八百長で何が悪いのか
現代プロレスは基本的に八百長であります。
特にビッグマッチは定められたストーリーラインに沿って動くので、誰がチャンピオンになって誰と抗争させて・・・というストーリー作りが興行の成否を分けるわけです。昔の全日本でジャンボ鶴田さんが天龍離脱後、三沢さんをトップに上げるために一度シングル戦で三沢さんに3カウントを許す・・・という馬場さんが決めたストーリーをギリギリまで渋っていたのは有名な話です。
昔の全日本女子プロレスは、松永会長が提唱した「ピストル」で、地方興行はともかく、タイトル戦は真剣勝負でした。ただ、試合を運んだり、相手の技を受けることは柔道の乱取りみたいにやるけれど。「3カウントの押さえ込むのとダメージを受けて押さえ込まれた相手がキックアウトする」のは筋書きも嘘もない真剣勝負でした。SPZもこの考え方に基づいて書いています。
まあどちらが良いかというのはなんともいえませんが、全てのプロレスはショーであるという某暴露本が出て以来、総合格闘技のほうにファンが流れてしまい、プロレス冬の時代が到来しているのも事実です。
リングに上がるだけでゼニの取れる一流選手ならば、それが八百長でもファンは喜んで手を叩くのです。最近はそういう選手が少なくなりましたが。
さて、大相撲のほうは八百長がついに明るみに・・・というか警察から動かぬ証拠が提供されてしまいました。
大相撲・野球賭博の捜査の過程で力士の携帯が押収され
消去されたメールが復元され、相撲取り組みにおける
八百長のやりとりのメールが明るみに出てきてしまった。
携帯メールでそんなやり取りするなよ。
消去しても復元できるのだから。ITリテラシーが低い。
大相撲、十両力士のギャラは月給100万でそれ以下の幕下は
月給なしだから保身のために星のやり取りがはびこりやすい環境ではある。
長いこと大相撲を見ておれば、これは真剣勝負じゃあないなあと思う
取り組みはあるのがわかります。
そもそも15日連続で闘わなければならずケガや体調不良で
フルパワーが出せない日もあります。
一昨年の夏場所でカド番の千代大海が5勝7敗から3連勝したのなど
(バルト空気投げ事件とか)疑い始めればキリがないのですが
八百長を受けない力士もいますし、
実力がないと分かると誰も八百長を受けてくれませんから
実力が上の者はきちんと番付上位に行くという構造はあるけど、
苦境に陥ったときの保険として八百長が存在するのでしょう。
まあ事前の打ち合わせと、金銭のやり取り(または翌場所以降の返済)
のどちらかがあれば八百長の構成要件を満たすでしょうな。
魁皇など2009年の成績が6場所全て8勝7敗で、
15日間フルパワーを出せない身体なのですから
疑われても仕方ありません。
私は両国国技館に行ってよく相撲を見ますが
幕内の21カード全てが真剣勝負であるとは思っていません。
かといって21カード全てが事前の打ち合わせで勝敗が予め決まっている
ものでもないと思います。
相撲の楽しみ方は国技館でビールを飲みながら焼き鳥を食いつつ
ほろ酔い加減でデブの大運動会を楽しむのが本来の姿。
八百長してるのなんだのは瑣末なことであります。
まあ携帯メールというエビデンスが残る形で工作したのは
拙劣というしかないのですが。(プロなのだからばれない形でやるべき)
これでマスコミどもが食いついて「地に堕ちた国技」などと書かれて
NHKが中継を見合わせ国技館の観客動員がガタ落ちし
何の罪もないやきとり工場の作業員や
売店で魁皇弁当や大相撲トランプを売るおばちゃんの雇用に響き
かねないほうが由々しきことである。
大相撲で非真剣勝負があることは相撲を何年も見てれば
おのずと分かること。だが、そういう部分も理解した上で言う。
私は大相撲が大好きだ。
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