。スーパーになっても平井は平井なのでそんなに強くない。コーナーで「スーパースーパースーパースーパー」と檄を飛ばすTARU。異様な雰囲気だ。

スーパーヘイトは強烈?なパンチ攻撃で西村をたじろがす。しかし西村もエルボースマッシュでお返し。KONOは体格のわりに印象がない。まだまだ若手の域を脱し切れておらずオーラが感じられない。時折場外乱闘をおりまぜながらバタバタした戦いが続くが、10分過ぎにようやく曙がリングイン。その巨体でVMの3人を圧倒。

これで試合の流れが変わり、そのあとうまく赤コーナー側が分断作戦を仕掛け、スーパーヘイトが孤立。そこへ曙がランニングボディプレス。これで3カウントが入った。TARUは「曙、お前の世界タッグ、どんな手を使ってでも取ってやるからな覚えてろ、そのときはヘイトは使わんから、ま、そういうこっちゃ」などと捨てゼリフをはいて退場。

そして又場内に響く「ヨコヅナインパクト」バタバタした試合だったが、曙の巨体を間近で見れて満足。

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メインイベント 諏訪魔 真田聖也 征矢学 VS 太陽ケア 鈴木みのる 船木誠勝

ケア・鈴木船木の超党派軍に諏訪魔率いる全日本本隊がぶつかるカード。超党派軍は「T・K・O~」がひたすら繰り返される太陽ケアのテーマ曲で入場。メインイベントなので裁くレフェリーは和田京平。キョーヘーコールも出た。そしてゴング。

諏訪間と太陽ケアは今シリーズ最終戦にタイトルマッチを控えておりその前哨戦ということで意識しながらやりあう。そのままタッチが続き、6人タッグマッチらしい展開となったが、船木のハイキックが真田に命中して真田が悶絶するシーンが。

すぐさま「もうコレデオワリなんじゃねえのか」などと悪態をつく鈴木みのる。これで試合は一気に超党派軍ペースになった。諏訪魔が挽回を図るがどうも空回り、強引にケアにラストライドを仕掛けようとするが切り返される。

試合終盤になるとダメージの深い真田と征矢が赤コーナー下でふがいなく倒れこむ場面が目に付いた。なおも奮闘する諏訪魔。しかし15分過ぎに試合が若干乱戦になり、6人が入り乱れる状況に。そのときケアが波乗りスープレックスで諏訪間をブン投げた。受け身を取りそこなったか、頭を押さえて悶絶する諏訪魔。これで2対3の状況。あっさり真田が捕まり、太陽ケアの大技(TKO34th)にやられてしまった。

TKOの締まらない曲が流れる中、勝鬨を上げる超党派軍の3人、頭を押さえながらセコンドに肩を借りて引き揚げる諏訪魔。これでメインイベントは終わった。

時刻は8時45分、いまから東京へ帰らねばならない。利根川かかる橋を渡って新前橋の駅へ私は急いだ。久しぶりに地方興行のプロレスを感じた。

2011年1月17日 (月)

全日前橋大会観戦記03

引き続き1/5 前橋グリーンドーム大会の観戦記。

第3試合 NOSAWA論外 VS KENSO

休憩前の試合に「極悪ワールドスタンダード」KENSO(鈴木健想)が登場。対戦相手は小兵ながらくせ者のNOSAWA論外。どう試合を組み立てるかが見もの。

NOSAWAはサッカーのユニフォームを着て入場しそのままファイト。

KENSOはガムをかみながら入場。上背があり世界各地で活躍したKENSO。勝負は見えていたが、NOSAWAがイキのいい動きで前半は攻める。

この試合裁くレフェリーは和田京平。序盤はNOSAWAの攻勢をあえて受けていたKENSO、和田レフェリーとの掛け合いで役者ぶりを見せる。しかしコーナー最上段に上がって見得を切っているうちにダイブ攻撃のチャンスを逃したりしたところを和田レフェリーに突っ込まれたりしてけっこう手の込んだ仕掛けをする。

かんでいたガムを鉄柱になすりつけてからKENSOが反撃開始、スピアータックル、そしてニードロップであっさりとNOSAWAから3カウントを奪った。勝負タイムは9分くらいだったか。

まあこれは順当な結果。試合後、TARU率いるブードゥマーダーズの面々が乱入し、「おう、KENZO,そんなザコに勝って面白いか」などと難癖をつけ、勝ったKENSOに襲い掛かり叩きのめす。

一昨日の後楽園大会でタッグ王座どりに失敗してTARUがブードゥ追放を宣告したのである。KENSOをぶん殴ったあと「わしらに逆らうとこうなるんじゃ」などと言って引き揚げるTARU以下。その試合が終わると休憩。休憩時間にも武藤敬司社長がサイン会を開く。社長はまだフル参戦ができないのでこういった形でファンサービス。

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第4試合 カズハヤシ 近藤修司 VS 稔 MAZADA

休憩明け、ゴングが3回鳴らされ、前ジュニア王者カズハヤシと近藤修司が入場。花束贈呈セレモニーの後、対戦相手、悪役ブードゥの稔(現世界ジュニア王者)、MAZADAが登場。MAZADAは東京愚連隊の一員としてファイトしていたが、昨年後半から悪の軍団ブードゥに身を投じた。

裁くレフェリーはボンバー斉藤。ゴングの後一進一退の攻防が続く。稔とカズは場外でも熱い闘いを展開。1列目なので鉄柵がガシャンと揺れる。最後はMAZADAが孤立してしまい、近藤のキングコングラリアットに沈んだ。まあこれはジュニアヘビー戦士4人のいい勝負。

2011年1月16日 (日)

全日前橋大会観戦記02

第2試合 渕正信 中之上靖分 VS 浜亮太 BUSHI

元力士で体重205kgの超巨漢レスラー・浜亮太がパートナーのマスクマン・BUSHIとともにリングイン。そして「デンジャーゾーン」がかかり、デビュー2年目の若手、中之上がダッシュで入場。そのあとゆっくり歩いて入場する大ベテラン・渕正信56歳。場内の声援も高まる。

