第1,363回 ハルカ、王座奪還
63年目12月
村上千春が右足首負傷で無念の欠場。白星配給係だっただけにリーグ戦の行方に微妙な影響を及ぼしそうだ。
相羽和希が首の負傷で欠場。
「これからという時に…残念です」
仕方がないのでVIPカードの村上千春のところにはセモポヌメがリザーバーとして入った。セモポヌメのパワーは健在で、第2戦札幌ではSPZ王者の中森、第4戦最多まではブレード上原を撃破。
第5戦愛知県しゃちほこドーム大会が駅前で起こった爆弾テロ事件の影響で中止となった。これで公式戦は1試合減って39試合の勝率で争われる。
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最終戦は大阪・なにわパワフルドーム大会。
外人同士のシングルマッチの後、第2試合は新人対決。アプリコットつばさVSフェアリー三井寺。いかにも新人同士らしい基本技の攻防の末、アプリコットつばさが先月同様ネックブリーカーで3カウント奪取。フェアリー三井寺、初白星が遠い・・・・
第3試合はペガサス藤原VSサンディ・サングレ。
ベテランのサングレがP藤原をスピードで翻弄。しかし劣勢だったP藤原が得意のタイガーSHで逆転。頭を打ったのか苦しそうサングレ。
「これは受けきれてませんね。」
解説の杉浦が指摘している間に、P藤原がブレーンバスターでサングレから3カウント奪取。勝負タイム12分54秒。入社2年目のペガサス藤原、だんだん実力をつけてきた。
そして休憩前第4試合はREIKO VSフォルトゥナ紫月、相羽和希が負傷欠場したため、この試合に勝てばVIP入りの可能性も出てくるフォルトゥナだが、いつも通りの落ち着いたファイトに終始。
「えいっ」
勝負はあっけなくついた。REIKOが掌底一撃。これが入ってしまったらしく、フォルトゥナ前のめりにダウン。
「これは・・・いけません。前のめりに倒れるのはダメージが深、ああ、終わってしまいましたね」
REIKOが後輩の挑戦を退け、VIP復帰に大きく前進した。
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そして後半の試合、セミ前はセイウン草薙VSセモポヌメ。
セミ前という楽な位置でのファイト。セイウン草薙が相手の攻めを適度に受けてから一気に攻め、最後は9分19秒、力のこもったパワーボムでセモポヌメを退けた。
セミはブレード上原VS神塩ナナシー。沖縄の先輩後輩の対戦。お互い手の内を知り尽くしているので息詰まる攻防が展開された。そのまま時間だけが過ぎて行って、30分時間切れドローとなった。
大阪大会メインはSPZ戦、新王者中森あずみ、初防衛戦の相手はリーグ戦首位を快走するハルカ。
「やりづらい相手だが、ベストを尽くす・・・」
王者中森、神妙な表情へリングへ。しかしハルカ、いきなりのエルボー連打で先手を取る。しかし中森もアームホイップで転がしての逆片エビで応戦。しばらくはそういった息詰まる攻防。試合は長期戦になった。
「ハルカ選手、隙を窺ってますね」
40分過ぎにハルカがいきなり仕掛けた。
「アルティマシュート!」
ジャンピングキックを受けてぐらつく中森、そこへニーアタックの追い討ち。
「ならばこれで・・・」
中森もドラゴンスリーパーで落としにかかるが、ハルカ耐えきってロープへ、
「手加減はしません」
ハルカ、シャイニングウィザード、フォールを返す中森。
中森、ドロップキックで反撃するが力がない。
「手加減はしません」
ハルカ、ここでトドメのノーザンライトSH。中森あずみはフォールを返せなかった。勝負タイム51分39秒、ハルカが王者に返り咲いた。
年末のプロレス大賞はセイウン草薙がMVPに輝いた。トップグループの中では頭一つ抜け出ていると判断されたか。新人賞はアプリコットつばさ。しかしベストバウトは受賞できなかった・・・・
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