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2012年3月31日 (土)

第1,279回 これが負けか、

最終戦はさいたまドーム大会。

休憩後第5試合は小嶋聡美VSブレード上原。

入社2年目のブレード上原、ここまで美冬。今治、ゾネックに負けただけの4勝3敗でここまで来た。上位戦線での勝ち越しをかけて小嶋を追い込み

「ティロ・フィナーレ!」
叫んでからの一撃で小嶋から3カウント。勝負タイム17分35秒。この選手も着実に進歩している。

******************************

そのあとセミ前
「次の試合に登場するジュリア渡辺選手はこの試合が最後のファイトとなります ファンの皆様一層のご声援をお願いいたします」

定型アナウンスのあと、、村上千春、そしてジュリア渡辺が入場。SPZの人員が少ない時期から懸命にファイトしてきた選手がリングを去る。

村上千春はさして特別な感慨も見せず、ジュリア渡辺とのグランドの攻防で優位に立つと、パワースラム、そしてハイキック。この猛攻でジュリア渡辺を蹴り倒し、そのまま3カウントを奪った。勝負タイム12分21秒。

「・・・・」

敗れたジュリア渡辺、蹴りのダメージが深く、セコンドの小嶋朱美に支えられながら引き揚げた。

**************************

セミファイナル、エアリアル菊澤VS今治みさえ。先月時間切れ引き分けに終わった対戦の決着戦。

「あははは、先月の試合はもう終わったコトですから意識してませんよ。リバースで済んだだけありがたいと思わなきゃいけません。ああいう人とやるときには試合前に必ずお手洗いに行かないと行けないんですよ、だって・・・」

記者団爆笑。

しかしこの試合はまたも今治がドラゴンスリーパーで菊澤の意識を漂白させる。これで非力となった菊澤、続くノーザンに3カウントを奪われた。勝負タイム28分41秒、こんかいはリバースは免れた菊澤だったが敗北してしまった・・・

***************************

さいたま大会メインイベント、王者美冬に対する挑戦者はソワール・ゾネック。3ヶ月連続の同一カード。

「メキシコのウラワナ火山の中腹にごくぬるい鉱泉がわいてるが・・・打ち身捻挫には良く効くんだ。そこで日本遠征に向けてメンテナンスをきっちりやった。よって今月の私は違う」

例によって人間離れした跳躍力のドロップキックで先手を取るゾネック。そしてアームホイップ。休まず攻めないとやられるという教訓か。

「やあっ」

ゾネックのドロップキック。連発で決まる。怯んだところをブレンバスター。
―美冬が押されている

ざわざわした雰囲気。

「くっ・・・」
美冬、ここで連勝を止められるわけには行かないと考え、掌底の連打。口元にはいってしまいゾネック流血。怒ったゾネック、ムーンサルトで反撃

ワン、トゥ

美冬2で返すが受けそこなったのか表情が苦しげ

「ぬうっ」

ゾネック、フランケンシュタイナー、美冬2で返す。しかし表情がおかしい。
「行きます」

ゾネック、2度目のムーンサルト。美冬の上に落下してきた。

ワン、トゥ、スリー。
25分37秒、
美冬が約1年ぶりに3カウントを奪われた。

「これが負けか・・・」
王者は8度目の防衛に失敗。肩を落として花道を引き揚げた。

やっと美冬を倒したゾネックは小躍り。笑顔でベルトを巻いた。

***********************

メイン終了後、ジュリア渡辺の引退式。

「あたしはリングを降りるけど、とっても楽しかったよ。ありがとー!」

アイドルレスラーだが、きっちりとした技術を持ったレスラーがリングを去った。

ジュリア渡辺

SPZ51期

2059年4月14日、釧路市体育館大会での対 小嶋聡美戦でデビュー。2067年3月30日、さいたまドーム大会での対 村上千春戦で引退。稼動月数96ヶ月、出場試合数(概算)794試合。

タイトル歴 なし

2012年3月30日 (金)

第1,278回 ジュリア渡辺引退シリーズ

58年目3月
「ごめん、なんかもう無理みたい」
SPZ51期のジュリア渡辺が引退を表明。シングルマッチの連発の過酷な興行、グラウンド技術でしのいできたが、そろそろ潮時だと彼女なりに判断したようだ。

初戦の青森大会でジュリア渡辺、同期の美冬と最後の対決。やはりもう試合にならず、一方的にJ渡辺がやられる展開。

「はっ」
美冬、容赦のないヘッドショット。これでジュリア渡辺を退けた。勝負タイム10分46秒。

*************************

第4戦鹿島大会、 エアリアル菊澤VSブレード上原の一戦が組まれた。

「リバース!」

場内の心無い野次にも動じず、ブレード上原を追い込んで行く菊澤。しかしブレード上原、シャイニングウィザードを食らっても臆せず手数を返す。

しかし菊澤も取っ組みあいではまだまだ強い。ボディスラムで投げつけて、ニーアタック。試合は長引いた。

ブレード上原、裏拳、しかし菊澤は2で返す。

「いくぞっ!ティロフィナーレ!」

最終砲撃をこのタイミングでまともに食らった菊澤、無念の3カウントを聞いた。勝負タイム26分33秒。

「菊澤さんに・・・勝った・・・」

「そんな・・・・」

エアリアル菊澤、昨日の村上千秋戦に続いて、これで格下相手に2連敗。まだ強豪との対戦を残している。

―私は確かに1年前はチャンピオンだった。でも今は・・・後半のカードでやれる力もないっ・・・・

*****************************

エアリアル菊澤、第5戦宇都宮大会では2期先輩の小嶋聡美と対戦し、どうにか延髄斬りを炸裂させ17分38秒、勝利。

宇都宮大会のセミ前でブレード上原、今治にいどんだものの
「調子に乗るな」

グラウンドで痛めつけられ、トドメのノーザンは返したものの、続く掌底になぎ倒され3カウントを喫した。12分33秒。

「ティロフィナーレを防ぐには密着してやればいいんですよ」
サラリと必勝法を言ってのける今治。

しかしその今治は団体トップの美冬にはてんで歯が立たない。第6戦幕張大会で今治VS美冬のカードが組まれた。去年のSクラ公式戦では30分ドローに持ち込んではいるのだが。メインイベントでやるときは60分1本なので引き分け狙いは至難。けっきょく19分55秒、あっさり蹴り倒されてしまった。

美冬の連勝はいつまで続くのか。第7戦群馬大会でもエアリアル菊澤を10分40秒、脇固めで下し連勝を55に伸ばした。

そして最終戦はさいたまドーム大会。

「ジュリア渡辺最終試合」

の大看板が掲げられた。

2012年3月29日 (木)

第1,277回 リバース

58年目2月。
「スノーエンジェルシリーズ」開幕。

団体ナンバー2のエアリアル菊澤が不調。休憩明けの楽な位置に回されたが、第2戦の長野で村上千秋のバックドロップに悶絶し3カウントを奪われた。

あとはだいたい力関係どおりの結果となった。淡々と連勝を続ける美冬。第7戦三重大会でも今治の挑戦を落ち着いてさばいて、最後は一瞬の隙を見逃さず24分5秒、脇固めで勝利。なんと47連勝という凄まじい記録。昨年4月以降、なんと79試合に渡って3カウントやギブアップを許していないのだ。

***************************

最終戦は横浜スペシャルホール大会。
第1試合は神塩ナナシーVS REIKO。
「はっ」
REIKOの打撃をうまく受けながら流れを作ってゆくナナシー。頃合いを見てネックブリーカーで勝負をかける。1度は返したREIKOだったが、立て続けに2度目を食らっては返せなかった。勝負タイム14分29秒。

第2試合は村上千春VS小嶋朱美。すっかり前座の定番カードとなったこの試合、気合いの入った攻防の末、延髄斬りをジャストヒットさせた村上千春が15分30秒、3カウント奪取。

第3試合はジュリア渡辺VS初瀬唯。

「いてこましたる!」

初瀬が積極的に攻め、タイガードライバー2連発、しかしこれをしのいだジュリア渡辺
「えいっ」

たまに見せる裏拳炸裂。12分2秒、初瀬は無念の3カウントを聞いた。

休憩前第4試合はブレード上原VS真鍋つかさ。
「これで終わりっ」
真鍋の息切れを待ってティロフィナーレを仕掛けたB上原だが、なんとか返す真鍋つかさ。しかし間髪いれずに頭突きをぶち込んだブレード上原、そのまま押さえ込んで3カウントを奪った。勝負タイム13分45秒。これで今シリーズは7勝1敗。上位戦線返り咲きを確実にした。

**************************

第5試合は小嶋聡美VS村上千秋。パワーならまだまだ上を行く小島だが、村上千秋にはスピードと技のキレがある。
「オオオウッ」
垂直落下ブレンバスター、裏投げの猛攻で小嶋を後一歩まで追い込んだが、
「・・・はああっ!」
小嶋のDDTが炸裂。これは村上千秋返せなかった。勝負タイム14分36秒。

セミ前第6試合はhibari対ガイア尾白川。力のこもった熱戦が繰り広げられたが、ラリアットを決めたhibariが3カウント奪取。勝負タイム18分17秒。

セミはエアリアル菊澤VS今治みさえ。4勝3敗と両者ここまでいまいちな成績。これでは美冬に対抗できる存在ではない。しかも菊澤は肩と腰がかなり悪く、無理してファイトしている状況。ここまで4勝しているのは立派。

「ふっ!」
飛びついての回転エビでの丸め込みまでやって勝ちを獲りに行った菊澤だが、落ち着いて返す今治。

そして残り2分で勝負に出た今治、ドラゴンスリーパーでしめあげた。しかし菊澤も懸命に抵抗。途切れそうな意識をつなぎとめる。

「残り時間30秒」
石川レフェリー、止めるべきかどうか彼女にしては珍しく迷った。あと二十数秒なら菊澤なら耐え切るはず。

「・・・・・・っ」
「残り10秒」

ここで菊澤の全身からすうっと力が抜けた。

「残り5秒」

ドワアアアアア

普段の石川レフェリーならここで試合を止めたのだが、残り時間のことを考え、止めず、そのまま永遠とも思える5秒を待った。

カンカンカンカン

時間切れのゴングが鳴るやスリーパーをとく今治、ぐったりとしている菊澤、ドワアアアアの歓声。

「仕掛けるのが遅すぎた・・・あと10秒あれば私の勝ちだったな・・・・」

一礼した後引き揚げる今治、しかし菊澤起き上がらない。悲鳴。

「菊澤さん!!」

セコンドのブレード上原がペットボトルの水をかける。

「うう・・・っ」

ようやく気がついたエアリアル菊澤。

「石川さん・・・・私、負け・・・・たの?」
「いや、時間切れドロー。」

大歓声の中やり取り。

「ん・・・・わかった、帰・・・ろう」

起き上がろうとしたところ菊澤、気分の悪さが倍加して

「おええええええええええええ」

エアリアル菊澤がリバースした。

マットに落ちるトシャ物。場内騒然。

「担架担架担架!!」

沢木リングドクターが血相を変えて指示。けっきょくエアリアル菊澤は担架で運ばれた。

目立つものを片付けたブレード上原、あらためてSPZ上位戦線の凄さと恐ろしさを知った・・・・

**************************

異様な雰囲気の中で始まったメインイベントSPZタイトル戦。

美冬VSゾネック。ゾネック、高額のギャラで日本に呼ばれたが、美冬攻撃の糸口をつかめないまませめこまれる。
「これがドラゴンスリーパー」
美冬、セミの試合に張り合ったのか。ドラゴンスリーパーで相手を失神寸前にまで追いやってから
「はっ」
ヘッドショットキック一発。20分1秒、これで3カウントが入ってしまった。勝負タイム20分1秒。

美冬、7度目の防衛に成功。通算防衛回数も27に乗せ、あの武藤めぐみに並んで3位タイとなった。

2012年3月28日 (水)

空気清浄機が欲しい20120328

こんばんわ、WAS没頭中筆者のkonnoです。

花粉の飛散が激しく、大変な状態です。

とりあえず今週のスポーツニュース。

◆プロレス
3.20両国大会、三冠は秋山防衛。ゲットワイルド(大森隆男・征矢学)がメキシコの怪奇派を倒し世界タッグベルト奪取。
まあ妥当な結末だろう。
このあとジュニアタッグリーグ。BUSHIが4か月ぶりに復帰。「頭部めまい症」で長期欠場していたらしい。
そしてチャンピオンカーニバル。今年は7名ずつ2ブロックに分かれての過酷なリーグ戦。
優勝者が秋山の三冠に挑戦する流れか。

◆相撲
モンゴルの会計係・鶴竜大関昇進
今場所13勝2敗の好成績を挙げ、優勝こそ惜しいところで逃したものの、大関昇進決定。
しかしこれで1横綱6大関がしのぎを削る展開。大関陣が星のつぶしあいをする中
横綱白鵬が優勝・・・という流れがスタンダードになりそうな予感。

しかし稀勢の里も琴奨菊も大関に上がると活躍しなくなる。やっぱり守りに入ってしまうのか。

幕内最年長:旭天鵬はけっきょく親方定年に伴いいったん部屋を閉鎖して友綱部屋に移籍で話がまとまる。肌の張りが若々しいし、四つ相撲の基本のある人なので40歳まで現役も夢ではない。

◆野球
読売と朝日の泥仕合。日本を代表する2大新聞が見苦しい。朝日に高額契約金問題をリークしたのはやっぱり・・・・
清武氏の著書「巨魁」を買った(1524円)、元新聞記者だけあって文章が硬く、すいすい読めない。

◆マラソン
公務員ランナー・川内優輝選手の次回出走は4月15日かすみがうらマラソン。弟さんの初マラソンのペースメーカー役で出るらしいのでガチで走るわけではなさそう。

◆前田敦子AKB卒業。
やっぱり常に先手先手で仕掛けていかなければ話題は作れないということか。エースが抜けてどうなるのかということで注目させるブックなんだろうな。