そしてゴング、裁くレフェリーは第1試合から引き続いて神林氏。

先発は渕とBUSHI。渕がタックルやボディスラムなど、BUSHI相手に若々しい攻めを見せるが、BUSHIも渕をうまく場外に落としてプランチャを放つなど身のこなしをアピール。そして巨漢・浜登場。205kgの体重があるのでいかに渕といえども苦しい。

「このジジイ!」という暴言を吐いて力のこもったヘッドロックでしめあげる浜。ぐったりとしながら耐える渕。「おら救急車呼んでこい」などと言いながら渕をしめあげる浜、なんとか中之上がカット。たまらず渕は場外に逃げるが、神林レフェリーが厳格な場外カウントを数える。

「カウントはやいよ」渕が突っ込みを入れるが神林レフェリーは場外カウントを続ける。渕はもう疲れたということで試合放棄して帰ろうとするが、セコンドに止められる。

中之上にタッチしたが、やはり浜とまともにやりあっては苦しい。流れを変えられぬまま渕にタッチ。ここで浜もBUSHIにタッチ。ここで渕が持ちネタの「腰痛連発ボディスラム」決行。BUSHIを滞空時間の長いボディスラムで投げる。それも連発。しかし腰に爆弾を抱える渕、投げた後も腰に手を当てて苦しそうな表情。

再度中之上が登場、BUSHIをバックドロップで投げるが、ここで浜がタッチを受けて登場。ならばと中之上は渕を招きいれ二人がかりのバックドロップを狙うが不発。逆に二人まとめて転がされてしまう。

ここで浜が決めにきて、中之上にエルボードロップ。これは渕がカット。このあたりから試合がめまぐるしくなってきて、中之上が浜を回転エビ固めで丸め込もうとしたが浜がふんばる。渕が殴って手助けしようとするが、BUSHIがちょっかいを出して渕を場外転落させる。その隙に浜がヒップドロップの要領で中之上にぐしゃっとのしかかってそのまま3カウントを奪った。まあ面白い試合。試合後、渕は神林レフェリーに文句をつける。レフェリングがおかしいという抗議のつもりなのか、コールドスプレーを噴射するあたりがお茶目。

2011年1月15日 (土)

全日前橋大会観戦記01

2011年1月5日 群馬・グリーンドーム前橋
2009年の12月以降、1年以上プロレスを観に行っていない。相撲や野球には何回か行っているが、日程が合わないのでなかなか観にいけなかった。これはいかんと思ったので、冬休みの1月5日に群馬は前橋・グリーンドームまで出向くことにした。

赤羽発14時頃の湘南新宿ライン籠原行に揺られる。熊谷駅で下車し、駅構内のそば屋で昼食のあと、新前橋行の列車に乗り継ぐ。神流川を渡って群馬県に入り、高崎に停車。新前橋で両毛線桐生行の列車を待つ。

16時20分頃、前橋着。駅前の道路を北上し、道標に従いつつグリーンドーム前橋へ向かう。利根川に近づくと、目の前にグリーンドームの巨大な構造物が見えた。そのサブイベントエリアで全日本プロレスの興行が行われる。

特別リングサイド席7,000円のチケットを購入。1列目、赤コーナーのすぐ下である。プログラム1,000円を見ながら、6時半の試合開始を待つ。700名くらい収容できると思われる小さな会場、イスの間隔も緩めである。いちおうイスは9割がた観客でふさがったようだ。

6時半、阿部リングアナが本日のカードを読み上げる。1試合1試合読み上げるたびに拍手が起こる。きょうは全6試合のラインナップ。まず第1試合前にイキのいい若手・大和ヒロシときょう試合予定のない武藤敬司社長がリングに上がり、試合前のMCタイム。試合数が少ないためかMCも長め。大和ヒロシが大胸筋トレーニング法などを語った後、四方に「ゼンニッポン・イヤーッ」のかけ声をやってMCは終わった。

第1試合 大和ヒロシ VS 征矢匠

赤いショートタイツの征矢匠が入場。征矢学の実弟である。あとからMCを終えたばかりの大和ヒロシが入場。裁くレフェリーは新人の神林大介氏。

「反則は5カウント、場外は10カウント、オーケイ?」などと基本ルールを確認する新人レフェリー。そしてゴング。にらみ合って組み合う。そして基本的なバックの取り合いといった攻防。しかし征矢匠のほうが早く息が上がってしまう。征矢匠も良くくらいついていったのだが、大和ヒロシの逆エビ固めで腰を痛めてしまう、動きが止まる。

2度目の逆エビ固めでついに根負けしてギブアップ。勝負タイムは7分そこそこ。まあ征矢匠はこれがプロ3戦目。今後の躍進が期待されるファイトであった。

2011年1月14日 (金)

第1,029回 120代目のタッグチャンピオン

47年目5月
「バトルカデンツァ」開幕。

初戦の新潟大会からSPZタッグ戦が組まれた。新王者近藤真琴、真壁なつきに挑むのは強豪外人ジュディ・コーディ&アナベラ・スミス。

「楽な相手じゃない。気を引き締めていくぞ、真壁」

「分かっています。エレガントブローで殴り倒します」

****************************

新潟大会のメインイベント。まず外人チームが入場。

「ネジフセテヤル」

「ニイガタケンノミナサン、アメリカのパワーをミセテアゲマース」

そのあと近藤真琴・真壁なつきが入場。

SPZ新潟後援会による花束の贈呈のあと、

「この試合はスーパースターズプロレスリングゼットが認定する世界タッグ選手権試合であることを認定する、2055年5月10日、株式会社スーパースターズ・プロレスリング・ゼット、代表取締役社長 中森登志子、代読、京スポ新聞、山本光次郎」

