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2012年10月 4日 (木)

とんだいっぱい食わせ者 1

本業超激務で本編が全然進まないので、書き溜めていた外伝をさらしてお茶を濁します。お察しください。

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レッスルエンジェルスサバイバー プレイ日記
輝くエッセンシャル 外伝
「とんだいっぱい食わせ者」

時に西暦、2015年

横浜のお嬢様プロレス団体の本社オフィス。
深夜でも明かりがついている。この団体の社長はゼニゲバなので本社スタッフの人員を増やさず、必要最低限のスタッフで回しているので、社長も現業をこなさなければならなかった。

「ええっ?マリアさんが来られない?」

「本国のサーキットの都合で参戦できなくなったとのことです」

国際電話で話していた井上霧子が社長に報告する。どうやら提携していたアメリカの団体から参戦予定の選手が来日できなくなったという連絡を受けていた。

プロレスの楽しさの一面は日本人VS外人にあるという信念を持つ社長はうろたえた。体格やパワーに勝る外人を、ガッツある日本人選手が迎え撃つ。この図式は試合内容が多少粗雑でも観客が乗ってくれる。なのでこの団体は資金繰りがかつかつでも毎シリーズ3-4名の外人選手を招聘していた。

「参ったな」

あてにしていた外人選手が来ないと、巡業に出る選手が奇数になってしまう。となると経験を積ませなければならない若手新人選手が試合できないという事態になりかねない。社長はしばし沈思したのち井上霧子に告げた。

「代役呼んでってネゴして。ギャラはマリアさんと同額払うから」

井上霧子が流暢な英語で先方のエージェントと国際電話で交渉する。さいわい交渉がまとまったらしく3分くらいで話は終わった。

「社長、マリア選手の代役ですが」

「うん・・・・」

「先方から推薦があったのがクレア・テンプレトン選手、22歳、アメリカでKARATEをマスターしていて打撃戦はいいものを持っているとのことです」

「しゃあないな。呼ぶしかない。実力未知数だけど」

初来日外人ははっきり言ってカケである。センスとパワーある強豪か、日本のプロレスに順応できる技巧派か、それとも馬力だけの全く使えないデクノボーか。呼んでみないとわからないのである。提携団体に「試合内容のビデオをくれ、それ見て判断したい」と言おうものなら提携打ち切りをちらつかされるので、先方の推薦した選手をそのまま呼ぶしかないのである。

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そして2週間後、謎のヴェールに包まれた女空手ファイター、クレア・テンプレトンが来日した。先方のエージェントが「ハードな打撃がウリ」と推していたので、シリーズ初戦の山梨大会は団体一のシューター、南利美とのシングルマッチを組んだ。

しかしー、

「社長、なんであんなの呼んだんですか」

試合後の控室、南利美がちょっと怒った表情で社長に詰め寄る。山梨大会のセミ前、6分2秒でクレアを回転エビ固めで破ったが、相手があまりにも歯ごたえがなかったので社長にクレームをつけてきた。

「受け身が全然できてない。あんなんでジャーマンとか裏投げとかやったら事故が起こる。グラウンドの技術もない。あーもう試合作るのに苦労したわ。あんなのに大技出せないから丸め込むしかなかったけど、アメリカに帰した方がいいと思うわ」

南利美の査定では「とんだいっぱい食わせ物」だったらしい。

「でもねえ南さん、先方のメンツもあるから、1試合だけでのしつけて送り返すわけにもいかないのですよ」

社長が頭を抱えながら諭す。本部席で観ていても酷い内容の試合だった。あれでは南利美の魅力の1割も伝えきれていないだろう。

(たぶん下部組織の基礎のできていない兼業レスラーを急きょ送り込んだんだろうな・・・・)
社長も苦々しい表情。アメリカ本国でも本業は別にあって、スモールハウスの興行の前座に小遣い稼ぎで顔を出すレスラーは多くいる。

「とにかく!私はあんなのの相手は願い下げです」

当初予定のカードでは、明日以降の興行でメインやセミのタッグマッチで伊達遥や草薙みことといったトップどころと抗争させるつもりだったが、はっきり言って荷が重すぎると感じた社長は、団体1期生の小川ひかるを呼んだ。

(続きます)

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