第1,279回 これが負けか、
最終戦はさいたまドーム大会。
休憩後第5試合は小嶋聡美VSブレード上原。
入社2年目のブレード上原、ここまで美冬。今治、ゾネックに負けただけの4勝3敗でここまで来た。上位戦線での勝ち越しをかけて小嶋を追い込み
「ティロ・フィナーレ!」
叫んでからの一撃で小嶋から3カウント。勝負タイム17分35秒。この選手も着実に進歩している。
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そのあとセミ前
「次の試合に登場するジュリア渡辺選手はこの試合が最後のファイトとなります ファンの皆様一層のご声援をお願いいたします」
定型アナウンスのあと、、村上千春、そしてジュリア渡辺が入場。SPZの人員が少ない時期から懸命にファイトしてきた選手がリングを去る。
村上千春はさして特別な感慨も見せず、ジュリア渡辺とのグランドの攻防で優位に立つと、パワースラム、そしてハイキック。この猛攻でジュリア渡辺を蹴り倒し、そのまま3カウントを奪った。勝負タイム12分21秒。
「・・・・」
敗れたジュリア渡辺、蹴りのダメージが深く、セコンドの小嶋朱美に支えられながら引き揚げた。
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セミファイナル、エアリアル菊澤VS今治みさえ。先月時間切れ引き分けに終わった対戦の決着戦。
「あははは、先月の試合はもう終わったコトですから意識してませんよ。リバースで済んだだけありがたいと思わなきゃいけません。ああいう人とやるときには試合前に必ずお手洗いに行かないと行けないんですよ、だって・・・」
記者団爆笑。
しかしこの試合はまたも今治がドラゴンスリーパーで菊澤の意識を漂白させる。これで非力となった菊澤、続くノーザンに3カウントを奪われた。勝負タイム28分41秒、こんかいはリバースは免れた菊澤だったが敗北してしまった・・・
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さいたま大会メインイベント、王者美冬に対する挑戦者はソワール・ゾネック。3ヶ月連続の同一カード。
「メキシコのウラワナ火山の中腹にごくぬるい鉱泉がわいてるが・・・打ち身捻挫には良く効くんだ。そこで日本遠征に向けてメンテナンスをきっちりやった。よって今月の私は違う」
例によって人間離れした跳躍力のドロップキックで先手を取るゾネック。そしてアームホイップ。休まず攻めないとやられるという教訓か。
「やあっ」
ゾネックのドロップキック。連発で決まる。怯んだところをブレンバスター。
―美冬が押されている
ざわざわした雰囲気。
「くっ・・・」
美冬、ここで連勝を止められるわけには行かないと考え、掌底の連打。口元にはいってしまいゾネック流血。怒ったゾネック、ムーンサルトで反撃
ワン、トゥ
美冬2で返すが受けそこなったのか表情が苦しげ
「ぬうっ」
ゾネック、フランケンシュタイナー、美冬2で返す。しかし表情がおかしい。
「行きます」
ゾネック、2度目のムーンサルト。美冬の上に落下してきた。
ワン、トゥ、スリー。
25分37秒、
美冬が約1年ぶりに3カウントを奪われた。
「これが負けか・・・」
王者は8度目の防衛に失敗。肩を落として花道を引き揚げた。
やっと美冬を倒したゾネックは小躍り。笑顔でベルトを巻いた。
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メイン終了後、ジュリア渡辺の引退式。
「あたしはリングを降りるけど、とっても楽しかったよ。ありがとー!」
アイドルレスラーだが、きっちりとした技術を持ったレスラーがリングを去った。
ジュリア渡辺
SPZ51期
2059年4月14日、釧路市体育館大会での対 小嶋聡美戦でデビュー。2067年3月30日、さいたまドーム大会での対 村上千春戦で引退。稼動月数96ヶ月、出場試合数(概算)794試合。
タイトル歴 なし
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