認定証の朗読、そのあとチャンピオンベルトの返還とセレモニーが続き、午後8時22分、ゴング。

************************

「ウオオオオオオオオオオオ」

タッグベルトを本気で取りに来た外人チーム。格落ちの真壁に狙いを定めて力押し。WWCAの外人勢は案外理詰めで攻めてくる。タッグマッチでは弱い方を狙えというのは鉄則である。

「代われ、真壁」

近藤真琴が前面に立ってファイトするが、外人チームは連携もうまい。サンドイッチラリアットで近藤を吹き飛ばす。

「ウハハハハハ」

そしてジュディ・コーディ、持ち前のパワーを利して、ねちねちとコブラツイストで痛めつける。これでさすがの近藤真琴もリズムが狂ってしまった。

「がっ・・・・」

ジュディのバックドロップ、合体パイル、デスバレーの波状攻撃をもらってしまう。

「うう・・・・」

チャンピオンチーム大ピンチ。近藤真琴が完全に捕まってしまった。真壁はいつのまにかアナベラの手により場外に釘付けされている!

「Are You Ready?」

ジュディ・コーディ、2発目のデスバレーで近藤の息の根を止めた。勝負タイム28分55秒、タッグベルトが海外流出してしまった・・・

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SPZ世界タッグ選手権(60分1本勝負)

ジュディ・コーディ○、アナベラ・スミス(28分55秒、デスバレーボムからの片エビ固め)近藤真琴×、真壁なつき

第119代王者が初防衛に失敗。Jコーディ組が第120代王者となる

*************************

「フハハハハハ、次はシングルベルトをいただく!」

怪気炎を上げるジュディさんであった。

「うう・・・・油断したわけではないのですが・・・・やられてしまった」

近藤真琴、悔しそうな表情でコメント。外人相手に敗北してはとても白石越えなど覚束ない・・・

そのあとSPZご一行は四国各地で熱戦を展開し、最終戦は本拠地に戻って横スペ大会。

「今度こそ、白石さんを潰す。私はこれ以上足踏みするわけには、いかないんだ・・・」

2011年1月13日 (木)

第1028.5回 野望の点火

横浜のお嬢様プロレス団体SPZ、50年近い歴史と伝統を誇るプロレス団体だが、もとはIT企業の子会社として設立された経緯もあって、選手のギャラは低く抑えられていた。トップ選手でもワンマッチ15万程度。年間96試合フル参戦したとしても基本給の120万をあわせても年俸1500万そこそこなのである。そこから所得税33%が引かれるので、選手の手取り月額は80万から90万。人気のある選手はグッズ収入があるので手取り100万を超すこともあるが、身体を酷使し、一歩間違えたら大怪我につながりかねない仕事で、かつ選手生命が短いので(あのフローラ小川でも12年だった)決して割りのいい仕事ではない。

「将来のことを考えると、自分を守るためのものは残しておきたいんですよね」

横浜ベイサイドホテル内のダイニングバー「白馬」

SPZの主力選手、サンダー龍子(本名:浅野勝子)が愚痴る。話を聞いているのは先日知り合った小売業チェーン『デンドログラム』の専務執行役員、鈴木伸之氏。

「ええ、SPZさん観客動員1試合平均で1万人は行ってるでしょう。客単価5000円としても1試合の収益は5000万は下らないはずでしょう。それなのに浅野さんのギャラが1試合10万円ってのは会社が儲けすぎだよ、ええ。」

 「プロ野球選手は先発で10勝すれば億の年俸が稼げるのに、うちらレスラーのギャラは低く抑えられてるんですよ。でもって外人には団体に半期で1億5000万の契約金払ってるのに・・・」

「ええ、そりゃあSPZさんの経営者はこのビジネスをキャッシュカウ(カネを生む源泉)としてしか見てないみたいだねえ」

 「私にもう少し力があれば新団体を旗揚げも考えるんですけどね」

「ええ、私は浅野さんの味方だよ。ええ。でも独立しようと思ったら準備しなきゃいかんね。スポンサーさんを集めるとかね、ええ。」

(サンダー龍子の野望・・・・続く)

2011年1月12日 (水)

ただただ寒い20110112

こんばんわ、WAS没頭中の筆者@konnoです。

水曜日恒例のあれ。

■プロレス

新日本・・・棚橋IWGP奪還

長州VS藤波の試合で後楽園が超満員に。

全日本・・・諏訪魔VSケアの三冠戦は34分の激闘の末、諏訪魔がラストライドで勝利。

まあ武藤があんな状態だし、諏訪魔エース路線で行くんだろうな。

悪役集団ブードゥマーダーズ 人材不足深刻に。

KENSO(鈴木健想)がVM離脱。一匹狼に。これで残ったメンツは

首魁のTARU、ジュニア王者の稔、総合格闘技出戻りのKONO,あとはMAZADAとスーパーヘイト。なんかもうTARUと愉快な仲間たち化してきましたな。

■相撲

魁皇頑張れ

この原稿を書いている2日目終了時点では1勝1敗。平幕上位に役者が揃っているので勝ち越しできるかどうかハラハラものです。優勝争い?どうせ白い子が優勝するんでしょ。

■昨年のkonno

323出勤、42休み。(これ本当)リプレイなんぞ出来るわけがない。

今週はこんなところ。

2011年1月11日 (火)

第1028.3回 予兆

横浜ベイサイドホテル2階のダイニングバー「白馬」

サンダー龍子がひとりでコーヒーを飲み、パスタを食っていた。

コーヒー1杯900円するハイソなお店だが、サンダー龍子(本名:浅野勝子)はSPZ選手御用達の「よこ川」や「あばしり」には目もくれず、ここを行きつけにしている。

「私はトップアスリートだぞ。一般人の行く店で食事するわけにはいかんだろ」

彼女なりの矜持があるのか、外でごはんを食べるときは多少高くてもホテル内のレストランなど、「サービス料を取られるところ」で食事をしている。

「白石さんを潰すにはどうやったらいいのか・・・」

たいていの選手はサンダー龍子が大技を連続して叩き込むと、「ま、今回は取られてもいいか」と諦めてくれて、カウント3を取らせてくれる。しかし白石は根負けしない。本当に疲れていても何食わぬ顔して起き上がって反撃する。絶対防衛圏か何かを自分の中で持っているようだ。

