第1,299回 ハルカ、デビュー。
60年目5月
SPZは5億円を投じて、引退後の選手の就職先としてフィットネスジム「ボディポリッシュ」を新子安駅前にオープンした。インストラクターに先日引退した小嶋朱美が任命された。
「バトルカデンツァ」開幕。
「右足がちょっとまずい・・・ことに。・・・・」
VIPのひとり、Hibariが負傷欠場、あと若手の村上千秋も右肩痛のため負傷欠場となった。やむを得ずリザーバーとしてサンディ・サングレが招聘された。Hibariとの試合が組まれていた選手はサングレと闘い、勝てば勝利数にプラスされるということになった。
シリーズ初戦、カイメッセ山梨大会で大月遥デビュー戦。リングネームはただの「ハルカ」でデビューとなった。デビュー戦の相手は1期先輩の中森あずみ。
ハルカ、ガチガチに緊張していた。握手にかこつけて中森あずみが耳打ち。
「スパーリングと同じ、同じ」
じっくりとしたグラウンドの攻防からタックルの打ち合い、でも中森は倒れない。
「けえっ」
中森のタックルで何度も倒されるハルカ、5度目のタックルでなぎ倒されたときに受け身を取りそこね、フォールを返せなかった。勝負タイム7分42秒。
SPZ60期「ハルカ」がデビュー戦を終えた。
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最終戦は横浜スペシャルホール大会。
第1試合はハルカVS初瀬唯。
ハルカの横浜本拠地デビュー戦。決まったばかりのテーマ曲「Rumbling Hearts」がかかり、ハルカが花道を全力疾走してリングイン。
しかし試合が始まるや
「ああああっ」
さんざん逆片エビでいたぶられて、耐え切れずギブアップの言葉を吐いたハルカ。8分7秒、さしていいところなく敗北。
第2試合は真鍋つかさVS中森あずみ。真鍋がリング上を飛びまわって攻撃し、中森のペースで試合をさせなかったのだが、13分過ぎにドラゴンスリーパーで捕獲した中森。そのまましめあげて鮮やかにギブアップ勝ち。
第3歳は村上千秋VS相羽和希。ノーザンライトなどを繰り出しよく攻めた相羽だったが、
「おらあああ」
村上のバックドロップのほうが切れ味が上。悶絶した相羽はフォールを返せなかった。勝負タイム10分19秒。
第4試合はガイア尾白川VSリュクスローズ92号。
りゅくすローズは頭数が足りないためアメリカから急遽呼んだ外人。思いのほか力が強かった外人の攻めに苦しんだ尾白川、そのままズルズルと行ってしまいニーリフトに沈んだ。勝負タイム11分7秒。
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休憩後、VIPの直接対決。セミ前はREIKO対今治みさえ。
「はっ」
REIKOもエルボーをガスガス当てて今治に嫌な顔をさせたのだが、
「組み付いてさえしまえばこっちのもの」
ドラゴンスリーパーなど執拗な絞め技でぐったりとさせ、最後は
「これで終わり」
ノーザンライトスープレックスで決着。勝負タイム25分9秒。試合時間の割りに今治にとっての危ないシーンはなかった。
セミはブレード上原VSサンディ・サングレ。落ち着いて攻めたブレード上原、相手の攻めを適度に受けると、
「これでっ」
ダイナミックなフォームのネックブリーカー。13分48秒、これで試合は終わった。ここまで18勝5敗1分けときっちり2位をキープ。
メインはSPZタイトル戦、王者美冬に対するはこれが初挑戦の神塩ナナシー。
「ファンのため、ベストを尽くしましょ~」
正直早すぎるかもしれないマッチメイクだが、神塩の今後のことも考え、あえて横スペのメインで組んだ。
「それっ」
ドロップキック、ボディスラムで先手を取ったナナシーだが、
「効かぬ。効かぬのだ。そんなんで私から取ろうと思ってるのか」
タックル、ボディスラム、ダブルチョップ。やはり一つ一つの技の重さが全然違う
「お前のはただ飛んでいるだけ。はったりばかりだ。」
ムッとした神塩、エルボーを当てていくが、
「まるでなっていない」
タイトル戦なのに教育マッチっぽくなってきた。波乱を期待していた場内ため息。
「じゃあそろそろ眠ってもらおうか」
美冬、えげつない攻め。掌底、デスバレー。これ以上は受けられないと判断した神塩、アラビアンプレスで勝負をかけたが、余裕で受けきった美冬。
「行くぞ」
ヘッドショットキック、バックドロップの猛攻で若手の挑戦を退けた。勝負タイム30分15秒。
これで王者が7度目の防衛に成功。通算防衛回数も34に伸ばした。
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