第1,391回 マットを叩いて悔しがるブレード上原
64年目2月
「スノーエンジェルシリーズ」開幕。
VIPリーグも査定試合もないシリーズなので、そんなに殺伐としない試合が展開されたが、この2人だけは別だった。
VIP入れ替え戦、中森あずみVSREIKO。
3度目のVIP入りを果たすためには、実力派の中森から4勝を上げなくてはならない。初戦の沖縄ではドラゴンスリーパーにやられてしまったREIKO、2戦目の長野大会でも懸命に打撃で応戦したが、受けきられてしまい、疲弊したところをボディスラムで押さえ込まれて2敗目。勝負タイム13分27秒。
しかしREIKOも3戦目の静岡でジェットスマッシュをさく裂させ1勝を返した。だが、4戦目の岐阜で中森がSTFでギブアップを奪い3勝目を挙げ王手をかけた。
―もう負けられない。
不利な状態で迎えた第5戦三重サンシャインアリーナ大会。懸命に粘ったREIKOだったが、ドラゴンスリーパーで半失神に追い込まれ、起き上がろうとしたところをチョップで一撃され終了。勝負タイム25分9秒、中森あずみがVIPの座を守った。
それでもREIKO、第6戦の大津でタイガーSHで1勝を返すなど健闘し、入れ替え戦を2勝5敗で終えた。
そして最終戦、横スペ大会。
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第1試合開始前にSPZの黒田宏社長による「ティッシュ箱くじ引き」で、トーナメントの出場者及び組み合わせが決定された。電光掲示板にカードが発表されるたびに湧き起こる歓声。くじ運が悪いとエントリーすらできないむちゃくちゃなトーナメントである。
中森あずみVSフェアリー三井寺
神塩ナナシー VS フォルトゥナ紫月
ハルカ VS 相羽和希
セイウン草薙 VS 村上千春
選から漏れた6名はアンダーカードに回る。
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第1試合は神田幸子VSアプリコットつばさ。
「自分はくじ運が悪いからたぶんそうなると思っていた」
上位の選手とあたるチャンスを逃した神田、第1試合に登場。いつものようにキックに活路を見出すファイト。アプリコットもミサイルキック狙いで挽回を図るが2回とも自爆。
「てりゃあ」
エルボーでなぎ倒して神田幸子が勝利。
第2試合は北条咲VS REIKO。
残念ながらVIP昇格はかなわなかったREIKOだが、この日与えられた役割を全うすべく元気のいいファイト。
がすっ!
流れの中でうまくあてた掌底で北条ダウン。そこへレッグドロップ2連発。流れるような攻めだ。
「えーいっ」
そして引きずり起こして
がすっ!
至近距離からの掌底一撃、崩れ落ちる北条、7分16秒、これで3カウントが入った。
続く第3試合はブレード上原VSペガサス藤原。アンダーカードに落ちるB上原とこれからVIPに上がるP藤原が熱い攻防を展開。
「まだまだあんたなんかには負けられん」
「いつまでも前の自分と思わないでください」
ペガサス藤原、コブラツイストで痛めつけてからのブレーンバスター。B上原苦悶の表情。
―やばいな。勝負に出よう
B上原、いつものように必殺技の名前を叫んでからティロフィナーレ、吹っ飛ぶ藤原だが起き上がるやすぐB上原のバックに回り、
「どーりゃーー」
見事なタイガースープレックスホールド、ブレード上原返そうとするが腕のフックも万全で力なく足を動かすが肩が上がらず無念の3カウントを聞いた。勝負タイム20分20秒。
バン!
マットを叩いて悔しがる敗者ブレード上原。完全に世代交代を印象付けてしまった、そしていよいよトーナメント戦。(続きます)
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