サンダー龍子、コーヒーを飲みながら思案していると、30代くらいと見られる少し陽に焼けたひとりの精悍そうな男が現れた

「サンダー龍子・・・・さんですね?、私、こういうものでして」

男はスーツの内ポケットからヴィトンの名刺入れを取り出すと名刺を差し出した。

「あ、どうも」

サンダー龍子もバッグから名刺を取り出して渡す。

「株式会社デンドログラム 取締役専務執行役員 鈴木伸之」

受け取った名刺にはこう記されていた

「どういったお仕事ですか、お差し支えない範囲で・・・」

「なあに、普通のディスカウントショップですよ、ええ。」

鈴木氏は笑顔で語りかけた。

2011年1月10日 (月)

第1,028回 47年目4月 SPZ選手権試合 白石VS近藤

最終戦は新日本ドーム大会。

第1試合は新人・富沢零子の東都デビュー戦だが、対戦相手のベテラン・ミシェール桜井に翻弄されっぱなし。

「ぐはっ」

狙い澄ましたラリアットに悶絶。なんとかフォールは3直前で返したものの、続くフランケンシュタイナーは返せなかった。勝負タイム6分19秒。富沢はほとんど何も出来ずに終わった。

第2試合はジャンヌ永原対トラットリアマスク。

動きのだいぶ落ちているジャンヌ永原、対戦相手トラットリアマスクの軽快な動きに手こずったが、最後はなんとか大技・デスバレーを決めて3カウントを奪った。勝負タイム16分0秒。

休憩前第3試合はドリームカード。八島静香、グリズリー山本、杉浦美月対スーパーカオス、デニースハン、ブルーローズ組。

スーパーカオスのパワーがハンパない。八島とG山本が前面に立って奮闘するが歯が立たない。苦し紛れに杉浦にタッチしたところで実質的に試合は終わっていた。スーパーカオスの裏投げ一発で終了。勝負タイム14分20秒。

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休憩明け第4試合は前SPZタッグ王者のオーガ朝比奈&NARATAが登場。対戦相手はガンスリンガーの真壁なつき&辻香澄。

「オラアアアアアア」

きょうは朝比奈が持ち前のパワーを武器に大暴れ。ガンスリンガーの2人も細かいタッチワークで応戦したが、

「ブッコワレローー」

最後は真壁を捕らえて高さのあるパイルドライバー。これで試合は終わった。ひとまずタッグタイトル戦と釧路のシングル戦の借りを返した。勝負タイム25分23秒。

セミ前から3大シングルマッチ。まずは優香対アナベラ・スミス。

「えーいっ!」

デビュー1年で中堅外人といい勝負をするところまで成長した優香。しかし試合が長引くにつれパワー不足を露呈、

「OU!」

アナベラスミスのラリアット。これで優香の動きが止まった。最後はフロントスープレックスを連発で食らって3カウントを喫した。勝負タイム12分39秒。

***********************

セミファイナルはサンダー龍子対ジュディ・コーディ。大阪ではSカオスを撃破しているサンダー龍子。ここで外人2強を倒しておけばSPZ王座への再挑戦権がぐっと近づく。パワフルな攻めでジュディを追い込んで、バックドロップ、ターボドロップ2の大技攻勢で3カウントを奪った。勝負タイム14分17秒。

「今度こそ白石さんを潰す。その前に立ちはだかるヤツもみんな潰す」

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メインイベントはSPZ戦。王者白石なぎさに挑むのは前王者近藤真琴。打撃が入ればどう転ぶかわからない。

「はあっ」

近藤真琴、白石の嫌がる顔面蹴りを連発したが、白石もSTOで反撃。そしてパイルドライバー。近藤はこの脳天くい打ちを受けきれず首が詰まってしまった。

「ううう・・・ぬぐぐぐっ・・・・・」

苦しみのあまり起き上がれない近藤、察した白石がカバー。これで3カウントが入った。

勝負タイム16分28秒。王者が14度目の防衛に成功。累計防衛回数も29となり、歴代1位のマイティ祐希子に「あと2」となった。

2011年1月 9日 (日)

第1,027回 47年目4月 富沢零子デビュー戦

47年目4月
新人テストで富沢礼子を獲得。素質はそれほどでもなさそうだが、ルックスがいいので採用した。リングネームは「富沢零子」で出すことにした。

「旗揚げ46周年記念エッセンシャルシリーズ」開幕。

ドーム級の会場を回るビッグなシリーズだ。

初戦の名古屋しゃちほこドーム大会、メインで組まれたのがWWCA選手権、王者スーパーカオスに対するはNARATA。奈良田忍術の戦士の誇りを見せたNARATA,良く粘ったのだが、最後は19分30秒、スーパーカオスのスーパーパワーボムに力尽きた。

2戦目のなにわパワフルドーム大会で組まれたのがサンダー龍子対スーパーカオスのノンタイトル特別試合。

―強豪選手を倒していって、もう一度白石さんのベルトに挑むンだ!

