第1,044回横浜龍咆哮(下)
47年目11月
シリーズ最終戦は、横スペ大会。セミ前までの5試合は熱戦が繰り広げられた。
セミファイナルは白石なぎさ対近藤真琴。
確か前回のシングル対決は8月のSクラ公式戦でそのときは30分時間切れ引き分け。
今回の対決は5分過ぎに近藤が放った上段蹴り。これで白石の動きが止まってしまいあとはズルズルと近藤ペース。白石もスプラッシュマウンテンやブレンバスターで反撃したが、ダメージのせいかいつもの重さがない。
「さあ、さあ!」
この日3度目の上段蹴りでついに白石が沈んだ。勝負タイム13分9秒。
「イタ・・・・」
白石なぎさ、重たい打撃をもらってしまってほんらいの調子をつかめぬまま負けてしまった・・・
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そしてメインはSPZ戦、9月のさいたまと同一カード。
王者スーパーカオスに対するはサンダー龍子。
「Too Many Broken Hearts」が流れる中、黒いロングガウンに身を包んだサンダー龍子が神妙な表情で入場。
そのあとSPZ王者・スーパーカオスが観客をあおりながら入場。
「いつまでも海外流出は営業的に考えてよくありません。サンダー龍子選手が勝つ確率がもっとも高いと思われますので、何度でも勝つまでやらせます」
山本副社長がおそろしいことを言う。サンダー龍子、こんかいは落ち着いた表情で相手を見据える。
「もうベルト云々は考えませんよ。普通のシングルマッチと思ってやってきます」
この日は10分過ぎに決まったサンダー龍子のDDTでスーパーカオスの動きが鈍った。やはりいかなる強豪選手といえど頭をやられると動きが止まる。
「ウゥゥゥ・・・・」
そこを突いてタイガードライバー。
「ヌヌヌヌヌ」
あせったスーパーカオスが突進してくるところを丸め込んで首固め。
ワン、トゥ・・・・ドドドドドッ
こういう軟らかい攻めもできるようになった。そしてミサイルキック。これは重爆だ。大きく吹っ飛ぶスーパーカオス、バックに回ったサンダー龍子。そのまま強引に、
「ウアーッ」
スーパーカオスの巨体をジャーマンで投げた。そのままフォールの体制。神田レフェリーがマットを叩く。
ワン、トゥ、スリー。
カウント3が入った。勝負タイム26分35秒。昨年9月のベルト初挑戦から1年あまり、ようやくサンダー龍子がSPZベルトを巻くに至った。
「ファンの皆様、長らくお待たせして大変申し訳ありませんでした」
昨年夏のSクラ制覇から1年3ヶ月、ようやくサンダー龍子が女王の座を戴冠した・・・・
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