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2012年10月15日 (月)

第1,400回 出会いはオクセンマンの胸騒ぎ

(1400回記念というわけではないのですが、書き下ろし)

時に西暦2073年夏、

SPZ60期、ハルカ。もう団体トップグループの域に達してきている名選手なのだが、メンタル面の弱さは相変わらずだった。

先シリーズのセミファイナルでは先輩の神塩ナナシーと当ったが、神塩のお得意のらりくらりファイトに引きずり込まれて30分時間切れドローとなった。SPZ王者セイウン草薙とはちょっとまだ差があるというのが大方の見方であった。

しかし本人はそんなことはあまり意に介していない。

(その日その日で納得のいく仕事をしていくしかない・・・・)

痛いのが大嫌いなハルカ、早いとこ引退したいのはやまやまだったが、年俸1300万円という高給につなぎとめられていた。

(以前ネットカフェで読んだ漫画に描いてあった・・・この世の本質は、カネの奪り合い・・・)

辞めるときは自分を守るものをきっちり作ってから、それまでは我慢しよう。そうハルカは最近思うようになった。

「こんばんわ・・・・」

「あ、いらっしゃい」

新日本ドーム大会が終わった夜の12時過ぎ、ハルカは行きつけにしている居酒屋食堂「すずなみ」の暖簾をくぐった。

カウンター席に腰を下ろすハルカ。

「ビールと、串カツ、あとにら玉のライスセット下さい」

 「きょう遅いのね~、総店長上がっちゃったからおいしくないけど勘弁してね~」

ハルカ、手酌でビール大瓶をグラスに注ぐ。

ーおいしい。

ガラッ

そこへ背広を着た30歳くらいのサラリーマン客が入ってきた。

「鈴さんこんばんわー」

 「あ、タカくん、どうも、遅いのね」

「参ったよもー、終電帰りが続いてサー、要件定義の打ち合わせがまとまんなくてまとまんなくて、もう大変だよ、鈴さん、日本酒2合冷やと、とんかつのライスセット」

 「はーい」

にら玉を作り終わった店長、ハルカに

「あ、こちらはうちのお得意さん、タカくん」 

紹介されたサラリーマンは内ポケットの名刺入れから名刺を差し出す。

「加藤です」

(株式会社コンテック 流通機器2部 担当課長 加藤貴明)

ハルカ、持っていたトートバッグから名刺を取り出す。

(株式会社スーパースターズプロレスリングゼット 巡業部主任 大月 遥)

「・・・・大月です」

「えっ、あのSPZ・・・・」

驚く加藤氏。

【この出会いが、ハルカの運命を・・・・・・・大きく変えることになる】

***************************

東京笹塚のスポーツジムで、

「なつかしいわねー、私これ大昔やったわよー」

西花子(47歳)がチェストプレスのマシンを見て一言。きょうは娘に連れられて、1日利用料2000円を払ってスポーツジムへ足を運んだ。

「母さん母さん、わたし60kgできるようになったの」

「ふっ、ふっ、ふっ・・・ふっ・・・・!」

マシンに座り10回、60キロのウエイトをがんばって動かす西明里13歳。この年齢この体重でチェストプレス60kgは驚異的だ。週3回通い続けていた効果か。

「明里、ちょっとかわって」

花子がちょっと厳しい口調で

「100kgできなきゃ、あなたが行こうと思っている世界では厳しいわよ」

といってウエイトの差し込みピンを一番下に差し替える。

「母さん、大丈夫なの?」

「私は元フローラ小川よ。」

といって目を閉じる元フローラ小川

「久しぶりだけど、10回くらいならわ、わけないわよ。若いころはこのウェイトで100回5セットやるまで帰れなかったから・・・はっ、はっ、はっ、はっ・・・・!!」

元フローラ小川、ちょっと眉根をゆがめながら両腕のパッドを押す。

(母さん・・・・)

西明里、自分が行こうとしている世界に少し恐怖した。

「7.8・・・・.9・・・・っ」

しかしやはり達人でもブランクはあると筋力は落ちるのか、元フローラ小川の表情がゆがみだして、

「じゅう・・あ、アッー」

ブチッ

がしゃん!

不吉な金属音を立ててウェイトが落下する。

「大丈夫ですか」

ムキムキイケメンのインストラクターさんが駆け寄ってくる。

「だ、だだ大丈夫よ、あ、あかり、あなたが思うほどエスピーゼットは易しいところじゃないのよ、う、うっ、うー・・・・」

とかいいながら西花子はロッカールームに消えた。

(元フローラ小川、靭帯損傷で全治2か月の重傷を負い、レストランの仕事を休む破目になった・・・)

***************************

いっぽうそのころ、戸塚のSPZ本社では・・・・

セブン山本レフェリーが記者会見でSPZクライマックス出場者名簿を読み上げていた。

◆神塩ナナシー(22)
◆ハルカ(20)
◆セイウン草薙(19)
◆フォルトゥナ紫月(19)

◆ユーリ・セモポヌメ(年齢非公開)
◆ロッコ・バロッコ(24)
◆ハイパー・アメリカン・マスク(年齢不詳)
◆ダークフローラ・クオーター(22)

日本人の4名は妥当な人選。外人も3名はここのところSPZで暴れているメンツ。

「ダークフローラ・クオーターってどんな選手ですか?」

京スポ新聞の記者が質問。

「ふふふふ、それわですね・・・・」

(セブン山本、ドヤ顔)

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