外人相手には臆することなく、大柄な体格を生かした豪快なプロレスを展開する。ジャーマン、延髄斬りなど大技を効果的に繰り出してゆく。終盤攻めづかれたところをスーパーハンマー、スーパーDDTで反撃されたものの、何とか受けきって、

「ウルァアアアア」

必殺・ターボドロップ2炸裂。これでスーパーカオスから3カウント。勝負タイム22分27秒。

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シリーズ第6戦札幌どさんこドーム大会メインで組まれたのはSPZタッグ選手権。新王者NARATA、オーガ朝比奈に挑むのは元タッグ王者の近藤真琴&真壁なつき。

「先手必勝」

近藤真琴、試合序盤からデインジャラスな攻め、オーガ朝比奈に上段蹴りを連発してぐらつかせる。

―NARATAさんは何とかなる。朝比奈さんのパワーだけ気をつければいい。

なにしろ近藤はNARATA攻略には自信を持っている。真壁もうまくタッチを受けて朝比奈をアキレス腱がためで痛めつける。このまま挑戦者組ペースでいくかと思われたが、オーガ朝比奈が強引なパワーボム。

「グヘッ・・・・」

これで近藤の動きが止まった。たまらず真壁にタッチ。しかしここで真壁が一発狙っていた。

バキッ

不意打ちエレガントブロー。まともに食らった朝比奈は崩れ落ち、そのまま3カウントを聞いた。衝撃的な結末に場内どよめき。

「このくらい、当然よ」

勝負タイム22分43秒、近藤組がタッグ王者に返り咲いた。

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第7戦釧路大会、第1試合で富沢零子デビュー戦。対戦相手は杉浦美月。

SPZで1年もまれた杉浦、ねちねちとスリーパーでスタミナを奪う。富沢もドロップキックや逆片エビで反撃したが、杉浦の脇固めに絶叫悶絶し、戦意喪失。ふらふらと起き上がったのだがドロップキックに倒されて3カウントを奪われた。勝負タイム11分30秒。

「これが、プロのリング・・・」

釧路大会では好カードもうひとつ。休憩明けに真壁なつき対オーガ朝比奈のシングルマッチが組まれた。

昨日の札幌でエレガントブローに崩れ落ちた朝比奈がリベンジに燃えたが、どうしても捕まえることが出来ず、逆に一瞬の隙をつかれてアキレス腱がために捕らえられてギブアップ負け。

「クソ・・・・」

オーガ朝比奈、なかなか中堅の域から抜け出せない。

2011年1月 8日 (土)

新宿グルメ17 炉端かば

今回ご紹介するのは

新宿西口の繁華街にあります

「炉端かば 新宿西口本店」

山陰にこだわった居酒屋 というコンセプトで、直送の魚介類がウリである。

気取った店ではなく、魚のトロ箱を小道具に使っている小さめで雑然とした店内だが、カウンター前の生け簀にはサザエやら小魚が。

そしていたるところに張られた鳥取・島根の名所ポスター。うまい魚が食えまっせという感じが。

日本酒はオリジナルワンカップ。燗はぬるい。(480円)

刺身盛り合わせハーフ(1300円)は桶に入った状態ででてくる。氷がびっしり敷き詰められた上に刺身が盛られており、1月の山陰らしくズワイカニの足が2本ついていた。いいぞこの店。

サザエの壷焼き(580円)もコリコリしておりうまい。

山陰の海の幸を新宿で味わえる得がたいお店です。

2011年1月 7日 (金)

新春特番 カレンダーガール2 続き

SPZ旗揚げから8年目、実力は微妙だが根強いファンを持ち、社長との仲が噂されている小川ひかるの個人カレンダーが制作され、グッズショップに並べられた。内容は下記の通りであった。

1月初春 晴れ着で神社の前でにっこり笑った小川ひかる。破魔矢なんぞを持っている。

   「晴れ着なんて、初めて着ました。」

2月厳冬 温泉旅館で卓球に興じる小川ひかる。表情は真剣そのもの。浴衣の胸元が少し大胆。

3月早春 カットソーにジーンズ姿で河原に寝転ぶ小川ひかる。

4月若葉 道場で若手選手を指導しているのか、受け身の実演をする小川ひかる。見ているのはスイレン草薙とマイトス香澄。

5月薫風 SPZ本社オフィスでパソコン仕事をする小川ひかる。白のブラウスが結構良く似合っている。

6月入梅 私服姿でボウリングに興じる小川ひかる。それなりに様になったフォーム。

7月盛夏 かわいいピンクの水着でプールに浮かんでいるところ。まあこれはサービスショット。

8月晩夏 道場で練習後、草薙みこと、渡辺智美の3人で談笑しながらアイスを食べているところのショット。

9月秋爽 公園で手漕ぎボートを器用に操る小川ひかる。ちょっとポップなお出かけ服に身を包んでいる。

10月中秋 上高地河童橋で穂高連峰をバックに一枚私服姿の小川ひかる。このためにわざわざ長野ロケを敢行したらしい。

11月晩秋 ここでもサービスショット、トレーニングジムで水泳トレ中という設定で、競泳水着姿でプールから上がるところを一枚。これは完全に社長の趣味が入っている。

12月初冬 こたつで温まる小川ひかる。地味目な小さめのセーターが似合っている。テーブルの上にはみかん。

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「まあ小川さんのいろんな表情が撮れたから、これは売れると思うよハハハハ、まあ売れ残ったら私が全部買うから心配するな」

「何枚かちょっと恥ずかしいのもありましたけど、まあ会社のためですし、グッズ収入はけっこう実入りがいい部分もあるので・・・」

これは本人の弁。個人グッズ売上の10%は本人の取り分。2000部刷って完売すれば400万円の売上が立ち、そのうち10%の40万円が選手の口座に振り込まれる。ワンマッチ10万でファイトしているので馬鹿にならない額だ。

「まあ小川さんは人気あるから。ウチの顔だからね、はははは」

シングルでは第3試合がせいぜいの選手を顔と言い切る。この団体の社長にも困ったものだ。井上秘書は苦笑した。

2011年1月 6日 (木)

2011新春特番 カレンダーガール2

(新春限定書き下ろしSSでもさらします)

