プロレス技16 逆さ押さえ込み
第7戦の長野大会、メインはAACジュニア戦。
小川ひかる(チャンピオン)対 永沢舞(挑戦者)。
いつもどおりスリーパーなどの絞め技でペースを作ってゆく小川。しかし永沢もバックドロップなどの投げ技で応戦。キャプチュードまで決めて小川を追い込む。追い込まれた小川がSTF、ストレッチプラムを繰り出すがロープに近く逃げられてしまう。ここで永沢が力まかせのスクラップバスター。カウント2.8で返す小川。うわ小川勝てるのかという雰囲気。
しかし、小川がここで奥の手。すばやく組み付くや両腕をからめて背中に乗せて「逆さ押さえ込み」で丸め込む。所属選手でこんな渋い技を使うのは小川くらいだ。
「ワン、トゥ、スリッ」
虚を突かれた永沢は3カウントを聞いた。SPZは主力選手がみんな投げたり極めたり蹴ったりで相手をたたきのめすスタイルの団体なので、このような結末は珍しい。会場がどよめく。
「25分43秒、逆さ押さえ込みで小川ひかるの勝ち」
(SPZ4年目12月 連載第25回より)
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今回はWASでも実装されている肩をつける小技、逆さ押さえ込みです。
背後から相手の両腕を絡めて前かがみになり、そのまま相手を自分の背中越しに前方にスライドさせ、相手の肩をマットにつけてそのまま3カウントを狙う技です。
現代プロレスの、大技を積み重ねて相手の戦意を喪失させてフォールの3カウントを取る流れとは対極にある技です。相手の隙を突いてするっと押さえ込んでしまう小技です。
負けたほうがレスラーの格的に傷つかないので、(まだやれるのに負けてしまうわけなので)それなりに見られます。古くはオールスター戦の馬場・猪木VSブッチャー・シンもこの技で終わりましたし。
昔のプロレスは、パワーのガイジンVS根性と技の日本人という図式でしたので、そこそこ日本人レスラーはレパートリーに入ってましたが、あまりカッコイイ勝ち方ではないので、現代では使う人も少なくなっています。
2000年の最強タッグリーグで渕さんがウインダムをこの技で仕留めています。最近では昔のスタイルのプロレスを提唱していた西村修選手が好んで使っています。
WASだと「その他技」で覚えさせないといけないのですが、試合終盤で相手が弱っているときに繰り出すと、けっこうこれで決まってしまうケースがあります。アングルもエロいので所属選手には実装させるようにしています。
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