今週はこんなところ。

2012年3月27日 (火)

第1,276回 営業的にあまりよくない展開

58年目1月

SPZは約92億円を応じて本社ビルの移転を行った。50年前に入手した本社ビルが老朽化してきたので、本社を横浜駅近くの新しめのオフィスビルに移転した。

(空き巣イベントを脳内変換しました)

新春ロケットシリーズ開幕。九州地区を回るシリーズだが、新春一発目で調子がいまいちの選手が多いのか、波乱が続出。第3戦別府大会でエアリアル菊澤がhibariのパワーボムに破れ、第4戦宮崎大会の第5試合では今治みさえがガイア尾白川のダイビングプレスに屈した。

―ひとりでも多く、上の人に・・・勝つ・・・

しかしブレード上原、真正面から来るファイトスタイルなのでどうしても上位の選手にブが悪い。美冬、今治には勝てず、エアリアル菊澤にも攻め込まれて、シャイニングウィザードにフォール負け。

「どうしてだ・・・」

*************************

しかし菊澤の状態はかなり悪く、第5戦鹿児島大会でもガイア尾白川とのスピード対決に敗れ、ダイビングプレスを返せなかった。場内騒然。

こうして2番手以下の選手がバタバタと行く中、ひとり孤高の連勝を続ける美冬。営業的にあまり良くない展開だ。かつての四天王である小嶋聡美は最古参となりアンダーカード落ちし、エアリアル菊澤は負傷で本調子を出せず、さりとてしたから上がってくる選手はおらず、ただ美冬のみが勝ち進む展開。

第7戦佐賀大会のメインでも美冬VSA菊澤が組まれたが、エアリアル菊澤にかつての力はなく、16分5秒、美冬のジャーマンで終了。

最終戦新日本ドーム。セミ前からの三試合のみ詳報。

セミ前はブレード上原VShibari。

ブレード上原、今シリーズは自分のプロレスを完全に見失い、ここまで1勝6敗という散々な状況。ティロ・フィナーレもガードして受ければさして怖くないということがわかったので、思うようにペースを握らせてくれないのである。この日もブレード上原、対戦相手の力押しにタジタジ。ラリアット、DDTを食らって青息吐息となりながらも、なんとか、

「ティロ・フィナーレ!」
浴びせ蹴り式レッグラリアットが火を噴き、25分55秒、ブレード上原がシリーズ2勝目を挙げた。

セミは今治みさえVSエアリアル菊澤。なんとここまで3勝4敗と信じられない戦績の菊澤。なんとか4勝目を狙った菊澤、シャイニングウィザードを繰り出すも決定打とならず、今治のコブラツイストにギブアップ。まさかの3勝5敗、約4年ぶりの負け越しでシリーズを終えた。

「そ、そんなぁ・・・」

がっくり肩を落とすエアリアル菊澤であった。

***********************

メインイベントSPZ戦、王者美冬に挑むのはまたもメキシコの実力者、ソワール・ゾネック。団体内に適任者が見当たらない今の状況をかんがみると、もう外人とタイトル戦をやらせるしかない。しかし美冬、落ち着いて打撃を繰り出して相手の動きを止め、ヘッドショットキックで3カウントを奪った。17分35秒、美冬完勝、6度目の防衛に成功し、なんとこれで通算防衛回数も26に乗り、歴代4位のグリズリー山本に並んだ。

マイティ祐希子31
白石なぎさ 31
武藤めぐみ27
グリズリー山本26 美冬26

「誰が一番強いのか」を測る客観的指標がSPZベルトの通算防衛回数である。(その選手の全盛期に有力な対抗馬がいたかどうかにも左右されるが、タイトル戦に長期にわたって絡み、かつ勝ち続けてきた証なので、この数字は重い。)もう美冬の上には武藤めぐみ、白石なぎさ、マイティ祐希子の3人しかいない。

「これからも一戦一勝。それだけだ・・・」

2012年3月26日 (月)

第1,275回 58年目12月 バトルグランデ

58年目12月
「バトルグランデ」開幕。ドームクラスの会場を巡るビッグなシリーズである。

第2戦、仙台大会のセミでエアリアル菊澤VSブレード上原のカードが組まれた。
「これで勝負!ティロ・フィナーレ!」

しかし菊澤もガードして受けたので致命傷にならず、

「あたしが・・・勝つんだから!」

シャイニングウィザードで逆襲。これで3カウントが入った。勝負タイム15分17秒、菊澤が面目を保った。

仙台大会メインでは美冬が圧倒的な力を発揮し、うるさいガイア尾白川を打撃で動きを止めパワーボムで勝利。

**************************

その翌々日、名古屋大会ではブレード上原は今治とあたったが、相手の粘着質な攻めをこらえきれず、16分14秒、コブラツイストでギブアップ負け。

第4戦大阪大会で新人の神塩ナナシーがやった。大先輩のジュリア渡辺相手に一歩も譲らず、最後は相手が息切れしたところをショルダータックルで勝利。勝負タイム20分39秒。

年内最後の試合はさいたまドーム大会。最近力をつけてきた新人の神塩。ふだんはおっとりとした性格なのだが、リングに上がるやなかなかの身のこなしを見せる。この日もドロップキック連発で同じ新人のREIKOを下し、このシリーズを3勝5敗で終えた。

後半の試合、まずガイア尾白川VS村上千秋。勝ち気な選手同士の対決は、裏投げで相手の戦意を挫いた村上千秋が勝利。

セミ前はブレード上原VS小嶋聡美。上位の選手相手だとなかなか結果が出せないブレード上原、ここまで2勝5敗というふがいない成績。そしてブレード上原、DDT、タイガードライバーを食らって大苦戦。なんとかティロフィナーレで逆転に成功、そのまま3カウントを奪取した。勝負タイム20分3秒。

セミは今治みさえVSサンディ・サングレ。この試合はグラウンド技でペースを掴んだ今治がそのまま押し切り、14分24秒、2度目のノーザンライトで3カウントを奪った。

そしてメイン、SPZ戦は王者美冬に対するはエアリアル菊澤。他に挑戦者はいないのかという状況だが、海外から大物外人を調達できずこのような顔合わせにならざるを得なかった。

―多分これが最後の挑戦になる

エアリアル菊澤、負傷箇所にテープを巻いてリングを向かった。いい試合はするのだが、やはり試合中旬から動きが落ちてくる菊澤、掌底、膝蹴りといった容赦ない攻撃を食らってグロッキー状態のエアリアル菊澤。

「行くぞ、トドメだ」

この状態でバックドロップ、ジャーマンの大技攻勢を受けては菊澤、フォールを返せなかった。勝負タイム30分29秒。王者が5度目の防衛に成功。通算防衛回数も25に乗せた。

年末のプロレス大賞、美冬が連続で受賞。新人賞は神塩ナナシーに贈られた。

2012年3月25日 (日)

第1,274回 美冬VSソワール・ゾネック

58年目11月 ダイヤモンドシリーズ

最終戦は横スペ大会。

第1試合は新人対決。神塩ナナシーがネックブリーカーでREIKOを下した。

第2試合は小嶋朱美VS村上千春。あのエアリアル菊澤と同期でありながら前座戦線が定位置になっている小嶋朱美、心無いファンからは「健康のためにプロレスをやっている」などと揶揄されている。それでもきょうは大会場とあって村上千春の攻めを受けきると、思いっきりスリーパーで締め上げた。

「ぐぉぼ」

「や・・・やばい、ストップ」

村上千春失神。危険と判断したセブン山本レフェリーが試合を止めた。勝負タイム10分8秒、前座第2試合からまさかの担架出動。

続く第3試合はブレード上原が登場、期待の若手だが今月はアンダーカードに回った。対戦相手は初瀬唯。基本的な攻防をきっちりやったのち、エルボーをガスガス当てて優位に立ち、最後はトラースキック連発で危なげなく勝利。勝負タイム10分40秒。

第4試合はhibariVS小嶋聡美。熱戦が繰り広げられたが、最後は相手の攻めをしのぎきった小嶋が伝家の宝刀DDTでhibariを振り切った。勝負タイム19分24秒。

その試合が終わると休憩。

****************************

休憩後、第5試合は真鍋つかさVS村上千秋。初めて後半の試合でサーキットした真鍋だがここまで2勝5敗の成績。この日も村上千秋のラフファイトに防戦一方、最後はバックドロップ2連発に力尽きた。勝負タイム11分13秒。

セミ前はガイア尾白川VSミストレス・バイテン。古参外人のバイテンが馬力で圧倒し、ラリアットで吹き飛ばす。

「ウァー」

2発目のラリアットを尾白川受けきれず3カウントを聞いた。

セミは今治みさえVSエアリアル菊澤。ナンバー2とナンバー3の対戦。しかし今シリーズのエアリアル菊澤、体に相当無理をして闘っているらしく、今治のグラウンド戦法にあっさりつかまってしまう。そのままズルズルと攻め込まれ、最後は掌底にやられてしまった。勝負タイム27分13秒。

************************

横浜大会メインはSPZ戦、王者美冬、防衛戦の相手はソワール・ゾネック。AACのスター選手だが。まえに美冬にやられたのを根に持っており、再来日してタイトル挑戦となった。

「まえに貴様にやられてからメキシコで総合格闘技の練習も積んできた。こんどこそお前を倒す」

ゾネック、いきなり人間離れした跳躍力を披露しドロップキック。

―くっ、受けるタイミングが・・・つかめん・・・

なんとかして相手の動きを止めないといけない。場外戦に持ち込みマットをはがしてのボディスラム、そして掌底。

がくりとひざを突くゾネック。ならばと、ゾネック、リングにもどるや早くもムーンサルトで勝負をかけたが、美冬も2で返して、起き上がってヒザヒザヒザ。

―クッ

しかしゾネック、バックドロップで反撃。

「・・・・っ」

美冬、これ以上は受けきれないと判断したか、ここで得意の裏投げ。ゾネックを後頭部からたたきつけた。

ワン、トゥ、スリー。

美冬強い。勝負タイム18分30秒、王者が4度目の防衛に成功。通算防衛回数も24に乗せた。

2012年3月24日 (土)

第1,273回 58年目11月 ダイヤモンドシリーズ

58年目11月

「ダイヤモンドシリーズ」開幕。
ジュリア渡辺が腰痛のため欠場。

東北地方を回るシリーズ。成績不振のため久しぶりに前半の試合に回ったブレード上原、第4戦山形大会では第1試合で同郷の後輩、神塩ナナシーと対戦。

「せっ」

ナナシーの攻めをある程度受けた後、ドロップキックで反撃開始。しかしナナシーもネックブリーカーであわてさせる。しかしブレード上原、トラースキック2連発できっちり3カウント奪取。

「同じ学校の後輩ということで緊張せずやれました。来月は大きい会場が多いので、後半の試合に戻りたいです」

第6戦宇都宮大会、第4試合で組まれたのがブレード上原VS小嶋聡美。先月はB上原が勝っている対戦なのだが、小嶋も最古参の意地でもって頭突き連打。
「ていっ」

しかしブレード上原もドロップキック連打でペースを握ろうとする。小嶋が10分過ぎに勝負に出て得意のDDT。生半可なレスラーならこれで終わりなのだが、上原も耐えて2で返す。
「おーりゃー」

ならばと小嶋、タイガードライバー。これも2で返すブレード上原。

息の乱れてきた小嶋に

「ティロフィナーレ!」

ブレード上原のティロフィナーレがここで炸裂。しかし小嶋も左腕でガードしてノドもとの直撃を防ぐ。

ワン、トゥ・・・・ドドドド

しかしこれで弱った小嶋聡美、そこへブレード上原、バックに回ってジャーマン。これは小嶋聡美、返せず終了。20分4秒、ブレード上原が今シリーズ5勝目を挙げた。

宇都宮大会のセミは久々来日のソワール・ゾネック。エアリアル菊澤と対戦。

美冬の防衛ロードストップに名乗りを上げた。スピードも体力もある相手なのであまり本調子でない菊澤はたじたじ。
「ぐはっ」
豪快なレッグドロップを食らって悶える菊澤、そして起き上がったところへラリアット。しかし菊澤も勝負を捨てずシャイニングウィザード、ニーアタックで反撃するが、ゾネックもジャーマン、バックドロップの大技攻勢で菊澤を沈めた。

**************************

第7戦幕張大会メインで美冬VSA菊澤の頂上決戦が組まれたのだが、やはり菊澤、体の負傷箇所がうずくのか、かつての爆発力がなく、ズルズルと攻め込まれ21分56秒、飛びつき腕ひしぎにギブアップ負け。

「ダメですね・・・美冬さんに動き、読まれちゃってます」(A菊澤)

美冬強い。4月以来、誰にも3カウントを許していない。

シリーズ最終戦は本拠地にもどって横スペ大会。

(続きます)

2012年3月23日 (金)

第1,272回 58年目10月 ビッグパワーシリーズ

58年目10月

「ビッグパワーシリーズ」開幕。日本海側の都市をまわるシリーズ。

ブレード上原、第2戦松江大会のセミで準エースのエアリアル菊澤と対戦。やはり菊澤のスピードと技の切れについていけず、8分6秒、延髄斬りで敗退。

次期エース候補として将来を嘱望されているブレード上原、後半の試合で闘うようになったが、上位の壁に苦しんでいる。

***************************

「ティロ・フィナーレ!」

第6戦金沢大会、ブレード上原は団体最古参の小嶋聡美と対戦。必殺のティロフィナーレはノド元を狙ったが小嶋もうまく腕でガードしたため決定打とならず。これまでの彼女なら攻め手がなくなりズルズル行ってしまうところだが、その後も小嶋相手に手数を返し、小嶋得意のDDTもなんとか返し