時に西暦2016年、

横浜のお嬢様プロレス団体「SPZ」は、年末発売のカレンダーの準備に大わらわだった。

当時のSPZは「複数スター制」を取っており、誰がエースなのかを判然とさせないようなマッチメイクをしていた。

「グッズの売上とか、ファンを分散させとけばそのほうが儲かるじゃん。負傷したときのリスクヘッジにもなるし」

銭ゲバ社長の妄言。

でもって年末は「限定グッズ」と称して選手のカレンダーを発売して2000円でプロレス会場やらグッズショップ、ネット通販で売りさばく商魂たくましい団体なのである。

「ダイエーの中内さんが昔よく言っていたよ。『売上は、すべてを癒す』ってね」

でもってSPZ女王ベルトの戴冠歴のある選手・・・伊達遥南利美草薙みこと吉田龍子の4人プラス社長のヒイキで選ばれた小川ひかる。この5名のカレンダーが作成される。

「13枚あって2,000円ならお買い得だと思うよ、ハハハハハ」

アイドルカレンダーのように「2ヶ月で1枚」というマネはしない。良心的だと言いたいのだろう。どんなショットでカレンダーを飾るかというのは本人を交えた制作会社との打ち合わせで決定されるが、小川ひかるのだけは違う。社長が公私混同して内容に介入してくるのである。

「溺愛もここまで来ると笑うしかありませんね」

井上霧子秘書がぼやく。

打ち合わせと撮影で9月10月を使い、パパッと印刷して11月シリーズ開始とともに売り出される。

2017年の小川ひかるカレンダーの内容は次の通りであった。ちなみに表紙は試合出番前にリングコスチューム姿でちょっと緊張している場面を写したショットで飾られた。

(続きます)

2011年1月 5日 (水)

キーボードを打つ指もかじかむ110105

水曜日恒例のアレ

■大晦日の格闘技

なんといっても古木克明(元横浜ベイスターズ ドラフト1位 4番を打ったこともある)

格闘家転向のデビュー戦。

アンディオロゴン(ナイジェリア)と5分3R闘って判定負け。最後のほうはいいパンチもらってダメージ深かったですが血だらけになっても勝負を捨てないそのアグレッシブさに心打たれた。

プロ野球では横浜の将来の大砲として期待されながらも守備に難があり、オリックスにトレードされて「もういらないよ」と戦力外通告。しかしここでまさかの総合格闘技オファー。1年かけて肉体改造し、まったく違う世界に身を投じて総合格闘技のリングに上がる。その生き様は凄い。

根は天然なところがあるアスリートだけに、なおさら心に残ります

5月4日にホームランを打ち「こどもの日に打ててすごく嬉しいです」とヒーローインタビューでコメントしたり(一緒にインタビューを受けた佐々木投手に突っ込まれたらしい)、大先輩の石井琢朗選手に年賀状を出したはいいが「石井豚朗様」と書いて出したり、出番の少なさに耐えかねトレードを志願したがガソリンスタンドの店員に止められて翻意したとかね。

■プロレス

カズハヤシついにJr王座転落。新王者は稔。

2011年の全日本ジュニア政権交代というところか。

全日マットにスーパーヘイト出現

平井信和の成れの果てへイトがスーパーヘイトにランクアップ。スーパーをつければいいってもんじゃないだろう。金髪、金色コスチューム、金色消火器ハハハハハハハハ。

■相撲

大相撲初場所は1月9日初日。優勝は99%白い子で決まり。魁皇がうまく8勝できるかが見どころ。寒い時期だけに古傷もうずくだろうし。

今週はこんなところ。

2011年1月 4日 (火)

第1,026回 越えられない壁

46年目3月。
「ファイヤーソウルシリーズ」開幕。東北各地を回るシリーズ。

第5戦宇都宮大会メインであばしりタッグ戦、王者トラットリアマスク&ブルーローズに挑むのはジャンヌ永原&杉浦美月組。どう考えても杉浦の育成マッチだ。

ジャンヌ永原も不意打ちジャーマンを決めるなど存在感を発揮したが、新人の杉浦があっさり捕まってしまい、トラットリアマスクのジャンピングニーに屈した。勝負タイム17分26秒。王者組が初防衛に成功。

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第7戦、千葉大会メインではSPZタッグ戦が組まれた。新王者NARATA,オーガ朝比奈に挑むのは強豪外人、ジュディ・コーディ&アナベラスミス組。

「UOOOOOOOOOOOO」
いつもながら気合は入りまくりのジュディ。ゴングが鳴るやオーガ朝比奈を一方的に攻める。朝比奈もパワーは持っているのだが、ジュディとはモノが違う。アナベラスミスはジュディのサポートに徹する堅実なファイト。しかし終盤にはいってNARATAの農鳥→オーガ朝比奈のパイルドライバーがアナベラに決まり、これで3カウントが入った。王者組が見事な逆転勝利。勝負タイム24分24秒。

「危なかったけど、ベルトを守れたから良しとすっか」

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最終戦はさいたまドーム大会。都合によりセミ前からの3大シングルマッチのみ紹介。
セミ前はジャンヌ永原VS優香。

もうすぐデビュー1年になる優香。センスは非常にあるほうで、この1年受けが格段に進歩し、ちょっとやそっとの攻撃なら耐えられるようになった。この日はジャンヌ永原の力攻めを耐えつつローリングソバットで反撃。

「えーいっ」
しかし馬力ならまだまだジャンヌ永原。豪快なラリアットで転倒させてから延々と逆片エビで絞り上げる。
「行くよっ」
最後はジャンヌ永原の代名詞、ジャーマンで沈んでしまったが、それでもあのジャンヌ永原相手に16分14秒の試合を成立させたのだからたいしたもの。

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セミファイナルは近藤真琴 対 NARATA。

現時点でのシングル戦線ナンバー3とナンバー4の対決。NARATAは動きが速いのはいいのだが、近藤がカウンターの打撃を入れてくるのでNARATAは近藤を苦手としている。この日もカウンターを何度かもらったところをDDT,デスバレーで攻め込まれ、もう一回デスバレーを食らって終了。勝負タイム9分11秒、ドームのセミにしては短い。

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そしてメイン。SPZ選手権。王者白石なぎさに挑むのはサンダー龍子。

