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2012年10月 2日 (火)

第1,394回 加賀美明日香デビュー

65年目4月

「長崎県に身体能力の高い子がいます」

スカウトからの連絡を受けて、SPZの黒田宏社長が口説きに行った。

実家が地元の名士ということで大きな屋敷に通され、入団交渉。彼女の父親は、娘をそんな危険なところで働かせるわけにはいかんと難色を示したが、そこは黒田社長、前職で培った交渉力を活かして説得した。

「うちの会社は練習をしっかりやっており、選手間の人間関係を大切にしていますので、試合中の事故で大事に至るケースは60余年の歴史の中で数えるほどしかありません。」

「・・・・・・・」

本人が東京で活躍したいという気持ちがあったので、契約金1500万でどうにか交渉がまとまった。

数日後、新人の加賀美明日香の入団が発表された。ルックスもスタイルもかなりいいので大化けするかもと社長は感じた。

「どこかが凄く痛いです」

神塩ナナシーが負傷欠場。長い試合ばかりするから慢性的な痛みが蓄積するのである。

VIP選手が欠場したので、リザーバーはAACからジョーカーウーマンを呼んだ。

**************************

旗揚げ64周年記念エッセンシャルシリーズ開幕。

シリーズ初戦釧路大会。寒空の中、古びた大きい体育館での興行。

「さ、寒い・・・・ですわ」

長崎出身の加賀美明日香、4月中旬の釧路の寒さに慄然。

「寒いとこ悪いんだけどよ」

試合前の練習後、レフェリーの村上千秋が声をかける。

「千春の肘がちょっと練習でやっちゃったからよう、大事とって欠場させるわ。ちゅうことで第3試合に三井寺ちゃん回すからアスカ第1試合やれ、デビュー戦だ。」

「えっ・・・・」

「黒田さんから言われてるだろ、次のシリーズデビューさせるかもしれないからコスチュームとシューズはもって巡業行けって。やれるよね」

「は、はい!」

ということで釧路で組まれた第1試合、加賀美明日香デビュー戦、相手は神田幸子。

午後6時30分、ゴング。

―負けたらシャレにならない。

神田幸子が決然と見据える。間合いを取ってエルボーを入れる。場内張りつめた空気。
加賀美明日香、物おじせず試合前練習と同じ動きで相手の腕を取ってゆく。

神田、グラウンドは不得手なので立ってタックルで吹き飛ばす。そして相手がぐらついたところでエルボーを入れる。よく粘った加賀美だが、神田が

「このへんでいいだろ」

えぐい顔面蹴り一撃。のた打ち回る加賀美、そこを押さえ込んで3カウント。勝負タイム12分26秒。

試合後の控室、村上千秋レフェリーが声をかける。

「デビューおめでと。動きは悪くなかった。あとは気合いだね。まあ明日からは先輩たちの試合を見てプロレス勉強してな」
「あ、はい・・・」

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