「ああああっ!!」

気合い一閃、覚えたてのジャーマンスープレックスホールド。

「ぐっ」

小嶋、脚をばたつかせて返そうとしたがダメージが深く、肩を上げる反応が遅くなってしまい3カウントが入った。

「小嶋さんに・・・勝った・・・」

デビュー戦の相手をようやく越えた。勝負タイム14分43秒。

**************************

最終戦は新日本ドーム大会。

第1試合は神塩ナナシーVS REIKO。新人同士の対戦だが、スピードは神塩ナナシーのほうが上。ドロップキックを何発か入れたあと、ボディスラムをはさんでトドメのドロップキック。9分34秒、神塩ナナシーが勝利。

第2試合は村上千春VS小嶋朱美。小嶋妹が先輩の意地を見せて、12分4秒、ラリアットで勝利。

第3試合はジュリア渡辺VS初瀬唯。うってかわって道場のスパーリングさながらのグラウンドの息詰まる攻防。ドーム会場なのでスタンド席の観客は何やってんだかわからなくなるが、オーロラビジョンに写しだされているのである程度は補完されている。

「これでどうっ」

ジュリア渡辺が先輩の意地を見せて、8分34秒、サソリ固めで初瀬からギブアップを奪った。

休憩前第4試合は真鍋つかさVS村上千秋。5勝2敗同士の対戦。終始押し気味に試合を進めた村上千秋が伝家の宝刀、垂直落下ブレンバスターで真鍋を失神させた。勝負タイム13分57秒。

****************************

休憩明け第5試合にブレード上原登場。対戦相手はパワーファイター、hibari。向かってくる相手の馬力に手を焼くブレード上原、チョップで反撃するがhibariはさして効いたそぶりも見せず
「オラ」
頭突きで反撃。なおも頭突き頭突き。これで突進力が鈍ったブレード上原、DDT、ラリアットの猛攻を食らって敗北。勝負タイム17分27秒。けっきょく今シリーズのブレード上原は2勝6敗に終わった。来月は前半の試合で出直し。

第6試合セミ前は小嶋聡美VSガイア尾白川。パワーでは完全に上を行く小嶋聡美が主導権を握ったが、ガイア尾白川もバックドロップで反撃。最後はお互い大ダメージを負ってどちらに転んでもおかしくない勝負となったが
「てゅりゃあああ」

ガイア尾白川のジャーマン。小嶋聡美は返せなかった。勝負タイム14分44秒。

セミファイナルは今治みさえVSサンディ・サングレ。サングレの動きについていけなかった今治、ズルズルと攻め込まれ13分6秒。ダイビングプレスに屈した。

メインイベントは美冬VSエアリアル菊澤。いまのSPZの頂上決戦だが、他に防衛戦の相手がいないのかと思わせるマッチメイク。

「せやっ」

掌底でぐらつかせてブレンバスター、膝蹴りと早い段階からラッシュをかけた美冬。強い、強すぎる。

「いくぞっ」

1度目の飛びつき腕ひしぎは何とか逃れた菊澤だったが、棒立ちになったところを膝蹴りをもらい、怯んだところを2度目の飛びつき腕ひしぎに捕らえられ、菊澤の右腕に激痛がはしった。

「うわああああ」

菊澤たまらずタップ。勝負タイム17分14秒。美冬が3度目の防衛に成功。通算防衛回数も23となり、あの吉田龍子を抜いて単独5位に躍り出た。

2012年3月22日 (木)

プロレス技シリーズ24 DDT

今回ご紹介するのは、誰もが使うポピュラー技、DDTであります。

アメリカ人レスラー、ジェイク・ロバーツが開発したとされ、日本に持ち込んだのがあの天龍源一郎といわれておりますので、「デンジャラスドライバーテンリュー」の略という説もありますが、殺虫剤としてのDDTから命名されたようです。要するに殺虫剤のようによくキク技。

原理は簡単で、相手の首を小脇に抱えて、そのまま勢いよく自ら後方に倒れて、相手の脳天をマットに打ち付ける技です。単純なように見えて頭を打ってしまうのですからダメージは大きく、かつこれといった返し技もないので、誰もが使う大技になりました。

パワーのある選手が使うと脅威で、橋本真也さんは日本でのこの技の第一人者でした。また、体格のある選手が使うと、高いところからアタマを打ってしまうので、危険度が増加してしまうようです。

全日本の常連外人で身長203cmのダニー・スパイビーが、ただのDDTを「スパイビースパイク」と称してフィニッシュに使っており、格下の選手はこの技の餌食になってしまう…という光景をよく見ました。ハンセンもゴディもつなぎ技としてDDTを使われていました。

私が印象に残っているのは、、ジャイアント馬場さんが骨折から復帰された試合で(馬場木村渕VSブッチャーキマラ1キマラ2)、フィニッシュをDDTで決めたのが印象的でした。「こんな簡単でいい技があるなんて知らなかった」とコメントされており、この技を食らったキマラ2はしばらくぐったりと倒れていました。

WASでも実装されています。返し技設定がないので、パワー技でとりあえず覚えさせておく技の最たるものでしょう。あまりにも多くの選手に覚えさせてしまったので、記憶があいまいになってしまっています。また、パワー技使いの場合パワーボムやラリアットを必殺技にしてしまうので、この技はどうしても試合中盤のつなぎ技になりがちです。

2012年3月21日 (水)

筆者が失恋したようです 20120321

「べ、別に好きとか付き合いたいとかそんなんじゃなかったから」

今月の仕事には身が入らないかもしれません。

いや、職場でちょっと気になっていた10歳くらい年下の女の子が会社辞めちゃってね。一緒に富士山登ったこともある仲だったから。あと15回くらいイベントが起これば・・・とちらっと思ったのは確かだが。連絡先くらい聞いておけばよかった。常日頃「3次元なんか興味ない、エステルさんやミアクレメンティスさんや遠山翠ちゃんがいればいい」とか抜かしていたが、心の底ではまだノーマルなのだと思う。とりあえず9年ぶりに頭を丸めた。

気を取り直して今週のスポーツニュース。

■大相撲春場所大混戦

モンゴルの会計係・鶴竜が先場所に続いて白い子撃破。あの白い子が同じ相手に2連敗って。鶴竜が強くなったのか、それとも・・・この原稿を書いている月曜日夜の時点で1敗で4人が並ぶ混戦。バルトコンベアー、白い子、鶴竜の争いか。キセノサトがどうかき回すかが見もの。個人的にはエストニア人の横綱を見てみたい気もする。

幕内最年長、旭天鵬(37)去就はいかに

前頭3枚目でまだ上位をキープしているが、ここまで1勝8敗と振るわず。一点突破の能力を持たない正統派の力士なのでもともと上位にはからきし弱かったが。

師匠の大島親方が今場所で定年を迎えるので、すでに日本国籍を取得していて部屋を継ぐことが内定している旭天鵬、引退して後を継ぐか、それともいったん部屋を閉鎖して宮城野部屋あたりに一時吸収されて現役を全うしてから改めて大島部屋を継ぐか、判断が注目されます。スポーツ紙でも「今場所は取りきる」と慎重な言い回し。個人的には小錦と対戦経験のある力士がいなくなるのは寂しいので、幕内で取れる間は頑張ってほしい。

■プロレス

ノア暴露本(別冊宝島)の中身が酷い。泉田純の激白が大半を占める。立ち読みしたけど読むに堪えない内容だった。内幕の話は内幕だけでしまっておいた方がいいこともある。

浜亮太が全日本のチャリティプロレス・陸前高田でちゃんこを振る舞う。

 浜選手のちゃんこは相撲出身者だけあってそうとう美味しいらしい。大葉をペーストにして加えるのが美味しさの秘訣らしい。

■プロ野球

横浜DeNAの球団歌「熱き星たちよ2012」お披露目

けっきょく「Oh Oh WOW WOW よこはまベイスターズ 燃える星たちよ」が、

「Oh Oh WOW WOW ディー、エヌ、エー ベイスターズ 燃える星たちよ」

になりました。横浜の部分が企業名に差し替わっただけ。しかし、ヨコハマの4文字が球団歌から消えたのは痛い。港ヨコハマ、中華街のヨコハマの野球チームでしょう。あと何回か聞いた限りでは微妙に編曲アレンジが入って、以前のような安っぽさが影をひそめちょっとおとなしくなった。ああ、この世に変わらないものはないのだ。

ラミレス肉離れで開幕絶望 やっぱり2次減衰期に入っているのだろう。見切った巨人の判断は正しかったか。

真田裕貴、金満巨人入り。DeNAの中継ぎでそこそこ活躍してたのが、メジャー行が失敗に終わり巨人入り。こういうところが抜け目ない。

2012年3月20日 (火)

第1,271回 化け物の領域

58年目9月
「ウルトラソウルシリーズ」開幕。

5月シリーズで足首を骨折したジュリア渡辺が戦列復帰。第2試合でブレード上原と対戦。
「まだ本調子じゃないですけど、やりながらカンカクを取り戻していきたいと思います」
しかし復帰戦はブレード上原に押され、防戦一方となり、最後はブランクが響いて息切れしたところをアームホイップで投げられて敗北。20分25秒。

「まずまず動けてました。これからまた頑張ります」

シリーズは四国各地を転戦。

第7戦岡山大会メインでは先月のSクラ公式戦で引き分けに終わった美冬と今治みさえの再戦。今治、ねちっこいプロレスで美冬を苦しめたのだが、44分7秒、ヘッドショットキックにやられてしまった。

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最終戦はさいたまドーム大会。

第1試合はジュリア渡辺VSREIKO。新人のREIKOはなかなか勝ち星に恵まれない。この日も積極的にエルボーを打ち込んでいったものの、

「その程度?」
頭突き一発で形勢逆転したジュリア渡辺、あとはもう動きの落ちた相手をドラゴンスリーパーでぐったりさせて、再度の頭突きでREIKOを退けた。勝負タイム12分16秒。

第2試合は村上千春VS神塩ナナシー。ヘッドバットで流血させた村上千春、相手が少し怯んだのを見るやヘッドショットキックを決めて3カウント。勝負タイム7分51秒。

第3試合はガイア尾白川VS初瀬唯。アンダーカードに下がったガイア尾白川が一方的に攻めて、8分4秒、ダイビングプレスでフォール勝ち。

休憩前第4試合は真鍋つかさVShibari。入社3年目の真鍋つかさとベテランの域にはいってきたhibariが対決。パワーなら断然hibariなのだが、真壁にはスピードがある。序盤は互角の勝負を展開してきたが、ミサイルキックをかわされてしまって、真鍋動きが止まった。

「シャ」

ラリアット一閃、hibariが勝利。勝負タイム22分58秒の熱戦。その試合が終わると休憩。

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休憩後第5試合はブレード上原VS村上千秋。お互い中堅の域から抜けるためには落とせない一戦。ブレード上原は必殺のティロフィナーレを編み出してから勝率が格段に上がったが、まだそこにいくまでの組み立てに難がある。きょうも村上姉のフィッシャーマンバスターを食らって朦朧としたところをバックドロップを3連発で食らってはなすすべなし。手痛い敗北を喫した。勝負タイム14分40秒。

「ケッ、てめーみてーなひ弱が上へいこうなんて100年早いんだよ」

セミ前が小嶋聡美VSサンディ・サングレ。先月のSクラ公式戦同一カードで敗れている小嶋が奮起して、持ち前のパワーで優位に立ち、最後はコブラツイストで絞り上げてギブアップ勝ち。勝負タイム14分53秒。

セミファイナルは今治みさえVSミストレス・バイテン。執拗なドラゴンスリーパーで相手の突進力を止めた今治、最後は相手が強引に大技を狙ったところをリバースで切り返して3カウント。勝負タイム15分5秒。

メインイベントはSPZ戦、王者美冬に対するはエアリアル菊澤。強豪外人が来日しない月はこの人を当てるしかない。美冬に勝てる可能性が少しはある選手なので。

この試合に勝てばSPZベルト通算防衛回数が22に乗る美冬。歴代5位、あの吉田龍子と並ぶのである。これより上はマイティ祐希子、白石なぎさ、武藤めぐみ、グリズリー山本しかいない。まさに化け物の領域に足を踏み入れることになる。

しかし前回の同一カードでのタイトル戦は引き分けに持ち込まれているので、美冬、慎重なファイト。

今回は時間が経過するにつれ菊澤の動きが落ちるパターンになってしまい、そこを美冬が膝蹴り、ヘッドショットのハードヒットを見せる。飛びつき腕ひしぎはロープに逃げられたものの、

「おおっ」

2度目のヘッドショット、そしてよろよろと起き上がるところを組み付いて膝蹴り。崩れ落ちるA菊澤。そのまま片エビで押さえ込んで3カウントが入った、勝負タイム59分22秒。王者が2度目の防衛に成功。

「記録のことは変に意識しても仕方がない。今日は菊澤の動きが後半落ちていたのでうまく時間内に仕留めることができた。営業的なことを考えると、新しい挑戦者がほしい。若い選手にもっと上がってきてほしい。」(美冬)

2012年3月19日 (月)

第1,270回 ブレード上原の挑戦(下)

58年目8月 SPZクライマックス

第7戦は仙台大会。リーグ戦も佳境。

サングレ(6点、逆さ押さえ込み 12.16)小嶋(4点)

メキシコの実力者、サングレのスピードをうまくいなして行った小嶋だが、タイミングよく逆さ押さえ込みを決められて敗北・・・

「やられました。ちょっとフォールを返す反応が遅れました」(小嶋聡美)

A菊澤(10点、延髄斬りからの片エビ固め 10.35)G尾白川(2点)

エアリアル菊澤、危なげなく延髄斬りで勝利。美冬と0.5差を保ったまま、明日の横スペ大会の直接対決に臨む。

「やるしかないですよ、こうなったら。いろいろと買いたいものがあるので、賞金もらいたいですから(笑)」

今治(7点、背面トペからの体固め 13.52)バイテン(6点)

