第1,453回 SPZ新たな闘いの始まり
67年目10月
SPZ本社総務経理オフィスの奥にあるガラス張りの社長室。黒田前社長が荷物を段ボールに詰めて移動。新しい席は経理部長の隣である。
「んじゃ、杉浦さん、明日からここの部屋は君が使ってくれ」
「・・・はい」
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SPZは人事異動を10月1日付で発令した。
(新役職) (旧役職)
杉浦美月 代表取締役社長 広報部テレビ解説担当課長
黒田宏 取締役財務経理担当 代表取締役社長
奥森豊 取締役巡業部長 巡業部長
山本和男 営業統括部長 巡業部レフェリー
上原清香 巡業部監察担当課長 営業部SPZミュージアム館長
10月1日、杉浦美月新社長(36)が新体制について記者会見。
「黒田は財務と経理、そして入院中のハルカ選手に関する事項を担当します。私と上原で選手のコンディションをチェックし、現場をコントロールします。また、興行戦略的な部分に関しては山本が担当します。」
続いて発表された10月シリーズのカードで記者団は沸きかえった。マッチメイクは杉浦と上原、そして山本和男が会議で決めるようになった。
「8試合ともシングルマッチというのは育成すべき選手ならともかく、完成された技を持つ選手にとっては負担なので、タッグマッチを復活します」
10月シリーズ初戦、沖縄大会でタッグマッチが16年ぶりに復活。第3試合で北条咲、NOTORI組VSヴェゲラアカ・ウトン、マスクド・ミスティック組。
―カットプレイの練習は道場で特訓した・・・
だが、このメンツでは格上の北条がラリアットでさくっとミスティックを仕留めて12分57秒勝利。
とはいえまだタッグマッチの練習を始めたばかりなので、興行の盛り上がりを考えてメインイベントは実力者同士のシングルマッチを組むようにした。この路線変更は驚きもあったが、最近のSPZは痛々しくて楽しめないという意見も少なからずあったので、賛否両論あったがおおむね好意的に受け入れられた。
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そして最終戦は新日本ドーム大会。
「Welcome to SPZ」
タキシード姿のセブン山本レフェリーがリングに上がり、第1試合開始前のMC。要するにレフェリーだけでなく営業戦略の部分も兼務するようになったからMCも担当。今までにはなかった試みだ。
「今日はメインイベントでセイウン草薙VS北条咲の一戦がある。正直言ってセイウン草薙の天下が長く続きすぎて営業的に困るんだよ(場内笑い)まあ今日はメインは自分が裁くから、高速カウント入れてやるさ」
場内爆笑。
SPZの新たな闘いが始まった。
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