9月、1月に続いて3度目の挑戦。

「白石さんに作戦は通用しない、出たとこ勝負でやるだけ」

サンダー龍子、体格やパワーでは白石を上回っており、長時間のファイトに耐えられるだけのスタミナもついてきた。劣っている部分があるとすれば、修羅場をかいくぐってきた経験の差か。

「ふっ!」

ラリアットやエルボーで攻め続けるサンダー龍子だが、白石もレスリングがうまい。組み付くやボディスラム、ブレーンバスターで投げ捨てる。

―くそ、このままじゃあ前と同じだ

サンダー龍子、あせってラリアットを狙ったが、大振りなので動きを読まれ逆にラリアットを食らってしまう。

「クソーッ」

やはり相手にダメージを与える術は白石のほうが長けている。ブレンバスターの力比べで疲弊させておいて、いきなりバックに回ってのバックドロップ。サンダー龍子、なかなか大技につなぐことができない。

2度目のブレーンバスターの仕掛けあい。これがけっこう長かった。
「あそこで意地を張り合うからダメなんですよ」

かいせつの中森社長が指摘。

「・・・・・っ」
「ううう・・・っ」

ややサンダー龍子が優勢。白石の身体が浮きかけたところで、
がしっ
白石なぎさの左拳がサンダー龍子の腹部へめり込んだ。思わぬ打撃を受けてブレーンバスターが中断されてしまった。そこへすかさず白石がブレンバスターで切り返す。

白石、上に乗ってカバー。これで3カウントが入った。勝負タイム48分24秒。王者が13度目の防衛に成功・・・

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SPZ世界選手権試合

白石なぎさ(48分23秒、ブレーンバスターからの片エビ固め)サンダー龍子

王者が13度目の防衛に成功

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「どうして・・・・だよ・・・」
タイトルマッチで白石なぎさの壁を越えられない。

2011年1月 3日 (月)

新春特番 黒部峡谷(下)

Simono2007

新春特別 黒部峡谷(下)

阿曽原温泉小屋はウイークデーなのに中高年登山者で混んでいた。仮設露天風呂に漬かったあと、18時からの夕食。まあまあの味のカレーライス。おかわり自由だがきょうは混んでいて4回戦まであるため食事時間は30分。そして混雑のため1つの布団を2人で共用するパターン。それでも下の廊下で精神的に疲れていたせいか、そこそこ眠れた。翌朝6時からの朝食後、欅平へ出発。まず阿曽原谷を木の橋で渡った後、けっこうな登り。登りきったあとで水平道が延々と続く。昨日ほどがけっぷちスレスレではなく、道幅も広いのだが、谷底との落差は今日のほうがあり、道の狭いところや木の桟道でできた部分では緊張する。

1時間ほどで折尾谷を渡る。大滝のある谷を渡った後折尾谷を堰堤につけられた短いトンネルで抜ける。そのあとも高巻きの水平道が続く。大太鼓のあたりでは完全に岩をくりぬいて道が作られており、木の桟道で通過する部分もあったりして緊張した。誤って転落したら一巻の終わりである。そのあと志合谷を大きく迂回する。

大きく荒れた志合谷、水平歩道はなんと谷の下をトンネルで通過している。毎年補修するくらいならトンネルを掘ってしまえということか。このトンネル。谷の右岸側と左岸側を結んでおりカーブが続く上に距離も長く、ヘッドランプなしには歩けない。水が滴り落ちる素掘りのトンネルを頭をぶつけないように歩く。怖さを感じたので大声で演歌を歌いながらトンネルを歩く。抜けるのに6分もかかった。

なお水平道が続くが、ここまで来れば気を抜きさえしなければ危険な箇所はない。スタスタ歩き、だんだん欅平駅のアナウンスやトロッコ列車の汽笛が聞こえるようになって、志合谷から1時間少々で欅平上部の鉄塔に出た。あとは急峻な下りを30分ほどしのげば良かった。10時50分ころ欅平に降り立つ。大観光地なのでいきなり喧騒が戻ってきて戸惑う。

11時4分の宇奈月行きトロッコ列車で退散。電気機関車2両がトロッコを牽引しており、なんと13両もつないでいる。トロッコ列車は風を切って走り、外気が当たって寒さを感じる。トンネル内ではかなり冷たく感じた。鐘釣から団体客がさらに乗り込んでトロッコは満員となった。一度は乗ってみたかったトロッコ列車だったが、その前に黒部川下の廊下の凄いところを歩いてきたせいか、沿線の景観は平凡に感じた。一時間少しトロッコ列車に揺られて宇奈月に到着。駅前の資料館で黒部川電源開発の歴史を見たあと、13時18分の富山地鉄の電車で魚津へ向かう。

富山平野に入って、14時少し前に魚津に到着。「ますのすし」を買ってから、特急「はくたか13号」に乗り換えて越後湯沢へ向かい、新幹線で帰京した。

2011年1月 2日 (日)

新春特番 黒部峡谷(上)

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2007年10月に歩いた黒部峡谷ツアー旅行記でも晒します。

黒部峡谷・下の廊下は憧れだった。子供の頃図書館で読んだ北アルプスガイドに魅せられて、十字峡や白竜峡などの峡谷の美しさ、がけっぷちスレスレをゆくコース。いつかは行ってみたいと思っていたが、正直に言ってびびっていたのと、もう少し経験を積んでからという思いがあってそれから十余年先送りとなっていた。そして百名山踏破を果たし、自分で言うのもなんだがある程度の経験を積んだと思ったので、いよいよ積年の憧れである下の廊下をやろうかと考えた。幸い10月下旬に2連休を確保した。天気予報も好天。

しかし私はびびった。前日まで迷いに迷った。いかに諸国名山を歩いた私といえども、岩や鎖は大の苦手というのは剣岳や乾徳山で実証済みである。人には向き不向きというものがある。そんなところに大枚を投じて行くのもいかがなものか・・・これは正常な考えである。しかし、憧れがすべてその躊躇、逡巡を押し切った。やるとしたら今しかない。オレは下の廊下をやるんだ。決断してすぐ松本駅前のビジネスホテルを押さえた。