今治みさえが優位に試合を進め、最後はロープに振られたところをうまく背面トペに切り返してそのまま押し潰して、3カウントを奪った。

「優勝の可能性は消えましたたが、3位に入れば賞品がもらえるので(笑)目いっぱいやります」

美冬(11点、バックドロップからの片エビ固め 15.46)B上原(2点)

ブレード上原も良く粘ったのだが、美冬の牙城を崩せず、バックドロップに力尽きた。

「まだ美冬さんの手の中で遊ばれてる感じがした。もっと相手の余裕を消せる選手にならないと・・・」(B上原)

***********************

最終戦は横スペ大会。

小嶋(6点、DDTからの片エビ固め 25.38)バイテン(6点)

バイテンの荒々しい攻めに手こずった小嶋だが、かろうじてDDTを決めて6点でリーグ戦を完走した。

「頭痛い、首痛い、腰痛い、シリーズ終わった!ビール飲みたい・・・」

サングレ(8点、ミサイルキックからの体固め 13.36)B上原(2点)

過酷なシングルリーグ初体験のブレード上原、最終戦ではどこか精彩を欠くファイト。ずるずると押し込まれ、サングレのミサイルキックに敗北。

けっきょくブレード上原、初参戦のSPZクライマックスは2点という結果に終わった。

「これが今の自分です。来年出られるように頑張ります」

今治(9点、掌底からの片エビ固め 14.47)G尾白川(2点)

ガイア尾白川を余裕で退けた今治、堂々の9点でリーグ戦を終えて、3位を確定。賞品のスポーツドリンク1ケースをもらって引き揚げた。

「3位の賞品が3,000円相当っていうのもどうかと思いますよ、まあもっと頑張れということなんでしょうね」

美冬(13点、ジャーマンSH 13.55)A菊澤(10点)

最終戦メインイベントでSPZの両エースが激突、勝った方が優勝の大一番。
しかしエアリアル菊澤の動きがおかしい。いつものすばやさが見られず、あまりいいところなく美冬のジャーマンでやられてしまった。場内ため息。美冬がこれで堂々の3連覇達成。

優勝した美冬には賞金200万円と副賞のブランド腕時計が贈られた。

「今回は相手が息切れした感がある。これからも自分のレスリングをやるだけだ」(美冬)

3回目の準優勝に終わったエアリアル菊澤、横浜中華街のお食事券5万円分を控室で受け取ってため息。

「強いね、美冬さん・・・」

2012年3月18日 (日)

第1,269回 ブレード上原の挑戦(中)

58年目8月 SPZクライマックス

第4戦は名古屋大会。

小嶋(4点、DDTからの片エビ固め 14.42)B上原(2点)

「これでも食らえ!」
小嶋の痛烈ラリアット2連発がブレード上原をたじろがす。ブレード上原、ティロフィナーレを繰り出し続いてジャーマンを狙ったがこれは前方回転エビに切り返された。そして最後は
「おーりゃー」
小嶋聡美DDT。これはまともに入って3カウント。

「必殺技はここぞというところで出さないと。まあ経験の差ということで」

若手の挑戦を退け、ドヤ顔の小嶋さんであった。

バイテン(4点、ラリアットからの体固め 11.20)G尾白川(0点)

この試合は荒れた、バイテンが場外戦のラフファイトを交えて尾白川を追い込み、最後は力任せのラリアットで尾白川をなぎ倒して3カウント奪取。

A菊澤(4点、ダイビングプレスからの体固め 13.48)今治(2点)

短期決戦を狙った菊澤が休まずに攻めまくって難敵・今治を撃破。フィニッシュはダイビングプレスだった。
「美冬さんに1つ差をつけられているので負けられません」

美冬(6点、ヘッドショットキックからの片エビ固め 8.01)サングレ(2点)

美冬、格下のサングレを一蹴。ただひとり3連勝。

************************

第5戦は広島若鯉球場大会。

バイテン(6点、フロントスープレックスからの片エビ固め 12.22)B上原(2点)

パワーの差は歴然、押されていたブレード上原、悪い流れを止められず、フロントスープレックス連発に沈んだ・・・・

「ウァハハハハ、ヒヨッコ、弱すぎだ!」

「上原選手、試合運びに難がありますね、もう少し先輩方の試合をよく見て研究しないといけません」(解説の杉浦美月)

G尾白川(2点、ミサイルキックからの片エビ固め 8.09)サングレ(2点)

前日、美冬とやって蹴りつぶされて本調子でないサングレ。ズルズルと尾白川に追い込まれてしまい、ミサイルキックをまともに食らって3カウントを喫した・・・尾白川はようやく初日。

A菊澤(6点、タイガードライバーからのエビ固め 14.30)小嶋(4点)

かつての4強対決。パワーなら小嶋、スピードなら菊澤。3年前のリーグ戦を髣髴とさせる熱戦が繰り広げられたが、最後はタイガードライバーをうまく決めた菊澤が勝利。

美冬(7点、時間切れ引き分け)今治(3点)

SPZクライマックスの舞台でもねちっこいファイトを貫く今治、相手の美冬も焦れてきて、ブレーンバスター、ヘッドショットキックの猛攻。しかし今治も耐えてグラウンドに引きずり込む。そのまま両者相譲らず時間切れ引き分けとなった。

*************************

第6戦は九州ドーム大会。

サングレ(4点、ダイビングプレスからの体固め 13.46)バイテン(6点)

バイテン、相手のスピードに対応できず無念の2敗後退。優勝戦線から脱落した。

今治(5点、コブラツイスト 12.12)小嶋(4点)

10分過ぎに今治が仕掛けたコブラツイスト、小嶋耐え切れず無念のタップ・・・

A菊澤(8点、延髄斬りからの片エビ固め 10.06)B上原(2点)

エアリアル菊澤完勝。ブレード上原の挑戦を難なく退けた。

美冬(9点、ヘッドショットキックからの片エビ固め7.36)G尾白川(2点)

美冬も完勝。7分そこそこでガイア尾白川を仕留めた。

*************************

第58回SPZクライマックス、残り2戦の段階で美冬が9点でトップ。エアリアル菊澤が8点で追う展開

(続きます)

2012年3月17日 (土)

第1,268回 58年目8月 ブレード上原の挑戦(上)

58年目8月
恒例のSPZクライマックス。エントリーは下記の8名。

小嶋聡美(23)

8年連続8度目の出場

 「パワーは落ちているのは自分でも自覚していますが、一人でも大物食いをしたいですね」

美冬(22)

7年連続7度目の出場 第56回・第57回優勝
「目標はただひとつ。全部勝つこと」

エアリアル菊澤(21)

6年連続6度目の出場
「頑張ります!!」

今治みさえ(20)

3年連続3度目の優勝
「かっこいいことは言いません。いまの力を出し切ります」

ガイア尾白川(19)

2年連続2度目の出場
「頑張る。それだけ。」

ブレード上原(16)初出場
「どこまでやれるかわかりませんが、精一杯やります」

日本人選手はこの6名だけで、あとは外国人選手が参戦。

サンディ・サングレ(20)

2年ぶり2度目の出場
「AACダイヒョーとして、恥ずかしくないファイトをします」

ミストレス・バイテン(24)

3年ぶり2度目の出場
「フン。SPZの面々を血祭りに挙げてやるよ」

***************************

2戦目の札幌から地獄のリーグ戦がスタート。

B上原(2点、トラースキックからの片エビ固め 11.23)G尾白川

終始押し気味に試合を進めたブレード上原がそのまま押し切り、トラースキックで蹴り倒して3カウント奪取。

サングレ(2点、ウラカンラナからのエビ固め 13.47)今治

サングレのスピードにおされ気味の今治。最後までそのズルズルを止められず、ウラカンラナに3カウントを奪われた。

バイテン(2点、アキレス腱固め 18.40)A菊澤

道産子ドーム大会セミにベテランのバイテンが登場。菊澤の攻勢をかいくぐりながら反撃
「ウオオオオオ」

力任せのバックドロップ、そして裏拳。徐々に追い込まれていった菊澤、シャイニングウィザードで逆転を図ったが、2.8で返したバイテン、お互いフラフラ状態ながら菊澤の足を取ってアキレス腱がために捕らえた。

「うわああー ひっ」

エアリアル菊澤、完全に虚を突かれてしまい、無念のタップ・・・

美冬(2点、ストレッチプラム 11.02)小嶋

危なげない試合運びで小嶋を追い詰めた美冬、ストレッチプラムで勝利。

*************************

第3戦は、一気に飛行機で関西へ飛んでの大阪なにわパワフルドーム大会。

小嶋(2点、コブラツイスト10.01)G尾白川(0点)

小嶋聡美が馬力にものを言わせて小柄な尾白川を追い込み、最後はコブラツイストで絞り上げて尾白川の口からギブアップの言葉を吐かせた。

今治(2点、ノーザンライトSH 17.34)B上原(2点)

おそらくこれが両者初対決。ねちねちと攻める今治にブレード上原なかなか反撃の糸口が見い出せない。
「ティロ・フィナーレ!」
上原が叫んでからの一撃も今治、さして効いたそぶりも見せずジャーマンで反撃。
―き、効かない、なぜ・・・
「はっ」
今治、ここで切り札のノーザンライトスープレックス。一度は返されたが2度目で3カウント。

A菊澤(2点、ダイビングプレスからの体固め 11.20)サングレ(2点)

エアリアル菊澤初日を出した。格下のサングレの動きについて行って、最後は得意のダイビングプレスを決めて3カウント。

美冬(4点、DDTからの片エビ固め 12.54)バイテン(2点)

要所要所で掌底を繰り出してダメージを与えた美冬。バイテン、流血しながらの奮戦も及ばなかった。

第58回SPZクライマックス。リーグ戦2試合を消化した時点で早くも美冬が単独トップに立った。(続きます)

2012年3月16日 (金)

第1,267回 ブレード上原の新必殺技

58年目7月
「サマースターナイツシリーズ」開幕。

入社2年目の期待の星、ブレード上原がはじめて後半の試合で上位の選手と連戦が組まれるようになった。

第3戦山形大会では美冬に(多分遊ばれたのだとは思うが)23分3秒の勝負を繰り広げ、最後は惜しくもドラゴンスリーパーにギブアップ負け。

それでもその翌日、茨城鹿島大会で、ブレード上原の新必殺技が炸裂した。
ガイア尾白川を追い込んで、

「ティロ・フィナーレ!」

こう叫んでからレッグラリアートを繰り出したブレード上原、長い脚がみごとに相手のノド元に命中。

「浴びせ蹴りとレッグラリアートのいいとこどりをしたような技ですね」

解説の杉浦美月がつぶやく。3カウントを喫したガイア尾白川はしばらく起き上がることが出来なかった。

「上の人を倒すための技を、道場で自分なりに研究しました。技の名前は・・・50年前のアニメから取りました。最終砲撃ということで。これでSPZクライマックスに殴りこみます」

*************************

勢いに乗ったブレード上原は第6戦群馬大会でもティロフィナーレで村上千秋を下した。

「恐ろしい技ね・・・でも私も4強の一角と言われたので、負ける訳にはいかない」

第7戦千葉大会でブレード上原VS小嶋聡美。やはり組み合ってしまうと小嶋の馬力が活きてくるので、ブレード上原は思うように攻められない。

「これでも食らえ!」

強烈な小嶋のギロチンドロップ。そしてコブラツイストでじわじわと痛めつける。

「ティロ・フィナーレ!」

ブレード上原、新必殺技で勝負に出たが、小嶋返す。

ドドドドッド。上原ジャーマン、あわやと思われたが小嶋これも返して、
「これで終わり」
切り札のDDT。18分21秒、ブレード上原、あと一歩及ばなかった。

**************************

最終戦は新日本ドーム大会。
後半の試合のみレポート。

休憩明けの第5試合は小嶋聡美が馬力を生かした攻めで村上千秋を圧倒し、タイガードライバーで3カウント奪取。勝負タイム10分52秒。

セミ前の試合にブレード上原登場。対戦相手はEWAのベテラン、ミストレス・バイテン。
やはりパワーが違う。防戦一方のブレード上原、苦しいファイトが続く。強烈なラリアットで追い込まれ、膝蹴りを叩き込まれて敗北。ブレード上原、最終戦は完敗を喫し、3勝5敗でシリーズを終えた・・・

セミはガイア尾白川VSサンディ・サングレ。スピード対決が注目されたが、パワーに勝るサンディが押し切り、フランケンシュタイナーで3カウント奪取。

そしてメイン。SPZ世界選手権。新王者美冬、初防衛戦の相手はエアリアル菊澤。勝てばSPZベルトの通算防衛回数が21となりあのビューティ市ヶ谷にならぶ歴代6位。名実ともに大横綱クラスに仲間入りするのだが、菊澤も真剣。

―もう後何回、ドームのメインでやれるかわからない。全てを美冬さんにぶつける・・・

小柄な菊澤、肩、首、腰と負傷箇所も多くなってきている。それでも菊澤は走り続け、飛び続けた。会社のため、ファンのため、そして自分自身のために。

「でやあっ」

美冬のブレンバスター。菊澤の腰が悲鳴をあげる。

―っ
たじろぐ菊澤を見抜いたように美冬チョップの嵐、そして掌底!

