第1,349回 あれの才能は認める。だがプロレスは何が起こるかわからない
62年目3月
シリーズ最終戦はさいたまドーム大会。
第1試合はセモポヌメが持ち前のパワーを生かしラリアットでミスティックベータを仕留めた。
第2試合、ペガサス藤原VS真鍋つかさ。一時はVIPまでポジションを上げた真鍋つかさもこの位置でファイト。持ち前のスピードでP藤原を翻弄。最後は得意のレッグドロップで…と思われたが、ペガサス藤原も返した。そして
「どうだっ」
フロントスープレックスを連発。そしてドロップキック。これで真鍋から3カウントを奪ってしまった。勝負タイム28分4秒。
「驚きましたねえ。真鍋選手も地力はある選手なのですが」(解説の杉浦美月)
続く第3試合はフォルトゥナ紫月登場。対戦相手は村上千春。
この試合は村上千春のキックが冴え、フォルトゥナをハイキックで蹴り倒して終了。勝負タイム15分22秒。
休憩前の第4試合、村上千秋VS REIKO。アンダーカード落ちした両者の対戦だが、直近の公式戦での対戦ではすべてREIKOが勝っているのでREIKOが落ち着いて打撃を入れてゆく。最後もタイミングよく掌を入れる。あせった村上が垂直落下ブレンバスターで反撃するが、これを受けきったREIKO、
「ええい!」
ジェットスマッシュでなぎ倒し3カウント。勝負タイム15分2秒。
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そして休憩後はVIP対戦のカード。まずセミ前は神塩ナナシーVS相羽和希。
下半期の覇者ながらここまでまさかの2勝5敗で来ている神塩。S草薙に3連敗したものの神塩に2勝し、ここまで3勝4敗で来た相羽。星の上がっていない両者、技がよく出た。最後は神塩がアラビアンプレス、ダイビングプレスの猛攻で相羽を仕留めた。
勝負タイム29分57秒の大熱戦。これで神塩、相羽の両者とも3勝5敗で最初のシリーズを終えた。
「1試合1試合、一生懸命やります。アンダーカードには落ちたくありません」(相羽)
「ファンの皆さんに申し訳ないです。来月は全部勝つつもりでやります」(神塩)
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セミはブレード上原VSハルカ。
「きょうは上原さん・・・・・あの蹴り(ティロフィナーレ)はもらわないようにしないと」
押していたのはブレード上原。若手の台頭が著しいとはいえ負けてられない。
―あいつは痛がり。苦しくなったら絶対崩れる。
そう考えて技を繰り出してゆくブレード上原。ネックブリーカーを豪快に決め、ハルカから3カウントを奪った。
このセミも29分15秒の熱戦。ブレード上原は5勝3敗で、ハルカは4勝4敗でシリーズを終えた。
「まだまだ、あいつには負けませんよ。先輩の貫録ちゅうことで。あいつの痛いところは全部知ってるから」(上原)
「次頑張ります」(ハルカ)
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そしてメインイベントSPZ戦、王者セイウン草薙初防衛戦の相手は、前王者中森あずみ。
「あれの才能は認める。だがプロレスは何が起こるかわからない」
不気味に言い残して中森あずみリングへ。SPZベルトを3回も巻いているので実力はトップクラス。
しかしセイウン草薙もデビューから2年を経て、粗さがなくなってきた。中森のグラウンド攻めにも懸命に応戦。しかし隙をついての中森ストレッチプラム。
「ぎ・・・っ」
苦悶の表情を浮かべながら耐える。そして抜け出すが中森、スクラップバスターを挟んでもう一度ストレッチプラム!
しかしセイウン草薙、ギブアップの言葉だけは吐かなかった・・・
―なぜ・・・?まあ、いいでしょう
ストレッチプラムを自ら解いてその瞬間正面から組みついて不意打ち気味のボディスラムでたたきつけて、すかさず片エビでがっちり押さえ込んだ。
「ワーン、トゥー、スリー」
セブン山本レフェリーがマットを3つ叩いた。やや高速カウント気味だったので、セイウン草薙、キックアウトが一瞬遅れてしまった。
勝負タイム48分32秒。
「…一瞬の機転で勝つことができた。これだからプロレスは奥が深い」
中森あずみ、4たび女王の座に。
セイウン草薙は4勝4敗、中森あずみは5勝3敗でシリーズを終えた。
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