実力相応のそこそこの山、東京近辺の2000m級に登ってうーん自然はええなあというのも山登りである。しかし困難なところや長年行ってみたかったところへいよいよ行く時は胸が高鳴る。前日、仕事が手につかず、終業時間が気になって仕方がない山行というのがもっとも面白い。あと2時間、あと1時間、会社がはねるや家へ取って返してすばやく荷物をパッキングし、八王子へ戻ってスーパーで菓子パン9個を買ってから20時33分の特急「スーパーあずさ33号」に乗る。笹子トンネルを抜けて甲府盆地に入ってさらに西へ進んで小淵沢。諏訪盆地に入って茅野上諏訪岡谷と停車し、塩嶺トンネルを抜けると松本盆地に入る。駅前に出るや寒さを感じる。松本駅前の温度計は7度をさしていた。ビジネスホテルに投宿。

翌日は6時1分の信濃大町行きに乗る。新雪に輝く燕岳や常念岳などをながめつつ列車は北へ進み、7時1分信濃大町着。扇沢行の観光バスに乗り換える。車内でうとうととまどろみ、立山黒部アルペンルートの扇沢着。トロリーバス乗り場には早くも団体客が鈴なり。トロリーバスを4台連ねて黒部ダムへ。針の木トンネルを抜けて黒部ダム駅に着いた。

観光客はダム湖方面へ向かうが、私だけそのままトンネルを進み、「登山者出口 内蔵助谷方面」の出口からトンネルを出る。そこから道なりに登山道をガッと下り、ダム堤体の下に出る。木でできた橋で左岸に渡り、しばらくは川沿いのなんでもない道が続く。流れのたもとでコンビニ弁当の朝食。

1時間ほど歩いて内蔵助平方面の道を分けて、内蔵助沢を丸太橋で渡る。ここからも何の危険もない沢沿いの歩きがえんえん続く。どのあたりで本やネットに出てきたヤバい区間にさしかかるのだろうか。じらされているようでかえって先が思いやられる。鳴沢小沢のあたりからだんだん左手の山が絶壁っぽくなってきたが、足元はしっかりしているので、足元さえ見て歩けば何の問題もない。だがー

新越沢出合いあたりから若干シビアな箇所が出てきた。がけっぷちにつけられた丸太伝いに歩くこともあり、一歩足を踏み外したら終わりだという思いが強くなってきた。思わず左側に張られた針金をつかんでしまう。道幅が60センチくらいなら耐えられるが、時折30cm程度のステップ程度となると正直怖い。足の置き所をきっちり確認しながら進む。そういう状況下、1箇所だけハシゴで高巻く箇所まで出てくる。かんべんしてくれと思いながらはしごのアップダウンをこらえる。気の抜けない道が続き、別山谷出合。こんな道がえんえん続くと精神的に参ってしまう。集中力が続かない。

別山谷を渡ったあと(今年は雪がなかった、ラッキーだと思う)は2mほどのアングル(鉄のくい)伝いの登攀があってなおへつり気味の水平歩道が続く。9割は平常心さえ保てば何てことのない区間だが、随所に緊張を強いられる足場の細いポイントがある。が、やばいところは白竜峡で終わりを告げ、そのあとは高巻きながらある程度歩幅のしっかりした道となった。下ノ廊下で怖いのは新越沢から白竜峡までの1時間くらい。あとは気合でなんとかなると感じた。眼下の透き通ったエメラルドグリーンの流れを眺めながら進み、ようやく十字峡に到着。登山道を2分ほど下ったところに十字峡のビューポイントがあるのでそこまで降りてみる。左から剣沢、右から棒小屋沢が黒部川に流れ込み十字型の峡谷をつくっている。

おにぎりの昼食を済ませ出発。まず吊橋を渡って高巻き道が続く。左手から水がシャワー状に落ちている中を進むところもあり、すぱっと通り抜けたが少し濡れてしまった。しばらく高まき道を進んで、半月峡を通過。ほどなく右側に黒部川地下発電所の建物が見えてきた。そのあと高まき道が終わり、東谷吊橋へ一気に下る。おりきったところが東谷吊橋。けっこう長い吊橋を対岸へ渡るが。さほど怖さは感じなかった。そのあと1キロほどの車が通れるほどの幅のダート道歩き。巻き出しの中を経てトンネルを通過。そのあと眼前に仙人ダムが見えてきた。仙人ダムの上を渡り終えた後、道標に従いダム管理棟の建物に入る。こんなところに大きい建造物があるのも奇異に感じる。

しばらくトンネルを進み、「電車に注意」の看板を見かけ、関西電力黒部専用鉄道のレールの上を横切る。トンネルの彼方から熱気が伝わってきてメガネが曇る。これが噂の高熱隧道か。そのあとも少しトンネル伝いに進み、「この先は関西電力の社員寮です、登山者の方は横の鉄扉を開けて進んでください」という案内に従い表に出る。社員寮の建物横を通って、しばらく進むと阿曽原峠への登り。20分ほど苦しいのぼりをこらえ、水平歩道を進んで1箇所短い素掘りのトンネルをくぐる。そのあと阿曽原温泉小屋への下り。16時頃阿曽原温泉小屋に到着。

2011年1月 1日 (土)

新年のご挨拶

WAS没頭中をご愛読の皆様

あけましておめでとうございます。

今年も宜しくお願いいたします。

美少女プロレスゲームのつたなく、他愛ないプレイ日記ですが、気力の続く限り書き続けてまいりたいと思いますので、ご支援のほどお願いいたします。

去年1年間で40年目7月から46年目3月の6年半しか進行していません。このあたり、プレイする時間が割けなかったことは残念に思っています。

2011.01.01 konno

(正月3が日の通常更新はお休みさせていただきます)

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