第1,427回 どこかがすごく痛いです~
66年目9月
「どこかが凄く痛いです」
スタッフはあわてて神塩ナナシーを都内のアポカリプス病院に連れて行った。
神塩ナナシーが首の痛みのため欠場。リザーバーにはいつも通り?セモポヌメが起用された。
第2戦うどん県大会が駅前で起こった乱射事件の影響で中止。
SPZクライマックスを制したセイウン草薙だが、地方興行で取りこぼすことが多くなってきた。
9月シリーズは初戦の岡山大会でハルカに蹴り倒され、第4戦の高知大会ではフォルトゥナに絞められタップ。力にかげりが出てきているのか。それとも地方のノンタイトル戦では無理をしない方針に変えたのか。
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最終戦はさいたまドーム大会。
第1試合は新人同士の対戦。玄海恵理がヘッドバットでNOTORIをなぎ倒してプロ初勝利を収めた。
第2試合は神田幸子VS加賀美明日香。若手同士の対戦は積極的にボディスラムを連発した神田が優位に立ち、最後はヘッドバットでなぎ倒して勝利。前の試合と同じ終わり方だ。勝負タイム14分20秒。
第3試合はアプリコットつばさVSフェアリー三井寺。アプリコットつばさが動き勝ち、最後は得意のシューティングスタープレスで3カウント奪取。
第4試合は北条咲VS相羽和希。上原もREIKOも引退したので、次のVIP昇格枠はこの2人が軸になるとみて間違いない。入社3年目の北条、動きにもだいぶ自信が出てきて、先輩宛に物怖じしないファイト。
「はあっ」
北条咲、右腕を思い切り振りぬいてのラリアット。これは何とか返した相羽だが、ブレーンバスター、ニーアタックと畳み掛けられてフォールを返せなかった。勝負タイム13分16秒。
「このくらい当然です」
横たわる相羽を一瞥した後、北条は悠然と引き揚げた。その試合が終わると休憩。
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休憩明け第5試合はSPZ前王者・フォルトゥナ紫月が登場し、セモポヌメと対戦。いきなりエルボーの撃ち合いで場内盛り上がる。セモポヌメ、頭突きでひるませてフロントスープレックス、アームホイップの攻め。そのあともラリアットやバックドロップでフォルトゥナを追い込む。
が、パイルドライバーを食らってこれ以上受けられないと判断したフォルトゥナがすっと体制を入れ替え変形のドラゴンスリーパー(デスクロノグラフ)に捕えた。たまらずセモポヌメはギブアップ。勝負タイム24分53秒の熱戦だった。
セミはハルカVS中森あずみ。せっかくVIPに再昇格した中森だが、ここまでセモポヌメに1勝しただけの1勝5敗でここまできている。この日もハルカの蹴りにタジタジ。ドラゴンスリーパーで反撃したが、ロープに逃げられ、最後はハルカの長身を生かしたDDTを食らって終了。ハルカは6勝1敗でシリーズを終えた。
メインはSPZ戦、王者ペガサス藤原、初防衛戦の相手はSPZクライマックス覇者、セイウン草薙。まず王者防衛の可能性は低いとみられていた。なにしろ修羅場をかいくぐってきた経験が全然違う。
「はっ!」
セイウン草薙、ノーザンで叩きつけて怯んだところをアキレス腱固め、そして動けなくなったところへパワーボム。これであっさりとカウント3が入った。ペガサス藤原、存在感を発揮できず完敗。
勝負タイム20分19秒。セイウン草薙がSPZ新王者に返り咲いた。彼女はこれで6度目のベルト戴冠である。
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