第1,408回 ハルカ復帰戦
65年目11月
SPZ60期ハルカは8月のSクラ公式戦で受け身に失敗し首を痛めてしまい、2か月間リングを離れての療養を余儀なくされた。
16時ころ横浜戸塚の道場に顔を出し、ストレッチやプールトレーニングなど軽めの調整で2時間ほど汗を流す日々。
(こうして何もない日々を過ごしていると、リングに上がるのはいやになる・・・・)
とはいえ、負傷欠場中は出場給が支払われないので、基本給10万円とグッズ販売の選手取り分のみの収入となる。手取りで給与は30万を切ってしまった。
練習を終えたハルカ(本名・大月遥)は、しばし自宅でくつろいだのち、夕食を取りに戸塚裏通りの居酒屋食堂「すずなみ」へ向かった。
(なんだろう、会えるか、気になる・・・・)
「いらっしゃい」「あ、大月さんこんばんわ」
名刺交換をしたIT会社員、加藤貴明氏とは「すずなみ」の常連どうし。居合わせることも多い。
「大丈夫なの、レスラーなのにそんな毎日飲んで」
「ふしょー欠場中です。マネージャーさんからもオーバーワークするなっていわれてるんで・・・」
といいつつ日本酒のグラスをくいーっとやるハルカ。要するにプロレスで受けた痛みとか心労とかをまぎらわすために飲み始めた酒だがだんだん量が増えてしまったというダメな人パターン。
「あー働きたくない、人生は無意味だ・・・うにゃー」
すっかり酔ってしまったハルカ。となりの席で苦笑する加藤貴明氏だった。
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そして10月末、都内のアポカリプス病院へ向かったハルカ、医者の診察を受け「んーまあ大丈夫なんじゃないかな」という診察結果を受け、次期シリーズからの戦列復帰が発表された。
(やるしかないんだ)
リングに上がって月間8試合やりさえすれば、月収は手取りで100万を超える。
「あ、足がちょっと」
今度は中森あずみが負傷欠場。古傷の右足首が重症化してしまったらしい。
11月シリーズ「ダイヤモンドシリーズ」開幕。首の負傷で2か月休んでいたハルカが復帰。初戦青森大会ではセミ前の位置でリザーバーのアメリカンマスクと対戦。
「怖くないって言ったら嘘になりますけど・・・・やるしかありません」
アメリカンのパイルドライバーを3発食らってしまうなど、攻め込まれたハルカだったが、
「手加減は、しません」
シャイニングウィザードを決めてきっちり3カウント。13分15秒復帰戦を飾った。
「まあ…感覚はまだ戻ってませんけど、戻しながらやっていきたいと思います」(ハルカ)
青森大会メインはSPZタイトル戦、王者フォルトゥナ紫月に挑むのはセイウン草薙。
―一気に攻めて、逆転の目を潰す。
セイウン草薙がノーザン、バックドロップの猛攻。グラウンドでもアキレス腱固めを仕掛けるなど、攻めて攻めた。そしてフォルトゥナ紫月が弱ってきたのを見るや、
「はっ」
高く抱え上げてパワーボムでたたきつけた。これで3カウントを奪取。王者は2度目の防衛に失敗。セイウン草薙が187代目のチャンピオンに返り咲いた。
「休んで隙を見せたら、相手に仕掛けられてしまうので、攻め続けるしかないと判断しました。結果が残せてうれしいです」(S草薙)
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そして、最終戦は横スペ大会。
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