ーこの人には勝てない

菊澤、過去何十回もやってきた相手の大きさを改めて感じる。

―もらった
美冬DDT。そしてもう一度DDT。

―がっ
今度は首に電気が走った菊澤。それでも美冬の打撃を耐える、耐える、受けて倒れる。そしてゴングが鳴った。

―あれなんでゴングが鳴ってるんだろう・・・

菊澤、砕けそうな意識を保ちながら今の情況を確認する。セコンドの上原に尋ねる。

「60分、時間切れです」
「そっか・・・・」
時間切れ引き分け。ファンの大声援もどこか菊澤の胸にはむなしく響いた。

防衛に成功した美冬だが、「あと一押しが出来なかった。勝てなかった以上負けに等しい」というコメントを残した。

2012年3月15日 (木)

プロレス技23 ランニングネックブリーカードロップ

相手をロープに振って自らも走り、その場でジャンプして腕を相手の首にひっかけ、そのまま相手を後頭部からなぎ倒すダイナミックな大技です。

(棒立ち状態の相手に自ら走って仕掛けることもあります)

腕を首にかける点ではラリアットと同じですが、ラリアットが首を狙って剛腕をブンと振って殴り倒す荒っぽさに対し、首をひっかけて豪快になぎ倒す技なので、ラリアットとは違う系統の技で、大きな体の選手がやると会場がどよめきます。

この技は馬場さんのここ一番の必殺技で、16文キックがいつも出す必殺ムーブだったのですが、大一番で勝ちに行くときはこの技を使用されていました。ジャックブリスコを破ってNWAベルトを奪取された時も確かこの技がフィニッシュでした。

選手生活の晩年になっても馬場さんはこの技を要所で使い続けていました。休憩前に組まれる悪役商会との抗争では使っていませんでしたが、強い相手を仕留めるときはたいていこの技でした。

先日亡くなられたファーナス選手の動画をyoutubeで探していたら、90年ころの最強タッグリーグ公式戦で馬場・木村VSクロファット・ファーナスの動画があり、最後はこの技でクロファットを仕留めていました。そこそこ名のある外人選手に勝つときは、切り札の技をフィニッシュに持ってこなければならないという馬場さんの矜持が感じられました。

あとは92年の旗揚げ20周年の記念試合で試合開始3分の時点でいきなりゴーディに仕掛け、あわてて鶴田さんがカットに入ったのも印象深いです。最後に出されたのが亡くなる前年の98年1月の還暦記念試合で、渕正信をネックブリーカーで仕留めて3カウントを奪いましたが、「若いころに比べて足の上がりがない」とコメントされていました。

馬場さんの死後は使う人が少なくなりました。やはり体の大きい人が使う技なのでしょうか。

WASでは実装されていますが、威力が中ぐらいであり、武藤めぐみのデビュー直後の決め技だったり、中堅選手にとりあえず覚えさせる飛び技のつなぎ技のような扱いです。ひとりくらいはこの技を必殺で貫かせる選手を育ててみたいと思います。

2012年3月14日 (水)

花粉到来20120314

こんばんわ、WAS没頭中筆者のkonnoです。

水曜日恒例の今週のスポーツニュースのようなもの。

■全日本3.20両国決戦、直前

三冠戦は秋山VS武藤。まともに歩けずシリーズ参戦できない武藤敬司が三冠挑戦って、まあ集客を考えたんだろうな。スターが育たない現代プロレスの闇は深い。

世界タッグはメキシコの怪奇派VSゲットワイルド。大森征矢が得体のしれない存在感と会場人気を発揮しているので、取らせてもいいとは思うが。

河野VS永田は金網戦になるのかどうかを確認しようと思ったら全日本の公式サイトに接続できなかった(全日本のサイトでよくある。興行会社としてどうなのよと思う)

■相撲

この原稿を書いている火曜日麻の時点で大関稀勢の里は2連敗スタート。まだ役力士との対戦を数多く残すだけにハラハラものである。白い子に対抗させるために大関に上げて「地位が人をつくるパターン」を狙ったようだが、いまのところ・・・

バルトコンベアーは順当に2連勝スタート。人間クレーンで嘉風をつり出す。規格外だこの人。このまま突っ走れば一人横綱に疲れた白い子も空気を読んでくれると思われ。

■マラソン

市民ランナー・川内優輝さんはロンドン五輪出場は叶いませんでした。「福岡は練習の一環で東京は本番。本番で結果が出なかった」と本人も位置づけたようなので陸連もそう判断したか。春日部高校の事務職としてフルタイムで働きながら、勤務時間外に走りこんで、毎月のように各地のレースに出没してレベルアップを図るという独自のスタイルでここまできました。今回の選考過程で知名度が全国区になり、母親が「走れ優輝」という本まで出した。(買って読んでみた、これは面白い) 

五輪だけがレースではないので、これからも各地のレースに参戦して、マラソンの面白さ、奥深さを伝えていってほしい。東京マラソンの失速で「本当は怖いマラソンの給水」というのが世の中に知れ渡ったと思う。

■その他

月曜日発売の週刊ポストで前田敦子が手ブラショット。落ち目の人ならともかく国民的アイドルグループの20歳エースがそこまでやるか。やはり今の時代、攻めて攻めなきゃだめなんだろうか。つい買っちゃったけど。

2012年3月13日 (火)

第1,266回 SPZとAACの頂上対決

58年目6月
ジュリア渡辺が右足首骨折で入院、長期欠場。

「バトルアトランティス」開幕。初戦沖縄大会メインで美冬VSブレード上原。地元凱旋のブレード上原がメインイベントに登場。

「適当に相手をしてやるか・・・」

美冬の余裕を消せず。立ち技でも寝技でもかなわない。上原、新技のレッグラリアットを放ったものの、余裕でガードした美冬。ヘッドショット蹴りでで昏倒させ3カウント奪取。勝負タイム15分45秒。

シリーズはその後中京地区を転戦。ほぼ力関係どおりの結果が続き、菊澤、美冬、ゾネックの3人が順当に白星を重ねた。

第6戦浜松大会、エアリアル菊澤がゾネックに変形メキシカンストレッチで敗れ、先シリーズのリベンジはならなかった。

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第7戦長野大会。レッグラリアットで村上千秋を退けたブレード上原がシリーズ5勝目を挙げた。道場でひそかに特訓して、昔の新日本プロレスの動画を見てレッグラリアットを自分のものにした。

「まだまだ。もっと強くならないと」

長野大会メインは団体トップ2強が激突。エアリアル菊澤VS美冬。お互い一歩も譲らぬ好勝負となったが、最後は美冬が膝蹴りで菊澤に勝利。勝負タイム56分47秒の激戦。
「危なかった。どちらに転んでもおかしくない試合だった」

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そして最終戦はさいたま大会。
「勝ったーッ」
第1試合でREIKOが16戦目にしてプロ初勝利。同期の神塩ナナシーと対戦し、もみ合っているうちの肘打ちでなぎ倒してそのまま3カウントを奪った。

第3試合に登場したブレード上原、19分の熱戦の末アームホイップで真鍋つかさに勝利し、今シリーズ6勝目を挙げた。中堅の壁を破りつつあるようだ。

第5試合に登場した今治みさえ、小嶋聡美のDDTに屈し3勝5敗で終えた。一時はトップも見えた選手なだけに残念。

セミはエアリアル菊澤が登場し、EWAの強豪、ミストレス・バイテンと久々の対決。終始積極的に攻めて、17分56秒、高速ブレンバスターで勝利した。

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そしてメインイベント、SPZ戦。

王者ソワール・ゾネックに対するは、美冬。

先月菊澤を倒してSPZベルトを巻いたゾネック、ドハデな衣装に身を包みながらリングイン。

「ファファファ・・・貴様も私の前にひれ伏すのだ」

「・・・・・おろかな」

かくて、ついにSPZとAACのスター同士の対決。午後8時22分、ゴングが鳴った。

いつものようにグラウンドから入り腕攻めで相手のスタミナを奪ってゆく美冬。相手の反撃を適度に受けながら、要所で掌を繰り出し追い込んでゆく。徹底的に負けないプロレスを展開している。そして相手の息が乱れだしたと見るや

「はっ」

ヘッドショットキック。これで相手が完全にグロッキー。
「セェヤ」
トドメはジャーマンスープレックス。あまり見せない技なのだがきれいに決めた。これで3カウントが入り、勝負タイム29分29秒、SPZにベルトが戻ってきた。

2012年3月12日 (月)

第1,265回 SPZベルト海外流出

58年目5月
「バトルカデンツァ」開幕。

山梨カイメッセ大会第1試合で神塩ナナシーのデビュー戦。相手はジュリア渡辺。
「うわあっ・・・・」

一方的に攻め込まれて、神塩なにもできぬままミサイルキックに敗れた。勝負タイム4分17秒。

続く第2試合はREIKOのデビュー戦。対戦相手はガイア尾白川。
「でぇっ」
組みつくやいきなりタイガースープレックスを繰り出して秒殺を狙ってきたガイア尾白川、何とか受け身を取って、フォールを返した、REIKOだが
「足が、動かない・・・・」
異変を察したガイア尾白川がゆっくりとしたバックドロップで投げて終了。勝負タイム2分37秒。

山梨大会メインはSPZ新王者エアリアル菊澤が登場。ダイビングプレスで14分36秒、ブレード上原を撃破。

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今シリーズはメキシコから超大物ルード、ソワール・ゾネックが来日、SPZ王座どりをうかがう。第6戦佐賀大会ではゾネックVS美冬のカードが組まれ、熱戦が繰り広げられたが、一瞬の隙をつかれスリーパーでギブアップ負け。

佐賀大会メイン。
「チャンピオンとして、負けられません」

ここのところ2連敗している今治みさえとの対戦が組まれたエアリアル菊澤、気合いの入った表情でリングへ。試合が始まっても相手のグラウンド攻勢に必要以上につき合わず、18分39秒、タイガードライバーで勝利。

第7戦長野大会。今治みさえはセミでゾネックのムーンサルトに敗北。メインでは美冬VSエアリアル菊澤の頂上決戦。こんどは美冬が意地を見せて蹴りまくり、菊澤を仕留めた。

「普通にやれば10回のうち7回までは勝てる。それだけだ」

最終戦は横スペ大会。

第1試合は神塩ナナシーVSREIKO。勝った方がプロ初勝利。開始後しばらくは腕の取り合い、アームホイップの応酬とスパーリング同様の攻防を繰り広げた両者だが、ネックブリーカー連発で流れに乗った神塩が優位に立ちそのまま3度目のネックブリーカーで3カウントを奪い、プロ初勝利。

「何とか・・・勝てました・・・・上原さんに追いつけるよう頑張ります」

第2試合は初瀬唯VS小嶋朱美。この試合は初瀬がSTFで勝利。

続く第3試合はブレード上原VS真鍋つかさ。真鍋のスピードにしてやられたB上原、レッグドロップに3カウントを喫した。将来を嘱望されているこの選手だが、中堅どころでもがく日々が続く・・・

第4試合はhibariVS村上千秋。ラリアットを決めたhibariが村上を下した。

休憩後第5試合はガイア尾白川VSジュリア渡辺。動きはいいのだが重さがないので後半戦ではなかなか勝てないガイア尾白川、しかしこの日は渡辺を圧倒し、11分53秒、ショルダータックルからの体固めで勝利。

セミ前は小嶋聡美VSマリア・カムラン。マリアの蹴りで頭を打ってしまった小嶋が丸め込まれて無念の敗北。

セミは美冬VS今治みさえ。後輩の今治を軽くひねった美冬、パワーボムで完勝し8連勝達成。来月のタイトル挑戦が濃厚となった。今治は3勝5敗と負け越し・・・・

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横スペ大会メインはSPZ選手権、新王者:エアリアル菊澤VSソワールゾネック。人間離れした跳躍力とパワーを兼ね備えたメキシコの本格派。菊澤はなかなか攻め手が見つからない。

「はっ」

ブレーンバスターは滞空時間が長い。落とされた菊澤の息が上がってしまった。
そしてミサイルキック、見えない角度から飛んでくるからガードができない。菊澤は確実に追い込まれていった。
「ヤアッ」
ムーンサルトは返した菊澤だったが、続くバックドロップは返せなかった。勝負タイム23分36秒、SPZベルトが海外流出してしまった・・・

2012年3月11日 (日)

第1,264回 旗揚げ57周年エッセンシャルシリーズ

58年目4月

「旗揚げ57周年・エッセンシャルシリーズ」開幕。

ドーム級の会場を回るビッグなシリーズである。

初戦の京都大会、セミでエアリアル菊澤VSブレード上原。先月流れたカードが実現。懸命に菊澤の動きについていった上原、シャイニングウィザードも2.9ギリギリで返す粘りを見せた上原だが、最後はフラフラと起き上がったところに延髄斬りを叩き込まれて力尽きた。

勝負タイム14分10秒。

「デビューの頃からだいぶ力をつけてきてる。あと1年もすれば、恐ろしい存在になると思う」(A菊澤)

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シリーズは大会場を転戦。今シリーズ、団体ナンバー3の今治みさえが不調、マリア、ジョーカーの外人と小嶋聡美に負けて、第5戦終了時点で2勝3敗。

「ひ・・・ひぐっ・・・」
第6戦仙台大会でセミに登場したエアリアル菊澤だったが、対戦相手、マリアのアキレス腱がためが極まってしまい無念のギブアップ。地元に錦を飾れなかった・・・

入社2年目に入ったブレード上原、中堅選手の厚い壁に苦しむ。けっきょくガイア尾白川、hibariといった中堅選手から勝ちを収めることはできなかった。

「なんか相手を警戒させる、代名詞的な大技がないと…試合を支配できない」

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最終戦新日本ドーム大会。

第3試合に登場したブレード上原が始めて村上千秋に勝った。フィッシャーマンバスターで頭から落とされて苦しんだものの、無我夢中で繰り出したスリーパーで村上千秋タップ。10分48秒。

セミ前、第6試合、小嶋聡美VSジョーカーレディ。ジョーカーのラフファイトに苦しんだ小嶋、そのままズルズルと攻め込まれ14分56秒、ニーリフトに沈んだ。
「ちょっと相手に合わせすぎましたね・・・」

団体最古参の小嶋姉、けっきょく4勝4敗でシリーズを終えた。

セミは今治みさえVSデイジー・キレット。久々来日のデイジーのけりに苦しんだ今治だが、最後はとっておきの大技、ノーザンライトを決めて3カウント。

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そしてメインはSPZ戦、3ヶ月連続の同一カード。美冬VSエアリアル菊澤。

