第1,410回 65年目12月 歳末個人闘争
65年目12月
「歳末バトルグランデ」開幕。
神田幸子が太もも肉離れのため欠場となった。
「北条さんに…おいて行かれる・・・っ」
シリーズ初戦は釧路大会。
「ウェハハハハ、今夜の犠牲者はおまえか」
SPZクライマックスで優勝したこともあるロシア人凶暴レスラー、ユーリ・セモポヌメが久々に登場。なんでもEWAマットで熱くなりすぎて対戦相手を病院送りしてしまいEWAから出場停止処分を食らってしまったらしい。
この日は第1試合で北条咲と対戦。
―これはテストだ。前座から抜けられるかどうかという会社サイドの。
北条、決然とした表情でセモポヌメを見据える。
しかし試合が始まるやセモポヌメの狂乱ファイトにタジタジ。懸命に耐えて、
「受けてみろ!!」
剛腕ラリアット。体重をうまく乗せた。
しかしセモポヌメ返した。ドドドドド
「ウゥルァアア」
セモポヌメ、逆転のバックドロップを狙ったが、北条も巧みに上空で体を入れ替え押しつぶした。こういうムーブも違和感なくできるようになったのが彼女の成長。
「ギウッ」
これで腰を打てしまったセモポヌメ、無念の3カウントを喫した。
「勝てた・・・・」
入社2年目の北条咲、着実にステップを上りつつある
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第3戦仙台大会のメインで波乱が。ハルカのアルティマシュートでセイウン草薙が失神してしまいフォール負け。担架が出動し場内は騒然となった。
その翌々日名古屋しゃちほこドーム大会でも波乱が起こった。
第3試合で北条咲がラリアットでブレード上原から初勝利を挙げた。場内は爆発した。いよいよ若い力が台頭してきたか。
「ラリアットの衝撃が凄くて、倒れるとき頭打っちゃってわけわかんなくなった。」(B上原)
そして名古屋のメインでS草薙がまたもハルカに敗北。蹴りを警戒してのファイトになってしまい、本来の彼女の動きではなくなっていた。けっきょくズルズル攻め込まれてしまい、DDTに敗北。
「明日の大阪、覚悟して」(ハルカ)
珍しく本部席前でマイクパフォーマンスをしたハルカ。買った場合はしゃべれと会社サイドから指示されていたらしい。
セイウン草薙、ベルト防衛に暗雲が漂った・・・
「まあ、2連敗した事実は消えませんから、明日は明日で開き直ってやります」(S草薙)
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そしてその翌日は、なにわパワフルドーム大会。
―私も若い選手に食われる立場になってしまったか・・・
第3試合でこの日もブレード上原VS北条咲。馬力なら断然北条なのだが、B上原には修羅場をかいくぐってきた経験とスピードがある。北条の頭突きでよろめくもドロップキックを返す。しかし北条もタイガードライバーで追撃。
「ぐううう」
これで頭を打ってしまったB上原、動きに精彩がなくなり、さらにニーアタック2発を食らってしまう。
「せいっ!」
2度目のタイガードライバーは場外に逃れたB上原だが、場外乱闘でもペースをつかめず逆に場外でタイガードライバーを食らってしまい、リングに戻ったところを4度目のタイガードライバー、ブレード上原の意識は闇に落ちた。
勝負タイム17分46秒、北条咲、ブレード上原に2連勝。
「・・・・・うううう・・・・」
セコンドの三井寺に背負われて引き揚げたB上原、控室でぶっ倒れた。若手がリングシューズのひもを解く。
―もう、このへんなのかな・・・
ブレード上原、初めて限界を感じた。
大阪大会メインはSPZ戦、
王者セイウン草薙に挑むのはハルカ。仙台・名古屋でS草薙に2連勝してタイトル戦を迎えたが、S草薙、いきなりの草薙流兜落とし。ベルトを守るべく、完全に相手をつぶしに来ている。そして空気投げ、ノーザン。
ならばとハルカもアルティマシュートを繰り出すが当たりが浅く、S草薙素早く起き上がってバックドロップ2連発
「ぐうううう」
これで頭を打ってしまったハルカ、続くフランケンシュタイナーに沈んでしまった。勝負タイム10分48秒。セイウン草薙が一方的に攻めて初防衛に成功。
「うう・・・・何が何だか・・・わからない・・・・」
呆然とした表情で引き揚げるハルカだった。
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第6戦広島大会でも波乱。若手の有望株、北条咲がREIKOもラリアットで下した。
そして第7戦九州ドームでも波乱。北条咲がラリアットでこの日もREIKOを下し、メインではセイウン草薙がノンタイトル戦ながら、フォルトゥナに絞め落とされてレフェリーストップ負け。年の瀬なのに個人闘争は白熱するいっぽう。
そして最終戦はさいたまドーム大会。
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