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2013年1月 7日 (月)

第 1,439.5回 もう何も怖くない(中2)

「もういい加減疲れた」

「まあまあまあまあ」

SPZ60期、ハルカ、横浜戸塚郊外の彼氏宅でポカリスエットを飲んでいた。巡業中は練習や試合で水分不足が続くので、意識して巡業後数日間は水分を多くとるようにしている。

「でも、ハルカさんは…・強いよ」

 「えっ」

「結果において、7年間ハードな仕事をやってきたんだから。弱音は…いくら吐いてもいいけど、やっぱり仕事は・・・・結果だからねえ」

 「・・・・・っ、そんなんじゃないです」

「・・・・・」

 「ここまでやってこれたのは・・・・何度も心が折れかけたけど・・・・運が良かっただけ、あとは・・・・お金が欲しかっただけ」

「お金は大事な動機だよ、どうやったって生きているのにコストがかかるんだから」

 「でも、あーもーこんな仕事辞めたい、退職届叩きつけたい・・・・です」

「ハルカさん」

 「・・・うん」

「あなたの身体の痛みがどんあものなのか、私にはわからないけど・・・・本当しんどいんだったら・・・辞めちゃっていいと思うよ。」

 「貴明さん・・・・」

「私はあなたの『パートナー』だから。」

 「でも、まだ先輩が3人もいて・・・・・まだ私の順番じゃ」

「まあまあまあまあ。そこはもっともらしい言い訳の手を考えるんだ。自慢じゃないが私は30人の退職申し出者面接表を書いたからな。まあ一番多いのが『他にやりたいことができました、お勉強したいんです』って言ってくるパターンだね」

そして夕方。

二人はデリバリーピザを食べながら、引退・退職の話の持っていき方について話し合った。

「まあ、もうしばらくは、俺のパートナーでいてくれよ。二人でいればさ、つらいことは半分に、喜びは倍になるよ」

 「貴明さん」

「ん?」

 「もうしばらく、じゃなくて・・・その・・・・できれば、ずっと・・・・・

「そう言って貰えると・・・まーそのなんだ・・・嬉しい」

二人の距離が縮まる。

顔が近づく。

唇を合わせた。

「んっ・・・・・・んっ・・・・んっ」

最近はハルカも深いキスに慣れてきた。

加藤貴明は視線をハルカにぶつける。

今回はハルカも拒絶しなかった。

「シャワー浴びる?」
「ん」

ハルカがシャワーを浴びる間、加藤は布団を敷いた。
ほどなく、
裸身にバスタオルを巻いたハルカが出てきた。

ちょっと広い肩幅、鍛え上げられて筋肉の付いた身体。
加藤貴明はハルカを軽く抱きしめた。

「肩とか、まだちょっと赤いね」

 「ま、それは・・・・仕事で」
「わかってるよ」
加藤貴明、ハルカの肌に点在する赤さの残る部分へ、優しく唇を這わせた。
そしてハルカの身体を布団に横たえる。

「・・・はっ・・・・・」

(二人の、思い出の夜となった)

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