「何度来ても同じこと。菊澤は痛みを味わうことになる」

一進一退の息詰まる攻防、例によって執拗な美冬の腕攻めで焦れた菊澤が50分過ぎに仕掛けた。

「あたしが勝つんだから!」

菊澤、シャイニングウィザード、しかし続くダイビングプレスはかわれてしまった。しかし痛いそぶりも見せず、ミサイルキックを叩き込み、もう一度ダイビングプレス。

ワン、トゥ、スリー

勝負タイム59分22秒、エアリアル菊澤が王座奪還。

「ハッ、ハッ・・・・・・ハァッ・・・何とか・・・勝てました。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」

美冬、シングルマッチの連勝は39でストップ。昨年7月以来の不敗記録もここでついえた。

「心のどこかに・・・・甘い面があったか」

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SPZ世界選手権試合(60分1本勝負)

エアリアル菊澤(59分22秒、ダイビングプレスからの片エビ固め )美冬

第160代王者が6度目の防衛に失敗。エアリアル菊澤が第161代王者となる

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2012年3月10日 (土)

第1,263回 一夜明け記者会見

レッスルエンジェルスサバイバー プレイ日記
輝くエッセンシャル
58年目4月

晴れてSPZ世界王座の通算防衛記録を20に伸ばした美冬が、笑顔で一夜明け記者会見。

SPZ本社会議室で記者の質問に一つ一つ丁寧に答えるところが彼女らしい。

ー20回目の防衛おめでとうございます・

 「ありがとうございます」

ーエアリアル菊澤選手との息詰まる攻防を制しました

 「いや、菊澤とは前から何十回もやっていて、こういう動きをしてくるだろうなというのは大体わかる。それでとっさに腕をとったらキまってしまった」

ーこれで20回の防衛。歴代のスター選手に肩を並べましたね

「自分ではそうは思っていない。そのときまわりにどんな強豪選手がいるのかで結果がだいぶ違ってくる。いまの自分に対抗してくるのは所属内では菊澤くらいなので、海外の強豪選手とやりたい。」

ー今シリーズも最終戦で菊澤選手との防衛戦が組まれています

「菊澤は調子に乗らせたら怖いので、しっかりやりたいと思う。何十回もやっているので、菊澤への対応の仕方についてはわかっているつもりだ。具体的な作戦については差し障りがあるので勘弁してください」

ー若手選手の中で期待しているのは

「ブレード上原。蹴りの威力はなかなかのものを持っている。あれがレスリングを覚えたら恐ろしい存在になると思うが、まだ上に上がってくるにはそれなりの時間がかかるのではないかと思う」

ー今後の目標をお聞かせください

「一つ一つ目の前の試合をクリアしてゆくだけ。防衛回数はあくまでも結果。そのたびに日々精進だ」

美冬、すっかり王者の風格を漂わせる一流選手になってきた。なにしろ57年に及ぶSPZの歴史の中で、SPZ王座を通算10回以上防衛した選手は下記の13人しかいない。そして20回以上防衛した選手は美冬が「7人目」だ。もう彼女の上には伝説級の選手しかいない。

SPZタイトル戦通算防衛回数

マイティ祐希子31
白石なぎさ 31
武藤めぐみ27
グリズリー山本26
吉田龍子22

ビューティ市ヶ谷21

美冬 20(現役)
コンバット斉藤18

伊達遥13
アデライーダ・アバチャ12
ジャスティスえちご11
佐久間理沙子10
ハイブリッド南10

20回以上防衛を重ねた選手は、マイティ祐希子や武藤めぐみのような抜群にプロレスのうまい選手や、吉田龍子、G山本、白石なぎさのような圧倒的パワーで潰してくる系統の選手なのだが、美冬はどちらのタイプでもない。蹴り一発で試合を終わらせることができるシュートタイプの選手だが、バックドロップやジャーマンなども使いこなし、グラウンド技も強い、「負けにくい選手」というのがSPZ上層部の評判だ。

確かに本人の言うとおり、周りに有力な強豪選手が少なかった面はあるものの、美冬はその悪魔的な破壊力の蹴りと、持ち前のレスリングセンスでジーニアス武藤をトップの座から追いやり、小嶋聡美を寄せ付けず、ときおり現れる強豪外人選手を返り討ちにして、気が付けば彼女に勝てそうなのはエアリアル菊澤ぐらいという状況ができあがってしまった。

いまのSPZは収益と戦いの内容重視ということで強豪外人をあまり呼ばなくなっているので、まだまだ今後のSPZマットは美冬が軸になってゆく予感がする。

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「おっとりとした性格の子ですが、腕は立つ子だと思います」

ブレード上原が1年後輩の少女を推薦した。

「よろしくお願いします~」

名前は神塩ナナシー。ブレード上原の学校の後輩で、琉球空手をかじったことのある少女。面接したところちょっと天然っぽい感じのある子だったが、「育てれば大成するのではないか」と黒田社長が判断し、SPZ58期として入門が決まった。

「ここがトレーニングスペース。フリーウェイトはあっちに機材があるから」

さっそく先輩風を吹かせるブレード上原にぷっと吹き出す菊澤。

SPZはエース不足に陥りつつあるので、新人テストを実施し、ルックスがよく根性のありそうな柏木玲子を採用。とりあえずリングネームはREIKOでいくことにした。

とはいえ4月は巡業に帯同せず、神塩ともども道場に閉じ込めて基礎練習。

2012年3月 9日 (金)

第1,262回 美冬、通算20回目の防衛戦。

57年目3月
「ファイヤーソウルシリーズ」開幕。

「そんな・・・菊澤さんとやって今の自分の力を確かめたかったのに・・・」

初戦の青森大会が青森市街で起こった爆弾テロの影響で中止となった。くやしがるブレード上原だが、これは仕方ない。一行は青森行きを断念し、急遽盛岡市内のホテルに投宿した。

翌日からSPZ一行はそのまま東北地方を南下。

第5戦福島大会、久方ぶりに小嶋聡美が第1試合に登場。新人の村上千春と対戦。今シリーズは小嶋聡美は前半戦に落ちたので、かつての4強がついに第1試合に回る日が来てしまった。

「別に何にも思いません。第1試合といっても1試合に変わりありません」

村上千春を圧倒し、最後はミサイルキック連発で村上千春を退けた。勝負タイム8分5秒。

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第6戦宇都宮大会、第3試合で組まれたブレード上原VSジュリア渡辺が熱戦。トラースキックやチョップ連発でジュリアを追い詰めたブレード上原だったが、ジュリア渡辺の右腕一点集中攻撃でじわじわと反撃され、ついに脇固めでギブアップ。29分46秒の大熱戦だった。

「ま、向こうの打撃を警戒しながらやりましたから。次はこうはいかないでしょうね」(J渡辺)

何かが起こるSPZの宇都宮、団体ナンバー2のエアリアル菊澤が今治みさえのコブラツイストから抜けられずまさかのギブアップ負け。今治は初めて菊澤に勝った。勝負タイム15分1秒。

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第7戦は千葉幕張大会。第4試合で組まれたのが小嶋聡美VSブレード上原。ブレード上原にとってはデビュー戦以来の顔合わせ。食らい付いていったB上原だが、強烈なDDTで意識が遠のき、続くタイガードライバーに力尽きた。勝負タイム15分32秒。

「少しはやるようになってきましたね。」(小嶋聡美)

幕張大会メインは美冬VS今治みさえ。前日菊澤を食った勢いで美冬にも持ち前のねちっこいレスリングを仕掛けていった今治だが、勝負どころで鋭い掌底を入れられて今治のペースは狂って行って、けっきょく19分26秒、パワーボムで3カウントを奪われた。美冬強い。これでシングル30連勝をマーク。しかも昨年7月の菊澤戦以来負けなし。

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最終戦はさいたまドーム大会。

美冬の通算防衛回数20回が達成なるかが注目の的だったので、超満員の盛況。

第1試合は小嶋朱美VS村上千春。村上千春も打撃で応戦したが、最後はSTOを決めて勝利。勝負タイム11分21秒。

第2試合は真鍋つかさVS初瀬唯。持ち前のすばしっこさで初瀬を翻弄した真鍋、そのまま押し切りレッグドロップで12分16秒3カウント奪取。

第3試合は村上千秋VSブレード上原。

「ケリしか能のない新人が上いこーなんて甘えんだよ」

ゴング前からB上原に襲いかかっていった村上千秋、殴り合いをすると見せかけておいてフロントスープレックス、裏投げの猛攻。2度目の裏投げがかなりえぐい落とし方だった。場内悲鳴。

「ククククク」

そしてトドメはバックドロップ、これでブレード上原敗北。勝負タイム10分0秒。

第4試合は小嶋聡美VSジュリア渡辺。前半戦に回った小嶋、さすがにこのあたりでは無双状態で、この日もジュリア渡辺に重たいシャイニングウィザードを決めて3カウント奪取。勝負タイム15分36秒。小嶋姉は7戦全勝で今シリーズを終えた。その試合が終わると休憩。

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休憩後第5試合はhibariVSサンディ・サングレ。サングレのスピードに手を焼いたhibariだったが、後半になって盛り返し、ラリアット、DDTの大技攻勢で勝利。勝負タイム15分48秒。

セミ前第6試合はガイア尾白川VSジョーカーレディ。相手のラフファイトに苦しんだ尾白川だが、なんとかダイビングプレスで11分37秒、逆転勝利。

セミは今治みさえVSマリア・カムラン。いつものように地味で堅実なレスリングを仕掛けた今治、じわじわと追い込むいやらしい攻めを見せて、最後の最後だけ大技一発、ノーザンライトスープレックスでフォール勝ち。勝負タイム26分58秒。今治は今シリーズ6勝1敗の好成績。

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そしてメインイベント、王者美冬に対するはエアリアル菊澤。先月と同じカードだが、美冬に勝てそうなのが菊澤しかいない以上このカードを組み続けるしかない・・・とSPZ上層部は判断した。

「はっ」

ドロップキックの乱れ撃ちで相手のスタミナを削ろうという菊澤、美冬はとりあえず出しておく腕攻めで腕ひしぎへの布石を打っておく理詰めのファイト。例によって息詰まる攻防が展開された。しかしフィニッシュは突然に。

「ひぎ・・・っ!!」

お互い大技を出さぬまま25分が経過し、長期戦の様相が濃くなってきたところ、菊澤の動きを読んで美冬が仕掛けた脇固め。これがキマってしまったのか、菊澤、無念の表情でタップ。王者が5度目の防衛に成功。通算防衛回数も20の大台に乗せた。

「うまく相手の動きを読むことができた。まあ、ラッキーだった。こういう日もある。20回?そうか。まああんまり数字を意識せず、その日その日で納得のゆくファイトをしたいと思う」

美冬。コメントにもいっぱしの格闘家の風格が。

2012年3月 8日 (木)

第1,261回 ブレード上原の成長

57年目2月
「スノーエンジェルシリーズ」開幕。

初戦山口大会でブレード上原はセミに登場し、なんと前SPZ王者のエアリアル菊澤と対戦。やはり一方的な試合展開となり、ダイビングプレスをカウント2で返す粘りを見せたものの高速ブレンバスターは返せなかった。勝負タイム10分20秒。

「コテンパンに叩きのめされました・・・」

それでもブレード上原、前半の試合では着実に勝てるようになってきた。第4戦神戸大会では、初瀬唯のねちっこい攻めについて行って、最後は頭突きで相手を昏倒させ3カウントを奪った。

その翌日の福井大会ではミサイルキックを食らって鼻から出血に追い込まれたものの、クリムゾンローズ1号をトラースキックで撃破。

「いや、上原選手は地道に練習に取り組んでいますから、これは今後が楽しみですよ」
解説の杉浦美月が褒める。

SPZでは新人の最初の1年は大技を覚えさせない。やられることを先に覚えるという方針は旗揚げ以来変わっていないのである。そんな中で新人が頭突きやキックで先輩や外人から3カウントを取るということはなかなかできることではない。

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シリーズは日本海側各地を転戦。だいたい力関係どおりの結果となったが、50期、小嶋聡美のパワーに翳りが見え始めた。同期のG武藤が引退し団体最古参となり、気落ちがあるのか、ジュリア渡辺にネックブリーカーで敗れるなど星が上がらない。

けっきょくこのシリーズ、第7戦まで美冬とエアリアル菊澤が譲らず7連勝のまま最終戦横スペでのタイトルマッチ直接対決を迎えることになった・・・

最終戦は横スペ大会。

1試合は小嶋朱美VS村上千春。

同期のA菊澤がメインでタイトル戦だが、小嶋妹は第1試合での登場となった。しかも村上千春のエルボー連打に押され気味。

それでもラリアットで形勢逆転に成功し
「これでも食らえ!」

STOでなんとか3カウント奪取。オープニングマッチから勝負タイム15分56秒の熱戦。今シリーズの成績は両者ともに1勝7敗と振るわなかった。

第2試合はブレード上原VS真鍋つかさ。

デビューして1年近く、この団体でもまれて一回り大きくなったブレード上原だが、対戦相手の真鍋にはスピードがある。離れて闘って上原のペースになかなかさせてくれない。それでも、

がすっ
強烈な頭突きで真鍋をたじろがせて、体重の乗ったドロップキックで真鍋をなぎ倒し3カウント奪取。これで今シリーズを5勝3敗で終え、勝ち越しに成功した。

第3戦には入社3年目の初瀬唯が登場、対戦相手のクリムゾンローズ1号の力攻めに苦戦したが、相手の攻め疲れを待ってドラゴンスリーパーを仕掛け、一発逆転に成功し、コンシリーズ2勝目を挙げた。

「ま、ウチもまだまだです」

休憩前第4試合は村上千秋VSガイア尾白川。荒々しいファイトで固定ファンも増えてきている村上千秋、団体随一のスピードで上位との対戦も組まれるようになったガイア尾白川。緊迫したいい勝負が展開されたが

「でぇい」

尾白川の見事なジャーマン。これを村上千秋受けきれず3カウントを聞いた。勝負タイム7分7秒。

「あークソ、頭がっ・・・」

村上千秋は今シリーズ4勝4敗。ガイア尾白川は7勝1敗の好成績。その試合が終わると休憩。

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休憩後第5試合は小嶋聡美が登場。かつての4強の一角登場に場内も沸く。対戦相手はマリア・カムラン。前月から続いて2度目の来日ながら、SPZでの闘いにもある程度慣れてきたようで、えげつないヒールファイトで場内のブーイングを浴びる。

いたぶられて闘争本能に火がついた小嶋、ラリアットや頭突き、パイルドライバーでカムランを追い込み、最後は伝家の宝刀DDTでカムランを処刑した。典型的な勧善懲悪ストーリーに場内拍手。勝負タイム17分34秒。

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セミ前はhibari VS ジュリア渡辺。このカードがビッグマッチのセミ前になってしまうあたり、SPZもあんがい選手層が薄い。一進一退の攻防が続いたが、20分過ぎから荒々しい攻めを見せたhibariが裏拳で殴り倒して3カウント奪取。28分14秒の熱戦を制した。今シリーズの成績はhibariが4勝4敗、ジュリア渡辺が3勝5敗。

セミファイナルは今治みさえVSジョーカーレディ。ジョーカーの破天荒な攻めに手こずった今治だったが、逆片エビ固めで相手の動きを止めて、ノーザンライトSHでトドメ。勝負タイム12分28秒。

「まあ、メインが長引く可能性大なので、なるべくあっさり終わらそうと考えました」
今治がシリーズ5勝目を挙げた。

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そしてメインイベント。

SPZ世界選手権。
王者美冬に対するは挑戦者エアリアル菊澤。

「・・・どうにもならない相手ではないと思うので、精一杯やってきます」
「・・・敵は己自身。自分のプロレスをするだけ」

序盤は静かな立ち上がり、例によって美冬は菊澤の右腕に狙いを絞りグラウンドで攻めてゆく。そうはさせじと菊澤は離れてドロップキックの連打。

「はっ」
美冬の強烈タックルがA菊澤を弾き飛ばす。この程度で参る相手ではないと美冬わかっているが、まずは相手のスピードを鈍らせなければいけない。

エアリアル菊澤、30分経過の時点で、流れを変えるために早くもシャイニングウィザード、ローリングソバットで勝負に出たが、

受けきった美冬

「倒させていただく」

裏投げ、ヘッドショットキックで応戦。頭にケリを食らってもんどりうって苦しんだ菊澤、ミサイルキック、ダイビングプレスで形勢逆転を図るが、美冬もバックドロップで相手を悶絶させる

「わあああ・・・っ」

苦悶の表情を浮かべる菊澤、そこへ満を持して

「終わりだ」

美冬の奥の手、飛びつき腕ひしぎ。エアリアル菊澤、ロープに逃げようとするが、頭を打ってしまっているので身体に力が入らない。こうなってはタップするほかなかった。

「もう一度出直してこい」

勝負タイム48分36秒、王者が4度目の防衛に成功。累計防衛回数も19となり、歴代単独7位となった。

2012年3月 7日 (水)

球春到来 20120307

こんばんわ、was没頭中筆者のkonnoです。

今週のスポーツニュースのようなもの

■プロレス

ダグ・ファーナスさん(50)死去

新しいプロレスファンの方は知らないと思うが、それはそれはすごい筋肉の選手だった。なんで馬場さんはもう少し上で使わなかったのかとも思うが、上背がない(馬場さんは大きな体の選手を好んだ)のとレスリングがうまくなかったので「休憩後の試合」のポジションだったのだろう。50歳の若さで就寝中に死んじゃったのは・・・はぁ、やっぱり薬なんだろうか。プロレス界の闇は深い。

全日本3.4後楽園

ゲットワイルド(大森・征矢)がKENSO&ハヤシとのラダーマッチを制し、両国大会でのベルト挑戦権獲得。二人三脚でのロープワーク特訓や二人羽織でどら焼きを食べる特訓?の成果が出たか。征矢はもう完全にネタ師になったな。半ケツ姿でコーナーに上がって勝利のアピールって。

チームビチッと、解散。KENSO、次はどう動くのか。

■相撲

大相撲春場所3.11初日。

大関バルト、優勝すれば横綱昇進。ヨーロッパ人初の横綱昇進なるか。序盤で波に乗れば昇進はある。ただこの人、膝に爆弾を抱えてるのでヘタに横綱に上がってしまうと選手生命が結果的に縮まってしまうような気がする。

あとは新小結のガガマルに注目。200kg超の巨体。相撲がうまくなれば脅威。

■野球

巨人の打線がががががが。先日のオープン戦のスタメン見て愕然。破壊力さらにアップ。

(右) 長野
(中) 松本哲
(左) ボウカー
(三) 村田
(捕) 阿部
(遊) 坂本
(一) 小笠原
(二) 藤村
(指) 大田

■個人的なこと

風邪ひいた。せっかくの休日なのに自宅療養・・・・こういうときにPS2の電源入れてWASやれればと思うのだが、気分が悪く、フォルトゥナ紫月ちゃんの尻を見ても萌えない。

2012年3月 6日 (火)

第1,260回 最終エンジェルダイブ

最終戦は新日本ドーム大会。

「ジーニアス武藤最終試合」の大看板が掲げられた。

第1試合、14分11秒、得意のトラースキックで村上千春を下したブレード上原が4勝4敗で今シリーズを終えた。

第2試合、小嶋朱美VS真鍋つかさ。この試合もまあ盛り上がったが、最後は小嶋朱美がラリアットを叩き込んで3カウントを奪い、先輩の貫禄を示した。

第3試合は村上千秋VS初瀬唯。村上姉の2度目のバックドロップが初瀬の戦意を絶った。

休憩前第4試合はジュリア渡辺VShibari。ジュリア渡辺がネックブリーカーでhibariをなぎ倒し3カウント奪取。その試合が終わると休憩。

**********************

休憩後第5試合は今治みさえVSガイア尾白川。今治がしっかりとした動きで堅実なプロレスを見せて、10分6秒、得意のドラゴンスリーパーでギブアップを奪った。

その次の試合、セミ前にエアリアル菊澤登場、この日の相手はマリア・カムラン。初対決なので相手の動きに多少戸惑った菊澤だったが、そこはきっちり修正して、ダイビングプレスで3カウント奪取。勝負タイム13分48秒、見事7勝1敗でシリーズを終えた。

そして・・・

「次の試合に登場するジーニアス武藤選手はこの試合が最後のファイトとなります、ファンの皆様より一層のご声援をお願いいたします」

ジーニアス武藤最終試合。

対戦相手は同期の小嶋聡美。

序盤はスパーリングそのままの基本的な攻防をきっちりやる。やがて小嶋が

「はっ」

がすっ

頭突き、。よろめくG武藤、そこをアームホイップ、スリーパーでつなぎ、弱ったところをギロチンドロップ。

そのあとは逆片エビ固めでしつこく攻める。なんとか場外へ逃げたG武藤だが小嶋もマットをはがしてのDDT。

「・・・・・・・っ!!」

「これは・・・・非情な攻撃ですね。同期でもここまでやっちゃうんですねえ。小嶋聡美選手、これ完全に潰しにきてますね」

解説の杉浦美月も慄然とする攻め。

最後の力を振り絞ってリングに戻ったG武藤だが、小嶋2発目のDDT。ワン、トゥ、

武藤、ギリギリで返す。

そして、

「はぁっ」

ニーアタックで反撃して小嶋をなぎ倒したG武藤、

すかさずコーナーへ上がる。

出るぞ、出るぞ。ざわつく館内。

G武藤、空中で舞った。エンジェルダイブ。全盛期の華麗さはないが、なんとか小嶋の上に落下。吉見レフェリーがマットを叩く。

ワン、トゥ、スリー。

勝負タイム16分11秒、ジーニアス武藤、引退試合を飾った。両者ダメージが深いので、セレモニーはメイン終了後に・・・ということで、G武藤はセコンドのエアリアル菊澤の肩を借りて引き揚げた。

「うううっ・・・頭が・・・頭がっ・・・・」

メインが始まってもG武藤、なかなか起き上がれなかった。

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そしてメインはSPZ戦、王者美冬に対する挑戦者は、メキシコの実力者、ソワール・ゾネック。今治、菊澤には負けたもののここまで5勝2敗できた。この日も打点の高いドロップキックで美冬をたじろがせる。

―早めに仕掛けないと

美冬、相手の動きを読んで水平チョップ、そして掌底、たじろいだところをブレンバスター。これはたまらんとゾネック、10分過ぎに早くもムーンサルトへ、美冬2で返す。ならばとゾネックは変形のメキシカンストレッチ、ミサイルキックの猛攻。

―これでっ

美冬ニーリフト、そして相手のフランケン狙いをパワーボムに切り返す、一進一退の流れ、ラ・マヒストラルであわやという状況もあったが、最後は落ち着いて得意の飛びつき腕ひしぎに捕らえた。

「ヒィギ」

懸命にこらえたゾネックだったが無念のタップ。勝負タイム29分6秒。王者が3度目の防衛に成功。累計防衛回数も18となり、歴代7位のコンバット斉藤に並んだ。

「はっきりいって危なかった。メキシコのプロレスもきついものがある」

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メイン終了後、ジーニアス武藤の引退セレモニー。まだダメージが深いのか、足取りが覚束ない。杉浦美月、エアリアル菊澤がリングに上がり、花束贈呈。

「・・・・・いつも応援ありがとうございます。私は腰を痛め、思っていた動きができなくなりましたので、今日で、リングを降ります。ありがとうございました。」

選手大量離脱直後の時期で大活躍し、SPZを蘇らせたスター選手がリングを去った。

ジーニアス武藤(SPZ50期)

2058年4月21日、仙台市グランドアリーナ大会での対 杉浦美月戦でデビュー。2066年1月22日、新日本ドーム大会での対 小嶋聡美戦で引退。稼動月数94ヶ月、出場試合数(概算)692試合。

タイトル歴

第136代SPZ世界王者

第141代SPZ世界王者

第146代SPZ世界王者

第148代SPZ世界王者

第151代SPZ世界王者

第154代SPZ世界王者

第156代SPZ世界王者

(通算防衛回数 5回)

第96代あばしりタッグ王者(パートナーは小嶋聡美)

第53回SPZクライマックス優勝

第55回SPZクライマックス優勝

2012年3月 5日 (月)

訃報

(ジーニアス武藤の引退試合直前ですが、ここで悲しいお知らせが入ってきました)

90年代の全日本プロレスでの常連外人であった

ダグ・ファーナスさんが、3月2日、亡くなりました。

(享年50)

就寝中に突然息を引き取られたとのことです。

パワーリフティングからプロレス入りした異色の経歴を持つ選手で、その筋肉のみごとさたるや日本に来る外人の中では抜群のものでした。

胸板、腹筋、太もも・・・(鍛錬だけで作り上げたのかはわかりませんが)彫刻のような肉体で、青いショートタイツがびしっと決まっていました。

しかし常連外人にしては中堅どころの扱いで、ダニー・クロファットとの名コンビ「カンナム・エクスプレス」で主に活躍されていました。アジアタッグを5回も奪取するなど、若き日の小橋健太、菊池毅らの壁として、またメインやセミのタッグマッチにも、ハンセンやスパイビーらと組んでたまに登場されていました。

馬場さんにはあまり高い評価を受けていなかったらしく、全日本ではほとんどクロファットとの「タッグ屋」で売り出され、しかもクロファットが試合の流れを作ってからファーナスが持ち前のパワーで決めるというパターンが多かったようです。シングルマッチでは春の祭典チャンピオンカーニバルに出場されていましたが、大物食いを果たすことはほとんどありませんでした(スパイビーに勝ったぐらい。渕正信にも首固めで負けています)

必殺技はフランケンシュタイナーでしたが、しばしばパワーボムに切り返されていていました。根はいい人のようで、パートナーのクロファットが渕正信の世界ジュニアに挑戦した際、Tシャツにトレパン姿でセコンドにつき、クロファットが勝ってベルトを奪取するやリングに駆け上がり我がことのように喜んだシーンが印象に残っています。

私がファーナスの試合を生で見たことは2回あります。92年3月の武道館と92年8月のときで、いずれも休憩明けの試合でクロファットと組んで相手チームを撃破しています。92年3月の時はマレンコ兄弟を破っています。

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(当時の観戦記)

第5試合 ダニー・クロファット、ダグ・ファーナス 対 ジョー・マレンコ、ディーン・マレンコ

休憩明け最初の試合は、外人タッグチーム同士による激突。技巧派の「マレンコ兄弟」に対し、パワーのファーナスとスピードのクロファットという名コンビで現アジアタッグ王者の「カンナム・エキスプレス」の攻防はさすがであった。マレンコが兄弟ならではのチームワークでカンナムの動きを封じつつ試合を進めて行くが、最後は個々の力の差が出て、ファーナスが兄のジョーを場外戦に引きずり込む間に、クロファットが裏DDTで弟・ディーンの後頭部をマットに沈めて、そのままフォール勝ちした。

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決してトップどころの凄味はなかったものの、いい味を出していた中堅外人レスラー。最近はこういう立ち位置の選手を見ることが少なくなりました。

謹んで哀悼の意を表します。合掌。

2012年3月 4日 (日)

第1,259回 驚異の跳躍力!ソワール・ゾネック参上。

57年目1月

元SPZ王者・ジーニアス武藤が引退を表明。トップを張れなくなったと判断したので、引退の決意をした。

「最近大物外人が来ない、ギャラ惜しんで安くあげようとしてるんだろ」という意見が多数あったので、メキシコのトップスターである悪役覆面レスラー、ソワール・ゾネックの招聘に成功した。

「SPZは格闘技色が強い団体だと聞いている。私のスタイルが通用するかどうかわからないが。ジーニアスムトウが引退するというから一度SPZのマットに上がるのも悪くないと考えタ」

初戦の新潟大会。引退シリーズを闘うジーニアス武藤、最初の相手はブレード上原。
「覚悟して」

例によって相手の技を適度に受けて、相手が息切れして攻め手がなくなったなと判断するや鋭い延髄斬り。これでブレード上原はバタリと倒れ、3カウントを聞いた。

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「ゾネック?聞いたことないやつだなあ」

その次のセミ前の試合でゾネックが日本初登場。村上千秋と対戦

「ドロップキックの打点が高い!」

人間離れした跳躍力で村上千秋を翻弄、ミサイルキックもまさに急降下。
「このっ」
村上千秋も垂直落下ブレンバスター、裏投げでゾネックをあわてさせたが、最後は、厳しいボディスラムでたたきつけたあと

「ハァッ」
ムーンサルトプレスで3カウント。勝負タイム8分17秒。

「ミフユノベルト、トリニキタ」

最終戦新日本ドーム大会でのベルトどりをアピール。これを受けて会社サイドも最終戦のカードを急遽差し替え、エアリアル菊澤に代わってソワール・ゾネックを挑戦者にした。

「まあ、仕方ないです。ここのところ美冬さんに勝てていないので」

この日のセミで初瀬唯を9分58秒、延髄斬りで下したエアリアル菊澤はさばさばしていた。

「誰が来ても自分のレスリングをするだけだ・・・・」

新潟大会メインでhibariを執拗な右腕攻めで崩してからバックドロップ、ジャーマンの猛攻で3カウントを奪取した美冬、淡々とコメント。

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メキシコの強者、ゾネックは第2戦の奈良大会では小嶋聡美をバックドロップ、ムーンサルトの猛攻で下した。

奈良大会セミはジーニアス武藤VSエアリアル菊澤、最後の対戦。いまや両者の力関係は逆転したが、かつてはG武藤は高い高い壁だった。この日は積極的に攻めたエアリアル菊澤がそのまま押し切り、9分6秒、ダイビングプレスで終了。

第3戦徳島大会。

「ゾネック選手はメキシコではトップ選手ですが、ここはSPZのマットです。ましてや地元の四国なので負けられません」

しかし、ゾネックのスピードと高さには今治も苦戦。
「ぐわは・・・っ」

切れのあるブレンバスター、レッグドロップをもらって苦悶の表情。なんとか寝かそうとするが、今治のファイトスタイルの情報は入っていたらしく、なかなか決めさせてくれない、しかし、

がすっ!

今治が放った掌底でガクリとひざを突くゾネック。

「い、いまだ」

コブラツイストは何とか耐えたゾネックだったが、続くドラゴンスリーパーにギブアップの言葉を吐いた。勝負タイム15分29秒。

「SPZ・・・サスガニアマクナイ」

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徳島大会メインは最後のG武藤VS美冬のSPZ頂上決戦。14分3秒、美冬が飛びつき腕ひしぎでギブアップ勝ち。

「別に・・・・感慨などない。いずれ私にもこういう日が来る。」

ジーニアス武藤、ピークの半分も動けていない。第4戦高知大会では初来日のマリア・カムランのパイルドライバーに敗北。前半戦を終えて1勝3敗という状況。

第5戦松山大会。セミ前でソワール・ゾネックVSジーニアス武藤。最初で最後のシングルマッチ。やはりジーニアス武藤、動きが相当悪く、さして見せ場もないままバックドロップに力尽きた。ジーニアス武藤、無言で会場を後にした・・・

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第6戦岡山大会。セミ前に登場したG武藤は、今治のアキレス腱がためにあえなくギブアップ。

岡山大会メインはいまのSPZ頂上決戦、美冬VSエアリアル菊澤。

地方興行でこのカードが実現。例によって腕攻めで崩してから打撃を当てにいく美冬、倒されてもガッツで起き上がりシャイニングウィザード、ミサイルキックを繰り出す割りある菊澤、試合は大いに盛り上がったが、長引いて、先に息が切れてしまったのがエアリアル菊澤、そこへ満を持してのストレッチプラム、懸命にこらえた菊澤だったが、59分55秒、無念のギブアップ。

第7戦新潟大会、ジーニアス武藤がようやく2勝目、ガイア尾白川のスピードに苦しんだものの、愚直にブレーンバスターを連発しなぎ倒してからエンジェルダイブ、しかしガイア尾白川2で返す。

そのあとすかさずニーアタックを叩き込んで12分45秒、3カウントを奪ったがジーニアス武藤、冴えない表情。

新潟大会セミはエアリアル菊澤VSゾネック。

―くっ、パワーが全然違う・・・

スピードや跳躍力は互角なのだが、パワーが全然違う。ましてや菊澤は昨日美冬と60分近く闘って本調子ではない。裏拳、バックドロップ、ムーンサルトの波状攻撃をくらってもうダメかと思われたが、エアリアル菊澤、シャイニングウィザードを叩き込んで逆転、弱った相手を奥の手、デスバレーボムで叩きつけて3カウント奪取。

「手ごわい相手でした。次あたった時勝てるかどうか」

勝負タイム14分1秒。ゾネックは2敗目。

そして最終戦は新日本ドーム大会。

「ジーニアス武藤最終試合」の大看板が掲げられた。

2012年3月 3日 (土)

第1,258回 57年目12月 バトルグランデ

57年目12月
「バトルグランデ」開幕。
「ドーム会場を回るのにチャンピオンは休めませんね」
美冬が1ヶ月で戦列復帰。

「く・・・これからというときに」
今治みさえが腰痛で欠場。

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初戦は釧路大会。ブレード上原が再びジーニアス武藤の牙城に挑んだ。今回はネックブリーカーをカウント2で返し、得意のトラースキックも決め、G武藤が決めにきたサソリ固めも何とか耐えたブレード上原だったが

「・・・そろそろね」

腰を押さえて悶えているB上原を引きずり起こし、ブレンバスターで退けた。勝負タイム12分2秒。

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第5戦大阪大会で波乱。ジーニアス武藤がジュリア渡辺のヘッドバットを食らって昏倒しそのまま3カウントを奪われた。場内えええええ!の声。あのジーニアス武藤がこのクラスの選手にも取りこぼすようになってきた・・・

第6戦九州ドーム大会、第2試合でブレード上原が小嶋朱美を蹴り倒し3カウント奪取。また一人、先輩越えを果たした。

九州ドーム大会のセミ、エアリアル菊澤にダイビングプレスで敗れたジーニアス武藤、今シリーズ3敗目を喫した・・・

九州ドーム大会、メインでは美冬が負傷欠場明けのブランクを感じさせず、小嶋聡美を飛びつき腕ひしぎで退けた。

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第7戦広島大会、ジーニアス武藤はメインで美冬のヘッドショットキックに14分6秒、破れて今シリーズ4敗目。いよいよ凋落が誰の目にも・・・という状況になってきた。

最終戦はさいたまドーム大会。セミ前からの3試合を。

セミ前はジュリア渡辺VSマリア・プログレス。先シリーズから来日しているEWAの強豪選手プログレスは今シリーズ、あのジーニアス武藤を破るなど存在感を発揮。この日もジュリア渡辺をいたぶり、ヒールぶりを発揮。しかし最後はタイミングよく脇固めを決めたジュリア渡辺が勝利。勝負タイム12分43秒。

セミファイナルは小嶋聡美VSジーニアス武藤。同期対決だが、両者ともここまで3勝4敗と不調。お互い負けられない一戦となったが、この試合は力押しで優位に立った小嶋聡美がそのまま押し切り、タイガードライバーで3カウント奪取。勝負タイム11分5秒。

「まさか・・・・」

ジーニアス武藤、3勝5敗とシリーズ負け越し。いつ以来だろう。いや、全シングルマッチにSPZがなってから初めて。

メインはSPZ世界選手権、王者美冬に対する挑戦者はエアリアル菊澤。2人ともここまで7連勝できた。10月の新日本ドームでは60分引き分けてるのでこれが決着戦。

―コツコツと打撃を入れる、それしかない。

美冬がとにかく殴ろう殴ろうとしてくるが、菊澤も寸前で見切ってかわす。じょうないそれだけでどよめき。

―また消耗戦か・・・

タックルの打ち合いも互角。菊澤がエルボーを入れれば美冬は手刀。息詰まる攻防が展開された。

「てやっ」

菊澤ドロップキック、しかし美冬もブレンバスターで反撃。試合はまたも膠着した。

しかし試合が長引き、菊澤の動きは徐々に落ちて言った。

―ハッ、ハッ・・・

「おおおおお」

そこを突いて美冬、デスバレーを決める、そしてドラゴンスリーパー。エアリアル菊澤の表情が苦痛にゆがむ。

「がががが・・・」

そしてガクッと全身から力が抜けた。

「!!…ストップだ」

危険と判断した吉見レフェリーが試合を止めた。勝負タイム51分25秒、王者が2度目の防衛に成功。通算防衛回数も17となり、歴代の上位選手に肉薄。

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年末のプロレス大賞、美冬が最優秀選手、ブレード上原が最優秀新人。

2012年3月 2日 (金)

第1,257回 57年目11月ダイヤモンドシリーズ

57年目11月

SPZ世界美冬が最終戦のタイトル戦で古傷の腰を悪化させ、ドクターストップがかかったので無念の欠場となった。

「ダイヤモンドシリーズ」開幕。

初戦青森大会で新人のブレード上原がセミに抜擢され、ジーニアス武藤とシングルマッチ。

「・・・・・・!!」

いくら最近不調とはいえ新人との対決を組まされ、プライドを傷つけられたジーニアス武藤はイッキの攻めでブレード上原を追い込み、

「これでっ!覚悟して」

最後はサソリ固めで痛めつけてギブアップ勝ち。勝負タイム7分50秒。

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青森大会メインはエアリアル菊澤VSガイア尾白川。菊澤が10分経過とともに勝負をかけ、高速ブレーンバスターで叩きつけて3カウント奪取。

あとはほぼ力関係どおりの結果が続いた。実力者同士の対戦ならともかく、そうでないカードは10分少々でけりがついてしまう。「SPZの地方は、カードや内容が悪い」とネット掲示板で評判が立ってしまう状況。

「いかんな…この辺改善しないと」

SPZの黒田社長がつぶやく、

第6戦群馬大会から4強の直接対決が組まれた。群馬大会セミでジーニアス武藤VS小嶋聡美の同期対決。20分36秒の熱戦の末、ジーニアス武藤がエンジェルダイブで小嶋を下し6連勝。

「向こうの技は、全部知ってますから。ただ、長引いたので危なかったですね」

しかしジーニアス武藤、翌日の幕張大会ではまたしても今治のアキレス腱固めでギブアップしてしまい連勝は6で止まった。

幕張大会メインではエアリアル菊澤が小嶋聡美のDDTなどの攻めを受けきって、最後はかっこよく延髄斬りでフォール勝ちを収めた。勝負タイム22分6秒。

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最終戦は横スペ大会。

第1試合に出たブレード上原がドロップキックで同じ新人の村上千春を下した。ブレード上原、けっきょく今シリーズも村上千春のほかにはネタ外人から1勝を挙げただけの2勝6敗に終わった。会社サイドの意向としては早く後半の試合で使いたいのだが、結果が伴わないので起用できない状況。

第2試合は小嶋朱美VS真鍋つかさ。小嶋妹が先輩の意地を見せて、カチ上げ式のラリアットで3カウント奪取。

横スペ大会セミファイナルは今治みさえVS小嶋聡美。今治が23分22秒の熱戦をノーザンライトスープレックスで制した。前半はグラウンドでスタミナを奪い、後半に立ち技を混ぜる教科書どおりの展開。今治が団体のナンバー3格になってきたか。

横スペ大会メインはエアリアル菊澤VSジーニアス武藤。

美冬欠場の影響でメインはこのカードが繰り上がった。しかし落ち目のジーニアス武藤に菊澤が猛攻を仕掛け、17分2秒、最後は延髄斬りで菊澤が勝利。みごと8戦全勝となった。

「これで、美冬さんにもう一度挑みます。」

2012年3月 1日 (木)

本編の今後の展開予定??

今後の展開予定

・社長交代に伴い、ガチンコのスポーツライク格闘路線になってしまったSPZ。シングルマッチしか組まれないハードな戦いが続く。当然選手の負担も増してくる。

・しかし、SPZ会社サイドはさらにその戦いをハイブリッドなものとすべく、SPZ興行を後半の「VIPリーグ」と前座の「アンダーカード」に分ける施策を断行。VIP選抜メンバーはどうなるのか?

・ブレード上原、超必殺技「ティロ・フィナーレ」を習得。悪魔的破壊力のニールキックがSPZマットを席巻。しかし、仕掛ける前に律儀に技名を叫ぶパフォーマンスが災いし、腕でガードされてしまうこともしばしば・・・

・SPZに有力な新人「ハルカ」がデビュー。その長身を生かしたブレーンバスター、DDT、そして悪魔的破壊力の蹴り「アルティマシュート」でSPZマットを制覇。しかしその内面はかなりダウナー系で「痛いの嫌だ」「なんでプロレスやってるんだろう」「人生は無意味だ」などと問題発言をしまくる。

・ロシアから強豪外人「ユーリ・セモポヌメ」参戦。狂乱ファイトでSPZマットを蹂躙蹂躙。

・格闘技路線がある程度支持され、このまま70周年へ突っ走るかに見えたSPZマットだが、とうとうリング禍が発生。SPZマットは再び激震に見舞われる・・・

(あくまで現時点で考えている構想です。シングルマッチの繰り返しだけでリプレイをやると単調で単調でさすがに苦痛になってきました。)

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